この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

先天性大脳白質形成不全症(低髄鞘性白質ジストロフィー)の遺伝子検査は、MRIで「髄鞘ができていない」「髄鞘化が遅れている」と言われたお子さんの原因を、ペリツェウス・メルツバッハ病の原因遺伝子PLP1を含む64遺伝子で一度に調べる検査です。原因の型がわかると、これからの見通し、気をつけたい合併症、ご家族が保因者かどうか、次の妊娠でどう備えられるかを、具体的に考えられるようになります。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、お子さんとご家族のこれからに、ずっと使える情報になります。このページでは、症状・寿命の見通し・遺伝する確率と、この遺伝子検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
先天性大脳白質形成不全症(低髄鞘性白質ジストロフィー)の原因になる64遺伝子を一度に調べ、ペリツェウス・メルツバッハ病(PLP1)、4H型(POLR3A・POLR3B)などの低髄鞘性疾患に加え、白質消失病(EIF2B1〜5)など白質の異常を起こす関連疾患の原因も調べます。治療法のある代謝の病気が見つかることもあります。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
MRIで髄鞘化の遅れや髄鞘形成不全を言われた方、目の揺れ(眼振)と発達の遅れがあるお子さん、ご家族にこの病気の方がいるお母さん・きょうだいの方です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、ご家族の検査や次の妊娠での出生前診断まで考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. 先天性大脳白質形成不全症(低髄鞘性白質ジストロフィー)とは
先天性大脳白質形成不全症は、脳と脊髄の神経をおおう「髄鞘(ずいしょう)」が、生まれつき十分につくられないために起こる病気のグループです。英語では hypomyelinating leukodystrophy といい、日本語では低髄鞘性白質ジストロフィー、大脳白質形成不全症とも呼ばれます。国際的な総説は、この病気のグループを「髄鞘の沈着が最初から足りないこと」を特徴とする、遺伝性の白質の病気の一部と位置づけています[1]。
小児慢性特定疾病情報センターによると、国内の疫学調査では出生10万人あたり0.78人が発症し、そのうち0.26人がペリツェウス・メルツバッハ病で、国内の患者数は約200人と考えられています。代表的な病気はペリツェウス・メルツバッハ病で、関連する11の病気が見つかっています(2026年10月時点で確認)。
髄鞘(ミエリン)とは:神経の電線をおおうカバー
髄鞘(ミエリン)は、神経の信号を伝える細い線(軸索)に何重にも巻きついたカバーです。電線のビニールの被覆のように、信号がもれずに速く伝わるのを助けています。脳の中で髄鞘をつくっているのは、オリゴデンドロサイトという細胞です。髄鞘が集まっている場所はMRIなどで白っぽく見えるため、「白質」と呼ばれます。
ふつうの神経軸索を髄鞘がしっかりおおう
▶
低髄鞘性(形成不全)髄鞘が最初から十分にできない
▶
脱髄型いったんできた髄鞘が壊れていく
赤ちゃんの脳では、髄鞘は生まれたあと数年かけて少しずつつくられていきます(髄鞘化)。MRIで「髄鞘化遅延」と言われるのは、年齢にくらべて髄鞘のでき方が遅れているという意味です。時間をおいてもう一度MRIを撮り、それでも髄鞘が育っていないときに、低髄鞘性(髄鞘形成不全)の病気を考えます。
主な症状と、いつわかるか
多くは生後1年以内に、発達の遅れと、目が細かく揺れる「眼振(がんしん)」で気づかれます。難病情報センターは、この2つを早くからみられる症状として挙げ、手足のつっぱり(痙性)がしだいに目立つようになること、多くの方で自由に話したり歩いたりすることが難しいことを説明しています(2026年10月時点で確認)。
ペリツェウス・メルツバッハ病では、古典型の眼振は生後2か月以内に、症状の強い先天型(コナタール型)では生まれたときから出るとされています。ただし、眼振が生後数か月まで気づかれないことや、まれに眼振が出ない方もいます[2]。症状の出方は、原因の遺伝子と型によって大きく違います。
寿命・見通しは型によって大きく違う
先天性大脳白質形成不全症の寿命は、原因の型によって大きく違い、ひとことで言うことはできません。小児慢性特定疾病情報センターは、最も多いペリツェウス・メルツバッハ病では10〜20歳代からゆっくりとした退行が始まる一方、長期的な予後はまだわかっていないとしています。難病情報センターも、急激に病気が進むことはないと説明しています(2026年10月時点で確認)。
遺伝性疾患の解説書GeneReviewsには、ペリツェウス・メルツバッハ病の古典型で50〜60歳代まで生きた方の記載があり、先天型でも、丁寧なケアのもとで20歳代かそれ以上まで生きる方がいるとされています[2]。原因の型がわかると、見通しをより具体的に考えられるようになります。これが、遺伝子検査で型を確かめる大きな理由のひとつです。
「髄鞘が壊れていく」白質ジストロフィー(副腎白質ジストロフィーなど)との違い
白質ジストロフィーは、脳の白質に病気が起こる遺伝性の病気をまとめた呼び名です。その中に、髄鞘が最初から十分につくられない「低髄鞘性」と、いったんできた髄鞘が壊れていく「脱髄型」があります。副腎白質ジストロフィーや異染性白質ジストロフィーは、脱髄型の代表です。
どちらの型が疑われるかで、選ぶ遺伝子検査が変わります。脱髄型を含めて白質の病気を広く調べたい場合は、白質脳症の遺伝子検査(69遺伝子)が向いています(3章の表)。
2. 遺伝子検査で原因の型がわかると、何が変わるか
原因の型がわかると、病名がはっきりし、見張るべき合併症・避けたいこと・使える制度・ご家族への影響が決まります。同じ「髄鞘ができていない」というMRIの所見でも、原因の遺伝子によって、その後に気をつけることはまったく違います。
原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性もあります。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、2021年3月までに全エクソーム解析を受けた5,136家系のうち2,247家系(43.8%)で診断が確定しました[6]。これは対象を限らない未診断の病気全体の数字で、この病気だけの数字ではありません。国際的な総説では、低髄鞘性白質ジストロフィーでは次世代シーケンサーによる検査で80〜90%の方に確定診断がつくとされています[1]。一方、日本の公的な資料では、臨床的にこの病気と診断された方の約3分の1で、今の遺伝子検査では原因が見つかっていないとされています(小児慢性特定疾病情報センター、2026年10月時点)。全員に診断がつくわけではありませんが、陰性でも次の選択肢があります(5章)。
また、エクソーム・ゲノム検査について米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)がまとめた系統的レビューでは、検査結果が患者さんやご家族の診療方針に影響する場合があると報告されています[7]。影響の中身や大きさは研究ごとに違いますが、「名前がつくと、次の一手が決まる」ことがあるという考え方の裏づけのひとつです。
ペリツェウス・メルツバッハ病(PLP1)と類縁の病気
ペリツェウス・メルツバッハ病は、X染色体にあるPLP1遺伝子の変化で起こる、この病気のグループの代表です。難病情報センターも、原因として最も多いのはPLP1遺伝子の変化だとしています(2026年10月時点)。PLP1の病気では、遺伝子の量が増える「重複」が最も多く、GeneReviewsでは、原因の60〜70%が遺伝子の欠失・重複を調べる解析で、30〜40%が遺伝子の配列を読む解析で見つかるとされています。遺伝子まるごとの欠失は2%未満です[2]。
ペリツェウス・メルツバッハ病によく似た症状で、常染色体潜性(劣性)遺伝をする病気もあり、GJC2遺伝子の変化によるペリツェウス・メルツバッハ様病がその代表です。症状だけでは見分けにくいため、遺伝子検査で区別します。お子さんの性別や遺伝のしかたが違うと、ご家族への影響も変わります(6章)。
型によって見張ること・避けたいことが違う
同じ白質の病気でも、原因の型ごとに、気をつけたい合併症や生活の注意が違います。GeneReviewsに書かれている主な例は次のとおりです。
- ●4H型(POLR3関連白質ジストロフィー):POLR3A・POLR3Bの変化で起こり、歯の生え方の異常、思春期が来ない・遅れる(低ゴナドトロピン性性腺機能低下症)、進む近視を伴うことがあります。歯科・内分泌(ホルモン)・眼科で定期的に診てもらうことが勧められています[3]。
- ●白質消失病:EIF2B1〜EIF2B5の変化で起こり、熱の出る病気、軽い頭のけが、大きな手術、強い恐怖などのあとに急に悪くなることがあります。接触の多いスポーツ、頭のけが、感染症、高い体温、できれば大きな手術を避けることが勧められています[4]。
- ●ペリツェウス・メルツバッハ病:熱が出ると一時的に神経の症状が悪くなることがあるとされます。神経・リハビリ・整形外科・呼吸器・消化器など多くの診療科で支えることが望ましく、6〜12か月ごとの神経の診察などが目安とされています[2]。
- ●低髄鞘性白質ジストロフィー6型(H-ABC):TUBB4Aの変化で起こる型です。くわしくはH-ABCの疾患ページをご覧ください。
治療法がある病気が、白質の異常として見つかることもある
このパネルには、髄鞘そのものの病気だけでなく、脳の白質に変化が出る代謝の病気の遺伝子も入っています。その中には、治療法がある病気も含まれます。たとえばCYP27A1遺伝子の変化で起こる脳腱黄色腫症では、MRIで大脳・小脳の白質に変化がみられることがあり、ケノデオキシコール酸という薬を長く使う治療があります。GeneReviewsは、症状が出る前に治療を始めると症状を防げると考えられ、早く始めるほど効果が期待できるとしています[5]。
このように、「白質の病気だから、わかっても何もできない」とは限りません。どの病気に治療法があり、日本でどう使えるかは病気ごとに違うため、結果が出たあとは、小児神経科などの専門の医療機関で治療や管理の方針を相談していただきます。当院は治療を行っていませんが、結果の意味とご家族への影響を臨床遺伝専門医がご説明します。
3. どんな人がこの検査を受けるとよいか
MRIで髄鞘化の遅れや髄鞘形成不全を言われ、原因を知りたいご家族に向く検査です。見た目や症状だけでは、どの型かを決められないことが多いので、迷ったら、まず遺伝カウンセリングで状況をお聞かせください。
この検査を受けるとよい方
- ●MRIで「髄鞘化遅延」「髄鞘形成不全」「白質の信号の異常」を言われ、時間をおいた再検査でも髄鞘が育っていないと言われたお子さん
- ●目の揺れ(眼振)、首すわり・おすわり・歩行の遅れ、手足のつっぱり(痙性)、ふらつきがあるお子さん
- ●ご兄弟やご親戚に、先天性大脳白質形成不全症やペリツェウス・メルツバッハ病の方がいるご家族
- ●ペリツェウス・メルツバッハ病のお子さんがいて、お母さん・お姉さん・妹さんが保因者かどうかを知りたい方(6章・7章)
- ●ほかの遺伝子検査や染色体検査で、原因がわからなかった方
この検査より別の検査が向いている場合
MRIで髄鞘形成不全が疑われる場合はこの検査が候補となり、脱髄性の変化や幅広い白質疾患が疑われる場合は白質脳症の遺伝子検査が候補となります。MRIでの髄鞘形成不全と脱髄の区別ははっきり分けられないこともあるため、どちらが合うかは、臨床経過やMRIの所見を総合して判断します。この検査と白質脳症の遺伝子検査は29遺伝子が重なっていますが、副腎白質ジストロフィー(ABCD1)、異染性白質ジストロフィー(ARSA)、クラッベ病(GALC)、アレキサンダー病(GFAP)などは、白質脳症の検査にだけ入っています。
🔍 症状とMRIの所見に合わせた検査の選び方
※どの検査が合うかは、MRIの所見・症状・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで一緒に決めましょう。
4. 調べる64遺伝子と、それぞれでわかる病気
この検査では、先天性大脳白質形成不全症と、それに似た白質の変化を起こす病気に関係する64遺伝子を、まとめて調べます。わかりやすいように、3つのグループに分けて載せます。
髄鞘・白質そのものの病気の遺伝子
🧬 髄鞘・白質そのものの病気の遺伝子(20遺伝子)
※遺伝子名のリンクは当院の遺伝子ページ、病名のリンクは疾患ページです。病名・遺伝のしかたは、遺伝子ごとに報告されている主なものを載せています。
代謝・ミトコンドリア・糖鎖の病気の遺伝子
脳の白質の変化は、体の中の物質の処理(代謝)や、細胞のエネルギーをつくるミトコンドリアの病気でも起こります。関係する検査として、ムコ多糖症NGS遺伝子パネル検査、ライソゾーム病NGS遺伝子パネル検査、先天性糖鎖合成異常症(CDG)遺伝子検査もあります。
🧪 代謝・ミトコンドリア・糖鎖の病気の遺伝子(27遺伝子)
※代謝の病気の中には、脳の白質の異常として見つかり、治療や食事療法につながるものがあります(2章)。
筋肉と脳の病気・発達とてんかんの遺伝子など
福山型先天性筋ジストロフィーなどは筋肉の病気ですが、脳の形や白質の変化を伴うことがあります。筋肉の症状が目立つ場合は、ジストログリカン関連先天性筋ジストロフィー遺伝子検査も選び方の候補です。コケイン症候群を疑う場合はコケイン症候群NGS遺伝子パネル検査、多小脳回を言われた場合は多小脳回症NGS遺伝子検査パネルもあります。
🧠 筋肉と脳の病気・発達とてんかんの遺伝子など(17遺伝子)
※福山型先天性筋ジストロフィーなどのジストログリカン異常症では、筋肉の症状に加えて脳の形や白質の変化を伴うことがあります。
当院のNIPT(インペリアルプラン)でも調べられる遺伝子
この検査の64遺伝子のうち、FOXG1・KCNT1・MEF2C・STXBP1・TUBB4Aの5遺伝子は、当院のNIPTのインペリアルプランでも調べられます。赤ちゃんで新しく起きた変化(de novo)による病気を、妊娠中に母体の血液で調べるものです。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性だった場合の確定検査(羊水検査・絨毛検査)も院内で受けられます。
ダイヤモンドプランの対象遺伝子には、この検査の64遺伝子は入っていません。プランの違いはインペリアルプランとダイヤモンドプランの違いをご覧ください。ペリツェウス・メルツバッハ病の原因のPLP1は、どちらのプランの対象にも入っていません。
5. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、64遺伝子の配列の小さな変化(1文字の変化や、小さな挿入・欠失)と、遺伝子の大きな欠失・重複の一部です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。
PLP1の重複は調べられるか
この検査には、遺伝子の欠失・重複を調べる解析が含まれています。この解析は、遺伝子1つまるごとの欠失・重複(血液と頬の内側の粘膜の検体)と、となり合う2つ以上のエクソン(遺伝子の中の区切り)の欠失・重複(血液の検体のみ)を見つけられる設計です。1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、ふつうは検出の対象ではありません。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
一方、GeneReviewsは、ペリツェウス・メルツバッハ病が疑われるときは、PLP1を狙った方法(遺伝子を狙ったマイクロアレイ、qPCR法、FISH法など)で重複をまず調べることを考えるべきで、エクソーム・ゲノム検査では重複を見つける感度が低いことがあるとしています[2]。眼振などからペリツェウス・メルツバッハ病が強く疑われる場合は、検体の種類(血液が向く)や、調べ方の組み合わせを、遺伝カウンセリングでご相談ください。
陰性でも否定できない理由と、意義がまだわからない変化(VUS)
- ●調べていない遺伝子:この病気に関係する遺伝子は、このパネルの64遺伝子だけではありません。パネルにない遺伝子が原因のこともあります。臨床的にこの病気と診断された方の約3分の1では、今の遺伝子検査で原因が見つかっていません(小児慢性特定疾病情報センター、2026年10月時点)。
- ●見つけにくい変化:染色体の転座や逆位、リピートの伸長、遺伝子の働きを調節する場所や、エクソンから離れた場所の変化は、この検査では見つかりません。
- ●モザイク:体の一部の細胞だけにある変化(モザイク)を見つけるようには設計されていません。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断やご家族の検査に使いません。扱い方はVUS(意義不明変異)の臨床的取り扱いで解説しています。
6. 先天性大脳白質形成不全症は遺伝する?遺伝のしかたと確率
先天性大脳白質形成不全症は、原因の型によって遺伝のしかたが違います。難病情報センターは、ペリツェウス・メルツバッハ病では多くの場合、保因者のお母さんから受け継がれること、ほかの型ではご両親がともに保因者であること、新しく起きた変化によって起こることもあることを説明しています(2026年10月時点)。遺伝形式ごとに見ていきます。
X連鎖(ペリツェウス・メルツバッハ病):お母さん・姉妹が保因者かどうか
PLP1はX染色体にあるため、ペリツェウス・メルツバッハ病はX連鎖遺伝をします。GeneReviewsによると、多くの家族では、お子さんのお母さんがPLP1の変化をもっています(保因者)。お母さんが変化をもっている場合、妊娠ごとに2分の1の確率でその変化がお子さんに受け継がれます。一方、少数ですが、お子さんで新しく起きた変化(de novo)による方もいます[2]。
変化をもつ女性に神経の症状が出るかどうかは、変化の種類で違います。GeneReviewsでは、PLP1の重複をもつ女性では症状が出る可能性が最も低く、遺伝子が働かなくなる型の変化(null変化)の家系では、女性に症状が出る可能性が最も高いとされています[2]。お母さんやお姉さん・妹さんが保因者かどうかは、お子さんで見つかった変化をピンポイントで調べることで確かめられます。
常染色体潜性(劣性)と、新しく起きた変化(de novo)
4H型(POLR3A・POLR3B)や白質消失病(EIF2B1〜5)などは常染色体潜性(劣性)遺伝で、ご両親がともに保因者です。お子さんのきょうだいは、それぞれ4分の1の確率で発症し、2分の1の確率で症状のない保因者、4分の1の確率で発症も保因もしません[3][4]。
常染色体顕性(優性)の型(TUBB4Aなど)では、ご両親に変化がなく、お子さんで新しく起きた変化(de novo)が見つかることがあります。de novoなら次のお子さんで同じことが起こる可能性は低いですが、ゼロではありません。親御さんの卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「性腺モザイク」があるためです。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。
⚠️ 遺伝子の変化は、誰のせいでもありません
お子さんが発症したことをきっかけに、お母さんが保因者だったとわかることがあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。前もって知っておくことは、ご家族のその後の選択肢を増やすことにつながります。
ご家族にこの病気の方がいて、結婚・妊娠を考えるとき
きょうだいやご親戚にこの病気の方がいると、「自分の子どもにも起こるのでは」と不安を抱えながら、結婚や妊娠を考えている方もいます。遺伝する確率は、原因の型と、ご自身がその変化をもっているかどうかで大きく変わります。ご家族で原因の変化がわかっていれば、ご自身が同じ変化をもっているかを調べることで、具体的な確率を考えられるようになります。
常染色体潜性の型では、パートナーの方が同じ遺伝子の保因者かどうかも大切です。妊娠の前なら拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)や男性版714遺伝子、妊娠中なら、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラス(単独では受けられません)があります。PLP1など、このパネルの一部の遺伝子は保因者スクリーニングの対象ですが、入っていない遺伝子もあるため、対象かどうかは遺伝子一覧でご確認ください。
7. 病的変異が見つかったら、次にできること
わかるだけで終わりではありません。病的変異が見つかると、お子さんの見張り方、ご家族の検査、次の妊娠の備えが具体的に決まります。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。
①お子さんご本人:病名・見張ること・リハビリ・制度
病名が確定すると、型に合わせて、見張る合併症と診てもらう診療科が決まります(2章)。難病情報センターは、根本的な治療法はまだないとしたうえで、リハビリ、けいれんの薬、筋肉のつっぱりをやわらげる薬、股関節脱臼の整形外科的な治療、経管栄養や胃ろうなどの栄養の支えを挙げています(2026年10月時点)。ペリツェウス・メルツバッハ病では、アンチセンス核酸による治療の臨床試験なども行われています(GeneReviews、2025年6月更新)[2]。治療やリハビリは、小児神経科などの専門の医療機関で相談していただきます。指定難病・小児慢性特定疾病の申請にも、原因が確定していることが手がかりになります(8章)。
②お母さん・きょうだいなど、症状のないご家族
お子さんで見つかった変化がわかっていれば、ご両親・きょうだい・ご親戚が同じ変化をもっているかを、ピンポイントで調べられます。X連鎖の型ではお母さんやお姉さん・妹さんの保因者の確認、常染色体潜性の型ではご両親の保因者の確認と、ほかのお子さんが将来結婚・出産を考えるときの手がかりになります。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで行います。
③次のお子さんを考えるとき:出生前診断・NIPT・PGT-M
原因がわかっていれば、次の妊娠で、赤ちゃんに同じ変化があるかを調べることができます。GeneReviewsでも、PLP1の病気、POLR3関連白質ジストロフィー、白質消失病では、ご家族で原因がわかっていれば出生前の検査や着床前の検査が可能とされています[2][3][4]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。当院では2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
選べることは、ほかにもあります。インペリアルプランの対象遺伝子(4章)であれば、NIPTで調べることもできます。赤ちゃんの遺伝子を広く調べる出生前全エクソーム(WES)・出生前全ゲノム(WGS)にも対応しています。体外受精でできた受精卵を調べるPGT-Mという方法もあります(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。そして、何も検査をせずに出産することも、そのまま選べる選択肢です。どの選択をされても、当院はその選択を尊重します。
海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます
PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因遺伝子の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠後の絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。
欧州ヒト生殖医学会(ESHRE)の推奨では、PGT-Mの準備に、①病気の原因と確かめられた遺伝子の変化、②どの遺伝子のどの変化かが書かれた元の報告書、③ご家族の検体が必要とされています[8]。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは、2本あるうちの片方が読み取れない「アレルドロップアウト」などで判定を誤るおそれがあります。そのため、変化のある場所の両側にある目印(STR・SNPなどの多型マーカー)で「変化をもつ染色体」を家系の中でたどる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます[8]。
ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。指針の目安では、X連鎖のペリツェウス・メルツバッハ病では、患者さん、および/または発症していない方(保因者と確かめられた方が望ましい)、常染色体潜性の型では、患者さん(2つの変化をもつ方)・保因者・保因者でない方のDNAが必要とされています。血縁者がいない場合は、ご夫婦で目印を調べたうえで、治療周期の受精卵や1個の精子を調べて変化の乗った染色体を決める方法も挙げられていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります。新しく起きた変化(de novo)で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析の方法は使えないとされています[8]。海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。
臨床遺伝専門医としての判断として、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。常染色体潜性の型では、ご夫婦それぞれがどの変化をもっているかを確かめておく必要があります。また、海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もってご確認ください。くわしくは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで解説しています。
⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です
PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの推奨は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[9]。当院では、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でも、院内の絨毛検査・羊水検査をご相談いただけます。
日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、PGT-Mは症例ごとに学会の審査を受け、そのうえで実施施設の倫理委員会が承認して行われます。この指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いものとされています。成人に達する前に生存が危ぶまれるわけではないが日常生活が著しく損なわれる状態が現れる疾患は、その病気の専門医の意見書などを追加で出す仕組みです。学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち、37件が審査継続中でした(2026年9月発表)。その病気が日本で対象になるかどうかは、審査で個別に決まります。
英国では公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。一覧にない病気は、施設を通じて申請し、HFEAが審査します。米国では、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[10]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。
陰性・VUSだったとき
64遺伝子に原因が見つからなかった場合でも、この病気が否定されたわけではありません(5章)。主治医と相談しながら、全エクソーム検査(WES)などの範囲の広い検査や、ペリツェウス・メルツバッハ病を狙った重複の検査、時間をおいてのMRIの再検査を考えます。VUSが見つかった場合は、それだけで診断やご家族の検査に使わず、研究が進んで意味がはっきりするのを待つこともあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。
8. 日本の制度(2026年10月時点)
先天性大脳白質形成不全症は、指定難病139に指定されています。難病情報センターの解説(2022年12月更新)は、全国調査で200人程度の患者さんがいると推定されたこと、11種類すべての病気で原因の遺伝子がわかっていること、最も多いのはPLP1遺伝子の変化であることを説明しています。
また、小児慢性特定疾病(神経・筋疾患、大分類「遺伝子異常による白質脳症」)の対象疾病としても掲載されています。小児慢性特定疾病情報センターは、多くの方で成人期を超えた医療が必要になるとしています(いずれも2026年10月時点で確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
9. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
64遺伝子を一度に調べ、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれでも、オンライン診療で受けられます。オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。血液の場合は、全国の提携医療機関で採血をお願いします。
ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取お支払い後にキット
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
💴 費用・日数・検体
※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。
オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つためです。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方はNIPT/遺伝子検査結果の見かたで解説しています。
遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
10. 院長コラム
🩺 院長コラム【「髄鞘ができていない」と言われたあとに】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
先天性大脳白質形成不全症は、MRIの所見が似ていても、原因の遺伝子によって見通しも、気をつけることも、ご家族への影響もまったく違う病気のグループです。ペリツェウス・メルツバッハ病のように、お母さんが保因者のことが多い型もあれば、ご両親がともに保因者の型、お子さんで新しく起きた変化の型もあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因がわかれば、ご家族の検査から次の妊娠での出生前診断まで、当院で続けて支えられます。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 先天性大脳白質形成不全症の寿命は?
原因の型によって大きく違います。代表的なペリツェウス・メルツバッハ病では、遺伝性疾患の解説書(GeneReviews)に、古典型で50〜60歳代まで生きた方の記載があり、生まれたときから症状の強い先天型でも、丁寧なケアのもとで20歳代かそれ以上まで生きる方がいるとされています。小児慢性特定疾病情報センターは、長期的な予後はまだわかっていないとしています。原因の型がわかると、見通しをより具体的に考えられます。
Q2. 先天性大脳白質形成不全症の原因は?
脳の神経をおおう髄鞘(ミエリン)をつくるための遺伝子の変化が原因です。日本では最も多いのがPLP1遺伝子の変化によるペリツェウス・メルツバッハ病です。一方で、臨床的にこの病気と診断された方の約3分の1では、今の遺伝子検査で原因が見つかっていません。
Q3. 先天性大脳白質形成不全症は遺伝しますか?遺伝する確率は?
型によって遺伝のしかたが違います。ペリツェウス・メルツバッハ病はX連鎖の病気で、多くの家族ではお母さんが保因者です。お母さんが保因者なら、妊娠ごとに2分の1の確率で変化が受け継がれます。常染色体潜性(劣性)の型では、ご両親がともに保因者で、次のお子さんが発症する確率は4分の1です。新しく起きた変化(de novo)の型もあります。
Q4. 先天性大脳白質形成不全症はいつわかりますか?妊娠中にわかりますか?
多くは生後1年以内に、発達の遅れや目の揺れ(眼振)で気づかれます。ペリツェウス・メルツバッハ病の古典型では、眼振は生後2か月以内に出ることが多いとされます。ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、次の妊娠で絨毛検査・羊水検査による出生前診断を考えることができます。原因がわからないままでは、出生前に何を調べるかを決められません。
Q5. ペリツェウス・メルツバッハ病とはどういう関係ですか?
ペリツェウス・メルツバッハ病は、先天性大脳白質形成不全症の中で最も多い代表的な病気で、PLP1遺伝子の変化が原因です。この検査は、PLP1を含む64遺伝子を調べます。ペリツェウス・メルツバッハ病では遺伝子の一部が重なる「重複」が多いため、検体や調べ方の選び方も遺伝カウンセリングでご相談ください。
Q6. 白質ジストロフィーとの違いは何ですか?
白質ジストロフィーは、脳の白質に病気が起こる遺伝性の病気をまとめた呼び名です。その中で、髄鞘が最初から十分につくられないものを低髄鞘性(先天性大脳白質形成不全症)、いったんできた髄鞘が壊れていくものを脱髄型といいます。副腎白質ジストロフィーや異染性白質ジストロフィーは脱髄型で、別の検査(白質脳症の遺伝子検査など)のほうが向いています。
Q7. 検査で原因が見つからなかったら、この病気ではないのですか?
そうとは限りません。この病気と診断された方の約3分の1では、今の遺伝子検査で原因が見つかっていません。このパネルに入っていない遺伝子が原因のこともあります。陰性のときは、全エクソーム検査など次の検査や、時間をおいてのMRIの再検査を、主治医と一緒に考えます。
Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?
はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。ただし、ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。ご家族の検体が必要になることが多いので、早めにご相談ください。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。
🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。先天性大脳白質形成不全症の原因の型がわかれば、お子さんの見通しや合併症への備えだけでなく、お母さん・きょうだいの保因者の確認や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
参考文献
- [1] Wolf NI, ffrench-Constant C, van der Knaap MS. Hypomyelinating leukodystrophies — unravelling myelin biology. Nat Rev Neurol. 2021;17(2):88-103. [DOI: 10.1038/s41582-020-00432-1]
- [2] Wolf NI, van Spaendonk RML, Hobson GM. PLP1 Disorders. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 1999 (Updated 2025 Jun 12). [NCBI Bookshelf NBK1182]
- [3] Bernard G, Vanderver A. POLR3-Related Leukodystrophy. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2012 (Updated 2017 May 11). [NCBI Bookshelf NBK99167]
- [4] van der Knaap MS, Fogli A, Boespflug-Tanguy O, Abbink TEM, Schiffmann R. Childhood Ataxia with Central Nervous System Hypomyelination / Vanishing White Matter. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2003 (Updated 2019 Apr 4). [NCBI Bookshelf NBK1258]
- [5] Federico A, Gallus GN. Cerebrotendinous Xanthomatosis. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2003 (Updated 2024 Nov 14). [NCBI Bookshelf NBK1409]
- [6] Takahashi Y, Date H, Oi H, et al. Six years’ accomplishment of the Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: nationwide project in Japan to discover causes, mechanisms, and cures. J Hum Genet. 2022;67(9):505-513. [DOI: 10.1038/s10038-022-01025-0](PMID: 35318459)
- [7] Malinowski J, Miller DT, Demmer L, et al. Systematic evidence-based review: outcomes from exome and genome sequencing for pediatric patients with congenital anomalies or intellectual disability. Genet Med. 2020;22(6):986-1004. [DOI: 10.1038/s41436-020-0771-z]
- [8] ESHRE PGT-M Working Group, Carvalho F, Moutou C, et al. ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the detection of monogenic disorders. Hum Reprod Open. 2020;2020(3):hoaa018. [DOI: 10.1093/hropen/hoaa018]
- [9] ESHRE PGT Consortium Steering Committee, Carvalho F, Coonen E, et al. ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the organisation of PGT. Hum Reprod Open. 2020;2020(3):hoaa021. [DOI: 10.1093/hropen/hoaa021]
- [10] Nakasato K, Yamamoto BA, Kato K. Evaluating standards for ‘serious’ disease for preimplantation genetic testing: a multi-case study on regulatory frameworks in Japan, the UK, and Western Australia. Hum Genomics. 2022;16:16. [DOI: 10.1186/s40246-022-00390-3]
関連記事