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頭が大きい・大きくなる病気とは?大頭症・過成長の原因と遺伝子検査(47遺伝子)

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

大頭症・過成長症候群の遺伝子検査

「頭が大きい」「頭囲の伸びが大きい」と言われたとき、多くはご家族から受け継いだ体質によるものですが、なかには遺伝子の変化が原因で頭や体が大きく育つ病気(大頭症・過成長症候群)もあります。見た目や頭囲の数字だけでは、どちらなのかを見分けられないことがあります。このページでは、頭が大きくなる原因、発達障害との関係、主な病気と、原因として知られる47の遺伝子を一度に調べる遺伝子検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。原因がわかれば、病名、気をつけたい合併症、次のお子さんで同じことが起こる確率まで、具体的に考えられるようになります。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

大頭症・過成長症候群の原因として知られる47の遺伝子をまとめて調べ、ソトス症候群、PTEN過誤腫症候群、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、ウィーバー症候群、シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群などの原因となる変化がないかを確かめます。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

頭囲が平均より大きく、発達の遅れ・体の大きさ・特徴的な顔立ち・ご家族のがんの多さなどがあり、原因を知りたい方です。頭が大きいだけで必ず必要になる検査ではありません。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・頬の内側の粘膜・唾液で、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、がんなど合併症の検査の計画、ご家族への影響、次のお子さんの確率まで考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることや、陰性でも病気を否定できないこともご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. 頭が大きい・大きくなる病気とは:大頭症の基本

頭囲(頭のまわりの長さ)が、同じ年齢・同じ性別の平均より2標準偏差(2SD)以上大きい状態を「大頭症」といいます。3SDを超えると、臨床的により注意が必要とされます[1]。大頭症は1つの病名ではなく「頭が大きい」という状態を表す言葉で、その原因はご家族ゆずりの体質から、脳の病気、遺伝子の病気までさまざまです。

「2SD」とはどれくらいか

標準偏差(SD)は、ばらつきの大きさを表す目安です。2SDを超えるのは、同じ年齢・性別の子どもの中でおよそ上位2〜3%にあたる大きさです。母子健康手帳などの成長曲線に頭囲を書き込むと、平均からどのくらい離れているか、どのように伸びてきたかがわかります。

親子で頭が大きい場合(家族性の大頭)

頭が大きいこと以外に気になる症状がない場合、半数以上はご家族にも同じ特徴がみられる「家族性」のものと報告されています[1]。そのため、お子さんの頭が大きいときは、ご両親の頭囲も必ず測ることが勧められています[1]。

ただし、「親も頭が大きいから病気ではない」とは言い切れません。このあと説明するPTEN遺伝子の病気(PTEN過誤腫症候群)は、親から子へ伝わる顕性(優性)遺伝の病気で、大頭は94%にみられる、ほぼ必ずある特徴です[4]。親子で頭が大きいことは、体質でも、こうした病気でも起こりうるのです。

頭が大きくなる主な原因

頭が大きくなる原因は、大きく次のように分けられます[1]。

  • ●脳のまわりの液体のすき間が広い:乳児期の大頭の原因として最も多いのは、脳を包むくも膜の下のすき間が一時的に広がる「くも膜下腔の良性拡大」とされています。
  • ●脳の中に液体がたまる:水頭症など。
  • ●脳そのものが大きい(巨脳症):家族性の体質のほか、過成長症候群などの遺伝子の病気、白質脳症や代謝の病気で起こります。

この検査が調べるのは、主に3つ目の「脳そのもの、または体全体が大きく育つ」原因となる遺伝子の変化です。なお、頭囲が急に大きくなっている、吐く・機嫌が悪い状態が続くといった場合は、遺伝子検査より先に、小児科での診察や画像検査が必要です。

2. 過成長症候群とは:頭だけでなく体も大きく育つ病気

過成長症候群は、身長・体重・頭囲などが同じ年齢の子どもより大きく育つことを特徴とする病気のグループで、発達の遅れや知的障害を伴うことがあります。体全体が大きくなるもの、体の一部だけが大きくなるものなど、病気によって育ち方が違います。過成長症候群全体の考え方は過成長症候群(総論)で解説しています。

遺伝子検査で原因が見つかる割合

英国で、知的障害を伴う過成長のある710人を調べた研究では、50%(353人)で原因となる遺伝子の変化が見つかりました。そのうち、遺伝子の働きを調節するしくみに関わる6つの遺伝子(NSD1・EZH2・DNMT3A・CHD8・HIST1H1E・EED)の変化が、全体の44%を占めていました[2]。この6つのうちHIST1H1E以外の5つは、当院のこの検査の対象に含まれています。

裏を返せば、半数の方では原因が見つかっていません。この検査も、すべての原因を調べられるわけではありません(第7章)。

体の一部だけが大きくなるタイプ

体の一部(片方の手足や顔の一部など)だけが大きくなる過成長には、受精後に一部の細胞だけに起きた変化(体細胞モザイク)が原因のものがあります。代表的なPIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)では、血液で調べても見つからないことが多く、注意が必要です(第4章・第7章)。

3. 「頭が大きい」と発達障害・自閉スペクトラム症の関係

頭が大きいからといって、発達障害や自閉スペクトラム症(ASD)があるわけではありません。一方で、大頭と自閉スペクトラム症・発達の遅れの両方を特徴とする遺伝の病気があることも知られています。

「頭が大きい=発達障害」ではありません

第1章のとおり、頭が大きい子どもの多くは体質によるものです。頭囲の大きさだけで発達の見通しを判断することはできません。発達のことが気になるときは、頭囲だけでなく、言葉・運動・人との関わりの様子をあわせて、小児科や発達の専門家にご相談ください。

自閉症と大頭を伴う遺伝の病気:PTENとCHD8

PTEN遺伝子の変化による病気(PTEN過誤腫症候群)と診断された子どもの約半数に、自閉スペクトラム症や発達の遅れがあると報告されています[4]。また、自閉スペクトラム症があり、頭囲がとても大きい(平均より2.5〜8.0SD大きい)18人を調べた研究では、3人(17%)にPTEN遺伝子の変化が見つかりました[6]。ただし、これは少人数の研究で、頭囲がとくに大きい方に限った結果です。

CHD8遺伝子の変化による自閉症と大頭症を伴う知的発達障害(IDDAM)も、名前のとおり自閉スペクトラム症と大頭を特徴とします。CHD8は、先ほどの過成長の研究で多く見つかった6つの遺伝子のひとつでもあります[2]。

PTEN過誤腫症候群は、大人になってからのがんのリスクにも関わる病気です(第4章)。自閉スペクトラム症と大頭がある場合に原因を調べることは、お子さんご本人の将来の健康管理だけでなく、同じ変化をもつかもしれないご家族の健康管理にもつながります。

発達のことが中心の場合の検査の選び方

大頭よりも発達の遅れや自閉スペクトラム症が中心で、病気をしぼりきれない場合は、自閉症遺伝子検査や発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査のほうが合うことがあります。選び方は第5章の表にまとめました。

4. 大頭症・過成長症候群の主な病気

この検査で調べる代表的な病気は、ソトス症候群、PTEN過誤腫症候群、基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群)、ウィーバー症候群、シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群などです。病気によって、気をつけたい合併症や遺伝のしかたが大きく違います。

ソトス症候群(NSD1遺伝子)

ソトス症候群は、特徴的な顔立ち、学習の困難、過成長の3つを主な特徴とする病気で、多くの方で生まれつき頭が大きいことがみられます[3]。原因はNSD1遺伝子の変化、またはNSD1を含む染色体の一部の欠失です。約95%は、ご本人で新しく起きた変化によるものです[3]。腫瘍は約3%にみられると報告されています[3]。

日本人のソトス症候群では、NSD1を含む5番染色体の一部(5q35)の微細な欠失が多いことが知られています[3]。難病情報センターでは、約半数が欠失型、1〜2割がNSD1遺伝子の中の変化(変異型)と説明されています(2026年10月時点で確認)。欠失型を含めて調べられるかどうかは、第7章で説明します。

PTEN過誤腫症候群(PTEN遺伝子)

PTEN過誤腫症候群は、カウデン症候群などを含む病気のまとまりで、過誤腫(組織が過剰に育ってできるこぶ)や、いくつかのがんのリスクが高くなることが特徴です。大頭は94%にみられ、頭囲が平均より5SD以上大きいことも多いとされています[4]。

PTEN遺伝子に病的な変化をもつ368人を含む研究では、一生のうちにがんになる確率(生涯リスク)が、女性の乳がんで85.2%、甲状腺がんで35.2%、子宮体がんで28.2%、腎細胞がんで33.6%、大腸がんで9.0%、悪性黒色腫で6%と推定されました[5]。最新のGeneReviewsでは、乳がん85〜91%、子宮体がん28〜48%、甲状腺がん33〜35%、腎細胞がん30〜35%などの幅で示されています[4]。これらのがんは、定期的な検査で早く見つけることを目指せます。だからこそ、原因を知ることに意味がある病気です。

基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群・PTCH1遺伝子)

基底細胞母斑症候群は、皮膚の基底細胞がんが多発しやすく、あごの骨の嚢胞などを伴う病気です。有病率は1万8,976人〜3万827人に1人と推定され、実際はもっと多い可能性があるとされています[7]。PTCH1遺伝子が原因の場合、大頭は90%を超える方にみられます[7]。

子どもの脳腫瘍である髄芽腫のリスクは、PTCH1が原因の場合は2%未満、SUFU遺伝子が原因の場合は33%と、原因の遺伝子によって大きく違います[7]。なお、SUFU遺伝子はこの検査の対象に含まれていません。また、この病気では不要な放射線をできるだけ避けることが勧められており、とくに子どもでは、ほかに治療法があれば放射線治療を避けるべきとされています[7]。診断がついていることで、こうした配慮を医療の場で伝えられます。

ウィーバー症候群(EZH2遺伝子)

ウィーバー症候群(EZH2関連過成長)は、高身長、大頭、知的発達の程度に幅があることなどを特徴とする、常染色体顕性(優性)遺伝の病気です[8]。神経芽腫という腫瘍が起こる頻度が高くなると報告されています[8]。原因はEZH2遺伝子の変化です。

シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群(GPC3遺伝子)

シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群1型は、GPC3遺伝子の変化によるX連鎖遺伝の過成長症候群で、主に男の子に症状が出ます。腫瘍のリスクは15.8%と推定され、多いのは肝芽腫とウィルムス腫瘍(腎芽腫)です[9]。変化をもつ女性(保因者)にも症状が出ることがあります。お母さんが変化をもつ場合、妊娠ごとに2分の1の確率でお子さんに受け継がれます[9]。

PIK3CA関連過成長スペクトラム(PIK3CA遺伝子)

PIK3CA関連過成長スペクトラムは、体の一部の過成長や大頭(巨脳症)、血管の異常などを起こす病気のまとまりです。原因の多くは、受精後に一部の細胞だけに起きた変化(体細胞モザイク)で、親から受け継ぐことは知られていません[10]。今の技術では血液での検査は勧められておらず、症状のある部分の皮膚などの組織を調べる必要があります[10]。そのため、この病気が強く疑われる場合は、この検査よりも、組織を使った検査を考えます(第5章・第7章)。

そのほかの病気

このほか、結節性硬化症(TSC1・TSC2遺伝子)、ベックウィズ・ヴィーデマン症候群(CDKN1C遺伝子・H19)、マラン症候群(NFIX遺伝子)、タットン・ブラウン・ラーマン症候群(DNMT3A遺伝子)、アレキサンダー病(GFAP遺伝子)、カナバン病(ASPA遺伝子)など、さまざまな病気の原因遺伝子を調べます。全体は第6章の表をご覧ください。

5. どんな人がこの検査を受けるとよいか

大頭や過成長があり、ほかの症状やご家族の情報から遺伝子の病気が考えられる方、原因を知って今後の健康管理や家族計画に役立てたい方に向く検査です。見た目や頭囲だけでは判断できないことが多いので、迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。

こんなときに検査を考えます

  • ●頭囲が平均より2SD以上大きく、発達の遅れ・知的障害・自閉スペクトラム症・けいれんなどがある
  • ●身長や体重も同じ年齢の子どもよりかなり大きく育っている
  • ●特徴的な顔立ち、多指症など手足の特徴、生まれつきの心臓や腎臓の病気など、ほかの特徴がある
  • ●ご本人やご家族に大頭があり、ご家族に若い年齢での乳がん・甲状腺がん・子宮体がんなどが多い(PTEN過誤腫症候群が考えられる場合)
  • ●ソトス症候群・ウィーバー症候群などの病名が臨床的に疑われ、原因の遺伝子を確かめたい
  • ●次のお子さんを考えていて、上のお子さんの原因を知っておきたい

原因がわからないまま過ごす時間を短くする

欧州で希少疾患の当事者6,507人に尋ねた調査では、診断がつくまでに平均4.7年かかっていました[11]。大頭・過成長に関わる病気は種類が多く、病名ごとに1つずつ遺伝子を調べていくと時間がかかります。この検査では47の遺伝子を一度に調べるため、原因がわからないまま病院を回る時間を、短くできる可能性があります。

ただし、全員に診断がつくわけではありません。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)でも、遺伝学的な解析を終えた家系のうち診断が確定したのは43.8%でした[12]。原因が見つからなかった場合も、次の検査の選択肢があります(第8章)。

見た目や家族歴だけでは判断できません

第1章のとおり、親子で頭が大きいことは、体質でも、PTEN過誤腫症候群のような病気でも起こります。また、ソトス症候群の約95%のように、ご家族に同じ病気の方がいなくても、お子さんで新しく起きた変化が原因のこともあります[3]。「家族に病気の人はいないから」「親も頭が大きいから」という見た目の印象だけでは、どちらなのかを決められません。

この検査より別の検査が向いている場合

大頭・過成長が中心で遺伝性疾患が疑われる場合、この47遺伝子パネルが検査の選択肢になります。ただし、症状によっては次の検査のほうが向いていることがあります。比べる相手は検査の種類で、どれが合うかは遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
大頭・過成長が中心で、ほかの特徴もある このページの検査(47遺伝子)
頭が大きく、MRIで脳の白質に異常がある 白質脳症NGS遺伝子検査
結節性硬化症が疑われる 結節性硬化症NGSパネル遺伝子検査
ヌーナン症候群などが疑われる Noonan症候群・RASopathies遺伝子パネル検査
発達の遅れや自閉スペクトラム症が中心で、病気をしぼれない 自閉症遺伝子検査/発達障害・学習障害・知的障害遺伝子検査/X連鎖知的障害NGS遺伝子パネル検査
症状が多くの臓器にわたり、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)
染色体の一部の欠失・重複と、その範囲を確かめたい マイクロアレイ染色体検査(CMA)
体の一部だけが大きい(PIK3CA関連が疑われる) 症状のある部分の組織を使った検査(この検査は向きません)

※どの検査が合うかは、症状・診察所見・画像検査・ご家族の情報で変わります。

\ 原因がわかれば、次の一手が決まります /

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唾液・頬の内側の粘膜の検体なら、オンライン診療で遺伝カウンセリングから検査まで受けられます。

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6. 調べる47遺伝子と、それぞれでわかる病気

この検査では、大頭症・過成長症候群に関わる47の遺伝子をまとめて調べます。遺伝のしかたは、親から子へ2分の1で伝わる常染色体顕性(優性)遺伝、ご両親がともに保因者のときに4分の1で起こる常染色体潜性(劣性)遺伝、X染色体にある遺伝子によるX連鎖遺伝、遺伝子が父母どちらから来たかで働きが変わるゲノムインプリンティングが関わるものなど、遺伝子によって違います。

🧬 大頭症・過成長症候群 遺伝子検査で調べる47遺伝子

遺伝子 関係する主な病気 遺伝のしかた
AKT1 プロテウス症候群 体細胞モザイク(受精後に起きる変化)
AKT3 巨脳症・多小脳回・多指・水頭症症候群2型(MPPH2) 常染色体顕性
ASPA カナバン病 常染色体潜性
ASXL2 シャシ・ペーナ症候群 常染色体顕性
BRWD3 X連鎖知的発達障害93 X連鎖
CCND2 巨脳症・多小脳回・多指・水頭症症候群3型(MPPH3) 常染色体顕性
CDKN1C ベックウィズ・ヴィーデマン症候群 常染色体顕性(ゲノムインプリンティングが関わる)
CHD8 自閉症と大頭症を伴う知的発達障害(IDDAM) 常染色体顕性
CUL4B カベサス型X連鎖性症候性知的発達障害 X連鎖潜性
DHCR24 デスモステロール症(大頭の場合と小頭の場合がある) 常染色体潜性
DIS3L2 パールマン症候群 常染色体潜性
DNMT3A タットン・ブラウン・ラーマン症候群 常染色体顕性
EED コーエン・ギブソン症候群 常染色体顕性
EIF2B5 白質消失病 常染色体潜性
EZH2 ウィーバー症候群 常染色体顕性
GFAP アレキサンダー病 常染色体顕性
GLI3 グレイグ頭蓋多合指趾症候群、パリスター・ホール症候群 常染色体顕性
GPC3 シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群1型 X連鎖潜性
GPSM2 チャドリー・マッカロー症候群(水頭症を伴う) 常染色体潜性
GRIA3 GRIA3関連神経発達症(Wu型X連鎖症候性知的発達症) X連鎖潜性
H19 ベックウィズ・ヴィーデマン症候群、シルバー・ラッセル症候群 インプリンティング異常が関与(通常のNGS配列解析だけではメチル化異常を検出できない)
HEPACAM 皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症2A型・2B型 2A型は常染色体潜性、2B型は常染色体顕性
HERC1 大頭症・特徴的顔貌・精神運動発達遅滞 常染色体潜性
HUWE1 ターナー型X連鎖性症候性知的発達障害 X連鎖
KIF7 アクロカロサル症候群 常染色体潜性
KRAS ヌーナン症候群3型、心臓顔面皮膚症候群2型(CFC2) 常染色体顕性
L1CAM X連鎖性水頭症、MASA症候群 X連鎖潜性
MED12 オピッツ・カヴェッジャ症候群(FG症候群)、ルジャン・フリンス型X連鎖性知的発達障害 X連鎖潜性
MLC1 皮質下嚢胞をもつ大頭型白質脳症1型 常染色体潜性
MPDZ 先天性水頭症2型 常染色体潜性
MTOR スミス・キングスモア症候群 常染色体顕性
NFIX マラン症候群、マーシャル・スミス症候群 常染色体顕性
NSD1 ソトス症候群 常染色体顕性
OFD1 口顔指症候群1型、シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群2型 口顔指症候群1型はX連鎖顕性、シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群2型はX連鎖潜性
PIGA 多発先天奇形・筋緊張低下・けいれん症候群2型 X連鎖潜性
PIK3CA PIK3CA関連過成長スペクトラム(PROS)、カウデン症候群5型 体細胞モザイク(受精後に起きる変化)
PIK3R2 巨脳症・多小脳回・多指・水頭症症候群1型(MPPH1) 常染色体顕性
PTCH1 基底細胞母斑症候群(ゴーリン症候群) 常染色体顕性
PTEN PTEN過誤腫症候群(カウデン症候群など) 常染色体顕性
RAB39B X連鎖知的発達障害72・ワイスマン症候群 X連鎖潜性
RNF125 テノリオ症候群 常染色体顕性
RNF135 過成長・大頭・特徴的顔貌(病気との関係はまだ研究段階) 報告では常染色体顕性
SYN1 X連鎖てんかん1型(学習障害・行動の問題を伴う) X連鎖潜性
TBC1D7 常染色体潜性の大頭症・巨脳症(知的障害を伴う) 常染色体潜性
TSC1 結節性硬化症1型 常染色体顕性
TSC2 結節性硬化症2型 常染色体顕性
UPF3B X連鎖症候性知的発達障害14 X連鎖潜性

※遺伝子の一覧は当院の検査内容による。関係する病気と遺伝のしかたは、OMIM・Orphanet・GeneReviewsなどで確かめた代表的なものを載せています。1つの遺伝子がほかの病気にも関わることがあります。

7. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、47の遺伝子の中の小さな変化(遺伝子の文字が1つ変わる、少し欠ける・入り込むなど)と、遺伝子1つ分や2つ以上の連続したエクソンの大きさの欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

わかること

  • ●遺伝子の小さな変化:たんぱく質の設計図にあたる部分(コード領域)と、その境目(スプライス部位)を読みます。調べる範囲の99%以上を、同じ場所を20回以上くり返し読む精度で確かめています。くり返し読むほど、読み間違いを見分けやすくなります。
  • ●欠失・重複:遺伝子1つ分がまるごと欠ける・増える変化(血液・頬の粘膜の検体)と、2つ以上の連続したエクソンの欠失・重複(血液の検体のみ)を調べます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

💡 ソトス症候群の欠失型について

日本人に多い5q35の微細欠失はNSD1遺伝子をまるごと含むため、この検査の欠失の解析で見つかる可能性があります。ただし、この検査では欠失が染色体のどこからどこまで及んでいるか(範囲)まではわかりません。範囲を確かめるには、マイクロアレイ染色体検査が向いています。GeneReviewsでも、ソトス症候群の診断には遺伝子の配列を読む方法と、欠失を調べる方法の両方が使われています[3]。

わからないこと

  • ●調べていない遺伝子:47遺伝子以外の原因(たとえば過成長に関わるHIST1H1Eや、基底細胞母斑症候群のSUFU)は調べていません。
  • ●1つのエクソンだけの欠失・重複:見つかることもありますが、日常的には検出できません。
  • ●そのほかの変化:染色体の一部が入れ替わる変化(転座・逆位)、同じ配列のくり返しが長くなる変化、遺伝子の働きを調節する部分や、エクソンから離れたイントロンの奥の変化は調べていません。また、似た配列が別の場所にある部分では、読み分けが難しいことがあります。
  • ●モザイク:この検査は、体の一部の細胞だけにある変化(体細胞モザイク)を見つけることを目的に作られていません。とくにPIK3CAの変化の多くはモザイクのため、この検査で見つからなくても、PIK3CA関連過成長スペクトラムを否定できません[10]。腫瘍の組織での検査もできません。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。オプションで、VUSを結果の報告から除くこともできます(無料)。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、この検査で調べられない原因が残る可能性があります。

8. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。陽性・陰性・VUSのそれぞれで、次にできることが違います。

陽性だったとき:病名がわかり、次の一手が決まる

原因がわかると、病名がはっきりし、何に気をつけて過ごせばよいかが決まります。米国臨床遺伝学会(ACMG)の系統的レビューでは、エクソーム・ゲノム検査を扱った167の研究のうち95%が、患者さんやご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告していました(多くは少人数の症例報告です)[13]。

この検査で調べる病気では、たとえば次のような「次の一手」があります。

  • ●PTEN過誤腫症候群:乳がん・甲状腺がん・子宮体がん・腎細胞がんなどを早く見つけるための定期的な検査を計画する[4]
  • ●基底細胞母斑症候群:不要な放射線を避けるよう医療の場で伝え、主治医と定期的な診察の計画を立てる[7]
  • ●シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群:肝芽腫やウィルムス腫瘍に備えた検査を考える[9]
  • ●ソトス症候群・ウィーバー症候群など:病名に合わせた合併症の確認や、療育・学校生活の支援を考える。指定難病・小児慢性特定疾病の対象になる病気もあります(第9章)

具体的な検査の内容や時期は、病名が決まったあとに、小児科・各診療科の主治医と相談して決めていきます。

ご家族への影響と、ご家族が検査を受けるとき

あなたの1回の検査が、ご両親・きょうだい・お子さんが自分の状態を知る手がかりになります。とくにPTEN過誤腫症候群や基底細胞母斑症候群のような常染色体顕性(優性)遺伝の病気では、ご両親のどちらかが同じ変化をもっていることがあります。基底細胞母斑症候群では70〜80%が親から受け継いでいます[7]。PTEN過誤腫症候群では、新しく起きた変化は10〜44%とされ、残りはご家族から受け継いでいます[4]。

お子さんの検査をきっかけに、親御さんご自身が同じ変化をもっているとわかることもあります。症状がほとんどなかった親御さんでも、がんの検査を早く始められるなど、ご自身の健康管理に役立てることができます。ご家族の中で原因がわかっていれば、ほかのご家族は同じ場所を調べることで、受け継いでいるかどうかを確かめられます。

次のお子さんで同じことが起こる確率

原因がわかれば、次のお子さんで同じ病気が起こる確率を、遺伝のしかたに合わせて具体的に考えられます。

  • ●親御さんのどちらかが同じ変化をもつ(常染色体顕性遺伝):お子さん1人ごとに2分の1です。
  • ●ご両親とも保因者(常染色体潜性遺伝):お子さん1人ごとに4分の1です。
  • ●お母さんが変化をもつ(X連鎖遺伝):妊娠ごとに2分の1の確率で変化が受け継がれ、症状が出るのは主に男の子です(シンプソン・ゴラビ・ベーメル症候群1型など)[9]。
  • ●お子さんで新しく起きた変化(de novo):ご両親の血液で同じ変化が見つからなければ、次のお子さんの確率は低いとされます。ただし、ゼロではありません。

⚠️ 「新しく起きた変化だから次は大丈夫」とは言えません

ご両親の血液では見つからなくても、卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「性腺モザイク」のことがあります。ソトス症候群でも、この可能性があるため、きょうだいの確率は「高くはないが一般より高い」と考えられています[3]。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率でその変化をもちますが、生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは人によって違い、実際の診療ではわかりません。血液で測った割合も、生殖細胞の割合の目安にはなりません。そのため、次のお子さんへの確率は「最大で2分の1」と考えます。

お子さんで新しく起きた変化だとわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

陰性だったとき

47遺伝子のどれにも原因となる変化が見つからなかった場合は、ここで調べた病気の可能性は低くなりますが、ゼロにはなりません(第7章)。症状に合わせて、全エクソーム検査やマイクロアレイ染色体検査、体の一部だけが大きい場合は組織を使った検査などを考えます。家族性の大頭が考えられる場合は、成長と発達の経過を見ていくことになります。

意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったとき

VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。扱い方はVUS(意義不明変異)の臨床的取り扱いで、結果の伝え方の方針は二次的所見の開示方針で解説しています。

次の妊娠を考えている方:出生前診断と保因者検査

原因がわかっていれば、次の妊娠で、赤ちゃんが同じ変化をもっているかを調べる出生前診断を計画できます。原因がわからないままでは、出生前に何を調べればよいかを決められません。当院では、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています(2025年6月から産婦人科を併設)。

常染色体潜性遺伝やX連鎖遺伝の病気が原因だった場合、パートナーの方やほかのご家族が保因者かどうかを知ることも、家族計画の手がかりになります。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子・男性版714遺伝子など)の対象かどうかは、遺伝子一覧でご確認ください。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」もあります(単独では受けられません)。

また、当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)で調べる病気には、ソトス症候群が含まれています。ただし、日本人に多い5q35欠失型のソトス症候群は、当院のNIPTの対象外です。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTで陽性だった場合は、確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。

9. 日本の制度(2026年10月時点)

この検査で調べる病気のうち、ソトス症候群(指定難病194)、結節性硬化症(指定難病158)、アレキサンダー病(指定難病131)は指定難病です。難病情報センター・厚生労働省の一覧で確認しました(2026年10月時点)。

小児慢性特定疾病では、「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」の対象疾病の一覧に、ソトス症候群とウィーバー症候群が掲載されています(小児慢性特定疾病情報センターの資料で確認)。そのほかの病気が対象になるかは、病名ごとに異なります。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。病名がはっきりしていることは、こうした制度を利用するときの手がかりにもなります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

なお、当院のこの検査は自費診療で、保険は使えません。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・頬の内側の粘膜・唾液で、いずれもオンライン診療で受けられます。

ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医・オンライン可
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検体の採取キットは支払い後に送付
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 47遺伝子(遺伝子の配列と欠失・挿入。料金に含まれます)
検査費用 税込330,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
オプション 至急(結果までの期間が約7日短くなります):55,000円
VUS除外(意義がまだわからない変化を報告から除く):無料
検体 血液(EDTAチューブ4ml×2本、紫色のキャップ)、抽出したDNA(3μg)、頬の内側の粘膜(スワブ)、唾液(採取キットをお送りします)
オンライン診療 唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれもオンライン診療で受けられます。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします

※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える状態で届くようにするため、ご自身の判断で先に検体を採取しないでください。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因がわかれば、次の妊娠での出生前診断(羊水検査・絨毛検査)まで院内で計画できます。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「頭が大きいだけ」と決めずに、知ってから考える】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

大頭は、体質のこともあれば、PTEN過誤腫症候群のように、ご本人だけでなく親御さんのがんの早期発見にまでつながる病気のサインのこともあります。親子で頭が大きいことは「体質だから大丈夫」の理由にも、「病気かもしれない」の理由にもなりえます。だからこそ、見た目の印象だけで決めてしまわないでほしいと考えています。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因がわかれば、次のお子さんを考えるときに出生前診断まで当院で続けて支えられます。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 頭が大きいのは遺伝ですか?

頭が大きいこと以外に気になる症状がない場合、半数以上はご家族にも同じ特徴がみられる家族性のものと報告されています。ただし、PTEN過誤腫症候群のように、親から子へ伝わる遺伝子の病気でも親子で頭が大きくなることがあります。体質か病気かは見た目だけでは決められないため、ご両親の頭囲もあわせて確かめます。

Q2. 頭が大きい子どもは障害があるのでしょうか?

頭が大きいからといって、障害や発達障害があるわけではありません。多くは体質によるものです。一方で、発達の遅れや自閉スペクトラム症と大頭の両方を特徴とする遺伝の病気もあります。発達のことが気になる場合は、頭囲だけでなく、言葉・運動・人との関わりの様子もあわせて小児科などでご相談ください。

Q3. 自閉スペクトラム症で頭が大きいのはなぜですか?

自閉スペクトラム症と大頭の両方を起こす遺伝子の病気があるためと考えられています。PTEN遺伝子の病気と診断された子どもの約半数に自閉スペクトラム症や発達の遅れがあると報告され、CHD8遺伝子の変化による病気も自閉症と大頭を特徴とします。ただし、自閉スペクトラム症の方の頭が大きい理由は一人ひとり違い、すべてが遺伝子の病気によるものではありません。

Q4. 大頭症の寿命はどれくらいですか?

大頭症は1つの病名ではなく「頭が大きい」という状態を表す言葉なので、寿命は原因によって違います。家族性の大頭であれば、それだけで寿命に影響するとは考えられていません。難病情報センターでは、ソトス症候群は寿命が短い病気ではないとされています。一方、PTEN過誤腫症候群のようにがんのリスクが高くなる病気もあるため、原因を知って健康管理を計画することが大切です。

Q5. NIPTで大頭症・過成長症候群はわかりますか?

当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)で調べる病気にはソトス症候群が含まれていますが、日本人に多い5q35欠失型のソトス症候群は対象外です。そのほかの多くの大頭症・過成長症候群は、NIPTでは調べられません。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。上のお子さんの原因がわかっていれば、羊水検査・絨毛検査で赤ちゃんを調べる出生前診断を計画できます。

Q6. 検査で原因が見つからなければ、病気ではないのですか?

いいえ、陰性でも病気を完全には否定できません。この検査で調べていない遺伝子や、検出できない種類の変化(体の一部の細胞だけにある変化など)が原因のこともあります。症状に合わせて、全エクソーム検査やマイクロアレイ染色体検査など、次の検査を考えます。

Q7. 保険は使えますか?

当院のこの検査は自費診療で、保険は使えません。検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

Q8. 唾液でも受けられますか?オンラインでも受けられますか?

はい。検体は血液・頬の内側の粘膜・唾液のいずれかで、どれもオンライン診療で受けられます。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは検査料金のお支払い後にお送りします。

🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。大頭症・過成長症候群の原因がわかれば、お子さんの合併症への備えだけでなく、ご家族の健康管理や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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