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DNA転写概論

DNA転写概論

DNAからRNAを合成する段階を転写(transcription)といい、DNAは二重鎖構造をしていますが、この時RNAに読み込まれるほうの鎖をアンチセンス鎖といいます。RNAは鋳型として作られます。

遺伝子の転写過程

タンパクをコードする遺伝子では、遺伝子からポリペプチドヘの情報の流れに複雑な段階があります。複雑な過程の各段階は誤りを生じやすく、この誤りを引き起こす変異が多数の遣伝性疾患に関与しています。まず転写因子がDNAに結合して転写を開始し、エクソンとイントロンの両方を含んだ成熟でプレmRNA(mRNA前駆体)と呼ばれるmRNAができます。その後、イントロンの部分がスプライシングされてmRNAが出来ます。mRNAは分解酵素が周囲にたくさんありどんどん分解されるのでこれを防ぎ安定化させるために3’と5’側の両方が修飾を受けます。

転写因子

遺伝子の転写開始は、プロモーターやの他の調節配列、そして特異的なタンパクである転写因子(transcriptional factor)の影響を受けています。
転写因子はプロモーターやその他の調節配列内の特定の配列と作用しあって遺伝子の時間的・空間的発現パターンを決定しています。
遺伝子の転写は染色体DNA上の転写開始点から始まりますが、これはコード配列のすぐ上流にあり、 5’側の転写されるが翻訳されない領域(5’非翻訳領域:5’UTR)が始まる部位となります。
転写領域は数百塩塞対から百万塩基対以上と大きさも多彩ですが、どのような場合でもイントロンとエクソンの両方が転写されてコード配列の終わりを過ぎても転写は続きます。

DNAの転写される仕組み

キャップとポリA付加

一次転写産物RNAはその後5’末端と3’末端の両方が修飾を受けます。
5’側はキャップと呼ばれる構造が取り付けられます。

mRNAの5’側のキャップ構造

3’側はポリAと呼ばれる構造が取り付けられます。

mRNAの3’側のポリAテール

スプライシング

そしてイントロンに相当する部分が除去されて、エクソンに相当部がつなぎ合わされるのですが、イントロンが除去されることをRNAスプライシング(RNA splicing)といいます。

RNAスプライシングの仕組み

輸送

スプライシングされたmRNAは核から細胞質に輸送されます。

翻訳

細胞質でmRNAがコードするポリペプチド鎖のアミノ酸配列に翻訳されます。
mRNAからリボソームでアミノ酸が付加されてタンパクに翻訳される過程

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この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

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