目次
ヒトゲノムの構造から、遺伝情報の伝達・発現、遺伝的多様性、染色体検査法、染色体異常、性分化、発生と先天異常まで。臨床遺伝専門医が全51回で体系的に解説するシリーズの索引です。上から順に読めば、遺伝子検査やNIPTの結果を理解するための土台が一通り身につきます。
第1章 ゲノムと染色体の基礎
約2mのDNAがどのように細胞核へ収まり、染色体という形をとるのか。すべての遺伝学の出発点です。
01ヒトゲノムから染色体へ|DNAの折り畳み・クロマチン・核型2mのDNAが細胞核に収まる仕組みと、核型・染色体異常の基礎。02DNA(デオキシリボ核酸)の基本構造と機能ヌクレオチド・二重らせん・塩基対から、複製と損傷修復まで。03染色体の構造とは?|高次クロマチン構造(TAD・ループ)と遺伝性疾患3Dゲノムの破綻がどのように疾患を引き起こすのか。04ヒトゲノムとは?|約30億塩基対に刻まれた「生命の設計図」遺伝子領域と非コード領域の内訳、ゲノム全体の見取り図。
第2章 遺伝のしくみと細胞分裂
遺伝情報が次の細胞・次の世代へ伝わる経路。トリソミーが生じる「不分離」もここで理解できます。
05遺伝の仕組みとその影響|DNAから病気、最新ゲノム医療までメンデル遺伝から多因子疾患まで、遺伝の全体像を俯瞰。06細胞周期とは?|サイクリン・CDK・チェックポイントがん・遺伝性腫瘍との接点を、細胞分裂の制御から読み解く。07減数分裂とは?|組換え・不分離・異数性を図解染色体数が半分になる仕組みと、トリソミーが生じる理由。08配偶子形成と受精|精子と卵子はどうつくられるか卵子形成と精子形成の違い、そして受精までのプロセス。
第3章 遺伝子発現:DNAからタンパク質へ
セントラルドグマ、転写制御、エピジェネティクス。「配列が同じでも表現型が違う」理由がここにあります。
09遺伝子型と表現型の違いとは?ゲノム情報が形質へ翻訳される過程と、浸透率・表現度。10DNAからタンパク質へ|転写・翻訳とセントラルドグマ遺伝情報がタンパク質になるまでの全工程をやさしく。11遺伝子の構造とは?|遺伝子産物・遺伝病・最新治療までエキソン/イントロン・プロモーターと、その産物。12遺伝子の発現①|転写概論RNAポリメラーゼによる転写の基本ステップ。13遺伝子の発現②|転写因子とその調節エンハンサー・転写因子による発現制御のしくみ。14RNAプロセシングスプライシング・キャップ・ポリA付加と選択的スプライシング。15エピジェネティクス|DNAの「上」に書き込まれる第二の遺伝情報DNAメチル化・ヒストン修飾による遺伝子発現の制御。16遺伝子発現におけるアレル不均衡片方のアレルだけが強く発現する現象とインプリンティング。
第4章 ヒトの遺伝的多様性
「バリアント」とは何か。遺伝子検査の結果を読むうえで避けて通れない基本概念です。
17遺伝的多様性の正体とは?ヒト集団に存在する多様性は、どこから来るのか。18遺伝子のバリアント(variant)とは?意味・種類・「突然変異」との違いを整理。19バリアントの起源と頻度新生突然変異・多型・アレル頻度の考え方。20バリアントの種類とその影響とは?ミスセンス・ナンセンス・フレームシフトなどの帰結。
第5章 染色体を調べる:臨床細胞遺伝学と検査法
G分染法からFISH・CMA・MLPA・全ゲノムシーケンスまで。それぞれ「何が見えて、何が見えないか」が違います。
21臨床細胞遺伝学とは?|Gバンド分染法から最新ゲノム解析まで染色体と染色体異常を読み解く学問の全体像。22Gバンディング(G分染法)とは|原理・わかること・限界最も基本的な染色体検査。その分解能の限界とは。23高精度染色体分析(分染法の高分解能化)より微細な構造異常を捉えるための工夫。24FISH法とは?|原理・プローブの種類・核型検査との違い狙った領域をピンポイントで可視化する蛍光検査。25染色体マイクロアレイ(CMA)とは?|仕組み・適応・限界コピー数変化をゲノム全体で網羅的に検出する検査。26MLPA(多重ライゲーション依存性プローブ増幅法)とは?原理・派生手法と、コピー数変化検出の臨床応用。27全ゲノムシーケンス(WGS)とは?|仕組み・精度・臨床応用染色体異常を塩基レベルの解像度で捉える最新手法。
第6章 染色体異常
数的異常・構造異常・モザイク・UPD・ゲノム病。NIPTや流産の検査結果を理解する中核パートです。
28染色体異常の種類とは?|数的異常・構造異常・モザイク分類の全体像を一覧で整理。まずはここから。29染色体が1本多いとなぜ病気になるのか|遺伝子量(gene dosage)ダウン症・21トリソミー(47本)の仕組みを量の視点で。30染色体の数的異常とは|異数性・倍数性からトリソミー21まで不分離が生む「本数の異常」を体系的に。31染色体の構造異常① 総論切断と再結合が生む構造異常の全体像。32染色体の構造異常② 均衡型構造異常相互転座・ロバートソン転座・逆位と、その伝わり方。33染色体の構造異常③ 不均衡型構造異常欠失・重複・環状染色体などがもたらす帰結。34染色体異常の頻度出生児・流産・不妊のそれぞれで、どのくらい起こるのか。35片親性ダイソミー(UPD)一対の染色体が片方の親だけに由来する現象とその影響。36ゲノム病(微細欠失・重複症候群)反復配列が引き起こす非アレル相同組換えと微細欠失。37特発性染色体異常原因が特定できない染色体異常をどう考えるか。38家族性染色体異常の分離保因者からの伝達パターンと、次子への再発率。39ゲノムインプリンティング関連疾患親のどちらに由来するかで表現型が変わる疾患群。
第7章 性染色体と性分化
X・Y染色体の特殊性、X染色体不活化、そして性分化疾患(DSD)まで。
40Y染色体SRYと男性化、Y染色体微小欠失と男性不妊。41X染色体X連鎖遺伝と用量補償のしくみ。42X染色体不活化(XCI)とは?|仕組みと疾患への影響XISTの役割、偏りとターナー症候群・レット症候群との関連。43X染色体エスケープ遺伝子一覧|疾患との関連不活化を逃れる遺伝子をPAR領域・常時/変動的回避で分類。44性分化疾患(DSD)性の決定・分化がたどる経路と、その破綻。45卵巣の発達と維持卵巣分化に関わる遺伝子と、早発卵巣不全の背景。46表現型の性がかわる性分化疾患染色体の性と外性器の性が一致しないケースを解説。
第8章 神経発達・発生遺伝学と先天異常
受精卵から一人のヒトへ。その過程のどこで、どのように先天異常が生じるのか。
47神経発達障害と知的障害|染色体異常との関係・検査・支援発達障害の背景にある遺伝要因と、検査で分かること。48医学における発生生物学|発生学とは何か先天異常・再生医療・がん治療をつなぐ基礎。49形態異常学と先天異常の発生機序奇形・変形・破壊——成り立ちの違いから分類する。50胚発生の概要受精から器官形成までのタイムライン。51発生運命・特定化・決定細胞が「何になるか」を決めるしくみ。



