DNA転写概論

 

遺伝子の転写過程

タンパクをコードする遺伝子では、遺伝子からポリペプチドヘの情報の流れに複雑な段階があります。複雑な過程の各段階は誤りを生じやすく、この誤りを引き起こす変異が多数の遣伝性疾患に関与しています。

転写因子

遺伝子の転写開始は、プロモーターやの他の調節配列、そして特異的なタンパクである転写因子(transcriptional factor)の影響を受けています。
転写因子はプロモーターやその他の調節配列内の特定の配列と作用しあって遺伝子の時間的・空間的発現パターンを決定しています。
遺伝子の転写は染色体DNA上の転写開始点から始まりますが、これはコード配列のすぐ上流にあり、 5′側の転写されるが翻訳されない領域(5′翻訳領域:5′UTR)が始まる部位となります。
転写領域は数百塩塞対から百万塩基対以上と大きさも多彩ですが、どのような場合でもイントロンエクソンの両方が転写されてコード配列の終わりを過ぎても転写は続きます。

キャップポリA付加

一次転写産物RNAはその後5′末端と3′末端の両方が修飾を受けます。
5’側はキャップと呼ばれる構造が取り付けられます。

3’側はポリAと呼ばれる構造が取り付けられます。

スプライシング

そしてイントロンに相当する部分が除去されて、エクソンに相当部がつなぎ合わされるのですが、イントロンが除去されることをRNAスプライシング(RNA splicing)といいます。

輸送

スプライシングされたmRNAは核から細胞質に輸送されます。

翻訳

細胞質でmRNAがコードするポリペプチド鎖のアミノ酸配列に翻訳されます。

【関連記事】

遺伝病を理解するためのヒトゲノム入門編:索引にもどる

この記事の筆者

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

患者さんが抱えている問題を解決するにはどうしたらよいのかを考えて医師歴8年目に法学部に学士入学した程度に”凝り性”。女医が少なかった時代に3人の母親として難関専門医を3つ取得して社会進出を続けた経験から、女性のライフスタイルを医学以外の部分でも支援したいと願っている。
いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

プロフィールはこちら

 

Pocket