この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

CFC症候群(心臓顔面皮膚症候群)は、心臓・顔つき・皮膚と髪に特徴が出て、発達の遅れやてんかんを伴うことの多い生まれつきの病気です。「ヌーナン症候群かもしれない」と言われたまま、はっきりしない時間を過ごすご家族も少なくありません。原因の遺伝子がわかると、病名が決まり、心臓やてんかんをいつ・何で見張るかの予定が立ち、次のお子さんの見通しも考えられるようになります。このページでは、CFC症候群とは何か、顔貌の特徴・寿命・遺伝する確率と、原因の6遺伝子を一度に調べる遺伝子検査でわかることを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. CFC症候群とは?この検査で何がわかりますか?
CFC症候群は、細胞の増え方を調節するRAS/MAPK経路の遺伝子の変化で起こる病気(RASopathy)のひとつです。この検査では、原因のBRAF・MAP2K1・MAP2K2・KRASと、似た病気のSHOC2・SOS1の6遺伝子を一度に調べます。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
心臓の病気(肺動脈弁狭窄・肥大型心筋症など)に、特徴的な顔つき・皮膚や髪の変化・発達の遅れが重なるお子さん、ヌーナン症候群などと言われたものの確定していない方、ご家族にCFC症候群の方がいる方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜のいずれかです。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 遺伝する確率と、結果のあとは?
ほとんどはお子さんの代で新しく起きた変化で、ご両親の次のお子さんの確率は低いもののゼロではありません。ご本人のお子さんへは2分の1です。結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してからマイページにアップします。6遺伝子はいずれも当院NIPTのダイヤモンド・インペリアルプランの対象です。
1. CFC症候群(心臓顔面皮膚症候群)とは
CFC症候群(心臓顔面皮膚症候群)とは、心臓(Cardio)・顔(Facio)・皮膚(Cutaneous)に特徴が出る生まれつきの病気で、多くの方に発達の遅れを伴います。英語の cardio-facio-cutaneous syndrome の頭文字をとってCFC症候群と呼ばれます。細胞が増えたり育ったりする合図を伝える「RAS/MAPK経路」の遺伝子の変化で起こる病気のグループ(RASopathy、RAS病)のひとつで、ヌーナン症候群やコステロ症候群と同じ仲間です[1]。
CFC症候群は何人に1人?日本の患者数
日本で行われた全国調査にもとづき、CFC症候群は約81万人に1人と推定されています[1]。難病情報センターは、国内の患者さんを100人くらいと推定しています(2026年10月時点で確認)。ただし、世界全体での正確な頻度はわかっておらず、症状の軽い方が診断されていない可能性もあります。数字は目安として受け取ってください。
原因はRAS/MAPK経路の遺伝子:1型〜4型
CFC症候群の原因として最も多いのはBRAF遺伝子で、約75%を占めます。次いでMAP2K1遺伝子・MAP2K2遺伝子、まれにKRAS遺伝子(2%未満)の変化で起こります[1]。原因の遺伝子によって、CFC症候群1型(BRAF)・2型(KRAS)・3型(MAP2K1)・4型(MAP2K2)と呼び分けられます。
BRAFとKRASの生まれつきの変化がCFC症候群の原因になることは、2006年に日本の研究グループが報告しました[2]。これらの遺伝子が作るたんぱく質は、RAS/MAPK経路の中で「スイッチ」の役目をしています。変化によってスイッチが入りっぱなしに近くなると、体ができていく途中のさまざまな場所に影響が出ると考えられています。
💡 用語解説:RASopathy(RAS病)
RAS/MAPK経路の遺伝子の生まれつきの変化で起こる病気をまとめた呼び名です。ヌーナン症候群・コステロ症候群・CFC症候群・神経線維腫症1型などが含まれ、心臓・顔つき・成長に共通する特徴があるため、見た目だけでは区別しにくいことがあります。
ヌーナン症候群・コステロ症候群との違い
CFC症候群の顔つきはヌーナン症候群に似ており、コステロ症候群とも重なる特徴が多いため、症状だけで病名を決めるのは難しいとされています[1]。だからこそ、どの遺伝子に変化があるかを確かめることが、病名を決める確かな方法になります。
2. CFC症候群の特徴:顔貌・心臓・皮膚と髪・発達
CFC症候群では、心臓の病気が約75〜80%、てんかんが半数を超える方にみられ、筋肉の張りの弱さ(筋緊張低下)は大多数の方に出ます[1]。ただし、どの症状がどのくらい強く出るかは一人ひとり大きく違います。
顔貌(顔つき)の特徴:赤ちゃんのころから
GeneReviewsでは、頭が体に比べて大きめであること、おでこが広いこと、まぶたが下がる・目尻が下がること、眉毛やまつ毛がうすいことなどが挙げられています。顔つきはヌーナン症候群を思わせますが、コステロ症候群ほどはっきりしないことが多いとされます[1]。
顔つきは、ご家族にとっては「その子らしさ」そのものです。ここで挙げた特徴は、医師が診断の手がかりにする所見であって、すべてのお子さんに当てはまるものではありません。顔つきだけで診断することはできないので、気になるときは遺伝子検査で確かめます。
心臓:肺動脈弁狭窄・肥大型心筋症
心臓の病気は約75〜80%の方にみられます。BRAFによるCFC症候群では、約半数に肺動脈弁狭窄があります。心房中隔欠損・心室中隔欠損などのほか、肥大型心筋症や不整脈が、成長してから現れることもあります[1]。生まれたときの検査で心臓に問題がなくても、その後も定期的に確かめることが大切なのは、このためです。
皮膚と髪
腕・足・顔の皮膚が厚く硬くなる(角化)などの皮膚の変化や、うすくまばらな髪が特徴として挙げられています[1]。皮膚の乾燥やかゆみは毎日の生活に関わるので、皮膚科で定期的に診てもらうことが勧められています[1]。
発達・てんかん・筋緊張・哺乳
CFC症候群の方の半数を超える方が、てんかんを発症します[1]。発達の遅れの程度は軽い方から重い方まで幅があり、ほとんどのお子さんに何らかの発達や学習の課題があります。大多数の方に筋緊張低下があり、鼻から胃への管や胃ろうで栄養をとる時期が必要になるお子さんも多いとされています[1]。
CFC症候群はいつわかる?妊娠中に気づかれること
妊娠中にCFC症候群と診断された赤ちゃんの大多数で、羊水が多すぎる状態(羊水過多)がみられたと報告されています[1]。ただし、羊水過多にはほかにも多くの原因があり、羊水過多だからCFC症候群というわけではありません。多くは、生まれたあとに心臓の病気・顔つき・哺乳の困難・発達の遅れなどから疑われ、遺伝子検査で確定します。
3. CFC症候群の寿命・予後と、大人になってから
CFC症候群の寿命について、決まった数字は示されていません。見通しを左右するのは、心臓の病気とてんかんなどの合併症です。「寿命」という言葉で検索されるご家族の気持ちには、「この子はどんな人生を送れるのだろう」という問いが含まれていると思います。ここでは、わかっていることだけをお伝えします。
GeneReviewsは、初めの心臓の検査で異常がなかった方でも、心エコー検査を20歳までは2〜3年ごと、20歳を過ぎてからは3〜5年ごとに行うことを勧め、一生を通じて心エコーと心電図で確かめる必要があるとしています。目の検査は眼科の指示で6〜12か月ごと、皮膚科の診察は年に1回、成長は受診のたびに測ることが勧められています[1]。
大人になってからについては、支援を受けながら暮らす施設を利用したり、支援付きで働いたりしている若い方もいると記載されています[1]。難病情報センターも、長い期間にわたって通院や治療が必要になる可能性があるとしています。
今は、病気の原因そのものを治す治療は確立していません。RAS/MAPK経路を抑える薬(MEK阻害薬)をRASopathyの合併症に使う研究が進められており、その動きはトラメチニブとRASopathyの治療研究で解説しています。CFC症候群についての臨床試験は時期によって変わり、行われていない場合もあるため、最新の状況は主治医にご確認ください[1]。
⚠️ がんのリスクについて
同じ仲間のコステロ症候群では、生涯でがんになる人が約15%と高いことが知られています。CFC症候群では、急性リンパ性白血病などのがんの報告はわずかにあるものの、コステロ症候群のような高い頻度は示されていません[1]。どちらの病気かで見張り方が変わるので、遺伝子で区別することに意味があります。
4. CFC症候群は遺伝する?遺伝する確率
CFC症候群は常染色体顕性(優性)遺伝の病気ですが、これまでに報告された方のほとんどは、お子さんの代で新しく起きた変化(新生突然変異、de novo)によるものです[1]。「親から受け継いだ病気」ではないことが多い、という点がとても大切です。
ご両親の次のお子さんの確率:低いがゼロではない
お子さんの原因の変化がご両親のどちらにも見つからなかった場合、次のお子さんで同じ病気が起こる確率は、一般の方より少し高い程度とされています[1]。ゼロではない理由は、ご両親の卵子や精子のもとになる細胞にだけ同じ変化がある「性腺モザイク」の可能性を、血液の検査では否定できないためです[1]。
お子さんの変化が新しく起きたものとわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。そのうえで、次の妊娠でどう備えるかを具体的に考えられるようになります(第8章)。
ご本人のお子さんへは2分の1:結婚・妊娠を考えるとき
CFC症候群のご本人がお子さんを持つ場合は、お子さん1人ごとに2分の1の確率で、同じ変化が受け継がれます[1]。GeneReviewsは、CFC症候群の若い方に、お子さんへのリスクと選べる方法について遺伝カウンセリングを行うよう勧めています[1]。ご家族の中で変化が受け継がれた例も報告されています[1]。
ご両親から受け継いだ例があるということは、症状が軽く、これまで気づかれていなかった方がいる可能性もあるということです。ご家族の誰かがCFC症候群とわかったときに、ほかのご家族が検査を考えるのは、このためです。
5. どんな人がこの検査を受けるとよいか
心臓の病気・特徴的な顔つき・皮膚や髪の変化・発達の遅れのうち、いくつかが重なっていて、原因をはっきりさせたい方に向く検査です。病名が決まると、受けるべき検査、使える制度(指定難病・小児慢性特定疾病)、次のお子さんの見通しが決まります。
症状からCFC症候群が疑われる方
- ●肺動脈弁狭窄・心房中隔欠損・肥大型心筋症などの心臓の病気がある
- ●頭が大きめ、おでこが広い、まぶたが下がる、眉毛やまつ毛がうすいなどの顔つきの特徴がある
- ●皮膚が乾燥して厚く硬くなる、髪がうすくまばら・カールしている
- ●発達の遅れ、筋緊張低下、てんかん、哺乳の困難や体重が増えにくいことがある
- ●妊娠中に羊水過多を指摘され、生まれたあとに上のような特徴がある
「ヌーナン症候群」と言われたまま確定していない方
CFC症候群・ヌーナン症候群・コステロ症候群は、症状だけでは区別しにくい病気です[1]。病名が決まらないまま、いくつもの病院を回る時間を過ごすご家族もいます。原因がわからないまま過ごす時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。見つからなかったときの次の選択肢は第8章でご説明します。
ご家族にCFC症候群の方がいる方
ご家族の中で原因の変化がわかっている場合は、同じ変化があるかどうかを確かめられます。症状のないご家族の検査は、ご本人が十分に考えて決めることが前提です。検査の前の遺伝カウンセリングで、知ることの意味を一緒に考えます。
この検査より別の検査が向いている場合
CFC症候群がはっきり疑われるなら、このパネルで足ります。ヌーナン症候群・コステロ症候群などとの区別がつかないときは、この6遺伝子も含む31遺伝子のパネルのほうが向いています。当院では、どちらも税込330,000円です。
🔍 症状に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、症状・診察所見・ご家族の情報で変わります。発達の気がかりから検査を選ぶ方は発達障害の遺伝子検査もご覧ください。
6. CFC症候群パネルで調べる6つの遺伝子と、関係する病気
この検査では、CFC症候群の原因となる4遺伝子(BRAF・MAP2K1・MAP2K2・KRAS)と、症状が重なるヌーナン症候群の仲間の原因となる2遺伝子(SHOC2・SOS1)の、あわせて6遺伝子を一度に調べます。遺伝子の文字(塩基)の並びを読む次世代シーケンサー(NGS)を使い、欠失・重複の解析も料金に含まれています。
🧬 調べる遺伝子と、それぞれの遺伝子でわかる病気
※CFC症候群に占める割合はGeneReviews[1]による。病名と遺伝のしかたはOMIMの遺伝子ごとの記載による。
BRAFとKRASのように、同じ遺伝子の変化でも、変化の場所によってCFC症候群になることもあれば、ヌーナン症候群になることもあります。どの遺伝子の、どの変化なのかまで確かめることで、病名と見張るべき合併症がはっきりします。
💡 YWHAZ遺伝子について
GeneReviewsには、CFC症候群に似た特徴をもつ方でYWHAZ遺伝子の変化が見つかった報告が載っています[1]。YWHAZはこのパネルにも31遺伝子のRASopathyパネルにも入っていません。必要と考えられる場合は、パネルに入っていない遺伝子も追加して調べることができます。遺伝カウンセリングのときにご相談ください(カスタマイズ遺伝子パネル検査)。
7. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、6遺伝子の中の小さな変化(1文字の置き換わり、小さな挿入・欠失)と、2つ以上のエクソンにわたる欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。
- ●調べていない遺伝子:6遺伝子以外の原因は見つかりません。ヌーナン症候群・コステロ症候群など、ほかのRASopathyの原因の多くはこのパネルに入っていません(第5章の表)。
- ●見つけにくい変化:染色体の転座や逆位、繰り返し配列の伸び、遺伝子の調節領域や、エクソンから離れたイントロンの変化は検出できません。1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、ふだんは検出の対象外です。
- ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態(体細胞モザイク)を見つけるようには作られていません。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
- ●陰性でも否定はできません:6遺伝子に原因が見つからなくても、CFC症候群やほかのRASopathyではないとは言えません。
見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りの質が十分でない場所は、サンガー法という別の方法で読み直します。
8. 結果が出たあと
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。報告書の見方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。
病的変異が見つかったら、次にできること
原因がわかるだけでは意味がありません。わかったあとに何ができるかを、立場ごとにお伝えします。
① ご本人(お子さん):CFC症候群と病名が決まり、何をいつ見張ればよいかが決まります。心エコー・心電図、眼科、皮膚科、成長の確認などの予定(第3章)を、小児科・循環器・神経などの専門の医療機関で立てる手がかりになります。てんかんへの備え、栄養や発達の支援、指定難病・小児慢性特定疾病の申請(第9章)にもつながります。コステロ症候群ではないとわかれば、がんの見張り方も変わります[1]。
② ご両親・ご家族:お子さんで見つかった変化と同じ場所を、ご両親で調べることができます。ご両親にない場合は新しく起きた変化と考えられ、誰のせいでもないことがはっきりします。ご両親のどちらかに見つかった場合は、その方のほかのお子さん(きょうだい)にも2分の1の確率があります[1]。症状のない方の検査は、ご本人の同意が前提です。
③ 次のお子さんを考えるとき:原因の変化がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを、絨毛検査・羊水検査で調べることを計画できます。原因がわからないままでは、出生前に調べる的が決まりません。
絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。(羊水検査・絨毛検査、2025年6月から産婦人科を併設)。出生前診断を行うかどうかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に考えますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
また、このパネルの6遺伝子(BRAF・KRAS・MAP2K1・MAP2K2・SHOC2・SOS1)は、当院のNIPTのダイヤモンドプランとインペリアルプランの対象遺伝子に入っています。当院のNIPTは妊娠9週から、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTは確定診断ではないため、陽性なら羊水検査などの確定検査で確かめます。何もせずに産むことも、そのまま選べる選択肢です。どの選択も尊重します。
日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、着床前遺伝学的検査(PGT-M)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。なお、新しく起きた変化(de novo)では、PGT-Mで一般的に使われる家系の解析が使えない場合があります。
陰性だったとき
6遺伝子に原因が見つからなかった場合でも、CFC症候群やほかのRASopathyの可能性は残ります。症状に合わせて、31遺伝子のRASopathyパネル、全エクソーム検査、マイクロアレイ染色体検査などを考えます。どれを選ぶかは、症状とご家族の情報をもとに、遺伝カウンセリングで一緒に決めます。
意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったとき
VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査や出生前診断の対象にしたりはしません。ご両親の検査で変化が新しく起きたものかを確かめると、判断の手がかりになることがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。結果の伝え方は、当院の二次的所見の開示方針もあわせてご覧ください。
9. 日本の制度:CFC症候群は指定難病103(2026年10月時点)
CFC症候群は、指定難病103です。難病情報センターの「CFC症候群(指定難病103)」のページで確認しました。また、小児慢性特定疾病の対象疾病にも、「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」のひとつとして「CFC症候群」が含まれています(2026年10月時点で確認)。
医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の基準を満たして申請する必要があります。遺伝子検査で原因が確かめられていることは、診断の手がかりのひとつになります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は、血液・唾液・頬の内側の粘膜のいずれかで、唾液・頬の粘膜・血液いずれの場合もオンライン診療でお受けできます。
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取・発送お支払いのあとにキットをお送りします
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
💴 費用・日数・検体
※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いしています。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えや品質の問題を防ぐため、キットが届く前にご自身で検体を採らないでください。
遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
11. 院長コラム
🩺 院長コラム【「似ている病気」のままにしないために】
CFC症候群・ヌーナン症候群・コステロ症候群は、同じRAS/MAPK経路の病気で、顔つきや心臓の特徴がよく似ています。似ているからこそ、症状だけで決めず、遺伝子で確かめることに大きな意味があると考えています。がんへの備え方、心臓をどのくらいの間隔で見ていくか、次のお子さんの見通し。どの病気かがわかってはじめて、具体的な計画を立てられるからです。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました(遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由)。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。CFC症候群のように、多くがお子さんの代で新しく起きた変化による病気では、原因がわかることが、ご両親が自分を責める理由はないと確かめる手がかりにもなります。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。次の妊娠を考えるご両親には、NIPTや羊水検査・絨毛検査まで、当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. CFC症候群は何人に1人くらいの病気ですか?
日本で行われた調査にもとづき、約81万人に1人と推定されています(遺伝性疾患の解説書GeneReviewsによる)。難病情報センターは、国内の患者さんを100人くらいと推定しています。軽い方が診断されていない可能性もあり、目安の数字です。
Q2. CFC症候群の顔貌(顔つき)にはどんな特徴がありますか?
頭が体に比べて大きめで、おでこが広く、まぶたが下がっていたり目尻が下がっていたりすること、眉毛や髪がうすいこと、髪がまばらでカールしていることなどが知られています。ヌーナン症候群に似ていますが、コステロ症候群ほどはっきりしないことが多いとされます。顔つきだけで診断はできないので、遺伝子検査で確かめます。
Q3. CFC症候群の寿命はどれくらいですか?
寿命について決まった数字は示されていません。見通しは、心臓の病気(肺動脈弁狭窄・肥大型心筋症など)やてんかんの重さで大きく変わります。成長してからも心臓の定期的な検査が勧められており、大人になって、支援を受けながら暮らし、働いている方もいます。
Q4. CFC症候群は遺伝しますか?遺伝する確率は?
常染色体顕性(優性)遺伝の病気ですが、報告されている方のほとんどは、お子さんの代で新しく起きた変化(de novo)によるものです。この場合、ご両親の次のお子さんで同じ病気が起こる確率は一般の方より少し高い程度とされますが、ゼロではありません。CFC症候群のご本人がお子さんを持つ場合は、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継がれます。
Q5. CFC症候群はいつわかりますか?妊娠中にわかりますか?
妊娠中に羊水過多などをきっかけに疑われることがあり、生まれたあとに心臓の病気・顔つき・哺乳の困難などから疑われることもあります。確定には遺伝子検査が必要です。前のお子さんで原因の遺伝子の変化がわかっていれば、次の妊娠で絨毛検査・羊水検査によって赤ちゃんを調べることを計画できます。
Q6. CFC症候群は指定難病ですか?
はい。CFC症候群は指定難病103です。小児慢性特定疾病の対象疾病(染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群)にも含まれています(2026年10月時点で確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの認定の基準を満たして申請する必要があります。
Q7. ヌーナン症候群・RASopathyの31遺伝子パネルとどちらを選べばよいですか?
症状からCFC症候群がはっきり疑われる場合は、このCFC症候群パネル(6遺伝子)で足ります。ヌーナン症候群・コステロ症候群などとの区別がつかない場合は、この6遺伝子も含む31遺伝子のパネルのほうが向いています。当院ではどちらも税込330,000円なので、遺伝カウンセリングで症状を伺って一緒に決めます。
Q8. CFC症候群は当院のNIPTで調べられますか?
このパネルで調べる6遺伝子(BRAF・KRAS・MAP2K1・MAP2K2・SHOC2・SOS1)は、当院のNIPTのダイヤモンドプランとインペリアルプランの対象遺伝子に入っています。NIPTは妊娠9週から、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTは確定診断ではないため、陽性なら羊水検査などの確定検査で確かめます。
🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。CFC症候群の原因がわかれば、心臓やてんかんの見張りの予定、使える制度、次のお子さんの見通しまで、具体的に考えられるようになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、次の妊娠の羊水検査・絨毛検査まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
参考文献
- [1] Rauen KA. Cardiofaciocutaneous Syndrome. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2007 (Last Revision 2026 May 21). [NCBI Bookshelf NBK1186]
- [2] Niihori T, Aoki Y, Narumi Y, et al. Germline KRAS and BRAF mutations in cardio-facio-cutaneous syndrome. Nat Genet. 2006;38(3):294-296. [PMID: 16474404]
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