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レオパード症候群2(NSML2)は、RAF1遺伝子の生まれつきの変化によって、全身に無数の黒子(ほくろ)が現れ、命に関わる肥大型心筋症を高い確率で合併する、とても稀な遺伝性の病気です。現在は「多発性黒子を伴うヌーナン症候群2(NSML2)」という呼び名が国際的に推奨されています。この記事では、原因のしくみから症状・診断・遺伝、そしてがん治療薬を転用した最新治療まで、臨床遺伝専門医がやさしく解説します。
Q. レオパード症候群2(NSML2)とは、どんな病気ですか?まず結論だけ知りたいです
A. RAF1という遺伝子の「機能獲得型変異」によって、細胞の増殖シグナル(RAS-MAPK経路)が過剰に働き続けることで起こる、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の希少疾患です。全身に広がる多発性黒子、特異的な顔つき、低身長、感音難聴などに加えて、RAF1型では特に重症で早期発症の肥大型心筋症(HCM)を起こしやすいのが最大の特徴です。乳幼児期は黒子がまだ無いため診断が難しく、遺伝子検査による早期確定が予後を左右します。
- ➤原因のしくみ → RAF1のSer259周辺の変異で抑制が外れ、MEK/ERK経路が過剰に活性化
- ➤最大の注意点 → RAF1型は新生児期からの重症肥大型心筋症リスクが際立って高い
- ➤黒子の特徴 → 生まれた時には無く、4〜5歳頃から出現し思春期に数千個に増加
- ➤診断の鍵 → 黒子を待たず、多遺伝子パネル検査で早期に原因遺伝子を同定
- ➤最新治療 → MEK阻害薬トラメチニブの適応外使用が一部の重症心筋症で報告
1. レオパード症候群2(NSML2)とは
レオパード症候群2は、正式には「多発性黒子を伴うヌーナン症候群2(Noonan Syndrome with Multiple Lentigines 2:NSML2)」と呼ばれ、RAF1遺伝子の生まれつきの変化(生殖細胞系列変異)を原因とする、複数の臓器に影響が及ぶ稀な先天性疾患です。国際的な遺伝病データベースOMIMでは疾患番号 #611554 として登録され、原因遺伝子は第3染色体短腕(3p25)に位置するRAF1のヘテロ接合性変異です[1]。
この病気は、細胞の増殖や分化を調節する「RAS病(RASopathies)」と総称される疾患グループの一員です。RAS病には、古典的なヌーナン症候群、心臓顔面皮膚症候群(CFCS)、コステロ症候群、神経線維腫症1型などが含まれ、互いに症状が重なり合うのが特徴です。NSML全体では原因の大半をPTPN11変異が占め、RAF1変異によるNSML2はその中でも特に稀なサブタイプです[4]。世界的にも報告例は数百例規模にとどまります[9]。
💡 用語解説:常染色体顕性遺伝(優性遺伝)
人は同じ遺伝子を父由来・母由来で2つずつ持っています。常染色体顕性遺伝(じょうせんしょくたいけんせいいでん/旧称:優性遺伝)とは、2つのうち1つに変化があるだけで症状が現れるタイプの遺伝形式です。NSML2もこのタイプで、患者さんが子どもを持つ場合、変異が受け継がれる確率は理論上50%(2分の1)になります。ただし実際には、ご両親に変異がなく本人で初めて変異が生じる「新生突然変異(de novo)」のケースも少なくありません。
2. 「LEOPARD」という名前の由来とNSMLへの呼称変更
この病気は1936年にZeislerとBeckerによって初めて報告され、1962年にMoynahanが先天性心疾患や低身長との関連を明らかにしました。そして1969年、Gorlinらが7つの主要な症状の頭文字をつなげて「LEOPARD症候群」と名づけました。LEOPARDはそれぞれ次の症状を表しています。
半世紀以上「LEOPARD症候群」と呼ばれてきましたが、近年の分子遺伝学の進歩により、この病気がヌーナン症候群と同じRAS-MAPK経路の変異で起こる「アレル疾患(近縁疾患)」であることが分かりました。また「LEOPARD(ヒョウ)」という頭字語は、黒子が必ずしも全員に現れるわけではないことや、病気の全体像を表しきれないことから、現在は「多発性黒子を伴うヌーナン症候群(NSML)」という名称が国際的に推奨されています[3]。動物の斑点を連想させる名称が患者さんやご家族の心理的負担になり得るという配慮も、呼称変更を後押ししました。
💡 用語解説:アレル疾患(近縁疾患)
同じ遺伝子経路、あるいは同じ遺伝子の異なる変異によって引き起こされる、互いに関連した病気どうしを指します。NSML2と古典的なヌーナン症候群は、どちらもRAF1を含むRAS-MAPK経路の変異で起こるため、症状が大きく重なります。一方で、同じRAF1でも変異の「場所」が違うと、心筋症の重さや黒子の出やすさが変わってきます。このため、見た目が似ていても遺伝子レベルで正確に区別することが、治療方針を考えるうえで重要になります。
3. 原因遺伝子RAF1とRAS-MAPK経路:なぜ起こるのか
🔍 関連記事:RAF1遺伝子とは/RAS病(RASopathies)の総論/機能獲得型変異
RAF1がつくるタンパク質は、細胞膜が受け取った成長の合図を核へ伝える「セリン/スレオニンキナーゼ」という酵素です。細胞外から成長因子が届くと、RASタンパク質がスイッチオンになり、続いてRAF1 → MEK → ERKの順にリン酸化のリレーが起こり、最終的に核内で「増殖・分化・生存」に関わる遺伝子が読み出されます。この一連の流れがRAS-MAPK経路です。
受容体 → RAS → RAF1 → MEK → ERK → 核 という一方向の流れ。RAF1のSer259に14-3-3が結合して普段は「オフ」に保たれているが、NSML2では変異でこの抑制が外れ、経路が過剰に働き続ける。
RAF1変異の正体:14-3-3が外れて「オフにできない」
正常なRAF1は、保存領域2(CR2ドメイン)の259番目のセリン(Ser259)がリン酸化され、そこに「14-3-3タンパク質」という抑え役が結合することで、普段はおとなしく「オフ」に保たれています。ところがNSML2では、Ser259の周辺にミスセンス変異が生じると、このリン酸化が妨げられて14-3-3が外れてしまい、結果としてMEK・ERKが恒常的に活性化してしまいます[2]。つまり、タンパク質が壊れて働かなくなる(機能喪失)のではなく、抑えが効かず働き続ける「機能獲得(Gain-of-Function)」が病気の本質です。
💡 用語解説:機能獲得型変異と機能喪失型変異
機能獲得型変異は、タンパク質が「過剰に・止まらずに」働くようになる変異です。NSML2のRAF1がこれにあたります。反対に機能喪失型変異は、タンパク質が「働かなくなる」変異です。興味深いことに、NSMLの大部分を占めるPTPN11型(NSML1)は、同じNSMLでもRAF1とは逆にホスファターゼ活性の「機能喪失(ドミナントネガティブ効果)」を示すことが知られています[7]。見た目はそっくりでも、分子レベルの原因が正反対であるため、効く薬も変わってきます。
NSML2およびRAF1関連のヌーナン症候群で見つかる変異の多くは、このCR2ドメイン周辺に集中しています。具体的にはc.770C>T(p.Ser257Leu)などのSer259近傍の変異や、C末端側のc.1837C>G(p.Leu613Val)などが報告されています。実際、RAF1変異を初めて同定したPanditら(2007年)の研究では、NSML(LEOPARD型)の2例からp.Ser257Leuとp.Leu613Valが見つかりました[2]。小児で初めてRAF1変異が記載された症例報告でも、10歳児からp.Ser257Leu(c.770C>T)が同定されています[6]。
RAF1の変異のうち、Ser259近傍とSer612近傍という2つの「ホットスポット」にある変異では、肥大型心筋症の合併率が約94%にのぼると報告されています(一般のヌーナン症候群では約18%)。RAF1型で心筋症リスクが際立って高い理由が、この変異の位置にあります[2]。
4. 主な症状:多発性黒子から全身の合併症まで
NSML2の症状は、皮膚・心臓・骨格・神経や感覚器・泌尿生殖器など全身の多くの臓器に現れます。下のグラフは、NSML全体で主な症状がどのくらいの頻度で見られるかを示したものです。心血管系の異常と多発性黒子がとりわけ高い頻度で現れることが分かります。
NSMLにおける主な臨床症状の有病率
各症状が現れる割合(NSML全体の目安)
数値はNSML全体の目安で、報告により幅があります(出典:GeneReviews ほか)[3]
皮膚:多発性黒子とカフェ・オ・レ斑
この病気を象徴する多発性黒子は、直径2〜8mmの平らな暗褐色の色素斑で、顔・首・体幹の上部に最も多く現れます。臨床的にとても重要なのは、黒子は生まれた時にはなく、ふつう4〜5歳ごろから出始め、思春期にかけて数千個まで爆発的に増えるという点です。そばかすと違って、黒子の出現は日光(紫外線)とは無関係で、口の中などの粘膜には出ません。黒子が出る前の乳幼児期には、より大きく淡い「カフェ・オ・レ斑」が先に現れることが多く(最大70〜80%)、この段階では神経線維腫症1型(NF1)などと見分けが難しくなります[3]。
頭蓋顔面・骨格・成長
顔つきの特徴として、両眼開離(目の間隔が広い)、眼瞼下垂(まぶたが下がる)、下方に傾いた眼裂、低い位置で後ろに回転した耳などが見られます。古典的ヌーナン症候群より程度は軽めで、成人になると目立ちにくくなる傾向があります。成長面では、出生時の体格は正常範囲のことが多いものの、出生後にゆっくりと成長が鈍り、患者さんの多くが同年齢の25パーセンタイル未満の身長にとどまります。骨格では、漏斗胸や鳩胸といった胸郭の変形が50〜75%で見られます[3]。
感覚器・神経・泌尿生殖器
内耳の異常による感音難聴が約20〜25%に見られ、片側のことも両側のこともあります。言語発達への影響があるため、定期的な聴力検査が大切です。認知面では約30%に軽度の知的障害や学習の困難が見られますが、重度の精神遅滞は古典的ヌーナン症候群やCFCSより少ないとされます。男性では約3分の1に停留精巣が見られ、尿道下裂を伴うこともあります[3]。
5. RAF1型の最大の特徴:重症で早期発症の肥大型心筋症
🔍 関連記事:肥大型心筋症NGSパネル検査/拡張型心筋症1NN(RAF1)
心血管系の異常はNSML患者さんの約85%に認められ、生命予後を最も大きく左右する重大な因子です。心疾患を持つNSML患者さんのうち、最大70〜80%に見られるのが肥大型心筋症(HCM)です。HCMは心臓の筋肉(主に左室壁や心室中隔)が異常に厚くなる病態で、心臓の拡張がうまくいかなくなったり、血液の出口が狭くなったりします[3]。
💡 用語解説:肥大型心筋症(HCM)
心臓の筋肉が必要以上に分厚くなってしまう病気です。壁が厚くなると心臓の内側のスペースが狭くなり、十分な血液を全身に送り出しにくくなります。息切れ・胸の痛み・動悸・失神などの症状が出ることがあり、重症例では心不全や不整脈、突然死のリスクもあります。NSML2では、このHCMが乳児期から急速に進行することがあるため、早期発見と継続的な心エコー検査がとても重要です。
特筆すべきは、RAF1変異はPTPN11など他の原因遺伝子に比べて、肥大型心筋症の頻度が際立って高く、新生児期からの重症化リスクが非常に高いことです。p.Ser257Leuやp.Ser259Leuなどの変異を持つ患者さんでは、生後まもなく重篤なうっ血性心不全を呈する早期発症型の重症HCMや、致死的な肺高血圧症を伴う重い病態を示すことがあり、心臓突然死の重大なリスク因子となります[2]。古典的ヌーナン症候群で典型的な肺動脈弁狭窄も約20〜25%に見られ、約23〜25%には深刻な心電図異常(伝導障害・不整脈)が認められます[3]。
⚠️ 成長ホルモン療法には特に慎重な判断が必要です
ヌーナン症候群の低身長には成長ホルモン療法が用いられることがありますが、NSML、とりわけ肥大型心筋症を合併している場合の成長ホルモン療法は、心筋の肥厚をさらに悪化させる危険性があるため、原則として回避すべきと国際的に警告されています。治療の可否は必ず循環器の専門医を含めた慎重な評価のもとで判断されます[3]。
6. 診断:臨床基準と遺伝子検査
NSMLの診断は、丁寧な身体所見の評価と、最新の遺伝学的検査の組み合わせで確定します。国際的にはVoron(1976年)やSarkozyら(2008年)の基準が用いられ、多発性黒子に加えて主要な特徴が2つ以上ある場合、または黒子がまだ無くても主要な特徴が3つ以上あり、かつ第一度近親者に確定診断例がいる場合に臨床的にNSMLと診断できます[3]。
日本では、NSML2は「ヌーナン症候群」という大きな枠組みに含まれる形で指定難病195および小児慢性特定疾病に指定されています。診断基準を満たし、PTPN11・RAF1・BRAFなどRAS-MAPK経路の責任遺伝子に変異が同定されると、難病指定の対象となります。ヌーナン症候群の主要な原因遺伝子の検査は、2020年4月より保険診療内で実施可能になっています[8]。
なぜ「黒子を待たない」遺伝子検査が重要なのか
多発性黒子は4〜5歳以降に出てくるため、乳幼児期に見た目だけで診断するには限界があります。黒子の出現を待つことは、重篤な肥大型心筋症への早期介入の機会を逃すリスクにつながります。このため、単一遺伝子を一つずつ調べる方法ではなく、PTPN11・RAF1・BRAFなどをまとめて調べる多遺伝子パネル検査や肥大型心筋症パネル検査が第一選択として推奨されます。非定型的でNSMLが当初疑われなかった場合には、全エクソーム解析(WES)や全ゲノム解析(WGS)が用いられることもあります[3]。
出生前の検査と出生後の検査は分けて理解する
NIPTを受検される場合、当院では受検者全員が加入する互助会(8,000円)により、万一陽性となった際の羊水検査費用が全額補助されます。NIPTの検査精度や仕組みについては、COATE法の解説もあわせてご覧ください。なお、NSML2のように不完全浸透や表現型の幅がある疾患では、出生前に見つけることが常に利益になるとは限りません。検査を受けるかどうかは、十分な情報提供のうえでご家族が主体的に決めることが大切です。
7. 鑑別診断:似ている病気との見分け方
NSML2は、乳幼児期の症状が他のRAS病や単一遺伝子疾患と重なるため、正確な区別が欠かせません。とくに姉妹疾患であるNSML1(PTPN11型)やNSML3(BRAF型)、同じRAF1のヌーナン症候群5型との区別が重要です。
なお、極めて稀ながらMAP2K1の変異によるNSML症例も報告されており(世界で数例)、GeneReviewsではNSMLの原因遺伝子としてPTPN11・RAF1・BRAF・MAP2K1の4つが挙げられています[3][9]。見た目だけでは区別が難しいからこそ、遺伝子検査による正確な分類が、その後の心臓管理や治療方針に直結します。
8. 最新治療:MEK阻害薬トラメチニブと、その限界
現在、NSML2に対する根本的な遺伝子治療は実用化されておらず、症状に応じた対症療法と、重大な合併症の生涯にわたるモニタリングが管理の中心です。そのなかで、RAF1関連の致死的な重症肥大型心筋症に対する新たな選択肢として、もともとがん治療薬として開発されたMEK阻害薬「トラメチニブ」の適応外使用が国際的に注目されています。
💡 用語解説:コンパッショネート・ユース(人道的使用)
他に治療法がない重篤な患者さんに対して、まだ承認されていない薬を人道的な配慮から特例的に使用することです。RAF1型の重症心筋症に対するトラメチニブも、現状ではこの枠組みでの適応外(オフラベル)使用として、限られた専門施設で倫理委員会の承認のもとに行われています。日本では小児RAS病に対する保険適応はありません。
RAF1変異(p.Ser257Leu)を持つ早産児に関する重要な症例報告が、イタリア・トリノ大学などの研究グループ(Mussaら, 2021年)から発表されました。標準治療に反応しない重篤なうっ血性心不全を発症したこの患児に、ごく少量(0.022 mg/kg/日)のトラメチニブを投与したところ、速やかな臨床的改善と心筋肥大の明確な軽減が確認されました。RAF1の機能獲得で過剰に働いていた直下の標的MEKを選択的に抑えることで、異常な心筋細胞の肥大を直接抑えられる可能性を、ヒトで実証した画期的な成果です[5]。
「効く臓器」と「効かない臓器」がある
しかしこの症例は、同時にMEK阻害薬単独療法の「臓器特異的な限界」という厳しい現実も突きつけました。心臓の肥大は改善したにもかかわらず、この患児は肺動脈瘤と進行性の肺高血圧症を発症し、最終的にコントロール不能な心不全により生後3か月で亡くなりました。心筋の肥大はMEK/ERK経路に強く依存しているのに対し、肺血管の異常はMEKを介さない経路や、すでに不可逆になったプロセスで進行している可能性が示唆されたのです[5]。
「同じ病名でも、変異ごとに薬を選ぶ」変異特異的階層化
近年の研究から、NSMLでは原因遺伝子の違いが将来の治療戦略を大きく左右することが明らかになっています。RAF1変異は直接的な機能獲得なので、下流のMEKを抑えるトラメチニブの論理が分子的に合致します。一方、NSMLの大部分を占めるPTPN11変異は機能喪失が根本にあり、メカニズムが異なります。実際、PTPN11変異(Y279C)のNSMLマウスでは、ABL/SRC阻害薬ダサチニブの低用量投与でHCMと心筋線維化が改善したとイェール大学などから報告されています[7]。同じ病名・同じ表現型でも、変異の特性に応じて最適な分子標的薬を選ぶ「変異特異的階層化」が、次世代のRAS病治療の鍵となっています。
9. 遺伝のしかたと家族計画・遺伝カウンセリング
🔍 関連記事:遺伝カウンセリングとは/臨床遺伝専門医とは
NSML2は常染色体顕性遺伝(優性遺伝)の形をとるため、専門家による遺伝カウンセリングが欠かせません。患者さんご本人が子どもを持つ場合、変異したRAF1が受け継がれる確率は理論上50%(2分の1)です。停留精巣などにより妊孕性が下がる場合もありますが、生殖能力が完全に失われるわけではないため、正確な情報提供が必要です。
💡 用語解説:新生突然変異(de novo)
ご両親の精子・卵子、または受精直後に新しく生じる変異で、ご両親の遺伝子には同じ変異がありません。NSML2の一定割合はこの新生突然変異で起こり、その場合、ご両親の検査は陰性となり、次のお子さん(患者さんのきょうだい)が同じ病気になる確率は一般に極めて低いと説明されます。ただし、ごく稀に生殖細胞モザイク(親の生殖細胞の一部だけに変異がある状態)の可能性は残ります。
家系内に病的変異が同定されている場合は、リスクのある近親者の遺伝的ステータスを検査で明確にできます。原因遺伝子が未同定の場合は、心エコーを含む綿密な診察で臨床的にスクリーニングします。心血管系については、肥大型心筋症が乳児期に潜行性に進行し得るため、診断時と3歳まで毎年、その後も定期的な心エコー検査が推奨されます[3]。
よくある質問(FAQ)
🏥 RAS病・遺伝子診断のご相談
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参考文献
- [1] OMIM #611554. LEOPARD Syndrome 2 (LPRD2). Johns Hopkins University. [OMIM 611554]
- [2] Pandit B, Sarkozy A, Pennacchio LA, et al. Gain-of-function RAF1 mutations cause Noonan and LEOPARD syndromes with hypertrophic cardiomyopathy. Nature Genetics. 2007;39:1007-1012. [PubMed 17603483]
- [3] Noonan Syndrome with Multiple Lentigines. GeneReviews®. NCBI Bookshelf. [NBK1383]
- [4] Noonan syndrome with multiple lentigines. MedlinePlus Genetics. National Library of Medicine. [MedlinePlus]
- [5] Mussa A, Carli D, Giorgio E, et al. MEK Inhibition in a Newborn with RAF1-Associated Noonan Syndrome Ameliorates Hypertrophic Cardiomyopathy but Is Insufficient to Revert Pulmonary Vascular Disease. Genes (Basel). 2021;13(1):6. [MDPI Genes] / [PubMed 35052347]
- [6] Two cases of LEOPARD syndrome — RAF1 mutations firstly described in children. The Turkish Journal of Pediatrics. [PubMed 22389993]
- [7] Low-dose Dasatinib Ameliorates Hypertrophic Cardiomyopathy in Noonan Syndrome with Multiple Lentigines. PMC. [PMC9270274]
- [8] ヌーナン症候群(指定難病195). 難病情報センター. [難病情報センター]
- [9] Noonan syndrome with multiple lentigines. Orphanet. [Orphanet 500]



