(更新日:2026/09/04)
このページでは、ミネルバクリニックのインペリアルプラン の単一遺伝子疾患スクリーニングで対象となる155遺伝子・202疾患 を、疾患ごとの原因遺伝子・発生頻度・主な特徴とともに一覧でご紹介します。各疾患名・遺伝子名をクリックすると、それぞれの詳しい解説ページをご覧いただけます。
de novo変異(新生突然変異)と単一遺伝子疾患について
単一遺伝子疾患 とは、たった1つの遺伝子の変異によって発症する疾患群です。ここで扱うのは、そのうち優性(ドミナント) に発症し、多くがde novo変異(新生突然変異) を原因とするものです。
de novo変異とは、ご両親の遺伝子には存在せず、その赤ちゃんに初めて現れる遺伝子の変化のことです。精子や卵子がつくられる過程で偶然生じるため、家族歴がなくても発症しうる のが特徴です。とくに精子は生涯にわたってつくられ続けるため、父親の加齢とともにde novo変異が蓄積し、こうした疾患のリスクが高まる ことが知られています。
以下では、対象となる202疾患を臨床的な特徴ごとに6つのグループに分けて掲載しています(骨系統疾患32/頭蓋骨縫合早期癒合症23/てんかん性脳症・発作性疾患28/神経発達・知的障害症候群104/ヌーナン症候群・RAS病22/結合組織・骨格・その他9)。なお、各疾患には亜型を含むため表内の掲載件数の合計は218件となります。
155遺伝子202疾患 一覧(臨床カテゴリ別)
骨系統疾患 (32疾患)
軟骨・骨の形成に関わる遺伝子の変異で生じる、低身長や骨変形、骨脆弱性などを特徴とする疾患群です。
疾患名
原因遺伝子
発生頻度
主な特徴
軟骨無形成症2型/低軟骨形成症
COL2A1
約1/40,000
重度の四肢短縮性小人症。小さな胸郭と突出した腹部、椎体の骨化不全を伴い、多くは周産期に致死的。
軟骨無形成症
FGFR3
約1/15,000〜40,000
最も多い四肢短縮型小人症。低身長、前額突出と中顔面低形成、腰椎前弯、三尖手。知的発達は正常。
先端骨異形成症1型
PRKAR1A
極めて稀
低身長、重度の短指症、顔面骨異形成、鼻低形成。骨年齢促進や肥満、複数ホルモン抵抗性を伴うことがある。
骨無形成症1型
FLNB
極めて稀
致死性軟骨異形成症。上腕骨・大腿骨遠位の低形成、中胸椎の低形成を伴う。
骨無形成症3型
FLNB
極めて稀
骨無形成症の一型。四肢長管骨の低形成・変形を特徴とする。
ブーメラン骨異形成症
FLNB
極めて稀
周産期致死性の骨軟骨異形成症。四肢骨と椎骨の欠損または骨化不良を特徴とする。
カンポメリック骨異形成症
SOX9
約1/200,000
長管骨の彎曲(特に下肢)、肩甲骨低形成、狭い腸骨。性分化異常の合併が多く、胸郭が小さく呼吸不全で致死的なことが多い。
鎖骨頭蓋異形成症
RUNX2
約1/1,000,000
頭蓋縫合の閉鎖遅延、鎖骨の低形成・無形成(肩を胸前で合わせられる)、恥骨結合の開大、歯の異常。知的発達は正常。
多発性骨端異形成症1型
COMP
稀
低身長と早発性の変形性関節症を特徴とする骨端異形成症。
多発性骨端異形成症2型
COL9A2
稀
関節痛・こわばり、軽度低身長、変性性関節疾患。小児期発症。
多発性骨端異形成症3型
COL9A3
稀
早発性低身長、動揺性歩行、膝などの関節のこわばり・痛み。ミオパチーを伴うことがある。
進行性骨化性線維異形成症(FOP)
ACVR1
約1/2,000,000
骨格筋・腱・靱帯の進行性骨化。出生時に母趾の異常。生涯にわたり予測不能な骨化が進行し、多くは車椅子生活に。
軟骨低形成症
FGFR3
約1/15,000〜40,000
四肢短縮型の低身長、腰椎前弯、短く幅広い骨。軟骨無形成症に似るが軽症。
ラーセン症候群
FLNB
約1/100,000
大関節の脱臼(股・膝・肘)と特徴的顔貌。内反足、へら状の指、脊椎異常、難聴。
上顎低形成を伴う骨幹端異形成症
RUNX2
極めて稀
長管骨の骨幹端開大、鎖骨内側の肥大、上顎低形成、様々な短指症、歯の形成不全。
骨形成不全症1型
COL1A1
約1/10,000〜15,000
青色強膜を伴う軽症型の骨形成不全症。骨脆弱性、易骨折性、難聴を伴うことがある。
骨形成不全症2型
COL1A1 / COL1A2
約1/15,000〜20,000
周産期致死型の最重症型。新生児期に致命的となることが多い。
骨形成不全症3型
COL1A1 / COL1A2
約1/15,000〜20,000
進行性変形型。重度の骨変形と低身長、多発骨折を来す。
骨形成不全症4型
COL1A1 / COL1A2
約1/15,000〜20,000
中等症型。軽度〜中等度の骨脆弱性を示す。
骨形成不全症5型
IFITM5
稀
骨形成不全症の一型。過形成性の仮骨形成や前腕骨間膜の石灰化を特徴とする。
扁平椎骨格異形成症(トーランス型)
COL2A1
稀
扁平椎、前方でカップ状の短肋骨、腸骨下部の低形成、管状骨の短縮。多くは周産期に致死的。
偽性軟骨無形成症
COMP
稀
不均衡型低身長、下肢の変形、短指症、関節弛緩。椎体異常は加齢で改善するが変形性関節症が進行。
SADDAN異形成症
FGFR3
極めて稀
重度軟骨無形成に発達遅滞と黒色表皮腫を伴う。下肢の逆彎、羊角状の鎖骨。約半数が生後4週までに呼吸不全で死亡。
脊椎骨端異形成症先天型(SEDC)
COL2A1
約1/100,000
不均衡型(短躯幹)低身長、椎体の扁平化、骨端異常。近視・網膜剥離、口蓋裂を伴うことがある。
スティックラー症候群1型
COL2A1
約1/7,500〜9,000
進行性の強度近視、若年からの網膜剥離リスク、感音難聴、口蓋裂、平坦な顔貌、早発性変形性関節症。
スティックラー症候群2型
COL11A1
約1/7,500〜9,000
スティックラー症候群の一型。強度近視・網膜剥離、難聴、口蓋裂、関節症状。
スティックラー症候群1型(非症候性眼型)
COL2A1
稀
眼症状を主とする非症候性のスティックラー症候群1型。強度近視と網膜剥離のリスク。
骨形成不全症・エーラス・ダンロス症候群合併1型
COL1A1
極めて稀
骨形成不全症(脆い骨、易骨折、青色強膜)とエーラス・ダンロス症候群(関節過可動、伸展性皮膚)の合併。
クニースト骨異形成症
COL2A1
稀
短躯幹の低身長、小さな骨盤、四肢短縮。脊柱彎曲、大きな関節と早発性関節症、平坦な中顔面、口蓋裂、視覚・聴覚障害。
致死性骨異形成症1型
FGFR3
約1/20,000〜50,000
致死性の四肢短縮型小人症。彎曲した短い大腿骨、狭い胸郭による呼吸不全。多くは周産期に死亡。
致死性骨異形成症2型
FGFR3
約1/20,000〜50,000
致死性骨異形成症。直線的で比較的長い大腿骨と重度のクローバー葉状頭蓋を伴う。
毛髪鼻指節症候群1型(TRPS1)
TRPS1
稀
頭髪疎、球状の鼻尖、長く平坦な人中、薄い上唇、突出した耳。指節の円錐状骨端、股関節奇形、低身長。
頭蓋骨縫合早期癒合症 (23疾患)
頭蓋骨の縫合が通常より早く癒合することで頭蓋・顔面の形態異常を来す疾患群です。
てんかん性脳症・発作性疾患 (28疾患)
乳幼児期に難治性のてんかん発作で発症し、発達に大きく影響する疾患群と、発作性の運動・神経症状を示す疾患群です。
神経発達・知的障害症候群 (104疾患)
知的障害・発達遅滞・自閉スペクトラム症などを中核症状とする、神経発達に関わる疾患群です。
疾患名
原因遺伝子
発生頻度
主な特徴
アラジール症候群1型
JAG1
約1/30,000〜70,000
肝内胆管低形成による胆汁うっ滞、肺動脈系の心疾患、眼の後部胎生環、特徴的顔貌、蝶形椎。
アラジール症候群2型
NOTCH2
稀
アラジール症候群の一型。肝・心・眼・顔・骨格に多系統の症状。
アレキサンダー病
GFAP
極めて稀
乳児型はけいれん、大頭症、発達遅滞、痙縮。進行性で前頭優位の大脳白質異常を示す。
Au-Kline症候群
HNRNPK
極めて稀
筋緊張低下、全般的発達遅滞、特徴的顔貌(長い眼瞼裂、眼瞼下垂)、先天性心疾患、骨格異常。
コフィン・シリス症候群1型
ARID1B
稀
知的障害、粗な顔貌、多毛、頭髪疎、第5指趾の爪低形成または欠損が特徴。
コフィン・シリス症候群2型
ARID1A
稀
コフィン・シリス症候群の一型。知的障害と第5指趾爪の異常を伴う。
コフィン・シリス症候群3型
SMARCB1
稀
コフィン・シリス症候群の一型。知的障害と特徴的所見を示す。
コフィン・シリス症候群4型
SMARCA4
稀
コフィン・シリス症候群の一型。知的障害と特徴的所見を示す。
コフィン・シリス症候群5型
SMARCE1
稀
コフィン・シリス症候群の一型。知的障害と特徴的所見を示す。
ヘルスモーテル・ファンデルアー症候群
ADNP
稀
知的・運動発達遅滞、自閉スペクトラム症、顔貌異形成、筋緊張低下、先天性心疾患、消化器症状。
ベインブリッジ・ローパース症候群
ASXL3
極めて稀
精神運動発達遅滞、重度知的障害と発話の乏しさ、筋緊張低下、哺乳困難、成長不良、顔貌異形成。
バライサー・ウィンター症候群1型
ACTB
極めて稀
両眼隔離、大きな鼻尖を伴う広い鼻、先天性眼瞼下垂、虹彩・網膜コロボーマ、感音難聴、大脳皮質形成異常。
バライサー・ウィンター症候群2型
ACTG1
極めて稀
バライサー・ウィンター症候群の一型。顔貌異形成と大脳皮質形成異常を伴う。
ジストニア難聴症候群1型
ACTB
極めて稀
出生時〜幼少期に始まる難聴と、後年に進行する筋硬直・不随意運動。顔・咽頭に強く現れ嚥下・発話に影響。
眼瞼裂狭小・知的障害症候群
SMARCA2
極めて稀
眼瞼裂狭小を伴う特徴的顔貌と全般的発達遅滞。歩行不能や発話欠如を示すことがある。
ボーリング・オピッツ症候群
ASXL1
極めて稀
重度子宮内発育遅延、哺乳不良、重度知的障害、三角頭蓋、眼球突出、顔面の火炎状母斑、肘・手首の屈曲。
ボッシュ・ボーンストラ・シャーフ視神経萎縮症候群
NR2F1
極めて稀
発達遅滞、中等度知的障害、視神経萎縮。大脳性視覚障害を伴うことが多い。
心・顔面・指趾異常を伴う発達遅滞症候群
TRAF7
極めて稀
多系統の発達障害で、心疾患・指趾異常・顔貌異形成を伴う。けいれんや眼・耳の異常を示すことがある。
認知・行動異常を伴う小脳機能障害
CAMTA1
極めて稀
乳幼児期発症の全般的発達遅滞、軽度知的障害、自閉症や強迫症状。失調・振戦などの小脳症状が目立つ。
チャージ症候群(CHARGE症候群)
CHD7
約1/8,500〜12,000
後鼻孔閉鎖、心・内耳・網膜の奇形など複数の先天異常のパターンを示す。
CHILD症候群
NSDHL
極めて稀
X連鎖優性。片側性の魚鱗癬様紅皮症と四肢欠損を特徴とし、男児では致死的。
点状軟骨異形成症(コンラーディ・ヒューナーマン症候群)
EBP
極めて稀
点状の骨石灰化、四肢短縮、Blaschko線に沿う一過性魚鱗癬、斑状脱毛、白内障、中顔面低形成。ほぼ女児に発症。
コフィン・ローリー症候群
RPS6KA3
稀
X連鎖性。骨格奇形、成長遅延、難聴、発作性運動障害、認知障害を男児に認める。
四肢・顔面の先天性拘縮、筋緊張低下、発達遅滞症候群
NALCN
極めて稀
四肢・顔面の先天性拘縮による特徴的顔貌、筋緊張低下、様々な程度の発達遅滞。全例が新生突然変異。
コルネリア・デランゲ症候群1型
NIPBL
約1/10,000〜30,000
特徴的顔貌(低い前額生え際、弓状眉毛、癒合眉)、出生前後の成長遅延、知的障害、上肢奇形。
コルネリア・デランゲ症候群2型
SMC1A
稀
コルネリア・デランゲ症候群の一型(X連鎖・軽度型)。学習障害や行動異常が主体となることが多い。
コルネリア・デランゲ症候群3型
SMC3
稀
コルネリア・デランゲ症候群の軽度型。四肢欠損は軽微で、知的障害も軽度〜境界域。
コルネリア・デランゲ症候群4型
RAD21
稀
コルネリア・デランゲ症候群の軽度〜中等度型。成長遅滞、軽度知的障害。
コルネリア・デランゲ症候群5型
HDAC8
稀
X連鎖性、主に男児発症。中等度知的障害、特徴的顔貌、成長遅滞、消化器症状。
複雑型皮質異形成・脳奇形5型
TUBB2A
極めて稀
神経細胞遊走異常と軸索誘導障害。軽度〜重度の知的障害、斜視、体幹筋緊張低下、痙縮、皮質形成異常。
複雑型皮質異形成・脳奇形6型
TUBB
極めて稀
複雑型皮質異形成の一型。多小脳回や脳梁菲薄化などの皮質発達異常を示す。
CAPOS症候群
ATP1A3
極めて稀
発熱で誘発される反復性の運動失調発作。小脳失調、無反射、凹足、視神経萎縮、感音難聴。
発達遅滞・筋緊張低下・筋骨格異常・行動異常症候群
SRCAP
極めて稀
早期発症の発達遅滞、筋緊張低下、筋骨格異常、行動異常。非特異的な顔貌異形成を伴う。
ディアス・ローガン症候群
BCL11A
極めて稀
精神運動発達遅滞、知的障害、小頭症などの顔貌異形成、無症候性の胎児ヘモグロビン持続。
フローティング・ハーバー症候群
SRCAP
稀
均衡型低身長、骨年齢遅延、発話発達遅延、特徴的な三角形の顔貌(深い眼窩、球状鼻、薄い唇)。
フォンテーヌ早老症症候群
SLC25A24
極めて稀
出生前後の成長遅延、皮下脂肪減少、頭髪疎、三角顔、大泉門開大、鼻梁の広がり、小顎。早期死亡が多い。
GAND症候群
GATAD2B
極めて稀
乳児期からの全般的発達遅滞、中〜重度知的障害、発話獲得不良、筋緊張低下。大頭症、前額突出などの顔貌。
陰部膝蓋骨症候群
KAT6B
極めて稀
小頭症、重度精神運動遅滞、粗な顔貌、下肢の屈曲拘縮、膝蓋骨の異常・欠損、泌尿生殖器の異常。
グラス症候群
SATB2
極めて稀
様々な程度の知的障害と顔貌異形成(小顎、口蓋裂、歯の密生)。けいれん、関節弛緩、機嫌のよい気質。
ハイデュ・チェニー症候群
NOTCH2
極めて稀
低身長、粗で異形成の顔貌、長管骨の彎曲、椎骨異常。進行性の局所的骨破壊(先端骨溶解)と骨粗鬆症。
ハッチンソン・ギルフォード早老症症候群
LMNA
約1/4,000,000〜8,000,000
早老症。生後1年頃から急速な老化、脱毛、皮膚硬化、関節可動制限、低身長。動脈硬化により10代で死亡が多い。知的発達は正常。
高IgE症候群1型(反復感染を伴う)
STAT3
稀
慢性湿疹、反復性ブドウ球菌感染、血清IgE上昇、好酸球増多。粗な顔貌、歯の異常、関節過伸展、骨折を伴うことがある。
知的障害・特徴的顔貌・心欠損症候群
MED13L
稀
精神運動発達遅滞、発話獲得不良、特徴的顔貌(前額突出、球状鼻尖、大きな口)。心奇形の合併は様々。
知的障害・小頭症・橋小脳低形成症候群
CASK
稀
X連鎖性。重度知的障害と様々な程度の橋小脳低形成。重度小頭症、精神運動発達不良、体軸筋緊張低下。
自閉症・大頭症を伴う知的障害
CHD8
稀
知的障害、高率の自閉スペクトラム症、大頭症。高身長、消化器症状、睡眠・注意の問題を伴う。
言語障害を伴う知的障害
FOXP1
稀
全般的発達遅滞と、特に表出言語を強く障害する中〜重度の発話遅延。構音障害、顔貌異形成。全例が新生突然変異。
常染色体優性知的障害5型
SYNGAP1
稀
常染色体優性の神経発達障害。精神運動発達遅滞と様々な程度の知的障害。
常染色体優性知的障害6型
GRIN2B
稀
常染色体優性知的障害。けいれんを伴う/伴わない精神運動発達遅滞。
常染色体優性知的障害7型
DYRK1A
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
常染色体優性知的障害13型
DYNC1H1
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
常染色体優性知的障害21型
CTCF
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
常染色体優性知的障害23型
SETD5
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
常染色体優性知的障害29型
SETBP1
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
常染色体優性知的障害41型
TBL1XR1
稀
常染色体優性知的障害の一型。精神運動発達遅滞と知的障害。
ハウゲ・ヤンセンス症候群1型
PPP2R5D
稀
全般的発達遅滞、筋緊張低下、様々な程度の知的障害、発話不良、顔貌異形成。大頭症やけいれんを伴うことがある。
ハウゲ・ヤンセンス症候群2型
PPP2R1A
稀
ハウゲ・ヤンセンス症候群の一型。発達遅滞、知的障害、顔貌異形成。
カブキ症候群1型
KMT2D
約1/32,000
歌舞伎役者の隈取様の長い眼瞼裂、幅広く低い鼻尖、大きな耳、口蓋裂、低身長、知的障害、反復性中耳炎。
KBG症候群
ANKRD11
稀
上顎中切歯の巨大歯、特徴的顔貌、低身長、骨格異常、全般的発達遅滞・けいれん・知的障害。
クリーフストラ症候群1型
EHMT1
稀
重度知的障害、筋緊張低下、短頭・小頭、てんかん、平坦な顔貌と両眼隔離、鯉様の口、心奇形。
コーレン・デフリース症候群
KANSL1
稀
中〜重度知的障害、筋緊張低下、友好的気質、特徴的顔貌(広い前額、球状鼻尖、大きな耳)。心・泌尿生殖器異常。
低髄鞘化白質ジストロフィー6型
TUBB4A
極めて稀
乳幼児期発症の運動発達遅滞と歩行不安定。ジストニア等の錐体外路症状、進行性痙性四肢麻痺、失調。
滑脳症3型
TUBA1A
極めて稀
滑脳症。脳表が平滑で脳回・脳溝が乏しい。皮質の肥厚と層構造異常を伴う。
ルスカン・ルミッシュ症候群
SETD2
極めて稀
大頭症、知的障害、発話遅延、社会性低下、行動の問題。生後の過成長、肥満、けいれんを伴うことがある。
常染色体優性知的障害70型
SETD2
極めて稀
軽度の全般的発達遅滞、中等度知的障害、発話困難、行動の問題。筋緊張低下や顔貌異形成を伴うことがある。
マーシャル・スミス症候群
NFIX
極めて稀
骨成熟の促進、相対的な成長不良、呼吸障害、知的障害、特徴的顔貌(前額突出、浅い眼窩、青色強膜)。
マラン症候群
NFIX
極めて稀
高身長、急速な成長、骨成熟促進、大頭症、特徴的顔貌。加齢とともにマルファン様の体型。知的障害と行動の問題。
大脳症・多小脳回・多指・水頭症症候群1型
PIK3R2
極めて稀
大脳症、水頭症、多小脳回。多指を伴うことがある。
大脳症・多小脳回・多指・水頭症症候群2型
AKT3
極めて稀
MPPHの一型。大脳症・多小脳回・水頭症を特徴とする。
メンケ・ヘネカム症候群1型
CREBBP
極めて稀
様々な程度の知的障害と顔貌異形成。哺乳困難、自閉的行動、反復性上気道感染、難聴、低身長、小頭症。
メンケ・ヘネカム症候群2型
EP300
極めて稀
メンケ・ヘネカム症候群の一型。知的障害と顔貌異形成を伴う。
モワット・ウィルソン症候群
ZEB2
約1/50,000〜70,000
知的障害、運動発達遅滞、てんかん、神経堤症(ヒルシュスプルング病など)を示唆する多彩な所見。
先天性筋ジストロフィー(LMNA関連)
LMNA
稀
先天性筋ジストロフィーの一型。出生時〜生後数か月で筋緊張低下、筋力低下、関節拘縮を呈する。
マイア症候群
SMAD4
極めて稀
知的障害、顔貌異形成、低身長・四角い体型・幅広い肋骨などの骨格異常、心血管欠損。手術後の著明な線維増殖反応。
NESCAV症候群
KIF1A
極めて稀
乳幼児期発症の神経変性。全般的発達遅滞、進行性痙縮による歩行障害、知的障害、視覚障害、末梢神経障害。
常染色体優性痙性対麻痺30型
KIF1A
稀
小児期〜思春期に始まる下肢の痙性と筋力低下。進行性の痙性歩行と下肢反射亢進。軽度の学習・行動障害を伴うことも。
脳内鉄沈着を伴う神経変性症5型
WDR45
極めて稀
X連鎖性。幼少期はほぼ静的な発達遅滞。若年成人期に進行性ジストニア、パーキンソニズム、認知症。淡蒼球・黒質に鉄沈着。
筋緊張低下・常同手運動・言語障害を伴う神経発達障害
MEF2C
極めて稀
全般的発達遅滞、筋緊張低下、歩行制限、発話欠如、行動異常。レット症候群様の手の常同運動。多くでけいれん。
不随意運動を伴う神経発達障害
GNAO1
極めて稀
精神運動発達遅滞と乳幼児期発症の運動亢進性不随意運動(舞踏運動、アテトーゼ)。座位・歩行・発話・摂食が困難なことも。
新生児呼吸不全・筋緊張低下・哺乳困難を伴う神経発達障害
PURA
極めて稀
出生時の重度筋緊張低下と呼吸・哺乳障害。全般的発達遅滞で歩行・発話に至らないことが多い。けいれんを伴うことも。
脳・眼・心の異常を伴う/伴わない神経発達障害
RERE
極めて稀
乳児期発症の発達遅滞、知的障害、自閉スペクトラム症などの行動障害。約半数で眼・心・泌尿生殖器の異常。
過運動・てんかんを伴う神経発達障害
GRIN1
極めて稀
重度発達遅滞、発話欠如を伴う重度知的障害、筋緊張低下、運動亢進性運動障害。皮質盲やけいれんを伴うことがある。
痙性両麻痺・視覚障害を伴う神経発達障害
CTNNB1
稀
全般的発達遅滞、知的障害、体軸筋緊張低下、小頭症を伴う顔貌異形成。視覚異常、下肢優位の痙縮、行動異常。
ニコライデス・バライサー症候群
SMARCA2
極めて稀
重度知的障害、早期発症のけいれん、低身長、顔貌異形成、頭髪疎。
オピッツGBBB症候群2型/テービ両眼隔離症症候群1型
SPECC1L
稀
両眼隔離、前額突出、広く低い鼻梁と短い鼻、厚い眉毛。手の軽度合指、心奇形、口唇口蓋裂を伴うことがある。
脳室周囲結節性異所性灰白質1型
FLNA
稀
一部の神経細胞が正常に移動せず脳室周囲に結節を形成。主に女性に発症し、多くでけいれんを来すが知能は正常のことが多い。
過成長症候群・脳奇形(PIK3CA関連)
PIK3CA
稀
PIK3CA関連疾患。分節性・局所性の過成長を中核とし、脳・四肢・体幹・顔面に非対称性に及ぶ。血管奇形を伴うことも。
フェラン・マクダーミド症候群
SHANK3
稀
新生児期の筋緊張低下、全般的発達遅滞、発話の重度遅延・欠如、自閉的行動、軽微な顔貌異形成。
ピアポント症候群
TBL1XR1
極めて稀
学習障害を伴う多発奇形症候群。特徴的な顔貌(特に笑顔時)、足底の脂肪パッド、四肢の異常。
ピット・ホプキンス症候群
TCF4
稀
知的障害、大きな口と特徴的顔貌、間欠的な過換気に続く無呼吸。
孔脳症1型/脳小血管病1型
COL4A1
稀
血管基底膜の破綻による脳小血管病。胎児期からの脳出血、片麻痺、けいれん、眼の異常。孔脳症の画像所見。
プリムローズ症候群
ZBTB20
極めて稀
特徴的顔貌、大頭症、知的障害、外耳の拡大・石灰化、体毛疎、遠位筋の萎縮。
レット症候群
MECP2
約1/10,000〜15,000(女児)
ほぼ女児に発症。6〜18か月で発達が停止・退行、発話消失、手の常同運動、小頭症、けいれん、知的障害。
レット症候群先天型
FOXG1
稀
古典的レット症候群の特徴を持ちつつ、生後数か月とより早期に発症する重症型。
ルビンシュタイン・テイビ症候群1型
CREBBP
約1/100,000〜125,000
知的障害、生後の成長不良、小頭症、幅広い母指・母趾、特徴的顔貌(弓状眉毛、鉤鼻)。腫瘍リスクの上昇。
ルビンシュタイン・テイビ症候群2型
EP300
稀
ルビンシュタイン・テイビ症候群の一型。知的障害、幅広い母指・母趾、特徴的顔貌。
SBBYSS症候群(セイ・バーバー・ビーゼッカー・ヤング・シンプソン症候群)
KAT6B
極めて稀
重度眼瞼裂狭小、仮面様の無表情、球状鼻尖、小さな口。乳児期の重度筋緊張低下と哺乳障害、長い母指・母趾、膝蓋骨の異常。
シンツェル・ギーディオン症候群
SETBP1
稀
重度知的障害、特徴的顔貌(中顔面後退)、骨格・泌尿生殖器・腎・心の多発奇形、腫瘍発生率の上昇。
スフールス・フーイマケルス症候群
PACS1
極めて稀
知的障害、特有の頭蓋顔面所見、様々な先天奇形。
ソトス症候群
NSD1
約1/10,000〜50,000
出生前からの過成長、骨年齢促進、大頭を伴う特徴的顔貌、脳異常やけいれん、知的障害。
下肢優位脊髄性筋萎縮症2B型
BICD2
極めて稀
子宮内発症の重症神経筋疾患。胎動減少、関節拘縮、重度筋緊張低下、筋萎縮、呼吸不全。多くが幼少期に死亡。
結節性硬化症1型
TSC1
約1/6,000〜10,000
脳・皮膚・心・腎・肺の過誤腫。てんかん、学習・行動の問題、自閉症、腎血管筋脂肪腫。
結節性硬化症2型
TSC2
約1/6,000〜10,000
TSC1型より重症で、新生児期に心横紋筋腫による心不全を来すことがある。皮膚・脳・腎の多臓器病変。
ウィーアッカー・ヴォルフ症候群(女性限定型)
ZC4H2
極めて稀
X連鎖優性、女性限定型。胎動減少による子宮内での拘縮形成、多発性関節拘縮、全般的発達遅滞、筋緊張低下。
ウィーデマン・スタイナー症候群
KMT2A
稀
肘の多毛を伴う低身長、特徴的顔貌(長いまつ毛、弓状眉毛)、軽〜中等度知的障害、行動困難、背部の多毛。
ヌーナン症候群・RAS病 (22疾患)
RAS/MAPKシグナル伝達経路の遺伝子変異により生じる一連の疾患(RAS病)で、心疾患・特徴的顔貌・低身長などを共通の特徴とします。
結合組織・骨格・その他 (9疾患)
結合組織や骨格、その他の臓器に関わる遺伝子の変異で生じる疾患群です。
赤ちゃんが単一遺伝子疾患で生まれる確率と、この検査でカバーされる範囲
ご相談でよくいただくご質問です。まず前提として、生まれてくる赤ちゃんの3〜5% に何らかの先天異常があるとされ、そのうち単一遺伝子(1つの遺伝子)の変異による疾患は、およそ新生児の1%程度 にみられると報告されています。
このページで扱っている疾患は、そのうち優性(ドミナント)に発症し、多くがde novo変異(新生突然変異)または父親由来で起こる疾患群 です。こうした疾患群の合算した発生頻度は、この検査技術のもととなった研究で約1/600(約0.17%) と報告されており、これは若い妊婦さんにおけるダウン症候群の頻度に匹敵します 。しかも家族歴がなく、従来のNIPT(染色体検査)や保因者スクリーニングでは検出できないため、事前に予測することが困難です。
この「約1/600」という数字は、もともと30遺伝子・25疾患 を対象とした研究で示されたものです。本検査は155遺伝子・202疾患 とさらに広い範囲を対象としているため、少なくともこの水準以上の頻度の疾患群をカバーしていることになります。
参考までに、本検査で対象とする疾患について報告されている発生頻度の上限を単純に合算する と、おおよそ1/250前後 という見積もりになります。まとめると、155遺伝子・202疾患版では、少なくとも1/600以上、上限見積もりで約1/250前後 をカバーしている計算です。
※この1/250前後という数値は、各疾患について報告されている頻度の上限を足し合わせた概算です。頻度の定義の違いや、同一疾患の亜型を別々に数えていることなどにより、実際のカバー率よりも大きめに出る(過大評価となる)可能性があります。確実な数値としては、実際の妊娠検体で観測された文献値「約1/600」をご参照ください。
ただし、大切な注意点があります。 この検査は、あくまで選定された155遺伝子・202疾患に対するスクリーニング です。単一遺伝子疾患は現在7,000種類以上が知られており、それらすべてを調べられるわけではありません。また、劣性遺伝の疾患や、多因子遺伝による疾患、染色体の数や構造の異常は、この検査の対象外です(染色体の異常については染色体系のNIPTが対象となります)。
「調べられる範囲を、できる限り広く」という考え方の検査ですが、陰性であってもすべての病気を否定するものではない こと、またスクリーニング検査であり確定診断ではない ことは、必ず知っておいていただきたい点です。陽性の場合は確定検査が必要となります。結果の意味は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで個別に丁寧にご説明します。
検査対象155遺伝子リスト
本検査で解析する155遺伝子です。各遺伝子名から、遺伝子ごとの解説ページをご覧いただけます。
ACTB , ACTG1 , ACTG2 , ACVR1 , ADNP , AKT3 , ANKRD11 , ARID1A , ARID1B , ASXL1 , ASXL3 , ATP1A2 , ATP1A3 , BCL11A , BICD2 , BRAF , CACNA1A , CAMTA1 , CASK , CBL , CDKL5 , CHD2 , CHD7 , CHD8 , COL11A1, COL1A1 , COL1A2 , COL2A1 , COL4A1 , COL9A2 , COL9A3 , COMP , CREBBP , CTCF , CTNNB1 , DNM1 , DYNC1H1 , DYRK1A , EBP , EFNB1 , EFTUD2 , EHMT1 , EP300 , ERF , FBN1 , FGFR1 , FGFR2 , FGFR3 , FLNA , FLNB , FOXG1 , FOXP1 , FREM1, GABRA1 , GABRB2 , GATAD2B , GFAP , GNAO1 , GRIN1 , GRIN2B , HDAC8 , HNRNPK , HNRNPU , HRAS , IFITM5 , JAG1 , KANSL1 , KAT6B , KCNB1 , KCNJ2 , KCNQ2 , KCNT1 , KIF1A , KMT2A , KMT2D , KRAS , LMNA , LZTR1 , MAP2K1 , MAP2K2 , MECP2 , MED13L , MEF2C , MSX2 , NALCN , NF1 , NF2 , NFIX , NIPBL , NOTCH2 , NR2F1 , NRAS , NSD1 , NSDHL , PACS1 , PIK3CA , PIK3R2 , PPP2R1A , PPP2R5D , PRKAR1A , PTPN11 , PURA , RAD21 , RAF1 , RERE , RIT1 , RPS6KA3 , RUNX2 , SATB2 , SCN1A , SCN2A , SCN8A , SETBP1 , SETD2 , SETD5 , SHANK3 , SHOC2 , SKI , SLC25A24 , SMAD3 , SMAD4 , SMARCA2 , SMARCA4 , SMARCB1 , SMARCE1 , SMC1A , SMC3 , SOS1 , SOS2 , SOX9 , SPECC1L , SPTAN1 , SRCAP , STAT3 , STXBP1 , SYNGAP1 , TBL1XR1 , TBX5 , TCF4 , TGFB2 , TGFBR1 , TGFBR2 , TRAF7 , TRPS1 , TSC1 , TSC2 , TUBA1A , TUBB , TUBB2A , TUBB4A , TWIST1 , WDR45 , ZBTB20 , ZC4H2 , ZEB2
よくあるご質問
赤ちゃんが単一遺伝子疾患で生まれる確率はどのくらいですか?
生まれてくる赤ちゃんの3〜5%に何らかの先天異常があるとされ、そのうち単一遺伝子(1つの遺伝子)の変異による疾患は、およそ新生児の1%程度にみられると報告されています。このページで扱う優性・de novo変異による疾患群に限ると、合算した発生頻度は約1/600(約0.17%)とされ、これは若い妊婦さんにおけるダウン症候群の頻度に匹敵します。
この検査で単一遺伝子疾患のすべてが分かりますか?
いいえ。単一遺伝子疾患は現在7,000種類以上が知られていますが、この検査で調べるのは選定された155遺伝子・202疾患です。劣性遺伝の疾患、多因子遺伝による疾患、染色体の数や構造の異常は対象外です(染色体の異常は染色体系のNIPTが対象となります)。「調べられる範囲を、できる限り広く」という考え方の検査ですが、すべての病気を網羅するものではありません。
家族に同じ病気の人がいないのに、なぜ赤ちゃんに起こるのですか?
多くがde novo変異(新生突然変異)によって起こるためです。de novo変異とは、ご両親の遺伝子には存在せず、その赤ちゃんに初めて現れる遺伝子の変化のことです。精子や卵子がつくられる過程で偶然生じるため、ご両親に変異がなくても、家族歴がなくても発症しうるのが特徴です。したがって、原則として「親のせい」ではなく、次の妊娠で必ず繰り返すものでもありません。
父親の年齢が高いと、なぜリスクが上がるのですか?
精子は生涯にわたってつくられ続けるため、細胞分裂の回数が多く、父親の加齢とともにDNAのコピーミス(de novo変異)が精子に蓄積していきます。このため、父親が高齢になるほど、de novo変異を原因とする単一遺伝子疾患のリスクが高まることが知られています。一般に35歳以上、とりわけ40歳を超えると変異が増えるとされます。
母親の年齢は関係ありますか?
ダウン症候群などの染色体の数の異常(異数性)は、主に母親の年齢と関連して増えることが知られています。一方、このページで扱うde novo変異による単一遺伝子疾患は、主に父親の年齢と関連します。つまり、母体年齢に着目する従来の染色体検査とは異なる軸のリスクであり、両方を併せて考えることが大切です。
202疾患はどんな種類の病気ですか?
臨床的な特徴ごとに大きく6つのグループに分けられます。骨系統疾患(軟骨無形成症、骨形成不全症など)、頭蓋骨縫合早期癒合症(クルーゾン症候群、アペルト症候群など)、てんかん性脳症・発作性疾患、神経発達・知的障害症候群、ヌーナン症候群・RAS病、結合組織・骨格・その他の疾患です。いずれも、お子様とご家族の生活に長く影響しうる重篤な疾患が中心です。
これらの病気は超音波(エコー)では分からないのですか?
多くの疾患は、とくに妊娠初期の超音波検査では特徴的な所見が現れにくく、指摘が難しいのが実情です。妊娠後期になって初めて所見が現れる場合や、出生後・乳幼児期になって発達の遅れなどで気づかれる場合も少なくありません。超音波では見えにくいこうした疾患を、妊娠の早い段階でスクリーニングできることが、この検査の意義のひとつです。
検査対象の遺伝子・疾患は今後増えることがありますか?
医学・遺伝学の進歩に伴い、検査対象となる遺伝子や疾患の範囲は将来的に見直される可能性があります。現時点では155遺伝子・202疾患を対象としていますが、最新の対象範囲については受検前の遺伝カウンセリングでご確認いただけます。
陰性なら赤ちゃんは健康だと考えてよいですか?
陰性は、検査対象となる155遺伝子・202疾患について、赤ちゃんにde novo変異が検出されなかったことを意味します。対象疾患のリスクが低いことを示しますが、対象外の疾患や、検査で検出できない変異の可能性を完全に否定するものではありません。この検査はスクリーニングであり、すべての病気がないことを保証するものではない点にご注意ください。
陽性となった場合はどうすればよいですか?
この検査はスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性となった場合は、確定診断のために羊水検査または絨毛検査が必要です。どのような医学的決定をされる場合でも、確定検査を受けてからご判断いただくことが大切です。ミネルバクリニックでは確定検査も院内で対応でき、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを通じて、結果の意味と次のステップを丁寧にご説明します。
※各疾患の症状・重症度には個人差があり、ここでの記載は一般的な特徴の概説です。実際の診断・解釈は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングと確定検査を併せて行います。
単一遺伝子疾患を含む包括的な検査プランについては、インペリアルプランのページ をご覧ください。
この記事の監修・執筆者:仲田 洋美
(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)
ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得 後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医 です。
出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。
ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。
また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。
出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け 、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載 されました。