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父親側のNIPT

父親側のNIPT

父親精子の突然変異(デノボ)による胎児疾患をNIPTで検査

赤ちゃんの障害の原因は男性にもあります

障害のある赤ちゃんが生まれると「女性側に原因がある」といった風潮がありました。そのため、男性側が責めたり女性が罪悪感を持ったりすることが少なくありませんでした。しかし実際のところ、女性のみが原因でお子さんが障害を持つ可能性は1/3しかありません。

染色体異常はお母さん側から、微細欠失についてはお母さん・お父さんどちら側からも起こりえます。そして新生突然変異により赤ちゃんが重い疾患を持つ場合、お父さん側が原因となるケースが多くあります。
このことはすでに1970年に論文が出ていたため、遺伝子専門医の間では常識として知られていました。しかし世間一般に広まることはなく、障害を持つ赤ちゃんは女性側に原因があるという誤解だけがあったのです。

赤ちゃんの障害の原因は男性にもあります

ミネルバクリニックにNIPTを受けにきていただく患者様の中には「お父さんが高齢だから」という理由で男性も検査を受けたいという方が少なからずいらっしゃいました。ですが、男性については普通のNIPTでは検査できません。

患者様のご要望を叶えたい、障害の原因が女性だけという誤解を解きたいという想いから、ミネルバクリニックは日本で初めて、男性も受けられるNIPT検査「デノボ」の提供を実現しました。デノボには新しいという意味があり、ご両親に遺伝子変異がなくても、新生突然変異により稀に病的遺伝子になってしまうことを意味しています。

デノボ(新生突然変異)とは?

デノボ(新生突然変異)とは?

新生突然変異とは、ご両親に遺伝子や染色体の異常がないものの、親の配偶子精子卵子などの生殖細胞)ができるタイミングで起こる突然変異です。
このリスクは男性側の年齢と相関し、精子をつくる時に生じるDNAが突然変異することで引き起こされます。高齢になればなるほど配偶子(生殖細胞)がつくられるタイミングでDNAのコピーに誤りが生じる可能性が高まるためです。

25遺伝子44疾患についてはご両親に遺伝子変異がなく、赤ちゃんだけが持つ病的遺伝子により疾患発症するリスクは1/600です。ダウン症候群は平均1/1000であり、実は新生突然変異の方がリスクが高いことがわかります。

デノボで父親側の高齢がもたらすリスクを診断

デノボで父親側の高齢がもたらすリスクを診断

デノボは父親側の高齢がもたらすリスクをNIPT(新型出生前診断)によって調べる方法です。染色体異常は母親側が原因となります。しかし、精子や卵子といった生殖細胞ができるタイミングで起こる新生突然変異によって赤ちゃんが重い疾患となる場合は、男性がつくる精子に原因があることが多くあります。

デノボで父親側の高齢がもたらすリスクを診断

しかもこの突然変異は年齢と相関するという特徴を持ちます。精子は卵子よりも短期間で天文学的数字に増えるため、DNAがコピーされる時にミスが起こりやすくなります。事実、母体の年齢と関係なく、新生突然変異のリスクはダウン症候群(21トリソミー)より多い1/600です。トリソミー検査は母親のためのNIPTとするならば、デノボは父親のためのNIPTといえます。

デノボの特徴

日本初の父親側のNIPT検査

日本初の父親側のNIPT検査

ミネルバクリニックは2020年7月より、日本で初めて父親側のNIPT検査であるデノボをご提供しています。高齢出産は母親だけでなく父親も同じです。新生突然変異は父親の年齢上昇とともにリスクも増加するため、デノボにより事前にリスクを知ることができます。
※2023年06月22日時点で、父親側のNIPT検査を行っているクリニックは当院以外にございません。

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新生突然変異による赤ちゃんの遺伝性疾患を検査

新生突然変異による赤ちゃんの遺伝性疾患を検査

新型突然変異とはご両親が疾患を引き起こす原因となる病的な遺伝子変異を持っていなくても起こる可能性があります。精子や卵子などの生殖細胞をつくる段階にDNAが誤ってコピーされることで病的遺伝子になってしまったものをデノボでは検査によって調べられます。胎児のゲノムワイドな重度の遺伝学的障害を非侵襲的手法によりスクリーニングできる初めての検査です。

9週0日から検査可能
※ご希望の方は6週から検査を受けることもできます。

9週0日から検査可能

デノボは他のNIPT検査と同じように、妊娠9週0日から検査をお受けいただけます。早い段階で受検することで遺伝専門医への遺伝カウンセリングの時間を多く取ることができ、最善の選択をするためにじっくり時間を取ることができます。高齢出産、特に男性側が高齢である場合は、早めにデノボをお受けいただくことをおすすめします。
※ご希望の方は6週から検査を受けることもできます。

父親が高齢であることと相関する遺伝性疾患もスクリーニング可能

父親が高齢であることと相関する遺伝性疾患もスクリーニング可能

父親の高齢と相関する疾患は、生殖細胞である精子をつくる時に生じるDNAのコピーミスである突然変異によって引き起こされることが多いです。男性の年齢が上がるにつれてその可能性は高くなり、40歳以上の場合は注意が必要です。
いくつかの遺伝性疾患は父親の年齢の高さと強い相関性があります。デノボでは、そうした相関性の強い遺伝性疾患もスクリーニングすることが可能です。

あらゆる年齢の母親に共通するリスクも検査

あらゆる年齢の母親に共通するリスクも検査

デノボによってスクリーニングされる遺伝的状態のリスクは、母親の年齢と関係なく同じです。それぞれの疾患が発症する可能性は稀ですが、重篤な障害を引き起こす新生突然変異のリスクは600人に1人とされています。これは年齢が若い女性の場合、ダウン症候群(21トリソミー)のリスクと比べて格段に高くなっています。

他の方法では出生後までわからない可能性のある重篤な病態を早期に同定

他の方法では出生後までわからない可能性のある重篤な病態を早期に同定

デノボは従来のNIPT技術では検出できなかった遺伝性疾患を検査して特定できます。デノボにてスクリーニングされる疾患の多くは、妊娠初期などにおける出生前超音波検査の異常とは関連しません。また、妊娠中期さらには妊娠後期、出産後まで明らかにならない可能性もあります。

なぜそのようなことが起きるのか、それは疾患を引き起こす要因となる遺伝子の病的変異が両親には存在せず、従来のキャリアスクリーニングでは検出できないものであるからです。デノボは家族歴がなく、新生突然変異により起こる44種類の遺伝子疾患を早期のうちに同定できる検査です。

検査をおすすめする方

対象

妊娠9週以上のすべての妊婦さん(低リスク妊娠を含む)

検査に適している方

単胎および双胎の両方の妊娠卵子提供による妊娠
または代理妊娠を含む体外受精技術により妊娠が達成された患者様

適格性(検査を受けた方が良い方々)

  • 母親の年齢関連リスク(=35歳)
  • 母体血清スクリーニングでの陽性結果
  • 異常な超音波所見
  • 異数性を伴う妊娠歴
  • 親の転座
  • 早期の正確な検査を希望し、異数性のリスクが平均的である患者様
  • 父親の高齢(40歳以上の男性)*
  • 単一遺伝子障害を示唆する異常な超音波所見*
  • 侵襲的な診断手技を回避することを望む患者様
  • スクリーニングを受けた遺伝的状態のリスクがある患者様*

検査方法

検査方法

母親側の血液サンプルから得たセルフリー胎児DNAを分析します。そして検査対象となる選択された単一遺伝子疾患に関する病原性や可能性のある突然変異の検査スクリーニングを行います。男性側からは口腔粘膜を採取して検査します。
セフルリー胎児DNAは母体の血漿成分から精製します。次世代シークエンシング技術「NGS」を用いて、最新技術のプロセスを通して500回という高い読み取り深度により25の遺伝子を完全に配列決定します。

検査方法

そこで得られた遺伝子配列を「バイオインフォマティクス」という最新の解析法によって解析して、胎児の遺伝子に突然変異が存在しているかをチェックします。
遺伝子の専門家によって開発されたスクリーニングであり、胎児のDNAについて病原性変異と病原性変異の可能性のある変異を正しく評価します。意義不明の変異や良性変異については必要がないため報告はされません。

検査では父親の口腔粘膜採取が必要となります。ご予約いただいた時間の1時間前から絶飲食にてご準備をお願いします。女性については検査直前まで飲食に関する制限はございません。
※ご事情により旦那様が一緒にご来院できない場合はお知らせください。事前に検体採取キットをお送りすることが可能です。

検査結果について

陽性

  • 病原性/可能性病原性突然変異が検出
    検査によって1つ以上の遺伝子に1つ以上の病原性/可能性病原性突然変異が検出されたことを意味します。
  • スクリーニング結果が陽性
    赤ちゃんがスクリーニングを受けた疾患のうちの1つを有するリスクが高いことを意味します。

検査結果が陽性となった患者様は遺伝カウンセリングを実施させていただきます。また、どのような医学的決定を行うにしても、確定診断となる侵襲的診断検査を行ってからご判断されることが大切です。

検査によって検出される突然変異の予後カテゴリーについて

  • 既知の病原性:十分に確立されている症候群を引き起こす臨床関連の突然変異である。
  • おそらく病原性:臨床的に関連があると思われる。十分に確立された症候群を引き起こす可能性がある変異体である。

以下の変異体については検査で報告されません

  • 良性:既知の表現型兆候がない。健常な親から遺伝した正常な集団にて、一般的または観察されることのある変異体である。
  • 臨床的意義不明の変異体:臨床的意義を明確にするのに利用できるエビデンスが不十分である。

陰性

  • 検出された病原性/可能性のある病原性突然変異がない
    スクリーニングされた標的遺伝子において、突然変異を引き起こす疾患が検出されなかったという結果です。
  • スクリーニングの結果が陰性
    胎児が健康であることを保証するものではありませんが、スクリーニングにより疾患のリスクが非常に低いことを示します。

遺伝的変異を報告するために使用されるパラメータ

遺伝的変異を報告するために使用されるパラメータ

検体採取日に更新され「病原性が既知」および「病原性がありそう」に分離された突然変異についてのみ報告します。分析するのは次に挙げる遺伝子のみです。
ClinVar – NCBI
dbSNP – NCBI
およびその他NCBI
Human Gene Mutation Database(HGMD)

デノボでわかる遺伝子と疾患

デノボでわかる遺伝子と疾患

44の疾患は25の遺伝子の病的変異により起こり、骨格異常、先天性心疾患、先天重複奇形症候群、自閉症スペクトラム・てんかん・ 知的障害のような神経発達障害やその他の孤発性のメンデル遺伝疾患を惹起します。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

異常の出る部位 遺伝子数 特徴
骨系統疾患 4 先天的に全身の骨・軟骨に異常を来す病気の総称です。低身長、骨や関節の変形、骨が脆弱で折れやすい(抱っこするだけで折れる子もいます)などの症状が多い。骨や軟骨の成長に関係する遺伝子の変異が原因として判明しています。
病気そのものを治す治療法がありません。
頭蓋骨縫合早期癒合症 1 頭蓋骨縫合が早期に癒合した結果生じて頭蓋骨が変形します。頭蓋が大きくならないと脳が大きくなれば押しつぶされます。
その結果でいろいろな臨床症状が出ます。
頻度は2千から3千人に1人といわれています。
全身性症候性疾患 9 全身にたくさんの症状が出る重篤な疾患です
ヌーナン症候群 12 低身長、思春期遅発、心奇形、眼間開離、翼状頚、外反肘などの奇形がある先天奇形症候群です。知的障害、難聴、出血性素因、男児外性器形成障害も見られ、胎児水腫、白血病、固形腫瘍も見られることがあります。
1000-2500人に1人とされていて、多くは孤発例(新生突然変異)です。

NIPT(デノボ)で測れる骨系統疾患疾患をきたす遺伝子変異

COL2A1 軟骨形成不全
FGFR3 軟骨無形成症
FGFR3 CATSHL症候群
FGFR3 黒色表皮腫を伴うクルーゾン症候群
FGFR3 軟骨形成不全
FGFR3 ムエンケ症候群
FGFR3 致死性骨異形成1型
FGFR3 致死性骨異形成2型
COL1A1 Ehlers-Danlos syndrome, classic エーラス・ダンロス症候群古典型
COL1A1 エーラス・ダンロス症候群VIIA型
COL1A1 骨形成不全1型
COL1A1 骨形成不全2型
COL1A1 骨形成不全3型
COL1A1 骨形成不全4型
COL1A2 Eエーラス・ダンロス症候群心臓弁型
COL1A2 Eエーラス・ダンロス症候群VIIB型
COL1A2 骨形成不全2型
COL1A2 骨形成不全3型
COL1A2 骨形成不全4型

NIPT(デノボ)で測れる頭蓋骨癒合症候群をきたす遺伝子変異

FGFR2 Antley-Bexier症候群2型
FGFR2 アペルト症候群
FGFR2 クルーゾン症候群
FGFR2 ジャクソン・ワイス症候群
FGFR2 ファイファー症候群1型
FGFR2 ファイファー症候群2型
FGFR2 ファイファー症候群3型

NIPT(デノボ)で測れる全身の異常をきたす遺伝子変異

JGA1 アラジール症候群
CHD7 CHARGE症候群
HDAC8 コルネリア・デランゲ症候群5型
NIPBL コルネリア・デランゲ症候群1型
MECP2 レット症候群
NSD1 ソトス症候群
ASXL1 ボーリング・オピッツ症候群
SETBP1 Schninzel-Giedion症候群

NIPT(デノボ)で測れるヌーナン症候群をきたす遺伝子変異:1000~2000人に一人の罹患率です

BRAF 心臓顔面皮膚症候群1型
CBL 若年性骨髄単球性白血病を伴う/伴わないヌーナン症候群様疾患
KRAS ヌーナン症候群3型
MAP2K1 心臓顔面皮膚症候群3型
MAP2K2 心臓顔面皮膚症候群4型
NRAS ヌーナン症候群6型
PTPN11 若年性骨髄単球性白血病 (JMML)
RAF1 ヌーナン症候群8型
SHOC2 成長期脱毛を伴うヌーナン症候群類縁疾患
SOS1 ヌーナン症候群4型

よくあるご質問

双子やvanishing twinでも検査可能ですか
可能です。
妊娠何週から受けられますか?
9週から検査可能です。
父親は必ず同席しないといけませんか?
男性側の口腔粘膜も採取するため、当日はご両親揃って来院ください。旦那様が一緒に来られない場合は、先に検体採取キットをお送りすることも可能ですので、ご相談ください。
父親は何歳から高齢出産とみなされるのでしょうか?
大体40歳以上とされていますが、若い父親だと突然変異が起こらないというわけではありません。
男性の年齢が高齢であることが原因の疾患はどのようなものがありますか?
軟骨無形成症、Pfeiffer症候群、Crouzen症候群、Apert症候群、致死性異形成および骨形成不全症などがあります。これらの父親の高齢と相関する疾患は、典型的には精子をつくる時に生じるDNAの誤り(突然変異)によって引き起こされ、生命予後やクオリティーオブライフに重大な影響があることが特徴です。

検査費用

検査費用

※他院でNIPTを受けた患者様がこの検査のみを当院で受ける場合:単体の275,000円(税込)が適用となります。

わかりやすく動画で紹介

【お父さんのためのNIPT】遺伝子変異による疾患の原因は父親側にある?高齢父親のリスクを検査できる最先端NIPT

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら