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遺伝子ブライダルチェックパネル|保因者検査・不妊の遺伝子・84のアクショナブル遺伝子をカップルで一度に

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

遺伝子ブライダルチェックパネル|保因者検査・不妊の遺伝子・84のアクショナブル遺伝子

遺伝子ブライダルチェックパネルは、結婚前・妊娠前のカップルが、①お子さんに伝わる病気の保因者検査、②不妊に関わる遺伝子の検査、③将来の健康に備えられる84のアクショナブル遺伝子の検査を、1回の採取でまとめて受けられるセットの遺伝子検査です。感染症やホルモンを調べる一般的なブライダルチェックが「いまの体の状態」を見る検査なのに対して、このパネルは生まれ持った遺伝子を調べます。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、妊娠・出産の計画にも、ご自身の健康管理にも、ご家族の健康を考えるときにも、この先ずっと使える情報になります。このページでは、3つの検査でわかること・わからないこと、見つかったときに次にできること、費用と流れを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

3つのことが一度にわかります。①お子さんに伝わる潜性(劣性)・X連鎖の病気の保因者か(女性787遺伝子・男性714遺伝子)、②不妊に関わる遺伝子の変化(女性143遺伝子・男性181遺伝子)、③がん・心臓病などに早めに備えられる84のアクショナブル遺伝子です。

🧬 Q. ブライダルチェックや不妊検査と何が違いますか?

一般的なブライダルチェックや不妊検査は、感染症・ホルモン・子宮や精液など「いまの状態」を調べます。このパネルは一生変わらない遺伝子を調べる検査なので、それらの代わりではなく、組み合わせて使います。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

お一人495,000円、おふたりで990,000円(税込)です。3つの検査を単体で受けた合計913,000円より418,000円おトクです。結果までは3〜5週間、検体は血液・唾液・口の内側の粘膜で、唾液・粘膜ならオンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。ふたりとも同じ病気の保因者だった場合は、妊娠後の絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ふたりのこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、妊娠後の絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられます。

お問い合わせはこちら | 遺伝子ブライダルチェックの検査一覧

1. 遺伝子ブライダルチェックパネルとは:3つの遺伝子検査をひとつに

遺伝子ブライダルチェックパネルは、保因者検査・不妊の遺伝子検査・アクショナブル遺伝子の検査という、目的の違う3つの遺伝子検査を1回の検体でまとめて調べるセットです。①と②は「これから授かるお子さんと妊娠」のための検査、③は「ご自身の将来の健康」のための検査です。

🧬 このパネルに入っている3つの検査

検査 調べる遺伝子 何のための検査か
① 保因者スクリーニング 女性787遺伝子/男性714遺伝子(男性はX連鎖の遺伝子を含まない) お子さんに伝わる潜性(劣性)・X連鎖の病気の保因者かどうか
② 不妊症の遺伝子パネル 女性143遺伝子/男性181遺伝子 卵巣・精子・ホルモン・性の分化など、不妊に関わる遺伝子の変化
③ アクショナブル遺伝子 84遺伝子(米国医学遺伝学・ゲノム学会ACMGのリストSF v3.3) がん・心臓病・代謝の病気などで、早く知れば備えられるもの

このページでご案内している遺伝子検査は、すべて遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

一般的なブライダルチェックとの違い

一般的なブライダルチェックは、感染症・風疹などの抗体・子宮や卵巣の状態など「いまの体の状態」を調べる検診です。遺伝子ブライダルチェックは、生まれ持った遺伝子を調べる検査です。調べるものが違うので、どちらか一方で足りるものではありません。

🔍 ブライダルチェック・不妊検査・遺伝子ブライダルチェックの違い

検査の種類 主に調べること 結果の性質
一般的なブライダルチェック 性感染症、風疹などの抗体、子宮・卵巣の超音波、子宮頸がん検査など いまの状態。時間がたてば変わるので、くり返し受けることがある
不妊検査 排卵・ホルモン・卵管・子宮、精液検査など いまの状態。妊娠しにくい原因の場所を探す
遺伝子ブライダルチェックパネル(このページ) 保因者かどうか、不妊に関わる遺伝子、アクショナブル遺伝子 生まれ持った遺伝子。一生変わらない

※このパネルには、感染症・抗体・超音波・精液検査などの一般的な検診は含まれません。

ブライダルチェックと不妊検査、どちらを受けるべき?

妊娠を考えている段階なら一般的なブライダルチェック、避妊をせずに1年たっても妊娠しない(女性が35歳以上なら6か月)なら不妊検査が入口です。遺伝子ブライダルチェックは、そのどちらとも重ならない「遺伝子」の情報を足すための検査です。米国生殖医学会の委員会見解(2023年)も、女性が35歳未満なら12か月、35歳以上なら6か月で不妊の評価を始めるとしています。不妊検査で原因の場所(卵巣・精子など)がわかったときに、その背景に遺伝子の変化があるかを調べる手がかりにもなります。

2. どんな人がこの検査を受けるとよいか

これから結婚・妊娠を考えるカップルで、保因者検査と不妊・将来の健康まで一度にまとめて知っておきたい方に向くセットです。結婚後でも、妊娠を考えはじめてからでも受けられます。

結婚前・妊娠前のカップル(ふたりで受ける意味)

潜性(劣性)の病気は、ふたりが同じ病気の保因者のときに、お子さんで4分の1の確率で起こります。どちらか1人だけが調べても、カップルとしての確率はわかりません。妊娠の前に知っておけば、自然に妊娠して出生前診断を受ける、PGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えるなど、選べることが増えます。当院では、絨毛検査・羊水検査を院内で行っています。

なかなか妊娠しない・不妊の原因を知りたい方

世界の研究をまとめた解析では、不妊を経験する人の割合(生涯)は17.5%と推定されています(研究ごとのばらつきは大きいとされています)[1]。不妊の検査と治療は生殖医療の専門の医療機関で行いますが、早発卵巣不全や重い精子形成障害など、背景に遺伝子の変化が見つかることがあります。原因の手がかりがわかると、卵子凍結を早めに考える、手術で精子が見つかる見込みを考えるなど、次の判断に役立つことがあります。

ご家族にがん・心臓病・若い方の突然死がある方

③のアクショナブル遺伝子には、遺伝性乳がん卵巣がん(BRCA1・BRCA2)・リンチ症候群などのがん、心筋症・不整脈などの心臓病に関わる遺伝子が含まれます。これらは、ご家族に患者さんがいなくても、ご本人が気づかないまま持っていることがあります(第5章で解説します)。あなたの1回の検査が、ご両親・きょうだい・お子さんが自分の状態を知る手がかりにもなります。

このセットより、単体の検査が向いている場合

3つすべてが必要でなければ、単体の検査を選べます。比べる相手は検査の種類です。目的に合わせて選んでください。

🔍 目的別・どの検査を選べばよいか

知りたいこと 向いている検査
保因者かどうかだけを知りたい 女性787遺伝子・男性714遺伝子、さらに広く調べるなら女性1009遺伝子・男性911遺伝子
保因者に加えて、不妊とアクショナブル遺伝子もまとめて このページの遺伝子ブライダルチェックパネル
不妊に関わる遺伝子だけ 女性不妊症NGS遺伝子パネル検査・男性不妊症遺伝子検査
がん・心臓などの備えだけ アクショナブル遺伝子NGSパネル
流産をくり返す・染色体の構造を知りたい 染色体検査(Gバンド法)
家族の病気の原因(バリアント)がすでにわかっている 既知の変異検査/妊娠中なら単一遺伝子疾患の出生前診断
すでに妊娠している NIPTと同じ日の採血でカップルの保因者検査を受けられるファミリーセーフティ プラス

※どの検査が合うかは、ご家族の病気・年齢・妊娠の状況で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ あなたの1回の検査が、ご家族を守る手がかりにも /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)で、基本はおひとりずつかかります。おふたりが同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合だけ、一人分をサービスし、おふたりで22,000円です。検査を受けない場合(ご相談だけの場合)は、人数分かかります。海外でPGT-Mを考えている方には、英語の検査結果をお渡しできます(検査の時にお申し出ください)。

お問い合わせはこちら | 妊娠前にできる検査の全体を見る

3. ①保因者スクリーニングでわかること(女性787・男性714遺伝子)

保因者スクリーニングは、お子さんに伝わる潜性(劣性)の病気と、X連鎖の病気について、ご本人が保因者かどうかを調べる検査です。保因者とは、病気の原因となる遺伝子の変化を持っていても、ご本人は発症しない人のことです(保因者とは)。

潜性(劣性)遺伝・X連鎖遺伝のしくみ

遺伝子は、父親由来と母親由来の2本1組で持っています。潜性(劣性)遺伝の病気は、2本ともに変化がそろったときに発症します。ふたりとも同じ病気の保因者なら、お子さん1人ごとに、発症する確率が4分の1、保因者になる確率が2分の1、どちらでもない確率が4分の1です。

父:保因者1本に変化
+
母:保因者1本に変化
▶
お子さんが発症4分の1
/
保因者・どちらでもない2分の1・4分の1

X連鎖遺伝の病気では、お母さんが原因となる変化を1本のX染色体に持つとき、息子さん・娘さんともに、その変化を受け継ぐ確率は2分の1です。発症するかどうかや症状の重さは、病気・変化の種類・お子さんの性別によって違い、女性にも症状が出ることがあります。お父さんの検査ではお母さんの保因の状態はわからないため、この保因者スクリーニングではX連鎖の遺伝子を女性版にだけ含めています。たとえば脆弱X症候群の原因となるFMR1遺伝子は、変化の手前の段階(前変異)を持つ女性の約20%に早発卵巣不全(FXPOI)が起こるとされ、お子さんへの影響だけでなく、ご本人の妊娠の計画にも関わります[2]。FMR1の前変異では、お子さんに伝わるときに、より長い完全変異へ伸びる確率が、繰り返しの数などによって変わります。

家族に病気の人がいなくても、保因者は珍しくない

保因者はふだん症状がないため、家族歴がなくても、気づかないまま保因していることがあります。重い小児期発症の潜性の病気448疾患(437遺伝子)を、血縁関係のない104人で調べた研究では、1人あたり平均2.8個(0〜7個)の病気の保因者でした[3]。米国で約38万人が受けた保因者スクリーニングの報告では、274遺伝子のパネルを受けた人の63.78%が1つ以上の病気の保因者で、カップルを無作為に組み合わせたと仮定した推計では、44組に1組(2.3%)が同じ病気の保因者どうしになると見積もられています[4]。パネルの大きさや集団によって数字は変わるため、目安として受け取ってください。

米国医学遺伝学・ゲノム学会(ACMG)は2021年の指針で、妊娠中の方と妊娠を考えている方すべてに、保因者頻度が200人に1人以上の潜性の病気と主なX連鎖の病気を含む「Tier 3」の保因者スクリーニングを提案するよう勧めています[5]。米国産科婦人科学会(ACOG)も、妊娠中のすべての方に保因者スクリーニングについての情報を提供し、スクリーニングとカウンセリングは理想的には妊娠の前に行うとしています[6][7]。ACMGの指針がTier 3として挙げた遺伝子は、潜性の病気97遺伝子とX連鎖の病気16遺伝子の計113遺伝子で[5]、このパネルの保因者スクリーニング(女性787遺伝子)はこの113遺伝子をすべて含んでいます。保因者スクリーニングのしくみは保因者スクリーニング検査とは、米国の学会の推奨はACMG・ACOGの推奨内容で詳しく解説しています。

女性787・男性714遺伝子と、1009・911遺伝子の違い

このパネルの保因者スクリーニングは、女性787遺伝子、男性714遺伝子です。男性版はX連鎖の遺伝子を含まないため、遺伝子数が少なくなっています。787・714遺伝子の一覧は、女性版787遺伝子・男性版714遺伝子のページに載せています。さらに希少な病気まで広く調べたい方には、単体の検査として女性版1009遺伝子・男性版911遺伝子もあります(セットに入っているのは787・714遺伝子です)。

4. ②不妊の遺伝子でわかること(女性143・男性181遺伝子)

不妊症の遺伝子パネルでは、卵巣の働き・卵子の成熟・精子をつくるしくみ・性ホルモン・性の分化に関わる遺伝子を、女性143遺伝子・男性181遺伝子で調べます。男性不妊の原因を総説した論文では、男性の約7%が不妊に関わり、無精子症では原因の約25%が既知の遺伝的な要因によるとされています[8]。

女性不妊と関係する遺伝子(143遺伝子)

早発卵巣不全(POI)、卵子が成熟しない・受精後に育たない、嗅覚の異常を伴うこともある低ゴナドトロピン性性腺機能低下症(カルマン症候群)、性の分化の病気などに関わる遺伝子が含まれます。低AMH・早発卵巣不全と遺伝子の関係は低AMHと早発卵巣不全で解説しています。

▼ 女性不妊143遺伝子の一覧を開く(青字は遺伝子の解説ページ)

AARS2、AIRE、AKR1C4、AMH、ANOS1、AR、ASTL、AXL、BMP15、BNC1、BTG4、C4BPA、CBX2、CCDC141、CD46、CDC20、CGB5、CHD7、CHEK1、CLPP、CYP11A1、CYP11B1、CYP17A1、CYP19A1、CYP21A2、DAP3、DCAF17、DHH、DIAPH2、DUSP6、EIF2B1、EIF2B2、EIF2B3、EIF2B4、EIF2B5、ERAL1、ERCC6、ESR1、ESR2、FANCM、FBXO43、FEZF1、FGF17、FGF8、FGFR1、FIGLA、FLRT3、FMR1、FOXL2、FSHB、FSHR、GALT、GDF9、GGPS1、GNAS、GNRH1、GNRHR、GREB1L、HARS2、HESX1、HFE、HFM1、HOXA13、HS6ST1、HSD17B3、HSD17B4、HSD3B2、IL17RD、KHDC3L、KIAA0391、KISS1、KISS1R、KPNA7、LARS2、LEP、LEPR、LHB、LHCGR、LHX3、LHX4、LMNA、MAP3K1、MCM8、MCM9、MOS、MRPL49、MRPS22、MSH4、MSH5、NLRP2、NLRP5、NLRP7、NOBOX、NR0B1、NR3C1、NR5A1、NSMF、NUP107、PABPC1L、PADI6、PANX1、PATL2、PCSK1、PEX6、POF1B、POLG、POU1F1、PRLR、PROK2、PROKR2、PROP1、PSMC3IP、REC114、RMND1、RNF216、RSPO1、SEMA3A、SLC29A3、SOHLH1、SOX3、SOX9、SRA1、SRD5A2、SRY、STAG3、STAR、SYCE1、SYCP3、TAC3、TACR3、TLE6、TRIM37、TRIP13、TUBB8、TWNK、WDR11、WEE2、WNT4、WT1、ZFP36L2、ZP1、ZP2、ZP3

男性不妊と関係する遺伝子(181遺伝子)

精子をつくる働きの障害(非閉塞性無精子症など)、精子の形や動きの異常、精子の通り道がない先天性両側精管欠損症、アンドロゲン不応症候群などに関わる遺伝子が含まれます。たとえば先天性両側精管欠損症の男性を対象にした解析では、78%にCFTR遺伝子の変化が少なくとも1つ見つかっています[9]。CFTRは潜性の病気(嚢胞性線維症)の原因遺伝子でもあるため、パートナーの保因者検査の結果とあわせて考えることが大切です。

▼ 男性不妊181遺伝子の一覧を開く(青字は遺伝子の解説ページ)

ACTL7A、ACTL9、ADCY10、ADGRG2、AK7、AKR1C4、AMH、AMHR2、ANOS1、AR、ARL2BP、ARL6、ARMC2、ARMC4、ARX、AURKC、AXL、BBS1、BBS10、BBS12、BBS2、BBS4、BBS5、BBS7、BBS9、BCORL1、BRDT、C14orf39、CATSPER1、CATSPER2、CBX2、CCDC141、CCDC151、CCDC155、CCNO、CEP112、CEP290、CFAP43、CFAP44、CFAP58、CFAP65、CFAP69、CFAP70、CFTR、CHD7、CLPP、CYP11A1、CYP11B1、CYP17A1、CYP19A1、CYP21A2、DCAF17、DHH、DMC1、DMRT1、DNAAF1、DNAH1、DNAH10、DNAH11、DNAH17、DNAH2、DNAH6、DNAH8、DNAI1、DPY19L2、DUSP6、DZIP1、FANCA、FANCM、FBXO43、FEZF1、FGF17、FGF8、FGFR1、FLRT3、FSHB、FSHR、FSIP2、GALNTL5、GATA4、GNRH1、GNRHR、HESX1、HFE、HS6ST1、HSD17B3、HSD3B2、HSF2、IL17RD、INSL3、KISS1、KISS1R、KLHL10、LARS2、LEP、LEPR、LHB、LHCGR、LHX3、LHX4、M1AP、MAATS1、MAGEB4、MAMLD1、MAP3K1、MEIOB、MKKS、MKS1、MSH4、MSH5、NANOS1、NPAS2、NR0B1、NR5A1、NSMF、PCSK1、PIWIL1、PLCZ1、PLK4、PMFBP1、PNLDC1、PNPLA6、POLR3A、POU1F1、PPP2R3C、PROK2、PROKR2、PROP1、QRICH2、RHOXF1、RNF216、RSPH4A、RSPO1、RXFP2、SDCCAG8、SEMA3A、SEPT12、SLC26A8、SLC29A3、SLC9A3、SOHLH1、SOX10、SOX2、SOX3、SOX9、SPAG17、SPATA16、SPEF2、SPINK2、SPRY4、SRA1、SRD5A2、SRY、STAG3、SUN5、SYCE1、SYCP2、SYCP3、TAC3、TACR3、TAF4B、TDRD9、TEX11、TEX14、TEX15、TRIM32、TRIM37、TSGA10、TTC12、TTC21A、TTC29、TTC8、TWNK、USP26、USP9Y、WDPCP、WDR11、WDR66、WNT4、WT1、ZMYND15

不妊の遺伝子検査でわからないこと

不妊の遺伝子パネルは、精液検査や卵管・子宮の検査の代わりにはなりません。染色体の数や構造の変化(クラインフェルター症候群など)は染色体検査(Gバンド法)で調べます。Y染色体の微小欠失も、この検査では調べません。FMR1遺伝子の繰り返し配列(リピート)の長さは不妊パネルでは測らないため、別のFMR1遺伝子リピート伸長検査で調べます。原因となる遺伝子の変化が見つからないことも少なくありませんが、それは不妊の原因がないという意味ではありません。

5. ③84のアクショナブル遺伝子でわかること(ACMG SF v3.3)

アクショナブル遺伝子とは、病気の原因となる変化が見つかったときに、定期的な検査や予防の手段などで経過を変えられる、と考えられている遺伝子です。米国医学遺伝学・ゲノム学会(ACMG)が公表しているリストは2025年の改訂(SF v3.3)で84遺伝子になり、このパネルはこのリストに合わせています[10]。以前の版(SF v3.2)は81遺伝子で、2025年の改訂でABCD1・CYP27A1・PLNの3遺伝子が加わりました[10]。

がん・心臓・代謝:84遺伝子に入っている主な病気

🧬 アクショナブル遺伝子の主な分類

分類 主な病気と遺伝子(例) わかったら備えられること(例)
がんになりやすい体質 遺伝性乳がん卵巣がん(BRCA1・BRCA2など)、リンチ症候群(MLH1など)、TP53など 検診の開始年齢を早める・間隔を詰める、予防的な手術を考える
心臓・血管の病気 肥大型心筋症などの心筋症、QT延長症候群などの不整脈、家族性高コレステロール血症、大動脈の病気 心電図・心エコーなどの定期検査、コレステロールの治療、運動や薬の注意
代謝などの病気 ファブリー病(GLA)、ポンペ病(GAA)、ウィルソン病(ATP7B)、副腎白質ジストロフィー(ABCD1)、脳腱黄色腫症(CYP27A1)など 治療を始める時期を逃さない、副腎の働きなどを定期的に確かめる

※分類はACMG SF v3.3のリスト[10]による。見つかったときの具体的な対応は病気ごとに違い、専門の医療機関で決めます。

▼ アクショナブル84遺伝子の一覧を開く(青字は遺伝子の解説ページ)

ABCD1、ACTA2、ACTC1、ACVRL1、APC、APOB、ATP7B、BAG3、BMPR1A、BRCA1、BRCA2、BTD、CACNA1S、CALM1、CALM2、CALM3、CASQ2、COL3A1、CYP27A1、DES、DSC2、DSG2、DSP、ENG、FBN1、FLNC、GAA、GLA、HFE、HNF1A、KCNH2、KCNQ1、LDLR、LMNA、MAX、MEN1、MLH1、MSH2、MSH6、MUTYH、MYBPC3、MYH11、MYH7、MYL2、MYL3、NF2、OTC、PALB2、PCSK9、PKP2、PLN、PMS2、PRKAG2、PTEN、RB1、RBM20、RET、RPE65、RYR1、RYR2、SCN5A、SDHAF2、SDHB、SDHC、SDHD、SMAD3、SMAD4、STK11、TGFBR1、TGFBR2、TMEM127、TMEM43、TNNC1、TNNI3、TNNT2、TP53、TPM1、TRDN、TSC1、TSC2、TTN、TTR、VHL、WT1

2025年に加わった3つの遺伝子:ABCD1・CYP27A1・PLN

2025年の改訂で加わった3つの遺伝子は、いずれも「早く知れば備えられる」という考え方をよく表しています[10]。

ABCD1(副腎白質ジストロフィー):X連鎖の病気です。国際共同研究では、男性の患者さんが生涯のうちに副腎の働きが落ちる(副腎不全)割合は約80%とされています[11]。副腎不全は気づかれないと命に関わることがあるため、知っていれば定期的に確かめられます。ABCD1の追加についてはABCD1新規収載解説でも解説しています。

CYP27A1(脳腱黄色腫症):潜性の病気で、2つの変化がそろうと発症します。オランダの患者さん56人を調べた研究では、24歳より前に治療を始めた人のほうが、神経の経過が有意に良かったと報告されています[12]。治療を始める時期が経過を左右する病気です。

PLN(心筋症):心臓の筋肉の病気(心筋症)に関わる遺伝子として加わりました[10]。心筋症は、定期的な心臓の検査で早く変化を見つけ、治療や突然死への備えにつなげられることがあります。

家族歴がなくても見つかることがある

アクショナブル遺伝子の病的な変化は、ご家族に病気の人がいなくても見つかることがあります。米国で約5万人の遺伝子を調べた研究では、0.5%(267人)がBRCA1・BRCA2の病的な変化を持っており、そのうち82.0%はそれまで検査を受けたことがありませんでした。病歴の情報がそろった人のうち約半数(49.4%)は、これまでの検査の基準(家族歴など)に当てはまっていませんでした[13]。

BRCA1・BRCA2の病的な変化を持つ女性の大規模な追跡研究では、80歳までに乳がんになる確率はBRCA1で72%・BRCA2で69%、卵巣がんはBRCA1で44%・BRCA2で17%と推定されています[14]。結婚前・妊娠前の早い時期にわかれば、出産の時期を考えたうえで、検診の強化や予防的な手術の時期を計画できます。

親・きょうだいががんや心臓病に:「自分もなるかもしれない」と不安な方へ

親御さんやきょうだいが若くしてがんや心臓病になり、「自分も同じ体質を受け継いでいるのでは」という不安を抱えながら暮らしている方もいます。ご家族の原因となる遺伝子の変化がすでにわかっていれば、既知の変異検査でその1か所を調べることができます。わかっていなければ、このパネルのアクショナブル遺伝子で、ご自身がどんな変化を持っているかを調べられます。

ご家族の原因の変化を受け継いでいないとわかれば、その変化については、ご家族と同じ確率を心配しなくてよくなります。ただし、がんや心臓病はそれ以外の原因でも起こるため、一般の検診は続けてください。受け継いでいるとわかった場合は、第6章のとおり、病気ごとに決められた定期的な検査や予防につなげられます。知らないでいることを選ぶのも、ひとつの選択です。検査の前後で、臨床遺伝専門医と時間をかけて考えていただけます。

6. 病的変異・保因者が見つかったら、次にできること

遺伝子検査は、わかるだけで終わりではありません。見つかった変化の種類によって、次にできることが決まります。結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、次にどうするかを一緒に考えます。どの選択も押しつけず、尊重します。

🗺️ 3つの検査それぞれの「わかること・見つかったら次にできること」

検査 わかること 見つかったら次にできること
① 保因者スクリーニング どの病気の保因者か ふたりが同じ病気の保因者かを確かめる。そうなら、出生前診断・PGT-Mなどの選択肢を考える
② 不妊の遺伝子 不妊の背景にある遺伝子の変化 生殖医療の医療機関での治療の選び方の参考にする。お子さんに伝わる可能性もご説明
③ アクショナブル遺伝子 がん・心臓病などになりやすい体質 専門の医療機関での定期的な検査や予防。血縁者が同じ変化を持つかピンポイントで調べられる

ふたりとも同じ病気の保因者だったら

ふたりとも同じ病気の保因者とわかった場合、お子さん1人ごとにその病気が起こる確率は4分の1です。そのうえで考えられる道を、中立に並べます。

自然に妊娠して、出生前診断を受ける:絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。ご夫婦の原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。検査そのものによる流産の確率は、研究をまとめた解析で羊水検査0.30%、絨毛検査0.20%と推定されています[15]。詳しくは羊水検査・絨毛検査をご覧ください。病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断するため、妊娠を考えている段階からご相談ください。

PGT-M(着床前遺伝学的検査)を考える:体外受精でできた受精卵の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない受精卵を選んで子宮に戻す方法です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。日本では日本産科婦人科学会の審査を経て、不妊治療の医療機関で行われます。しくみは着床前遺伝学的検査(PGT-M)とはで解説しています。

そのほかの道:出生前診断を受けずに出産を迎えることも、そのまま選べる選択肢です。どの道を選ぶかは、病気の重さ、おふたりの考え方、ご家族の状況によって違います。PGT-Mだけが選択肢ではない理由は遺伝性疾患があっても、子供を諦めないでほしいで詳しくお伝えしています。

どちらか1人だけが保因者だったら

潜性の病気で、どちらか1人だけが保因者の場合、お子さんがその病気を発症する可能性はふつう低くなります。ただし、パートナーの検査で調べていない遺伝子や、検査で見つけられない種類の変化もあるため、ゼロになるわけではありません。女性がX連鎖の病気の保因者だった場合は、パートナーの結果にかかわらず、お子さんがお母さんの変化を受け継ぐ確率は2分の1です。発症する確率や症状は、病気・変化の種類・お子さんの性別によって違うため、結果に応じて妊娠の計画を一緒に考えます。

不妊の遺伝子・アクショナブル遺伝子に変化が見つかったら

不妊の遺伝子に変化が見つかった場合は、生殖医療の医療機関での治療方針を考える材料になります。卵巣の働きが早く低下する可能性がわかれば、卵子凍結などの備えを早めに考えられます。お子さんに伝わる可能性がある変化であれば、その点もご説明します。

アクショナブル遺伝子に病的な変化が見つかった場合は、病気ごとに決められた定期的な検査や予防を、専門の医療機関で受けていくことになります。当院がその治療を行うわけではありませんが、結果の意味と、どこで何を受ければよいかを遺伝カウンセリングでご説明します。

ご家族への影響:血縁者はピンポイントで調べられる

見つかった変化は、ご両親・きょうだい・お子さんも持っている可能性があります。原因の変化がわかっていれば、血縁者は既知の変異検査でその1か所だけを調べられます。症状のない方の検査は、ご本人の同意で行います。BRCA1・BRCA2の検査を受けた人を追った研究では、遺伝カウンセリングのあと、「家族のため」という理由で検査を考える人が増えたと報告されています[16]。

海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます

海外でPGT-Mを受けたいというお問い合わせは少なくありません。当院では、海外でPGT-Mを受けるときに使える英語の検査結果をお渡しできます。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。

PGT-Mの準備には、①病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること、②どの遺伝子のどの変化かが書かれた元の報告書、③ご家族の検体、が必要とされています[17]。受精卵から取れるDNAはごくわずかなので、変化のある場所の両側にある目印で「変化をもつ染色体」を家系の中でたどる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。潜性遺伝の病気では、患者さん(2つの変化をもつ方)・保因者・保因者でない方の検体が目安とされています[17]。ふたりとも保因者で、まだお子さんがいない場合は、ご両親などの血縁者の検体で、どちらの染色体に変化が乗っているかを確かめることになります。血縁者がいない場合の方法も指針に挙げられていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります[17]。海外でPGT-Mを考えている方は、検査の段階から、協力していただけるご家族がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。

どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、症例ごとに学会が審査します。英国では公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。米国では、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[18]。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。準備の詳しい流れは海外でPGT-Mを考えている方へ、家族の検体が必要な理由はPGT-Mはなぜ本人だけでは検査できないのかで解説しています。

⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です

PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)の指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[19]。PGT-Mで選んだ受精卵で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる絨毛検査・羊水検査で確かめることが望ましいと考えています。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。

7. この検査でわからないこと(検査の限界)とVUS

遺伝子検査には限界があり、「何も見つからなかった=病気が起きない」ではありません。このパネルは、次世代シーケンサー(NGS)で遺伝子のたんぱく質をつくる部分(エクソン)とそのつなぎ目を読む検査です。

🔬 わかること・わからないこと

わかること わからないこと
遺伝子の小さな変化(1文字の置き換わり・小さな挿入や欠失) 転座・逆位など染色体の構造の変化
遺伝子全体や連続した2つ以上のエクソンの欠失・重複(血液の場合) 1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つからないことがある
調べた遺伝子についての保因者かどうか 繰り返し配列の伸長(別の方法で測る一部の遺伝子を除く)、遺伝子のスイッチ部分や、エクソンから離れた部分の変化
— 体の一部の細胞にだけある変化(モザイク)、調べていない遺伝子

※見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りの質が低い部分はサンガー法で確かめます。

意義がまだわからない変化(VUS)

病気の原因かどうか、今の研究ではまだ判断できない変化をVUS(臨床的意義不明のバリアント)といいます。VUSだけを根拠に診断をつけたり、ご家族の発症前診断や赤ちゃんの出生前診断を行ったりはしません。ただし、その変化が病気の原因かどうかを考えるために、ご家族の検査(分離解析)を行うことがあります。扱い方はVUSの臨床的取り扱いで解説しています。

パネルに入っていない遺伝子は、追加して調べられる

ご家族に特定の病気があり、その原因遺伝子がこのパネルに入っていない場合は、追加して調べることができます。遺伝カウンセリングのときにご相談ください。詳しくはカスタマイズ遺伝子パネル検査をご覧ください。

8. 遺伝子ブライダルチェックの費用・流れ・結果までの日数

費用はお一人495,000円、おふたりで990,000円(税込)、結果までは3〜5週間です。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

💴 費用・日数・検体

項目 内容(税込)
遺伝子ブライダルチェックパネル(お一人) 495,000円
おふたりで受ける場合 990,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(検査料とは別)。基本はおひとりずつかかります。おふたりが同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合だけ、一人分をサービスし、おふたりで22,000円です。検査を受けない場合(ご相談だけの場合)は、人数分かかります
結果までの日数 3〜5週間
検体 血液・唾液・口の内側の粘膜(唾液・粘膜はオンライン診療でも可。血液は来院が必要)
結果の報告書 基本は日本語版。英語版と日本語版の双方は追加料金5,500円

※検査を受けない場合でも、遺伝カウンセリング料は人数分かかります。検査料の割引はありません。

3つの検査を単体で受けた場合との比較

3つの検査を単体で受けると合計913,000円です。セットにすると495,000円で、418,000円おトク(約46%)です。

💡 単体で受けた場合の合計とセットの料金(お一人・税込)

検査 料金
① 保因者スクリーニング(女性787遺伝子/男性714遺伝子) 253,000円
② 不妊症の遺伝子パネル 330,000円
③ アクショナブル遺伝子パネル 330,000円
単体で受けた場合の合計 913,000円
遺伝子ブライダルチェックパネル 495,000円(418,000円おトク)

検査の流れ

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・唾液・粘膜
▶
結果のご説明3〜5週間後・マイページへ

検査の前に、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただけます。唾液・口の内側の粘膜を検体にする場合は、オンライン診療ののち、ご自宅から検体をお送りいただけます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。結果は、遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医がお伝えしてから、マイページにアップします。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたをご覧ください。

来院される方へ:全室個室・ほかの患者さんと顔を合わせません

院内は全室個室です。受診枠は90分で、ほかの患者さんと時間が重ならないように予約をお取りしているため、院内でほかの患者さんと顔を合わせることはありません。キッズスペースはありませんが、お子さま連れでもお越しいただけます(診察室は広さに余裕があります)。

\ 3つの遺伝子検査を、1回の採取で /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

唾液・口の内側の粘膜なら、オンライン診療で全国から受けられます。結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 遺伝子検査を受ける前に(診療方針)

9. 院長コラム:知ってから選ぶ、という選択肢

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【結婚と出産は、知ってから決めていい】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です(院長ブログ)。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。保因者であることも、ほとんどの人に当てはまることです。結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。知ってから決めるのと、知らずに決めるのとでは、同じ選択でも意味が違う、と私は考えています。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。当院は、結婚前・妊娠前・妊娠中・子育て・ご自身の健康管理と、ライフステージごとに遺伝の専門医として支えたいと考えて診療しています。知ったうえで妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ブライダルチェックと不妊検査、どちらを受けるべきですか?

妊娠を考えている段階なら一般的なブライダルチェック、避妊をせずに1年たっても妊娠しない場合(女性が35歳以上なら6か月)は不妊検査が入口です。遺伝子ブライダルチェックパネルは、そのどちらとも重ならない遺伝子の情報(保因者かどうか・不妊に関わる遺伝子・アクショナブル遺伝子)を足すための検査で、どちらの代わりにもなりません。

Q2. ブライダルチェックは2人で受けるべきですか?

潜性(劣性)の病気は、ふたりが同じ病気の保因者のときに、お子さんで4分の1の確率で起こります。どちらか1人だけが受けても、カップルとしての確率はわかりません。遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)で、基本はおひとりずつかかります。おふたりが同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合だけ、一人分をサービスし、おふたりで22,000円です。検査を受けない場合(ご相談だけの場合)は、人数分かかります。

Q3. 結婚後や妊娠中でも受けられますか?

結婚後でも受けられます。すでに妊娠している方には、NIPTと同じ日の採血でカップルの保因者検査を受けられるファミリーセーフティ プラスもあります。どちらが合うかは、遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q4. 何年に1回受ければよいですか?

生まれ持った遺伝子は一生変わらないため、基本的に人生に一度受ければよい検査です。ただし、研究が進むと、同じ結果について新しくわかることがあります。

Q5. 費用はいくらですか?保険は使えますか?

お一人495,000円、おふたりで990,000円(税込)です。3つの検査を単体で受けた合計913,000円より418,000円おトクです。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

Q6. 家族に遺伝の病気があり、結婚に不安があります。

ご家族に遺伝の病気があっても、ご自身が原因の変化を持っているか、パートナーが同じ病気の保因者か、お子さんへの確率がどれくらいかは、検査で確かめられることがあります。知ったうえで、出生前診断やPGT-Mなど、選べる道を考えることもできます。不安なまま決めずに、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

Q7. 不妊の原因は必ずわかりますか?

いいえ。原因となる遺伝子の変化が見つからないことも少なくありません。見つからなくても、不妊の原因がないという意味ではありません。精液検査や卵管・子宮の検査、染色体検査の代わりにもなりません。

Q8. オンラインで受けられますか?

唾液または口の内側の粘膜を検体にする場合は、オンライン診療ののち、ご自宅から検体をお送りいただけます。血液を検体にする場合は来院が必要です。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。

Q9. パネルに入っていない遺伝子も調べられますか?

ご家族に特定の病気があり、その原因遺伝子がこのパネルに入っていない場合は、追加して調べることができます。遺伝カウンセリングのときにご相談ください。

🧬 一度の検査で、ふたりのこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。遺伝子ブライダルチェックパネルは、保因者検査・不妊の遺伝子・84のアクショナブル遺伝子を1回の採取で調べ、妊娠の計画とご自身の健康管理の両方に使える情報をお渡しします。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、絨毛検査・羊水検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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