
この記事の筆者:仲田洋美(医師)
ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。
第3世代NIPTはイルミナ社の現行検査方法であるVeriseq2の約2.5倍の設備投資と高い技術力が必要な検査方法です。世界特許の技術であるため、世界でただ1社だけが行える検査方法です。
第3世代のスーパーNIPTは検査方法がこれまでのNIPTと全く異なります。胎児と母体を区別して検査できる世界特許の技術である「DMRエンリッチメント法」を使用し、高い精度を実現しています。基本検査や微細欠失症候群の偽陰性はゼロであり、現在のところ、最も正確性の高いNIPT検査と言えます。100種類の遺伝子における2000の病的変異による先天性疾患を対象として検査可能です。
ミネルバクリニックでは2020年1月からこの第3世代NIPT(スーパーNIPT)を取り扱っています。
第1世代や第2世代では母子のDNAをサイズでしか区別して測定できませんが、第3世代のスーパーNIPTならばDNAのメチル化を指標することで、より正確に区別して測定できます。また、測定方法が大きく異なるため、染色体の数の異常(トリソミー)や微小欠失だけではなく、遺伝子検査を行えます。
NIPTには以下の3つの測定方法があります。
また、NIPTの精度に関係するのは以下の2つの因子です。
それぞれ回数や深度が多く、胎児DNA比率が高いほど精度や正確性の高い検査となります。
第3世代NIPTではDNAのメチル化の違いにより胎児と母体のDNAを区別して胎児分画を上げる世界特許の技術を使用しています。この技術により、父親由来の劣性疾患遺伝子検査も可能です。
さらに、シークエンス回数(読み取り深度)は500回以上であり、2つの因子を同時にアップさせることで検査精度を高めています。ちなみに第1世代は胎児と母体のDNAがサイズでしか区別できませんし、シークエンス回数も50回であるため、明らかに第3世代と比べて精度が低くなります。つまり、測定方法や精度において第3世代NIPTは従来と明らかに違いがあるわけです。
第3世代の最も大きな特徴は、第1世代と第2世代では行えない「母子のDNAをメチル化により区別し測定する」ことができるようになったことです。検査方法が他の世代と異なることでDNAの区別を可能にしています。
第3世代はタンパク質の機能を制御する役割を持つメチル化の違いから、DNAが胎児由来のものなのか、母体由来のものなのかを区別します。その結果、胎児分画(胎児DNAの比率)を上げることができるため、より精度の高い検査を可能にします。この技術は世界特許であり、父親由来の遺伝子検査も可能にします。さらに、検査できる遺伝子の種類も、これまでの世代と比べて大幅にアップしました。
また、第3世代は偽陰性が0%(報告なし)であり、21/18トリソミーの陽性的中率も100%であり高い精度を誇るのも大きな特徴です。
第3世代のNIPTは世界特許の企業である「Medicover genetics」とミネルバクリニックが独占契約しています。そのため日本で唯一、当院のみで検査可能です。知識・実績豊富な遺伝専門医が運営するミネルバクリニックだからこそ独占契約できました。
スーパーNIPTはイルミナ社のVeriseq2検査方法で、従来の約2.5倍の設備投資と高い技術力が必要な検査方法であり、世界で最も新しくかつ正確性の高いNIPT検査です。世界特許の技術であるため、世界でもたった1社しか行なえません。
13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーといった基本検査はもちろん、微細欠失症候群の偽陰性報告はゼロです。また、トリソミー18、トリソミー21に関しては、偽陽性もゼロで陽性的中率100%の精度を誇ります。
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今までのNIPTは、赤ちゃんの染色体の数の異常だけをみるものでしたが、スーパーNIPTジーンプラスは、遺伝子の変化により起こる赤ちゃんの「より重篤な」疾患を検出できようようになりました。
スーパーNIPTジーンプラスでは100種類の遺伝子の劣勢疾患についてご両親を検査することが可能です。スーパーNIPTジーンプラスで検査できる100の遺伝子の病的変異を持っていて発症しないキャリア(保因者)の累積率は1/50人です。
ミネルバクリニックでは、9週0日から検査可能です。早期受験をすることで、検査結果を受け止めてその後の妊娠生活をどのように過ごすかを早い時期から考えることができます。また、検査結果が陽性であれば確定的検査までの心積もりをしたり、遺伝カウンセリングで専門家(遺伝専門医)に相談したりする時間を設けることができます。
※ご希望の方は6週から検査を受けることもできます。
第3世代
9週0日から可能な検査で、基本検査(13/18/21トリソミー)を行います。
スーパーNIPTベーシック
176,000円(税込)
第3世代NIPTはDNAメチル化をターゲットに胎児DNAを濃縮・分析する国際特許で高精度を実現。イルミナVeriseq2を提供する約2.5倍の設備投資と高い技術力が必要で、世界で1社しか行えない、今最も正確性の高いNIPT検査です。
有性生殖で卵子や精子がつくられる際、普通の細胞が行うような分裂ではなく減数分裂という特別な細胞分裂が起きて23本の染色体となります。これは卵子と精子が受精することで一つの細胞をつくり、ヒトの体細胞の染色体である46本になるために必要であるためです。世代を超えて遺伝情報を伝える上で減数分裂は必要なプロセスとなります。
通常であれば、減数分裂により交叉したり分離したりして染色体はきれいに半分になっていくのですが、それがうまくいかないときに疾患が引き起こされます。
減数分裂がうまくいかない理由は大きく二つあり、一つは染色体の構造異常で多くの場合は通常交叉が失敗することで引き起こされます。染色体の一部分のみに過不足がある部分トリソミーや部分モノソミー、そして転座などがこれにあたります。
二つ目は数的異常で、染色体が不足あるいは過剰にある状態です。染色体が不完全に分離することで引き起こされることがほとんどです。本来、染色体は2本1対ですが、1本だけの場合はモノソミー、3本になってしまっている場合はトリソミーといわれます。
染色体の数や形態の異常が伴わない遺伝子異常による病気は遺伝子疾患、原因が判明していない先天奇形症候群は奇形症候群として分類されます。
トリソミーはほとんどの場合、女性の年齢の高さと正の相関しています。卵子は胎生期から存在するものであり、細胞分裂もなく生まれ変わることもしない特殊な細胞でることが関係しています。
どんな細胞も、1日に5万から50万箇所のDNA損傷を受けます。DNA修復酵素により修復されものの、100万回に1回程度で修復エラーを起こしてしまいます。そのためどんな細胞でも損傷が蓄積されてしまうのです。とはいえ、通常の細胞は死んで生まれ変わることから、大きな問題になることはありません。
ただし卵子は細胞分裂も生まれ変わりもしない特殊な細胞です。そのため、女性の年齢とともにDNAの損傷が蓄積していってしまいます。その影響を受け、減数分裂で不具合が起きて染色体が3本となるトリソミーになる可能性が高まってしまうのです。
ちなみに、常染色体の完全なトリソミーは13番染色体、18番染色体、21番染色体以外の染色体にはほぼ存在しません。理論的には他の常染色体にもトリソミーは起こります。しかし13番、18番、21番以外の染色体は遺伝情報が多く、トリソミーによる変化が生存に強く影響して着床しない、早期流産となりやすくなります。そのため、3種類以外の他の染色体についてはごくまれにしか存在しません。
第3世代
基本検査と微小欠失検査[4種]を行います。
スーパーNIPTプラス
スーパーNIPTベーシックプラス
198,000円(税込)
ママから伝わる変異の検査と年齢性別問わず誰にでも起こりうる変異の検査が可能です。
微細欠失(微小欠失)症候群が起こる原因は染色体の一部の小さな断片がなくなることです。ほとんどのケースで両親から遺伝するものではなく、新生突然変異により起こります。新生突然変異とは、精子や卵子ができる時に起こる突然変異であり、祖先から受け継ぐ異常ではありません。そのため、危険因子や家族歴がないのが特徴です。
通常の染色体検査で明らかになることはありませんが、スーパーNIPTおよびジーンプラスでは4種類の微細欠失(微小欠失)症候群を検査可能です。この4種の微細欠失(微小欠失)症候群の出生確率は2千人に1人で、心臓の異常により手術を繰り返したり、免疫低下による肺炎や重症感染症を繰り返すお子さんとなりやすいです。
2千人に1人というのは決して低い確率とはいえません。当事者のお子さん、ご両親にとっては0か1かの世界であり、確率論だけでは埋めることができない現実があります。だからこそ、「本当に当たるのか知りたい」という気持ち、ご意見は当然です。そして結果を知り、自己決定したいというお気持ちを否定することは誰にもできません。
多くの場合、微細欠失(微小欠失)症候群は身体的にはもちろんですが精神的にも障害をもたらすものです。そのため深刻な健康問題と直面しなければなりません。
ダウン症(21トリソミー)の場合、約700分の1の頻度とされています。それに対して微細欠失(微小欠失)はスーパーNIPTやジーンプラスでわかる4種を合算して2000分の1となります。数字だけ見た場合、ダウン症(21トリソミー)より少ないかもしれません。しかし、実際に直面することとなるか否かはまた別の話です。だからこそ、事前に検査によりわかるのであれば、最善の決断をする上で重要な指標になることは間違いありません。
微細欠失(微小欠失)症候群は血清マーカーテストや超音波検査で検出不可能です。絨毛検査や羊水検査は母体に針や器具を指す侵襲的な検査ですが、スーパーNIPTジーンプラスは非侵襲的な検査です。当院ではオプションとして微細欠失(微小欠失)症候群と100遺伝子の2000種類の病的変異をご提供しています。
22q11.2の欠失により起こりDiGeorge症候群とも呼ばれます。発生頻度は1/4,000です。DiGeorge症候群患者の80%はファロー四徴症・肺動脈弁欠損・肺動脈閉鎖・主要体肺側副動脈などの先天性心疾患を合併します。他にも免疫低下や血小板減少、肺高血圧などの合併症による手術で死亡するケースもあります。効果的な治療法は未確立であるため、予後不良の疾患とされます。
生存できたとしても、発達遅延や精神疾患、統合失調症などの症状があるため生活面において支障をきたすことがほとんどです。他にも、特徴的顔貌や口蓋裂、軟口蓋閉鎖不全、胸腺低形成・低カルシウム血症・汎血球減少・痙攣・斜視・気管支軟化症・脳萎縮・白内障・尖足・側弯症・腎奇形・尿道下裂・鎖肛・鼠径ヘルニアといった多くの臨床症状を伴うのがDiGeorge症候群の特徴です。180以上の臨床症状が報告されています。
第3世代
100種類の遺伝子の病的変異と4つの微細欠失についてご両親を検査することが可能です。
スーパーNIPTジーンプラス
スーパーNIPTベーシックジーンプラス
236,500円(税込)
100種類の遺伝子の病的変異についてご両親を検査し、なおかつご両親になくても赤ちゃんにだけで起こる新生突然変異について調べることができる検査です。
スーパーNIPTジーンプラスは常染色体劣性遺伝する100種類の遺伝子における2000の病的変異を調べられる検査です。ご両親は病的遺伝子を持っていても発症しない保因者ですが、赤ちゃんで揃うと病気を発症します。さらに、赤ちゃんで新生突然変異がおこって発症する場合も調べられます。
トリソミーやモノソミーなどの染色体の数の異常や微小欠失(微細欠失)の検出と単一遺伝子疾患のスクリーニングを組み合わせ、ご両親の将来を見据え妊娠中のお悩みや問題を包括的に解決できます。*全染色体検査は含まれておりません
検査によりスクリーニングされた疾患は中等度から重度の表現型と関連します。表現型とは遺伝子の変異が身体的特徴として表れることで、生活の質に大きな影響を及ぼします。
当院で提供する遺伝子検査は401種類の遺伝子について、病的変異の有無を検査するものです。
一方で、スーパーNIPTジーンプラスはスーパーNIPTプラス(NIPT基本検査(第3世代)+微小欠失(4種))に追加費用3万5千円で100遺伝子における2000の病的変異による先天性疾患について調べられるためお得な検査となっています。ただしこの検査は、赤ちゃんに異常がある場合以外は、ご両親がキャリア(保因者)であるかどうかを知ることはできませんのでご注意ください。
※表は左右にスクロールして確認することができます。
当院キャリア検査 | スーパーNIPTジーンプラス | |
---|---|---|
検査項目 | 401種類の遺伝子について病的変異の有無を検査するパネル | 100遺伝子2,000の病的バリアント(変異)により起こる疾患について検査可能 |
費用 | ご夫婦同時検査で385,000円(税込) | スーパーNIPTプラス198,000円(税込)+追加費38,500円(税込) |
100遺伝子の2,000の変異(病的バリアント)は以下よりご確認できます。
第3世代
スーパーNIPTジーンプラスの内容に父方加齢由来44疾患を検査できます。
スーパーNIPTジーンプラスペアレントコンプリート
スーパーNIPTベーシックジーンプラスデノボ
352,000円(税込)
父親側の異常も検出可能となり、主に母親側に由来する胎児の染色体異常とともに ペアレント(両親)を検査可能です。
第2・第3世代
検査精度が高く範囲も一番広い検査です。
コンプリートNIPTデノボプラス
スーパーNIPTベーシックカリオセブンジーンプラスデノボ
440,000円(税込)
「最先端で精度の高い出生前診断を求める」患者さんにお選び頂いている、ミネルバクリニックで一番人気のメニューです。
スーパーNIPTジーンプラスは世界初の包括的な検査を行える第3世代のNIPTです。パトウ症候群(13トリソミー)・エドワーズ症候群(18トリソミー)・ダウン症(21トリソミー)、4種類の微小欠失症候群と100の遺伝子の2000の病的変異による重篤な先天疾患を包括的に調べられます。スーパーNIPTジーンプラスだけでも多くのことを知ることができ、将来のリスクへの貴重な情報を事前に把握できます。
しかしスーパーNIPTジーンプラスは全染色体を検査してほしい、より詳しく微小欠失症候群について調べたいというご希望に応えられる検査ではありません。
ミネルバクリニックではそうしたご要望にお応えします。7Mb(メガベース)ですべての染色体を細部まで検査できる「カリオセブン」と父親の加齢による新生突然変異を検査できる「デノボ」をスーパーNIPTジーンプラスに加え、より包括的な検査を行えるコンプリートNIPTデノボプラスの提供を開始しました。
コンプリートNIPTデノボプラスは、スーパーNIPTジーンプラスは基本検査に加えて4つの微小欠失、100の遺伝子検査を行えます。さらにカリオセブンによる全染色体と9つの微小欠失症候群を調査可能。そしてデノボにより加齢に伴う精子の遺伝子の突然変異を検出できます。第2世代と第3世代が融合し、最先端で精度の高い出生前診断をしたいと考える患者様のご希望を叶えられる検査です。ミネルバクリニックでも一番人気のメニューとなっています。
このコースでは、新生児500人に一人の先天性難聴のうち最も多い原因をしめるGJB2遺伝子の異常をおなかの赤ちゃんがもっているかどうかを調べることが出来ます。GJB2遺伝子による先天性難聴は常染色体劣性遺伝形式を取り、発症の原因となる病的遺伝子の保有率は約28人に一人と多いものです。
コンプリートNIPTデノボプラスは親から子へ遺伝する4種類の疾患の検査が別途含まれています。そのため、お母さんやお父さんの該当遺伝子に異常があるキャリア(保因者)であるとわかった場合や、赤ちゃんに疾患があると疑われる場合はお伝えしております。
また、コンプリートNIPTデノボプラスの検査対象となる遺伝子にはGJB2遺伝子、GJB6遺伝子のほか、HBB遺伝子、CFTR遺伝子といった難聴と関わりのあるものも含まれています。
先天性難聴に関する遺伝子を出生前診断の対象とすべきか否かということは難しい面もあります。そのため、当院でも積極的に取り扱いするわけではありません。難聴を持つ新生児はおよそ1/1000の頻度で生まれています。そしてその7~8割がGJB2遺伝子、GJB6遺伝子などの遺伝子が病的変異しています。中でもGJB2遺伝子の病的変異のキャリア(保因者)は30人に1人ととても多くいらっしゃいます。
当院ではコンプリートNIPTデノボプラスによってご両親と赤ちゃんを同時に検査し、GJB2遺伝子についても結果がわかります。もしご両親が病的変異を持っていても、赤ちゃんに病的遺伝子がない場合は、そのように記載された結果が返ってきますのでご確認ください。
スーパーNIPTジーンプラス(基本検査と微細欠失4種と100種類の遺伝子検査)
+
カリオセブン
350,000円
コンプリートNIPT
+
デノボ
400,000円
(デノボは単体で追加する場合は最低でも120,000円となっていますのでお得です。)
わかりやすく動画で紹介
今一番新しいスーパーNIPT(第3世代NIPT)について解説!