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婚活・結婚前に受けたいDNA(遺伝子)ブライダルチェック|健康な二人でも知っておきたい保因者検査を臨床遺伝専門医が解説

仲田洋美 臨床遺伝専門医

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・がん薬物療法専門医・総合内科専門医。のべ10万人以上のご家族の意思決定に伴走。「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

「婚活」の場面でも、DNA・遺伝子という言葉を耳にすることが増えました。結婚相談所のマッチングにDNA解析を使うサービスも登場しています。ただ、医療の世界で「婚活・結婚前のDNA検査」というとき、目的はまったく別です。それは相性を占うものではなく、お二人の間に生まれるお子さんに、遺伝性の病気が受け継がれる可能性を前もって知るための検査——遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)です。この記事では、婚活・結婚前という早い段階でこの検査を考える意味を、臨床遺伝専門医の視点でわかりやすく解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約11分
🧬 婚活・結婚前のDNA(遺伝子)検査
臨床遺伝専門医監修

Q. 婚活で聞く「DNA検査」と、遺伝子ブライダルチェックは同じものですか?

A. 別のものです。婚活サービスの「DNAマッチング」は相性の指標として使われるものですが、遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)は、お二人が同じ遺伝性疾患の「保因者」かどうかを調べ、生まれてくるお子さんへのリスクを妊娠前に把握するための医療検査です。この記事で扱うのは後者です。

  • 保因者とは → 病気の変化を1つだけ持つ、通常は健康な人。二人でそろうと子に影響が出うる
  • 誰もが保因している → 健康な人でも平均2〜3個程度の劣性疾患の変化を持つと報告される
  • なぜ婚活・結婚前か → 早く知るほど、落ち着いて考えられる選択肢が多い
  • 二人で受けるのが基本 → 「同じ病気の保因者どうしか」は二人の結果を合わせて初めてわかる
  • わかっても選べる → 着床前診断など、リスクを踏まえた選択肢がある

「DNA婚活」と「遺伝子ブライダルチェック」はどう違う?

検索して来られた方の中には、「DNAで相性のいい相手を探す婚活サービス」を思い浮かべた方もいるかもしれません。まず、そこをはっきり分けておきます。

比べるポイント DNA婚活(マッチング系) 遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)
目的 相性のよい相手選びの参考にする 生まれてくる子への遺伝リスクを知る
位置づけ 婚活サービスの一機能 臨床遺伝専門医が関わる医療検査
調べる相手 主に本人一人 お二人(組み合わせで評価)
結果の使い道 出会いのきっかけ 家族計画・妊娠前の準備

この記事で扱うのは右側、医療としての遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)です。相手を選別するためのものでも、優劣をつけるためのものでもありません。これから一緒に家族を築こうとするお二人が、正確な情報をもとに、納得して選択できるようにするための検査です。

遺伝子ブライダルチェックとは

従来のブライダルチェックは、結婚前に感染症や妊娠に関わる体の状態を調べる健康診断が中心でした。これに対して遺伝子ブライダルチェックは、お二人のDNAを調べて、お子さんが常染色体劣性(潜性)遺伝病やX連鎖遺伝病を受け継ぐ可能性を、妊娠前・妊娠早期に把握するものです。専門的には「保因者(キャリア)スクリーニング検査」と呼ばれます。検査の仕組みや対象疾患をはじめから知りたい方は、保因者スクリーニング検査とは(仕組み・対象疾患・妊活への活かし方)もあわせてご覧ください。

💡 用語解説:保因者(キャリア)とは

保因者とは、病気の原因となる遺伝子の変化を持っているものの、本人は発症していない人のことです。人の遺伝子は2つで1組になっており、片方に変化があっても、もう片方が正常なら発症しません。そのため保因者は通常まったく健康で、見た目や一般的な血液検査では気づけません。多くの劣性遺伝病は、両親がともに同じ病気の保因者で、その変化が子に2つそろったときにはじめて発症します。

先天的な病気は、生まれてくる赤ちゃんの約3%に見られると報告されています[1]。その原因は、染色体の変化、遺伝子の変化、環境要因などさまざまで、遺伝子の変化はそのうちの一部を占めます。すべてを事前に予測できるわけではありませんが、保因者検査で調べられるタイプの遺伝病については、妊娠前に「リスクがあるかどうか」を知ることができます。米国では、妊娠を考える段階での保因者検査が一般的になってきています。

なぜ「婚活・結婚前」という早い段階なのか

保因者検査は、結婚後でも妊娠後でも受けられます。それでも「婚活・結婚前」という早い段階に意味があるのは、早く知るほど、落ち着いて考えられる時間と選択肢が多くなるからです。妊娠してから、あるいは生まれてから初めて分かるのと、妊娠前に分かっているのとでは、取れる道の広さがまったく違います。

結婚を意識し始めた段階でお互いの体のことを話し合っておくのは、決して重い話ではありません。むしろ、これから長い時間をともに過ごす相手と、家族の将来について前向きに準備を始めるということです。結婚前に遺伝的なことで不安がある方は、結婚前に考えたい遺伝性疾患のリスクもあわせてご覧ください。また、遺伝学的に問題がないことを確認したい方向けに、結婚前の診断書発行サポートも行っています。

仲田洋美 臨床遺伝専門医

🩺 院長コラム【「知るのが怖い」という気持ちを、否定しません】

婚活中や結婚前の方から、「調べて何か見つかったら、この結婚はどうなるんだろう」というご相談を受けることがあります。その不安は、とても自然なものです。私は、無理に検査を勧めることはしません。ただ一つお伝えしているのは、保因者であることは「珍しい欠陥」ではなく、誰もが持っているごくありふれたことだということです。

大切なのは、一人ひとりが保因者かどうかではなく、「お二人の組み合わせ」がどうか、という一点だけです。そこを正しく理解していただくと、多くの方が「思っていたより怖い話ではなかった」とおっしゃいます。知ることは、追い詰められるためではなく、落ち着いて選ぶためにある——私はそう考えています。

「家族に遺伝病がいないから大丈夫」とは限らない

保因者検査でとても重要なのは、家族歴がなくても、多くの人が何らかの遺伝病の保因者であるという事実です。実際、健康な人を対象にした研究では、誰もが平均しておよそ2〜3個程度、劣性遺伝病の原因となる変化を持っていると報告されています[2][3]。保因していること自体は、まったく珍しいことではありません。

なぜ家族歴が当てにならないのか。劣性遺伝病は、両親がともに同じ病気の保因者で、その変化が子に2つそろったときに初めて発症します。保因者は無症状のため、何世代にもわたって家系の中で気づかれずに受け継がれてきていることがあります。だから「うちの家系に遺伝病の人はいない」という理由だけでは、リスクがないとは言えないのです。これは検査をして初めてわかることです。

💡 用語解説:常染色体劣性(潜性)遺伝とX連鎖遺伝

常染色体劣性(潜性)遺伝とは、両親から受け継ぐ2つの遺伝子の両方に変化がそろったときに発症する遺伝形式です。片方だけの保因者は発症しません。X連鎖遺伝は、X染色体上の遺伝子による遺伝形式で、X染色体が1本の男性は変化を受け継ぐと発症しやすいという特徴があります。

二人で受けるのが基本 ─ 「組み合わせ」がすべて

保因者検査で本当に知りたいのは、一人ひとりの結果というより、「お二人が同じ病気の保因者どうしか」という一点です。お二人がそろって同じ病気の保因者だった場合、生まれてくるお子さんはおおむね4分の1の確率でその病気を発症します。逆に、どちらか一方だけが保因者でも、お子さんが発症することは通常ありません。だからこそ、最終的にはお二人の結果を合わせて評価する必要があります。

以前は「まず女性が受け、保因者だった場合にだけ男性が受ける」という順番の考え方もありました。しかし現在は、お二人が同時に受ける方法が国際的にも推奨される方向にあります[4]。理由の一つは、数百の遺伝子を調べる検査では、多くの方が「何かの保因者」と判定されるため、結局はパートナーの検査も必要になることが多いからです。同時に受けたほうが、結果を待つ時間が短くなり、判断も早く進められます。婚活・結婚前という段階なら、二人で足並みをそろえて受けやすいという利点もあります。

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もし「二人とも保因者」だったら ─ わかっても選べる

「調べて悪い結果が出たらどうしよう」という不安は自然なものです。ですが、お二人が同じ病気の保因者だとわかった場合でも、選べる道はいくつもあります。妊娠前に知っていれば、それらを落ち着いて比較して選ぶ時間があります。

選択肢 内容
着床前診断(PGT-M) 体外受精を行い、その病気を発症しない胚を選んで移植する(日本産科婦人科学会の制限あり)
出生前診断 自然妊娠したうえで、お腹の赤ちゃんが実際に発症するかを妊娠中に調べる
早期の治療準備 生まれてすぐ治療を始めることで発育が期待できる病気もあり、事前に備えられる
その他 提供された卵子・精子の利用など(学会の制限あり)。専門医と相談して検討

大切なのは、これらをお二人自身が納得して選べるということです。着床前診断だけが唯一の道というわけでもありません。選択肢の全体像は、着床前診断(PGT-M)だけが選択肢ではない理由で臨床遺伝専門医が解説しています。

仲田洋美 臨床遺伝専門医

🩺 院長コラム【「防げたかもしれない」という後悔を減らすために】

お子さんが重い遺伝病を持って生まれ、その後になって「あのとき検査していれば」と涙を流されるご家族に、私は何度もお会いしてきました。実際、SNSでご自身のお子さんの難病を公表された著名な方が、「妊娠中の採血ではわからなかった」「次の妊娠は4分の1の確率で同じ病気になると言われた」と語られ、大きな反響を呼んだこともありました。こうした劣性遺伝病は、まさに保因者検査で妊娠前にリスクを知ることができるものです。

もちろん、検査を受ける・受けないは完全にご自由です。ただ、「知る手段があった」ことを後から知って苦しむ方を、私は一人でも減らしたい。それが、婚活・結婚前という早い段階でこの検査をお伝えしている理由です。

ミネルバクリニックで受けられる遺伝子ブライダルチェック

ミネルバクリニックでは、臨床遺伝専門医のもとで遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)を提供しています。調べる範囲に応じて複数のパネルを用意しており、女性向けの787遺伝子パネル(女性版)、男性向けの714遺伝子パネル(男性版)、そして保因者検査に不妊関連の検査などを組み合わせたオールインワンの遺伝子ブライダルチェックパネル検査などから選べます。米国の学会が示す世界基準(ACMG・ACOGの推奨)についてはキャリアスクリーニング検査|米国人類遺伝学会の推奨内容で解説しています。

検体は血液のほか、唾液・口腔粘膜のぬぐい液でも採取できます。唾液・ぬぐい液の場合は、オンライン診療で遺伝カウンセリングを受けたのち、検体を郵送する形で、来院せずに全国どこからでも受けられます。検査の前後には臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、「何がわかり・何がわからないのか」「結果をどう受け止め、どう生かすか」までを一緒に整理します。そもそも受けるべきか迷っている方は、ブライダルチェックは必要ない?もあわせてご覧ください。

⚠️ 「陰性=リスクゼロ」ではありません

保因者検査が陰性であっても、お子さんの病気のリスクが完全になくなるわけではありません。検査で調べられるのは数ある遺伝病の一部であり、受精のときに新しく生じる変化(de novo変異)や、検査の技術上とらえにくい変化は検出できないためです。陰性は「発症するお子さんを持つ可能性が低くなる」という意味だと、正しく理解しておくことが大切です。

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※妊娠前の検査全般は妊娠前遺伝子検査もご覧いただけます

遺伝子ブライダルチェックによくある誤解

誤解①「DNAで相性を見る婚活サービスと同じ」

別物です。遺伝子ブライダルチェックは相性判定ではなく、お子さんへの遺伝リスクを調べる医療検査です。相手を選別するためのものではありません。

誤解②「家族に遺伝病がいないから不要」

保因者は無症状のため、家族歴がなくても保因していることがよくあります。健康な人でも平均2〜3個程度の変化を持つと報告されています。

誤解③「片方だけ調べれば十分」

劣性遺伝病は二人がそろって同じ病気の保因者のときに子へのリスクが生じます。片方だけではリスクを正しく評価できません。

誤解④「陽性=結婚できない・産めない」

そうではありません。保因者どうしでも着床前診断など複数の選択肢があります。早く知るほど落ち着いて選べます。

この記事のまとめ ─ 婚活・結婚前のDNA(遺伝子)検査

ここまでの要点を、一覧で整理します。詳しくは各セクションをご覧ください。

🧬 遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)の基本

項目 内容
目的 お二人のDNAを調べ、子どもが遺伝性疾患を受け継ぐリスクを評価する
DNA婚活との違い 相性マッチングではなく、子への遺伝リスクを知る医療検査
対象 結婚・妊娠を考えている方。婚活中・結婚前でも、結婚後でも受けられる
受け方 お二人で受けるのが基本。組み合わせで初めてリスクがわかる
陰性の意味 リスクは下がるがゼロにはならない
結果が出たら 着床前診断・出生前診断など、複数の選択肢を専門医と検討できる

各項目の詳しい解説は、本文の該当セクションをご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 婚活で聞く「DNA検査」と遺伝子ブライダルチェックは同じですか?

別のものです。婚活サービスの「DNAマッチング」は相性の指標として使われるものですが、遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)は、お二人が同じ遺伝性疾患の保因者かどうかを調べ、生まれてくるお子さんへのリスクを妊娠前に把握するための医療検査です。相手を選別したり優劣をつけたりするものではありません。

Q2. まだ結婚も妊娠も先ですが、いま受ける意味はありますか?

あります。早い段階で知っておくほど、結果に応じて落ち着いて考えられる時間と選択肢が多くなります。結婚後でも妊娠後でも受けられますが、婚活・結婚前という段階なら、お二人で足並みをそろえて受けやすいという利点もあります。

Q3. 家族に遺伝病の人はいません。それでも受ける意味はありますか?

意味があります。保因者は無症状で健康に見えることがほとんどのため、家族に病気の人がいなくても保因者であることはよくあります。実際、健康な人でも平均しておよそ2〜3個程度の劣性遺伝病の変化を持っていると報告されています。家族歴がなくても、検査をして初めて保因状態がわかります。

Q4. 二人で受けないといけませんか?片方だけではだめですか?

お一人でも受けられますが、劣性遺伝病はお二人がそろって同じ病気の保因者のときにお子さんへのリスクが生じるため、最終的にはお二人の結果を合わせて評価します。数百の遺伝子を調べると多くの方が何かの保因者と判定されるため、現在はお二人が同時に受ける方法が推奨される方向にあります。同時に受けると結果を待つ時間も短くなります。

Q5. もし二人とも同じ病気の保因者だったら、どうなりますか?

さまざまな選択肢があります。体外受精を行い発症しない胚を選ぶ着床前診断(PGT-M)、自然妊娠して妊娠中に調べる出生前診断、生まれてすぐの治療に備えるなどです(着床前診断などには日本産科婦人科学会の制限があります)。着床前診断だけが唯一の道ではありません。まずは臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングで、お二人に合った道を一緒に考えていきます。

Q6. 検査が陰性なら、子どもに遺伝病が起きる心配はありませんか?

リスクは大きく下がりますが、ゼロにはなりません。検査で調べられるのは数ある遺伝病の一部であり、受精のときに新しく生じる変化(de novo変異)や、技術上とらえにくい変化は検出できないためです。陰性は「発症するお子さんを持つ可能性が低くなる」という意味だと理解しておくことが大切です。

Q7. 遠方に住んでいますが受けられますか?

受けられます。ミネルバクリニックでは、唾液・口腔粘膜ぬぐい液を用いる場合、オンライン診療で遺伝カウンセリングを行ったのち、検体を郵送していただく形で、ご来院なしに全国どこからでも受けられます。

🏥 婚活・結婚前の「二人で知っておく」をサポートします

DNA(遺伝子)でわかる、お子さんへの遺伝リスク。
受けるかどうかの入り口から、臨床遺伝専門医が一緒に考えます。
全国どこからでもオンラインでご相談いただけます。

参考文献

  • [1] 国立成育医療研究センター. 周産期遺伝外来を受診する方へ(医学的処置が必要な先天異常をもって出生する児の割合は約3%). [国立成育医療研究センター]
  • [2] Lazarin GA, et al. An empirical estimate of carrier frequencies for 400+ causal Mendelian variants: results from an ethnically diverse clinical sample of 23,453 individuals. Genet Med. 2013;15(3):178-186. [Genet Med]
  • [3] Fridman H, et al. The landscape of autosomal-recessive pathogenic variants in European populations reveals phenotype-specific effects. Am J Hum Genet. 2021;108(4):608-619. [PubMed]
  • [4] Gregg AR, et al. Screening for autosomal recessive and X-linked conditions during pregnancy and preconception: a practice resource of the ACMG. Genet Med. 2021;23(10):1793-1806. [Nature]

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プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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