スーパーNIPT(遺伝性疾患NIPT)

スーパーNIPT(遺伝性疾患NIPT)とは?

何が今までと違うのか?

*当検査は火(終日)・水(終日)・木(終日)・土曜午後はお受けできません。月曜が祝日の場合は、その前日と当日も不可。土曜が祝日の場合は前日金曜午前枠は可能ですが金曜午後枠とその土曜は不可。ご希望の場合はご夫婦でお越しください。ご夫婦で来院できない場合はご相談ください。(事前に旦那様に口腔粘膜をお取りいただくことで、奥様のみのご来院が可能です)

スーパーNIPTは新型出生前診断を従来の13・18・21トリソミーに加えて、
4つの微細欠失(微小欠失)症候群の検出に加えて、47疾患50種類の遺伝子の500の病的変異に拡大しました。
全染色体検査は含まれておりません。ご希望の場合は追加料金8万円で承ります。
*価格は税別21万5千円となります。
*妊娠10週から受けられます。

今までのNIPTは、あかちゃんの染色体の数の異常だけをみるものでした。
トリソミーは染色体が通常2本なところ、3本になることにより起こるものでした。
一番有名なのはダウン症候群でこれは21番染色体が3本あることにより発症します。
スーパーNIPTは、
・性染色体の数の異常(異数性)により起こる疾患
【 基本的な13/18/21の3つのトリソミー 】
トリソミー21(ダウン症候群)
トリソミー18(エドワーズ症候群)
トリソミー13(パトウ症候群)

【 性染色体の数の異常(異数性)により起こる疾患 】
ターナー症候群 (Monosomy X)
トリプル X症候群 (Trisomy X)
クラインフェルター症候群 (XXY)
XYY症候群
XXYY 症候群

・染色体の構造以上により起こる疾患
【 微細欠失症候群(微小欠失症候群) 】
DiGeorge syndrome (22q11.2)
1p36 deletion syndrome
Smith-Magenis syndrome (17p11.2)
Wolf-Hirschhorn syndrome (4p16.3)
に加えて
単一遺伝子疾患(遺伝子の病的バリアントがもたらす疾患)
  47種類の疾患、50遺伝子の500の病的バリアント
を調べることができるのが特徴です。

赤ちゃんの先天異常を復習しよう

下の図は、生まれながらに障害をもつ赤ちゃんの
障害の原因を調査したものです。

 

出典:Adapted from Stevenson, RE and Hall, J. Human Malformations and Related Anomalies, 2nd  ed. Oxford University Press, Oxford,  2006

これをみると、全体で3%の赤ちゃんが何らかの障害をもって生まれ
そのうちの10-15%が染色体の異常によるもの
8-12%が出生前の感染などの外因性
2-10%が単一遺伝子疾患
20-25%が複合性
40-60%が不明
となっています。

NIPTは母体血の中の胎児由来のcell-free DNAを検査して
赤ちゃんの染色体の数の異常を診断する技術ですが。(上のグラフの染色体異常のところ)

その先には、赤ちゃんの遺伝子がセルフリーDNAで全部読めるようになる時代が到来します。

*通常のNIPTは、NIPTのトップページに書いてある通り、断片の一部(36塩基)を読み取って、染色体のどの部分に該当するのかを分析しています。

おそらく将来的にはもっとたくさんの遺伝子の異常による疾患がわかるようになることでしょう。

ですので、スーパーNIPTと名付けました。
第2代NIPTとも申します。
本当はmonogenic NIPD 単一遺伝子疾患無侵襲母体血胎児診断 というのが正しい呼称です。

いわゆる 遺伝病 といわれる疾患群を対象とする遺伝子検査です。

スーパーNIPTはこの、今までの13/18/21トリソミーに加えて4つの微細欠失と「単一遺伝子疾患」をNIPTで判別するスクリーニング検査です。
スクリーニングされる疾患は、中等度から重度の表現型(この遺伝子にこの異常があるとこの病気が中等度から重度で発症するという風に遺伝子の変化が体の特徴として表現されること)と関連しており、 生活の質に大きな影響を及ぼします。
異数性(染色体の数の異常。トリソミー、モノソミー)および微小欠失(微細欠失)の検出と
単一遺伝子疾患のスクリーニングを組み合わせることにより、
スーパーNIPTは将来の両親のための妊娠中の包括的なソリューションを提供します。

☛ここで、『染色体』と『遺伝子』の違いについて学習しよう!
染色体は、高校の生物などで出てきましたね?細胞分裂するときに倍に増えて分けるってあの、縞々もようのやつです。
染色体をほぐすと、アデニン、シトシン、グアニン、チミンっていう4種類の塩基がついた核酸(デオキリリボ核酸)が並んだDNAの糸になります。
このDNAのセットをゲノムといいます。
そして、ゲノムの中のタンパクに翻訳されて実際に体の設計図として機能する部分が遺伝子です。
遺伝子はゲノムのたった2%しかないのです!!人体には約28000の遺伝子があります。
今までのトリソミーの検査は染色体1本という大きな単位が増えているかどうかを見るものでした。
第2世代のスーパーNIPTは、遺伝子の塩基配列が変わってしまったり、一部なくなったりしていることにより生じる疾患をみることができます。
☛なぜ塩基配列が変わると病気になるの?
一つの遺伝子の塩基の並び方が変わってしまうことによって、遺伝暗号が変わってしまうからです。
☛遺伝暗号ってなあに?
アデニン、シトシン、グアニン、チミンという4種の塩基がDNAにはあるのですが、この塩基が3つセットになってアミノ酸と対応しています。
トリプレット・コードと呼ばれ、これを「遺伝暗号」といいます。
塩基がかわってしまっても、偶然同じアミノ酸と対応しているとかで影響がない場合もあるし、
塩基が変わってしまってアミノ酸がかわってしまい、それがタンパクの重要な部分だと正常に機能しなくなってしまうこともあります。
コドンは3つの塩基配列の単位のことをいいますが、ストップ・コドンといってアミノ酸をつなげるのをここでやめなさい、という指令を出すコドンもありますが
そういうコドンができてしまうとそこから先は作られない異常なたんぱくができて機能喪失してしまいます。
こういうことにより起こる赤ちゃんの疾患たちを検査できるようになったということです。

 

どういう風に検査するの?

スーパーNIPTには
母体の血液サンプルと、
生物学的父親からの口腔粘膜スワブサンプルが必要となります。
母体の血液には、母親と胎児の両方からのセルフリーDNAが含まれています。
このセルフリーDNAを、遺伝的変異の可能性がないか父親のDNAサンプルとともに分離および次世代シークエンサーで分析します。
次に、洗練されたバイオインフォマティクスアルゴリズムを使用して、胎児が単一遺伝子疾患を持つリスクを計算します。

遺伝子解析の特長

独自の遺伝的および分析ツールを使用して、ターゲットを絞った濃縮と次世代シーケンス(NGS)を使用して、 選択したゲノム領域からcfDNAフラグメントをキャプチャ、カウント、分析します。 主な機能は次のとおりです。

1.テストパフォーマンスに影響を与える複雑なアーキテクチャを持つゲノム領域を回避するために特別に設計された独自技術を使用しています。 これにより、他のNIPTに関連する問題が克服され、精度と精度が向上します。

2.高い読み取り深度
シークエンサーで読み取る回数のことを深度といいます。
読み取る回数が多ければ多いほど時間もコストもかかりますが正確性は増します。
これらのフラグメントは、NGSを使用して数百回カウントされ、非常に高い統計精度と精度を実現します。

3.正確な胎児分画
ゲノムからの母体および胎児のDNAカウントの高い読み取り深度を使用して、 cfDNAへの胎児の寄与を正確に測定します。
正確な胎児分画測定は、誤った結果にならないように導きます。

4.独自のバイオインフォマティクスパイプライン
各テストから生成されたシーケンス・データを分析します。
マルチエンジン分析により、異数性、微小欠失、胎児の性別検出の感度特異度が向上します。

スーパーNIPTの信頼性はどうなの?

試料 cell free DNAと父のDNA 侵襲的に得られた出生前検査の試料 サンガー法で確定 的中率%
合計 2033
トリソミー21 22 22/22 100
トリソミー18 4 4/4 100
トリソミー13 1 1/1 100
性染色体異数性 2 2/2 100
微細欠失"}” data-sheets-numberformat=”{"1":1}”>微細欠失 5 5/5 100
遺伝子変異なし 1497 496/496
変異あり 536
変異数 613
新生突然変異 87 87/87 100

遺伝子変異はどういう疾患が検査できるの?

  • 3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症
    無β-リポタンパク血症
    自閉症スペクトラム・関節拘縮・てんかん
    常染色体劣性型多発性嚢胞腎
    バルデ・ビードル症候群12型
    ベータサラセミア
    カナバン病
    有棘赤血球舞踏病
    クリグラー・ナジャー(Crigler-Najjar)症候群
    嚢胞性線維症
    第V因子欠乏症
    第XI因子欠乏症
    家族性自律神経失調症
    家族性地中海熱
    FANCG関連ファンコニ貧血
    グリシン脳症
    糖原病Ⅲ型(コーリー(Cori)病)
    糖原病Ⅶ型(Tarui病)
    GRACILE 症候群
    NONAKA筋症
    イソ吉草酸血症
    ジュベール症候群2型
    接合部型表皮水疱症 Herlitz 型
    レーベル先天黒内障1型
    ライディッヒ細胞形成不全
    筋ジストロフィー、肢帯、常染色体劣性4
    メープルシロップ尿症1b型
    メープルシロップ尿症3型
    MMAA関連
    家族性LPL欠損症長鎖
    3-ヒドロキシアシル CoA 脱水素酵素欠損症
    マルチプルスルファターゼ欠損症
    MPV17関連肝脳型ミトコンドリアDNA枯渇症候群
    神経性セロイドリポフスチン症
    ナイミーヘン症候群
    高オルニチン血症
    新生児副腎白質ジストロフィー
    乳児レフサム病
    フェニルケトン尿症
    橋小脳低形成
    リソソーム蓄積症
    ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症
    網膜色素変性症 RLBP1 DHDDS
    ムコ多糖症III型(サンフィリッポ症候群)
    鎌状赤血球症
    シェーグレン・ラルソン(Sjögren-Larsson)症候群
    テイ・サックス病
    アッシャー症候群1F型
    以上、47疾患50遺伝子の500の変異(バリアント)を検査可能です。この中には、新生児マススクリーニングが実施されているものもあります。

    染色体や遺伝子の異常はなぜ起こるの?

    染色体の異常がなぜ起こるのか

    細胞分裂の時、生殖細胞(精子・卵子)を作るのは通常の分裂とは違い減数分裂と言って、
    22本の常染色体と1本の性染色体のセットからなる2セットの染色体が
    1セットずつに分かれるというという特殊な分裂方法を取ります。

    このとき交叉したり分離したりするのですが、
    それがうまくいかないと疾患を引き起こします。
    これらは大きく二つに分類されます。

    一つは染色体の部分的な異常(構造異常)で、通常交叉の失敗によって引き起こされることが多いです。
    部分トリソミー(重複)・部分モノソミー(欠失)・転座などが挙げられます。

    二つ目は異数体(数的異常)と呼ばれる染色体1本単位の不足あるいは過剰による異常です。
    不完全な染色体の分離によって引き起こされることが多いとされています。

    通常染色体は2本で対をなしている(ダイソミーといいます)が、
    これが1本になるのが「モノソミー」、3本になるのが「トリソミー」です。

    染色体にはくびれがあって、そこを境に短腕(p)と長腕(q)にわけられます。
    例えば5番染色体の片方の短腕が欠失することを5pモノソミーといい、
    5p-(ごピーマイナス)と表記いたします。

    染色体の数や形態の異常を伴わない遺伝子の異常による病気は遺伝子疾患に、
    原因の明らかでない先天奇形症候群は奇形症候群に分類されます。

    常染色体トリソミーとは?

    トリソミーはほとんどの場合一方的に女性の年齢の高さと正の相関をします。
    卵子は女性が胎生期から存在し細胞分裂もせず、生まれ変わったりもしない大変特殊な細胞です。

    われわれの細胞は一つ当たり一日5万から50万か所のDNA損傷を受けておりますが、
    DNA修復酵素があるため、たいていは問題になりません。

    しかし、DNA修復酵素が100万回に一回程度でエラーを起こします。

    このため、DNA損傷はどの細胞でも蓄積されていくのですが、
    通常の細胞は時間経過とともに死んで生まれ変わる為、これが大きく問題になる事はありません。

    しかし、卵子はDNAの損傷が積み重なっていく一方である為、
    女性の年齢とだけ正の相関をすると言われています。

    ある常染色体がトリソミーとなると、その染色体にある遺伝子が1.5倍になるため、
    読み込まれるタンパク量も通常の1.5倍になって様々な影響を及ぼすと考えられます。

    理論的にはどの常染色体にもトリソミーは起こるのですが、
    常染色体の完全なトリソミーは、
    13番染色体・18番染色体・21番染色体の3種類以外はごくまれにしか存在しません。

    この理由は、他の常染色体には遺伝情報が多いため、
    トリソミーによる変化が致死的となり着床しないまたは、早期に流産するためとされています。

    常染色体のトリソミーは染色体に含まれる遺伝子が多ければ多いほど、
    また重要な遺伝子が含まれる数が多いほど重症になる傾向にあります。

    染色体の番号は基本的には、
    染色体のサイズが大きい方から順番に振られているのですが(21番と22番は大きさと番号が逆転しています)、
    染色体のサイズと遺伝子の量、重要性は正確に連動せず、
    常染色体で一番遺伝子の数が少ないのは一番小さい21番染色体の337個ですが、
    2番目に少ないのは18番の400個・3番目が13番の496個となっているのです。

    これに対して21番と染色体のサイズの近い22番は、
    遺伝子数701個、また20番は710個となっています。

    このように遺伝子数が少ない、
    13・18・21の3種類の染色体は完全なトリソミーでも、
    生存への悪影響が比較的小さく出生時まで生存できる可能性はある程度あるのですが、
    これ以外の出生例が稀なのは生存への悪影響が大きすぎるからと考えられています。

    1から6という大きい染色体では部分トリソミー除いて
    モザイクも含めて致死で1トリソミーに至っては着床できません。

    出生可能な常染色体トリソミーものでも、
    流産・死産で出生前に淘汰されることも多く、一番軽い21トリソミーでも
    7~8割は出生前に淘汰されるとされています。

    1トリソミー 致死(出生報告なし)
    2トリソミー 致死(出生報告なし)
    3トリソミー 致死(出生報告なし)
    4トリソミー 致死(出生報告なし)
    5トリソミー 致死(出生報告なし)
    6トリソミー 致死(出生報告なし)
    7トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    8トリソミー ごく稀に出生例あり
    9トリソミー ごく稀に出生例あり
    10トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    11トリソミー 致死(出生報告なし)
    12トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    13トリソミー パトウ症候群
    14トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    15トリソミー 致死(出生報告なし)
    16トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    17トリソミー 致死(出生報告なし)
    18トリソミー エドワーズ症候群
    19トリソミー 致死(出生報告なし)
    20トリソミー モザイクでのみごく稀に出生例あり(完全型は致死)
    21トリソミー ダウン症候群
    22トリソミー ごく稀に出生例あり

     

    Trisomy 21 (Down syndrome)

    21番染色体のコピー数が多いことで起こり、ダウン症候群とも呼ばれます。

    遺伝子の問題で起こる知的障害としては最も多いのがダウン症です。
    ダウン症候群の患者さんはさまざまな程度の知的障害を抱え、平均IQは50です。

    また、ダウン症候群の中には先天性心疾患などの臓器障害を抱えるお子さんもいて、
    外科的または医学的に治療が必要となったりします。

    また、なかには視覚障害・聴覚障害が見られることもあり、
    大きくなってから認知機能障害が認められることもあります。

    Trisomy 18 (Edwards syndrome)

    18番染色体のコピー数が多いことで起こり、エドワーズ症候群と呼ばれます。

    ほとんどが脳・心臓、その他に先天的欠損を複数抱えています。
    子宮内での発育不全も一般的で、多くは流産や死産となります。

    生きて生まれても1歳未満で亡くなることが多かったのですが、最近では寿命は平均6歳くらいにのびています。
    生存している子供たちは、知的障害・発育障害という問題に直面します。

    trisomy 13 (Patau syndrome)

    13番目の染色体のコピー数が多いことで起こり、パトウ症候群とも呼ばれます。

    ほとんどの子供たちは脳やその他の臓器に先天的欠損を抱えます。
    多くは流産や死産となり生きて生まれても1年未満で亡くなることが多いです。

    基本検査と性染色体の異数性検査の精度は?

    感度 特異度 陽性的中率% 陰性的中率%
    常染色体
    正常 99.98% 99.98 100
    T21 100 100
    T18 100 100
    T13 100 71
    性染色体
    正常 99.99 100
    45,X 100 57
    47,XXY
    47,XYY
    48,XXYY

    微細欠失(微小欠失)症候群について

    スーパーNIPTで検査可能な4種類の微細欠失(微小欠失)症候群の頻度を合計すると、
    この4つのいずれかの微細欠失(微小欠失)症候群の出生確率は約2千人に一人となります。

    二千人に一人。
    これを低いととらえるか、
    高いと捉えるのかは個々人により異なるのでしょう。

    しかし、該当する個体にとっては当たる当たらないは、0か1の世界。

    確率の世界と現実との間には埋められない溝があります。
    現実は何もかもを凌駕するのです。

    だから「実際に当たるかどうか教えてほしい」
    というご意見はあってしかるべきであって、それを受けて自己決定したいという要求を
    間違っていると決めつけることは出来ないと思います。

    微細欠失(微小欠失)症候群とは?

    微細欠失(微小欠失)症候群は染色体の一部の小さな断片がなくなることが原因で起こる疾患群です。
    通常の染色体検査では検出できません。

    ある一定の染色体に特異的かつ一般的に起こり、
    よく知られた遺伝性症候群に関連しています。

    ほとんどは両親からの遺伝ではなく、新生突然変異
    (祖先から受け継いだものではなく精子や卵子ができるときにおこる突然変異のことです)で起こり、
    危険因子や家族歴がありません。

    検査の利益はなあに?

    多くの微細欠失(微小欠失)症候群は、身体的精神的双方に障害をもたらし、
    深刻な健康問題を起こします。

    ダウン症は約1/500。
    これに対してスーパーNIPTでわかる4か所の微細欠失(微小欠失)は合算すると約1/2000。
    これを多いとみるか少ないとみるかは個人差がありますが
    前から言っている通り、少ないと当たらないは同一ではありません。
    統計学的に少ない数字でも、当たるか当たらないかはその人それぞれゼロか1の世界なのです。

    これらは血清マーカーテストや超音波検査では検出できません。

    スーパーNIPTでは、絨毛検査や羊水検査といった侵襲的な検査に比較して、
    非侵襲的な検査オプションとして微細欠失(微小欠失)症候群と50遺伝子の500種類の病的バリアント(変異)を提供いたします。

    なぜスーパーNIPT?

    スーパーNIPTは新型出生前診断を従来の13・18・21トリソミーに加えて、
    4つの微細欠失(微小欠失)症候群の検出と、47疾患50種類の遺伝子の500の病的変異に拡大しました。
    全染色体検査は含まれておりません

    妊娠期のマネージメントや新生児を迎えるにあたり準備をすることができることを意図しています。
    *イルミナ社の提供する5つとは異なっていますのでご注意ください。 ベリファイ・プラスも引き続き扱います。

    1p36欠失症候群

    1p36の欠失、発生頻度は 1/4,000-10,000.

    成長障害・重度精神発達遅滞・難治性てんかんなどの症状を来たします。

    落ちくぼんだ眼、尖った顎などの特徴的な顔貌もほぼ全例に認められます。
    乳児期には筋緊張低下、哺乳不良が認められることもあります。
    合併症として、先天性心疾患・難聴・斜視・白内障・肥満、稀に神経芽細胞腫を生じることがあります。

    4p16.3欠失症候群

    Wolf-Hirschhorn Hirschhorn症候群 頻度は1/9,6000.

    4番染色体短腕に位置する遺伝子群の欠失により引き起こされる疾患で、
    重度の精神発達の遅れ、成長障害・難治性てんかん・多発形態異常を主徴といたします。

    特徴的顔貌・成長障害・重度の精神発達の遅れ・筋緊張低下・難治性てんかん・摂食障害などが認められます。

    Smith-Magenis症候群 (17p11.2)

    https://www.shouman.jp/disease/details/13_01_003/
    患者数は全国2000人。
    17p11.2の欠失による先天異常症候群。
    特徴的な顔貌、短い指、中度から重度の知的障害、特徴的な行動特性、睡眠障害を示す。
    乳児期に筋緊張低下を示し、特徴的な顔貌や合併奇形に気づかれる。
    顔貌は短頭、前額突出、眉毛癒合、耳介低位、内眼角開離、斜視、顔面正中低形成、下顎突出が特徴。
    幅広く短い指を伴う。発達の遅れ、中度から重度知的障害を示す。
    行動の障害が主要な問題であり、多動、衝動性、気分の変化、自傷他害などを示す。
    重度の睡眠障害、特に睡眠リズム障害を示す。

    22q11.2欠失症候群

    DiGeorge症候群 出生1/4,000.

    患者の80%は先天性心疾患を合併し、胸腺発達遅延・無形成による免疫低下、特徴的顔貌・口蓋裂・軟口蓋閉鎖不全・低カルシウム血症などを主徴とする。
    心疾患は、ファロー四徴症・肺動脈弁欠損・肺動脈閉鎖・主要体肺側副動脈の合併などがある。
    さらに合併する免疫低下、血小板減少・肺高血圧などによる手術死亡の報告もあり、
    未だ効果的な治療方法は未確立、予後不良の疾患である。
    患者はたとえ生存しても、発達遅延や精神疾患・統合失調症などによる生活面の長期にわたる支障を来す。発達遅延・特徴的顔貌・先天性心血管疾患・口蓋裂・胸腺低形成・低カルシウム血症など、多様な臨床症状を伴う。
    重症な心奇形に加え、低身長・血小板減少・汎血球減少・痙攣・斜視・気管支軟化症・脳萎縮・白内障・尖足・側弯症・腎奇形・尿道下裂・鎖肛・鼠径ヘルニアなど、180以上の臨床症状が報告されている。

    微細欠失症候群の精度は?

    まだNが少ないのですが。論文化しているなかでは、5例みつかって5例正診でした。

    よくあるご質問

    Q.双子やvanishing twinでも検査可能ですか?
    はい。単体、双胎、vanishing twinで13/18/21トリソミーの基本検査と4種の微細欠失と単一遺伝子疾患の検査がすべて可能です。

    Q.スーパーNIPTで検出できるのはなんですか?
    ①常染色体の異数性としては、13/18/21の3つの染色体のトリソミーです。
    ②性染色体の異数性は単胎の場合のみですが、
    45, X Turner syndrome
    47, XXX Triple X syndrome
    47, XXY Klinefelter syndrome
    47, XYY Jacob syndrome
    48, XXYY
    が検出可能です。
    微細欠失症候群は
    22q11.2  DiGeorge syndrome
    1p36   1p36 deletion syndrome
    17p11.2  Smith-Magenis syndrome
    4p16.3  Wolf-Hirschhorn syndrome
    の4つを対象としています。
    ⑤あかちゃんの性別(単胎のみ)
    その他、50遺伝子の500の変異による単一遺伝子疾患については、該当の部分を見てください。

    Q.夫婦で行けない場合はどうしたらいいですか?
    はい。この検査は、母体の腕から採取した血液サンプルと生物学的な父親のほほ粘膜の擦過細胞(スワブ)でいたします。このため、お父様が来られない場合は、事前に口腔粘膜をお取りいただくためのキットを取りに来る、または実費にて郵送の上、ご自宅で当院記載のマニュアルに沿って口腔粘膜をお取りいただいてお持ちいただく、というかたちで可能です。事前に郵送などが必要なので必ずお申し出ください。

    Q.妊娠何週から受けられますか?
    10週から検査可能です。

    Q.イルミナの検査との違いはなんですか?
    わかりやすく表にまとめてみました。

    基本検査
    全染色体
    内容
    微細欠失 単一遺伝子疾患
    単胎 双胎 vanishing twin 単胎 双胎 vanishing twin
    イルミナ 1p36
    4p16.3
    5p-
    15q12
    22q11.2
    × 〇(イルミナの検査にはvanishing twinのチェック項目がありませんので、単胎扱いとなります) × × ×
    スーパーNIPT × 1p36
    4p16.3
    17p11.2
    22q11.2

     

     

    Q.第一世代と第二世代の測定方法の違いはなんですか?
    ワイドゲノム法であることは同じですが。

    NIPTではもともと断片化されているDNAを集めて測定するのですが、あかちゃんの断片は母体の断片より短いことを利用して二人の区別をしています。
    赤ちゃんの分は150塩基対くらいなんです。
    また、現在では一塩基多型SNPと呼ばれる個人的な並び方の特徴を組み合わせて測定しています。
    第一世代では、この断片の両端の36塩基を決定して、どこの断片なのかを決定していました。
    イメージとしては積み木を積み上げていく、って感じかなと思ってください。
    塩基が4種類ありますから、4の36乗という組み合わせが理論的にあり、また、SNPという特徴的な配列を見ることにより
    精度を上げてきました。
    第2世代ではこの両端の75塩基を決定しています。
    つまり、断片の端から端までの塩基を決定しているのです。
    これが今までとは全く異なる点であり、だからこそ、一つの塩基が変わってしまって疾患を起こす、という変化を検出できるようになりました。
    要するに、今までは断片の半分くらいしか塩基配列を決定していなくて、配列そのものの異常ではなく
    該当するブロックが多いか少ないか、という検査だったわけです。

    遺伝子の塩基配列が一つ変わってしまったこと、それも赤ちゃんだけで起こってしまっている新生突然変異を検出するための技術的なことをまとめた論文では、85%の検出率で陽性的中率は74%となっています。
    しかし、今までのものでは検出率96%でも陽性的中率が0.1%未満とか、全然臨床応用できなかったのす。
    技術は日進月歩しますので、はかり方(深さ)やはかる断片の長さを工夫することで、それらを順番に改善し
    やっと臨床応用できるレベルになってきたということです。
    まだまだ一部の遺伝子と一部の病的バリアントと一部の疾患ですが、傾向としては対象が拡大していくと思われます。


    Q.「頻度」と「保因者頻度」の違いを教えてください
    頻度がたとえば一万分の一で、常染色体劣性遺伝性疾患だとすると、ご両親が病的遺伝子を保因していたら
    お子さんは1/4の確率で疾患を発症しますよね?
    そうすると、保因している頻度は (1万×4)の平方根となり、200人に一人となります。

    Q.自閉症がわかるってことですか?
    自閉症スペクトラムはいろんな原因でおこる多因子疾患です。そのなかの該当する遺伝子の異常で起こるものだけが検査可能です。
    したがって、自閉症スペクトラムの全体を検査するものではありません。
    当院では自閉症スペクトラムの遺伝子検査も行っておりますのでそちらも併せてごらんください。
    https://minerva-clinic.or.jp/genetictesting/autismpanel/

    keyword: 染色体異常 微細欠失(微小欠失) ダウン症候群 新生児
    障害 全染色体 NIPT 新型出生前診断 非侵襲的出生前診断

この記事の筆者

  • 仲田洋美総合内科専門医、臨床遺伝専門医
    がん薬物療法専門医
    神宮外苑ミネルバクリニック 院長

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。
いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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