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NIPT/遺伝子検査結果の見かた

ミネルバクリニックでNIPT(新型出生前診断)または遺伝子検査を受けられた患者さまへ、検査結果の見方についてご案内いたします

NIPT(新型出生前診断)

NIPTの結果は、英語の原本と日本語の翻訳文書をセットでご提供しております。

結果が出た際には、メールにてご連絡いたします。そのメール内に、結果ファイルを開くためのパスワードが記載されていますので、以下の手順でご確認ください:

  1. マイページにログインします。
  2. 検査結果ファイルをダウンロードします。
  3. メール記載のパスワードを入力してファイルを開いてください。

検査結果に異常があった場合は、赤字で明確に表示しています。赤字の表示がない場合は、陰性(問題なし)とご理解いただいて大丈夫です。ご安心ください。

また、NIPTに含まれる遺伝子検査の結果では、「Pathogenic(病的)」または「Likely pathogenic(病的の可能性が高い)」と分類されたバリアントのみが報告されます

これにより、臨床的に意義が明確でない変異(たとえば「VUS(意義不明の変異)」など)は報告から除外されており、不必要なご不安を避ける配慮がなされています。

保因者検査

英語の原本をお返ししていますが、日本語でのご説明をご希望の方には、5500円で翻訳版をお渡ししています

保因者検査では、病気の原因となる遺伝子変異(病的バリアント)が見つかった場合に、検査結果に「carrier(キャリア)」と表示されます。その下に、対象となる遺伝子名とバリアント(変異)の詳細が記載されています。

なお、保因者検査でも、「Pathogenic(病的)」または「Likely pathogenic(病的の可能性が高い)」と分類された変異のみが報告されます

これにより、「VUS(意義不明の変異)」や「良性の変異」など、医学的な意義が明確でないものは報告されず、不要なご心配を避けることができます

各遺伝子の病的バリアントの頻度については、以下のリンクよりご確認いただけます:

▶ 病的バリアントの頻度一覧はこちら

その他の遺伝子検査

英語の原本をお返ししていますが、日本語でのご説明をご希望の方には、5500円で翻訳版をお渡ししています

検査結果の見方について、以下の項目をご確認ください。


● Clinically Significant Variants(臨床的に有意なバリアント)

この項目には、臨床的に重大な意味を持つと考えられる遺伝子変異(バリアント)が記載されます。
具体的には、医学的に「病気の原因となる」と確認されているPathogenic(病的)またはLikely pathogenic(病的の可能性が高い)と分類された変異です。

もしここに何も記載されておらず、「None(なし)」と表示されている場合は、臨床的に問題となる変異は見つかっていないことを意味しますので、ご安心ください。

なお、記載がある場合でも、必ずしもすぐに病気を発症するわけではありません。変異の内容や遺伝形式、家族歴などを踏まえたうえで、医師による解釈が重要となります。

ご不明な点があれば、マイページのメッセージ欄よりいつでもお問い合わせください。

● Additional Variants of Potential Clinical Relevance(臨床的意義のあるその他のバリアント)

この項目には、病気を引き起こす可能性があるが、発症にはいくつかの条件が関わる変異が記載されます。
特に多いのが、常染色体劣性遺伝形式の疾患に関連するバリアント(変異)です。

常染色体劣性とは、両方の遺伝子に変異がある場合に病気を発症するタイプの遺伝形式で、片方の遺伝子にのみ変異がある「保因者(キャリア)」の状態では、原則として発症しません

この項目に変異が記載されている場合でも、ご本人が現在その疾患を発症している、または将来必ず発症するという意味ではありませんので、過度なご心配は不要です。

ただし、同じ変異を配偶者やお子様が持っている場合には、将来の子どもに遺伝する可能性があるため、必要に応じて遺伝カウンセリングなどのご案内をさせていただきます。

ご不明な点がありましたら、マイページのメッセージ欄からいつでもお問い合わせください。

● Supplemental Variants(補足バリアント)

補足バリアントとは、臨床的な意義がまだはっきりとは分かっていない、または現在の医療の判断基準ではすぐに対処を必要としないバリアント(遺伝子変異)です。
将来的に新たな研究によって意味が明らかになる可能性もあるため、参考情報として報告される項目です。

ただし、直ちに治療や対応が必要となる情報ではありませんので、過度にご心配なさらなくて大丈夫です。

結果の表にある項目について

遺伝子検査の結果には、各バリアント(遺伝子変異)について、以下の4項目が記載されています。それぞれの意味は以下の表をご覧ください。

項目名 日本語訳 説明
inheritance 遺伝形式 その遺伝子がどのような形式で遺伝するかを示します。代表的な形式には以下があります:
常染色体優性遺伝(1つの変異で発症の可能性あり)
常染色体劣性遺伝(両親から1つずつ受け継ぐと発症)
X連鎖遺伝(性別によって影響の出方が異なる)
variant バリアント(変異) 検出された遺伝子の変異の内容を示します。例えば、どのDNA塩基が変化したか、どのアミノ酸が別のものに置き換わったかなどが記載されます。
例:c.1234A>G(p.Arg412Gly) は、DNA上で「A」が「G」に変化し、アミノ酸がアルギニンからグリシンに変わったことを示します。
zygosity 接合性 変異が遺伝子の片方だけにあるのか、両方にあるのかを示します。
Heterozygous(ヘテロ接合):片方に変異がある
Homozygous(ホモ接合):両方に同じ変異がある
Compound Heterozygous(複合ヘテロ):両方に異なる変異がある
Hemizygous(ヘミ接合):男性のX染色体のみに1つある場合
classification 分類 見つかった変異が医学的にどのような意味を持つかを分類したものです。分類は以下の通りです。
Pathogenic(病的)
Likely pathogenic(病的の可能性が高い)
VUS(意義不明の変異)
Likely benign(良性の可能性が高い)
Benign(良性)

※NIPTや保因者検査では、「Pathogenic」または「Likely pathogenic」のみが報告されます。他の分類は、臨床的意義が明確でないため報告されません。

▶ 詳細は以下をご覧ください:
病的バリアントの分類法について
VUS(意義不明の変異)について

中でも、「classification(分類)」の項目は特に重要です。ここでは、見つかったバリアントが医学的にどのような意味を持つかを評価した結果が表示されます。

バリアント(遺伝子変異)の分類について

見つかった遺伝子変異が医学的にどのような意味を持つのかを評価し、5段階で分類したものが「classification(分類)」です。

分類名 日本語訳 意味・説明 対応の目安
Pathogenic 病的 病気の原因であることが医学的に明らかな変異。
多くの研究や臨床データにより、疾患との関連が証明されています。
医療的対応が必要です。
家族への影響やフォローアップも検討されます。
Likely pathogenic 病的の可能性が高い 現在の情報から、病気の原因である可能性が高いと判断される変異。
証拠は十分ではないが、臨床的に重要と考えられます。
念のため医療的な確認を推奨。
病的とみなして対応することもあります。
VUS
(Variant of Uncertain Significance)
意義不明の変異 現時点では病気との関係が判断できない変異。
将来的に情報が増えることで、分類が変わる可能性があります。
原則として医療的対応は不要
継続的な情報更新が重要です。
Likely benign 良性の可能性が高い 病気とは無関係である可能性が高い変異。
健康な人にも見られることがあります。
対応の必要はありません。
Benign 良性 明らかに病気と無関係とされる変異。
ごく一般的な遺伝的多様性の一部です。
問題なし。
心配は不要です。

なお、NIPTや保因者検査では、「Pathogenic」または「Likely pathogenic」に該当する変異のみが報告されます
VUSや良性の変異は、臨床的意義が不明確または不要であるため、報告されません。

▶ 詳しい解説はこちら:
病的バリアントの分類法について
VUS(意義不明の変異)について

このページをご覧になってもなお、検査結果についてご不明な点やご心配なことがございましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
ご自身のマイページにログインのうえ、「メッセージ欄」よりお問い合わせいただけます。医師またはスタッフが丁寧に対応させていただきます。

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

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