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ミトコンドリア病遺伝子検査パネル

ミトコンドリア遺伝子検査パネル

ミトコンドリア病は、身体のエネルギー生産能力を阻害する多様な疾患群です。人口10万人あたり9.2~16.3人の有病率と報告されています。(出典:ミトコンドリア病
ミトコンドリア呼吸鎖の機能不全により、難聴、眼筋麻痺などの眼の問題、ミオパシー、心筋症、けいれん、脳卒中様エピソード、運動失調、糖尿病など、様々な症状が重複する臨床的に異質な疾患群です。

一つの細胞には数百個のミトコンドリアが存在します。細胞が生きて活動するのに必要なエネルギーを作り出すのがミトコンドリアの大きな役割です。ミトコンドリアの機能不全は細胞が正常に働けないことを意味するので、その臓器に問題が生じ、様々な症状を示します。これがミトコンドリア病なのですが、ミトコンドリアに関係する遺伝子病的変異でおこるものです。ミトコンドリアは体細胞にあるため、基本的には母系遺伝となります。

関連記事:遺伝形式とは

核ミトコンドリア遺伝子パネル

この検査は、ミトコンドリアのエネルギー代謝に関与する核にコードされた遺伝子を調べるものです。ミトコンドリアDNA遺伝子は、この検査では調べません。

この検査は誰のためのものですか?

このパネルは、筋力低下やけいれん、心筋症、目の問題、難聴、その他の神経学的異常など、核DNAに関連するミトコンドリア病の症状を個人または家族に持つ人に推奨されます。 また、標的ミトコンドリア遺伝子パネルで陰性と判定された患者さんにも有効な場合があります。

患者さんにとって、どのようなメリットがありますか?

ミトコンドリア異常症の診断は、症状が他の疾患と重複しているため困難です。遺伝子検査は、診断を確定し、現在存在する特定の病因を決定するのに役立ち、より個別化された治療につながります。

ミトコンドリア異常症の遺伝子検査は、以下のようなメリットがあります。

  • 適切な診断の確立または確認
  • その他の関連症状のリスクを特定する
  • 食事や運動などのライフスタイルの変更を支援する。
  • より個別化された治療と症状管理の実現
  • 家族に対して、自分自身の危険因子について説明する
  • 患者さんを関連するリソースやサポートにつなげる
  • 家族計画のための選択肢を提供する

対象遺伝子

AAAS, AARS, AARS2, AASS, ABAT, ABCB11, ABCB4, ABCB6, ABCB7, ABCB8, ABCC8, ABCC9, ABCD1, ABCD3, ABCD4, ABHD5, ACACA, ACAD8, ACAD9, ACADL, ACADM, ACADS, ACADSB, ACADVL, ACAT1, ACAT2, ACHE, ACLY, ACO2, ACSF3, ACSL4, ACSL5, ACSM3, ADSL, AFG3L2, AGK, AGL, AGPS, AGXT, AGXT2, AIFM1, AK2, AK3, AKAP10, AKR7A2, AKT1, AKT2, ALAS2, ALDH18A1, ALDH2, ALDH3A2, ALDH4A1, ALDH5A1, ALDH6A1, ALDH7A1, ALDOA, ALDOB, ALG1, ALG11, ALG13, ALG2, ALG3, ALG6, ALG9, AMACR, AMT, ANK2, ANKRD26, APOPT1, APTX, ARG1, ARMS2, ARX, AS3MT, ASL, ASS1, ATAD3A, ATAD3B, ATIC, ATP10D, ATP5F1A, ATP5F1B, ATP5F1E, ATP7B, ATP8B1, ATPAF2, ATXN7, AUH, B4GALT1, BAX, BCAT1, BCAT2, BCKDHA, BCKDHB, BCL2, BCS1L, BOLA3, C12orf65, C19orf12, CA5A, CACNA1A, CACNA1S, CACNA2D1, CARS2, CASP8, CCT7, CDC42BPB, CDKL5, CFTR, CHAT, CHCHD10, CHDH, CHKB, CHRNA4, CHRNB2, CISD2, CKM, CKMT1B, CLCN1, CLCN2, CLCN5, CLCN7, CLCNKB, CLN3, CLN5, CLN6, CLN8, CLPB, CLPP, CLYBL, CNR1, COA5, COA6, COASY, COG4, COG5, COG6, COG7, COG8, COMT, COQ2, COQ4, COQ5, COQ6, COQ7, COQ8A, COQ8B, COQ9, COX10, COX14, COX15, COX20, COX4I1, COX4I2, COX6A1, COX6B1, COX7A1, COX7A2, COX7B, COX8A, CPOX, CPS1, CPT1A, CPT1B, CPT2, CTSD, CYB5A, CYB5R3, CYBA, CYBB, CYC1, CYCS, CYP11A1, CYP11B1, CYP11B2, CYP24A1, CYP27A1, CYP27B1, D2HGDH, DARS, DARS2, DBT, DDAH1, DDC, DDHD1, DDHD2, DDOST, DECR1, DGUOK, DHODH, DHTKD1, DIABLO, DISC1, DLAT, DLD, DMAC2, DMGDH, DNA2, DNAJC19, DNAJC5, DNM1L, DNM2, DOLK, DPAGT1, DPM1, DPM3, DTNBP1, EARS2, ECHS1, ECI1, ECSIT, ELAC2, ELN, ENO1, ENO3, ETFA, ETFB, ETFDH, ETHE1, FAAH, FAH, FARS2, FASN, FASTKD2, FBP1, FBXL4, FDPS, FDX2, FECH, FH, FLAD1, FOLR1, FOXC1, FOXG1, FOXRED1, FTH1, FXN, G6PC, G6PD, GAA, GAD1, GAD2, GALC, GAMT, GARS, GATD3A, GATM, GBE1, GCDH, GCK, GCSH, GDAP1, GFER, GFM1, GFM2, GK, GLDC, GLO1, GLRA1, GLRX5, GLS, GLUD1, GLYCTK, GMPPA, GNAS, GNPAT, GPAM, GPD1, GPD2, GPI, GPX1, GPX4, GSS, GTPBP3, GYG1, GYG2, GYS1, GYS2, H6PD, HADH, HADHA, HADHB, HARS, HARS2, HCCS, HCFC1, HIBCH, HIGD2A, HK1, HK2, HLCS, HMGCL, HMGCS2, HOGA1, HSD17B10, HSD17B4, HSD3B1, HSD3B2, HSPA9, HSPB7, HSPD1, HSPE1, HTRA2, IARS2, IBA57, IDE, IDH1, IDH2, IDH3B, IMMP2L, IMMT, INPP5E, INSR, ISCA2, ISCU, IVD, KARS, KCNA1, KCNE1, KCNE2, KCNH2, KCNJ11, KCNJ2, KCNQ1, KCNQ2, KCNQ3, KIF1B, KRT5, KYNU, L2HGDH, LAMP2, LARS, LARS2, LDHA, LDHB, LETM1, LIAS, LIPT1, LMBRD1, LRPPRC, LRRK2, LYRM4, LYRM7, MAOA, MAOB, MARS, MARS2, MAVS, MCCC1, MCCC2, MCEE, MDH1, MECP2, MECR, MED23, MEN1, MFF, MFN2, MFSD8, MGAT2, MGLL, MGME1, MGST3, MICU1, MLYCD, MMAA, MMAB, MMACHC, MMADHC, MOCOS, MOCS1, MOCS2, MOGS, MPC1, MPDU1, MPI, MPV17, MRPL12, MRPL15, MRPL19, MRPL3, MRPL43, MRPL44, MRPL48, MRPL57, MRPS12, MRPS16, MRPS17, MRPS18A, MRPS22, MRPS7, MRRF, MTCH2, MTFMT, MTHFD1, MTHFD1L, MTO1, MTPAP, MTR, MTRR, MUT, MUTYH, NADK2, NAGS, NARS2, NDUFA1, NDUFA10, NDUFA11, NDUFA12, NDUFA13, NDUFA2, NDUFA4, NDUFA6, NDUFA7, NDUFA8, NDUFA9, NDUFAF1, NDUFAF2, NDUFAF3, NDUFAF4, NDUFAF5, NDUFAF6, NDUFAF7, NDUFB1, NDUFB11, NDUFB3, NDUFB6, NDUFB8, NDUFB9, NDUFC2, NDUFS1, NDUFS2, NDUFS3, NDUFS4, NDUFS5, NDUFS6, NDUFS7, NDUFS8, NDUFV1, NDUFV2, NDUFV3, NFS1, NFU1, NGLY1, NIPSNAP1, NIPSNAP3A, NLRX1, NME1, NNT, NOS3, NPL, NR2F1, NRXN1, NUBPL, OAT, OGG1, OPA1, OPA3, OTC, OXCT1, PACRG, PAH, PAK5, PANK2, PARL, PARP1, PARS2, PC, PCCA, PCCB, PCK1, PCK2, PDHA1, PDHB, PDHX, PDP1, PDSS1, PDSS2, PDX1, PET100, PEX1, PEX10, PEX11B, PEX12, PEX13, PEX14, PEX16, PEX19, PEX2, PEX26, PEX3, PEX5, PEX6, PEX7, PFKM, PGAM2, PGK1, PGM1, PHB, PHKA1, PHKA2, PHKB, PHKG2, PHYH, PKLR, PMM2, PNKD, PNMT, PNPT1, POLG, POLG2, POLRMT, PPARGC1A, PPOX, PPT1, PREPL, PRKAG2, PRKN, PRODH, PRPS1, PTGES2, PTRH2, PTS, PUS1, PYCR1, PYGM, QARS, QDPR, RAB11FIP5, RANBP2, RARS, RARS2, REEP1, RFT1, RMND1, RMRP, RNASEL, RPL35A, RPS14, RRM2B, RSPH9, RYR1, RYR2, SACS, SARDH, SARS2, SCN1A, SCN1B, SCN2A, SCN4A, SCN5A, SCO1, SCO2, SCP2, SDHA, SDHAF1, SDHAF2, SDHB, SDHC, SDHD, SECISBP2, SERAC1, SFXN4, SHMT1, SHMT2, SIRT1, SIRT3, SIRT5, SLC16A1, SLC19A2, SLC19A3, SLC22A4, SLC22A5, SLC25A1, SLC25A12, SLC25A13, SLC25A15, SLC25A16, SLC25A19, SLC25A20, SLC25A21, SLC25A22, SLC25A3, SLC25A32, SLC25A35, SLC25A38, SLC25A39, SLC25A4, SLC25A42, SLC25A5, SLC25A6, SLC27A4, SLC2A1, SLC2A2, SLC35A1, SLC35A2, SLC35C1, SLC37A4, SLC3A1, SLC5A8, SLC6A8, SLC7A7, SOD2, SPART, SPAST, SPG7, SPR, SPTLC1, SPTLC2, SRD5A3, SSR4, STAR, STT3A, STT3B, STXBP1, SUCLA2, SUCLG1, SUGCT, SUOX, SURF1, TACO1, TAP1, TARS2, TAT, TAZ, TCIRG1, TDP1, TFAM, TFB1M, TIMM13, TIMM44, TIMM50, TIMM8A, TIMM9, TK2, TKT, TMEM126A, TMEM165, TMEM70, TOMM40, TOP1MT, TP53, TPH2, TPI1, TPK1, TPP1, TRIT1, TRMU, TRNT1, TSFM, TSPO, TST, TTC19, TUFM, TWNK, TXN2, TXNRD2, TYMP, UBE3A, UCP1, UCP2, UCP3, UNG, UQCC2, UQCC3, UQCRB, UQCRC2, UQCRQ, UROS, USP24, VARS2, WARS2, WDR4, WFS1, WWOX, XPNPEP3, YARS2 ( 677遺伝子 )

結果が出るまでの期間

3~5週間

カバレッジ

20×で96%。

検体の条件

血液(4ml EDTAチューブ2本、ラベンダー色上部)または抽出DNA(EBバッファーに3ug)または頬側スワブまたは唾液。

テストの限界

すべてのシーケンス技術には限界があります。本分析は次世代シーケンサー(NGS)により行われ、コーディング領域とスプライシングジャンクションを調べるように設計されています。次世代シーケンス技術と当社のバイオインフォマティクス解析により、偽遺伝子配列やその他の高相同配列の寄与は大幅に減少しますが、それでも時折、シーケンス解析と欠失・重複解析の両方で、病原性バリアントアレルを特定するアッセイの技術能力を阻害することがあります。サンガーシーケンスは、品質スコアが低いバリアントを確認し、カバレッジ基準を満たすために使用されます。注文があれば、欠失/重複解析は、1つの遺伝子全体を含み(頬側スワブ検体および全血検体)、2つ以上の連続したエクソンの大きさを持つゲノム領域の変化を特定できる(全血検体のみ);単一エクソンの欠失または重複が特定されることもあるが、この検査では日常的に検出されない。同定された推定欠失または重複は、直交法(qPCRまたはMLPA)により確認される。本アッセイでは、転座や逆位、リピート拡大(トリヌクレオチドやヘキサヌクレオチドなど)、ほとんどの制御領域(プロモーター領域)や深いイントロン領域(エクソンから20bp以上)の変化など(ただし、これらに限らない)、疾患の原因となる特定のタイプのゲノム変化は検出されません。本アッセイは、体細胞モザイクや体細胞変異の検出のために設計または検証されたものではありません。

検査費用

275000円(消費税10%込み)。遺伝カウンセリング料金は30分16500円(税込み)となります。

特記事項

FXN:疾患に最もよく関連するFXN遺伝子変異は、GAAトリヌクレオチドリピート配列の拡張である。この遺伝子の配列変異とコピー数の変化のみが、上記で特に断りがない限り、この検査の一部として検査される。患者の臨床症状がこの遺伝子に関連する疾患に特異的である場合、反復拡大検査が正当化される場合がある。

MECP2:現在利用可能な技術(NGSおよびqPCR)は、MECP2遺伝子のエクソン1の単一エクソン欠失/重複の検出には適していない。

ミトコンドリアゲノム遺伝子パネル

この検査では、37個のmtDNAゲノム上の遺伝子をすべて調べます。核にコードされた遺伝子は、この検査では調べません。

この検査はどのような人に有効ですか?

この検査は、筋力低下やけいれん、心筋症、目の問題、難聴、その他の神経学的異常など、ミトコンドリア病の症状の個人歴や家族歴をお持ちの方に適していると考えられます。また、これらの症状を持つ患者さんで、標的核遺伝子パネルや全エクソームシーケンス検査で陰性と判定された方にも有効な場合があります。

検査のメリットは核ミトコンドリア遺伝子パネルと同じです。

対象遺伝子

MT-ATP6, MT-ATP8, MT-CO1, MT-CO2, MT-CO3, MT-CYB, MT-ND1, MT-ND2, MT-ND3, MT-ND4, MT-ND4L, MT-ND5, MT-ND6, MT-RNR1, MT-RNR2, MT-TA, MT-TC, MT-TD, MT-TE, MT-TF, MT-TG, MT-TH, MT-TI, MT-TK, MT-TL1, MT-TL2, MT-TM, MT-TN, MT-TP, MT-TQ, MT-TR, MT-TS1, MT-TS2, MT-TT, MT-TV, MT-TW, MT-TY ( 37遺伝子 )

結果が出るまでの期間

3~5週間

カバレッジ

1000×で99%。

検体の条件

血液(4ml EDTAチューブ2本、ラベンダー色上部)または抽出DNA(EBバッファーに3ug)または頬側スワブまたは唾液。

テストの限界

すべてのシーケンス技術には限界があります。この解析は、ミトコンドリアDNAのPCR増幅と次世代シーケンサー(NGS)により行われます。この解析は、37個のmtDNA遺伝子すべてを調べるように設計されており、16,569個の塩基すべてをカバーするために重複するプライマーセットを利用します。このアッセイは、ミトコンドリアDNAのヘテロプラスミーを最小レベル2~5%で検出することが検証されています。このアッセイは、核エンコード遺伝子で発生した変異を検出するために設計または検証されたものではありません。

検査費用

275000円(消費税10%込み)。遺伝カウンセリング料金は30分16500円(税込み)となります。

ミトコンドリア総合遺伝子パネル

ミトコンドリアゲノム遺伝子パネルと、核ミトコンドリア遺伝子パネルに含まれる遺伝子を一度に調べる検査パネルとなっています。

検査費用

495000円(消費税10%込み)。遺伝カウンセリング料金は30分16500円(税込み)となります。

この記事の著者:仲田洋美(医師)

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プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

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