減数分裂
減数分裂とは
二倍体細胞が一倍体の配偶子を形成する過程であり、生殖細胞だけがこの細胞分裂の方法をとります。
体細胞分裂とは異なり、減数分裂では1回のDNA複製に続いて2回の染色体分離と細胞分裂が起こります。
分裂過程の全体的な順序は男性と女性で同じですが、配偶子形成の時期は両性で全く異なります。
第一減数分裂 meiosis 1
前期に相同染色体が対合し、後期に相同染色体が二つの娘細胞へと分離して染色体数が半分に減ることから文字通りの減数分裂(reduction division)となります。
第一減数分裂では遺伝的組換え(recombination)と呼ばれる相同染色体の交叉現象が起こります。各相同染色体対の非姉妹染色分体間(父母両方からもらった1本ずつ)でDNAの相同領域を交換する仕組みです。生物が多様性を保つためにこの仕組みがあります。
したがって、減数分裂により形成される配偶子にまったく同じ遺伝情報を持つものはありません。組換えはランダムに起こるからです。
第一減数分裂前期 meiotic prophase 1
多くの点で体細胞分裂前期と異なり、相同染色体が対合して遺伝情報を交換する必要があるため、遺伝学的な影響力が大変大きくなっています。最も重要な早期段
階は合糸期(zygotene)と呼ばれ、相同染色体が全長にわたって整列を始める。対合(synapsis)と呼ばれる減数分裂時のベアの過程は非常に正確に行われ、染色体対の全長にわたって対応するDNA配列が整列します。対合した相同染色体は二価染色体(bivalent)と呼ばれ、接合糸複合構造というリボン状のタンパクの作る構造で互いに結びつきます。しっかりと結びつくこの過程が組換えに必要不可欠となっています。
対合が完成した後、減数分裂時の交叉が起こって組換えが行われ、この後に接合糸複合構造は破壊されます。
第一減数分裂中期 meiotic metaphase 1
体細胞分裂前中期と同様に核膜の消失と同時に始まります。
紡錘体が形成されて、対合する染色体が赤道面に沿って整列し、各染色体のセントロメアは互いに反対極を向きます。
第一減数分裂後期 meiotic anaphase 1
体細胞分裂後期では姉妹染色分体どうしが離れるのに対して、第一減数分裂後期で互いに離れるのは各二価染色体を構成する2つの相同染色体です。
2つの相同染色体は、姉妹染色分体を結びつけている相同セントロメアの部分が細胞の両第一減数分各極に引き寄せられることにより離れていきます。
染色体数は半分になり、第一減数分裂後の各細胞は一倍体の染色体数を持つことになります。
23対の相同染色体はそれぞれ独立して各細胞に分配され、元の父由来および母由来の染色体セットがランダムな組み合わせで分配されて存在します。
配偶子として存在しうる23本の染色体対の組み合わせの数は223 (800万以上)となりますが、遺伝子組み換えの過程を経るために親から子へ伝達される遺伝情報の多様性は実際にはこれよりはるかに大きなものとなります。
減数分裂間期 meiotic interphase
第一減数分裂終期の後、2つに分かれた一倍体の娘細胞は減数分裂間期へと入りますが、体細胞分裂間期と比較して減数分裂の間期はく、その後第二減数分裂が始まります。減数分裂間期と体細胞分裂間期の重要な違いは第一減数分裂と第二減数分裂との間にはS期がないことで、DNA合成とゲノムの複製がありません。
第二減数分裂 meiosis 2
染色体数が46本ではなく23本という点を除けば通常の体細胞分裂と類似していて、23本の各染色体を構成する染色分体がそれぞれ分離して各染色体のうち1つの染色分体は1つの娘細胞へと移行します。
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