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新生児の遺伝子検査(258遺伝子)|新生児マススクリーニング・拡大スクリーニングとの違いと費用

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

新生児の遺伝子検査(258遺伝子)

新生児の遺伝子検査は、赤ちゃんの頬の粘膜からDNAを取り出し、乳幼児期に発症して早く見つけることが大切とされる200以上の病気に関わる258遺伝子をまとめて調べる検査です。公費の新生児マススクリーニングは血液中の物質の量などを調べる検査で、この検査はそれに上乗せしてDNAそのものを読みます。早く知れば、食事療法やホルモンの補充、定期的な見張りなど、症状が出る前から始められる対策がある病気が多く含まれています。このページでは、新生児マススクリーニング・拡大新生児スクリーニングとの違い、わかる病気、費用、陽性だったときにご家族ができることを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 何がわかる?新生児マススクリーニングとの違いは?

代謝・内分泌、免疫、難聴、てんかん、血液、心臓など200以上の病気に関わる258遺伝子を、DNAから調べます。公費の新生児マススクリーニングは血液ろ紙で物質の量などを測る検査で、遺伝子検査はその代わりではなく上乗せです。

🧬 Q. どんな赤ちゃん・ご家族が受けるとよい?

マススクリーニングを受けた赤ちゃんにも、あわせて受ける意味があります(調べる病気の範囲が違うため)。とくに、ご家族に遺伝の病気がある方、マススクリーニングの結果で迷っている方です。すでに症状があるときは、症状に合わせた検査のほうが向くことがあります。

🧬 Q. 費用・結果までの日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは3〜5週間、検体は頬の粘膜(採血なし)です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかり、オンライン診療でも受けられます。

🧬 Q. 結果のあとはどうなる?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明してから、マイページにアップします。病気の原因となる変化が見つかれば、ご両親の検査や、次の妊娠での出生前診断(絨毛検査・羊水検査は院内)まで考えられます。意味のわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査を、これからの子育てに /

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検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. 新生児の遺伝子検査とは?生まれ持った258遺伝子を一度で調べる検査

新生児の遺伝子検査は、生まれた赤ちゃんの頬の粘膜から採ったDNAで、258の遺伝子に病気の原因となる変化がないかを調べる検査です。採血はいらず、綿棒のような道具で頬の内側をこすって検体を採ります。調べるのは、遺伝子の小さな変化(文字が1つ変わる・少し抜ける・少し入る)と、遺伝子まるごとが抜けたり増えたりする変化です。

遺伝子検査そのものの種類や、わかること・わからないことの全体像は、遺伝子検査(遺伝学的検査)とはで解説しています。このページでは、生まれた赤ちゃんの検査として受けるかどうかを決めるために必要なことをお伝えします。

調べるのは「早く知れば対策を始められる」病気

このパネルは、乳幼児期に発症し、早く見つけて治療や管理を始めることが赤ちゃんの健康や生活の質を守るうえで大切とされる病気を中心に選ばれています。たとえば、特定の栄養素を控える食事療法が中心になる代謝の病気、ホルモンを補う治療がある内分泌の病気、感染症を防ぐ準備や骨髄移植などの治療を早めに考える免疫の病気、補聴器などで言葉の発達を支える難聴などです。

病名がわかると、受けるべき検査、気をつけたい薬や体調の変化、相談すべき専門の診療科が決まります。「わかるだけで何もできない」検査ではなく、わかったあとに次の一手を考えられる病気が多いことが、この検査の大きな意味です。ただし、病気によっては、確立した治療がまだなく、早く知ることの利点が「早く診断がつくこと」にとどまる場合もあります。

生まれ持った遺伝子は一生変わらない

生まれ持った遺伝子は、成長しても変わりません。赤ちゃんの時期に一度受けた検査の結果は、その子が成長してからの健康管理や、ご家族が自分の健康を考えるときにも、この先ずっと使える情報になります。あなたの赤ちゃんの1回の検査結果が、ご両親やきょうだいが自分の状態を知る手がかりになることもあります。

2. 新生児マススクリーニング・拡大新生児スクリーニングとの違い【比較表】

結論から言うと、新生児の遺伝子検査は、公費の新生児マススクリーニングの代わりではなく、上乗せとして受ける検査です。新生児マススクリーニングは、必ず受けてください。そのうえで、マススクリーニングを受けていても、この検査をあわせて受ける意味があると当院は考えています。マススクリーニングで調べていない病気が、このパネルには多く含まれているからです。新生児スクリーニング全体のしくみや歴史、海外の取り組みは、新生児スクリーニングとはで詳しく解説しています。

公費の新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)で調べること

日本では、生まれた赤ちゃんのほぼ全員が、都道府県や指定都市が行う新生児マススクリーニング(先天性代謝異常等検査)を受けます。生後数日の赤ちゃんのかかとから少量の血液を採ってろ紙にしみこませ、検査機関で調べます。採血の時期は、たとえば大阪府では生後4〜6日、愛知県では生後5〜7日と案内されています。

対象は、アミノ酸代謝異常・有機酸代謝異常・脂肪酸代謝異常・糖質代謝異常・内分泌の病気です。対象の病気の数は数え方や地域で違い、たとえば愛知県はタンデムマス法を使って20疾患、大阪府は5分類・25疾患と案内しています(2026年10月時点)。検査費用は公費で、採血料などは医療機関に支払う地域があります。

さらに、こども家庭庁は重症複合免疫不全症(SCID)と脊髄性筋萎縮症(SMA)を対象にした新生児マススクリーニングの実証事業を行っており、全国での実施をめざしています。費用は国と都道府県・指定都市が半分ずつ補助する仕組みで、大阪府では2024年3月から、神奈川県では2024年10月の採血分から、追加の費用なしで受けられると案内されています(2026年10月時点)。参加しているかどうかは地域によって違います。

拡大新生児スクリーニング検査とは

拡大新生児スクリーニングは、公費の対象に入っていない病気を、同じように血液ろ紙で調べる検査で、多くは希望する方が受ける任意の検査です。対象の病気・費用・受けられる医療機関は地域や施設によって違います。たとえば神奈川県では、実証事業が始まる前の2022年4月から、県の医師会が参加する産科の施設で、SCIDとSMAの検査を全額自己負担で行っていたと案内しています。

「拡大新生児スクリーニングを受けるべきか」は、検索でも多い疑問です。受けられる地域では、対象の病気と費用を出産する施設で確かめたうえで、ご家族で決めてください。拡大新生児スクリーニングも、この遺伝子検査も、それぞれ調べる病気が違うので、どちらか一方で他方の代わりにはなりません。

3つの検査の違い

🧪 新生児マススクリーニング・拡大新生児スクリーニング・新生児の遺伝子検査の違い

項目 新生児マススクリーニング(公費) 拡大新生児スクリーニング(地域・施設による) 新生児の遺伝子検査(当院)
何を調べるか 血液中の物質の量など 公費の対象外の病気(地域・施設で違う) 258遺伝子のDNAの配列
検体 かかとの血液(ろ紙) かかとの血液(ろ紙) 頬の粘膜
時期 生後数日 生後数日(マススクリーニングと同時のことが多い) 生まれたあと(遺伝カウンセリングのあと)
費用の負担 公費(採血料などは地域による) 多くは自己負担(実証事業の対象は公費) 自費(税込330,000円)
保因者の情報 報告の対象ではない 報告の対象ではない 報告しない
結果の意味 陽性=精密検査が必要(病気の確定ではない) 陽性=精密検査が必要 病気の原因と考えられる変化を報告

※公費の検査・拡大検査の内容は、大阪府・愛知県・神奈川県・こども家庭庁の公式ページによる(2026年10月時点)。地域によって違いがあります。当院の欄は当院の検査内容による。

マススクリーニングは、ほぼすべての赤ちゃんを対象に、限られた病気を見つける公衆衛生のしくみです。遺伝子検査は、ご家族が希望して受ける検査で、病気の範囲を広げられる代わりに、費用がかかり、遺伝子で調べる検査ならではの限界(第6章)があります。「どちらがよいか」ではなく、「マススクリーニングに何を上乗せするか」で考えてください。

マススクリーニングで「再検査」「精密検査」と言われたら

まずは、出生した医療機関や、紹介された精密検査の医療機関の指示に従ってください。マススクリーニングの陽性は、病気が確定したという意味ではありません。大阪府も、陽性は病気が確定したということではないと案内しています。精密検査では、診断をはっきりさせるために遺伝子を調べることがあります。この検査が役に立つかどうかは、どの項目が引っかかったかによって変わるため、迷うときは遺伝カウンセリングでご相談ください。

3. この検査でわかる病気:9つの分野と主な病気

新生児の遺伝子検査でわかるのは、9つの分野・200以上の病気です。最も多いのは代謝・内分泌の病気で、258遺伝子のうち145遺伝子を占めます。分野ごとの主な病気と、早く知るとできることは次のとおりです。

🧬 9つの分野と主な病気

分野(遺伝子数) 主な病気の例 早く知るとできること
代謝・内分泌(145) フェニルケトン尿症、メープルシロップ尿症、MCAD欠損症、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症、先天性副腎過形成、ポンペ病 食事療法、ホルモンの補充、体調をくずしたときの対応の準備、酵素補充療法などの検討
免疫(22) 重症複合免疫不全症、ADA欠損症、慢性肉芽腫症、X連鎖無ガンマグロブリン血症 感染を防ぐ準備、予防接種の計画の見直し、骨髄移植などの治療の検討
難聴(19) 非症候群性難聴(GJB2など)、ペンドレッド症候群、アッシャー症候群 聴力の確認、補聴器などで言葉の発達を支える準備
血液(13) βサラセミア、血友病B、遺伝性球状赤血球症、G6PD欠乏症 貧血や出血の見張り、注意したい薬や食べ物の確認
小児期の腫瘍の素因(13) 網膜芽細胞腫、フォン・ヒッペル・リンドウ病、神経線維腫症、色素性乾皮症 定期的な見張りの検査、紫外線対策など
てんかん(10) ドラベ症候群、ピリドキシン依存性てんかん、結節性硬化症 発作への備え、薬の選び方の手がかり
心臓と血管(8) マルファン症候群、ロイス・ディーツ症候群、ヌーナン症候群、ダノン病 心臓・大動脈の定期的な検査
目(4) 眼皮膚白皮症4型、眼白皮症1型、視神経萎縮 視力の確認、日差しから目を守る工夫
そのほか(24) 脊髄性筋萎縮症、嚢胞性線維症、アルポート症候群、骨形成不全症、X連鎖性低リン血症性くる病 専門の診療科での見張りと、治療の検討

※分野ごとの遺伝子数は当院の検査内容(258遺伝子)を数え直したもの。早く知るとできることは一般的な対応の例で、実際の治療や管理は病気と赤ちゃんの状態によって変わり、専門の医療機関で決めます。

💡 用語解説:遺伝のしかた

表の病気の多くは、両親から1つずつ受け継いだ変化がそろって発症する常染色体潜性(劣性)遺伝の病気です。ほかに、母親から受け継ぐことの多いX連鎖の病気や、1つの変化で発症する常染色体顕性(優性)遺伝の病気もあります。遺伝のしかたは、遺伝形式とはで詳しく解説しています。

4. どんな赤ちゃん・ご家族が受けるとよいか

新生児の遺伝子検査は、公費の新生児マススクリーニングに上乗せして、より広い範囲の病気を早く知っておきたいご家族に向く検査です。「マススクリーニングを受けたのに、追加の検査も受けるべき?」と迷う方も多いと思います。当院は、マススクリーニングを受けていても、この検査をあわせて受ける意味があると考えています。公費のマススクリーニングが対象にしている病気は地域によって20〜25疾患ほど(たとえば愛知県20疾患、大阪府25疾患)で、この検査は別の方法(DNA)で、200以上の病気に関わる258遺伝子を調べるからです。生まれ持った遺伝子は一生変わらないので、一度調べた結果は、この先の健康管理にもずっと使えます。最終的に受けるかどうかは、ご家族が決めることです。

受けるとよい場面

  • ●マススクリーニングの対象に入っていない病気まで、早めに知っておきたい
  • ●ご家族や親戚に、このパネルに含まれる遺伝の病気の方がいる
  • ●上のお子さんで原因のわからない病気があり、下のお子さんのことが気になる
  • ●マススクリーニングで結論が出ず、遺伝子で確かめる方法も知りたい(まずは精密検査の医療機関の指示に従う)

見た目が元気な赤ちゃんでも、遺伝子の変化を持っていることはあります。米国ニューヨークで行われた研究(GUARDIAN研究)では、全ゲノム解析で早期に発症する病気を調べたところ、参加した4,000人のうち、解析できた3,982人中147人(3.7%)が陽性でした。複数の病気について陽性となった赤ちゃんもおり、陽性結果は計151件でした。そのうち真陽性と確認された120件中110件は、従来の新生児スクリーニングでは見つかっていませんでした[1]。この研究は当院の検査とは方法も対象の病気も違うため、数字をそのまま当院の検査に当てはめることはできませんが、血液の物質を測る検査だけでは見つからない病気があることを示しています。同じ研究では、案内を受けたご家族の72.0%が参加に同意しました[1]。

この検査より別の検査が向く場合

すでに症状があり、原因を調べたい場合は、症状に合わせた検査のほうが向くことがあります。

🔍 症状や目的に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
症状はないが、早く知っておきたい このページの新生児の遺伝子検査(258遺伝子)
代謝の病気が疑われる症状がある 包括的代謝疾患パネル(第5章の関連する検査)
感染をくり返すなど免疫の病気が疑われる 包括的原発性免疫不全症パネル
新生児期からけいれんがある 新生児てんかんパネル
聴覚スクリーニングで再検査になった・難聴がわかった 難聴遺伝子パネル(181遺伝子)
症状が多く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)・原因不明の症状の遺伝子検査
染色体の変化(微小欠失・重複)が疑われる マイクロアレイ染色体検査

※どの検査が合うかは、症状・診察所見・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

\ あなたの赤ちゃんの結果が、ご家族の手がかりにもなります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

陽性のときは、ご両親の検査から次の妊娠の出生前診断(絨毛検査・羊水検査)まで、院内で続けてご相談いただけます。

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5. 調べる258遺伝子と、それぞれの病気

この検査で調べるのは、9つの分野の258遺伝子です。遺伝子名と病名をクリックすると、それぞれの解説ページに移動します(解説ページのあるものだけリンクしています)。検査を行う会社の最新の遺伝子リストと照らし合わせ、2026年10月に、ALDH7A1・CRYL1・G6PD・GBA1・PHEX・USH1Cの6遺伝子を加えて258遺伝子に更新しました。

5-1. 血液の病気(13遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
βサラセミア HBB
先天性無巨核球性血小板減少症 MPL
重症先天性好中球減少症 ELANE, HAX1
血友病B F9
遺伝性出血性毛細血管拡張症1型 ENG
遺伝性出血性毛細血管拡張症2型 ACVRL1
遺伝性球状赤血球症 ANK1, EPB42, SLC4A1, SPTB
血栓性血小板減少性紫斑病(先天性) ADAMTS13
G6PD欠乏症(今回追加) G6PD

5-2. 小児期の腫瘍の素因(13遺伝子)

5-3. 心臓と血管の病気(8遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
バース症候群 TAZ(現在の名前:TAFAZZIN)
ダノン病 LAMP2
内臓錯位症(ヘテロタキシー) ZIC3
ロイス・ディーツ症候群 SMAD3, TGFBR1, TGFBR2
マルファン症候群 FBN1
ヌーナン症候群 PTPN11

5-4. てんかん(10遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
良性家族性新生児てんかん KCNQ2
ドラベ症候群 SCN1A
良性家族性新生児・乳児てんかん SCN2A, SCN8A
エチルマロン酸脳症 ETHE1
良性家族性乳児けいれん・発作性運動誘発性舞踏アテトーシス PRRT2
PNPO欠損症(ピリドキサールリン酸依存性てんかん) PNPO
ピリドキシン依存性てんかん(今回追加) ALDH7A1
結節性硬化症 TSC1, TSC2

5-5. 難聴(19遺伝子)

5-6. 代謝・内分泌の病気(145遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
フェニルケトン尿症 PAH
BH4(テトラヒドロビオプテリン)欠乏症 PCBD1, PTS
DHPR欠損症 QDPR
メープルシロップ尿症 BCKDHA, BCKDHB, DBT, DLD
ホモシスチン尿症(シスタチオニンβ合成酵素欠損症) CBS
高メチオニン血症(MAT欠損症) MAT1A
高チロシン血症I型 FAH
高チロシン血症II型 TAT
高チロシン血症III型 HPD
シトルリン血症1型 ASS1
シトリン欠損症 SLC25A13
アルギニノコハク酸尿症 ASL
アルギナーゼ欠損症(高アルギニン血症) ARG1
カルバミルリン酸合成酵素I欠損症 CPS1
オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 OTC
N-アセチルグルタミン酸合成酵素欠損症 NAGS
HHH症候群(高オルニチン血症・高アンモニア血症・ホモシトルリン尿症) SLC25A15
リジン尿性蛋白不耐症 SLC7A7
プロピオン酸血症 PCCA, PCCB
メチルマロン酸血症(mut型・cblA型・cblB型) MUT(現在の名前:MMUT), MMAA, MMAB
メチルマロン酸血症・ホモシスチン尿症(cblC型・cblD型・cblF型) MMACHC, MMADHC, LMBRD1
ホモシスチン尿症・巨赤芽球性貧血(cblE型・cblG型) MTRR, MTR
メチルマロニルCoAエピメラーゼ欠損症 MCEE
トランスコバラミン欠損症 TCN2
イソ吉草酸血症 IVD
3-メチルクロトニルCoAカルボキシラーゼ欠損症 MCCC1, MCCC2
複合カルボキシラーゼ欠損症 HLCS
ビオチニダーゼ欠損症 BTD
HMG-CoAリアーゼ欠損症 HMGCL
HMG-CoA合成酵素2欠損症 HMGCS2
β-ケトチオラーゼ欠損症 ACAT1
グルタル酸血症1型 GCDH
グルタル酸血症2型(マルチプルアシルCoA脱水素酵素欠損症) ETFA, ETFB, ETFDH
イソブチリルCoA脱水素酵素欠損症 ACAD8
マロニルCoA脱炭酸酵素欠損症 MLYCD
中鎖アシルCoA脱水素酵素(MCAD)欠損症 ACADM
極長鎖アシルCoA脱水素酵素(VLCAD)欠損症 ACADVL
三頭酵素欠損症 HADHA, HADHB
全身性カルニチン欠乏症 SLC22A5
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ1A欠損症 CPT1A
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2欠損症 CPT2
カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ欠損症 SLC25A20
ガラクトース血症 GALT, GALE
ガラクトキナーゼ欠損症 GALK1
遺伝性フルクトース不耐症 ALDOB
フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症 FBP1
糖原病0型 GYS2
糖原病Ia型 G6PC(現在の名前:G6PC1)
糖原病Ib型 SLC37A4
糖原病II型(ポンペ病) GAA
糖原病III型 AGL
糖原病VI型 PYGL
GLUT1欠損症 SLC2A1
先天性高インスリン血症 ABCC8, KCNJ11, HNF4A
先天性高インスリン血症(HADH欠損) HADH
高インスリン血症・高アンモニア血症症候群 GLUD1
新生児糖尿病 INS
先天性甲状腺機能低下症 PAX8, TSHR, TG, TPO, THRA, TSHB
甲状腺ホルモン合成障害1型 SLC5A5
甲状腺ホルモン合成障害5型 DUOXA2
甲状腺ホルモン合成障害6型 DUOX2
甲状腺ホルモン合成障害(ヨードチロシン脱ヨード酵素欠損) IYD
中枢性甲状腺機能低下症(IGSF1欠損症) IGSF1
中枢性甲状腺機能低下症(TRH受容体異常) TRHR
複合下垂体ホルモン欠損症 LHX3, PROP1, POU1F1
11β-ヒドロキシラーゼ欠損症(先天性副腎過形成) CYP11B1
17α-ヒドロキシラーゼ欠損症(先天性副腎過形成) CYP17A1
3β-ヒドロキシステロイド脱水素酵素欠損症(先天性副腎過形成) HSD3B2
先天性リポイド副腎過形成症 STAR
P450酸化還元酵素欠損症 POR
アルドステロン合成酵素欠損症 CYP11B2
家族性グルココルチコイド欠損症 MC2R
先天性副腎低形成症 NR0B1
偽性低アルドステロン症1型 SCNN1A, SCNN1B
腎性尿崩症 AVPR2, AQP2
新生児重症副甲状腺機能亢進症・常染色体顕性低カルシウム血症 CASR
ビタミンD依存性くる病1A型 CYP27B1
ビタミンD依存性くる病2A型 VDR
低ホスファターゼ症 ALPL
原発性高シュウ酸尿症(1型・2型・3型) AGXT, GRHPR, HOGA1
シスチノーシス CTNS
家族性高コレステロール血症 LDLR
リポタンパク質リパーゼ欠損症 LPL
シトステロール血症 ABCG5
無βリポタンパク血症 MTTP
ライソゾーム酸性リパーゼ欠損症 LIPA
脳腱黄色腫症 CYP27A1
先天性胆汁酸合成障害1型 HSD3B7
先天性胆汁酸合成障害2型 AKR1D1
クリグラー・ナジャー症候群 UGT1A1
ウィルソン病 ATP7B
メンケス病 ATP7A
先天性腸性肢端皮膚炎 SLC39A4
ムコ多糖症(I型・II型・IVA型・VII型) IDUA, IDS, GALNS, GUSB
ムコ多糖症VI型 ARSB
ファブリー病 GLA
ゴーシェ病(今回追加) GBA1(旧名GBA)
GM1ガングリオシドーシス GLB1
クラッベ病 GALC
異染性白質ジストロフィー ARSA
副腎白質ジストロフィー ABCD1
ニーマン・ピック病A型・B型 SMPD1
ニーマン・ピック病C型 NPC1
先天性グリコシル化異常症1b型 MPI
脳クレアチン欠乏症候群 GAMT, GATM
脳葉酸欠乏症(葉酸受容体α欠損) FOLR1
3-ホスホグリセリン酸脱水素酵素欠損症 PHGDH
グルタチオン合成酵素欠損症 GSS
ピルビン酸キナーゼ欠損症 PKLR
セピアプテリン還元酵素欠損症 SPR
チロシン水酸化酵素欠損症 TH
リー症候群(SURF1関連) SURF1
一過性乳児肝不全 TRMU

5-7. 目の病気(4遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
脳回転状網脈絡膜萎縮症 OAT
眼白皮症1型 GPR143
眼皮膚白皮症4型 SLC45A2
常染色体顕性視神経萎縮(OPA1) OPA1

5-8. 免疫の病気(22遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
重症複合免疫不全症 IL2RG, JAK3, IL7R, PTPRC, CD3D, CD3E, DCLRE1C, ZAP70
ADA欠損症 ADA
オーメン症候群 RAG1, RAG2
MHCクラスII欠損症(露出リンパ球症候群2型) CIITA, RFX5, RFXANK, RFXAP
慢性肉芽腫症 CYBB, CYBA, NCF2
高IgE症候群(DOCK8欠損症) DOCK8
IPEX症候群 FOXP3
X連鎖無ガンマグロブリン血症 BTK
X連鎖高IgM症候群 CD40LG

5-9. そのほかの病気(24遺伝子)

関係する病気 調べる遺伝子
脊髄性筋萎縮症 SMN1, SMN2
嚢胞性線維症 CFTR
アラジール症候群1型 JAG1
アルポート症候群 COL4A3, COL4A4, COL4A5
常染色体顕性多発性嚢胞腎 PKD2
常染色体潜性多発性嚢胞腎 PKHD1
Frasier症候群 WT1
骨形成不全症 COL1A1, COL1A2
大理石骨病 TCIRG1
X連鎖性低リン血症性くる病(今回追加) PHEX
高カルシウム尿症を伴う遺伝性低リン血症性くる病 SLC34A3
頭蓋骨幹端異形成症 ANKH
ドーパ反応性ジストニア(瀬川病) GCH1
ビタミンE欠乏性運動失調症 TTPA
先天性無痛無汗症 NTRK1
Crisponi症候群 CRLF1
家族性血球貪食性リンパ組織球症 PRF1
家族性地中海熱 MEFV
ヘルマンスキー・パドラック症候群 HPS1, HPS4

※遺伝子は検査を行う会社の最新のリスト(2026年10月確認)による。古い名前で表示している遺伝子は、現在の名前を添えています。

このパネルに入っていない遺伝子も、追加して調べられます

ご家族の病気の原因遺伝子が、このパネルに入っていないこともあります。当院では、パネルに入っていない遺伝子を追加して調べることができます。遺伝カウンセリングのときにご相談ください。カスタマイズ遺伝子パネル検査もご覧ください。症状がある場合は、第4章の表にある、その病気をまとめて調べるパネルを選ぶこともできます。

6. この検査でわかること・わからないこと

陰性は、「調べた258遺伝子で、健康に大きく関わる変化が見つからなかった」という意味で、病気がないことの保証ではありません。検査を受ける前に、わかることとわからないことを知っておいてください。

わかること

遺伝子の中の小さな変化(1文字の変化、少し抜けている・入っている変化)と、遺伝子まるごとが抜けたり増えたりしている変化です。頬の粘膜の検体では、欠失・重複は遺伝子まるごとの単位で調べます(2つ以上のエクソンの単位で調べられるのは血液の検体の場合です)。見つかった変化は、赤ちゃんの健康に大きく関わると判断されたものだけが報告されます。

わからないこと

  • ●保因者かどうか:保因者(キャリア)であるかどうかは報告されません
  • ●調べていない遺伝子の病気、染色体の数の変化(ダウン症候群など)、微小欠失・重複
  • ●繰り返し配列が長くなる病気、染色体の一部が入れ替わる変化(転座・逆位)
  • ●遺伝子の働きを調節する領域や、エクソンから離れたイントロンの奥の変化
  • ●体の一部の細胞にだけある、ごく少ない割合の変化(低い割合のモザイク)

ほかにも、よく似た配列がある遺伝子では、検出が難しい場合があります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかったときの扱いは、二次的所見の開示方針をご覧ください。

意味のわからない変化(VUS)について

遺伝子検査では、病気との関係がまだはっきりしない変化が見つかることがあります。これをVUS(臨床的意義不明のバリアント)といいます。VUSだけで診断を決めたり、ご家族の発症リスクを判断したりはしません。ただし、VUSの意味を調べるために、ご家族で同じ変化があるかを確認することはあります。研究が進んで、のちに意味がわかることもあります。

検査の技術的なくわしい説明(ひらく)

この検査は次世代シーケンサーで、遺伝子のたんぱく質をつくる部分(コーディング領域)と、その境目(スプライシング部位)を読みます。代表的なカバレッジは、20回以上読めている割合が約99%です。品質の低い部分は、サンガー法という別の方法で読み直します。見つかった欠失・重複は、qPCR法やMLPA法など別の原理の方法でもう一度確かめてから報告します。

7. 病的変異が見つかったら、次にできること

病気の原因となる変化(病的変異)が見つかったら、赤ちゃん本人の診断と治療の準備、ご両親が保因者かどうかの確認、次の妊娠でできることまで、順番に考えていきます。わかったことを次の行動につなげられるのが、遺伝子検査を受ける意味です。

赤ちゃん本人:病名が決まり、治療と見張りの計画が立つ

見つかった変化と赤ちゃんの状態をあわせて、病名を確かめます。治療や定期的な検査は、その病気を専門とする医療機関で行います。病気によっては指定難病や小児慢性特定疾病の対象になり、医療費の助成を受けられることがあります。対象かどうかは病気ごとに違うので、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターの最新の情報(2026年10月時点で確認が必要)と、主治医にご確認ください。

ご両親:保因者かどうかを確かめる

このパネルの病気の多くは常染色体潜性(劣性)遺伝です。赤ちゃんがこのタイプの病気だった場合、ふつうはご両親がそれぞれ保因者で、次のお子さんで同じ病気になる確率は、お子さん1人ごとに4分の1です。X連鎖の病気では、お母さんが保因者かどうかで確率が変わります。ご両親が同じ変化を持っているかは、ピンポイントで調べられます。

赤ちゃんで新しく起きた変化(de novo)とわかった場合、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。ただし、次のお子さんの確率はゼロではありません。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。

次の妊娠でできること

絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、次に妊娠したときに、赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます(羊水検査・絨毛検査、単一遺伝子疾患の出生前診断)。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針をふまえて個別に考えるので、妊娠を考えている段階からご相談ください。

このパネルの遺伝子のうち、PTPN11・TSC1・TSC2・COL1A1・COL1A2は、当院のNIPTのダイヤモンドプランとインペリアルプランで、NF1・NF2・FBN1・SMAD3・SMAD4・TGFBR1・TGFBR2・JAG1・SCN1A・SCN2A・SCN8A・KCNQ2はインペリアルプランでも調べられます(赤ちゃんで新しく起きた変化を調べるプランです)。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。

次の妊娠の前に、ご夫婦それぞれが潜性遺伝の病気の保因者かどうかを広く調べることもできます。拡大版保因者スクリーニングには女性版787遺伝子と男性版714遺伝子があり、妊娠中の方にはNIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラスもあります(単独では受けられません)。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-Mが行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。

どの方法を選ぶか、また何もしないでそのまま次の妊娠・出産を迎えるかも、ご家族が選べることです。どの選択も尊重します。

きょうだい・ご親族

赤ちゃんで見つかった変化がわかれば、きょうだいやご親族が同じ変化を持っているかを、ピンポイントで調べられます。症状のない方の検査は、ご本人の同意のもとで行います。

当院でのその後

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明してから、マイページにアップします。結果の意味、ご家族への影響、次にどうするかを、遺伝カウンセリングで考えていきます。

8. 費用・結果までの日数・検体・検査の流れ

検査費用は税込330,000円、結果までは3〜5週間、検体は頬の粘膜です。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

💴 費用・日数・検体

項目 内容(税込)
検査費用 330,000円
マイページ使用料 550円
検査結果作成手数料(暗号化を含む) 3,300円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(検査料とは別)
結果までの日数 3〜5週間
検体 頬の粘膜(採血なし)

※遺伝カウンセリング料は、基本はおひとりずつかかります。おふたり(ご家族)が同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合だけ、一人分をサービスします(おふたりで22,000円)。検査を受けない、相談だけの場合は人数分かかります。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。結果の報告書の読み方は、遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

検査の流れ

予約来院・オンライン
→
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
→
頬の粘膜を採取キットで
→
結果の説明3〜5週間後

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを受け、検体をご自宅で採って当院へ送っていただくこともできます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、キットが届く前にご自身で検体を採らないでください。

ご来院の場合、院内は全室個室で、受診枠は90分です。ほかの患者さんと時間が重ならないように予約をお取りしているため、院内でほかの患者さんと顔を合わせることはありません。キッズスペースはありませんが、赤ちゃん連れでお越しいただけます。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明してから、マイページにアップします。検査の進み具合の確認やご質問も、マイページから行えます。

\ 費用と流れを確かめたら、まずは遺伝カウンセリングから /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査を受けるかどうかは、臨床遺伝専門医の説明を聞いて納得してから決めていただけます。オンライン診療にも対応しています。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

9. 院長コラム

仲田洋美 医師

🩺 院長コラム【早く知って、備えられることがある】

生まれたばかりの赤ちゃんの遺伝子を調べることに、ためらいを感じる方もいると思います。私は、わからないまま心配し続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。とくに新生児の遺伝子検査で調べる病気には、早く知れば、症状が出る前から食事やホルモン、体調の見張りで備えられるものが多く含まれています。

一方で、知る・知らないを選ぶのはご家族です。どちらの選択も尊重します。受けるかどうか迷う段階から、遺伝カウンセリングで一緒に考えることが大切だと考えています。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です(遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由)。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。前もって知っておくことは、その後の選択肢を増やすことにつながると考えています。

10. よくある質問

Q1. 新生児マススクリーニングと何が違いますか?

公費の新生児マススクリーニングは、生後数日に赤ちゃんのかかとから採った血液をろ紙にしみこませ、血液中の物質の量などから病気の可能性を調べる検査です。新生児の遺伝子検査は、頬の粘膜からDNAを取り出し、258遺伝子の配列そのものを読みます。調べる病気の範囲も方法も違うため、遺伝子検査はマススクリーニングの代わりではなく、上乗せとして受ける検査です。

Q2. 新生児マススクリーニングを受けていれば、この検査は必要ありませんか?

新生児マススクリーニングは必ず受けてください。そのうえで当院は、マススクリーニングを受けていても、この検査をあわせて受ける意味があると考えています。公費のマススクリーニングが対象にしている病気は地域によって20〜25疾患ほどで、この検査はそれ以外の病気も含めた200以上の病気に関わる258遺伝子を、DNAから調べるためです。受けるかどうかは、遺伝カウンセリングで説明を聞いてからご家族で決めていただけます。

Q3. 拡大新生児スクリーニング検査の代わりになりますか?

代わりにはなりません。拡大新生児スクリーニングは、公費の対象に入っていない病気を、同じように血液ろ紙で調べる任意の検査で、地域や医療機関によって対象の病気や費用が違います。調べ方も対象も違うので、受けられる地域では、拡大新生児スクリーニングと遺伝子検査はそれぞれ別の検査として考えてください。

Q4. マススクリーニングで再検査と言われました。この検査を受けたほうがいいですか?

まずは、出生した医療機関や精密検査の医療機関の指示に従ってください。マススクリーニングの陽性は、病気が確定したという意味ではありません。精密検査で診断をはっきりさせるために遺伝子を調べることがありますが、どの検査が向くかは、どの項目が引っかかったかで変わります。迷うときは遺伝カウンセリングでご相談ください。

Q5. 保因者(キャリア)かどうかもわかりますか?

わかりません。この検査は、赤ちゃんの健康に影響しうる変化が見つかった場合にだけ結果を報告する設計で、保因者(病気の原因の変化を1つだけ持っていて、ふつうは発症しない状態)であるかどうかは報告されません。ご夫婦が保因者かどうかを知りたい場合は、保因者検査をご案内します。

Q6. 陰性なら病気の心配はありませんか?

陰性は、調べた258遺伝子で、健康に大きく関わる変化が見つからなかったという意味です。調べていない遺伝子の病気、染色体の数の変化、繰り返し配列が長くなる病気などはこの検査ではわかりません。陰性でも、病気がないことの保証にはならないので、気になる症状があれば小児科を受診してください。

Q7. 費用はいくらですか?保険は使えますか?

検査費用は税込330,000円です。ほかにマイページ使用料550円、検査結果作成手数料(暗号化を含む)3,300円がかかり、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

Q8. パネルに入っていない遺伝子は追加できますか?

当院では、パネルに入っていない遺伝子を追加して調べることができます。気になる病気や遺伝子がある場合は、遺伝カウンセリングのときにご相談ください。

🧬 人生に一度の遺伝子検査を、赤ちゃんとご家族のこれからに

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。新生児の遺伝子検査で原因がわかれば、赤ちゃんの治療や見張りの準備だけでなく、ご両親の検査や次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による次の妊娠の出生前診断まで、院内で続けてご相談いただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Ziegler A, Koval-Burt C, Kay DM, et al. Expanded Newborn Screening Using Genome Sequencing for Early Actionable Conditions. JAMA. 2025;333(3):232-240. [DOI: 10.1001/jama.2024.19662](PMID: 39446378)

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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