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病的遺伝子とバリアント分類法

病的遺伝子とバリアント分類法

Genome sequencing. The deciphering of the DNA code, write the sequence of nucleotide bases.

病的遺伝子とは病原性がある(pathogenic)バリアントをその遺伝子が持っているということ、つまりはその病的バリアントがある病気や障害に対する個人の感受性や素質を高める遺伝子の変化が当該遺伝子にあるという状況のことをいう。

遺伝子の標準的な塩基配列からの塩基の変化をバリアントと呼び、このような変異(または突然変異)が遺伝した場合、症状が発生する可能性が高くなるが、確実ではない。以前は病的変異は、deleterious mutationなどと呼ばれた時代もあったが、混乱を生じるためすべてvariantという用語に統一し、バリアントを5段階に分けることが2015年に提唱された。

病的遺伝子とは通常、下記の病的バリアントを持っている遺伝子のことを言う。

バリアントとは

バリアントとは、最も一般的なDNAヌクレオチド配列の変化のことをいう。良性の場合もあれば、病原性の場合もあり、また意味不明の場合もあります。最近では、「変異」という言葉に代わって「バリアント」という言葉が使われるようになっている。

バリアント分類法

遺伝子検査で見つかったバリアントは、現在以下のように分類され、報告される。

病原性変異 病的バリアント pathogenic variant
病原性(病気を引き起こす可能性がある)と分類するのに十分な証拠がある変異。病原性突然変異保有者に対しては、リスクのある家族を対象とした検査や医療管理の適切な変更(例:ハイリスクサーベイランス)が推奨される。
Variant, Likely Pathogenic (VLP)
病原性を支持する強い証拠がある変異。VLP保有者に対しては、リスクのある家族を対象とした検査や、医療管理の適切な変更(ハイリスクサーベイランスなど)が推奨される。
Variant, Unknown Significance (VUS)
病原性に関する証拠が限られており、かつ、矛盾しているバリアント。家族研究プログラムを利用して、情報提供者である家族を対象とした検査を行い、共時性データを収集することが推奨される。医学的管理は、VUSのキャリアステータスではなく、個人および家族の歴史に基づく。
Variant, Likely Benign (VLB) Alterations
病原性を否定する強力な証拠がある。リスクのある家族を対象にした検査は推奨されない。個人および家族の歴史に基づいた医学的管理を行う。VLBは検査会社の結果報告には含まれません。
Variant, Benign (VLB) Alterations
病原性に対する非常に強い証拠がある良性の変化。リスクのある家族を対象にした検査は推奨されない。個人および家族の歴史に基づいた医学的管理。良性の変化は、結果報告には通常含まれません。

バリアントの分類の詳細について学術的な興味のある方はこちらのリンクをごらください。

この記事の著者:仲田洋美医師
医籍登録番号 第371210号
日本内科学会 総合内科専門医 第7900号
日本臨床腫瘍学会 がん薬物療法専門医 第1000001号
臨床遺伝専門医制度委員会認定 臨床遺伝専門医 第755号

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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