遺伝病を理解するためのヒトゲノム入門編【2】DNAの構造

 

DNAの構造


DNAはヌクレオチドが重合してできた高分子で、五炭糖のデオキシリボース、窒素を含む塩基、リン酸という3つの要素からなる。核酸塩基にはプリン(purine)塩基とピリミジン(pyrimidine)塩基の2種類があります。
DNAのプリン塩基はアデニン (adenine:A )とグアニン (guanine:G )の2種類、ピリミジン塩基はチミン (thymine:T )とシトシン(cytosine:C )の2種類です。
塩基・リン酸・糖各1個ずつからなるヌクレオチドは、DNAの最小単位です。
隣接するデオキシリボースどうしが5′3′ホスホジエステル結合することによって重合し、長い鎖を形成します。

ヒトゲノムではこのようなポリヌクレオチド鎖(ポリは多という意味です。多いヌクレオチドが連なって長い鎖になります。)が二重らせん構造を形成しています。

DNAは一つの細胞からそのコピーされた娘細胞へ、あるいは一つの世代から次の世代へと遺伝情報を正確に伝えるために化学的情報を保持する構造となっています。
DNAの塩基配列は、3つの単位(コドン)で一つのアミノ酸に対応しているため、タンパクのアミノ酸配列を決定します。

ここにコドン表を出しておきましたが、この中のUはウラシルで、DNAは一度RNAにコピーされるのですが、RNAの塩基はAGCTではなくチミンがウラシルUになっているためです。

DNAの基本構造が二重らせんであることは、1953年にWatsonとCrickにより解明されました。
DNAのらせん構造は、右巻きのらせんで、逆向きの2本のポリヌクレオチド鎖が対をなす塩基(AT, CG)で水素結合を形成する構造になっています。

ヒトゲノムにコードされた遺伝情報は、その染色体を構成する二重らせんの2本のポリヌクレオチド鎖上にAGCTの4つの塩基の配列として存在します。
2本のDNA鎖は互いに相補的な関係にあるので一方の塩基配列が分かれば自動的に他方の塩基配列もわかります。
複製するときにはDNAは1本ずつにほどかれ、1本鎖になった後にそのDNA鎖の配列を鋳型として2本の新しい相補鎖が合成されます。

生体は内在する活性酸素や紫外線などのDNAを損傷する原因から毎日たくさんのDNA損傷を受けて暮らしていますが、DNAが損傷したときにもこの塩基の相補性を利用して効率よくかつ正確に修復が行われます。

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この記事の筆者

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。
いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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