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発達障害の遺伝子検査|発達障害は遺伝する?確率と、お子さん・家族のための検査の選び方

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

発達障害の遺伝子検査

発達障害の遺伝子検査は、発達障害かどうかを診断する検査ではなく、自閉スペクトラム症・知的障害・発達の遅れの「原因」を調べる検査です。原因がわかれば、気をつけたい合併症、使える支援、次のお子さんで同じことが起こる確率、ご家族が検査を受けるかどうかまで、具体的に考えられるようになります。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。このページでは、発達障害は遺伝するのか、家族に自閉症や知的障害の人がいるときの確率、そして当院で受けられる発達障害の遺伝子検査の選び方を、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 発達障害は遺伝子検査でわかりますか?

遺伝子検査は発達障害の診断ではなく、原因を調べる検査です。原因が見つかる割合は、染色体マイクロアレイで15〜20%、エクソーム解析で36%と報告されています。決して低い数字ではなく、見つかった原因ははっきりした事実として、合併症への備え・支援・次のお子さんの確率・ご家族の検査に使えます。

🧬 Q. どの検査から受ければいいですか?

迷ったら、知的障害689遺伝子+自閉症の3遺伝子のセット(363,000円・税込)。染色体の変化を調べるならマイクロアレイか、脆弱X症候群もまとめて調べる染色体シーケンス解析(ご両親とのトリオも可)。男の子で、お母さんの家系に知的障害の男性が多いならX連鎖知的障害パネル、脆弱X症候群はFMR1検査を別に選びます。

🧬 Q. 家族に自閉症・知的障害の人がいる場合は?

ご家族がすでに遺伝子検査を受けていて原因がわかっていれば、その結果がいちばんの手がかりになります(報告書をお持ちください)。わかっていなければ、症状のないあなたご自身を検査し、保因者検査とあわせて確かめます。症状のないご本人に比較的大きな欠失が見つかった例もあり、家族歴や見た目だけでは判断できません。上のきょうだいが自閉スペクトラム症の場合、下のきょうだいでの再発は約20%と報告されています。

🧬 Q. 費用・結果・その後は?

費用は検査によって88,000円〜660,000円(税込・お一人の検査の場合)、結果まで2〜7週間ほどが目安です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してからマイページにアップします。妊娠したら、NIPTから確定検査(絨毛・羊水)まで院内で受けられます。

\ どの検査がよいか迷ったら、遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう /

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検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. 発達障害とは|自閉スペクトラム症・知的障害・ADHD・学習障害の関係

発達障害は、生まれつきの脳の働き方の違いによって、コミュニケーション・学習・注意・行動などに困りごとが出る状態の総称です。医学では「神経発達症」とも呼ばれ、主に次のようなものが含まれます。

🧩 主な発達障害(神経発達症)

名前 主な特徴
自閉スペクトラム症(ASD) 人とのやりとりの難しさ、こだわりの強さ、感覚の過敏さや鈍さ
知的障害(知的発達症) 考える・理解する・学ぶ力の発達がゆっくりで、日常生活に支えが必要
ADHD(注意欠如・多動症) 不注意、落ち着きのなさ、思いついたらすぐ行動してしまう
学習障害(限局性学習症) 知的な遅れはないが、読む・書く・計算するなど特定のことが極端に苦手

※ここでは遺伝子検査を考えるうえで必要な分だけを示しています。種類のくわしい説明は 発達障害の種類 をご覧ください。

4つは重なることが多い

これらは別々の病気というより、重なり合って現れることがよくあります。米国の16地域で2022年に8歳の子どもを調べた報告では、自閉スペクトラム症と診断された子どものうち、知能検査の結果がわかった子どもの39.6%が知的障害(IQ70以下)を伴っていました[1]。自閉症と知的障害の原因となる遺伝子も重なっていて、当院の自閉症パネル(122遺伝子)のうち119遺伝子は、知的障害パネル(689遺伝子)にも含まれています。ADHDと自閉症の違いのように、見分けが難しい場合もあります。

どれくらいの人に見られるか

同じ米国の報告では、2022年に8歳だった子どもの約31人に1人(1,000人あたり32.2人)が自閉スペクトラム症と診断されていて、男の子は女の子の約3.4倍でした[1]。決してまれなものではありません。

発達障害の診断は心理・発達の検査で、遺伝子検査は原因を調べる検査

発達障害かどうかの診断は、医師の診察と、知能検査・発達検査などの心理検査で行います。「大人の発達障害の検査」「心理検査」で探している方が受けるのは、こちらです。遺伝子検査は、診断がついた方や発達の遅れがある方について、「なぜそうなったのか」という原因を調べる検査です。役割がまったく違うので、両方を組み合わせて考えます。

2. 発達障害は遺伝する?原因と遺伝の関わり

遺伝は発達障害の大きな要因のひとつですが、「親から必ず受け継ぐもの」ではありません。原因は一人ひとり違い、親から受け継いだ変化、お子さんの代で新しく起きた変化、環境の影響などが組み合わさっています。

「遺伝率80%」は「80%の確率で遺伝する」ではありません

デンマーク・フィンランド・スウェーデン・イスラエル・西オーストラリアの約200万人を調べた研究では、自閉スペクトラム症の遺伝率は、国ごとの推定値の中央値で80.8%でした(国によって50.9%〜86.8%)[2]。別の家族研究では50%と推定されていて[3]、数字は調べ方によって変わります。

💡 用語解説:遺伝率

遺伝率は、ある集団の中で「なりやすさの違い」のうち、どれくらいを遺伝の違いで説明できるかを表す数字です。一人の人が親から受け継ぐ確率ではありません。遺伝率80%でも、自閉スペクトラム症の親から生まれたお子さんの80%が自閉スペクトラム症になる、という意味ではないことに注意してください。

原因の種類

発達障害の原因として遺伝子検査で見つかるものには、主に次の種類があります。発達障害と染色体異常の関係もあわせてご覧ください。

  • ●染色体の数の変化:ダウン症候群など、染色体が1本多い・少ない状態
  • ●染色体の一部が欠けたり増えたりする変化:顕微鏡では見えない小さな変化を微小欠失・微小重複といいます(例:22q11.2欠失症候群)
  • ●1つの遺伝子の変化:脆弱X症候群(FMR1)、レット症候群(MECP2)など
  • ●お子さんの代で新しく起きた変化:ご両親は持っていない変化で、新生突然変異(de novo)と呼びます
  • ●多くの遺伝子の小さな影響の積み重ねと環境:今の遺伝子検査では1つの原因として特定できないもの

父親と母親、どちらから遺伝する?

多くの場合、「父親から」「母親から」とどちらか一方に決めることはできません。家族の関係ごとに自閉スペクトラム症のなりやすさを比べた研究では、一般に比べて、きょうだいで約10.3倍、母親が同じ異父きょうだいで約3.3倍、父親が同じ異母きょうだいで約2.9倍、いとこで約2.0倍でした[3]。母方と父方で大きな差はありませんでした。

一方で、原因によっては伝わり方に偏りがあります。X染色体にある遺伝子の変化(X連鎖遺伝)は、症状のないお母さんから男の子に伝わることがあります。また、お子さんの代で新しく起きた変化は、ご両親のどちらから受け継いだものでもありません。くわしくは 自閉症が親から遺伝する確率 や、ADHDについては ADHDは遺伝する? で解説しています。

⚠️ 「親のせい」ではありません

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。お子さんの代で新しく起きた変化なら、ご両親から受け継いだものでもありません。原因を調べることは、責める相手を探すことではなく、これからを考えるための手がかりを得ることです。

遺伝子検査で原因が見つかるのは一部

遺伝子検査で原因が見つかるのは、発達障害のある方の一部です。どの検査でどれくらい見つかるかは、検査の種類と、発達の症状だけか、ほかの症状も伴うかで大きく変わります。検査ごとの数字は、第4章の「検査でどれくらい原因が見つかるか」でまとめています。生まれつきの病気の割合を知りたい方は 知的障害児が生まれる確率 もご覧ください。

3. 遺伝子検査で原因がわかると、何が変わるか

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご本人の健康管理だけでなく、ご家族のこれからを考えるときにも、ずっと使える情報になります。

原因がわかると変わること

  • ●気をつけたい合併症がわかる:原因によっては、心臓・腎臓・てんかん・視力や聴力など、見張っておきたい体の問題が決まります
  • ●支援の手がかりになる:病名がつくと、同じ原因をもつ人の情報や、使える制度・支援につながりやすくなります
  • ●次のお子さんの確率がわかる:新しく起きた変化か、ご両親から受け継いだものかで、次のお子さんで同じことが起こる確率は大きく変わります
  • ●ご家族が検査を受けられる:原因がわかれば、きょうだいや親戚が同じ変化を持っているかを、ピンポイントで調べられます
  • ●「親のせいではない」とはっきりする:新しく起きた変化とわかれば、ご両親が受け継がせたものではないことがわかります

当院の症例:家族歴が濃くても、ご本人に何もなくても

ご家族に発達障害の方が多い一方で、ご本人には何の症状もなく、大学を卒業して一流企業に勤めている方がいました。念のためにと受けた遺伝子パネル検査で、比較的大きな欠失が見つかりました。パネル検査は基本的には染色体の欠失・重複を調べる検査ではありませんが、遺伝子の配列を読むのとあわせて、遺伝子1つ全体(または連続する2つ以上のエクソン)が欠けたり増えたりしていないかも調べています。ある遺伝子の全領域で読み取れる量が半分になっていれば、その遺伝子の欠失とわかります。大きな欠失の中に検査の対象の遺伝子が入っていれば、このように見つかることがあります。ただし、欠失がどこからどこまでかはパネル検査では決められないため、範囲はマイクロアレイなどで確かめます。

欠失や重複の中には、同じ変化を持っていても症状がほとんど出ない人がいる一方で、お子さんに受け継がれたときに症状が出ることがあるものがあります。「本人が元気だから大丈夫」「学校も仕事も問題ないから関係ない」とは言えないということです。こうした変化は、1本の染色体にあれば、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継がれます。

検査を受けていなければ、この方はご自身が変化を持っていることを知らないまま、妊娠・出産を迎えていたかもしれません。わかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べるかどうかを、前もって選べます。当院では絨毛検査・羊水検査を院内で行っています。見た目・学歴・家族歴だけでは判断できないからこそ、検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます。

わからないこと・注意してほしいこと

  • ●遺伝子検査は、発達障害かどうかを診断する検査ではありません。ADHDかどうかを遺伝子検査で決めることもできません
  • ●陰性でも、原因がないとは言えません。今回調べた範囲で見つからなかった、という意味です
  • ●意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることがあります。VUSだけで診断したり、ご家族の検査に使ったりはしません
  • ●調べた目的と別の病気の原因が見つかること(二次的所見)があります。当院の扱いは 二次的所見の開示方針 のとおりです
  • ●市販の遺伝子検査キットは、病気の原因を調べるこれらの検査とは目的が違います

4. どの検査を受ければいいか|当院の発達障害の遺伝子検査

当院では、発達障害の原因を調べる遺伝子検査を10種類以上ご用意しています。迷ったら、自閉症と知的障害の両方を一度に調べる「689遺伝子+3遺伝子のセット」を中心に考えます。症状や家族歴によって向いている検査が変わるので、まずは下の表で全体をご覧ください。

検査でどれくらい原因が見つかるか

原因のわからない発達の遅れ・知的障害の方で原因が見つかる割合は、従来の染色体検査(Gバンド法)で約3%、染色体マイクロアレイで15〜20%、エクソーム解析で36%と報告されています[4][5]。これは決して低い数字ではありません。昔からある染色体検査と比べると、マイクロアレイで5倍以上、エクソーム解析では10倍以上の方で原因が見つかるようになりました。エクソーム解析なら3人に1人以上、ほかの症状も伴う方では2人に1人以上で、原因に名前がつきます。

📊 検査でどれくらい原因が見つかるか(研究で報告された割合)

検査 原因が見つかった割合 調べた人
染色体検査(Gバンド法) 約3%(ダウン症候群など、すぐにわかる染色体の病気を除く) 原因のわからない発達の遅れ・知的障害の方[4]
染色体マイクロアレイ 15〜20% 原因のわからない発達の遅れ・知的障害の方[4]
エクソーム解析(全体) 36% 知的障害・自閉スペクトラム症などの神経発達症の方[5]
 └ 発達の症状だけの方 31% ほかの症状を伴わない神経発達症の方[5]
 └ ほかの症状も伴う方 53% てんかんや先天異常など、ほかの症状も伴う神経発達症の方[5]

※多くの研究をまとめた割合で、一人ひとりの確率ではありません。遺伝子パネル検査(689遺伝子・122遺伝子など)は、エクソームで調べる遺伝子のうち発達障害に関わるものに絞った検査です。染色体シーケンス解析は、染色体の欠失・重複とFMR1のリピート伸長に、遺伝子の検査を組み合わせて調べます。

この表から言えることは3つあります。1つ目は、染色体の検査と遺伝子の検査では見つかる変化の種類が違うので、症状のあるお子さんでは両方を組み合わせて考えることです。2つ目は、発達の症状だけの方より、てんかんや体の症状も伴う方のほうが原因が見つかりやすいことです。3つ目は、見つからなかった方にも次の手があることです。別の種類の検査を組み合わせたり、研究が進んだあとに同じデータを解析し直したりすることで、新しくわかることがあります。

💡 検査でわかったことは、はっきりした事実です

病気の原因と判定された変化が見つかれば、それは推測ではなく、はっきりした事実です。病名、遺伝のしかた、次のお子さんで同じことが起こる確率、ご家族が調べるべき変化が、その結果から具体的に決まります。家族歴や見た目から「たぶん遺伝だろう」「たぶん大丈夫だろう」と考えるのとは、まったく違う情報です。一方で、意義がまだわからない変化(VUS)は、はっきりした結果ではないので、それだけで判断には使いません(第3章)。

指針で「最初の検査」とされているもの

2010年の国際的な合意声明は、発達の遅れ・知的障害、自閉スペクトラム症、複数の先天異常がある方の最初の染色体検査として、従来の染色体検査(Gバンド法)に代えて染色体マイクロアレイを勧めています[4]。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は2021年の指針で、先天異常・発達の遅れ・知的障害のあるお子さんに、エクソーム・ゲノム解析を最初の(または2番目の)検査として使うことを強く勧めています[6]。当院の検査は、この2つの考え方をもとに組み合わせを選べるようにしています。

当院で受けられる発達障害の遺伝子検査

⭐ 迷ったらこれ:知的障害689遺伝子+自閉症3遺伝子のセット

調べること:知的障害パネルの689遺伝子に、自閉症パネルにだけある3遺伝子(GRPR・MET・PDE10A)を加えた692遺伝子

こんな方に:自閉症と知的障害のどちらも気になる方、診断がまだはっきりしない方、ご家族に発達障害の方がいるご自身

費用(税込):363,000円

結果まで:3〜5週

知的障害の遺伝子検査のページへ →

知的障害の遺伝子検査(689遺伝子)

調べること:知的障害・発達の遅れ・学習障害に関わる689遺伝子の小さな変化

こんな方に:知的障害や発達の遅れが中心のお子さん・ご本人、きょうだいやパートナーの家系に知的障害の方がいる方

費用(税込):330,000円

結果まで:3〜5週

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自閉症の遺伝子検査(122遺伝子)

調べること:自閉スペクトラム症に関わる122遺伝子(うち119遺伝子は689遺伝子にも含まれる)

こんな方に:自閉スペクトラム症の診断があり、自閉症に関わる遺伝子に絞って調べたい方

費用(税込):330,000円

結果まで:3〜5週

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染色体シーケンス解析(CSA)

調べること:染色体の欠失・重複(CNV)、片親性ダイソミー、FMR1のリピート伸長などを1回で

こんな方に:原因のわからない知的障害・発達の遅れのあるお子さん。可能ならご両親と一緒にトリオで

費用(税込):お子さんお一人 660,000円/トリオ(お子さん+ご両親の3人) 792,000円

結果まで:2〜7週(調べる範囲による)

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マイクロアレイ染色体検査

調べること:顕微鏡では見えない染色体の小さな欠失・重複(原因のわからない発達の遅れ・知的障害で、原因が見つかる割合は15〜20%と報告)

こんな方に:原因のわからない発達の遅れ・知的障害・自閉スペクトラム症の方(指針で最初の検査とされるもの)

費用(税込):253,000円

結果まで:2〜3週

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X連鎖知的障害パネル(114遺伝子)

調べること:X染色体にある知的障害の原因遺伝子114

こんな方に:男の子に知的障害があり、お母さんの家系にも知的障害の男性がいる方

費用(税込):330,000円

結果まで:2〜3週

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FMR1リピート伸長検査(脆弱X症候群)

調べること:脆弱X症候群の原因となるFMR1遺伝子のCGGリピートの長さ(パネル検査では調べられない部分)

こんな方に:原因のわからない知的障害・発達の遅れ・自閉スペクトラム症の方、FMR1関連の病気の家族歴がある方

費用(税込):275,000円

結果まで:2週

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クリニカルエクソーム(6,714遺伝子)

調べること:臨床的に重要な6,714遺伝子をまとめて(神経発達症のエクソーム解析で、原因が見つかる割合は36%と報告)

こんな方に:発達の遅れに加えて体の症状も多い方、パネル検査で原因が見つからなかった方。さらに広く調べる全エクソーム(WES・660,000円・5〜7週)もあります

費用(税込):550,000円

結果まで:5〜7週

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染色体検査(Gバンド法)

調べること:染色体の数と、大きな構造の変化(転座など)。発達の遅れ・知的障害で原因が見つかる割合は約3%と報告

こんな方に:ご家族に染色体の転座がある方、先天異常・発育の遅れがある方。マイクロアレイでは見つけにくい「均衡型転座」を調べたいとき

費用(税込):88,000円

結果まで:約1か月(採血のみ)

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てんかん包括的遺伝子検査(1,057遺伝子)

調べること:てんかんの原因として報告されている1,057遺伝子

こんな方に:発達の遅れにてんかん発作を伴う方、乳幼児期に始まったてんかんの方

費用(税込):330,000円

結果まで:2〜3週

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頭の大きさ・脳の形に関わる検査

調べること:小頭症(75遺伝子)、大頭症・過成長(47遺伝子)、滑脳症(15遺伝子)

こんな方に:頭が小さい・大きい、体が大きく育つ、脳のMRIで脳の形の異常を指摘された方

費用(税込):各330,000円

結果まで:各2〜3週

小頭症の検査を見る →

大頭症・過成長と滑脳症の検査は、大頭症・過成長症候群の遺伝子検査・滑脳症の遺伝子検査のページでご案内しています。料金は税込で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)は別にかかります。

こんなとき、この検査

🔍 発達障害の遺伝子検査の選び方

こんなとき 向いている検査
発達の遅れ・知的障害があり、原因がまったくわからない(お子さん) 染色体シーケンス解析(可能ならトリオ)、またはマイクロアレイ+セット
自閉症と知的障害のどちらも気になる・どれを選べばいいか迷う 689遺伝子+3遺伝子のセット(363,000円)
自閉スペクトラム症の診断があり、自閉症の遺伝子に絞りたい 自閉症の遺伝子検査(122遺伝子)
知的障害・発達の遅れ・学習の困りごとが中心 知的障害の遺伝子検査(689遺伝子)
男の子で、お母さんの家系に知的障害の男性が多い X連鎖知的障害パネル+FMR1リピート伸長検査
脆弱X症候群が気になる(パネルでは調べられない部分) FMR1リピート伸長検査(染色体シーケンス解析にも含まれる)
発達の遅れに加えて体の症状も多い、パネルで見つからなかった クリニカルエクソーム/全エクソーム(WES)
家族に染色体の転座がある 染色体検査(Gバンド法)
てんかん発作がある てんかん包括的遺伝子検査
頭が小さい・大きい、脳の形の異常を指摘された 小頭症・大頭症/過成長・滑脳症の検査
症状はないが、きょうだい・いとこ・おじおばに自閉症・知的障害の人がいる ご家族の検査結果があれば報告書を手がかりに。なければ、あなたご自身がセットまたは689遺伝子+保因者検査(第5章)

※どの検査が合うかは、症状・これまでの検査・ご家族の情報で変わります。比べているのは検査の種類どうしです。

迷ったら「689遺伝子+3遺伝子のセット」をおすすめする理由

自閉症と知的障害は重なることが多く、原因となる遺伝子も重なっています。当院の自閉症パネル122遺伝子のうち119遺伝子は、知的障害パネル689遺伝子にも入っています。入っていないGRPR・MET・PDE10Aの3遺伝子を加えれば、両方の検査の遺伝子をまとめて調べられます。単独の検査はそれぞれ330,000円、セットは363,000円(いずれも税込)です。どちらか一方だけを選んで、あとで「もう一方も」とならないよう、最初からセットで調べる方法を中心にご案内しています。

パネル検査は、基本的には遺伝子の変化を調べる検査で、染色体の欠失・重複を調べる検査ではありません。ただ、遺伝子1つ全体が欠けていないかも調べているため、第3章の症例のように、対象の遺伝子を含む比較的大きな欠失が見つかることもあります。欠失・重複を見つけることが前提の検査ではなく、脆弱X症候群のリピート伸長も調べられません。症状のあるお子さんでは、染色体の検査(マイクロアレイまたは染色体シーケンス解析)と組み合わせて考えます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、お子さんとご家族のこれからに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

自閉症と知的障害の遺伝子をまとめて調べるセット(692遺伝子・363,000円・税込)をご用意しています。

知的障害の遺伝子検査(689遺伝子) | 自閉症の遺伝子検査(122遺伝子)

5. 家族に自閉症・知的障害の人がいて、子どもを持つときの確率を知りたい方へ

きょうだい・いとこ・おじおばなどに自閉症や知的障害の人がいるとき、ご家族がすでに遺伝子検査を受けていて原因がわかっていれば、その結果がいちばんの手がかりになります。わかっていなければ、症状のないあなたご自身を検査して、お子さんへの確率を考える手がかりを確かめます。

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。きょうだいに発達障害のある方(きょうだい児)にとっても、結婚・出産は大きな問題になります。当院は、ライフステージごとの皆様を遺伝の専門医として支えるという考え方で診療しており、知ってから選べるよう、検査・遺伝カウンセリング・出生前診断まで、院内で続けてお手伝いします。

ご家族の検査結果があれば、それがいちばんの手がかり

ご家族がすでに遺伝子検査を受けていて、原因(どの遺伝子のどの変化か)がわかっている場合は、その報告書をお持ちください。あなたがその変化を持っているかを、ピンポイントで調べられます。持っていなければ、その原因でお子さんに同じことが起こる心配はほぼなくなり、持っていれば、確率と、妊娠したときにできることを具体的に考えられます。ご家族の原因がわかっていない場合は、症状のないあなたご自身を検査します(次の項目のとおり、知的障害のあるご家族を、きょうだいの将来のために検査することはできません)。

ご本人が検査を受けられないとき

知的障害のあるご本人が、検査の意味を理解して同意することが難しい場合、ご家族が代わりに同意する(代諾)ことになります。代諾は、ご本人の利益のためであることが前提です。そのため、きょうだいの将来のために、知的障害のあるご本人を検査することはできません。この場合は、症状のないあなたご自身を調べます。

ご自身の検査では、あなたが発達障害の原因として知られている変化を持っているか、潜性(劣性)遺伝の病気の保因者かどうかがわかります。ただし、ご家族の原因がわかっていない以上、あなたに変化が見つからなくても、ご家族の原因と関係のない変化を調べただけかもしれず、「ご家族と同じ原因を持っていない」とまでは言えません。この限界も、遺伝カウンセリングで事前にご説明します。くわしくは きょうだいに知的障害がある場合の子どもの確率 もご覧ください。

きょうだい児の結婚と遺伝|自分の子どもへの確率を知りたい方へ

きょうだい児とは、障害や病気のある兄弟姉妹と一緒に育った人のことです。きょうだい児が結婚や出産を考えるとき、「自分の子どもにも同じことが起こるのか」という遺伝の確率は、ご家族ごとに違います。症状のないあなたご自身の検査で、わかることがあります。

きょうだい児の中には、結婚・出産を前にして、こうした思いを抱える方もいます。

  • ●自分の子どもにも、兄弟姉妹と同じことが起こるのではないか
  • ●結婚相手やその家族に、兄弟姉妹のことをどう伝えればよいか
  • ●相手の家族に結婚を反対されたり、破談になったりしないか
  • ●親が亡くなったあと、兄弟姉妹をどう支えていくか

どの思いも、兄弟姉妹を大切に思うからこそ生まれるものです。兄弟姉妹の障害は、あなたのせいでも、兄弟姉妹のせいでもありません。そして、「きょうだい児だから結婚できない」と決まっているわけでもありません。遺伝について漠然と不安を抱えたまま結婚を迷ったり、あとで後悔したりしないために、わかることを確かめておくという選択肢があります。

当院でできるのは、次のようなことです。

  • ●症状のないあなたご自身の検査:発達障害の原因として知られる変化を持っているか、潜性(劣性)遺伝やX連鎖の病気の保因者かがわかります。ご家族の原因がわかっていない場合、ご家族と同じ原因を持っていないとまでは言えない、という限界も事前にご説明します
  • ●パートナーと一緒の遺伝カウンセリング:おふたりで遺伝の確率や検査について聞いていただけます。同じ検査をおふたりで同時に受ける場合、遺伝カウンセリング料は1人分(30分22,000円・税込)です
  • ●ご夫婦の保因者検査:遺伝子ブライダルチェックで、ご夫婦がともに同じ遺伝子の保因者かどうかを確かめられます
  • ●妊娠したあと:NIPTから、確定検査の絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられます

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。きょうだい児にとっても、当事者にとっても、それは大きな問題だと考えています。当院は、知ってから選べるよう、検査・遺伝カウンセリング・出生前診断まで、ライフステージごとに支えたいと考えています。なお、知的障害のある兄弟姉妹ご本人を、きょうだいの将来のために検査することはできません(前の項目のとおり)。きょうだい児の結婚と遺伝については、兄弟の知的障害と遺伝子検査|結婚前の不安、兄弟の知的障害と結婚反対、自閉症と遺伝:兄弟と結婚でも解説しています。

原因がわからないときの確率の目安

原因がわからない場合でも、研究から目安を知ることはできます。上のきょうだいが自閉スペクトラム症の赤ちゃん1,605人を追った2024年の研究では、20.2%が自閉スペクトラム症と診断されました[7]。家族の関係ごとに比べた研究では、一般に比べて、いとこでは約2.0倍でした[3]。ただし、これは多くの家族を平均した数字で、あなたのご家族の確率そのものではありません。きょうだいの場合は きょうだい間の自閉症の確率、いとこ・甥・姪の場合は いとこ・甥・姪の場合 で解説しています。

お母さんの家系に知的障害の男性が多いとき

男の子に知的障害がある、お母さんの兄弟やおじに知的障害の男性がいる、といった家系では、X染色体にある遺伝子の変化(X連鎖遺伝)が原因のことがあります。X連鎖遺伝では、症状のない女性が保因者になり、保因者のお母さんから生まれる男の子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。この場合は、X連鎖知的障害パネル(114遺伝子)と、脆弱X症候群の原因を調べるFMR1リピート伸長検査が役に立ちます。FMR1検査は、将来の妊娠を考えている保因者の女性も対象です。

当院の実際の症例:やってみないとわからない

きょうだいのお子さんに、単一遺伝子の病気による知的障害・発達障害が見つかり、ご自身はどうなのかと知的障害の遺伝子パネル検査を受けた方に、まったく関係のない別の遺伝子の病的な変化が、モザイク(体の細胞の一部だけに変化がある状態)で見つかったことがあります。ご本人は発症していません。けれども、卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にもその変化があれば、お子さんに受け継がれ、お子さんが発症することがある病気でした。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。モザイクについては別のページでくわしく解説しています。

第3章で紹介した、ご本人には何の症状もないのに遺伝子パネル検査で比較的大きな欠失が見つかった方の例と同じく、見た目・家族歴・症状だけでは判断できません。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

保因者検査でわかること・新しく起きた変化だった場合

潜性(劣性)遺伝の病気は、ご夫婦がともに同じ遺伝子の保因者のときに、お子さんで発症することがあります。保因者は通常症状がないので、検査をしないとわかりません。当院の遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)では、拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子・男性版714遺伝子、さらに女性版1009遺伝子・男性版911遺伝子)で、潜性遺伝やX連鎖の病気の保因者かどうかを調べられます。脆弱X症候群(FMR1)も保因者検査で調べられます。

ご家族の原因が、そのご本人の代で新しく起きた変化(de novo)とわかった場合は、ご両親から受け継いだ変化ではないため、きょうだいであるあなたが同じ変化を持っている可能性は低いと考えられます。ただし、ご両親の生殖細胞にだけ変化がある(性腺モザイク)こともあるため、ゼロとは言えません。確かめたい場合は、あなた自身がその変化を持っているかを調べます。

原因がわかっていて、妊娠を考えるとき

ご家族の原因となる遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております(羊水検査・絨毛検査、2025年6月から産婦人科を併設)。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは 海外でPGT-Mを考えている方へ で解説しています。

6. 大人になってから発達障害と診断された方へ

大人になってから自閉スペクトラム症やADHDと診断された方も、遺伝子検査で原因を調べることはできます。マイクロアレイ染色体検査や、自閉症・知的障害のパネル検査は、大人の方も受けられます。

ただし、原因となる変化が見つかるのは一部の方です。神経発達症の方のエクソーム解析では、ほかの症状を伴わない方で原因が見つかった割合は31%でした[5]。それでも、子どもを持つ前に、ご自身が原因となる変化を持っているか、潜性遺伝の病気の保因者かを知っておくことは、妊娠の計画を考える手がかりになります。大人の発達障害そのものについては 大人の発達障害 で解説しています。

7. 妊娠を考えている・妊娠中の方へ|NIPTで調べられるのは発達障害の原因の一部

一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因(染色体の数の変化、微小欠失・重複、新しく起きた単一遺伝子の変化)は、当院のNIPTで調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性の場合は、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。

🤰 当院のNIPTで調べられる、発達障害の原因の一部(例)

原因 調べられるプラン
22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群) スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・双子マックス・インペリアル
16p11.2欠失・重複 双子マックス・インペリアル
フェラン・マクダーミド症候群(SHANK3) インペリアル
レット症候群(MECP2) ダイヤモンド・インペリアル
当院の自閉症パネルにも含まれるCHD8・SCN2A・SYNGAP1などの遺伝子 インペリアル

※単一遺伝子の変化はダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子)だけが対象です。プランの詳しい内容は各プランのページをご覧ください。

⚠️ NIPTで調べられるのは「一部」です

NIPTで調べられるのは、発達障害の原因のうち、染色体の変化や一部の遺伝子の変化だけです。NIPTが陰性でも、発達障害の心配がなくなるわけではありません。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査で確かめます。

ご夫婦の保因者検査を妊娠中に受けたい方には、NIPTと同時に行うカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子、NIPTと同じ日に採血でき、単独では受けられません)があります。自閉症とNIPTの関係は 自閉症はNIPTでわかる?、妊娠中にわかる時期は 発達障害は妊娠中にわかる? でも解説しています。

8. 検査の流れと費用

どの検査も、まず臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受けていただき、検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

予約来院またはオンライン
→
遺伝カウンセリング検査を一緒に選ぶ
→
検体を採る血液・唾液・頬の粘膜
→
結果の説明臨床遺伝専門医から
  • ●検体:検査によって血液・唾液・頬の粘膜などで受けられます。染色体検査(Gバンド法)は採血が必要です
  • ●オンライン:唾液や頬の粘膜で受けられる検査は、オンライン診療で遺伝カウンセリングを受けたあと、検体をお送りいただけます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。
  • ●結果の伝え方:結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。報告書の読み方は 検査結果の見かた をご覧ください
  • ●報告書の言語:結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

このページでご案内している遺伝子検査(国内で行う染色体検査〔Gバンド法〕と、マイクロアレイ染色体検査を除く)は、すべて遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

💴 費用(すべて税込・自費診療)

項目 費用 結果まで
689遺伝子+3遺伝子のセット 363,000円 3〜5週
知的障害の遺伝子検査(689遺伝子)/自閉症の遺伝子検査(122遺伝子) 各330,000円 3〜5週
染色体シーケンス解析(CSA) 660,000円(トリオ3人分 792,000円) 2〜7週
マイクロアレイ染色体検査 253,000円 2〜3週
X連鎖知的障害パネル/てんかん包括/小頭症/大頭症・過成長/滑脳症 各330,000円 2〜3週
FMR1リピート伸長検査 275,000円 2週
クリニカルエクソーム/全エクソーム(WES) 550,000円/660,000円 5〜7週
染色体検査(Gバンド法) 88,000円 約1か月
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(検査料とは別) —

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。同じ検査をおふたりで同時に受ける場合、遺伝カウンセリング料は1人分(30分22,000円)です。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

妊娠したら、NIPTから確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。

お問い合わせはこちら | 妊娠前の保因者検査を見る

仲田洋美 医師

🩺 院長コラム【検査をしないと、何も言えない】

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。家族歴が濃くても原因が見つからないこともあれば、家族歴がほとんどなくても、思いがけない変化が見つかることもあります。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です(遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由)。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。

発達障害の原因を調べることは、誰かを責めるためではありません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。結婚するか、子どもを持つか、出生前診断を受けるか。どの選択も尊重したうえで、知ってから選べるように支えることが、遺伝の専門医の役割だと考えています。

よくある質問

Q1. 発達障害は遺伝しますか?

遺伝は発達障害の大きな要因のひとつです。5か国・約200万人を調べた研究では、自閉スペクトラム症の遺伝率は中央値で約80%と推定されました。ただし遺伝率は「80%の確率で親から子に伝わる」という意味ではありません。原因には、親から受け継ぐ変化だけでなく、お子さんの代で新しく起きた変化(de novo)や環境の影響もあり、ご家族ごとに考え方が変わります。

Q2. 父親と母親、どちらから遺伝しますか?

多くの場合、どちらか一方からとは言えません。家族の関係ごとに自閉スペクトラム症のなりやすさを比べた研究では、母親が同じ異父きょうだいで約3.3倍、父親が同じ異母きょうだいで約2.9倍と、大きな差はありませんでした。一方、X連鎖遺伝の知的障害や脆弱X症候群のように、お母さんの側から男の子に伝わりやすい原因もあります。どちらのせいでもないことがほとんどで、原因がわかると具体的にお答えできます。

Q3. きょうだいやいとこに自閉症の人がいると、子どもも自閉症になりますか?

なるとは限りませんが、一般より確率は上がります。上のきょうだいが自閉スペクトラム症の赤ちゃん1,605人を追った研究では、20.2%が自閉スペクトラム症と診断されました。いとこでは一般の約2倍という報告があります。ご家族がすでに遺伝子検査を受けていて原因がわかっていれば、その結果がいちばんの手がかりになり、あなたが同じ変化を持っているかを調べて確率を具体的に考えられます。原因がわかっていなければ、症状のないあなたご自身を検査します。

Q4. きょうだい児は結婚できない?相手の家族に反対されたら?

きょうだい児だから結婚できない、と決まっているわけではありません。結婚相手の家族が心配するのは、多くの場合、生まれてくるお子さんへの遺伝のことです。遺伝の確率はご家族ごとに違い、症状のないあなたご自身の検査で、発達障害の原因として知られる変化を持っているかや、保因者かどうかがわかることがあります。パートナーと一緒に遺伝カウンセリングを受けて、わかったことをもとに話し合うこともできます。

Q5. 遺伝子検査で発達障害と診断できますか?

できません。自閉スペクトラム症・知的障害・ADHDなどの診断は、医師の診察と心理・発達の検査で行います。遺伝子検査は、診断がついた方や発達の遅れがある方の「原因」を調べる検査です。原因がわかると、合併症への備え、使える支援、次のお子さんの確率、ご家族の検査について考えられるようになります。

Q6. 遺伝子検査で、どれくらい原因がわかりますか?

原因が見つかるのは一部の方です。原因のわからない発達の遅れ・知的障害の方では、従来の染色体検査(Gバンド法)で約3%、染色体マイクロアレイで15〜20%、エクソーム解析で36%と報告されています。エクソーム解析では、発達の症状だけの方で31%、てんかんや先天異常などほかの症状も伴う方で53%でした。昔からある染色体検査と比べると10倍以上で、決して低い数字ではありません。病気の原因と判定された変化が見つかれば、病名・遺伝のしかた・次のお子さんの確率・ご家族が調べるべき変化が、はっきりした事実として決まります。

Q7. どの検査から受ければいいですか?

米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)などの指針では、染色体マイクロアレイと、エクソーム(またはゲノム)解析が最初の検査として勧められています。当院では、症状のあるお子さんには、染色体の変化と脆弱X症候群をまとめて調べる染色体シーケンス解析(可能ならご両親とのトリオ)を、自閉症と知的障害のどちらも気になる場合は689遺伝子と3遺伝子を合わせたセット(363,000円・税込)を中心にご案内しています。迷ったら、遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。

Q8. 何歳から受けられますか?

お子さんの原因を調べる検査は、年齢にかかわらずご相談いただけます。大人になってから発達障害と診断された方や、ご家族に発達障害の方がいる大人の方も受けられます。検体は検査によって血液・唾液・頬の粘膜などで、唾液や頬の粘膜で受けられる検査は、オンライン診療で遺伝カウンセリングを受けたあと、ご自宅で採った検体をお送りいただけます。

Q9. 保険は使えますか?

当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が検査料とは別にかかります。

Q10. 結果が陰性だったら、発達障害の原因はないということですか?

いいえ。陰性は「今回調べた範囲では、原因となる変化が見つからなかった」という意味です。まだわかっていない原因や、その検査では見つけにくい変化もあるためです。陰性のときは、ほかの検査を組み合わせるか、研究の進歩を待って解析し直すかを、遺伝カウンセリングでご相談ください。

🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。発達障害の原因がわかれば、お子さんの合併症への備えや支援だけでなく、次のお子さんの確率や、ご家族の結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Shaw KA, Williams S, Patrick ME, et al. Prevalence and Early Identification of Autism Spectrum Disorder Among Children Aged 4 and 8 Years — Autism and Developmental Disabilities Monitoring Network, 16 Sites, United States, 2022. MMWR Surveill Summ. 2025;74(2):1-22. [CDC MMWR]
  • [2] Bai D, Yip BHK, Windham GC, et al. Association of Genetic and Environmental Factors With Autism in a 5-Country Cohort. JAMA Psychiatry. 2019;76(10):1035-1043. [DOI: 10.1001/jamapsychiatry.2019.1411](PMID: 31314057)
  • [3] Sandin S, Lichtenstein P, Kuja-Halkola R, et al. The Familial Risk of Autism. JAMA. 2014;311(17):1770. [DOI: 10.1001/jama.2014.4144](PMID: 24794370)
  • [4] Miller DT, Adam MP, Aradhya S, et al. Consensus statement: chromosomal microarray is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with developmental disabilities or congenital anomalies. Am J Hum Genet. 2010;86(5):749-764. [DOI: 10.1016/j.ajhg.2010.04.006](PMID: 20466091)
  • [5] Srivastava S, Love-Nichols JA, Dies KA, et al. Meta-analysis and multidisciplinary consensus statement: exome sequencing is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with neurodevelopmental disorders. Genet Med. 2019;21(11):2413-2421. [DOI: 10.1038/s41436-019-0554-6]
  • [6] Manickam K, McClain MR, Demmer LA, et al. Exome and genome sequencing for pediatric patients with congenital anomalies or intellectual disability: an evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2021;23(11):2029-2037. [DOI: 10.1038/s41436-021-01242-6](PMID: 34211152)
  • [7] Ozonoff S, Young GS, Bradshaw J, et al. Familial Recurrence of Autism: Updates From the Baby Siblings Research Consortium. Pediatrics. 2024;154(2):e2023065297. [DOI: 10.1542/peds.2023-065297](PMID: 39011552)

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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