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先天性グリコシル化異常症(CDG・先天性糖鎖合成異常症)の遺伝子検査|40遺伝子でわかること・費用

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

先天性グリコシル化異常症(CDG・先天性糖鎖合成異常症)の遺伝子検査

先天性グリコシル化異常症(CDG・先天性糖鎖合成異常症)は、たんぱく質に「糖のくさり(糖鎖)」を付けるしくみが生まれつきうまく働かない病気のグループで、脳・肝臓・血液の固まり方など、体のあちこちに症状が出ます。この遺伝子検査は、PMM2・MPI・ALG6など原因となる40遺伝子を一度に調べ、どの型かを確かめる検査です。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。このページでは、先天性代謝異常症のひとつであるこの病気の症状・遺伝のしかた・治療がある型と、検査でわかること・わからないことを、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この遺伝子検査で何がわかりますか?

先天性グリコシル化異常症の原因として知られる40遺伝子をまとめて調べ、どの型かを確かめます。型がわかると、見張るべき合併症や、MPI-CDGのマンノースのように型によって使える治療がはっきりします。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

乳児期からの発達の遅れ・筋緊張の低下に、小脳の萎縮・肝臓の異常・血液の固まり方の異常などが重なる方、トランスフェリンの検査で異常を指摘された方、きょうだいがCDGと診断されたご家族です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜など。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、次のお子さんの確率と、次の妊娠での備えを具体的に考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることもあります。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

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1. 先天性グリコシル化異常症(CDG・先天性糖鎖合成異常症)とは

先天性グリコシル化異常症は、たんぱく質や脂質に糖鎖を付けるしくみに関わる遺伝子の変化で起こる、生まれつきの病気のグループです。英語では congenital disorders of glycosylation といい、頭文字をとってCDGと呼ばれます。日本では「先天性糖鎖合成異常症」「先天性糖鎖異常症」とも呼ばれ、2024年の報告では、189の遺伝子による約200の型が知られています[1]。

最初の患者さんは1980年にベルギーのJaekenらによって報告され、これがのちにPMM2-CDGとわかりました[4]。現在は「PMM2-CDG」のように、原因の遺伝子の名前で型を呼ぶのが一般的です。日本の研究機関が約10年間に遺伝子で診断を支援した66人の報告では、23の型が見つかっています[3]。型ごとの患者さんは少なく、一つひとつはまれな病気です。

糖鎖(グリコシル化)とは:たんぱく質に付く「糖のくさり」

糖鎖とは、ブドウ糖やマンノースなどの糖がくさりのようにつながったもので、体の多くのたんぱく質に付いて、その働きや安定性を支えています。たんぱく質に糖鎖を付けることを「糖鎖修飾(グリコシル化)」といいます。血液を固める因子やホルモン、細胞の表面のたんぱく質など、糖鎖が付いてはじめて正しく働くものが多いため、糖鎖をつくるしくみが働かないと、体のあちこちに症状が出ます。

糖を用意するPMM2・MPIなど
▶
小胞体で組み立てるALG・DPMなど
▶
ゴルジ体で仕上げるCOG・MGAT2など
▶
たんぱく質が働く凝固因子・ホルモンなど

糖鎖には、たんぱく質のアスパラギンというアミノ酸に付く「N結合型」と、セリンやトレオニンに付く「O結合型」などがあります。N結合型の糖鎖は、細胞の中の小胞体で土台が組み立てられ、ゴルジ体で形を整えて仕上げられます。このパネルの遺伝子の多くは、この組み立てと仕上げのどこかの段階を担っています。

💡 用語解説:I型とII型

古い呼び方では、糖鎖の土台を組み立てる段階の異常を「I型(Ia・Ib…)」、できた糖鎖を仕上げる段階の異常を「II型(IIa・IIb…)」と分けていました。PMM2-CDGは「先天性グリコシル化異常症Ia型」にあたります。病院の資料や古い文献ではこの呼び方が使われていることがあるため、下の遺伝子の表では両方を並べています。

主な症状と、症状が出る時期

多くの型は乳児期から症状が出て、発達の遅れや筋緊張の低下に、肝臓・血液の固まり方・目・ホルモンなど、いくつもの臓器の症状が重なるのが特徴です。ただし症状の組み合わせと重さは、型によっても、同じ型の中でも大きく違います。

いちばん多いPMM2-CDGについて、2019年の国際的な診療ガイドラインは、これまでの報告を次のようにまとめています[2]。

🩺 PMM2-CDGでみられる主な症状(2019年の国際ガイドライン)

症状 報告されている頻度・内容
筋緊張の低下 92%
発達の遅れ ほぼ全員にみられる
小脳の萎縮 95.4%(ほぼ全員にみられる所見)
斜視 84%(目の症状でいちばん多い)
脂肪のつき方の偏り 約半数(報告により25〜91%)
陥没乳頭 報告された患者さんの約半数
血液の固まり方の異常 アンチトロンビンの低下がいちばん多く、次いで第XI因子。プロテインCは調べた194人中191人、プロテインSは162人中158人で低下
脳卒中のような発作 36人で報告
肝臓 主に脂肪肝(肝臓が大きくなることがある)
心臓 心膜に水がたまる(心膜液貯留・心膜炎)がいちばん多い
ホルモン(女性) 思春期が遅れる・来ない、無月経、高ゴナドトロピン性性腺機能低下症

※Altassanらの国際ガイドライン[2]による。頻度は報告ごとに調べた人数が違う。

顔立ちに特徴がみられることもありますが、顔立ちだけで診断することはできません。気になる症状がある場合は、上の表のような症状の組み合わせと血液検査の結果をあわせて、検査を考えます。

見通しも型と重さによって大きく違います。フランスのPMM2-CDGの患者さん96人を長く追った研究では、12人が平均3.8歳で亡くなり、主な原因は心膜炎など心臓の問題でした[11]。一方で、大人になって生活している方もいます。

代表のPMM2-CDGと、治療がある型(MPI-CDGのマンノース療法)

多くの型は根本的な治療法がまだなく、症状と合併症に合わせた治療が中心ですが、MPI-CDGのように、型がわかると使える治療が決まる型があります。

PMM2-CDG(PMM2遺伝子)は、いちばん多いCDGで、2019年の時点で900人を超える患者さんの診断が確かめられています[2]。ただし日本の66人の報告では、PMM2-CDGは最も多い型でありながら全体の17%にとどまり、さまざまな型の患者さんがいました[3]。日本では、最初から多くの遺伝子をまとめて調べる意味が大きいといえます。PMM2-CDGに対しては、エパルレスタットという薬を1人の子どもに使って運動失調などの改善を報告した研究があります[12]。その後に行われた子どもの治験は、効果が見込めないとして2025年に中止されています(米国の治験登録サイト、2026年10月時点で確認)。PMM2-CDGの治療薬として承認された薬はありません。

MPI-CDG(MPI遺伝子)は、2020年の国際的な合意ガイドラインで「口から飲むマンノースの効果が確かめられた、数少ない治療できる型のひとつ」とされています[7]。主な症状は、腸からたんぱく質がもれる「たんぱく漏出性胃腸症」、低血糖(低血糖のある方の3分の2以上はインスリンが出すぎることによる)、血液の固まり方の異常と血栓、肝臓の線維化で、発達や知能は正常なことが多いとされています[7]。

⚠️ マンノースで良くなること・良くならないこと

合意ガイドラインによると、マンノースを飲むことで、たんぱく漏出性胃腸症や、吐く・下痢をくり返す症状が良くなり、マンノースで治療を受けた方で血栓は報告されていません。一方で、肝臓の線維化は、マンノースを飲んでいても進むことがあります[7]。治療を始めたあとも、肝臓の定期的な確認が欠かせません。治療は専門の医療機関で行います。

ほかにも、このパネルの遺伝子では、SLC35C1-CDG(白血球接着不全症2型)でフコースを飲むと好中球の数が正常になるなどの改善が報告され[9]、MAGT1-CDGではマグネシウムを飲むことでEBウイルスが血液中に残り続ける状態が良くなりうるとされています[8]。DPAGT1による先天性筋無力症候群では、筋無力症の薬(コリンエステラーゼ阻害薬・3,4-ジアミノピリジン)が効いたと報告されています[10]。DOLK-CDGの心臓だけに症状が出る型では、心臓移植が行われています[8][9]。どれも、どの型かがわかってはじめて検討できるものです。

遺伝のしかた(潜性遺伝が中心、一部X連鎖・顕性)

CDGの大部分は常染色体潜性(劣性)遺伝で、ご両親がともに同じ遺伝子の保因者の場合、お子さんがこの病気になる確率は、妊娠のたびに4分の1です。一部にX連鎖や常染色体顕性(優性)の型もあります[4]。

常染色体潜性(劣性)遺伝では、対になった2本の遺伝子の両方に変化があると発症します。片方だけに変化をもつ方は「保因者」で、ふつう症状はありません。保因者であることに気づかないまま暮らしている方がほとんどで、お子さんの診断をきっかけに、はじめてご両親が保因者だとわかることも少なくありません。

このパネルのSSR4・MAGT1・ALG13は、X染色体の上にある遺伝子です[4][13][14]。X連鎖遺伝では、お母さんが病的な変化をもつ場合、男の子も女の子も2分の1の確率でその変化を受け継ぎます。ただし、発症のしかたは遺伝子によって異なり、ALG13関連疾患では女の子も発症するため、「男の子は発症、女の子は保因者」と一律には説明できません。お子さんで新しく起きた変化の場合は、ご両親の確率が変わるため、ご家族ごとに考えます。また、ALG8・COG4・GNE・SEC23B・DHDDSには、常染色体顕性(優性)遺伝の別の病気もあります(下の遺伝子の表)。

2. この遺伝子検査を受けるとよい方

発達の遅れや筋緊張の低下に、ほかの臓器の症状が重なっていて、原因がわからない方に向く検査です。病名がわかると、受けるべき検査、気をつけたい合併症、使える制度(小児慢性特定疾病など)が決まります。エクソーム・ゲノム検査の研究167件を調べた米国臨床遺伝・ゲノム学会の系統的レビューでは、95%の研究が、患者さんやご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告しています[17](変化の中身や大きさは研究ごとに違います)。

  • ●乳児期からの発達の遅れ・筋緊張の低下に、小脳の萎縮(小脳低形成)、斜視、脂肪のつき方の偏り、陥没乳頭などが重なる方
  • ●肝臓の数値の異常、血液の固まり方の異常(プロテインC・アンチトロンビン・第XI因子の低下など)、脳卒中のような発作、心膜に水がたまるなどの症状がある方
  • ●たんぱく漏出性胃腸症や低血糖があり、MPI-CDGが疑われる方
  • ●血液のトランスフェリンの検査(糖鎖の異常を調べる検査)で異常を指摘された方
  • ●きょうだいやご家族がCDGと診断され、原因の遺伝子を確かめたい方、次のお子さんの確率を知りたい方
  • ●ほかの検査(染色体検査・マイクロアレイなど)で原因がわからなかった方

欧州で希少疾患の患者さん6,507人を対象にした調査では、診断までにかかった時間は平均4.7年でした[15]。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、エクソーム解析を終えた5,136家系のうち2,247家系(43.8%)で診断が確定しています[16]。裏を返せば、遺伝子を調べても原因が見つからない方もいます。陰性の場合の次の一手(第5章)も含めて、遺伝カウンセリングでご説明します。

受けなくてよい場合・別の検査が向いている場合

症状の組み合わせからCDGが疑われるなら、まずこのパネルが向いています。一方で、症状が別の病気のグループに近い場合や、病気をしぼれない場合は、次の検査のほうが向いていることがあります。

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
発達の遅れに多臓器の症状、トランスフェリンの検査で異常 このページの検査(40遺伝子)
代謝の病気が疑われるが、どのグループかしぼれない 包括的代謝疾患パネル(このパネルの40遺伝子のうち39遺伝子を含む。COG2は含まない)
てんかんが主な症状で、原因がしぼれない てんかん包括的遺伝子検査(このパネルの28遺伝子を含む)
知的障害・発達障害が主な症状 知的障害の遺伝子検査、発達障害の遺伝子検査(選び方のページ)
小脳低形成があるが、多臓器の症状は目立たない 小脳低形成パネル(このパネルとは別の遺伝子を調べる)
筋無力(疲れやすい筋力低下)が主な症状 先天性筋無力症候群パネル(ALG2・DPAGT1を含む)
筋ジストロフィーが主な症状 ジストログリカン関連先天性筋ジストロフィーパネル(DPM1・DPM3を含む)
大人になってからの、手先・足先から弱くなる筋力低下 遠位型遺伝性ミオパチーパネル(GNEを含む)
貧血だけが目立つ 先天性赤血球形成異常性貧血パネル(SEC23Bを含む)
目の症状(網膜色素変性症)だけ 網膜色素変性症の遺伝子検査(DHDDSを含む)
乳酸の上昇など、ミトコンドリアの病気も考えられる ミトコンドリア病パネル、乳酸アシドーシス・ピルビン酸代謝異常症パネル
症状が広く、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※含まれる遺伝子は当院の各検査ページの遺伝子リストで確認(2026年10月)。どの検査が合うかは、症状・診察所見・血液検査の結果で変わります。

血液検査(トランスフェリン検査)と遺伝子検査の違い

トランスフェリンの検査はCDGを見つけるための最初の検査(スクリーニング)で、遺伝子検査はどの型かを確かめる検査です。両方は役割が違い、どちらか一方で足りるものではありません。

トランスフェリンは、血液中で鉄を運ぶたんぱく質で、糖鎖が付いています。この糖鎖の形を調べることで、糖鎖をつくるしくみの異常を見つけられます。ただし、見つけられるのはN結合型の糖鎖の異常で、O結合型の異常やGPIアンカーの異常は見つけられません。また、糖鎖を仕上げる段階の異常(II型)では見つけにくいとされています[4]。

  • ●陰性でも否定できない:トランスフェリンの検査が陽性になるのはCDG全体の約60%で、PMM2-CDGでも陰性になることがあります[5]。糖鎖のパターンがときどき正常に戻ることもあり、くり返し調べることがあります[4]。
  • ●CDG以外でも異常が出る:ガラクトース血症、遺伝性果糖不耐症、肝臓の病気、長く続く大量の飲酒、一部の細菌の感染、トランスフェリンそのものの体質的な違い(多型)でも、異常な結果になることがあります[4][6]。
  • ●型は遺伝子で確かめる:生化学的な検査で、すべてのCDGを見つけられるものはありません。臨床的に強く疑われるときは、遺伝子パネル検査やエクソーム検査を行います。PMM2-CDGやMPI-CDGの診断は、遺伝子検査で両方の遺伝子に病的な変化を確かめて確定します[4]。

\ 原因がわかれば、次の妊娠への備えも考えられます /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

原因の遺伝子と変化がわかっていれば、次の妊娠で羊水検査・絨毛検査による出生前診断を当院で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。

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3. 調べる40遺伝子と、それぞれでわかる病気

この検査では、先天性グリコシル化異常症の原因として知られる40の遺伝子を、一度にまとめて調べます。1つの遺伝子に、CDG以外の病気(筋肉・血液・目の病気など)が結びついていることもあります。病名と遺伝のしかたは、遺伝の病気のデータベース(OMIM)の登録にもとづいています。

🧬 調べる40遺伝子と関係する病気

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
PMM2 先天性グリコシル化異常症Ia型(PMM2-CDG) 潜性
MPI 先天性グリコシル化異常症Ib型(MPI-CDG) 潜性
ALG6 先天性グリコシル化異常症Ic型 潜性
ALG3 先天性グリコシル化異常症Id型 潜性
DPM1 先天性グリコシル化異常症Ie型 潜性
MPDU1 先天性グリコシル化異常症If型 潜性
ALG12 先天性グリコシル化異常症Ig型 潜性
ALG8 先天性グリコシル化異常症Ih型/多発性肝嚢胞症3型(腎嚢胞を伴うことがある) 潜性/顕性(多発性肝嚢胞症)
ALG2 先天性グリコシル化異常症Ii型/先天性筋無力症候群14型 潜性
DPAGT1 先天性グリコシル化異常症Ij型/管状集合体を伴う先天性筋無力症候群13型 潜性
ALG1 先天性グリコシル化異常症Ik型 潜性
ALG9 先天性グリコシル化異常症Il型/ギレセン・ケースバッハ・西村症候群 潜性
DOLK 先天性グリコシル化異常症Im型 潜性
RFT1 先天性グリコシル化異常症In型 潜性
ALG11 先天性グリコシル化異常症Ip型 潜性
SRD5A3 先天性グリコシル化異常症Iq型/カーリジ症候群 潜性
DDOST 先天性グリコシル化異常症Ir型 潜性
SSR4 先天性グリコシル化異常症Iy型 X連鎖潜性
MAGT1 先天性グリコシル化異常症Icc型/XMEN病(マグネシウム異常・EBウイルス感染・腫瘍を伴うX連鎖免疫不全症) X連鎖潜性
DHDDS 先天性グリコシル化異常症1bb型/網膜色素変性症59/運動の異常を伴うことがある、てんかんを伴う発達の遅れ 潜性/顕性(発達の遅れとてんかん)
ALG13 発達性てんかん性脳症36(先天性グリコシル化異常症Is型と同じ病気として扱われる) X連鎖
DPM3 ジストログリカン異常症による筋ジストロフィー(肢帯型C15・先天型B15。旧称 先天性グリコシル化異常症Io型) 潜性
MGAT2 先天性グリコシル化異常症IIa型 潜性
MOGS 先天性グリコシル化異常症IIb型 潜性
SLC35C1 先天性グリコシル化異常症IIc型(白血球接着不全症2型) 潜性
B4GALT1 先天性グリコシル化異常症IId型/LDLコレステロールとフィブリノゲンがともに低い状態 潜性
COG7 先天性グリコシル化異常症IIe型 潜性
SLC35A1 先天性グリコシル化異常症IIf型 潜性
COG1 先天性グリコシル化異常症IIg型 潜性
COG8 先天性グリコシル化異常症IIh型 潜性
COG5 先天性グリコシル化異常症IIi型 潜性
COG4 先天性グリコシル化異常症IIj型/ソール・ウィルソン症候群 潜性/顕性(ソール・ウィルソン症候群)
COG6 先天性グリコシル化異常症IIl型/シャヒーン症候群 潜性
COG2 先天性グリコシル化異常症IIq型 潜性
ATP6V0A2 常染色体潜性皮膚弛緩症2A型/しわ皮膚症候群(wrinkly skin syndrome) 潜性
B3GLCT ピーターズプラス症候群 潜性
GNE 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー(GNEミオパチー・野中ミオパチー)/血小板減少症12/シアル尿症 潜性/顕性(シアル尿症)
SEC23B 先天性赤血球形成異常性貧血2型/カウデン症候群7 潜性/顕性(カウデン症候群7)
TUSC3 常染色体潜性知的発達症7 潜性
RPN2 病気との関係を研究中の遺伝子(OMIMに病名の登録なし) —(登録なし)

※病名と遺伝のしかたはOMIMの登録による(2026年10月確認)。「潜性」は常染色体潜性(劣性)遺伝、「顕性」は常染色体顕性(優性)遺伝。ALG13の病名はOMIMで「発達性てんかん性脳症36」に統合されている。遺伝子名・病名のリンク先は当院の解説ページ。

この40遺伝子のうち、ALG1・ALG3・ALG6・ALG12・ATP6V0A2・DHDDS・DOLK・GNE・MPI・PMM2・SEC23Bの11遺伝子は、当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)にも含まれています。ほかの版で調べられるかどうかは、各検査の遺伝子一覧でご確認ください。なお、この40遺伝子は、当院のNIPT(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)の対象遺伝子には含まれていません。

4. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、40遺伝子の小さな変化(1つの塩基の変化や、小さな挿入・欠失)と、遺伝子のまとまった欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●欠失・重複の検出:遺伝子1つ分の欠失・重複(血液と口の内側の粘膜の検体)と、2つ以上続くエクソンの欠失・重複(血液の検体のみ)を見つけられます。エクソン1つ分だけの欠失・重複は、ふつうは検出できません。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
  • ●見つけにくい変化:染色体の転座や逆位、繰り返し配列の伸長、遺伝子のスイッチの部分(プロモーター)やエクソンから離れたイントロンの変化は、この検査では調べられません。体の一部の細胞にだけ変化がある状態(モザイク)を見つける目的の検査でもありません。
  • ●ALG1の一部:ALG1遺伝子のエクソン6〜13は、よく似た配列がほかの場所にあるため、変化を見つける感度が下がることがあります。
  • ●40遺伝子以外の型:CDGは約200の型が知られており[1]、このパネルで調べない型もあります。たとえば、先天性GPI欠損症の原因遺伝子は含まれていません。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。ご希望によりVUSを報告から除くこともできます(無料)。
  • ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、この検査で検出できない変化や、調べていない遺伝子による型が残る可能性があります。

データの精度の目安として、この検査は調べる領域の99%以上を、同じ場所を20回以上読み取る深さで調べます(カバレッジ ≥99% at 20x)。読み取りの質が低い部分は、サンガー法という別の方法で確かめます。

5. 結果が出たあと(陽性・陰性・VUS)

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。報告書の読み方は結果の見かたでも解説しています。調べた目的と別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針に沿ってお伝えします。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

病的変異が見つかったら、次にできること

原因がわかれば、病名と見通しが決まり、見張るべき合併症と、型によっては使える治療がはっきりします。わかったあとに何ができるかを、立場ごとにまとめます。

①ご本人(お子さん):型がわかると、何をどのくらいの間隔で調べればよいかが決まります。たとえばPMM2-CDGの国際ガイドラインは、血液の固まり方の検査を年1回と、手術・処置や体に負担がかかる状況の前に行うこと、目の診察を最初に行い、その後も年1回行うことを勧めています[2]。手術の前には、新鮮凍結血漿などで出血に備えることが示されています[2]。手術や麻酔を受けるときは、病名と注意点を担当の医師に伝えられるようにしておくと安心です。MPI-CDGならマンノース[7]、SLC35C1-CDGならフコース[9]など、型によって検討できる治療があります。治療や定期的な検査は、専門の医療機関で受けていただきます。

②ご両親・ご家族:常染色体潜性遺伝の型であれば、ご両親がそれぞれ同じ変化をもっているか(保因者か)を、見つかった場所だけをピンポイントで調べて確かめられます。これにより、次のお子さんの確率がはっきりします。X連鎖の型(SSR4・MAGT1・ALG13)では、お母さんや、お母さんの姉妹が保因者かどうかを調べる意味があります。症状のないきょうだいの検査は、年齢と、ご本人の現在の健康管理に役立つかどうかを踏まえて検討します。将来の結婚・出産に備えるためだけの非発症保因者検査は、原則として、ご本人が成人して自律的に判断できるまで延期します。

③次のお子さんを考えるとき:原因の遺伝子と変化がわかっていれば、次の妊娠で赤ちゃんに同じ変化があるかを調べられます。単一遺伝子疾患の出生前診断として、羊水検査・絨毛検査を行います。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。出生前診断を行えるかは病気の重さなどを踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。日本でも、日本産科婦人科学会の指針(「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)」に関する指針。2026年9月改定)にもとづく審査を経て、PGT-Mが行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。妊娠中のご夫婦は、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」も選べます。もちろん、何も検査をせずに妊娠・出産することも、同じように尊重される選択です。

④当院でのその後:結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、ご家族の検査や次の妊娠の計画まで、次に何をするかを一緒に考えます(遺伝カウンセリング料は30分22,000円・税込)。原因がわかったことで、ご両親のせいではないとはっきりすることもあります。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。

陰性・VUSだったとき

原因が見つからなかった場合も、CDGの可能性がなくなるわけではありません。このパネルで調べていない型や、この方法で見つけにくい変化が残っている可能性があります。症状や血液検査の結果にあわせて、包括的代謝疾患パネルや全エクソーム検査(WES)などを考えます。

VUSは、それだけで診断や、ご家族の発症リスクの判定には使いません。ただし、その変化が病気の原因かどうかを検討するために、必要に応じてご家族の同じ場所を調べることがあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。原因がわからないまま次の妊娠を考える場合は、出生前全エクソーム検査という選択肢もあります。

6. 日本の制度:小児慢性特定疾病(2026年10月時点)

先天性グリコシル化異常症は、小児慢性特定疾病の対象疾病です。小児慢性特定疾病情報センターでは、「神経・筋疾患」の群の「糖蛋白代謝障害」に分類されています(先天性代謝異常の群ではありません)。

医療費の助成の対象になるのは、運動障害・知的障害・けいれん発作・呼吸の異常などの症状のうち、一つ以上が続く場合とされています。診断には、トランスフェリンなどを使って糖鎖の異常を証明することが大切な基準とされています。認定の基準や申請の方法は、小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

新生児マススクリーニングとの関係

先天性グリコシル化異常症は、公費で全国共通に行われている新生児マススクリーニング(20疾患)の対象には含まれていません。タンデムマス法などで調べるのはアミノ酸・有機酸・脂肪酸の代謝異常、ガラクトース血症、先天性甲状腺機能低下症・先天性副腎過形成症で、ほかに一部の自治体で脊髄性筋萎縮症(SMA)と重症複合免疫不全症(SCID)の検査が加わっています(2026年10月時点、自治体の公表資料で確認)。

そのため、新生児マススクリーニングで「異常なし」だったことは、CDGではないことを意味しません。当院の新生児遺伝子スクリーニング検査パネルには、この40遺伝子のうちMPIが含まれていますが、PMM2をはじめほかの遺伝子は含まれていません。CDGが疑われる症状がある場合は、このパネルを選びます。

7. 検査の流れと費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取血液・唾液など
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
調べる遺伝子 40遺伝子(塩基配列と欠失・重複)
検査費用 税込330,000円
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 2〜3週間
至急オプション 結果までの期間が約7日短くなります(55,000円)
VUS除外 意義がまだわからない変化を報告から除く(無料)
検体 血液(EDTA採血管4ml×2本)、抽出DNA、口の内側の粘膜(頬粘膜スワブ)、唾液
オンライン診療 唾液・口の内側の粘膜・血液のいずれも可能。血液は全国の提携医療機関で採血

※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れになります。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えを防ぎ、検査に使える品質を保つため、ご自身の判断で先に検体を採取しないでください。

当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

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8. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【名前がわかると、次の一歩が決まる】

先天性グリコシル化異常症は、型ごとの患者さんがとても少なく、症状も一人ひとり違います。発達の遅れ、肝臓の数値、血液の固まり方、目の症状。ひとつずつ別の診療科で調べていくと、全体がひとつの病気だと気づくまでに時間がかかることがあります。だからこそ、症状の組み合わせからCDGが疑われたときは、原因の遺伝子をまとめて調べることに大きな意味があると考えています。

型がわかれば、MPI-CDGのように治療の手がかりが見つかることがあります。治療がない型でも、何をどのくらいの間隔で見張ればよいか、手術や麻酔のときに何に気をつければよいかがはっきりします。そして、ご両親にとっては、次のお子さんでどれくらいの確率で同じことが起こるのか、次の妊娠でどう備えられるのかを、具体的に考えられるようになります。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。知ったうえで次の妊娠を考えたいご家族には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 先天性グリコシル化異常症はどんな症状が出ますか?

型によって大きく違いますが、いちばん多いPMM2-CDGでは、筋緊張の低下(92%)、発達の遅れ(ほぼ全員)、小脳の萎縮(95.4%)、斜視(84%)が多く、脂肪のつき方の偏り、陥没乳頭、血液の固まり方の異常、脳卒中のような発作、肝臓・心臓(心膜の水たまり)の症状、女性では思春期が来ないことなどもみられます(2019年の国際ガイドライン)。一方、MPI-CDGは発達が正常なことが多く、たんぱく漏出性胃腸症・低血糖・肝臓の症状が中心です。

Q2. 先天性グリコシル化異常症は治りますか?治療法はありますか?

多くの型は根本的な治療法がまだなく、症状と合併症に合わせた治療が中心です。ただし、MPI-CDGでは口から飲むマンノースで、たんぱく漏出性胃腸症などの症状が良くなることが国際的な合意ガイドラインで示されています(肝臓の線維化は進むことがあります)。SLC35C1-CDGのフコース、MAGT1-CDGのマグネシウムのように、型によって試みられている治療があり、どの型かがわかってはじめて選べます。治療は専門の医療機関で行います。

Q3. 先天性グリコシル化異常症は遺伝しますか?次の子どもに起こる確率は?

多くは常染色体潜性(劣性)遺伝で、ご両親がともに同じ遺伝子の保因者の場合、次のお子さんがこの病気になる確率は妊娠のたびに4分の1です。このパネルのSSR4・MAGT1・ALG13はX連鎖で、確率はお母さんが保因者かどうかで変わります。原因の遺伝子と変化がわかっていれば、次の妊娠で出生前診断(羊水検査・絨毛検査)を計画できます。

Q4. トランスフェリンの検査で異常がなくても、遺伝子検査を受ける意味はありますか?

あります。血液のトランスフェリンの検査は、CDGを疑ったときに最初に行うスクリーニング検査ですが、見つけられるのは糖鎖のうちN結合型の異常で、O結合型の異常やGPIアンカーの異常では異常が出ません。陽性になるのはCDG全体の約60%という報告があり、PMM2-CDGでも陰性になることがあります。症状からCDGが強く疑われるときは、遺伝子検査で確かめます。

Q5. 検査で原因が見つからなかったら、CDGではないということですか?

いいえ。CDGは約200の型が知られていますが、このパネルで調べるのはそのうち40遺伝子です。また、検査の方法では見つけにくい変化もあります。陰性の場合は、症状や血液検査の結果にあわせて、より広い包括的代謝疾患パネルや全エクソーム検査などを考えます。

Q6. きょうだいや両親も検査を受けたほうがよいですか?

お子さんで原因の遺伝子の変化がわかった場合、ご両親がそれぞれ同じ変化をもっているか(保因者か)を確かめることで、次のお子さんの確率がはっきりします。症状のないきょうだいの検査は、年齢と、ご本人の現在の健康管理に役立つかどうかを踏まえて検討します。将来の結婚・出産に備えるためだけの非発症保因者検査は、原則として、ご本人が成人して自律的に判断できるまで延期します。どの検査がよいかは、遺伝カウンセリングでご家族の状況をうかがって決めます。

Q7. 費用と、結果が出るまでの期間を教えてください。

検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果までは2〜3週間です(至急オプションで約7日短くなります。55,000円)。検体は血液・唾液・口の内側の粘膜などで、唾液と口の内側の粘膜はオンライン診療でもお受けできます。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

🧬 一度の検査で、お子さんとご家族のこれからを考える

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。先天性グリコシル化異常症の原因がわかれば、お子さんの合併症への備えや治療の手がかりだけでなく、ご両親の保因者の確認や、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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