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小脳低形成の遺伝子検査(8遺伝子パネル)|生まれつき小脳が小さい原因・症状・予後と遺伝する確率

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

小脳低形成の遺伝子検査(8遺伝子パネル)

小脳低形成(しょうのうていけいせい)は、生まれつき小脳が小さい、または十分に育っていない状態です。原因は遺伝子・染色体・おなかの中での感染や出血などさまざまで、原因によって見通しが大きく変わります。このページの検査は、小脳低形成の原因として知られる8つの遺伝子(CASK・OPHN1・RARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1)を一度に調べます。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。症状・予後・遺伝する確率と、胎児エコーで小脳が小さいと言われたときの考え方まで、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 小脳低形成の遺伝子検査で何がわかりますか?

小脳低形成・橋小脳低形成症の原因として知られる8つの遺伝子に、病気の原因となる変化があるかを一度に調べます。原因の遺伝子がわかれば、病名・見通し・次のお子さんへの確率を具体的に考えられます。染色体の数の変化や感染による小脳低形成は、この検査の対象ではありません。

🧬 Q. 生まれつき小脳が小さいと言われました。どんな人が受けるとよいですか?

MRIで小脳が小さいと言われたお子さん、発達の遅れやふらつきがあるお子さん、きょうだいに同じ病気の方がいるご家族、次の妊娠を考えているご両親です。胎児エコーで小脳が小さいと言われた妊婦さんは、まず第3章の「次に何を調べるか」をご覧ください。

🧬 Q. 費用・結果までの日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、いずれもオンライン診療で受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。たとえば常染色体潜性(劣性)遺伝の型と確定すれば、次のお子さんが同じ病気になる確率は4分の1です。ご家族の検査や、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

1. 小脳低形成とは:生まれつき小脳が小さい状態

小脳低形成とは、小脳が年齢(おなかの赤ちゃんなら妊娠週数)に比べて小さい状態のことです。国際産婦人科超音波学会(ISUOG)の患者さん向け資料(2023年10月更新)は、胎児の小脳が妊娠週数に比べて小さい(10パーセンタイル未満)状態を小脳低形成と説明しています。小脳は後頭部の下にあり、体のバランスや、手足の動きをなめらかにそろえる働きを担っています。

小脳低形成は1つの病気の名前ではなく、「小脳が小さい」という状態を表す言葉です。小脳だけが小さいこともあれば、ほかの脳の形の変化を伴うこともあります。そして、原因が何かによって、症状の重さも、次のお子さんへの影響もまったく違います。だからこそ、原因を確かめることに意味があります。

小脳が小さいとどうなる?赤ちゃん・子どもの主な症状

小脳が小さいと、歩き始めが遅れる、ふらつく、発達がゆっくりになる、といった症状が出ることがあります。ISUOGの資料は、ほかの脳の異常を伴わない小脳低形成でよくみられる問題として、歩くことの難しさと発達の遅れを挙げています。

原因の遺伝子がはっきりしている型では、症状の幅がさらに大きくなります。たとえばCASK遺伝子の変化による小頭症と橋小脳低形成(MICPCH)では、遺伝性疾患の解説書GeneReviewsによると、ほぼすべての女の子に重い知的障害があり、ひとりで座れる子は多いものの歩けるようになるのは20〜25%、てんかんは約40%、感音難聴は約28%にみられます[1]。反対に、症状が軽く、日常生活を送れる方もいます。症状の名前だけで先の見通しを決めず、原因を確かめることが大切です。

小脳全体が小さい型と、小脳虫部だけが小さい型(小脳虫部低形成)

小脳は、左右の「小脳半球」と、真ん中の「小脳虫部(ちゅうぶ)」からできています。小脳全体が小さい場合と、真ん中の虫部だけが小さい場合(小脳虫部低形成)とでは、考える病気が違います。虫部の形の変化は、ダンディ・ウォーカー奇形や、ジュベール症候群・メッケル症候群など、このパネルとは別の病気の検討につながることがあります。

おなかの赤ちゃんで「小脳虫部が小さい」と言われた場合について、5つの研究・63人の胎児をまとめた系統的レビューでは、生まれてから画像で確かめると、32.4%で胎児期の診断が確認されませんでした(多くは生後の画像で小脳の形が正常だった例)[6]。研究の数が少なく、はっきりした結論は出せないとされていますが、胎児期の指摘がそのまま診断になるとは限らない、という点は知っておいてください。

橋小脳低形成症(PCH)との違い

橋小脳低形成症(PCH)は、小脳に加えて、脳幹の一部である「橋(きょう)」も小さい病気のグループです。米国国立医学図書館のMedlinePlus Geneticsは、PCHを複数の型に分け、多くが常染色体潜性(劣性)遺伝の病気であると説明しています。このページの8遺伝子の多くは、PCHの原因遺伝子でもあります。橋も小さいと言われた方は、橋小脳低形成症の遺伝子パネル検査もあわせてご覧ください(どちらを選ぶかは第4章の表にまとめています)。

予後・寿命は原因で大きく違う:小脳低形成は治る?

小脳低形成の予後・寿命は、原因によって大きく違います。ISUOGの資料は、ほかの異常を伴わない場合、症状が時間とともに悪くならない(変わらない)タイプは見通しがよいとしています。

一方、TSEN54遺伝子による橋小脳低形成症では、GeneReviewsによると、PCH2型のお子さんの多くは10歳になる前に亡くなり、PCH4型・PCH5型では多くが新生児期に亡くなるとされています[2]。MedlinePlus Geneticsも、PCHのお子さんの多くは乳児期や小児期までの命だが、大人になった方もいると説明しています。CASK異常症については、小児慢性特定疾病情報センターが、意味のある言葉を話せるようになるのは難しいことが多いものの、適切な療育や教育で理解する力を伸ばすことはできる、としています。

「治るかどうか」「どれくらい生きられるか」は、原因がわからないままでは誰にも答えられません。原因がわかってはじめて、その型について報告されている経過をもとに、見通しや備えを考えられるようになります。

2. 小脳低形成の原因:遺伝子・染色体・胎内感染・出血など

小脳低形成の原因には、1つの遺伝子の変化、染色体の変化、おなかの中での感染や出血など、いくつもの種類があります。ISUOGの資料は、原因として、小脳の中の出血、ウイルス感染、胎児の重い貧血、遺伝の病気(染色体の変化または特定の遺伝子の変化)を挙げています。

🔍 小脳低形成のおもな原因と、調べ方

原因の種類 例 調べ方
1つの遺伝子の変化 CASK・TSEN54など(このページの8遺伝子)。ほかの遺伝子が原因の型もある このページの遺伝子パネル検査、橋小脳低形成症パネル、全エクソーム検査など
染色体の変化 18トリソミー(エドワーズ症候群)など マイクロアレイ染色体検査など
おなかの中での感染 先天性サイトメガロウイルス感染症など 感染症の検査(主治医の判断で)
小脳の中の出血・胎児の重い貧血 遺伝子の変化ではない原因 画像検査・血液の検査(主治医の判断で)

※原因の種類はISUOGの患者さん向け資料(2023年10月更新)、先天性サイトメガロウイルス感染症と小脳の関係は文献[8]、18トリソミーとの関係は文献[7]による。

先天性サイトメガロウイルス感染症のお子さん36人と、感染のないお子さん36人のMRIを比べた研究では、感染のあるお子さんで小脳の形の異常が多くみられ、生まれてからのMRIでは小脳虫部が小さい結果でした。小脳の異常があったお子さんには、全員にサイトメガロウイルス感染に関わるほかの画像の所見もありました[8]。

18トリソミーなど染色体の変化と小脳低形成

小脳低形成は、18トリソミーなどの染色体の数の変化でもみられます。染色体の変化があった胎児88人の超音波を調べた研究では、18トリソミーの胎児の小脳の横幅(小脳横径)は21トリソミーの胎児より有意に小さく、小脳低形成の程度も18トリソミーのほうが重いと報告されました。ただし同じ研究は、染色体の変化がある胎児の多くで小脳の大きさは正常範囲だったため、小脳の大きさを染色体の変化の目印には使えないとしています[7]。

18トリソミーなどの染色体の数の変化は、このページの遺伝子パネル検査では調べられません。妊娠中であれば、羊水検査・絨毛検査で赤ちゃんの染色体を確かめます。次の妊娠で染色体の数の変化を早めに調べたい方には、NIPT(新型出生前診断)という選択肢もあります。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。18トリソミーの胎児エコーの特徴は、18トリソミーの胎児エコーでわかる特徴で解説しています。

このパネルで調べるのは「1つの遺伝子」が原因の場合

このページの検査で見つけられるのは、8つの遺伝子のどれかに原因がある小脳低形成です。MedlinePlus Geneticsは、橋小脳低形成症にもこの8遺伝子以外の遺伝子が原因の型があると説明しています。そのため、このパネルで原因が見つからなくても、遺伝の病気ではないとは言えません(第7章)。検査を選ぶ前に、MRIの所見やほかの症状を見て、別の検査のほうが向いていないかを確かめます(第4章)。

3. 胎児エコー・胎児MRIで「小脳が小さい」と言われたら:いつわかる・次に何を調べる

胎児エコーで小脳が小さいと言われたら、まず脳を詳しく見る超音波や胎児MRIで、ほかの変化がないかを確かめます。ISUOGの資料は、詳しい脳の超音波検査、遺伝カウンセリング、胎児MRI(妊娠後半に行うと最も役立つ)、必要で可能であれば赤ちゃんの遺伝学的検査のための羊水検査、所見に応じた感染症や血液の固まり方の検査を挙げています。

第1章で紹介したように、胎児期に「小脳虫部が小さい」とされても、生まれてから確かめると小脳の形が正常だった例が報告されています[6]。1回の検査の結果だけで結論を急がず、時期をあけて確かめることも大切です。

🤰 胎児で小脳が小さいと言われたときに考える検査

目的 検査 当院で受けられるか
染色体の数・大きな変化を調べる 羊水検査・絨毛検査で赤ちゃんの細胞をとり、マイクロアレイ染色体検査などで調べる 羊水検査・絨毛検査は院内で受けられます
遺伝子の変化を広く調べる 出生前全エクソーム検査・出生前全ゲノム検査 当院で受けられます
感染・出血などを調べる 感染症の検査・血液の検査・胎児MRI 妊婦健診の主治医とご相談ください

※検査の種類はISUOGの患者さん向け資料(2023年10月更新)をもとに、当院で受けられるものを示した。

妊娠中は、検査を受けるかどうかを決めるまでの時間が限られます。当院では、臨床遺伝専門医が出生前の遺伝カウンセリング(30分33,000円・税込)を行い、羊水検査・絨毛検査から出生前の全エクソーム・全ゲノム検査まで、院内で続けてご相談いただけます。どの検査を選んでも、選ばなくても、その選択を尊重します。

4. 小脳低形成の遺伝子検査を受けるとよい人

MRIで小脳が小さいと言われ、原因を知りたいお子さんとご家族に向く検査です。病名がわかると、注意したい合併症、必要な療育、利用できる可能性のある制度(小児慢性特定疾病など)、次のお子さんへの確率を、原因に応じて具体的に検討できるようになります。

こんな方におすすめです

  • ●MRIで小脳低形成(生まれつき小脳が小さい)と言われ、原因がまだわからないお子さん
  • ●発達の遅れ・ふらつき・眼振(目のゆれ)などがあり、小脳低形成を伴うお子さん(発達障害や知的障害を伴う場合も含みます)
  • ●小頭症(頭囲が小さい)と小脳低形成の両方があるお子さん
  • ●きょうだいやご家族に、小脳低形成・橋小脳低形成症の方がいる方
  • ●上のお子さんが小脳低形成で、次の妊娠を考えているご両親

見た目や症状だけでは、どの遺伝子が原因かはわかりません。検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます。

この検査より別の検査が向いている場合(選び分けの表)

症状やMRIの所見によっては、このページより別の検査のほうが向いています。大事な点として、当院の橋小脳低形成症の遺伝子パネル検査は、このページの8遺伝子をすべて含み、さらにEXOSC3遺伝子を加えた9遺伝子を、同じ税込330,000円で調べます。橋も小さい、赤ちゃんの筋力がとても弱い、という場合や、どちらにするか迷う場合は、9遺伝子のパネルを選ぶ方法があります。

🔍 症状・MRIの所見に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
小脳が小さい(橋は小さくない) このページの検査(8遺伝子)、または橋小脳低形成症パネル(9遺伝子)
橋も小さい、赤ちゃんの筋力がとても弱い 橋小脳低形成症の遺伝子パネル検査(8遺伝子+EXOSC3)
小頭症が中心 小頭症の遺伝子パネル検査
小脳虫部の形の変化が中心 ジュベール・メッケル症候群の遺伝子パネル検査など
肝臓・血液の固まり方など、全身に症状がある 先天性糖鎖合成異常症(CDG)の遺伝子検査など
大脳のしわ(脳回)の形にも変化がある 滑脳症の遺伝子パネル検査・多小脳回症の遺伝子パネル検査
てんかんが中心 てんかん包括的遺伝子検査
知的障害・発達の遅れが中心で、小脳の所見ははっきりしない 知的障害の遺伝子パネル検査、男の子で家系にX連鎖の知的障害が疑われるならX連鎖知的障害パネル
いったん育った小脳が、あとからやせてきた(小脳萎縮) 運動失調症の遺伝子パネル検査
染色体の変化が疑われる・ほかの体の変化も多い マイクロアレイ染色体検査
症状が広く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、MRIの所見・症状・ご家族の情報で変わります。遺伝カウンセリングで臨床遺伝専門医と一緒に決めます。

\ 原因がわかれば、次の一手が決まります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因の遺伝子がわかっていれば、次の妊娠で羊水検査・絨毛検査による出生前診断を院内で計画できます。

橋小脳低形成症パネル(9遺伝子)を見る | どの検査がよいか迷う方へ

5. 調べる8遺伝子と、それぞれでわかる病気

この検査では、CASK・OPHN1・RARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1の8遺伝子を調べます。2つ(CASK・OPHN1)はX染色体にある遺伝子、残りの6つは常染色体潜性(劣性)遺伝の病気の原因になる遺伝子です。

🧬 調べる8遺伝子と関係する病気

遺伝子 関係する病気・特徴 遺伝のしかた
CASK CASK異常症(小頭症と橋小脳低形成を伴う知的障害:MICPCH)、X連鎖の知的障害(眼振を伴うことも伴わないこともある) X連鎖
OPHN1 X連鎖の症候性知的障害(てんかん、側脳室の前の部分の拡大、小脳低形成を伴う) X連鎖
RARS2 橋小脳低形成症6型・1型。ミトコンドリアの中でtRNAにアミノ酸のアルギニンをつなぐ酵素の遺伝子 常染色体潜性(劣性)
SEPSECS 橋小脳低形成症2型 常染色体潜性(劣性)
TSEN2 橋小脳低形成症2型 常染色体潜性(劣性)
TSEN34 橋小脳低形成症2型 常染色体潜性(劣性)
TSEN54 橋小脳低形成症2型・4型・5型(1型の原因にもなる) 常染色体潜性(劣性)
VRK1 脊髄性筋萎縮症を伴う橋小脳低形成症(1型) 常染色体潜性(劣性)

※CASKは文献[1]、OPHN1は文献[3]、RARS2は文献[4]とMedlinePlus Genetics、TSEN54は文献[2]とMedlinePlus Genetics、VRK1は文献[5]とMedlinePlus Genetics、SEPSECS・TSEN2・TSEN34はMedlinePlus Genetics(橋小脳低形成症の解説)による。

X連鎖の遺伝子:CASK・OPHN1

CASK遺伝子の変化は、大きく2つの形で現れます。GeneReviewsによると、遺伝子の働きが失われる変化では小頭症と橋小脳低形成を伴う知的障害(MICPCH)が、働きが少し弱まる変化では眼振を伴う・伴わないX連鎖の知的障害が起こりやすいとされています。MICPCHの多くは、そのお子さんで新しく起きた変化(新生突然変異・de novo)によるものです。GeneReviewsがまとめた130人のうち、女性が85人、男性が45人でした[1]。MICPCHでは、生まれたときの頭囲は約3分の2で正常か正常の下限で、生後1年のうちに小頭症がはっきりしてくるとされています[1]。

OPHN1遺伝子は、5人の兄弟が同じ症状をもつ家系の研究で、知的障害、ふらつき、てんかん、側脳室の前の部分の拡大、左右差のある小脳低形成、小脳虫部の下の部分の欠損をもつ、特徴のある症候群の原因として報告されました[3]。X連鎖の病気なので、主に男の子に症状が出ます。

常染色体潜性(劣性)の遺伝子:RARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1

この6遺伝子は、2本ある遺伝子の両方に変化があるときに病気になる、常染色体潜性(劣性)遺伝の病気の原因です。MedlinePlus Geneticsによると、橋小脳低形成症の2型はTSEN54・TSEN2・TSEN34・SEPSECSが、4型・5型はTSEN54が、6型はRARS2が原因になります。1型の約半数はEXOSC3(このパネルには含まれない遺伝子)が原因で、TSEN54・RARS2・VRK1でも起こることがあります。

GeneReviewsは、TSEN54による橋小脳低形成症の2型の特徴として、全身の筋肉のぴくつき(クローヌス)、吸ったり飲み込んだりがうまくいかないこと、発達の遅れ、皮質盲(目そのものではなく脳の問題で見えにくい状態)、重い感染症のときの横紋筋融解の起こりやすさを挙げ、てんかんは約50%にみられるとしています[2]。VRK1は、脊髄性筋萎縮症(運動神経の病気)を伴う橋小脳低形成症の原因として報告されました[5]。

6. 小脳低形成は遺伝する?次のお子さんの確率

小脳低形成が遺伝するかどうか、次のお子さんで同じことが起こる確率は、原因と遺伝のしかたで大きく変わります。原因がわからないままでは、確率を具体的にお伝えすることができません。

👪 原因別:次のお子さんで同じ病気が起こる確率

原因 次のお子さんの確率の考え方
常染色体潜性(劣性)遺伝(RARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1) ご両親がともに保因者なら、お子さん1人ごとに4分の1で発症します[2]。発症しないきょうだいが保因者である確率は3分の2です。
CASK異常症(MICPCH)で、お子さんに新しく起きた変化 多くは新しく起きた変化で、GeneReviewsはきょうだいの再発率は低いが、親御さんの生殖細胞のモザイクの可能性があるため一般より高いとしています[1]。
CASKによるX連鎖の知的障害で、お母さんが変化をもつ 妊娠のたびに2分の1の確率で変化が受け継がれます[1]。
OPHN1(X連鎖)で、お母さんが保因者 男の子は2分の1で発症し、女の子は2分の1で保因者になります。
染色体の数の変化(18トリソミーなど) ISUOGの資料は、余分な染色体が1本ある場合の多くは偶然起こり、くり返さないとしています。
出血・感染などの遺伝ではない原因 ISUOGの資料は、再発の可能性はとても低いとしています。

※X連鎖の確率は、X連鎖遺伝の一般的なしくみによる。実際の確率は、ご家族の検査結果をもとに遺伝カウンセリングでお伝えします。

潜性遺伝のしくみは常染色体潜性遺伝、X連鎖のしくみはX連鎖遺伝で詳しく解説しています。

⚠️ 「新しく起きた変化だから、次は大丈夫」とは言い切れません

お子さんで新しく起きた変化(de novo)と考えられる場合でも、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞にだけ変化がある「性腺モザイク」の可能性が残ります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。多くのご家族を平均した「再発率は低い」という数字は、目の前の一人の親御さんの確率の上限ではありません。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。お子さんで新しく起きた変化だとわかった場合も、それはご両親の行動や育て方が原因ということではありません。

きょうだい・ご家族への影響(きょうだいの将来の結婚・妊娠を考えるとき)

潜性遺伝やX連鎖の型とわかった場合、発症していないきょうだいが保因者かどうかは、将来その方が結婚や妊娠を考えるときの大事な情報になります。ご家族で原因の変化がわかっていれば、きょうだいは同じ変化があるかを調べられます。

保因者であっても、ご本人が発症するわけではありません。パートナーが同じ遺伝子の病的な変化をもっていなければ、潜性遺伝の病気のお子さんが生まれる可能性は非常に低くなります。ただし、新しく起きた遺伝子の変化などによる例外はあります。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)にはRARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1・OPHN1が、男性版714遺伝子には潜性遺伝の6遺伝子が含まれています(CASKはどちらにも含まれていません。2026年10月に遺伝子一覧で確認)。家族に病気の方がいることを理由に、結婚をあきらめる必要はありません。わかったうえで、選べることがあります。

7. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、8遺伝子の配列の小さな変化(1つの文字の変化や、小さな挿入・欠失)と、遺伝子全体やいくつかのエクソンにまたがる欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●欠失・重複の大きさ:遺伝子全体の欠失・重複は血液と頬の粘膜の検体で、2つ以上続くエクソンの欠失・重複は血液の検体で見つけられます。1つのエクソンだけの欠失・重複は、見つかることもありますが、ふだんは検出の対象ではありません。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
  • ●調べられない変化:染色体の数や大きな構造の変化(転座・逆位など)、繰り返し配列の伸び、遺伝子の働きを調節する領域やエクソンから離れたイントロンの変化は対象外です。染色体の変化はマイクロアレイ染色体検査などで調べます。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つけることは、この検査の目的ではありません。
  • ●調べていない遺伝子:8遺伝子以外が原因の小脳低形成は、この検査では見つかりません。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、遺伝の病気ではないとは言えません。感染・出血などの遺伝ではない原因のこともあります。

8. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。原因の変化が見つかった場合・見つからなかった場合・VUSが見つかった場合で、次にできることが違います。

病的変異が見つかったら、次にできること

原因の遺伝子の変化がわかると、ご本人・ご家族・次のお子さんそれぞれについて、具体的な次の一手が決まります。

① ご本人(症状のあるお子さん):病名が決まり、その型で報告されている合併症に合わせて、見張る項目を主治医と決められます。たとえばCASK異常症ではてんかんや感音難聴が報告されており[1]、TSEN54による2型では重い感染症のときの横紋筋融解に注意が必要とされています[2]。療育・リハビリ・治療は、小児神経科などの専門の医療機関で受けていただきます。CASK異常症は小児慢性特定疾病の対象です(第9章)。

② 症状のないご家族(保因者だった方):潜性遺伝の保因者であっても、ご自身が発症するわけではありません。パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかを調べると、お子さんへの確率がわかります。妊娠中の方は、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(女性787遺伝子・男性714遺伝子。単独では受けられません)もあります。

③ 子どもを持つときの選択肢:ご家族で原因の変化がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針をふまえて個別に考えますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。

CASK遺伝子は、当院のNIPTのインペリアルプランの対象遺伝子に含まれています(ほかの7遺伝子は当院のNIPTでは調べられません)。インペリアルプランは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。

日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。そして、何もせずに自然に妊娠し、出産することも、もちろん選べる選択肢です。

④ ご家族:きょうだい・ご両親・いとこなどが同じ変化をもっているかを、その変化だけを調べる方法で確かめられます。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで行います。

⑤ 当院でのその後:結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、次にどうするかを一緒に考えます。遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)、出生前診断に関わる場合は30分33,000円(税込)です。

陰性だったとき

8遺伝子に原因の変化が見つからなかった場合は、ほかの遺伝子・染色体の変化・遺伝ではない原因が考えられます。MRIの所見や症状に合わせて、全エクソーム検査やマイクロアレイ染色体検査などを考えます(第4章の表)。

VUSが見つかったとき

VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査や出生前診断に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。扱い方はVUSの臨床的な取り扱いで、調べた目的と別の病気の原因が見つかった場合の当院の方針は二次的所見の開示方針で解説しています。

9. 日本の制度(2026年10月時点)

CASK遺伝子の変化による「CASK異常症」は、小児慢性特定疾病の対象です。小児慢性特定疾病情報センターでは、神経・筋疾患の「脳形成障害」の中に、告示番号85として掲載されています(2026年10月に確認)。同センターは、国内で数十例が診断されているが、遺伝子の検査をしていない例も多いと考えられる、としています。

一方、「小脳低形成」や「橋小脳低形成症」という名前は、2026年10月に確認した時点で、小児慢性特定疾病の神経・筋疾患の一覧には見当たりませんでした(ジュベール症候群関連疾患、ダンディー・ウォーカー症候群は別の病名として掲載されています)。病名が確定していることは、制度を使えるかを考える出発点になります。認定の基準・申請の方法・指定難病の扱いは、小児慢性特定疾病情報センター・難病情報センター、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

10. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円で、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれでもオンライン診療が可能です。

ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取唾液・粘膜・血液
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 CASK・OPHN1・RARS2・SEPSECS・TSEN2・TSEN34・TSEN54・VRK1(8遺伝子)
調べる内容 遺伝子の配列(料金に含まれる)/欠失・挿入(料金に含まれる)
検体 血液(EDTA採血管4mL×2本)、抽出したDNA、頬の内側の粘膜、唾液(採取キットをお送りします)
結果までの期間 2〜3週間
検査費用 税込330,000円
オプション 至急(結果までの期間が約7日短くなります):55,000円/VUS除外:無料
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別。出生前診断に関わる場合は30分33,000円(税込)
オンライン診療 唾液・頬の粘膜・血液のいずれも可能。血液の場合は全国の提携医療機関で採血していただきます

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは検査料金をお支払いいただいた後にお送りします。検体の取り違えや品質の低下を防ぐため、ご自身の判断で先に検体を採取しないでください。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します(遺伝カウンセリングとは)。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、ご家族とこれからの計画に /

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11. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「小脳が小さい」は答えではなく、問いの始まり】

「小脳低形成」という言葉は、MRIや胎児エコーで見えた「形」を表しているだけで、なぜそうなったのかは教えてくれません。同じ言葉で呼ばれていても、原因が違えば、お子さんの見通しも、次のお子さんへの確率も、まったく違います。だから私は、形の名前だけで将来を語ることはしたくないと考えています。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、きょうだいのお子さんの病気をきっかけに念のため検査を受けた方に、まったく別の遺伝子の病的な変化が、体の一部の細胞だけにある状態(モザイク)で見つかったことがあります。ご本人は発症していませんでしたが、卵子や精子のもとになる細胞にもその変化があれば、お子さんが発症することがある病気でした。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

原因がわかれば、次のお子さんで同じことが起こる可能性がどれくらいあるか、そして次の妊娠でどう備えられるかを、具体的に考えられるようになります。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 小脳低形成は治りますか?

原因によって経過が大きく違うため、一律にはお答えできません。国際産婦人科超音波学会(ISUOG)の資料では、ほかの異常を伴わず、症状が時間とともに悪くならないタイプは見通しがよいとされています。CASK異常症では、適切な療育や教育で理解する力を伸ばすことはできるとされています。原因を確かめることが、見通しを考える出発点になります。

Q2. 小脳低形成の予後・寿命は?

原因によって大きく違います。TSEN54遺伝子による橋小脳低形成症では、2型の多くは10歳になる前に、4型・5型の多くは新生児期に亡くなるとされています。一方で、症状が悪くならないタイプは見通しがよいとされ、大人になった方もいます。原因がわかれば、その型について報告されている経過をもとに見通しを考えられます。

Q3. 小脳低形成は遺伝しますか?次の子の確率は?

原因によります。常染色体潜性(劣性)遺伝の型でご両親がともに保因者なら、お子さん1人ごとに4分の1です。CASK異常症の多くはお子さんで新しく起きた変化ですが、親御さんの性腺モザイクの可能性があるため、次のお子さんへの確率は最大で2分の1と考えます。感染や出血など遺伝ではない原因なら、再発の可能性はとても低いとされています。

Q4. 胎児エコーで小脳が小さいと言われました。いつわかり、何を調べますか?

詳しい脳の超音波検査や胎児MRI(妊娠後半に行うと最も役立つとされています)でほかの変化がないかを確かめ、必要に応じて羊水検査で赤ちゃんの染色体や遺伝子を調べます。胎児期に小脳虫部が小さいとされても、生まれてから確かめると正常だった例も報告されています。当院では羊水検査・絨毛検査、出生前の全エクソーム・全ゲノム検査を受けられます。

Q5. 18トリソミーと関係がありますか?

あります。18トリソミーの胎児では、小脳の横幅が21トリソミーの胎児より小さく、小脳低形成の程度も重いと報告されています。ただし、染色体の変化がある胎児の多くで小脳の大きさは正常範囲だったため、小脳の大きさだけで染色体の変化を判断することはできません。染色体の変化は、この遺伝子パネル検査ではなく、羊水検査・絨毛検査やマイクロアレイ染色体検査で調べます。

Q6. 大人になってから小脳が小さいと言われました。この検査を受けるべきですか?

生まれつき小脳が小さい「小脳低形成」と、いったん育った小脳があとからやせる「小脳萎縮」は別のものです。大人になってから指摘された場合は、まず運動失調症の遺伝子パネル検査など、別の検査が向いていることが多いため、遺伝カウンセリングで所見をうかがってから検査を選びます。

Q7. 橋小脳低形成症パネルとどちらを選べばよいですか?

当院の橋小脳低形成症の遺伝子パネル検査は、このページの8遺伝子をすべて含み、さらにEXOSC3遺伝子を加えた9遺伝子を、同じ税込330,000円で調べます。橋も小さい場合や、赤ちゃんの筋力がとても弱い場合、どちらにするか迷う場合は、9遺伝子のパネルを選ぶ方法があります。

Q8. 費用はいくらですか?保険は使えますか?

検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

🧬 原因を知って、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。小脳低形成の原因がわかれば、お子さんの見通しや合併症への備えだけでなく、ご家族の検査や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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