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神経セロイドリポフスチン症(NCL/バッテン病)NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

神経セロイドリポフスチン症(NCL/バッテン病)NGS遺伝子パネル検査|ミネルバクリニック

神経セロイドリポフスチン症とは

神経セロイドリポフスチン症(Neuronal Ceroid Lipofuscinosis: NCL)は、別名バッテン病とも呼ばれる遺伝性の神経変性疾患です。細胞内のライソゾーム(リソソーム)という小器官が正常に機能しないため、神経細胞をはじめとする様々な細胞のライソゾーム内に、セロイドリポフスチンという自家蛍光を発する蓄積物質が溜まることで発症します。そのため、ライソゾーム病の一種に分類されます。

本疾患は、小児期や青年期における認知障害の主要な原因の一つであり、進行性の神経変性により運動発達の退行、難治性のてんかん発作、視力障害などを引き起こします。成人型の一部を除き、常染色体劣性遺伝形式で遺伝し、日本では小児慢性特定疾病および指定難病に指定されています。

神経セロイドリポフスチン症は、発症年齢や臨床経過、原因遺伝子によって14のタイプに分類されます。臨床的には乳児型、遅発乳児型、若年型、成人型の4つの病型に大別され、それぞれ症状の発現時期や進行速度が異なります。欧米では出生10万人に対して0.98~7人と報告されていますが、日本では極めて稀で、2001年の全国調査では27例が報告されています。世界的に最も多くみられる病型は神経セロイドリポフスチン症2型(CLN2)と3型(CLN3)です。

症状と病態

神経セロイドリポフスチン症の主な症状は、進行性の神経症状であり、発症年齢や病型によって症状の出現順序や重症度が異なります。しかし、いずれの病型でも知能の遅れ、難治性てんかん、視力障害が中核症状として認められ、病状は時間とともに進行します。

主要症状

  • 進行性の運動発達退行(獲得していた運動機能の喪失)
  • 難治性てんかん(けいれん発作)
  • 視力障害(進行性視力低下、最終的には失明)
  • 認知機能の低下(知能の遅れ、記憶障害)
  • 運動失調(ふらつき、協調運動障害)
  • 言語発達の遅延または喪失
  • 行動異常(興奮性、攻撃性)
  • ミオクローヌス(筋肉の不随意運動)

病型による特徴

神経セロイドリポフスチン症は、発症年齢によって大きく4つの病型に分類され、それぞれ特徴的な症状パターンが認められます:

  • 乳児型(CLN1など):生後6ヶ月~2歳頃に発症。初期症状はミオクローヌス(筋肉の不随意運動)で、急速に進行し、視力障害、運動機能障害、知的退行が出現します。予後は極めて不良で、多くは10歳前後までに死亡します。
  • 遅発乳児型(CLN2など):2~4歳頃に発症。てんかん発作が最初の症状として医療機関を受診するきっかけになることが多く、遡ってみると言語発達遅延が認められます。運動失調、認知機能低下が進行し、6歳頃までに失明に至ります。視力障害の出現時期は他の病型より遅めです。
  • 若年型(CLN3など):4~10歳頃に発症。視力障害が初発症状として最も多く、進行性の視力低下で気づかれることが多いです。その後、認知機能低下、てんかん、運動障害が出現します。進行は比較的緩徐で、20~30代まで生存することもあります。
  • 成人型(CLN4など):20~40歳頃に発症。進行が最も緩徐で、認知機能低下やミオクローヌスが主症状です。視力障害は軽度または認められないこともあります。一部は常染色体優性遺伝形式をとります。

進行と予後

神経セロイドリポフスチン症は進行性疾患であり、時間とともに症状が悪化していきます。一般的に小児期発症例では予後が不良で、最終的には寝たきり状態となり、介助が必要となります。遅発乳児型や若年型では、症状発現後数年から10年程度で寝たきりとなり、若年期に死亡することが多いです。

近年、CLN2(遅発乳児型)に対しては、脳室内への酵素補充療法(ブリニューラ®)が承認され、治療による症状進行の遅延が報告されています。このため、早期診断と治療開始が極めて重要となっています。

遺伝形式と原因遺伝子

神経セロイドリポフスチン症は、成人型の一部を除き、常染色体劣性遺伝形式で遺伝します。現在までに14の原因遺伝子(CLN1~CLN14)が同定されており、それぞれがライソゾーム内での酵素活性、タンパク質輸送、イオンチャネル機能などに関与しています。

主要な原因遺伝子と対応するタンパク質

  • CLN1(PPT1遺伝子):パルミトイルプロテインチオエステラーゼ1をコードします。乳児型、遅発乳児型、若年型、成人型と多様な病型を呈します。
  • CLN2(TPP1遺伝子):トリペプチジルペプチダーゼ1をコードします。古典的には遅発乳児型を呈し、世界的に最も頻度が高い病型の一つです(発症頻度は20万新生児に1人)。非古典的には乳児型、若年型、緩徐進行型もあります。酵素補充療法の対象となります。
  • CLN3遺伝子:機能は完全には解明されていませんが、ライソゾーム膜に局在するタンパク質をコードします。若年型の主要な原因遺伝子です。
  • CLN5遺伝子:可溶性ライソゾームタンパク質をコードします。フィンランドに多い遅発乳児型の原因遺伝子です。
  • CLN6遺伝子:小胞体膜タンパク質をコードします。遅発乳児型、若年型を呈します。
  • CLN8遺伝子:小胞体膜タンパク質をコードします。遅発乳児型(トルコ型)、北欧てんかん型があります。
  • CTSD遺伝子:カテプシンDをコードします。乳児型、若年型を呈します。
  • CTSF遺伝子:カテプシンFをコードします。成人型の原因となります。
  • DNAJC5遺伝子:シャペロンタンパク質をコードします。成人型で常染色体優性遺伝形式をとることがあります。
  • GRN遺伝子:プログラニュリンをコードします。成人型の原因となります。
  • KCTD7遺伝子:カリウムチャネルテトラマー形成ドメイン含有タンパク質7をコードします。進行性ミオクローヌスてんかんを呈します。
  • MFSD8遺伝子:メジャーファシリテータースーパーファミリードメイン含有タンパク質8をコードします。遅発乳児型を呈します。
  • ATP13A2遺伝子:陽イオン輸送ATPアーゼをコードします。クフォー・ラコラ病(若年型)の原因となります。

遺伝カウンセリングの重要性

神経セロイドリポフスチン症の遺伝形式は、主に常染色体劣性遺伝です。両親がともに変異遺伝子の保因者である場合、子どもが発症する確率は25%、保因者となる確率は50%、正常である確率は25%です。一部の成人型では常染色体優性遺伝形式をとり、患者の子どもが発症する確率は50%です。

当検査パネルでは、これらの原因遺伝子のうち、臨床的に重要な14遺伝子(ATP13A2、CLN3、CLN5、CLN6、CLN8、CTSD、CTSF、DNAJC5、GRN、KCTD7、MFSD8、PPT1、PPT2、TPP1)を対象としています。これにより、神経セロイドリポフスチン症の主要な原因を効率的にスクリーニングすることが可能です。

ミネルバクリニックの神経セロイドリポフスチン症遺伝子パネル検査の特徴

「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」とは、現在神経セロイドリポフスチン症の原因として報告されている14の遺伝子に異常があるかどうかを、一度に調べられる検査方法です。

従来の検査方法の場合、複数の関連遺伝子を調べるために、A遺伝子の検査をして異常がなければ次にB遺伝子を検査する、というように何度も検査する必要がありました。もちろん、検査のたびに高額な料金がかかります。

何度も検査することでかかる費用や手間は、患者さんにとって大きな負担になります。ミネルバクリニックではそうした不便を解消するために、神経セロイドリポフスチン症に関連する14遺伝子を一度に調べられる「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」を採用しています。

一般的な遺伝子検査のメリットとデメリットについてはこちらのページをご覧ください。

1.費用がリーズナブル

一般的な医療機関で神経セロイドリポフスチン症の遺伝子検査を行う場合、単一遺伝子ごとに数万円から数十万円の費用がかかることが多く、複数の遺伝子を調べる場合は非常に高額になります。

当院では、神経セロイドリポフスチン症に関係するとされる14の遺伝子を一度に調べられる「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」をリーズナブルに受けられます。(費用はページの一番下をご確認ください。)

2.結果が出るまでがはやい

一般的な医療機関で行える神経セロイドリポフスチン症の遺伝子検査の場合、結果が出るまでには通常数週間から数ヶ月かかることがあります。また、単一遺伝子の検査で異常が見つからなかった場合、追加の遺伝子検査が必要になることもあります。

当院で行う「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」の場合、14の遺伝子を、2~3週間程度で一度に調べることが可能です。

3.一気にまとめてできる

臨床症状から神経セロイドリポフスチン症を疑って単一遺伝子検査を行っても、病的変異が見つからないことがあります。また、他の遺伝子に変異があるかどうかまでは分かりません。

当院で行う「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」ならば、臨床的に重要な14の原因遺伝子を同時に検査できるという利点があります。

オプション

塩基配列 (料金に含まれる)
欠失・挿入 (料金に含まれる)
至急:結果が出るまでの期間が約7日短くなります。 33,000円
VUS除外 *VUS(variant of unknown significance)とは病的意義がよく分かっていない変異の事を指します。(無料)

検査内容

「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」では、神経セロイドリポフスチン症に関係するとされる14種類の遺伝子(ATP13A2、CLN3、CLN5、CLN6、CLN8、CTSD、CTSF、DNAJC5、GRN、KCTD7、MFSD8、PPT1、PPT2、TPP1)をまとめて検査します。

「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」は、神経セロイドリポフスチン症の遺伝的原因をお持ちの方を見つける可能性を高められると同時に、現在および将来的に活用できる情報を提供します。

どんな人が受けたらいいの?

【神経セロイドリポフスチン症の個人歴または家族歴のある方】に
「神経セロイドリポフスチン症 NGSパネル検査」を受けることをおすすめします。

この検査は以下のような方に適しています:
・難治性てんかん(けいれん発作)のあるお子さん
・進行性の視力低下が認められる方
・運動発達の退行(獲得していた運動機能の喪失)が見られる方
・言語発達の遅延または喪失が認められる方
・認知機能の低下や知的退行が進行している方
・運動失調やミオクローヌスが認められる方
・神経セロイドリポフスチン症またはバッテン病の家族歴がある方
・ライソゾーム病が疑われる症状のある方
・将来子どもを持つことを考えている保因者の方で、リスク評価を希望される方

このパネル検査は、血液、抽出DNA、頬粘膜スワブ、または唾液検体で実施可能です。モザイク現象の検出は目的としておらず、腫瘍組織での検査は適応外です。

検査で得られる患者さんの潜在的利益は?

遺伝子検査により原因が判明すると、神経セロイドリポフスチン症の診断確定や、適切な治療・管理方針の決定に役立ちます。特にCLN2型(遅発乳児型)では、早期診断により酵素補充療法を開始することで、症状の進行を遅らせることが可能です。

遺伝子検査により以下の利益が期待できます:
・適切な診断の確立または確認
・他のライソゾーム病や神経変性疾患との鑑別
・CLN2型の場合、酵素補充療法(ブリニューラ®脳室内投与)の適応判断
・抗てんかん薬による発作コントロールの最適化
・視力障害に対する早期対応と支援
・理学療法、作業療法、言語療法などのリハビリテーション計画の立案
・疾患の進行予測と長期的な管理計画の立案
・追加の関連症状のリスクの特定
・関連リソースやサポートへの患者の接続
・より個別化された治療と症状管理
・家族の危険因子に関する情報提供
・家族計画のためのオプション提供
・出生前・着床前診断の選択肢提供

患者さんで病原性変異が同定された場合、常染色体劣性遺伝形式のため、兄弟姉妹が発症するリスクは25%、保因者となるリスクは50%です。成人型の一部で常染色体優性遺伝形式の場合は、子どもが発症するリスクは50%です。家族を検査することでそのリスクを明らかにすることが重要です。

対象遺伝子

詳しくはこちら

ATP13A2, CLN3, CLN5, CLN6, CLN8, CTSD, CTSF, DNAJC5, GRN, KCTD7, MFSD8, PPT1, PPT2, TPP1 ( 14遺伝子 )

各遺伝子の詳細:
・ATP13A2遺伝子:
陽イオン輸送ATPアーゼをコードする遺伝子。クフォー・ラコラ病(若年型NCL)の原因遺伝子として知られ、進行性ミオクローヌスてんかん、認知機能障害、錐体外路症状を呈します。

・CLN3遺伝子:
ライソゾーム膜に局在するタンパク質をコードする遺伝子。若年型NCLの最も頻度の高い原因遺伝子です。4~10歳頃に進行性の視力低下で発症し、その後認知機能低下、てんかん、運動障害が出現します。

・CLN5遺伝子:
可溶性ライソゾームタンパク質をコードする遺伝子。フィンランドバリアント(遅発乳児型)の原因となります。5~7歳頃に発症し、視力障害、てんかん、運動失調を呈します。

・CLN6遺伝子:
小胞体膜タンパク質をコードする遺伝子。遅発乳児型、若年型を呈します。5~8歳頃に発症し、視力障害、てんかん、認知機能低下が特徴的です。

・CLN8遺伝子:
小胞体膜タンパク質をコードする遺伝子。遅発乳児型(トルコバリアント)と北欧てんかん(EPMR:フィンランドバリアント)の2つのタイプがあります。トルコ型は2~7歳頃、北欧てんかん型は5~10歳頃に発症します。

・CTSD遺伝子:
リソソーム内でタンパク質を分解する酵素カテプシンDをコードする遺伝子。乳児型、若年型を呈し、重症型では早期に進行します。

・CTSF遺伝子:
リソソーム内タンパク質分解酵素カテプシンFをコードする遺伝子。成人型NCLの原因となり、20~40歳頃に認知機能低下、ミオクローヌス、てんかんで発症します。

・DNAJC5遺伝子:
シャペロンタンパク質をコードする遺伝子。成人型NCLの原因となり、常染色体優性遺伝形式をとることがあります。20~40歳頃に発症し、認知機能低下、ミオクローヌス、てんかん、視力障害を呈します。

・GRN遺伝子:
プログラニュリンをコードする遺伝子。成人型NCLの原因となり、前頭側頭型認知症との関連も知られています。40~60歳頃に認知機能低下、行動変化で発症します。

・KCTD7遺伝子:
カリウムチャネルテトラマー形成ドメイン含有タンパク質7をコードする遺伝子。進行性ミオクローヌスてんかん(北方てんかん症候群)の原因となります。幼児期に発症し、ミオクローヌス、てんかん、運動失調を呈します。

・MFSD8遺伝子:
メジャーファシリテータースーパーファミリードメイン含有タンパク質8をコードする遺伝子。遅発乳児型NCL(CLN7)の原因となります。5~8歳頃に発症し、視力障害、てんかん、運動障害が特徴的です。

・PPT1遺伝子(CLN1):
パルミトイルプロテインチオエステラーゼ1をコードする遺伝子。乳児型NCLの最も頻度の高い原因遺伝子です。生後6ヶ月~2歳頃にミオクローヌスで発症し、急速に進行します。遅発乳児型、若年型、成人型も報告されています。

・PPT2遺伝子(CLN9):
パルミトイルプロテインチオエステラーゼ2をコードする遺伝子。遅発乳児型NCLの原因となります。3~7歳頃に発症し、てんかん、運動失調、認知機能低下を呈します。

・TPP1遺伝子(CLN2):
トリペプチジルペプチダーゼ1をコードする遺伝子。遅発乳児型NCLの最も頻度の高い原因遺伝子です(発症頻度20万新生児に1人)。古典的には2~4歳頃にてんかん発作で発症し、言語発達遅延、運動失調、認知機能低下が進行します。脳室内酵素補充療法(ブリニューラ®)の対象となる唯一の病型です。非古典的には乳児型、若年型、緩徐進行型もあります。

カバレッジ

カバレッジとは、遺伝子検査においてDNA配列がどの程度正確に読み取られたかを示す指標です。「20x」は同じ部位を20回読み取ることを意味し、読み取り回数が多いほど検査の精度が高くなります。

≥99% at 20x(読み取り深度20回以上)
これは、検査対象遺伝子の99%以上の領域を、20回以上の高い精度で読み取ることができることを示しています。

検体

血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色キャップ)、抽出DNA(EBバッファー中3μg)、頬粘膜スワブ、唾液(要請により採取キット提供)

※唾液・口腔粘膜擦過組織・血液いずれもオンライン診療が可能です。
 ほとんどの検査は唾液・口腔粘膜擦過組織で実施できます。
 血液検体の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
 オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行った後、検体を当院にお送りいただく流れとなります。
 検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りいたします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

検査の限界

詳しくはこちら

すべての配列決定技術には限界があります。この分析は次世代シーケンシング(NGS)により実施され、コード領域とスプライス接合部の検査を目的として設計されています。次世代シーケンシング技術と当院のバイオインフォマティクス分析により、偽遺伝子配列やその他の高度に相同な配列の寄与は大幅に減少しますが、これらは配列決定および欠失/重複分析の両方において病原性変異体対立遺伝子を同定するアッセイの技術的能力を時に妨げる可能性があります。

低品質スコアの変異確認および被覆標準を満たすためにサンガー配列決定が使用されます。注文された場合、欠失/重複分析は、1つの完全な遺伝子(頬粘膜スワブ検体および全血検体)および2つ以上の連続するエキソンサイズ(全血検体のみ)のゲノム領域の変化を同定できます。単一エキソンの欠失または重複が時に同定される場合がありますが、この検査では日常的に検出されません。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認されます。

この検査では、疾患を引き起こす可能性がある特定のタイプのゲノム変化は検出されません。これには、転座や逆位、反復伸長(例:三塩基またはヘキサ塩基)、ほとんどの調節領域(プロモーター領域)または深部イントロン領域(エキソンから20bp以上)の変化が含まれますが、これらに限定されません。この検査は体細胞モザイクまたは体細胞変異の検出を目的として設計または検証されていません。

※この検査パネルでは、14の原因遺伝子のみを対象としています。神経セロイドリポフスチン症の臨床診断がついていても、既知の遺伝子に変異が見つからない症例も存在します。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。

結果が出るまでの期間

2~3週間
※至急オプションを利用すると、結果が出るまでの期間が約7日短くなります。

料金

税込み275,000円
遺伝カウンセリング料金は別途30分16,500円(税込)

よくあるご質問

どのような症状があれば検査を受けるべきですか?
難治性てんかん(けいれん発作)があるお子さん、進行性の視力低下が認められる方、運動発達の退行(獲得していた運動機能の喪失)が見られる方におすすめします。また、言語発達の遅延や認知機能の低下が進行している場合も、神経セロイドリポフスチン症の可能性を考慮する必要があります。家族に同様の症状や神経セロイドリポフスチン症(バッテン病)の診断がある場合も検査をご検討ください。
検査はどのように行いますか?
血液採取(4ml×2本)または唾液・頬粘膜スワブで検査可能です。唾液や頬粘膜の場合はオンライン診療も可能で、遠方の方でもクリニックにお越しいただかずに検査を受けられます。
なぜ早期診断が重要なのですか?
特にCLN2型(遅発乳児型)では、脳室内酵素補充療法(ブリニューラ®)による治療が可能です。この治療は症状の進行を遅らせることが報告されており、早期に診断して治療を開始することで、より良い効果が期待できます。また、早期診断により適切な症状管理、支援体制の構築、家族計画の選択肢を提供することができます。
家族も検査を受ける必要がありますか?
神経セロイドリポフスチン症は、成人型の一部を除き、常染色体劣性遺伝形式で遺伝します。両親がともに変異遺伝子の保因者である場合、次の子どもが発症する確率は25%、保因者となる確率は50%です。ご家族の検査により保因者かどうかを確認でき、将来の家族計画に重要な情報を提供できます。
検査で異常が見つからなかった場合はどうなりますか?
この検査パネルでは14の主要な原因遺伝子を対象としていますが、神経セロイドリポフスチン症の臨床診断がついていても、既知の遺伝子に変異が見つからない症例も存在します。検査で病原性変異が検出されなくても、疾患を完全に否定することはできません。臨床症状と他の検査結果に基づいた診断と管理が引き続き重要です。
保険は適用されますか?
当検査は自費診療となり、保険適用外です。費用は税込み275,000円、別途遺伝カウンセリング料金(30分16,500円)が必要です。
結果はどのように説明されますか?
検査結果は遺伝カウンセリングにて詳しくご説明いたします。結果の意味、今後の対応、ご家族への影響、治療・管理選択肢などについて、専門的な観点から分かりやすくお伝えします。特にCLN2型が判明した場合は、酵素補充療法の適応についてもご説明します。
子どもや将来の妊娠への影響はありますか?
神経セロイドリポフスチン症は主に常染色体劣性遺伝形式のため、両親がともに保因者の場合、子どもが発症する確率は25%です。検査結果により、出生前診断や着床前診断など、将来の家族計画についてもご相談いただけます。成人型の一部で常染色体優性遺伝形式の場合は、子どもが発症する確率は50%です。
神経セロイドリポフスチン症の治療はどのように行われますか?
CLN2型(遅発乳児型)では、脳室内への酵素補充療法(ブリニューラ®)が承認されており、症状の進行を遅らせることが報告されています。その他の病型では、抗てんかん薬による発作コントロール、理学療法、作業療法、言語療法などのリハビリテーション、栄養管理などの対症療法が中心となります。多職種による包括的なサポートが重要です。
予後はどうですか?
予後は病型によって大きく異なります。乳児型では予後が極めて不良で、多くは10歳前後までに死亡します。遅発乳児型や若年型では、症状発現後数年から10年程度で寝たきりとなり、若年期に死亡することが多いです。しかし、CLN2型では酵素補充療法により予後の改善が期待されています。成人型は進行が最も緩徐で、比較的長期間の生存が可能です。
他の医療機関での検査との違いは何ですか?
当院では臨床的に重要な14の原因遺伝子を一度に検査でき、従来の単一遺伝子検査と比べて費用・時間を短縮できます。また、臨床遺伝専門医が常駐しており、すべての患者さんに対して専門医が必ず診療と遺伝カウンセリングを行います。オンライン診療にも対応しており、全国どこからでも専門的な診療を受けることが可能です。


プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、1995年に医師免許を取得して以来、のべ10万人以上のご家族を支え、「科学的根拠と温かなケア」を両立させる診療で信頼を得てきました。『医療は科学であると同時に、深い人間理解のアートである』という信念のもと、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医としての専門性を活かし、科学的エビデンスを重視したうえで、患者様の不安に寄り添い、希望の灯をともす医療を目指しています。

仲田洋美のプロフィールはこちら