この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

乳酸やピルビン酸の値が高い、乳酸アシドーシスをくり返す――その原因が生まれつきの代謝の病気かどうかを、70の遺伝子でまとめて調べるのがこの検査です。原因の遺伝子がわかると、ケトン食が中心の治療になる病気なのか、反対にケトン食を避けるべき病気なのかといった、治療の方針そのものが変わることがあります。41か国・6,507人の希少疾患の患者さんを対象にした欧州の調査では、診断がつくまでに平均4.7年かかっていました[15]。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。このページでは、乳酸ピルビン酸比(L/P比)の見方から、70遺伝子でわかる病気、結果のあとにできることまで、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
乳酸・ピルビン酸が高くなる生まれつきの原因を、核DNA上の70遺伝子でまとめて調べます。ピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、呼吸鎖の病気(ミトコンドリア病)などが対象です。ミトコンドリアDNAは調べません。
🧬 Q. 乳酸値が高いと言われたら受けるべきですか?
乳酸は血流不足や採血のしかたでも上がります。ほかの原因で説明がつかず、乳酸アシドーシスをくり返す方、発達の後戻りや筋力低下を伴う方、ご家族に同じ病気の方がいる方に向く検査です。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、治療の方針、ご家族の検査、次のお子さんの確率を具体的に考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. 乳酸アシドーシスとは?乳酸・ピルビン酸が高くなるしくみと原因
乳酸アシドーシスとは、血液の中に乳酸がたまり、体が酸性にかたむいた状態です。乳酸は、細胞がエネルギーをつくる途中でできるピルビン酸が、先へ進めずに横道へそれたときに増えます。そのため、エネルギーづくりのどこかが生まれつき止まっていると、乳酸やピルビン酸の値が高くなります。
ピルビン酸は「細胞のエネルギー工場への入口」
食べ物からとったぶどう糖は、まず細胞の中でピルビン酸に分解されます。ピルビン酸は、ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(ピルビン酸脱水素酵素複合体、PDHC)という酵素のかたまりによってアセチルCoAに変えられ、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの中で、TCA回路と呼吸鎖を通ってエネルギー(ATP)になります[1]。
ぶどう糖解糖系
▶
ピルビン酸ここで分かれ道
▶
アセチルCoAPDHCが変える
▶
TCA回路・呼吸鎖エネルギー(ATP)
ピルビン酸には、もう1つの行き先があります。ピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)という酵素は、ピルビン酸をオキサロ酢酸に変え、空腹のときに糖をつくるしくみ(糖新生)やTCA回路を支えています[2]。入口のPDHCや、その先のTCA回路・呼吸鎖、横道のPCのどこかが止まると、行き場をなくしたピルビン酸が乳酸に変わり、乳酸がたまります。
💡 用語解説:乳酸アシドーシスと乳酸ピルビン酸比(L/P比)
乳酸アシドーシスは、血液の中に乳酸がたまり、体が酸性にかたむいた状態です。乳酸ピルビン酸比(L/P比)は、血液の乳酸の値をピルビン酸の値で割った数字で、正常範囲は10〜20とされています[1]。乳酸だけでなく、その「材料」であるピルビン酸と比べることで、エネルギーづくりのどの段階で止まっているかの見当がつきます。
乳酸値が高い原因は、生まれつきの病気だけではない
乳酸値が高いからといって、すぐに生まれつきの病気とは限りません。米国のミトコンドリア医学会の診断の指針は、乳酸が上がる理由として、ミトコンドリアの病気のほかに、有機酸代謝異常症などほかの代謝の病気、毒物、組織への血流不足(虚血)を挙げています[3]。重い病気で入院しているお子さんでは、食事からのビタミンB1(チアミン)不足が起こることもあります[1]。
採血のしかたでも値は変わります。同じ指針では、駆血帯(腕をしばるゴム)を巻いたまま採血したり、お子さんが泣いて暴れたりすると、乳酸が見かけ上高く出ると注意しています[3]。反対にピルビン酸は、採った血液をすぐに専用の試薬に入れて冷やさないと、見かけ上低く出ます[1]。こうした理由で説明がつかず、正しく採った血液でくり返し高いときに、生まれつきの原因を調べる意味が大きくなります。
乳酸アシドーシスの症状・初期症状
症状は、原因の病気と年齢によって大きく違います。ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症では、371人の報告をまとめた研究で、1歳になる前の発症、発達の後戻り、MRIでの脳の形の変化、乳酸アシドーシスが代表的な姿とされました[5]。ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症の重い型(B型)は、生まれてまもなく、体温が下がる・呼吸が苦しくなる・吐く・重い乳酸アシドーシス、という形で始まります[2]。
呼吸鎖などのミトコンドリア病では、エネルギーを多く使う臓器に症状が出やすく、診療の指針は、心臓・耳・目・糖尿病などのホルモンの働きを定期的に確かめるよう勧めています[4]。大人になってから、まぶたが下がる・目が動きにくい(進行性外眼筋麻痺)、運動ですぐ疲れる、といった形で気づかれる病気も、このパネルの対象に含まれています(第4章の表)。
生まれつきの乳酸アシドーシスの主な原因
このパネルの70遺伝子は、エネルギーづくりのどの段階に関わるかで、次のように分けられます。
🔬 生まれつきの乳酸アシドーシスの主な原因(このパネルで調べるグループ)
※遺伝子の割り振りは下の「調べる70遺伝子」の表にもとづく。PDHCとPCのしくみは文献[1][2]による。
2. 乳酸ピルビン酸比(L/P比)でわかること
乳酸ピルビン酸比(L/P比)は、乳酸が高い原因が「ピルビン酸の入口の病気」なのか、「その先の呼吸鎖の病気」なのかを見分ける手がかりです。正常範囲は10〜20とされ、PDHC欠損症では乳酸とピルビン酸が一緒に上がるためL/P比は正常のまま、呼吸鎖の病気では20を超えて高くなる、と整理されています[1]。
L/P比が高いとき・正常のときに考える病気
PDHCが止まると、ピルビン酸がそのまま増え、そこから乳酸も増えるので、両方が同じように上がります。371人のPDHC欠損症をまとめた研究でも、代表的な姿としてL/P比が20以下であることが挙げられています[5]。一方、呼吸鎖が止まると、ピルビン酸より乳酸のほうがずっと多くなり、L/P比が上がります[1]。ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症は型によって違い、重い新生児型(B型)ではL/P比が20を超え、A型・C型ではふつう20未満です[2]。
📊 乳酸とピルビン酸の組み合わせで考えること(乳酸が高いとき)
※L/P比は乳酸が高いときにだけ意味があります。L/P比で呼吸鎖の病気とピルビン酸の代謝の病気を見分ける力は、感度31%・特異度100%と報告されています[3]。
L/P比だけで決められない理由
L/P比は、乳酸が高いときにだけ意味をもちます[3]。また、L/P比で呼吸鎖の病気とピルビン酸の代謝の病気を見分ける力は、特異度100%である一方、感度は31%(正常でも否定はできない)と報告されています[3]。採血の条件で乳酸やピルビン酸の値がずれること(第1章)や、PC欠損症のように型によってL/P比が違う病気があることも、決めきれない理由です。
⚠️ 似た検査値でも、治療が正反対になることがあります
ピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)欠損症では、ケトン食が中心の治療とされています[1]。一方、ピルビン酸カルボキシラーゼ(PC)欠損症では、ケトン食は禁忌とされています[2]。どちらも「乳酸が高い」病気ですが、原因の遺伝子によって、すすめられる食事が反対になります。検査値だけで決めず、遺伝子で原因を確かめることに意味があるのは、このためです。
病名が確定すると診療が変わることは、遺伝子検査全体の研究でも示されています。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)の系統的レビューでは、エクソーム・ゲノム検査に関する167の研究のうち95%で、患者さんやご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告されていました[17]。
3. どんな人がこの検査を受けるとよいか
ほかの原因で説明がつかない乳酸アシドーシスをくり返す方、乳酸やピルビン酸の値が高く、発達の遅れや後戻り・筋力低下・低血糖などを伴う方、ご家族に同じ病気の方がいる方に向く検査です。ご本人が小さなお子さんの場合は、ご両親が「原因を知りたい」「次のお子さんはどうなのか」を考えるための検査にもなります。
お子さん:新生児・乳児期に乳酸値が高いと言われた
- ●生まれてまもなくから、乳酸アシドーシスや、乳酸・ピルビン酸の高い値が続く、またはくり返す[2][5]
- ●発達がゆっくり、または一度できたことができなくなる(発達の後戻り)[5]
- ●MRIで脳の形の変化を指摘された[5]
- ●アンモニアの上昇や低血糖を伴う(ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症や、糖新生・糖原病の病気で起こりうる)[2]
ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症・ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症・呼吸鎖の病気などは、全国共通で行われている新生児マススクリーニング(生まれてすぐの赤ちゃんの血液検査)の対象20疾患には含まれていません(2026年10月時点、自治体の公表で確認)。そのため、症状と検査値から疑うことになります。なお、自治体によっては20疾患のほかに追加の検査を行っているところがあるため、お住まいの地域の対象は自治体にご確認ください。新生児スクリーニングのしくみや、生まれてすぐに多くの遺伝子を調べる新生児遺伝子スクリーニング検査パネルもあわせてご覧ください。
大人:疲れやすさ・目の症状・心臓や耳の症状が重なる
このパネルには、大人になってから気づかれることのある病気も含まれます。まぶたが下がる・目が動きにくい「進行性外眼筋麻痺」は、POLG・TK2・DGUOK・RRM2B・SLC25A4の変化で起こる型があり、運動ですぐ疲れる筋肉の病気(ISCU)や、心筋症を伴う型(SLC25A4)もあります(第4章の表)。原因のはっきりしない症状が複数の臓器に重なるときは、遺伝子で原因をまとめて確かめる意味があります。
ご家族に同じ病気の方がいる・次のお子さんを考えている
原因がわかれば、次のお子さんで同じ病気が起こる確率と、次の妊娠での備え方を、具体的に考えられるようになります。原因と遺伝のしかたによって確率は大きく変わります。たとえば常染色体潜性(劣性)遺伝の型では、ご両親がともに保因者のとき、きょうだいが発症する確率は4分の1です。PDHC欠損症でいちばん多いPDHA1はX連鎖遺伝で、お母さんが変化をもっていれば、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継がれます[1]。
一方で、PDHA1による発症者の多くは、お子さんの代で新しく起きた変化(de novo)によるもので、その割合は発症した男性の約60〜63%、女性の約85〜95%と報告されています[1]。新しく起きた変化とわかれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。
この検査より別の検査が向いている場合
乳酸・ピルビン酸の異常が前に出ているなら、まずこの検査です。ただし、このパネルはミトコンドリアDNAを調べないため、お母さん方の家系に同じような症状の方がいるときなどは、別の検査のほうが向いています。同じまとまりの検査とは、調べる遺伝子が一部重なっています。
🔍 同じまとまりの検査との選び分け
※重なる遺伝子は、それぞれの検査の対象遺伝子の一覧を突き合わせて数えたものです(2026年10月)。
4. この検査で調べる70遺伝子と、わかる病気
この検査では、乳酸アシドーシス・ピルビン酸代謝異常症に関係する、核DNA上の70の遺伝子をまとめて調べます。ピルビン酸の入口(PDHC)と横道(PC)の7遺伝子に加え、呼吸鎖、コエンザイムQ10を作るしくみ、ミトコンドリアDNAの維持、ミトコンドリアのたんぱく質づくり、TCA回路、糖新生・糖原病などに関わる遺伝子が含まれます。
🧬 この検査で調べる70遺伝子と、関係する病気
※病名と遺伝のしかたは、OMIM(遺伝性疾患の国際的なデータベース)由来の登録情報を、UniProt・MedlinePlus Genetics・Monarch Initiative・HPOで照らし合わせて確かめました(2026年10月)。病名は日本語に訳しています。「潜性・顕性」は、同じ遺伝子でも病気によって遺伝のしかたが違うことを示します。
遺伝のしかた:ほとんどが常染色体潜性(劣性)遺伝
70遺伝子の病気の多くは常染色体潜性(劣性)遺伝で、対になった遺伝子の両方に変化があるときに発症します。X連鎖遺伝はPDHA1とTAZの2つです。PDHA1の病気では、発症する人の割合に男女で差がないことが知られています[1]。一方、POLG・RRM2B・SLC25A4・DNM1L・FH・SCO2には、片方の変化で起こる常染色体顕性(優性)遺伝の病気もあります。同じ遺伝子でも、病気によって遺伝のしかたが違うことがあるため、確率は「どの遺伝子のどの病気か」が決まってから考えます。遺伝のしかたの全体像は遺伝形式とはで解説しています。
5. 病的変異が見つかったら、次にできること
原因の遺伝子が見つかると、病名が決まり、治療・気をつけること・ご家族の検査・次のお子さんの計画が、具体的に考えられるようになります。わかるだけで終わらないよう、立場ごとに整理します。
ご本人:遺伝子によって、治療や気をつけることが変わる
乳酸アシドーシスを起こす病気は、原因の遺伝子によって治療が大きく違います。PDHC欠損症では、19人のお子さんをケトン食で治療した研究で、てんかん・運動失調・睡眠の問題などに効果があり、多くの患者さんで有効かつ安全と結論されています[6]。一方、同じように乳酸が高い病気でも、ケトン食が禁忌とされるものがあります。主な例を表にまとめます。
💊 原因がわかると変わること(遺伝子ごとの例)
※治療は、専門の医療機関で主治医と相談して決めます。当院は治療を行っていません。
コエンザイムQ10を作る遺伝子の病気(CoQ10)や、リボフラビン(ビタミンB2)が試される病気のように、原因がわかってはじめて試す意味がはっきりする治療があります。また、抗てんかん薬のバルプロ酸は、POLGの変化がある方では重い肝障害の危険が高く、変化をもつ人で肝障害が起こるオッズ比は23.6と報告されています[14]。なお、日本のバルプロ酸の添付文書(2026年3月改訂版)の禁忌の欄には、POLGの記載はありません。だからこそ、病名がわかっていることを主治医に伝えることが大切です。
💡 体調をくずしたとき・手術のときに気をつけること
ミトコンドリア病の診療指針では、長い時間の絶食を避けること(ピルビン酸の代謝の病気やケトン食中の方は例外)、麻酔・手術の前の絶食をできるだけ短くし点滴にブドウ糖を加えること(ケトン食中の方などは例外)、プロポフォールという麻酔薬は使わないか短い処置に限ることなどが勧められています[4]。ピルビン酸の代謝の病気(疑いを含む)については、ブドウ糖の点滴をしないか量を控える、という注意も挙げられています[3]。ただし、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症では、急に悪くなったときにブドウ糖の点滴で異化(体の分解)を止める治療が示されているなど[2]、病気によって対応が違います。ブドウ糖の使い方は、主治医が病気ごとに判断します。病名がわかっていれば、救急や手術の場面で、こうした注意を前もって伝えられます。
このほか、ミトコンドリア病の診療の指針は、診断のときに心電図と心エコーを行い、その後も少なくとも3年間は毎年心臓を確かめること、診断のときと1〜2年ごとの聴力検査、毎年の眼科の検査などを勧めています[4]。急な病気のときに可能なら避けたい薬として、バルプロ酸・スタチン・メトホルミン・高用量のアセトアミノフェン・一部の抗菌薬が挙げられています[3]。治療や見張りは、専門の医療機関で主治医と相談して決めます。当院は治療を行っていません。
症状のないご家族:きょうだい・ご両親の検査
ご家族の中で原因の変化がわかると、ほかのご家族は同じ場所だけをピンポイントで調べることで、受け継いでいるかを確かめられます。症状が出る前のきょうだいが見つかれば、体調をくずしたときの注意や治療の準備を早く始められます。ご両親が保因者かどうかを確かめると、次のお子さんの確率もはっきりします。症状のない方の検査は、ご本人の同意のうえで、遺伝カウンセリングで知ることの意味を考えてから行います。
親やきょうだいの病気をきっかけに「自分もなるかもしれない」と不安な方へ
親御さんやきょうだいがミトコンドリアの病気と診断されると、疲れやすさやまぶたの重さのような小さな変化でも「始まったのでは」と不安を抱えながら暮らしている方もいます。このパネルには、大人になってから症状が出ることのある病気も含まれています。たとえば、まぶたが下がる・目が動きにくい進行性外眼筋麻痺(POLG・RRM2B・SLC25A4の顕性遺伝の型、TK2・DGUOKの潜性遺伝の型)や、FHの片方の変化で起こる遺伝性平滑筋腫症腎細胞がんです(第4章の表)。
ご家族で原因の変化がわかっていれば、症状のない方も、同じ変化を受け継いでいるかを調べられます。受け継いでいないとわかれば、その病気について、ご家族と同じ確率を心配しなくてよくなります。受け継いでいるとわかった場合は、この章で紹介した薬・手術・絶食の注意や、心臓・耳・目の見張りを、症状が出る前から準備できます。
当院は、ライフステージごとに患者さんの人生をサポートするという考え方で診療しており、知りたいと願う方を拒むことはしません。遺伝カウンセリングで十分に考えたうえで、ご本人が知りたいと決めた場合は、その意思を尊重して検査まで行います。知らないでいる選択も、同じように尊重します。結果を知ったあとの気持ちの変化は、陽性でも陰性でも起こりえます。当院では、結果をお伝えしたあとも、遺伝カウンセリングで相談を続けていただけます。なお、日本医学会のガイドライン(2022年3月改定)は、成年期以降に発症する病気の未成年者への発症前の遺伝学的検査は、原則として本人が成人し自律的に判断できるまで延期すべきとしています。
次のお子さん:知ってから選べること
ご家族の原因の変化がわかっていれば、出生前診断や着床前の遺伝学的検査が可能とされています[1]。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断しますので、妊娠を考えている段階からご相談ください。もちろん、何もしないで自然に妊娠・出産することも、そのまま選べる選択肢です。
日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-Mが行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで解説しています。
保因者検査:パートナーとご自身の確率を知る
潜性遺伝の病気では、ご夫婦がともに同じ遺伝子の保因者のときに、お子さんが発症する可能性があります。当院の拡大版保因者スクリーニング(女性版787遺伝子)の対象には、PC・PDHA1・PDHB・PDHX・DLAT・DLD・PDP1・POLG・SURF1・ETFA・ETFB・ETFDHなど、このパネルの遺伝子の多くが含まれています(SUCLG1・COQ2・COQ8Aは含まれません。2026年10月時点の遺伝子一覧で確認)。妊娠中の方は、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」も選べます。対象の遺伝子は、それぞれの遺伝子一覧でご確認ください。
6. この検査でわかること・わからないこと
この検査でわかるのは、70遺伝子の塩基の変化と小さな欠失・挿入、そして遺伝子やエクソン単位の大きな欠失・重複です。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。
- ●ミトコンドリアDNAは調べません:ミトコンドリアには核とは別の小さなDNA(ミトコンドリアゲノム)があり、その変化による病気(MELASなど)はこの検査ではわかりません。ミトコンドリアDNAの病気では、正常なDNAと変化のあるDNAが細胞の中で混ざった状態(ヘテロプラスミー)になっていることがあります。疑われるときはミトコンドリア病遺伝子検査パネルを選びます。
- ●このパネルに入っていない遺伝子:たとえばECHS1欠損症やTPK1欠損症は、PDHC欠損症と同じようにL/P比が正常になりうるとされていますが[1]、これらの遺伝子はこのパネルの対象ではありません。
- ●見つけにくい欠失・重複:欠失・重複の解析で見つけられるのは、遺伝子1つ全体(血液・頬の粘膜の検体)や、続いた2つ以上のエクソン(血液の検体のみ)の変化です。1つのエクソンだけの欠失・重複は、ふつうは見つかりません。
- ●調べられない変化:染色体の転座や逆位、くり返し配列の伸長(リピート伸長)、遺伝子の働きを調節する領域(プロモーター)や、エクソンから20塩基以上離れたイントロンの奥の変化、体の一部の細胞だけにある変化(体細胞モザイク)は、この検査では調べられません。
- ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、まだ判断できない変化が見つかることがあります。
- ●陰性でも否定はできません:原因が見つからなくても、ミトコンドリアDNAの変化や、まだ知られていない原因が残る可能性があります。
陰性・VUSだったとき
原因が見つからなかった場合は、ミトコンドリアDNAを含むミトコンドリア病遺伝子検査パネルや、全エクソーム検査(WES)を考えます。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)でも、全エクソーム解析を終えた5,136家系のうち診断が確定したのは43.8%でした[16]。すべての方に診断がつくわけではありませんが、陰性でも次の選択肢があります。VUSだけで診断やご家族の発症予測を行うことはできません。ただし、病気との関係を判断する手がかりとして、ご家族の検査を行う場合があります。研究が進んでのちに意味がはっきりすることもあります。結果の扱いは当院の二次的所見の開示方針もご覧ください。
7. 日本の制度(2026年10月時点)
小児慢性特定疾病では、「先天性代謝異常」の中の「ミトコンドリア病」に、ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症、フマラーゼ欠損症、スクシニル-CoAリガーゼ欠損症、ミトコンドリア呼吸鎖複合体欠損症、ミトコンドリアDNA枯渇症候群などが載っています。同じ「先天性代謝異常」の中には、グルタル酸血症2型、フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症、糖原病I型も含まれています(小児慢性特定疾病情報センターで確認)。
指定難病では、「ミトコンドリア病」(告示番号21)の診断基準に、ミトコンドリア関連分子をコードする核遺伝子の変化や、ピルビン酸の代謝に関わる酵素の活性低下が含まれています。ただし、ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症などが病名として挙げられているわけではありません(難病情報センターで確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。くわしくは難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
8. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の粘膜・血液のいずれでも、オンライン診療で受けられます。この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取唾液・頬の粘膜・血液
▶
結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
💴 費用・日数・検体
※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。
オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えや品質の問題を防ぐため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。
検査の精度(専門的な情報)
調べる範囲の99%以上を、20回以上くり返し読み取る精度で解析します(カバレッジ ≥99% at 20x)。同じ場所を何度も読むことで、読み間違いの影響を小さくできます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。
9. 院長コラム
🩺 院長コラム【検査値で見当をつけ、遺伝子で確かめる】
乳酸ピルビン酸比は、エネルギーづくりのどこが止まっているかを教えてくれる、とてもよくできた手がかりです。けれども、感度は高くなく、採血の条件でも値は動きます。そして、PDHC欠損症ではケトン食が治療の中心とされる一方、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症ではケトン食が禁忌とされるように、似た検査値の病気どうしで、治療が正反対になることがあります。だから私は、検査値で見当をつけたら、遺伝子で原因を確かめることが大切だと考えています。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、きょうだいのお子さんの病気をきっかけに念のため検査を受けた方に、まったく別の遺伝子の病的な変化が、体の一部の細胞だけにある状態(モザイク)で見つかったことがあります。ご本人は発症していませんでしたが、卵子や精子のもとになる細胞にもその変化があれば、お子さんが発症することがある病気でした。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因がわかれば、治療の選び方、ご家族の検査、次のお子さんの計画まで、当院で続けて一緒に考えることができます。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. 乳酸アシドーシスの原因は何ですか?
乳酸は、血流が足りないとき(虚血)、中毒、有機酸代謝異常症などほかの代謝の病気といった、さまざまな理由で上がります。採血のときに駆血帯を巻いたままにしたり、お子さんが泣いて暴れたりしても、見かけ上高く出ることがあります。こうした原因で説明がつかず、乳酸アシドーシスをくり返すときに、ピルビン酸の代謝やミトコンドリアの働きに関わる生まれつきの病気を考えます。
Q2. 乳酸ピルビン酸比(L/P比)が高い・正常だと何がわかりますか?
L/P比の正常範囲は10〜20とされています。乳酸とピルビン酸が一緒に上がってL/P比が正常なら、ピルビン酸脱水素酵素複合体(PDHC)欠損症を考えます。20を超えて高いときは、呼吸鎖の病気や、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症B型を考えます。ただし、L/P比は乳酸が高いときにだけ意味があり、正常でもミトコンドリアの病気を否定はできません。最終的には遺伝子検査で原因を確かめます。
Q3. 子どもの乳酸アシドーシスでは、どんな症状が出ますか?
原因の病気によって違います。ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症では、1歳になる前に発症し、発達の後戻り、MRIでの脳の形の変化、乳酸アシドーシスがみられるのが代表的な姿とされています。ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症の重い型(B型)では、生まれてまもなく、体温が下がる・呼吸が苦しくなる・吐く・重い乳酸アシドーシス、といった形で始まります。
Q4. ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症は遺伝しますか?次の子の確率は?
いちばん多い原因はX染色体にあるPDHA1遺伝子で、ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症の76〜85%を占めるとされています。お母さんがPDHA1の変化をもっている場合、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継がれます。ただし、発症した方の多くはお子さんの代で新しく起きた変化です。PDHB・PDHX・DLATなどほかの遺伝子による型は常染色体潜性(劣性)遺伝で、ご両親が保因者のとき、きょうだいが発症する確率は4分の1です。
Q5. ミトコンドリアDNAも調べられますか?
この検査は、核の中にある70の遺伝子を調べる検査で、ミトコンドリアDNAは調べません。ミトコンドリアDNAの変化が疑われるときは、ミトコンドリアDNAも調べられるミトコンドリア病遺伝子検査パネルをご検討ください。
Q6. 治療法はありますか?
原因の遺伝子によって違います。ピルビン酸脱水素酵素複合体欠損症ではケトン食が中心の治療とされる一方、ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症ではケトン食は禁忌とされています。原発性コエンザイムQ10欠乏症ではコエンザイムQ10の補充、ETFDHやACAD9の病気ではリボフラビン(ビタミンB2)が試されます。治療は専門の医療機関で主治医と相談して決めます。当院は治療を行っていません。
Q7. 費用と、結果の説明はどうなりますか?
検査費用は税込330,000円で、遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。結果までは2〜3週間です。結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。乳酸アシドーシスの原因の遺伝子がわかれば、ケトン食が中心になる病気か、反対にケトン食を避ける病気かといった治療の方針だけでなく、ご家族の検査や、次のお子さんの計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
参考文献
- [1] Ganetzky R, McCormick EM, Falk MJ. Primary Pyruvate Dehydrogenase Complex Deficiency Overview. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2021 Jun 17. [NCBI Bookshelf NBK571223]
- [2] Duque Lasio ML, Lehman AN, Ahmad A, Bedoyan JK. Pyruvate Carboxylase Deficiency. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2009 (Updated 2024 May 30). [NCBI Bookshelf NBK6852]
- [3] Parikh S, Goldstein A, Koenig MK, et al. Diagnosis and management of mitochondrial disease: a consensus statement from the Mitochondrial Medicine Society. Genet Med. 2015;17(9):689-701. [DOI: 10.1038/gim.2014.177](PMID: 25503498)
- [4] Parikh S, Goldstein A, Karaa A, et al. Patient care standards for primary mitochondrial disease: a consensus statement from the Mitochondrial Medicine Society. Genet Med. 2017;19(12):1380-1397. [DOI: 10.1038/gim.2017.107](PMID: 28749475)
- [5] Patel KP, O’Brien TW, Subramony SH, Shuster J, Stacpoole PW. The spectrum of pyruvate dehydrogenase complex deficiency: clinical, biochemical and genetic features in 371 patients. Mol Genet Metab. 2012;105(1):34-43. [DOI: 10.1016/j.ymgme.2011.09.032](PMID: 22079328)
- [6] Sofou K, Dahlin M, Hallböök T, Lindefeldt M, Viggedal G, Darin N. Ketogenic diet in pyruvate dehydrogenase complex deficiency: short- and long-term outcomes. J Inherit Metab Dis. 2017;40(2):237-245. [DOI: 10.1007/s10545-016-0011-5](PMID: 28101805)
- [7] Salviati L, Trevisson E, Agosto C, Doimo M, Navas P. Primary Coenzyme Q10 Deficiency Overview. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2017 (Updated 2023 Jun 8). [NCBI Bookshelf NBK410087]
- [8] Olsen RKJ, Olpin SE, Andresen BS, et al. ETFDH mutations as a major cause of riboflavin-responsive multiple acyl-CoA dehydrogenation deficiency. Brain. 2007;130(8):2045-2054. [DOI: 10.1093/brain/awm135](PMID: 17584774)
- [9] Repp BM, Mastantuono E, Alston CL, et al. Clinical, biochemical and genetic spectrum of 70 patients with ACAD9 deficiency: is riboflavin supplementation effective? Orphanet J Rare Dis. 2018;13(1):120. [DOI: 10.1186/s13023-018-0784-8](PMID: 30025539)
- [10] Viscomi C, Burlina AB, Dweikat I, et al. Combined treatment with oral metronidazole and N-acetylcysteine is effective in ethylmalonic encephalopathy. Nat Med. 2010;16:869-871. [DOI: 10.1038/nm.2188](PMID: 20657580)
- [11] Darin N, Reid E, Prunetti L, et al. Mutations in PROSC disrupt cellular pyridoxal phosphate homeostasis and cause vitamin-B6-dependent epilepsy. Am J Hum Genet. 2016;99(6):1325-1337. [DOI: 10.1016/j.ajhg.2016.10.011](PMID: 27912044)
- [12] Kishnani PS, Austin SL, Abdenur JE, et al. Diagnosis and management of glycogen storage disease type I: a practice guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics. Genet Med. 2014;16(11):e1. [DOI: 10.1038/gim.2014.128](PMID: 25356975)
- [13] Halter JP, Schüpbach WMM, Mandel H, et al. Allogeneic haematopoietic stem cell transplantation for mitochondrial neurogastrointestinal encephalomyopathy. Brain. 2015;138(Pt 10):2847-2858. [DOI: 10.1093/brain/awv226](PMID: 26264513)
- [14] Stewart JD, Horvath R, Baruffini E, et al. Polymerase γ gene POLG determines the risk of sodium valproate-induced liver toxicity. Hepatology. 2010;52(5):1791-1796. [DOI: 10.1002/hep.23891](PMID: 21038416)
- [15] Faye F, Crocione C, Anido de Peña R, et al. Time to diagnosis and determinants of diagnostic delays of people living with a rare disease: results of a Rare Barometer retrospective patient survey. Eur J Hum Genet. 2024;32(9):1116-1126. [DOI: 10.1038/s41431-024-01604-z](PMID: 38755315)
- [16] Takahashi Y, Date H, Oi H, et al. Six years’ accomplishment of the Initiative on Rare and Undiagnosed Diseases: nationwide project in Japan to discover causes, mechanisms, and cures. J Hum Genet. 2022;67(9):505-513. [DOI: 10.1038/s10038-022-01025-0](PMID: 35318459)
- [17] Malinowski J, Miller DT, Demmer L, et al. Systematic evidence-based review: outcomes from exome and genome sequencing for pediatric patients with congenital anomalies or intellectual disability. Genet Med. 2020;22(6):986-1004. [DOI: 10.1038/s41436-020-0771-z](PMID: 32203227)
関連記事