片親性ダイソミー(イソダイソミー)

片親性ダイソミーとは?

片親性ダイソミーとは通常2本ある染色体は父母から1本ずつ受け継いでいるところ、2本とも父または母という片親から受け継いでしまうことをいいます。トリソミーをレスキューしようとする生体反応の結果としておこります。

ダイソミーとは?

ダイソミー disomy ですよね。
di = 2 を意味します。
それでは、 somy ってなんでしょうか?

染色体は塩基性の色素(Gimsa stain)でよく染色されることから、ヴィルヘルム・フォン・ヴァルデヤー(Heinrich Wilhelm Gottfried von Waldeyer-Hartz)によって1844年に Chromosome と名付けられました。
chromosome =  khrōma 「色」+ sôma 「体」 どちらもギリシャ語です。
ここから、-someという接尾語がchromosomeという意味を持つようになりました。
yは「名詞を作る」接尾語ですよね。

するとダイソミーは染色体が2本ある状態をさす言葉となります。

片親性ダイソミー

染色体不分離がおこると、分離がうまくいかなかった染色体ではトリソミーまたはモノソミーとなるのが通常です。
ですが、頻度としては少ないのですが、母親と父親に由来する染色体を1本ずつではなく、同じ親に由来する染色体を2本もっていることがあります。この状態が片親性ダイソミー(uniparental disomy)と呼ばれます。

2本の染色体の由来から
イソダイソミーisodisomy:片親の1本の染色体の重複に由来
ヘテロダイソミーheterodisomy:片親の相同染色体の両方が存在
に分類しますが、片親性ダイソミーの場合、イソダイソミーということになります。

トリソミーレスキュー

片親性ダイソミーの最も起こりやすいと考えられる状況は、胎児のトリソミー細胞において不分離をダイソミーに復帰させるトリソミー「レスキュー」が働くことです。

片方の親の生殖細胞で減数分裂における不分離が起こる。

受精後早期の体細胞分裂において第二の不分離が起こる。

自然流産の可能性の高いトリソミー胎児がレスキューされる。

最初の不分離がどちらの親のどの段階で起きたか、母親か父親か、第一減数分裂第二減数分裂か、減数分裂時の組換えの位置、受精後に体細胞分裂における不分離によって3本ある染色体のうちのどの染色体が失われるか、により、胎児もしくは生産児はその染色体の完全/部分イソダイソミー/ヘテロダイソミーをもつことになります。

片親性ダイソミーの頻度はわかっていません。
家系内で片親から遺伝的にうけつがれている多型と比べる研究の結果、ほとんどの染色体で片親性ダイソミーは報告されています。
しかし、臨床的な異常はそのうちの一部にしかみられません。
つまり、片親に由来する2コピーの中にインプリンティング部位がある場合や、たとえば片親のみがたまたま劣性遺伝性疾患の病的遺伝子保因者であった場合には、赤ちゃんに当該劣性疾患がみられる場合、が典型的な場合としてみつかります。

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この記事の筆者

1995年医師免許取得。血液・呼吸器・感染症内科を経て、臓器別・疾患別の縦割りの医療の在り方に疑問を感じ、人を人として”全人的”に診療したいという思いを強くし、臓器を網羅した横断的専門医となり、2010年にがん薬物療法専門医取得(2019年現在全国1200人程度)。臓器を網羅すると遺伝性がんへの対策が必要と気づき、2011年に臨床遺伝専門医取得(2019年現在全国1000人程度)。遺伝相談はセンシティブな分野にもかかわらず、昼間の短い時間しか対応できない大病院のありかたに疑問を感じて、もっと必要な人がハードルを感じずに診療を受けられるようにしたいと2014年12月に開業。以来、全国から大学病院でも難しい内容の対応を求める人々を受け入れ、よろづお悩み相談所として多くの人々の様々な”家族(計画)の問題”を改善に導く。

著書に”女性のがんの本当の話”(ワニブックス)、”遺伝するがん・しないがん”(法研)がある。
少ない専門家で、正直で嘘のない言葉選びから週刊誌等の取材も多く、医療系の特集に時折コメントが掲載。(週刊現代、週刊ポスト、週刊新潮など)。
テレビ出演も時々あり、小林真央さんの病状を市川海老蔵さんが初めて記者会見した日、フジテレビの午後4時台のニュース番組に生出演して解説。その他TBS, AbemaTVなど出演。

一人一人の事情に合わせた個別対応をするべく、しっかり時間を取って本当のニーズは何かを聞き取りすることを大切にしている。短い時間でもお互いが出会ったことが相手の人生に大きな意味があるような医師患者関係の構築を理想として日々精進。

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いろんな人生経験から心に響く言葉を投げかけるため、”会うと元気になる”ということで有名。飼いネコ3匹。

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