この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

先天性心疾患は、生まれつき心臓や太い血管の形に違いがある病気で、1,000人あたり約9人の赤ちゃんにみられます[1]。その原因は、染色体の数の変化、22q11.2欠失症候群のような微小欠失、ヌーナン症候群などの単一遺伝子の病気、そして妊娠中の要因などに分かれ、遺伝が関わるものと関わらないものがあります。「私のせいだったのでは」「次の子も同じになるのでは」という問いには、原因がわかってはじめて具体的に答えられます。このページでは、先天性心疾患と遺伝の関係、二人目に起こる確率、そして先天性心疾患に関わる115の遺伝子をまとめて調べる遺伝子パネル検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. 先天性心疾患は遺伝しますか?この検査で何がわかりますか?
遺伝が関わるものと関わらないものがあります。この検査は、先天性心疾患に関わる115の遺伝子をまとめて調べ、ヌーナン症候群・ホルト・オーラム症候群・CHARGE症候群・アラジール症候群・原発性線毛運動不全症など、単一遺伝子が原因の先天性心疾患を探します。染色体の数の変化や微小欠失は、別の検査(マイクロアレイなど)で調べます。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
お子さんに先天性心疾患があり原因と次のお子さんの確率を知りたい親御さん、心臓以外の特徴(顔立ち・手・発達など)もあって症候群が疑われる方、先天性心疾患のある方で妊娠・出産を考えている方、ご家族に先天性心疾患の方が複数いる方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果までは2〜3週間(至急オプション55,000円で約7日短縮)。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、唾液・頬粘膜ならオンライン診療でも受けられます。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、次のお子さんの確率と、次の妊娠での出生前診断(羊水検査・絨毛検査を院内で)の計画まで具体的に考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. 先天性心疾患は遺伝する?原因は4つに分かれる
先天性心疾患には、遺伝が関わるものと関わらないものがあります。原因は大きく「染色体の数の変化」「微小欠失などの染色体の一部の変化」「単一遺伝子の病気」「遺伝以外の要因」に分けられ、どれに当たるかで、次のお子さんの確率も、受けるべき検査も変わります。このページの遺伝子パネル検査が調べるのは、このうちの「単一遺伝子の病気」です。
先天性心疾患とは:どれくらい多い病気か
先天性心疾患は、心臓の壁の穴(心室中隔欠損症・心房中隔欠損症)、弁や血管の狭さ、血管のつながり方の違いなど、生まれつき心臓や太い血管の形が違う病気の総称です。世界の114の研究(出生約2,410万人)をまとめた解析では、1995年以降の出生数1,000人あたりの頻度は約9.1人で、その後15年ほど大きな変化はありませんでした[1]。
型ごとに見ると、もっとも多いのは心室中隔欠損症で、心房中隔欠損症、動脈管開存症が続きます。1970〜2017年の研究をまとめた解析では、心室中隔欠損症は出生1,000人あたり約3.1人でした[2]。ファロー四徴症のように、いくつかの形の違いが組み合わさった病気もあります。
原因の内訳:染色体・微小欠失・単一遺伝子・遺伝以外
🧬 先天性心疾患の主な原因と、調べる検査
※染色体の異常の内訳は文献[3]、単一遺伝子の割合は文献[4]、遺伝以外の要因は文献[5]による。
米国の住民を対象にした研究では、先天性心疾患のある赤ちゃん4,430人のうち12.3%、つまり約8人に1人に染色体の異常がありました。その内訳は、21トリソミーが52.8%、18トリソミーが12.8%、22q11.2欠失が12.2%、13トリソミーが5.7%でした[3]。
単一遺伝子の変化については、先天性心疾患のお子さん2,871人の遺伝子を調べた研究で、お子さんで新しく起きた変化(新生突然変異(de novo))が全体の8%の原因と考えられ、親から受け継いだまれな変化が1.8%に関わっていました。新しく起きた変化が原因だった割合は、心臓だけの病気(孤立性)では約3%でしたが、発達の遅れと心臓以外の先天異常の両方があるお子さんでは約28%と高くなっていました[4]。
これらを合わせても、原因がわかるのは一部です。多くの先天性心疾患では、一つの原因を特定できません。だからこそ、どの原因が考えられるかを整理し、合った順番で検査を選ぶことが大切です。心臓以外の特徴があるか、発達の遅れがあるか、ご家族に同じ病気の方がいるかで、まず染色体を調べるか、遺伝子を調べるかの判断が変わると考えています。
お母さんのせい?妊娠中の要因として知られているもの
先天性心疾患の原因を、妊娠中のお母さんの過ごし方と決めつけることはできません。米国心臓協会の声明では、原因として確かめられている遺伝以外の要因に、母親の風疹、フェニルケトン尿症、妊娠前からの糖尿病、サリドマイドやビタミンAの仲間(レチノイド)への曝露、早産を防ぐためのインドメタシンが挙げられ、周産期のマルチビタミン・葉酸は先天性心疾患を減らす方向の要因とされています[5]。
一方で、22q11.2欠失症候群は主に、卵子や精子ができるときの染色体の組み換えの際に新しく起きる欠失によるものとされています[11]。お子さんで新しく起きた単一遺伝子の変化も、親から受け継いだものではありません。遺伝子や染色体の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。原因がわかることで、そのことがはっきりする場合もあります。
発達との関係:心臓以外の症状にも目を向ける
米国心臓協会の声明は、先天性心疾患のあるお子さんは発達の遅れや発達障害のリスクが高いとしています。また、先天性心疾患のお子さんの最大30%に遺伝性の病気や症候群がみつかることがあるとし、乳児期に心臓の手術が必要だったお子さんや、遺伝性の症候群を伴うお子さんを、発達を定期的に確かめるべき群に挙げています[6]。
上で紹介したように、心疾患に加えて発達の遅れや心臓以外の先天異常があるお子さんでは、遺伝子の変化が見つかる割合が高くなります[4]。原因の病名がわかると、心臓以外に確かめておくべきこと(聴力・腎臓・内分泌・発達など)が見えてきます。
2. 二人目も心臓病になる?次のお子さんの確率
次のお子さんに先天性心疾患が起こる確率は、原因によって大きく変わります。原因がわからない場合は家族の調査から得られた数字が目安になり、原因がわかれば遺伝のしかたからより具体的な確率をお伝えできます。
家族での再発:デンマークの全国調査
デンマークで1977〜2005年に生まれた約176万人を追った研究では、先天性心疾患のある人の親・きょうだい・子ども(第1度近親)は、一般と比べて、同じ型の心疾患が約8.2倍、別の型の心疾患が約2.7倍起こりやすいと報告されています。再発しやすさは型によって違い、内臓錯位では約79倍、右室流出路の狭窄では約49倍、房室中隔欠損では約24倍だった一方、心臓だけの心室中隔欠損では約3.4倍でした[7]。
親御さんご自身が先天性心疾患をもつ場合については、同じデンマークの研究グループが、お子さんの先天性心疾患のリスクは、母親に心疾患がある場合は一般の約5.4倍、父親の場合は約3.0倍で、母親のほうが高いと報告しています[8]。
これらは「一般と比べて何倍か」という相対的な数字です。ご家族一人ひとりの確率は、原因と、ご家族の心疾患の型によって変わります。
原因がわかると、確率が具体的になる
👨👩👧 原因・遺伝のしかたと、次のお子さんの確率の考え方
※遺伝のしかた全般は遺伝形式のページで解説しています。
⚠️ 「新しく起きた変化だから、次は大丈夫」とは言い切れません
お子さんで新しく起きたと考えられる変化でも、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ同じ変化がある「性腺モザイク」のことがあります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。血液で親御さんに変化が見つからなかったことは、生殖細胞に変化がないことの証明にはなりません。
ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを、羊水検査・絨毛検査で調べることを計画できます(第7章・第8章)。原因がわからないままでは、出生前に調べる的を決められません。これが、原因を調べておくことのいちばん大きな意味だと考えています。
3. 先天性心疾患を伴う主な症候群と「顔つき」
先天性心疾患そのものに決まった顔つきはありません。ただし、心疾患を伴いやすい症候群には、特徴的な顔立ちや、手・耳・肝臓など心臓以外の特徴がみられるものがあります。下の表は、このページの検査で原因遺伝子を調べられる主な症候群と、比べるために、染色体の検査で調べる症候群をまとめたものです。
❤️ 先天性心疾患を伴う主な症候群
※頻度は各文献の対象集団での数字で、研究によって変わります。
ヌーナン症候群は出生1,000〜2,500人に1人とされ、常染色体顕性遺伝の病気です[12]。原因遺伝子はPTPN11・SOS1・RAF1・RIT1など複数あり、同じRAS経路の遺伝子の変化で起こるCFC症候群・コステロ症候群などとまとめて「RASopathies(ラソパチー)」と呼ばれます。CHARGE症候群のCHD7、ホルト・オーラム症候群のTBX5、アラジール症候群のJAG1も、このパネルの対象です。
顔つきだけでは判断できない理由
症候群の特徴は人によって現れ方が違い、軽い方では気づかれないこともあります。顔立ちの印象だけで「症候群ではない」「症候群だ」と決めることはできません。お子さんの心臓以外の特徴が気になる場合や、親御さんご自身にも似た特徴がある場合は、検査で確かめることで、はじめて見通しや次のお子さんの確率を考えられます。
4. どんな人がこの検査を受けるとよいか
お子さんの先天性心疾患の原因を知りたい親御さん、心臓以外の特徴もあって症候群が疑われる方、先天性心疾患のある方で妊娠・出産を考えている方に向く検査です。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。
お子さんに先天性心疾患があり、原因と次のお子さんの確率を知りたい親御さん
原因がわかると、病名、心臓以外に気をつけること、使える制度、そして次のお子さんの確率が決まります。欧州の希少疾患の患者さん6,507人の調査では、症状が出てから確定診断までの平均は4.7年でした[17]。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、全エクソーム解析を終えた5,136家系のうち2,247家系(43.8%)で診断が確定しています[18]。全員に原因が見つかるわけではありませんが、陰性でも次の選択肢があります。
- ●心疾患に加えて、顔立ち・手や腕・耳・目・腎臓・肝臓などに気になる特徴があるお子さん
- ●心疾患に加えて、発達の遅れがあるお子さん
- ●ご家族に先天性心疾患の方が複数いる方
- ●左右の配置が入れ替わる内臓錯位・内臓逆位を伴う心疾患のお子さん(線毛の遺伝子も調べるため)
先天性心疾患のある方で、妊娠・出産を考えている方
親御さんご自身が先天性心疾患をもつ場合、お子さんのリスクは一般より高いと報告されています[8]。ご自身の心疾患が単一遺伝子の病気によるものとわかれば、お子さんへの確率と、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化を調べられるかを具体的に考えられます。結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。知ってから選ぶことができるよう、当院では検査・遺伝カウンセリング・出生前診断まで続けて支えます。
妊娠中に赤ちゃんの心臓の病気を指摘された方
妊娠中の超音波検査(胎児超音波検査)で心臓の病気を指摘された場合、まず赤ちゃんの染色体を、羊水検査・絨毛検査で調べることを考えます。このページの検査は、ご本人(生まれたお子さんや大人の方)の血液・唾液などで行う検査です。妊娠中の進め方は第8章でご説明します。
この検査より別の検査が向いている場合
このパネルは「遺伝子の配列」を読む検査です。染色体の数や大きな欠失を疑う場合は、先に別の検査を選びます。症状に合わせた選び方の目安は次のとおりです。
🔍 症状・状況に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、心疾患の型・心臓以外の特徴・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。
5. 調べる115遺伝子と、それぞれの遺伝子でわかる病気
このパネルでは、先天性心疾患に関わる115の遺伝子を一度に調べます。心臓の形づくりに関わる遺伝子、ヌーナン症候群などのRAS経路の遺伝子、CHARGE症候群などの症候群の遺伝子に加えて、体の左右を決める遺伝子や、線毛の遺伝子が含まれています。
線毛の遺伝子が入っているのは、線毛が体の左右の決定にも関わるためです。原発性線毛運動不全症の一部の型は「内臓逆位を伴う・伴わない」と記載されており、左右の配置が乱れる内臓錯位は、デンマークの研究で家族内の再発がもっとも起こりやすかった心疾患のグループでした[7]。表の病名と遺伝のしかたは、遺伝性疾患のデータベースOMIMの登録にもとづいています。
🫀 心臓の形づくりに関わる遺伝子(24遺伝子)
※OMIMに病名の登録がない遺伝子は「研究中」としています。
🧩 RAS経路の遺伝子:ヌーナン症候群・CFC症候群・コステロ症候群など(12遺伝子)
🧬 心疾患を伴う症候群の遺伝子(14遺伝子)
※SEMA3EとCHARGE症候群の関係は、OMIMで暫定的な扱いになっています。
↔️ 体の左右を決める遺伝子:内臓錯位など(7遺伝子)
※LEFTY2の病気との関係は、遺伝のしかたが確立していません。
🌀 線毛の動きに関わる遺伝子:原発性線毛運動不全症など(25遺伝子)
※原発性線毛運動不全症は、日本では「線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)」の名前で指定難病になっています。
🔆 線毛のはたらきに関わる遺伝子:バルデー・ビードル症候群・ジュベール症候群・メッケル症候群・ネフロン癆など(29遺伝子)
📈 そのほか:過成長・代謝に関わる遺伝子(4遺伝子)
※PIK3CAの病的変化の多くは体の一部の細胞だけに起きるため、この検査(血液・唾液など)では見つからないことがあります(第6章)。
💡 潜性(劣性)遺伝の病気が多いパネルです
表のうち、線毛の遺伝子(原発性線毛運動不全症・バルデー・ビードル症候群など)の多くは常染色体潜性遺伝で、ご両親が保因者の場合に4分の1の確率でお子さんに起こります。ご夫婦がそれぞれ保因者かどうかは、拡大版保因者スクリーニングで調べられることがあります(対象の遺伝子かどうかは遺伝子一覧でご確認ください)。妊娠中の方は、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」もあります(NIPTとは別の検査で、単独では受けられません)。
6. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、115の遺伝子の中の小さな変化(1文字の置き換わり、小さな挿入・欠失)と、遺伝子まるごと、または連続する2つ以上のエクソンの欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。
- ●染色体の数の変化は調べられません:ダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミーは、染色体検査やNIPTで調べます。
- ●微小欠失の検査としては作られていません:22q11.2欠失症候群のような染色体の小さな欠失を調べるには、マイクロアレイ染色体検査が向いています。
- ●見つけにくい変化:染色体の転座や逆位、繰り返し配列の伸長、遺伝子の働きを調節する領域(プロモーター)やエクソンから離れたイントロンの変化は検出されません。ZIC3遺伝子の3塩基の繰り返しの伸長も評価しません。
- ●欠失・重複の検出範囲:遺伝子まるごとの欠失・重複は血液・頬粘膜で、連続する2つ以上のエクソンの欠失・重複は血液で検出できます。エクソン1つだけの欠失・重複は、ふだんは検出されません。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
- ●体の一部の細胞だけの変化(体細胞モザイク):この検査はモザイクを見つけるようには作られていません。とくにPIK3CAの変化の多くは体の一部の細胞だけに起きるため、見つからなくてもPIK3CA関連の過成長の診断は否定されず、複数の組織を調べる必要があることがあります。腫瘍の組織は検査の対象外です。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
- ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、遺伝が関わっていないとは言えません。調べていない遺伝子や、この検査で検出できない変化が原因のこともあります。
遺伝子が読み取れている範囲の目安(カバレッジ)は、99%以上の領域を20回以上読み取る(≥99% at 20x)設計です。読み取りの質が低い部分は、サンガー法という別の方法で確かめて補います。
7. 結果が出たあと
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。報告書の読み方は検査結果の見かたのページでも解説しています。
陽性だったとき:病名がわかると、次の一手が決まる
原因の遺伝子と病名がわかると、心臓以外に確かめておくこと(たとえばヌーナン症候群なら心筋症や成長、CHARGE症候群なら聴力や目、アラジール症候群なら肝臓)と、使える制度(第9章)が決まります。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、お子さんの成長に合わせた健康管理や、ご家族の計画に、この先ずっと使える情報になります。研究が進めば、同じ結果の意味がより詳しくわかることもあります。
ご家族への影響と、ご家族が検査を受けるとき
常染色体顕性遺伝の病気が見つかった場合は、親御さんのどちらかが同じ変化をもっていないかを調べることで、お子さんで新しく起きた変化か、受け継いだ変化かがわかります。症状が軽く気づいていなかった親御さんが、同じ変化をもっていたとわかることもあります。親御さんが変化をもっていれば、次のお子さんの確率は2分の1です。潜性遺伝の病気なら、ご両親がそれぞれ保因者かを確かめ、きょうだいが将来、結婚・出産を考えるときの手がかりにもなります。
陰性だったとき
原因が見つからなかった場合も、遺伝が関わっていないとは言えません(第6章)。心臓以外の症状に合わせて、マイクロアレイ染色体検査や全エクソーム検査などを考えます。原因がわからない場合の次のお子さんの確率は、第2章の家族調査の数字が目安になります。
意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったとき
VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査や出生前診断に使ったりはしません。ご両親の検査結果やお子さんの症状とあわせて、意味を考えることがあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。
次の妊娠を考えている方:出生前診断の相談
ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-Mが行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで解説しています。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。
8. 妊娠中・次の妊娠でできること:NIPTと院内の確定検査
先天性心疾患の原因になる染色体の数の変化や22q11.2欠失症候群、そしてこのパネルの遺伝子の一部は、妊娠中に当院のNIPTでも調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確かめる必要があり、当院では確定検査まで院内で受けられます。
染色体の数の変化と微小欠失
21・18・13トリソミーと22q11.2欠失症候群は、スタンダードプランを含む当院のNIPTのすべてのプランで調べられます。スミス・マギニス症候群(17p11.2の欠失)もすべてのプランの対象です。ウィリアムズ症候群(7q11.23の欠失)は、双子マックスプランとインペリアルプランの対象です。
このパネルの遺伝子のうち、NIPTで調べられるもの
当院のNIPTのうち、新しく起きた単一遺伝子の変化を調べられるのは、ダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)です。このパネルの115遺伝子と照らし合わせると、次のとおりです。
🤰 このパネルの遺伝子のうち、当院のNIPTで調べられるもの
※スタンダード・プレミアム・双子マックスプランは単一遺伝子を調べません。PIK3CAの病気の多くは体の一部の細胞だけの変化(体細胞モザイク)で、NIPTの対象とは性質が違います。NIPTの詳しい内容はNIPTのトップページと各プランのページをご覧ください。
お子さんで新しく起きる単一遺伝子の変化は、ご家族に同じ病気の方がいなくても起こります。父親の年齢とde novo変異のページでも解説しています。
妊娠中に赤ちゃんの心臓の病気を指摘されたとき
超音波検査で赤ちゃんの心臓の病気を指摘された場合は、羊水検査・絨毛検査で赤ちゃんの染色体を確かめることを考えます。先天性心疾患のお子さんの約8人に1人に染色体の異常があったという報告があるためです[3]。当院では羊水検査・絨毛検査を院内で行っており(2025年6月から産婦人科を併設)、染色体やマイクロアレイで原因が見つからない場合には、出生前全エクソーム(WES)検査・出生前全ゲノム(WGS)検査という選択肢もあります。どの順番で何を調べるかは、心臓の所見と妊娠週数によって変わるため、遺伝カウンセリングで一緒に考えます。
9. 日本の制度(2026年10月時点)
一部の重い先天性心疾患は指定難病で、多くの先天性心疾患は小児慢性特定疾病の「慢性心疾患」の対象です。厚生労働省の指定難病の一覧(348疾病)では、総動脈幹遺残症(207)、修正大血管転位症(208)、完全大血管転位症(209)、単心室症(210)、左心低形成症候群(211)、三尖弁閉鎖症(212)、肺動脈閉鎖症(213・214)、ファロー四徴症(215)、両大血管右室起始症(216)、エプスタイン病(217)が指定難病です。
このパネルで原因を調べる症候群では、ヌーナン症候群(195)、CFC症候群(103)、コステロ症候群(104)、チャージ症候群(105)、アラジール症候群(297)、ソトス症候群(194)、ジュベール症候群関連疾患(177)、線毛機能不全症候群(カルタゲナー症候群を含む)(340)が指定難病です。22q11.2欠失症候群(203)・ウィリアムズ症候群(179)も指定難病です。ホルト・オーラム症候群とバルデー・ビードル症候群は指定難病の一覧にはありませんが、小児慢性特定疾病の対象です(ホルト・オーラム症候群は慢性心疾患、バルデー・ビードル症候群は内分泌疾患)。
医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。病名が遺伝子検査で確定していることが、申請の手がかりになることがあります。
10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・抽出したDNA・頬の内側の粘膜・唾液で、唾液・頬粘膜の場合は、遠方の方でもクリニックにお越しにならずにオンライン診療で受けられます。
ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・唾液・頬粘膜
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
💴 費用・日数・検体
※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。
検体はご自身の判断で採取せず、遺伝カウンセリングのあとに当院の案内に沿って採取してください。検体の取り違えや品質の低下を防ぐためです。遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
11. 院長コラム
🩺 院長コラム【見た目や家族歴だけでは、次の計画は立てられない】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
お子さんに先天性心疾患があるとわかると、「妊娠中の何かが悪かったのでは」と考えてしまう親御さんもいるかもしれません。けれども、遺伝子や染色体の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。原因がわかると、そのことがはっきりし、次のお子さんのことを具体的に考えられるようになります。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。顔立ちや家族歴の印象だけで「大丈夫」「症候群だ」と決めることはできません。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因がわかれば、次の妊娠でNIPTや羊水検査・絨毛検査をどう組み合わせるかまで、当院で続けて一緒に考えられます。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 先天性心疾患は遺伝しますか?
遺伝が関わるものと、関わらないものがあります。染色体の数の変化(21トリソミーなど)、22q11.2欠失症候群のような微小欠失、ヌーナン症候群などの単一遺伝子の病気が原因になることがある一方、多くの先天性心疾患では原因が一つに特定できません。デンマークの全国調査では、先天性心疾患のある人の親・きょうだい・子どもは、同じ型の心疾患になるリスクが一般の約8倍と報告されています。原因がわかれば、遺伝のしかたと次のお子さんの確率を具体的にお伝えできます。
Q2. 二人目も心臓病になりますか?
確率は原因によって大きく変わります。原因がわからない場合でも、デンマークの研究では、先天性心疾患のある人の親・きょうだい・子どもで、同じ型の心疾患は一般の約8倍、別の型は約2.7倍起こりやすいと報告されています。原因が単一遺伝子の病気とわかり、親御さんが同じ変化をもっている常染色体顕性遺伝なら2分の1、ご両親とも保因者の常染色体潜性遺伝なら4分の1です。お子さんで新しく起きた変化でも、親御さんの生殖細胞にだけ変化がある可能性があるため、ゼロとは言えません。
Q3. 先天性心疾患はお母さんのせいですか?
妊娠中のお母さんの過ごし方が原因と決めつけることはできません。妊娠中の要因としては、母親の風疹、フェニルケトン尿症、妊娠前からの糖尿病、サリドマイドやレチノイド(ビタミンAの仲間)などの薬が知られています。一方、22q11.2欠失症候群の多くや、お子さんで新しく起きた単一遺伝子の変化は、親から受け継いだものではなく、卵子や精子ができる過程などで新しく起きる変化によるもので、誰のせいでもありません。原因がわかると、ご家族が自分を責める理由がないことがはっきりすることもあります。
Q4. 先天性心疾患の子は顔つきに特徴がありますか?
先天性心疾患そのものに決まった顔つきはありません。ただし、心疾患を伴いやすいヌーナン症候群、22q11.2欠失症候群、ダウン症候群などの症候群では、特徴的な顔立ちがみられることがあります。顔つきだけで病名を決めることはできないため、気になる場合は遺伝子検査や染色体検査で確かめます。
Q5. 先天性心疾患は発達障害と関係がありますか?
米国心臓協会の声明では、先天性心疾患のあるお子さんは発達の遅れや発達障害のリスクが高いとされ、乳児期に心臓の手術が必要だったお子さんや、遺伝性の症候群を伴うお子さんは特に注意が必要な群とされています。心疾患に加えて発達の遅れや心臓以外の先天異常があるお子さんでは、新しく起きた遺伝子の変化が見つかる割合が高いことも報告されています。
Q6. 妊娠中に赤ちゃんの心臓の病気を指摘されました。何を調べればよいですか?
先天性心疾患のお子さんの約8人に1人に染色体の異常があったという報告があるため、まず羊水検査・絨毛検査で染色体検査・マイクロアレイ検査を行うことを考えます。当院では羊水検査・絨毛検査を院内で行っており、原因が見つからない場合には出生前の全エクソーム・全ゲノム検査という選択肢もあります。どの検査が合うかは、心臓の所見や妊娠週数によって変わるので、遺伝カウンセリングでご相談ください。
Q7. この検査でダウン症候群や22q11.2欠失症候群はわかりますか?
この検査は遺伝子の配列を読む検査なので、ダウン症候群などの染色体の数の変化は調べられません。22q11.2欠失症候群のような微小欠失を調べる検査としては、マイクロアレイ染色体検査が向いています。妊娠中であれば、当院のNIPTで21・18・13トリソミーと22q11.2欠失症候群を調べることもできます(陽性の場合は確定検査が必要です)。
Q8. 先天性心疾患は指定難病・小児慢性特定疾病の対象ですか?
ファロー四徴症、単心室症、左心低形成症候群など一部の重い先天性心疾患は指定難病です。また、多くの先天性心疾患が小児慢性特定疾病の「慢性心疾患」に含まれています。ヌーナン症候群、22q11.2欠失症候群、アラジール症候群、CHARGE症候群なども指定難病です(2026年10月時点)。助成を受けるには、それぞれの認定の条件を満たし、申請する必要があります。
🧬 原因を知って、ご家族のこれからを一緒に考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。先天性心疾患の原因がわかれば、お子さんの健康管理だけでなく、次のお子さんの確率や、次の妊娠での出生前診断の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、NIPT、羊水検査・絨毛検査による確定検査まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
参考文献
- [1] van der Linde D, Konings EEM, Slager MA, et al. Birth prevalence of congenital heart disease worldwide: a systematic review and meta-analysis. J Am Coll Cardiol. 2011;58(21):2241-2247. [DOI: 10.1016/j.jacc.2011.08.025](PMID: 22078432)
- [2] Liu Y, Chen S, Zühlke L, et al. Global birth prevalence of congenital heart defects 1970-2017: updated systematic review and meta-analysis of 260 studies. Int J Epidemiol. 2019;48(2):455-463. [DOI: 10.1093/ije/dyz009](PMID: 30783674)
- [3] Hartman RJ, Rasmussen SA, Botto LD, et al. The contribution of chromosomal abnormalities to congenital heart defects: a population-based study. Pediatr Cardiol. 2011;32(8):1147-1157. [DOI: 10.1007/s00246-011-0034-5](PMID: 21728077)
- [4] Jin SC, Homsy J, Zaidi S, et al. Contribution of rare inherited and de novo variants in 2,871 congenital heart disease probands. Nat Genet. 2017;49(11):1593-1601. [DOI: 10.1038/ng.3970]
- [5] Jenkins KJ, Correa A, Feinstein JA, et al. Noninherited risk factors and congenital cardiovascular defects: current knowledge: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation. 2007;115(23):2995-3014. [DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.106.183216](PMID: 17519397)
- [6] Marino BS, Lipkin PH, Newburger JW, et al. Neurodevelopmental outcomes in children with congenital heart disease: evaluation and management: a scientific statement from the American Heart Association. Circulation. 2012;126(9):1143-1172. [DOI: 10.1161/CIR.0b013e318265ee8a](PMID: 22851541)
- [7] Øyen N, Poulsen G, Boyd HA, et al. Recurrence of congenital heart defects in families. Circulation. 2009;120(4):295-301. [DOI: 10.1161/CIRCULATIONAHA.109.857987](PMID: 19597048)
- [8] Øyen N, Boyd HA, Carstensen L, et al. Risk of congenital heart defects in offspring of affected mothers and fathers. Circ Genom Precis Med. 2022;15(4):e003533. [DOI: 10.1161/CIRCGEN.121.003533](PMID: 35608601)
- [9] Freeman SB, Bean LH, Allen EG, et al. Ethnicity, sex, and the incidence of congenital heart defects: a report from the National Down Syndrome Project. Genet Med. 2008;10(3):173-180. [DOI: 10.1097/GIM.0b013e3181634867](PMID: 18344706)
- [10] Botto LD, May K, Fernhoff PM, et al. A population-based study of the 22q11.2 deletion: phenotype, incidence, and contribution to major birth defects in the population. Pediatrics. 2003;112(1):101-107. [DOI: 10.1542/peds.112.1.101](PMID: 12837874)
- [11] McDonald-McGinn DM, Sullivan KE, Marino B, et al. 22q11.2 deletion syndrome. Nat Rev Dis Primers. 2015;1:15071. [DOI: 10.1038/nrdp.2015.71](PMID: 27189754)
- [12] van der Burgt I. Noonan syndrome. Orphanet J Rare Dis. 2007;2:4. [DOI: 10.1186/1750-1172-2-4]
- [13] Corsten-Janssen N, Kerstjens-Frederikse WS, du Marchie Sarvaas GJ, et al. The cardiac phenotype in patients with a CHD7 mutation. Circ Cardiovasc Genet. 2013;6(3):248-254. [DOI: 10.1161/CIRCGENETICS.113.000054](PMID: 23677905)
- [14] Barisic I, Boban L, Greenlees R, et al. Holt Oram syndrome: a registry-based study in Europe. Orphanet J Rare Dis. 2014;9:156. [DOI: 10.1186/s13023-014-0156-y](PMID: 25344219)
- [15] McDermott DA, Bressan MC, He J, et al. TBX5 genetic testing validates strict clinical criteria for Holt-Oram syndrome. Pediatr Res. 2005;58(5):981-986. [DOI: 10.1203/01.PDR.0000182593.95441.64](PMID: 16183809)
- [16] McElhinney DB, Krantz ID, Bason L, et al. Analysis of cardiovascular phenotype and genotype-phenotype correlation in individuals with a JAG1 mutation and/or Alagille syndrome. Circulation. 2002;106(20):2567-2574. [DOI: 10.1161/01.CIR.0000037221.45902.69](PMID: 12427653)
- [17] Faye F, Crocione C, Anido de Peña R, et al. Time to diagnosis and determinants of diagnostic delays of people living with a rare disease: results of a Rare Barometer retrospective patient survey. Eur J Hum Genet. 2024;32(9):1116-1126. [DOI: 10.1038/s41431-024-01604-z](PMID: 38755315)
- [18] Takahashi Y, Date H, Oi H, et al. Six years’ accomplishment of the Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: nationwide project in Japan to discover causes, mechanisms, and cures. J Hum Genet. 2022;67(9):505-513. [DOI: 10.1038/s10038-022-01025-0](PMID: 35318459)