この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)
ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。
記事の作り方(編集方針)

遺伝性ジストニア・ジスキネジアの遺伝子検査は、首や手足が自分の意思と関係なくねじれたり動いたりする病気のうち、遺伝子の変化が原因のものを、25の原因遺伝子をまとめて1回で調べる検査です。原因がわかると、瀬川病のように少量のレボドパがよく効く病型が見つかったり、指定難病「遺伝性ジストニア」の確定診断に必要な遺伝子診断になったりと、次の一手が決まります。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご自身の治療だけでなく、ご家族の健康や、これからの結婚・妊娠の計画を考えるときにも、ずっと使える情報です。このページでは、ジストニアとジスキネジアの違い、遺伝する確率、検査でわかること・わからないこと、結果が出たあとにできることを、臨床遺伝専門医が解説します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. この検査で何がわかりますか?
ジストニア・ジスキネジアが遺伝性かどうかを、TOR1A(DYT1)・GCH1(瀬川病)・SGCE・PRRT2(発作性運動誘発性ジスキネジア)など25遺伝子で一度に調べます。原因がわかれば、病型・遺伝する確率・治療の手がかりが決まります。
🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?
子どもや若いころにジストニアが始まった方、ご家族に同じ症状の方がいる方、夕方に悪くなる・急に動いたときに発作が出るなどの特徴がある方、原因がわからないまま治療を続けてきた方です。薬の副作用によるジスキネジアは、この検査の対象ではありません。
🧬 Q. 費用・日数・検体は?
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜で、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。
🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?
結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。顕性(優性)遺伝の型なら、お子さんに受け継がれる確率は2分の1ですが、受け継いでも発症しない方もいます。ご家族の検査、出生前診断、意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもご説明します。
1. ジストニア・ジスキネジアとは?違いと原因の分類
ジストニアは、筋肉が持続的に、またはくり返し縮むことで、ねじれるような動きや姿勢がくり返し起こる「動きの病気(運動異常症)」です[14]。ジスキネジアは、自分の意思と関係なく体が動いてしまう不随意運動を広く指す言葉です。どちらも原因はさまざまで、このページの検査が対象にするのは、そのうち遺伝子の変化が原因のもの(遺伝性)です。
ジストニアとは:初期症状と「なりやすい人」
国際的な専門家の合意(2013年)では、ジストニアは「持続的または間欠的な筋肉の収縮によって、異常な、しばしばくり返す動きや姿勢、またはその両方が起こる運動異常症」と定義されています[14]。まぶたが勝手に閉じる(眼瞼けいれん)、首が片側に向いたり傾いたりする(頸部ジストニア・痙性斜頸)、字を書くときだけ手に力が入りすぎる(書痙)など、体の一部に出るもの(局所性)もあれば、全身に広がるもの(全身性)もあります。
遺伝性のジストニアは、子どもや若いうちに手足から始まることが多い型があります。たとえば代表的なDYT1(TOR1A)では、発症の年齢の中央値は9歳で、足か腕から始まることが多いとされています[1]。「なりやすい人」を一つの条件で言うことはできませんが、遺伝性の型は、発症が早い方やご家族に同じ症状の方がいる方で考えます(第4章)。
ジスキネジアとは
ジスキネジアのうち、遺伝子の変化が原因になる代表は「発作性ジスキネジア」です。ふだんは症状がなく、急に動き出したとき、コーヒーやお酒を飲んだとき、長く運動したときなどに、不随意運動の発作が起こります[7][8][9]。一方で、よく知られている「遅発性ジスキネジア」は、ドパミン受容体を遮断する薬(抗精神病薬など)の使用によって起こる運動異常症で[16]、遺伝子検査で調べる病気ではありません。
ジストニアとジスキネジアの違い
🧠 ジストニアとジスキネジアの違い
※定義は文献[14]、遅発性ジスキネジアは文献[16]による。同じ方に両方がみられる病型もあります。
原因の分類:遺伝性・薬剤性・職業性・後天性
ジストニア・ジスキネジアの原因は、大きく、遺伝性・薬剤性(薬の副作用)・職業性(楽器の演奏や字を書くなど、特定の動作で起こるもの)・後天性(脳の病気やけがのあと)に分けて考えます。このパネル検査が役に立つのは遺伝性のものです。ミュージシャンズジストニアのような職業性のジストニアや、薬剤性ジストニア・遅発性ジスキネジアが明らかな場合は、まず原因に合った治療を主治医と考えます。
ジストニアの病気の全体像は、用語集の解説でも紹介しています。このページでは、遺伝性のジストニア・ジスキネジアと、その遺伝子検査を受けるかどうかを決めるために必要なことを中心にお伝えします。
2. 遺伝性ジストニアは遺伝する?遺伝のしかたと、お子さんへの確率
遺伝性ジストニアは、原因遺伝子の変化をもっていることで起こる病気なので、原則として親から子へ伝わることがあります。ただし、変化をもっていても発症しない方や、同じ家族でも症状の出方がまったく違う方がいます。難病情報センターも、そのように説明しています(2026年10月時点で確認)。遺伝のしかた(遺伝形式)は型によって違い、お子さんやきょうだいへの確率も型ごとに変わります。
顕性(優性)遺伝の型:変化があっても発症しない人がいる(不完全浸透)
TOR1A・THAP1・GCH1・SGCE・PRRT2・PNKD・SLC2A1・ATP1A3・GNAL・ANO3・KCTD17・TUBB4A などの型は、常染色体顕性(優性)遺伝です。親が変化をもっていれば、お子さん1人ごとに2分の1の確率で受け継ぎます。
ただし、受け継いだ方がみな発症するわけではありません。これを不完全浸透といいます。発症する割合(浸透率)は、型によって大きく違います。
📊 変化を受け継いだ方が発症する割合(浸透率)の報告
※数字は研究ごとの報告で、対象の集団や方法によって変わります。一人ひとりの発症の確率を表すものではありません。
さらに、発症した方の間でも、症状の重さや始まる場所はさまざまです。DYT1は、家族の中でも症状の幅が大きいとされています[1]。こうした表現型の多様性があるため、ご家族の経過がそのままご本人やお子さんに当てはまるとは限りません。
⚠️ 「自分が軽いから、子どもも軽い」とは言えません
親御さんが変化をもっていても症状がなかったり、軽かったりすることがあります。それでも、同じ変化を受け継いだお子さんが同じ程度になるとは限りません。症状がないことは、変化をもっていないことの証明にもなりません。だからこそ、ご家族の誰かが遺伝性ジストニアとわかったときは、知ったうえで計画することに意味があります。
SGCE:父親から受け継いだときに発症しやすい
ミオクローヌス・ジストニア(SGCE)は、同じ顕性遺伝でも、どちらの親から受け継いだかで発症のしかたが大きく変わります。SGCEは、母親から受け継いだほうの遺伝子が働かないように印が付けられている(ゲノムインプリンティング)ため、父親から受け継いだお子さんはほぼ全員が発症する一方、母親から受け継いだお子さんで発症するのは約5%とされています[3]。母親から受け継いで症状のない方も、その方のお子さん(父親として受け渡す場合)には発症の可能性があるので、家系の見方には専門的な判断が必要です。
潜性(劣性)遺伝・X連鎖の型と、保因者
TH・SPR・PRKRA・HPCA・SLC6A3・SCP2・COL6A3(DYT27)・CACNA1B・PRKN の型は、常染色体潜性(劣性)遺伝です。ご両親がともに同じ遺伝子の変化を1つずつもつ「保因者」で、ご本人は症状がないことがほとんどです。患者さんのきょうだいが同じ病気になる確率は4分の1、保因者になる確率は2分の1です。
TAF1による X連鎖ジストニア・パーキンソニズム(DYT3)は、X連鎖遺伝です。フィリピンのパナイ島にルーツがある方に多い病気で、男性の発症の平均年齢は39歳、女性の保因者はほとんどが症状のないままとされています[5]。
潜性遺伝の型では、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかで、お子さんの確率が変わります。妊娠の前にご夫婦で調べておきたい方には、拡大版保因者スクリーニングがあります(このページの遺伝子が対象かどうかは、遺伝子一覧でご確認ください)。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」もあります(単独では受けられません)。
親から受け継いでいない新しい変化(de novo)
ご家族に同じ症状の方がいなくても、遺伝性の型であることがあります。ご本人の代で新しく起きた変化(de novo変異)によるもので、たとえばGLUT1欠損症(SLC2A1)では約90%がこれにあたり[8]、ATP1A3による急速発症型ジストニア・パーキンソニズムなどでも約半数とされています[6]。
新しく起きた変化と考えられる場合でも、親御さんの卵子や精子のもとになる細胞にだけ同じ変化がある「モザイク」のことがあります。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。
3. 代表的な病型:瀬川病・DYT1・発作性運動誘発性ジスキネジアなど
遺伝性ジストニア・ジスキネジアは、原因遺伝子ごとに、始まる年齢・症状の特徴・効きやすい治療が違います。病型がわかることが、治療の選び方につながる理由がここにあります。
瀬川病(ドパ反応性ジストニア):夕方に悪くなり、レボドパがよく効く
瀬川病(ドパ反応性ジストニア)は、GCH1遺伝子の変化による常染色体顕性遺伝の病気です。夕方に向かって症状が悪くなり、眠ったあとの朝は軽くなる日内変動が特徴で、少量のレボドパ(飲み薬)で劇的に、しかも長く効くとされています[4]。GCH1・TH・SPRは、脳の中でドパミンなどの神経伝達物質を作るしくみに関わる遺伝子です。
似た症状は、潜性遺伝のTH遺伝子(チロシン水酸化酵素欠損症)やSPR遺伝子(セピアプテリン還元酵素欠損症)でも起こります。チロシン水酸化酵素欠損症の軽い型では、レボドパで症状がすべてよくなるとされています[10]。セピアプテリン還元酵素欠損症は脳性麻痺などと誤って診断されることがあり、少量のレボドパで、数時間〜数日のうちに劇的によくなることが多いとされています[11]。
早発型全身性ジストニア(DYT1/TOR1A)・DYT6(THAP1)
DYT1(TOR1A)は、子どものうちに足か腕から始まることが多く、足から始まった場合は数か月〜数年で広がることがよくあり、腕から始まった場合は約半数で全身に広がるとされています[1]。発症した方の98%以上が、同じ3塩基の欠失(c.907_909delGAG)をもっています[1]。
DYT6(THAP1)は、発症の平均が19歳(5〜38歳)とDYT1より遅く、舌・のど(喉頭)・顔など、頭や首の筋肉の症状が目立ちやすいとされています[2]。
ミオクローヌス・ジストニア(SGCE・KCTD17)
ミオクローヌス(ピクッとする速い動き)とジストニアが一緒に出る病型です。SGCEによる型では、多くの大人の方で、お酒を飲むとミオクローヌスが大きく軽くなると報告されており、65%に何らかの精神科の診断(とくに恐怖症)があったとされています[3]。KCTD17も、OMIMで「ジストニア26(ミオクローヌス性)」の原因遺伝子とされています。
発作性ジスキネジア(PRRT2・PNKD・SLC2A1)
発作性運動誘発性ジスキネジア(PRRT2)は、立ち上がる・走り出すなど、急に体を動かしたときに発作が起こる病気です。発症は子どもから思春期で、平均10.3歳とされています[7]。PRRT2は、乳児期の良性のけいれん(良性家族性乳児けいれん)の原因にもなります[7]。
PNKDによる発作性非運動誘発性ジスキネジアは、コーヒー・お茶・お酒で起こりやすく、興奮やストレス、疲れも引き金になります[9]。SLC2A1は、脳にブドウ糖を運ぶGLUT1というたんぱく質の遺伝子で、長く運動したあとに起こる発作性労作誘発性ジスキネジアや、てんかんの原因になります(GLUT1欠損症)[8]。
急速発症型ジストニア・パーキンソニズム(ATP1A3)と、ささやき声から始まるDYT4(TUBB4A)
ATP1A3遺伝子の変化では、急速発症型ジストニア・パーキンソニズム(DYT12)、小児交互性片麻痺、CAPOS症候群などが起こり、いずれも常染色体顕性遺伝です[6]。
遺伝性ジストニア4型(DYT4)は、TUBB4A遺伝子の変化による常染色体顕性遺伝の病気で、文献[12]で調べた家系では、患者さん全員が声がかすれてささやき声になる症状(けいれん性発声障害)から発症したと報告されています。同じTUBB4Aの変化は、子どもの重い白質の病気(H-ABC)の原因にもなります。
4. どんな人がジストニアの遺伝子検査を受けるとよいか
子どもや若いうちに始まったジストニア、ご家族に同じ症状の方がいる場合、ほかの神経の症状も一緒にある場合は、遺伝子検査で原因が見つかる可能性が高くなります。ジストニアの方728家系を調べた研究では、全体の19%で原因となる変化が見つかり、ほかの運動の症状を伴う方では19%、運動以外の神経の症状を伴う方では45%でした。発症が早いことや、症状が全身や広い範囲に及ぶことも、見つかりやすさに関わっていました[13]。
受けるとよい方
- ●子どもや若いうちに、手足や首のジストニアが始まった方
- ●夕方に症状が悪くなり、朝は軽いなど、1日の中で症状が変わる方
- ●急に動き出したとき、運動を続けたとき、コーヒーやお酒のあとなどに、不随意運動の発作が出る方
- ●ジストニアに加えて、ミオクローヌスやパーキンソン症状、ほかの神経の症状がある方
- ●ご家族に同じような症状の方がいる方、ご家族の誰かが遺伝性ジストニアと診断された方
- ●原因がわからないまま、いくつもの病院や治療を経験してきた方
希少な病気では、診断がつくまでに時間がかかりがちです。41か国の希少疾患の方6,507人を対象にした調査では、診断がつくまでの期間は平均4.7年でした[18]。原因がわからないまま病院を回る時間を、1回の検査で短くできる可能性があります。ただし、全員に原因が見つかるわけではありません。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)でも、エクソーム解析を終えた家系のうち診断が確定したのは43.8%でした[19]。原因が見つからなくても、次の選択肢があります(第7章)。
また、見た目や家族歴だけでは判断できないことがあります。前の章のとおり、変化をもっていても症状のない方がいる病型が多く、瀬川病では男性で発症しにくく[4]、SGCEではどちらの親から受け継いだかで発症が変わります[3]。「家族に誰もいないから遺伝ではない」とは言い切れません。
受けなくてよい場合・別の検査が向いている場合
ジストニアだけが体の一部に出ている、大人になってから始まった方では、遺伝子の原因が見つかる割合は低めです。上の研究でも、ジストニア以外の症状がない方(孤立性ジストニア)で原因が見つかったのは4%でした[13]。薬の副作用による薬剤性ジストニアや遅発性ジスキネジア[16]、楽器の演奏などによる職業性ジストニアが明らかな場合も、この検査を受ける必要はふつうありません。
🔍 症状に合わせた検査の選び方
※ジストニアは遺伝的な原因がとても多様なため、1つの遺伝子だけを調べる検査はあまり役に立たず、パネル検査やエクソーム・ゲノム検査が勧められています[2]。どの検査が合うかは、症状・診察の所見・ご家族の情報で変わります。
5. 調べる25遺伝子と、それぞれでわかる病気
この検査では、遺伝性ジストニア・ジスキネジアの原因として報告されている25遺伝子をまとめて調べます。ジストニアの原因遺伝子とそれぞれの病気・遺伝のしかたは、次のとおりです。
🧬 ジストニア・ジスキネジア遺伝子検査で調べる25遺伝子
※対象遺伝子は当院の検査内容による。病気の名前と遺伝のしかたは、OMIM(遺伝性疾患のデータベース)の登録情報と文献[1]〜[12]にもとづく。CIZ1・DRD2・DRD5は、病気との関係がまだ確定していない遺伝子です。
6. この検査でわかること・わからないこと
この検査で病的な変化が見つからなくても、「遺伝性ではない」とは言い切れません。遺伝子検査には、調べられる変化の種類と範囲に必ず限界があります。
わかること
- ●25遺伝子の、たんぱく質を作る部分とそのつなぎ目の、遺伝子の文字(塩基)1つの変化や、小さな挿入・欠失
- ●遺伝子がまるごと欠けている・増えている変化(頬の粘膜・血液の検体)と、隣り合う2つ以上のエクソン(遺伝子の区切り)にわたる欠失・重複(血液の検体のみ)
見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。読み取りの質が十分でない部分は、サンガー法という別の方法で確かめます。
わからないこと
- ●エクソン1つだけの欠失・重複:ふだんは見つかりません。瀬川病では、病的な変化の約13%が欠失・重複の解析でしか見つからないとされているため[4]、瀬川病が疑われる方は、欠失・重複を広く調べられる血液の検体が向いています。
- ●繰り返し配列が長くなる変化(リピート伸長):調べられません。ハンチントン病などが疑われる場合は別の検査を選びます。
- ●X連鎖ジストニア・パーキンソニズム(TAF1)の原因とされる挿入:TAF1の中に入りこんだ特殊な配列(SVAと呼ばれるレトロトランスポゾン)は、遺伝子検査で調べるのが技術的に難しいとされています[5]。フィリピンのパナイ島にルーツがありこの病気が疑われる方は、検査の前にご相談ください。
- ●そのほかの変化:染色体の一部の入れかわり(転座・逆位)、遺伝子のスイッチ部分(プロモーター)や、エクソンから20塩基以上離れた奥の部分の変化、体の一部の細胞にだけある変化(体細胞モザイク)は、調べる対象に入っていません。
- ●このパネルに入っていない遺伝子:指定難病の診断基準に載っているジストニアの遺伝子でも、KMT2B(DYT28)・MECR(DYT29)・VPS16(DYT30)などは、この25遺伝子に入っていません。ウィルソン病の原因遺伝子(ATP7B)も含まれません。
意義がわからない変化(VUS)が見つかったとき
遺伝子には、病気の原因かどうかまだ判断できない変化(VUS)が見つかることがあります。VUSは、それだけで診断やご家族の発症予測の根拠にはしません。ただし、病的意義を調べるため、ご家族の同意のもとで同じ変化の有無と症状を照合する検査(家族内分離解析)を行うことはあります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。調べた目的とは別の病気の原因が見つかった場合(二次的所見)の扱いは、当院の二次的所見の開示方針のとおりです。
7. 病的変異が見つかったら、次にできること
原因の変化が見つかると、病名が決まるだけでなく、治療の選び方、ご家族の検査、これからの妊娠・出産の計画まで、具体的に考えられるようになります。エクソーム・ゲノム検査の研究167件を調べたレビューでは、95%の研究で、患者さんやご家族の診療方針に何らかの変化があったと報告されています(本文中の結果)[20]。わかったあとにできることを、立場ごとにまとめます。
症状がある方:病名が決まると、治療の手がかりになる
💊 原因遺伝子と、治療の手がかり
※治療は、ジストニアを専門とする脳神経内科・小児神経科などの医療機関で、主治医と相談して決めます。当院は遺伝子検査と遺伝カウンセリングを行う施設で、これらの治療は行っていません。
遺伝子診断で確定すると、指定難病「遺伝性ジストニア」の確定診断(Definite)の条件の一つを満たします(第8章)。DYT1では、ジストニアが続いた期間が長いほど、また発症が遅いほど、脳深部刺激療法のあとの経過がよくないという結果も示されています[15]。早く病名がわかることは、治療を選ぶ時間を確保することにもつながります。
症状のない方・保因者の方
ご家族の検査などで、症状のないご本人に顕性遺伝の型の変化が見つかることがあります。浸透率が100%ではない型が多いので、変化があることと、将来必ず発症することは同じではありません(第2章)。気になる症状が出たときに早く相談できるよう、どの病型で、どんな症状に気をつければよいかを知っておくことができます。
潜性遺伝の型で保因者とわかった方は、ご自身が発症することはふつうありません。お子さんへの影響は、パートナーが同じ遺伝子の保因者かどうかで決まるため、パートナーの検査を考えることができます。
お子さんを持つときの選択肢
結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。遺伝性ジストニアの当事者の方にとっても、きょうだいに病気のある方にとっても、知ってから選ぶことで、選べることが増えます。選択肢には、次のようなものがあります。
- ●自然に妊娠して、出生前診断を受ける:ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠したときに赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に判断するため、妊娠を考えている段階からご相談ください。
- ●NIPTで調べる:この病気の原因遺伝子のうちATP1A3とTUBB4Aは、当院のNIPT(インペリアルプラン)でも調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性なら確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。ほかの23遺伝子は、当院のNIPTでは調べられません。
- ●PGT-M(着床前遺伝学的検査):日本では日本産科婦人科学会の審査を経て行われ、海外で受ける方もいます。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません(次の項目)。
- ●特別な検査をせずに妊娠・出産する:これも、そのまま選べる選択肢です。どの選択も尊重されます。
海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます
PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因遺伝子の確定、英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠したあとの絨毛検査・羊水検査です。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。
欧州ヒト生殖学会(ESHRE)の指針では、PGT-Mの準備として、病気の原因と確かめられた遺伝子の変化があること、見つかった変化が書かれた元の報告書があること、そしてご家族の検体があることが勧められています[22]。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは、2本あるうちの片方が読み取れない「アレルドロップアウト」などで判定を誤るおそれがあります。そのため、変化のある場所の両側にある目印(多型マーカー)で、変化をもつ染色体を家系の中でたどる方法(ハプロタイプ解析)を組み合わせます[22]。
どちらの染色体に変化が乗っているかを決めるには、ご夫婦に加えて、病気の有無がわかっている血縁者のDNAが必要です。顕性遺伝の型では患者さん少なくとも1人(できれば2人)および/または発症していない方1人、潜性遺伝の型では患者さん・保因者・保因者でない方、X連鎖の型では患者さんおよび/または発症していない方(保因者と確かめられた方が望ましい)が目安とされています[22]。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。血縁者がいない場合は、治療の周期の受精卵や1個の精子を調べて変化の乗った染色体を決める方法も挙げられていますが、できるかどうかは施設や家系の状況で大きく変わり、受けられないこともあります[22]。GLUT1欠損症のように新しく起きた変化(de novo)が多い病型で、これまでに妊娠歴のないご夫婦では、一般的なハプロタイプ解析の方法は使えないとされています[22]。
海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。臨床遺伝専門医としての判断では、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しく、潜性遺伝の型では、ご夫婦それぞれがどの変化をもっているかを確かめておく必要があります。海外の施設によって求められる書類や検体は違うので、受ける予定の施設にも前もって確認してください。
⚠️ PGT-Mは診断ではなく、スクリーニング検査です
PGT-Mは受精卵のごく一部の細胞を調べる検査で、結果が赤ちゃんの状態と食い違うことがあります。ESHREの指針は、多くの施設で誤った結果になる割合は全体で1〜3%まで下げられているとしたうえで、PGTのあとに妊娠したすべての方に出生前診断を提案すべきとしています[23]。当院では、PGT-Mで選んだ胚で妊娠した場合も、妊娠中に赤ちゃんそのものを調べる確定検査(絨毛検査・羊水検査)で確かめることが望ましいと考えています。絨毛検査・羊水検査は院内で行っており、海外でPGT-Mを受けたあとの妊娠でもご相談いただけます。
日本では、日本産科婦人科学会の「重篤な遺伝性疾患を対象とした着床前遺伝学的検査(PGT-M)に関する指針」(2026年9月改定)にもとづき、PGT-Mは症例ごとに学会の審査を受け、そのうえで実施施設の倫理委員会が承認して行われます。この指針の「重篤」は、原則として、成人に達する前に日常生活が著しく損なわれる、または生存が危ぶまれる状態になる疾患で、申請の時点で有効な治療法がないか、治療法があっても高度かつ侵襲度の高いもの、とされています。成人に達する前に生存が危ぶまれるわけではないが、日常生活が著しく損なわれる状態が現れる疾患は、その病気の専門医の意見書などを追加で出す仕組みになっています。対象になるかどうかは、審査で個別に決まります。
PGT-Mの対象になる病気は、国によって違います。日本では症例ごとに学会が審査し、審査が続いている申請も多くあります(学会の発表では、2025年7月〜2026年6月の1年間に審査した73件のうち、37件が審査継続中。2026年9月発表)。英国では、公的機関(HFEA)がPGT-Mを使える病気の一覧を公表しており、2,000を超える病気が載っています(2026年9月17日更新の一覧で2,067)。一覧にない病気も、施設を通じて申請し、審査を受けることができます。米国では、PGTを直接規制する連邦や州の法律はなく、主に医師・施設の判断で行われています[24]。米国生殖医学会(ASRM)の倫理委員会は2024年、大人になってから発症する病気に対するPGT-Mも倫理的に許容されうるとする意見を出しています[25]。どの病気がPGT-Mの対象になるかは、国や制度、施設によって違います。同じ病気でも、ある国では対象になり、別の国では個別の審査が必要になることがあります。受ける国の制度と、施設の条件を前もって確かめてください。くわしくは海外でPGT-M(着床前診断)を考えている方へで解説しています。
ご家族の検査・当院でのその後
ご本人の結果は、ご家族を守る手がかりにもなります。ご家族の中で原因の変化がわかっていると、ご両親・きょうだい・いとこなどは、その同じ変化があるかだけをピンポイントで調べられます。症状のないご家族の検査は、ご本人の同意のもとで行います。BRCA遺伝子の検査を受けた人の研究でも、遺伝カウンセリングのあと、家族のために検査を受けたいという思いが強まった可能性が報告されています[21]。
結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明し、次にどうするかを一緒に考えます。原因が見つからなかった(陰性)ときは、この検査で調べられない変化や、ほかの遺伝子の可能性が残ります(第6章)。症状に合わせて、全エクソーム検査など範囲の広い検査を考えます。VUSだったときは、それだけで診断やご家族の発症予測の根拠にはせず、症状やご家族の情報とあわせて結果の意味をご説明します。病的意義を調べるため、ご家族の同意のもとで家族内分離解析を行うことはあります。
8. 日本の制度:遺伝性ジストニアは指定難病(120)
遺伝性ジストニアは指定難病120に指定されており、確定診断(Definite)には遺伝子診断が必要です(2026年10月時点で確認)。厚生労働省の診断基準では、ジストニアがあり、病型に合う症状や検査所見があって、ほかの病気が除外され、遺伝子診断で確定したものがDefinite、遺伝子診断が未確定のものがProbableとされています。
難病情報センターの解説では、DYT1・DYT5(瀬川病・ドパ反応性ジストニア)・DYT6・DYT8・DYT10・DYT11・DYT12・DYT18などが含まれ、遺伝性ジストニアの患者さんは全国で500人程度と推定されています。医療費の助成の対象になる重症度の基準は、日常生活の動作を評価するBarthel Indexで85点以下などです。GLUT1欠損症は、指定難病248「グルコーストランスポーター1欠損症」としても指定されています。
18歳未満の方では、小児慢性特定疾病の対象として、瀬川病、小児交互性片麻痺、チロシン水酸化酵素欠損症、グルコーストランスポーター1(GLUT1)欠損症などが掲載されています(2026年10月時点、小児慢性特定疾病情報センターで確認)。医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。くわしくは、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。
9. 検査の流れ・ジストニアの遺伝子検査の費用・日数・検体
検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれも、オンライン診療で受けられます。
ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取唾液・粘膜・血液
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ
💴 費用・日数・検体
※ご夫婦・カップルで同じ検査を同じ日に一緒に受ける場合は、遺伝カウンセリング料が1人分になります(検査費用の割引はありません)。当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。
この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
オンライン診療(ビデオ通話での診療)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただく流れです。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。ご自身で勝手に検体を採取しないでください。検体の取り違えや、検査に使える品質を保つためです。
結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。検査を受けるかどうかは、遺伝カウンセリングで説明を聞いて納得してから決めていただきます。遺伝子検査のメリットとデメリットは遺伝子検査(遺伝学的検査)とはもご覧ください。
専門的な情報(読み取りの精度)
調べる遺伝子の99%以上の領域を、20回以上くり返して読み取ります(≥99% at 20x)。同じ場所を何度も読むほど、読み間違いを見分けやすくなり、結果の確かさが上がります。
10. 院長コラム
🩺 院長コラム【「家族に誰もいない」「自分は軽い」で決めないでほしい】
私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。
遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。遺伝性ジストニアは、変化をもっていても発症しない方が多い型があり、ミオクローヌス・ジストニアのように、どちらの親から受け継いだかで発症が変わる型もあります。だからこそ、「家族に誰もいないから」「自分は軽いから」という見た目の印象だけで、将来を決めてしまわないでほしいと考えています。
遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。たとえば、家族歴が濃いものの、ご本人は大学を卒業して会社に勤めていた方が、念のため検査を受けたところ、染色体の微小欠失が見つかったことがあります。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。
わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。瀬川病のように、病名がわかれば治療が大きく変わる病型もあります。知ったうえで結婚や妊娠を考えたい方には、出生前診断まで当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。
よくある質問(FAQ)
Q1. ジストニアは遺伝する病気ですか?
ジストニアには遺伝性のものと、薬の副作用・特定の動作・脳の病気のあとなど遺伝性でないものがあります。遺伝性ジストニアは原因遺伝子の変化で起こるため、原則として親から子へ伝わることがありますが、変化をもっていても発症しない方もいます。遺伝のしかた(顕性・潜性・X連鎖)は原因遺伝子によって違います。
Q2. 遺伝性ジストニアの特徴・初期症状は?
子どもや若いうちに足や腕から始まる、首・顔・のどの筋肉から始まる、夕方に悪くなり朝は軽い、急に動いたときに発作が出るなど、原因遺伝子によって特徴が違います。代表的なDYT1では、発症の年齢の中央値は9歳で、足か腕から始まることが多いとされています。ご家族に同じ症状の方がいることも手がかりになりますが、家族歴がなくても遺伝性のことがあります。
Q3. ジストニアは治りますか?遺伝性ジストニアの余命は?
病型によって大きく違い、一律には言えません。瀬川病(GCH1)は少量のレボドパで劇的に、長く効くとされ、発作性運動誘発性ジスキネジア(PRRT2)は、多くの方でカルバマゼピンなどを1日100mg前後使うことで発作が抑えられたと報告されています。DYT1では脳深部刺激療法で経過がよい傾向があります。見通しや余命は病型と一人ひとりの状態で変わるため、原因を確かめたうえで専門の医療機関にご相談ください。
Q4. 親がジストニアだと、子どもに遺伝する確率は?結婚や出産を考えるときは?
顕性(優性)遺伝の型なら、お子さん1人ごとに2分の1の確率で変化を受け継ぎますが、受け継いでも発症しない方がいます。潜性(劣性)遺伝の型では、パートナーも同じ遺伝子の保因者でなければ、お子さんが発症することはふつうありません。ご自身が変化をもっているか、パートナーが保因者かは検査でわかり、知ったうえで出生前診断やPGT-Mなどを選ぶこともできます。結婚や出産をどうするかは、知ったうえでご自身が決めることで、当院はどの選択も尊重します。
Q5. ジストニアは何科を受診すればよいですか?
体の動きの症状は、まず脳神経内科(神経内科)、お子さんなら小児神経科でご相談ください。治療はそちらで行います。遺伝性かどうかを調べたい、ご家族への影響を知りたいという場合は、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングと遺伝子検査を当院で受けられます。
Q6. 薬の副作用によるジスキネジア(遅発性ジスキネジア)でも、遺伝子検査は必要ですか?
遅発性ジスキネジアは、ドパミン受容体を遮断する薬(抗精神病薬など)の使用によって起こる運動異常症で、このパネル検査で調べる病気ではありません。薬との関係がはっきりしている場合は、ふつう遺伝子検査は必要ありません。薬を使う前から症状があった、ご家族にも同じ症状がある、などの場合はご相談ください。
Q7. 検査で異常が見つからなければ、遺伝性ではないのですか?
そうとは言い切れません。この検査は25遺伝子が対象で、エクソン1つだけの欠失、繰り返し配列が長くなる変化(リピート伸長)、遺伝子の奥の部分の変化などは調べられません。ジストニアの研究でも、遺伝子の原因が見つかるのは一部の方です。症状に合わせて、全エクソーム検査など範囲の広い検査を考えます。
Q8. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?
はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。PGT-Mの準備には、ご本人の検査結果に加えて、ふつうはご家族の検体も必要です。くわしくは本文の「海外でPGT-Mを考えている方へ」と、当院のPGT-Mのコラムをご覧ください。
🧬 一度の検査で、ご自身とご家族のこれからを考える
生まれ持った遺伝子は一生変わりません。遺伝性ジストニア・ジスキネジアの原因がわかれば、治療の手がかりだけでなく、ご家族の検査や、結婚・妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断の相談まで、院内で続けて受けていただけます。
お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768
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