InstagramInstagram

ライソゾーム病の遺伝子検査|ファブリー病・ゴーシェ病・ポンペ病・ムコ多糖症など106遺伝子を一度に調べる

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

ライソゾーム病の遺伝子検査|ファブリー病・ゴーシェ病・ポンペ病・ムコ多糖症など106遺伝子

ライソゾーム病は、細胞の中で不要になった物質を分解する「ライソゾーム」の働きが生まれつき弱く、分解されない物質が体にたまっていく病気の総称です。ゴーシェ病・ファブリー病・ポンペ病・ムコ多糖症など多くの病型があり、そのうちの多くで、酵素を補う治療など病気の進み方を抑える治療が使えるようになっています。どの治療が使えるかは「どの病型か」「どの遺伝子のどんな変化か」で決まるため、遺伝子で病名を確かめることが、次の一手を決める出発点になります。このページでは、ライソゾーム病の原因遺伝子を中心に106遺伝子を一度に調べる遺伝子検査でわかること・わからないこと、結果のあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。生まれ持った遺伝子は一生変わらないので、一度の検査でわかったことは、ご本人とご家族のこれからの計画にずっと役立つ情報になります。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. ライソゾーム病の遺伝子検査で何がわかりますか?

ゴーシェ病・ファブリー病・ポンペ病・ムコ多糖症・ニーマン・ピック病・神経セロイドリポフスチン症など、ライソゾーム病の原因遺伝子50個と、症状が似る病気を見分けるための遺伝子56個、合わせて106遺伝子を一度に調べ、病名と遺伝のしかたを確かめます。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

新生児スクリーニングで「要精密検査」と言われた赤ちゃん、発達の後戻りや肝臓・脾臓の腫れがあるお子さん、大人になって原因のわからない心肥大・腎臓病・手足の痛みがある方、ご家族にライソゾーム病の方がいる方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜などで、オンライン診療にも対応しています。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。病名がわかれば、使える治療・見張る合併症・ご家族の検査・次のお子さんの出生前診断まで具体的に考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | 代謝の病気をまとめて調べたい方へ

1. ライソゾーム病の遺伝子検査とは:106遺伝子で何がわかるか

ライソゾーム病(リソソーム病とも呼ばれます)とは、細胞の中の「ライソゾーム」で物質を分解する酵素などが生まれつき働かず、分解されなかった物質が全身の細胞にたまって、さまざまな臓器の働きが落ちていく病気の総称です。このページの遺伝子検査は、その原因となる遺伝子をまとめて読み、どの病型なのかを遺伝子の段階で確かめるための検査です。

ライソゾーム病は病型の数が多く、症状も、赤ちゃんのうちに重く始まるものから大人になって見つかるものまで幅があります。そのため、症状だけで病型を一つに絞るのは簡単ではありません。この検査では、ライソゾーム病の原因遺伝子50個に加えて、症状が似ていて見分けが必要になる病気(ペルオキシソーム病・アミノ酸や有機酸の代謝異常・一部の症候群など)の遺伝子56個も、同時に調べます。

ライソゾーム(リソソーム)と、ライソゾーム病のしくみ

ライソゾーム(リソソーム)は、細胞の中にある小さな袋のような器官で、たんぱく質・脂質・糖などを分解して、再び使える形に戻す「細胞のリサイクル工場」の役目をしています。分解には何十種類もの酵素が関わっていて、そのうちの1つが働かないだけでも、その酵素が分解するはずだった物質が少しずつたまっていきます。

たまる物質の種類と、たまりやすい臓器によって、症状と病名が変わります。たとえば糖脂質がたまるゴーシェ病やファブリー病、グリコーゲンがたまるポンペ病、ムコ多糖(グリコサミノグリカン)がたまるムコ多糖症などです。酵素そのものではなく、物質を運ぶたんぱく質や膜のたんぱく質の異常で起こる病型もあります。

ライソゾーム病の種類(一覧)と原因遺伝子・遺伝のしかた

国の指定難病19「ライソゾーム病」には、31の病気(病型)が含まれています(厚生労働省の資料、2026年10月時点で確認)。そのうち、比較的よく知られている病型と、この検査で調べる遺伝子、日本で使える治療の種類を、次の表にまとめました。

🧬 主なライソゾーム病の種類と原因遺伝子

病名 原因遺伝子 遺伝のしかた 日本で使える主な治療
ゴーシェ病 GBA1 常染色体潜性 酵素補充療法・基質合成抑制療法
ファブリー病 GLA X連鎖 酵素補充療法・シャペロン療法(特定の変化の場合)
ポンペ病(糖原病Ⅱ型) GAA 常染色体潜性 酵素補充療法
ムコ多糖症(Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅵ・Ⅶ・Ⅸ型) IDUA・IDS・SGSH・NAGLU・HGSNAT・GNS・GALNS・GLB1・ARSB・GUSB・HYAL1 Ⅱ型はX連鎖、ほかは常染色体潜性 Ⅰ・Ⅱ・ⅣA・Ⅵ・Ⅶ型に酵素補充療法
ニーマン・ピック病A型・B型 SMPD1 常染色体潜性 酵素補充療法
ニーマン・ピック病C型 NPC1・NPC2 常染色体潜性 基質合成抑制療法
神経セロイドリポフスチン症 PPT1・TPP1・CLN3・DNAJC5・CLN5・CLN6・MFSD8・CLN8・CTSD など 多くは常染色体潜性(DNAJC5は顕性) 2型(TPP1)に酵素補充療法(脳室内投与)
クラッベ病・異染性白質ジストロフィー GALC・ARSA・PSAP 常染色体潜性 日本で承認された薬はなし(異染性白質ジストロフィーの遺伝子治療は欧米で承認、日本では未承認)
GM1・GM2ガングリオシドーシス GLB1・HEXA・HEXB・GM2A 常染色体潜性 日本で承認された薬は確認できず
酸性リパーゼ欠損症 LIPA 常染色体潜性 酵素補充療法
シスチン症 CTNS 常染色体潜性 細胞内のシスチンを減らす薬
ダノン病 LAMP2 X連鎖 日本で承認された薬は確認できず

※病気の範囲は厚生労働省「指定難病19 ライソゾーム病 概要・診断基準等」、遺伝のしかたはGeneReviews[2][3]とOMIMに準拠したデータベースの記載、日本で使える治療は医薬品の添付文書データベース(KEGG MEDICUS・PMDA)で確認した承認品目による(2026年10月時点)。治療を受けられるかは、病型・重症度・遺伝子の変化によって主治医が判断します。全106遺伝子は第5章にあります。

ライソゾーム病は日本に何人?何人に1人?

難病情報センターは、ライソゾーム病を全部合わせると「7千人に1人くらい」の頻度で起こると説明しています(情報更新:令和7年12月)。オーストラリアで1980〜1996年の出生を調べた研究でも、ライソゾーム病全体の頻度は出生7,700人あたり1人と報告されています[1]。1つ1つの病型はまれでも、まとめると決して「めったにない病気」ではありません。

一方、厚生労働省の資料では、指定難病の医療受給者証をもつ方は1,452人(令和元年度)とされています。生まれる頻度から考えられる人数よりかなり少ないのは、軽い型の方や診断されていない方、制度を利用していない方がいるためと考えられます。日本では、ゴーシェ病のうち脳の症状を伴う2型・3型が患者さんの半数を超えるという報告や[8]、ムコ多糖症のうちⅡ型(ハンター症候群)が全体の55%を占めるという報告があり[9]、欧米とは病型の割合が違うことも知られています。

病気のしくみ・分類・治療の歴史をさらに詳しく知りたい方は、ライソゾーム病の詳しい解説(総論)もご覧ください。このページでは、検査を受けるかどうかを決めるために必要なことを中心にお伝えします。

2. 症状と発症の時期:赤ちゃんから大人まで(顔つき・見た目の特徴と寿命)

ライソゾーム病の症状と寿命の見通しは、病型と、いつ症状が始まるかによって大きく違います。同じ病名でも、赤ちゃんのうちに重く始まる型と、大人になってから気づかれる型があり、「ライソゾーム病だから寿命は〇年」とひとまとめに言うことはできません。たとえばゴーシェ病では、脳の症状がない1型、2歳までに脳の症状が始まり2〜4歳ごろまでに亡くなることが多い2型、子どものうちに始まり、2型よりゆっくり進行する3型に分けられています。文献では3型で20〜30代までの生存が記載されていますが、これは寿命の上限を示すものではありません[2]。

たまる物質や臓器によって、肝臓や脾臓の腫れ(おなかのふくらみ)、骨の変形、関節のかたさ、角膜のにごり、心臓や腎臓の働きの低下、手足の痛み、筋力の低下、けいれん、それまでできていたことができなくなる発達の後戻りなど、症状はさまざまです。発達の後戻りや、骨・皮膚・顔つきの変化がゆっくり進むときは、ライソゾーム病を含む代謝の病気を考える手がかりになります。

乳児期に始まる重い型

乳児型のポンペ病では、生後数週間のうちに心臓の肥大(肥大型心筋症)が見つかることが多く、治療しなければ、筋緊張の低下・全身の筋力低下・哺乳の難しさ・体重の増えにくさなどがみられます[21]。ゴーシェ病2型も、2歳までに脳の症状が始まる型です[2]。乳児型のポンペ病では、台湾で新生児スクリーニングを行い、見つかった赤ちゃんに早く酵素補充療法を始めたところ、治療しなかった赤ちゃんと比べて生存が有意に改善し、心臓の大きさが正常に戻った赤ちゃんもいたと報告されています[14]。

重い型の病気では、ご本人が将来結婚や出産を考えることよりも、ご両親が「原因を知りたい」「次のお子さんで同じことが起こる可能性を知りたい」と考えることが多いと思います。原因の遺伝子がわかれば、次のお子さんで同じ病気が起こる確率と、次の妊娠でどう備えられるかを、具体的に考えられるようになります。常染色体潜性遺伝の病型でご両親がともに保因者の場合、次のお子さんが同じ病気になる確率は、お子さん1人ごとに4分の1です。

子どものころに始まる型(発達の後戻り・骨・顔つき)

ムコ多糖症や神経セロイドリポフスチン症、ゴーシェ病3型、ニーマン・ピック病C型などは、幼児期から学童期に症状が出てくることがあります。ムコ多糖症では、ムコ多糖が皮膚や骨、軟骨にたまるため、顔つきが少しずつ変わったり、関節がかたくなったり、背が伸びにくくなったりすることがあります。神経セロイドリポフスチン症では、視力の低下・けいれん・できていたことができなくなる、といった変化がみられることがあります。

顔つきや見た目の変化は、ゆっくり進むため家族でも気づきにくく、また見た目だけで病名を決めることはできません。気になる変化があるときは、見た目で判断するのではなく、酵素や遺伝子の検査で確かめることが大切です。

大人になって見つかる型:原因のわからない心肥大・腎臓病・手足の痛み

ライソゾーム病は子どもの病気と思われがちですが、大人になってから、心臓・腎臓・脳血管・筋肉の病気として見つかる型があります。代表がファブリー病です。日本で、原因のわからない左室肥大(心臓の筋肉が厚くなる状態)があった男性230人を調べた研究では、7人(3%)でファブリー病の原因となる酵素の働きが低く、心臓を中心に症状が出る型が見つかりました[5]。透析を受けている日本人男性514人を調べた研究でも、6人(1.2%)で同じ酵素の働きが低いことがわかっています[6]。40歳以上で肥大型心筋症と診断された男性の6.3%がファブリー病だったという報告もあります[7]。

ほかにも、遅発型のポンペ病は、主に脚の付け根に近い筋肉から少しずつ進む筋力低下や、呼吸の働きの低下で見つかることがあります[21]。ゴーシェ病1型では、脾臓や肝臓の腫れ、貧血や血小板の減少、骨の病気がみられ、骨の病気は1型の方の70〜100%にみられるとされています[2]。こうした方は、循環器内科・腎臓内科・脳神経内科・血液内科などで「原因がはっきりしない」と言われたまま、長く経過をみていることがあります。欧州の希少疾患の患者さん6,507人を調べた調査では、症状が出てから診断がつくまでに平均4.7年かかっていました[17]。

原因のわからない心肥大で、遺伝子の検査を考える場合は、肥大型心筋症の遺伝子検査との選び分けも大切です(第4章)。心臓が厚くなるライソゾーム病には、ダノン病もあります。

ファブリー病は女性にも症状が出る(X連鎖)

ファブリー病はX連鎖遺伝の病気ですが、女性は「症状のない保因者」とは限りません。遺伝性疾患の解説書GeneReviewsは、変化を1つもつ女性の症状は、一生症状のない方から、男性と同じくらい重い方まで幅があるとしています[3]。米国などの患者登録(Fabry Registry)に登録された女性1,077人のうち69.4%に症状や所見があり、20%は脳血管・心臓・腎臓の大きな合併症を経験していました(その年齢の中央値は46歳)[4]。

そのため、ファブリー病の男性のご家族では、お母さん・姉妹・娘さんが同じ変化をもっているかを知ることに、ご本人の健康管理としての意味があります。「女性だから保因者で、症状は出ない」と考えず、ご家族で話し合ってみてください。

3. 新生児スクリーニングで「要精密検査」と言われた方へ

ライソゾーム病の新生児スクリーニングは、赤ちゃんのろ紙血で酵素の働きを測る検査です。「要精密検査」は、病気と決まったという意味ではありません。酵素の働きが低く出ても、病気ではない場合があります。病気かどうか、どの型かを確かめるために、酵素の再検査や遺伝子の検査を行います。

拡大新生児スクリーニングで調べるライソゾーム病

生まれてすぐに全国で行われている新生児スクリーニング(新生児マススクリーニング)は、公費で、20ほどの病気を対象にしています(数え方は自治体によって違います)。ライソゾーム病は、この公費の検査の対象には入っていません。脊髄性筋萎縮症(SMA)と重症複合免疫不全症(SCID)は、こども家庭庁の実証事業として、一部の都道府県・指定都市で検査が行われています(2026年10月時点)。

ライソゾーム病は、一部の地域・施設で、任意の「拡大新生児スクリーニング」として調べられています。2025年に報告された日本の調査では、北海道・新潟・愛知・岐阜・大阪市・兵庫・愛媛・福岡・熊本などで行われ、調べた全地域でポンペ病・ムコ多糖症Ⅰ型・Ⅱ型・ファブリー病・ゴーシェ病を対象にしていました。9地域中5地域では費用が受ける方の自己負担で、733,838人の赤ちゃんが検査を受け、101人が診断されています(ファブリー病75人、ムコ多糖症Ⅱ型10人、ポンペ病8人、ゴーシェ病5人など)[10]。西日本でファブリー病の新生児スクリーニングを受けた599,711人の赤ちゃんでは、病気の原因となる変化が見つかったのは11,854人に1人でした[11]。

当院でも、生まれた赤ちゃんの遺伝子を調べる新生児遺伝子スクリーニング検査をご用意しています。ろ紙血で酵素を測るスクリーニングとは、調べ方と対象が違う検査です。

酵素の検査と遺伝子検査の違い(ライソゾーム病は血液検査でわかる?)

酵素の検査は、血液やろ紙血で、その酵素がどのくらい働いているかを直接測る検査です。多くの病型で診断の手がかりになり、血液検査で病気が強く疑われることもあります。ただし、酵素の働きが低くても病気ではない場合(次の項目)や、酵素ではなく物質を運ぶたんぱく質の異常で起こるため酵素では見つけにくい病型(ニーマン・ピック病C型など)もあります。

遺伝子検査は、病気の原因となる遺伝子の変化そのものを確かめる検査です。病型の確定、遺伝のしかたの判断、使える治療の判断(ファブリー病のシャペロン療法は、特定の遺伝子の変化をもつ方が対象です)、ご家族の検査、次のお子さんの出生前診断には、遺伝子の変化がわかっていることが必要です。酵素の検査と遺伝子検査は、どちらかを選ぶものではなく、組み合わせて使う検査です。

酵素が低くても病気ではないことがある:偽欠損を遺伝子で見分ける(ポンペ病)

ポンペ病のスクリーニングでは、「偽欠損(ぎけっそん)」と呼ばれる、病気ではないのに酵素の働きが低く出る遺伝子のタイプが、日本人に多いことが知られています。GAA遺伝子の c.[1726G>A; 2065G>A] というタイプは日本人と中国人に多く、これを2つもつ方は人口の約4%と報告されています[12]。

日本で103,204人の赤ちゃんにポンペ病のスクリーニングを行った報告では、酵素の働きが低かった71人のうち、32人(45.1%)がこの偽欠損のタイプを2つ、37人(52.1%)が1つもっていました。乳児型のポンペ病の赤ちゃんはいませんでした[13]。酵素の数値だけでは、病気なのか偽欠損なのかを区別しきれないことがあり、遺伝子の検査がその見分けに役立ちます。精密検査をどこで受けるかは、まずスクリーニングを行った医療機関の案内に従ってください。そのうえで、遺伝子の結果の意味やご家族への影響について、遺伝カウンセリングでご相談いただけます。

拡大新生児スクリーニングを受けるか迷っている方へ

出産する施設で任意の拡大スクリーニングを勧められ、「受ける割合はどのくらい?」「受けない人もいる?」と迷う方もいると思います。受ける割合については、信頼できる全国の統計は見当たりませんでした。受けるかどうかはご家族が決めることで、受けないという選択も尊重されるべきです。

判断の材料として、次の点をお伝えします。早く見つけて治療を始めると経過がよくなることが示されている病型がある一方で[14]、偽欠損のように病気ではないのに再検査になる場合があります。また、大人になってから症状が出る型が赤ちゃんの段階で見つかることもあります。どちらの面も知ったうえで決めていただくのがよいと、臨床遺伝専門医として考えています。

4. どんな人がこの検査を受けるとよいか

ライソゾーム病が疑われるけれど病型を一つに絞れない方、スクリーニングや酵素の検査で異常を指摘された方、ご家族にライソゾーム病の方がいる方に向く検査です。見た目・家族歴・症状だけでは判断できないことが多いので、迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

この検査が向いている方

  • ●新生児スクリーニングや酵素の検査で、ライソゾーム病の「要精密検査」「酵素の働きが低い」と言われた方
  • ●肝臓・脾臓の腫れ、骨や関節の変化、角膜のにごり、発達の後戻りなどがあり、ライソゾーム病を含む代謝の病気が疑われるお子さん
  • ●原因のわからない心肥大・腎臓病・若いころの脳梗塞・手足の痛み・少しずつ進む筋力低下がある大人の方
  • ●ご家族にライソゾーム病の方がいて、ご自身が同じ変化をもっているか知りたい方
  • ●お子さんをライソゾーム病で亡くされた、または重い症状のお子さんがいて、次の妊娠を考えているご両親

病名がわかると、受けるべき検査、使える治療、使える制度(指定難病・小児慢性特定疾病)が決まります。小児の先天異常や知的障害で全エクソーム・全ゲノム検査を行った167の研究をまとめた米国臨床遺伝・ゲノム学会の系統的レビューでは、その95%で、患者さんかご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告されています[19]。研究によって変化の中身は違いますが、「名前がつくと次の一手が決まる」ことは、ライソゾーム病でも同じです。

別の検査が向いている場合

病型がほぼ決まっていれば、その病型にしぼった検査が、病型をしぼれなければこの検査やさらに広い検査が向いています。比べる相手は検査の種類です。症状に合わせて選びましょう。

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
ライソゾーム病が疑われるが、病型をしぼれない このページの検査(106遺伝子)
ムコ多糖症がほぼ確実 ムコ多糖症パネル検査
視力低下・けいれん・発達の後戻りで神経セロイドリポフスチン症を疑う 神経セロイドリポフスチン症パネル検査
低血糖・肝臓の腫れ・筋力低下で、ポンペ病以外の糖原病も考える 糖原病パネル検査
とても長い脂肪酸の値の異常などで、ペルオキシソーム病を疑う ペルオキシソーム病パネル検査・ツェルウェガー症候群パネル検査
代謝の病気らしいが、ライソゾーム病かどうかもわからない 包括的代謝疾患パネル検査
大人の心肥大で、心筋症の遺伝子も含めて調べたい 肥大型心筋症の遺伝子検査
症状が多くの臓器にわたり、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、症状・酵素の検査の結果・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ 病名がわかれば、使える治療と次の一手が決まります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

106遺伝子を一度に調べ、結果までは2〜3週間です。結果は臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

5. 調べる106遺伝子と、それぞれでわかる病気

この検査では、ライソゾーム病の原因遺伝子50個と、症状が似ていて見分けが必要になる病気の遺伝子56個、合わせて106遺伝子を調べます。どの遺伝子でどんな病気がわかるか、遺伝のしかたとあわせて、2つの表にまとめました。遺伝子名をクリックすると、それぞれの遺伝子の解説ページに移ります。

ライソゾーム病の原因遺伝子

🧬 ライソゾーム病の原因遺伝子(50遺伝子)

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
GBA(現在の名前:GBA1) ゴーシェ病(1型・2型・3型) 常染色体潜性
GLA ファブリー病 X連鎖
SMPD1 ニーマン・ピック病A型・B型(酸性スフィンゴミエリナーゼ欠損症) 常染色体潜性
NPC1 ニーマン・ピック病C型 常染色体潜性
NPC2 ニーマン・ピック病C型 常染色体潜性
GALC クラッベ病 常染色体潜性
ARSA 異染性白質ジストロフィー 常染色体潜性
PSAP サポシン欠損症(サポシンBの欠損による異染性白質ジストロフィー、サポシンAの欠損によるクラッベ病など) 常染色体潜性
GLB1 GM1ガングリオシドーシス、ムコ多糖症ⅣB型 常染色体潜性
HEXA GM2ガングリオシドーシス(テイ・サックス病) 常染色体潜性
HEXB GM2ガングリオシドーシス(サンドホフ病) 常染色体潜性
GM2A GM2ガングリオシドーシスAB型 常染色体潜性
ASAH1 ファーバー病 常染色体潜性
SUMF1 マルチプルスルファターゼ欠損症 常染色体潜性
GAA ポンペ病(乳児型・遅発型) 常染色体潜性
LAMP2 ダノン病 X連鎖
IDUA ムコ多糖症Ⅰ型(ハーラー症候群など) 常染色体潜性
IDS ムコ多糖症Ⅱ型(ハンター症候群) X連鎖
SGSH ムコ多糖症ⅢA型(サンフィリッポ症候群A) 常染色体潜性
NAGLU ムコ多糖症ⅢB型(サンフィリッポ症候群B) 常染色体潜性
HGSNAT ムコ多糖症ⅢC型(サンフィリッポ症候群C) 常染色体潜性
GNS ムコ多糖症ⅢD型(サンフィリッポ症候群D) 常染色体潜性
GALNS ムコ多糖症ⅣA型(モルキオ症候群A) 常染色体潜性
ARSB ムコ多糖症Ⅵ型(マロトー・ラミー症候群) 常染色体潜性
GUSB ムコ多糖症Ⅶ型(スライ症候群) 常染色体潜性
HYAL1 ムコ多糖症Ⅸ型 常染色体潜性
NEU1 シアリドーシス 常染色体潜性
CTSA ガラクトシアリドーシス 常染色体潜性
GNPTAB ムコリピドーシスⅡ型(I細胞病)、ムコリピドーシスⅢ型 常染色体潜性
GNPTG ムコリピドーシスⅢ型(ⅢC) 常染色体潜性
MAN2B1 α-マンノシドーシス 常染色体潜性
MANBA β-マンノシドーシス 常染色体潜性
FUCA1 フコシドーシス 常染色体潜性
AGA アスパルチルグルコサミン尿症 常染色体潜性
NAGA シンドラー病・神崎病 常染色体潜性
LIPA 酸性リパーゼ欠損症(ウォルマン病・コレステロールエステル蓄積症) 常染色体潜性
CTNS シスチン症(腎症型・若年型・成人の眼型) 常染色体潜性
SLC17A5 遊離シアル酸蓄積症(サラ病など) 常染色体潜性
MCOLN1 ムコリピドーシスⅣ型 常染色体潜性
CTSK 濃化異骨症 常染色体潜性
PPT1 神経セロイドリポフスチン症1型(CLN1) 常染色体潜性
TPP1 神経セロイドリポフスチン症2型(CLN2) 常染色体潜性
CLN3 神経セロイドリポフスチン症3型(CLN3) 常染色体潜性
DNAJC5 神経セロイドリポフスチン症4型(成人発症・クフス型) 常染色体顕性
CLN5 神経セロイドリポフスチン症5型(CLN5) 常染色体潜性
CLN6 神経セロイドリポフスチン症6型(クフス型を含む) 常染色体潜性
MFSD8 神経セロイドリポフスチン症7型(CLN7) 常染色体潜性
CLN8 神経セロイドリポフスチン症8型(CLN8) 常染色体潜性
CTSD 神経セロイドリポフスチン症10型(CLN10) 常染色体潜性
ATP13A2 クフォー・ラケブ症候群(NCL12) 常染色体潜性

※病名と遺伝のしかたは、OMIMに準拠したデータベース(UniProt)と遺伝子ごとの公的な解説(MedlinePlus Genetics・GeneReviews)で確認(2026年10月)。GBAは、現在の正式な遺伝子名がGBA1です。ゴーシェ病の病型の説明はGeneReviews[2]、ファブリー病は文献[3]による。

症状が似る病気を見分けるための遺伝子

ライソゾーム病と症状が重なる病気を見分けるために、ペルオキシソーム病(ツェルウェガー症候群スペクトラム・レフサム病)、アミノ酸・有機酸・葉酸などの代謝の病気、骨や筋肉の病気、一部の症候群の遺伝子も含まれています。発達の遅れ・けいれん・肝臓の腫れ・骨の変化などは、ライソゾーム病以外の病気でも起こるためです。

🧬 症状が似る病気を見分けるための遺伝子(56遺伝子)

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
PEX1 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX3 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX5 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX6 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX10 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX12 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX13 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX14 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX16 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX19 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PEX26 ペルオキシソーム形成異常症(ツェルウェガー症候群スペクトラム) 常染色体潜性
PHYH レフサム病 常染色体潜性
ABCC8 家族性高インスリン血性低血糖症1型、新生児糖尿病など 常染色体潜性/常染色体顕性
ACY1 アミノアシラーゼ1欠損症 常染色体潜性
ADSL アデニロコハク酸リアーゼ欠損症 常染色体潜性
ALDH4A1 高プロリン血症Ⅱ型 常染色体潜性
ALDH5A1 コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素欠損症 常染色体潜性
ALDH7A1 ピリドキシン依存性てんかん 常染色体潜性
AMT 非ケトーシス型高グリシン血症(グリシン脳症) 常染色体潜性
GLDC 非ケトーシス型高グリシン血症(グリシン脳症) 常染色体潜性
GCSH 多発ミトコンドリア機能不全症候群7型 常染色体潜性
ARG1 アルギニン血症 常染色体潜性
ASPA カナバン病 常染色体潜性
BTD ビオチニダーゼ欠損症 常染色体潜性
DPYD ジヒドロピリミジン脱水素酵素欠損症 常染色体潜性
ETFA グルタル酸尿症Ⅱ型(多種アシルCoA脱水素酵素欠損症) 常染色体潜性
ETFB グルタル酸尿症Ⅱ型(多種アシルCoA脱水素酵素欠損症) 常染色体潜性
ETFDH グルタル酸尿症Ⅱ型(多種アシルCoA脱水素酵素欠損症) 常染色体潜性
GCDH グルタル酸尿症Ⅰ型 常染色体潜性
FH フマラーゼ欠損症(潜性)、遺伝性平滑筋腫症腎細胞がん(顕性) 常染色体潜性/常染色体顕性
FOLR1 脳葉酸輸送欠損症 常染色体潜性
SLC46A1 遺伝性葉酸吸収不全症 常染色体潜性
GAMT 脳クレアチン欠乏症候群2型(GAMT欠損症) 常染色体潜性
HPD チロシン血症Ⅲ型(潜性)、ホーキンシン尿症(顕性) 常染色体潜性/常染色体顕性
L2HGDH L-2-ヒドロキシグルタル酸尿症 常染色体潜性
LMBRD1 メチルマロン酸血症・ホモシスチン尿症cblF型 常染色体潜性
MOCS1 モリブデン補酵素欠損症A型 常染色体潜性
MOCS2 モリブデン補酵素欠損症B型 常染色体潜性
SUOX 亜硫酸オキシダーゼ欠損症 常染色体潜性
PRODH 高プロリン血症Ⅰ型 常染色体潜性
QDPR ジヒドロプテリジン還元酵素(DHPR)欠損症(BH4欠乏による高フェニルアラニン血症) 常染色体潜性
SLC25A15 HHH症候群(高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症) 常染色体潜性
PGK1 ホスホグリセリン酸キナーゼ1欠損症 X連鎖
DHCR7 スミス・レムリ・オピッツ症候群 常染色体潜性
GNE GNEミオパチー(縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー) 常染色体潜性
LAMA2 メロシン欠損型先天性筋ジストロフィー 常染色体潜性
ADAMTSL2 ゲレオフィジック異形成症1型 常染色体潜性
ANTXR2 ヒアリン線維腫症症候群 常染色体潜性
COL2A1 スティックラー症候群1型、先天性脊椎骨端異形成症など 常染色体顕性
COL11A2 耳脊椎巨大骨端異形成症(OSMED)、難聴など 常染色体顕性/常染色体潜性
CTSC パピヨン・ルフェーブル症候群 常染色体潜性
DYM ディグヴェ・メルキオール・クラウゼン症候群 常染色体潜性
GPC3 シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群1型 X連鎖
HRAS コステロ症候群 常染色体顕性
RAI1 スミス・マギニス症候群 常染色体顕性
TCF4 ピット・ホプキンス症候群 常染色体顕性

※病名と遺伝のしかたは、OMIMに準拠したデータベース(UniProt)とMedlinePlus Genetics・GeneReviewsで確認(2026年10月)。

なお、このうちHRAS(コステロ症候群など)とCOL2A1(スティックラー症候群など)は当院のNIPTのダイヤモンドプランとインペリアルプランで、TCF4(ピット・ホプキンス症候群)はインペリアルプランで、妊娠中に赤ちゃんで新しく起きた変化を調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。ライソゾーム病の原因遺伝子は、当院のNIPTの対象には入っていません。

6. 検査でわかること・わからないこと(検査の限界)

この検査でわかるのは、106遺伝子の中の小さな変化(1文字の置き換わりや、小さな挿入・欠失)と、遺伝子の一部または全体が抜けたり重複したりする変化です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

わかること

遺伝子のうち、たんぱく質の設計図になる部分(エクソン)と、その境目の近くを、次世代シーケンサー(NGS)という機械で読みます。抜けている・重複している部分(欠失・重複)も調べ、見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りが不十分だった場所は、サンガー法という別の読み方で確認します。

わからないこと

  • ●よく似た配列(偽遺伝子)が近くにある遺伝子:たとえばゴーシェ病のGBA1遺伝子のそばには、とてもよく似たGBAP1という偽遺伝子があり、2つが組み合わさった変化は、遺伝子を読む検査で見つけにくいことが知られています[2]。
  • ●調べていない場所の変化:遺伝子の働きを調節する場所(プロモーター)の大部分や、エクソンから20塩基以上離れたイントロンの奥の変化は調べていません。
  • ●小さすぎる欠失・重複や、構造の変化:エクソン1つだけの欠失・重複は見つからないことがあり、染色体の入れ替わり(転座・逆位)や繰り返し配列の伸びは調べられません。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つけることは、この検査の目的ではありません。
  • ●106遺伝子以外:ライソゾーム病に関わる遺伝子のすべてが含まれているわけではありません。

陰性でも否定はできない/意義がまだわからない変化(VUS)

「原因となる変化が見つからなかった」は、「ライソゾーム病ではない」という意味ではありません。上の限界のために見つからない変化が残る可能性があり、酵素の検査や、たまった物質を測る検査とあわせて判断します。遺伝子検査は、受ければ必ず診断がつく検査ではありません。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、エクソーム解析を終えた5,136家系のうち、診断が確定したのは2,247家系(43.8%)でした[18]。陰性だった場合も、次に選べる検査があります(第7章)。

また、病気の原因かどうかまだ判断できない変化(VUS:意義がまだわからないバリアント)が見つかることがあります。遺伝子の数が多い検査ほど、VUSが見つかる機会も増えます。VUSの考え方はVUSの臨床での扱い方で詳しく解説しています。ご希望により、VUSを報告に含めない設定(無料)も選べます。

専門的な情報:読み取りの深さ(カバレッジ)

調べる場所の99%以上を、同じ場所を20回以上読む深さ(≥99% at 20x)で読んでいます。同じ場所を何度も読むほど、読み間違いと本当の変化を区別しやすくなるため、この数字は検査の精度の目安になります。

7. 結果が出たあと(陽性・陰性・VUS)

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたでも解説しています。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

陽性だったとき

ライソゾーム病の原因となる変化が見つかり、症状や酵素の検査と合えば、病型が確定します。常染色体潜性遺伝の病型では、同じ遺伝子の両方のコピー(父親由来と母親由来)に変化があることを確かめます。病名が確定すると、治療・合併症の見張り・ご家族の検査・制度の利用まで、次にできることが具体的になります(第8章)。

陰性・VUSだったとき

原因が見つからなかった場合は、第6章の限界をふまえて、酵素の検査の結果や症状をもう一度見直し、ほかのパネル検査や全エクソーム検査を考えます。VUSは、それだけで診断を確定したり、ご家族の発症予測や出生前診断の根拠にしたりはしません。ただし、VUSの意味を調べるため、ご本人・ご家族の同意のもとで、ご家族にも同じ変化があるかを調べる場合があります。研究が進んで意味がはっきりすることもあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

妊娠を考えている方

ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針をふまえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。日本でも、日本産科婦人科学会の指針(2026年9月改定)にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。

8. 病的変異が見つかったら、次にできること

ライソゾーム病は、病型がわかると「使える治療」「見張る合併症」「ご家族の検査」「次のお子さんへの備え」が具体的に決まる病気です。わかるだけで終わらず、そのあと何ができるかを、立場ごとにまとめます。

ご本人:使える治療(酵素補充・基質合成抑制・シャペロン・造血幹細胞移植)

ライソゾーム病の治療は、足りない酵素を点滴などで補う酵素補充療法が中心で、たまる物質が作られる量を減らす基質合成抑制療法、働きの弱い酵素の形を安定させるシャペロン療法など、飲み薬の治療もあります[15]。造血幹細胞移植は、酵素補充療法が使えるようになる前から行われてきた治療です[16]。難病情報センターは、遺伝子治療は欧米で承認されている病型があるものの、日本ではまだ承認されていないとしています(2026年10月時点)。

💊 日本で承認されている主なライソゾーム病の治療薬(2026年10月時点)

病気 治療の種類 薬(一般名)
ゴーシェ病 酵素補充療法/基質合成抑制療法 イミグルセラーゼ、ベラグルセラーゼ アルファ/エリグルスタット
ファブリー病 酵素補充療法/シャペロン療法 アガルシダーゼ アルファ、アガルシダーゼ ベータ(バイオシミラーを含む)/ミガーラスタット(特定の遺伝子の変化の場合)
ポンペ病 酵素補充療法 アルグルコシダーゼ アルファ、アバルグルコシダーゼ アルファ、シパグルコシダーゼ アルファ(遅発型・成人、ミグルスタットと併用)
ムコ多糖症Ⅰ型 酵素補充療法 ラロニダーゼ
ムコ多糖症Ⅱ型 酵素補充療法 イデュルスルファーゼ、イデュルスルファーゼ ベータ(脳室内投与)、パビナフスプ アルファ(脳に届くよう工夫された薬)
ムコ多糖症ⅣA・Ⅵ・Ⅶ型 酵素補充療法 エロスルファーゼ アルファ(ⅣA)、ガルスルファーゼ(Ⅵ)、ベストロニダーゼ アルファ(Ⅶ)
ニーマン・ピック病 酵素補充療法(A型・B型)/基質合成抑制療法(C型) オリプダーゼ アルファ/ミグルスタット
神経セロイドリポフスチン症2型 酵素補充療法(脳室内投与) セルリポナーゼ アルファ
酸性リパーゼ欠損症 酵素補充療法 セベリパーゼ アルファ
シスチン症 細胞内のシスチンを減らす薬(飲み薬・点眼) システアミン

※医薬品の添付文書データベース(KEGG MEDICUS)とPMDAで、日本の医療用医薬品として確認できたもの(2026年10月19日確認)。使えるかどうかは、病型・年齢・重症度・遺伝子の変化によって主治医が判断します。当院では治療は行っていないため、治療は専門の医療機関でご相談ください。

早く見つけて早く治療を始めるほど経過がよいことが示されている病型があります(乳児型のポンペ病など[14])。また、ファブリー病のシャペロン療法のように、遺伝子の変化の種類によって使えるかどうかが決まる治療もあります。遺伝子の結果は、治療を選ぶときの材料として、主治医にお渡しください。

ご本人:見張る合併症と、病気・手術のときの注意

病型によって、見張るべき臓器が違います。ファブリー病なら脳血管・心臓・腎臓[4]、ポンペ病なら呼吸と心臓[21]、ゴーシェ病なら血液・骨・脾臓と肝臓[2]というように、確定した病名に合わせて、いつ何を調べるかを専門の医療機関の主治医と決めます。ほかの病気で受診するときや、手術・検査で麻酔を受けるときも、ライソゾーム病の病名を担当の医師に伝えてください。

症状のないご本人(家族歴で受けた方・保因者だった方)

常染色体潜性遺伝の病型で、変化を1つだけもつ「保因者」とわかった場合、ご自身が発症することは通常ありません。ただし、パートナーも同じ遺伝子の保因者であれば、お子さん1人ごとに4分の1の確率でその病気になります。パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかは、パートナーの遺伝子検査で確かめられます。

ファブリー病(X連鎖)の場合は、女性でも症状が出ることがあるため、保因者とわかった女性は、ご自身の心臓・腎臓などの定期的な確認も考えます(第2章)[3][4]。

ご家族:症状のないきょうだい・お母さん・姉妹の検査

ご家族の中で原因の遺伝子の変化がわかると、ほかのご家族は、その変化があるかどうかをピンポイントで調べられます。常染色体潜性遺伝の病型では、患者さんのきょうだいは、4分の1の確率で同じ病気、2分の1の確率で保因者です。症状が出る前のきょうだいが見つかれば、早く治療や見張りにつなげられる病型があります。X連鎖のファブリー病・ムコ多糖症Ⅱ型・ダノン病では、お母さんや姉妹が同じ変化をもっているかを知ることが、ご本人の健康管理や、次の世代のお子さんを考えるうえで大切です。

BRCA遺伝子の検査を受けた人を調べた研究では、検査の前に「家族のため」を理由に挙げた人は25.0%でしたが、遺伝カウンセリングのあとには家族や社会のためという理由が有意に増えていました[20]。あなたの1回の検査の結果は、ご両親・きょうだい・お子さんが自分の状態を知る手がかりになります。症状のないご家族の検査は、ご本人の同意のもとで行い、検査の前に遺伝カウンセリングで、知ることの意味を一緒に考えていただきます。

結婚・次のお子さんを考えるとき(いとこ婚と保因者検査)

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。ご家族にライソゾーム病の方がいても、遺伝の確率は病型とご家族ごとに違い、検査で「わかること」があります。ご自身が変化をもっているか、パートナーが同じ遺伝子の保因者か、お子さんへの確率はどのくらいかを知ったうえで、選べることが増えます。

ライソゾーム病の多くは潜性遺伝(劣性遺伝)で、お子さんが発症するのは、通常、同じ遺伝子の父親由来と母親由来の両方に病気の原因となる変化を受け継いだ場合です。いとこ同士など血のつながりのあるご夫婦では、同じ祖先から同じ遺伝子の変化を受け継いでいる可能性があるため、潜性遺伝の病気がお子さんに起こる確率が、血のつながりのないご夫婦より高くなります。これはご夫婦のどちらのせいでもなく、遺伝のしくみによるものです。気になる方は、ご夫婦で保因者検査を受けることで、具体的な確率を確かめられます。

妊娠の前であれば拡大版保因者スクリーニング(遺伝子ブライダルチェック)で、女性版787遺伝子などの中に、GLA(ファブリー病)・GBA(ゴーシェ病)・GAA(ポンペ病)・IDUA・IDS(ムコ多糖症Ⅰ型・Ⅱ型)・SMPD1・NPC1(ニーマン・ピック病)・HEXA・GALC・ARSA・CLN3・PPT1・TPP1・CTNSなどが含まれています(遺伝子一覧で確認、2026年10月)。妊娠中の方は、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラスもあります(単独では受けられません)。

ご夫婦とも保因者とわかった場合や、ご家族の原因の変化がわかっている場合の選択肢は、次のとおりです。自然に妊娠して、絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを調べる出生前診断を受ける(当院で受けられます)、PGT-Mを考える(日本産科婦人科学会の審査を経て国内で、または海外で。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)、そして、検査をせずに出産を迎えることも、同じように尊重される選択です。どの選択をするかを押しつけることはありません。

当院でのその後

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、次にどうするかを一緒に考えます(遺伝カウンセリング料は30分22,000円・税込)。ご家族の遺伝子検査、パートナーの保因者検査、妊娠したときの絨毛検査・羊水検査まで、院内で続けてご相談いただけます。

9. 日本の制度:指定難病・小児慢性特定疾病(2026年10月時点)

ライソゾーム病は、指定難病19「ライソゾーム病」として、ゴーシェ病・ファブリー病・ポンペ病・ムコ多糖症・ニーマン・ピック病・神経セロイドリポフスチン症・シスチン症など31の病気(病型)が対象になっています(厚生労働省の資料で確認)。また、小児慢性特定疾病では、疾患群「先天性代謝異常」の中の「ライソゾーム病」として、ムコ多糖症・ゴーシェ病・ファブリー病・ポンペ病など、番号75〜102の病気が掲載されています(小児慢性特定疾病情報センターで確認)。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。病名のついた病気でも、助成の対象にならない場合があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。遺伝子検査で病型が確定していることは、診断の根拠の一つになります。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

ライソゾーム病の遺伝子検査の費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜などで、オンライン診療にも対応しています。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・唾液など
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
検査内容 ライソゾーム病NGSパネル検査(106遺伝子。塩基配列と欠失・重複を含む)
検査費用 税込330,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間(至急オプション:55,000円で約7日短くなります)
検体 血液(EDTA採血管4ml×2本)、抽出DNA、頬の内側の粘膜(頬粘膜スワブ)、唾液
オプション VUSを報告に含めない設定(無料)
オンライン診療 対応しています(オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。)

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

検査の流れ

まず遺伝カウンセリングで、これまでの症状や検査の結果、ご家族の状況をうかがい、この検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。検査の前に、新生児スクリーニングや酵素の検査の結果をお持ちであれば、ご持参ください。

オンライン診療と検体の採り方

唾液・口の内側の粘膜・血液のいずれの検体でも、オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを受けたあと、検体を当院にお送りいただけます。血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えや品質の低下を防ぐため、ご自身の判断で先に検体を採らないでください。

\ あなたの1回の検査が、ご家族を守る手がかりに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご夫婦とも保因者だった場合、妊娠したときの出生前診断(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。

お問い合わせはこちら | 羊水検査・絨毛検査について

11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「わかる」から、治療と家族の計画が始まる】

ライソゾーム病は、遺伝の病気の中でも、病名がわかることの意味がとりわけ大きい病気だと考えています。酵素補充療法をはじめ、病型ごとに使える治療が少しずつ増え、どの治療が使えるかは「どの遺伝子のどんな変化か」で決まることもあるからです。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

ライソゾーム病の多くは潜性遺伝で、多くの場合、ご両親は症状のない保因者です。保因者であることは珍しいことではなく、遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。前もって知っておくことは、その後の選択肢を増やすことにつながります。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. ライソゾーム病は治りますか?

正常に働く遺伝子を細胞に補うなどの遺伝子治療は、欧米で承認されている病型があるものの、日本ではまだ承認されていません(2026年10月時点、難病情報センターの情報)。一方で、酵素補充療法・基質合成抑制療法・シャペロン療法・造血幹細胞移植など、病気の進み方を抑える治療が使える病型が多くあります。どの治療が使えるかは病型と遺伝子の変化で決まるため、まず病名を確定することが出発点です。

Q2. ライソゾーム病の寿命はどのくらいですか?

病型と症状が始まる時期によって大きく違い、ひとまとめには言えません。たとえばゴーシェ病では、2型は2〜4歳ごろまでに亡くなることが多い一方、3型は2型よりゆっくり進行し、1型は脳の症状がない型です。文献では3型で20〜30代までの生存が記載されていますが、これは寿命の上限を示すものではありません。乳児型のポンペ病では、新生児スクリーニングで見つけて早く酵素補充療法を始めた赤ちゃんで、生存が改善したと台湾から報告されています。

Q3. ライソゾーム病は遺伝しますか?劣性遺伝ですか?

多くの病型は常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)で、ご両親がともに保因者のとき、お子さん1人ごとに4分の1の確率で発症します。ファブリー病・ムコ多糖症Ⅱ型・ダノン病はX連鎖で、ファブリー病では女性にも症状が出ることがあります。神経セロイドリポフスチン症の一部(DNAJC5による成人発症型)のように、常染色体顕性遺伝の型もあります。

Q4. ライソゾーム病は日本に何人いますか?何人に1人ですか?

難病情報センターは、ライソゾーム病を全部合わせると「7千人に1人くらい」の頻度と説明しています。オーストラリアの研究でも、出生7,700人あたり1人と報告されています。一方、指定難病の医療受給者証をもつ方は1,452人(令和元年度)で、軽い型の方や診断されていない方がいると考えられます。

Q5. ライソゾーム病は血液検査でわかりますか?

多くの病型は、血液やろ紙血で酵素の働きを測る検査が診断の手がかりになります。ただし、酵素の働きが低くても病気ではない場合(ポンペ病の偽欠損など)や、酵素の検査では見つけにくい病型もあります。病型の確定、使える治療の判断、ご家族の検査、出生前診断には、遺伝子の変化を確かめる遺伝子検査が必要です。

Q6. いとこ同士の結婚で、ライソゾーム病の子が生まれやすくなりますか?

ライソゾーム病の多くは潜性遺伝で、お子さんが発症するのは、通常、同じ遺伝子の父親由来と母親由来の両方に病気の原因となる変化を受け継いだ場合です。いとこ同士など血のつながりのあるご夫婦では、同じ祖先から同じ変化を受け継いでいる可能性があるため、潜性遺伝の病気が起こる確率が高くなります。これはどちらのせいでもなく遺伝のしくみによるもので、ご夫婦で保因者検査を受けることで、具体的な確率を確かめられます。

Q7. 新生児のライソゾーム病の検査は受けたほうがいいですか?

ライソゾーム病の新生児スクリーニングは公費の検査には含まれず、一部の地域・施設で任意(多くは自己負担)で行われています。受けるかどうかはご家族が決めることで、受けないという選択も尊重されます。早く治療を始めると経過がよい病型がある一方、病気ではないのに再検査になる偽欠損や、大人になってから症状が出る型が見つかることもあり、両方を知ったうえで決めるのがよいと考えています。

Q8. ライソゾーム病の遺伝子検査の費用はいくらですか?

当院のライソゾーム病の遺伝子検査(106遺伝子)は税込330,000円で、結果までは2〜3週間です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

🧬 人生に一度の遺伝子検査を、治療と家族の計画に

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。ライソゾーム病の病型がわかれば、使える治療や見張る合併症が決まり、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりにもなります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Meikle PJ, Hopwood JJ, Clague AE, Carey WF. Prevalence of lysosomal storage disorders. JAMA. 1999;281(3):249-254. [DOI: 10.1001/jama.281.3.249](PMID: 9918480)
  • [2] Hughes DA, Pastores GM. Gaucher Disease. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2000 (Updated 2023 Dec 7). [NCBI Bookshelf NBK1269]
  • [3] Mehta A, Hughes DA. Fabry Disease. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2002 (Updated 2024 Apr 11). [NCBI Bookshelf NBK1292]
  • [4] Wilcox WR, Oliveira JP, Hopkin RJ, et al. Females with Fabry disease frequently have major organ involvement: lessons from the Fabry Registry. Mol Genet Metab. 2008;93(2):112-128. [DOI: 10.1016/j.ymgme.2007.09.013]
  • [5] Nakao S, Takenaka T, Maeda M, et al. An atypical variant of Fabry’s disease in men with left ventricular hypertrophy. N Engl J Med. 1995;333(5):288-293. [DOI: 10.1056/NEJM199508033330504](PMID: 7596372)
  • [6] Nakao S, Kodama C, Takenaka T, et al. Fabry disease: detection of undiagnosed hemodialysis patients and identification of a “renal variant” phenotype. Kidney Int. 2003;64(3):801-807. [DOI: 10.1046/j.1523-1755.2003.00160.x](PMID: 12911529)
  • [7] Sachdev B, Takenaka T, Teraguchi H, et al. Prevalence of Anderson-Fabry disease in male patients with late onset hypertrophic cardiomyopathy. Circulation. 2002;105(12):1407-1411. [DOI: 10.1161/01.cir.0000012626.81324.38](PMID: 11914245)
  • [8] Sako S, Oishi K, Ida H, et al. Allele frequency of pathogenic variants causing acid sphingomyelinase deficiency and Gaucher disease in the general Japanese population. Hum Genome Var. 2024;11:24. [DOI: 10.1038/s41439-024-00282-z](PMID: 38866761)
  • [9] Khan SA, Peracha H, Ballhausen D, et al. Epidemiology of mucopolysaccharidoses. Mol Genet Metab. 2017;121(3):227-240. [DOI: 10.1016/j.ymgme.2017.05.016](PMID: 28595941)
  • [10] Onuki T, Tajika M, et al. Japanese experience of newborn screening for lysosomal storage diseases and adrenoleukodystrophy. Orphanet J Rare Dis. 2025;20:373. [DOI: 10.1186/s13023-025-03848-4](PMID: 40708026)
  • [11] Sawada T, Kido J, Yoshida S, et al. Newborn screening for Fabry disease in the western region of Japan. Mol Genet Metab Rep. 2020;22:100562. [DOI: 10.1016/j.ymgmr.2019.100562](PMID: 31956509)
  • [12] Kroos MA, Mullaart RA, Van Vliet L, et al. p.[G576S; E689K]: pathogenic combination or polymorphism in Pompe disease? Eur J Hum Genet. 2008;16(8):875-879. [DOI: 10.1038/ejhg.2008.34](PMID: 18301443)
  • [13] Momosaki K, Kido J, Yoshida S, et al. Newborn screening for Pompe disease in Japan: report and literature review of mutations in the GAA gene in Japanese and Asian patients. J Hum Genet. 2019;64(8):741-755. [DOI: 10.1038/s10038-019-0603-7](PMID: 31076647)
  • [14] Chien YH, Lee NC, Thurberg BL, et al. Pompe disease in infants: improving the prognosis by newborn screening and early treatment. Pediatrics. 2009;124(6):e1116-e1125. [DOI: 10.1542/peds.2008-3667](PMID: 19948615)
  • [15] Platt FM, d’Azzo A, Davidson BL, Neufeld EF, Tifft CJ. Lysosomal storage diseases. Nat Rev Dis Primers. 2018;4(1):27. [DOI: 10.1038/s41572-018-0025-4]
  • [16] Fernández-Pereira C, San Millán-Tejado B, Gallardo-Gómez M, et al. Therapeutic approaches in lysosomal storage diseases. Biomolecules. 2021;11(12):1775. [DOI: 10.3390/biom11121775](PMID: 34944420)
  • [17] Faye F, Crocione C, Anido de Peña R, et al. Time to diagnosis and determinants of diagnostic delays of people living with a rare disease: results of a Rare Barometer retrospective patient survey. Eur J Hum Genet. 2024;32(9):1116-1126. [DOI: 10.1038/s41431-024-01604-z](PMID: 38755315)
  • [18] Takahashi Y, Date H, Oi H, et al. Six years’ accomplishment of the Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: nationwide project in Japan to discover causes, mechanisms, and cures. J Hum Genet. 2022;67(9):505-513. [DOI: 10.1038/s10038-022-01025-0](PMID: 35318459)
  • [19] Malinowski J, Miller DT, Demmer L, et al. Systematic evidence-based review: outcomes from exome and genome sequencing for pediatric patients with congenital anomalies or intellectual disability. Genet Med. 2020;22(6):986-1004. [DOI: 10.1038/s41436-020-0771-z](PMID: 32203227)
  • [20] Garg R, Vogelgesang J, Kelly K. Impact of genetic counseling and testing on altruistic motivations to test for BRCA1/2: a longitudinal study. J Genet Couns. 2016;25(3):572-582. [DOI: 10.1007/s10897-015-9911-z](PMID: 26578231)
  • [21] Sperry E, Leslie N, Berry L, Pena L. Pompe Disease. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2007 (Updated 2025 Aug 21). [NCBI Bookshelf NBK1261]

関連記事

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

記事の作り方と生成AIの使い方は、編集方針をご覧ください。