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アデニロサクシナーゼ欠損症(ADSL欠損症):プリン代謝の異常が引き起こす超希少な神経代謝疾患

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。国際医療誌『Medical Care Review APAC』『Global Woman Leader』の2誌で表紙を飾り、「Top Prenatal Testing Service in APAC 2025」に選出されるなど、世界基準の遺伝医療を提供。

「原因不明の難治性てんかん、重篤な発達遅滞、自閉症様の行動——長い診断の旅を経てたどり着いた答えが『ADSL欠損症』だった」という体験は、当事者ご家族にとって決して珍しくありません。アデニロサクシナーゼ欠損症(ADSL欠損症)は、世界でこれまで約109例しか報告されていない超希少疾患でありながら、プリン代謝という細胞の根幹を担うプロセスが崩壊することで脳の発達に深刻な障害をもたらします。診断が極めて困難な本疾患ですが、網羅的メタボロミクスや全エクソームシーケンスの普及により、これまで見逃されてきた症例が早期に発見される時代が訪れつつあります。さらにアロプリノールによる行動改善効果の確認と遺伝子治療研究の本格始動は、長年「対症療法しかない」とされてきた本疾患に初めての光を投じています。

この記事でわかること
📖 読了時間:約20分
🧬 ADSL遺伝子・プリン代謝・神経代謝疾患
臨床遺伝専門医監修

Q. ADSL欠損症とはどのような疾患ですか?まず結論だけ知りたいです

A. ADSL(アデニロサクシナーゼ)という酵素の遺伝的欠損によってプリン代謝が障害され、神経毒性を持つ代謝産物が脳に蓄積することで知的障害・難治性てんかん・自閉症様症状が現れる、常染色体潜性遺伝形式をとる超希少な神経代謝疾患です。根治療法はまだ存在しませんが、アロプリノールによる行動改善と遺伝子治療研究が進みつつあります。

  • 疾患の定義 → OMIM 103050・ORPHA:46・世界報告約109例・有病率100万人に1人未満
  • 発症メカニズム → ADSL酵素の二重触媒機能の障害とSAICAr・S-Adoの神経毒性・プリノソーム崩壊
  • 重症度予測バイオマーカー → 脳脊髄液中S-Ado/SAICAr比が表現型と高い相関を示す
  • 臨床表現型 → 致死性新生児型・重症小児型(I型)・軽度中等度型(II型)の3段階スペクトラム
  • 最新診断 → 網羅的メタボロミクスとWESが診断精度を革新・新規患者の早期発見に貢献
  • 治療の展望 → アロプリノール第II相試験で若年患者の行動改善を確認・遺伝子治療研究が始動

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1. アデニロサクシナーゼ欠損症とは:疾患の定義と疫学

アデニロサクシナーゼ欠損症(アデニルコハク酸リアーゼ欠損症、Adenylosuccinate Lyase Deficiency:ADSL欠損症)は、細胞内のプリン代謝経路に不可欠な酵素「アデニロサクシナーゼ(EC 4.3.2.2)」の遺伝的欠損によって引き起こされる、極めて稀な常染色体潜性遺伝性の神経代謝疾患です。国際疾患データベースではOMIM 103050ORPHA:46として登録されており、推定有病率は100万人に1人未満という超希少疾患(ultra-rare disease)に分類されます。世界の医学文献において確認された患者数はこれまで約109例にとどまっています。

💡 用語解説:先天性代謝異常症(IEM)とは

Inborn Errors of Metabolism(先天性代謝異常症)とは、生まれつきある代謝酵素の遺伝的欠損により、体内の代謝プロセスに障害が生じる疾患群の総称です。酵素が正常に機能しないため、本来分解されるはずの物質が蓄積したり、必要な物質が作られなくなります。ADSL欠損症はプリン代謝が障害されるIEMの一種で、脳を中心とした神経系に深刻な影響を及ぼします。

💡 用語解説:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)とは

「常染色体」とは、性染色体(X・Y)以外の22対の染色体のことです。「潜性(劣性)遺伝」とは、両親から1本ずつ受け継いだ2本の染色体の両方に変異がある場合に初めて発症する遺伝形式です。変異を1本だけ持つ人(保因者・キャリア)は通常、症状が現れません。両親が共に保因者の場合、子どもが発症する確率は理論上25%、保因者になる確率は50%です。ADSL欠損症の保因者頻度は一般集団で約1万人に1人(1:10,000)と推定されています。

本疾患の診断が特に困難な背景には、原因不明の発達遅滞・自閉症スペクトラム障害・難治性てんかんといった一般的な小児神経疾患と極めて類似した症状を呈することが挙げられます。そのため、確定診断に至っていない潜在的な患者が世界中に多数存在することが強く示唆されており、報告例は氷山の一角にすぎないと考えられています。最近のコホート研究(18名)では、発症年齢の中央値が生後0.63歳であるのに対し、診断確定年齢の中央値は6.4歳と、診断まで平均5年以上かかっている実態が明らかになっています。

2. 発症の仕組み:プリン代謝の崩壊と毒性代謝産物の蓄積

ADSL欠損症の複雑な病態を理解する鍵は、アデニロサクシナーゼ酵素が細胞の中で担う「二重の触媒的役割」にあります。この酵素が機能しなくなったとき、2つの代謝経路が同時に止まり、その上流に蓄積した物質が神経毒として脳に蓄積します。

💡 用語解説:アデニロサクシナーゼ(ADSL)の二重触媒機能

①プリンde novo合成経路(DNPS):プリン塩基を前駆体から新たに構築する10段階の合成経路の第8段階を触媒します。具体的にはSAICAR(サクシニルアミノイミダゾールカルボキサミドリボチド)からフマル酸を脱離させ、AICAR(アミノイミダゾールカルボキサミドリボチド)へと変換します。

②プリンヌクレオチド回路(PNC):筋肉や脳のエネルギー代謝に関わる回路で、SAMP(アデニルコハク酸)からAMP(アデノシン一リン酸)とフマル酸を生成する反応を触媒します。この二つの完全に独立した反応を、ADSL酵素は一人で担っています。

毒性代謝産物SAICAr・S-Adoの蓄積:なぜ脳が傷つくのか

ADSL遺伝子の変異によって酵素機能が著しく低下すると、上流に蓄積したSAICAR・SAMPが代替経路で脱リン酸化されます。その結果として生じるのが、SAICAr(サクシニルアミノイミダゾールカルボキサミドリボシド)S-Ado(サクシニルアデノシン)という2種類の脱リン酸化代謝産物です。これらは細胞外に排出され、血漿・脳脊髄液・尿中に高濃度で蓄積します。

💡 用語解説:SAICAr・S-Ado(毒性代謝産物)とは

SAICAr(サクシニルアミノイミダゾールカルボキサミドリボシド)とS-Ado(サクシニルアデノシン)は、ADSL欠損症で特異的に蓄積するリン酸化合物の脱リン酸化体です。以前は「プリンが不足することが病態の主体」と考えられていましたが、患者由来の培養線維芽細胞の解析からプリンヌクレオチドレベルは正常に保たれていることが判明し、現在はこれら蓄積代謝産物そのものの直接的な神経毒性(neurotoxicity)が病態の中心と考えられています。

プリノソームの崩壊:構造的不安定性という病態の核心

💡 用語解説:プリノソーム(purinosome)とは

プリンde novo合成(DNPS)に関わる6種類の酵素(PPAT・GART・FGAMS・PAICS・ADSL・ATIC)が細胞質内で一時的に集合して形成する、高度に組織化された多酵素複合体のことです。ランダムに行われると非効率な10段階の化学反応を、この複合体内で連続的かつ効率よく触媒することで、PRPPをIMPへと変換します。ADSLはこのプリノソームの不可欠な構成要素であり、変異したADSLはプリノソームの形成そのものを阻害します。患者由来線維芽細胞の研究では、プリノソームを形成する能力の低下が臨床的表現型の重症度と強い逆相関を示すことが確認されています。

脳脊髄液中S-Ado/SAICAr比:重症度を予測する精密バイオマーカー

本疾患において特に重要な発見が、体液中のSAICArとS-Adoの「絶対濃度」は重症度と必ずしも相関しないにもかかわらず、脳脊髄液(CSF)中における両者の濃度比(S-Ado/SAICAr比)が疾患の重症度を極めて正確に予測するというバイオマーカーとしての意義です。SAICArの相対蓄積量が多いほど神経障害が重篤になるという原則があり、以下のように臨床表現型と比率が対応します。

脳脊髄液(CSF)中S-Ado/SAICAr比と臨床重症度の相関

絶対濃度ではなく「比率」が重症度を精確に予測するバイオマーカーとして機能する

致死性新生児型(最重症)
1未満

SAICArの蓄積が著しく優位 → 最も重篤な神経障害・生後数週〜数ヶ月で早期死亡
重症小児型(Type I)
約1

SAICArとS-Adoが同程度に蓄積 → 重度の精神運動発達遅滞・自閉症様行動
軽度・中等度型(Type II)
2以上

S-Adoの蓄積が優位 → 軽度〜中等度の発達遅滞・成人期到達可能
00.51.01.52.02.53.0

S-Ado / SAICAr 比(脳脊髄液)  出典:Orphanet (ORPHA:46), PMC4341013

3. 遺伝子変異と発症の相関:ADSL遺伝子の分子疫学

ADSL欠損症は、第22番染色体長腕(22q13.1)に位置するADSL遺伝子の変異によって引き起こされます。現在までに50種類以上の病的バリアントが同定されており、その大部分はミスセンス変異です。アミノ酸の置換がADSLの正常なホモ四量体(homotetramer)の形成を阻害するか、触媒活性部位を直接損なうことで病態を引き起こします。

💡 用語解説:ミスセンス変異と熱不安定性とは

ミスセンス変異とは、DNAの塩基が1つ変化することで、コードされるアミノ酸が別のアミノ酸に置き換わるタイプの変異です。タンパク質の立体構造が変化し、機能に影響を与えます。ADSL欠損症では特に熱不安定性(thermolability)——つまり「変異した酵素タンパク質が熱に弱く、急速に活性を失う」という性質——の度合いが、表現型の重症度と強く関連しています。最も重症の致死性新生児型をもたらす変異酵素は、生化学的解析で最も低い残存活性と顕著な熱不安定性を示します。

主要な病的バリアントと臨床・生化学プロファイルの相関

患者で最も高頻度に観察される変異はR426H(アルギニン426→ヒスチジン)です。この変異は酵素の基質チャネルに影響を与え、著しい熱不安定性をもたらします。注目すべきは、R426H変異が一般集団のゲノムデータベース(Exome Sequence Project)に存在しないという事実で、この変異が純粋に病的であることを示す強力な証拠となっています。

変異(タンパク質レベル) 位置 臨床表現型 CSF S-Ado/SAICAr比 報告国
p.R426H 基質チャネル 軽度〜重症 2.1〜2.6 米国・ポーランド
p.Y114H 活性部位 軽度 2.1〜2.2 チェコ
p.R190Q 中央ヘリックス 軽度〜中等度 1.8〜2.2 チェコ・ベルギー
p.R303C 活性部位 軽度 1.8〜2.1 オランダ
p.E80D 活性部位 軽度 2.4 オーストラリア

出典:ADSLデータベース (lf1.cuni.cz/udmp/adsl)・Human Molecular Genetics 2000

4. 臨床症状と表現型スペクトラム:3つの病型

ADSL欠損症は、極めて広範かつ連続的な臨床スペクトラムを呈する疾患です。神経症状が最も高頻度かつ顕著な課題であり、急性・慢性脳症、行動異常が、てんかんや発達の遅れ・退行と組み合わさって発現します。すべての患者において知的障害が認められ、大部分でてんかんが、約3分の1で自閉症的特徴が見られます。

🔴 致死性新生児型

発症:胎生期〜出生直後

特徴:胎児運動低下・小頭症・関節拘縮・フロッピーインファント・呼吸不全・難治性てんかん

CSF比:1未満
予後:生後数週〜数ヶ月で早期死亡

🟠 重症小児型(Type I)

発症:生後数ヶ月以内

特徴:重度精神運動発達遅滞・小頭症・自閉症様特徴・自傷行為・不随意運動・難治性てんかん

CSF比:約1
予後:発達退行・早期死亡リスクあり

🟢 軽度・中等度型(Type II)

発症:幼児期〜小児期

特徴:軽度〜中等度の発達遅滞・言語障害・多動・一過性の対人障害・自閉症的行動

CSF比:2以上
予後:成人期到達可能

各病型の詳細な臨床像

致死性新生児型(Fatal Neonatal Form)

最も重篤かつ急激な進行を示す病型で、胎生期から深刻な兆候が現れます。妊娠中の超音波検査では胎児発育遅延・小頭症・胎児の運動低下(胎動減少)が認められ、関節拘縮や肺低形成を二次的に生じることがあります。出生後は重篤な新生児脳症として発現し、哺乳困難・致死的な呼吸不全に陥り、既存の治療に反応しない難治性てんかんを発症します。生命予後は極めて不良です。

重症小児型(Severe Infant Form:Type I)

ADSL欠損症の中で最も頻繁に報告される病型です。出生後の発達が初期から遅れ、重篤な精神運動発達遅滞・顕著な筋緊張低下・後天的な小頭症が特徴です。また自閉症様の特徴として、目を合わせない・反復行動・光や音への過敏(hypersensitivity)・激しい癇癪・自傷行為(自己攻撃性)が高頻度で現れ、患者のQOLを著しく低下させます。

⚠️ 注意点:自閉症様の特徴は、孤立した自閉スペクトラム症(ASD)として長年誤診・見逃されることがあります。難治性てんかんを伴う場合には、プリン代謝異常を念頭に置いた精査が重要です。

軽度・中等度型(Moderate to Mild Form:Type II)

生後数年間は発達が正常範囲内にあることが多く、進行が比較的緩やかな表現型です。幼児期以降になって初めて発達の遅れや退行が顕在化し、軽度〜中等度の精神運動発達遅滞・言語障害・多動症が現れます。重度のてんかんを伴わない場合もあり、この型の患者は成人期に達することが十分可能です。また、全エクソームシーケンスの普及によって「超軽度型」の存在も明らかになってきています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「自閉症」「てんかん」の診断の前に代謝を疑う】

臨床の現場では、重度の発達障害や難治性てんかんを持つお子さんに「自閉スペクトラム症」「レノックス・ガストー症候群」といった診断名が先についてしまい、その下に潜む代謝異常が長年見逃されることがあります。ADSL欠損症はまさにその典型です。自閉症様の特徴・筋緊張低下・難治性てんかんが揃っているのに「原因不明」というケースでは、ぜひプリン代謝を含む網羅的な代謝スクリーニングを検討してほしいと思います。

診断が得られることで、「なぜこうなったのか」という問いにある程度の答えが与えられ、家族の心理的負担が大きく変わります。正確な診断名は、適切な治療選択とご家族のQOLに直接つながるのです。

5. 診断・遺伝子検査:メタボロミクスとゲノム解析の革新

ADSL欠損症は、発達遅滞・自閉症スペクトラム障害・てんかんといった非特異的症状を呈するため、特異的な臨床的ホールマークのみから診断を下すことは困難です。以下のいずれかの所見を持つ新生児・乳幼児には、積極的なADSL欠損症スクリーニングを実施すべきとされています。

💡 ADSL欠損症を疑うべき主要なスクリーニング基準

  • 原因不明の精神運動発達遅滞・発達退行・言語障害
  • 筋緊張低下(hypotonia)を伴う後天的な小頭症
  • 難治性・原因不明のてんかん(乳児スパスムを含む)
  • 自閉症様の特徴(特に難治性てんかんを合併する場合)

脳MRI所見:スクリーニングのトリガーとなる画像異常

ADSL欠損症の脳MRI画像では、大脳皮質・脳梁・小脳虫部の萎縮、白質の空胞様変化、髄鞘化の遅延または欠如、滑脳症(lissencephaly)などが頻繁に観察されます。これらの原因不明の脳症所見を伴う患者には、生化学的検査が強く推奨されます。低ミエリン化白質ジストロフィーパネルとの鑑別も考慮すべきケースがあります。

生化学的確定診断:HPLC・LC-MS/MSによるサクシニルプリン検出

💡 用語解説:LC-MS/MS(液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析)とは

液体クロマトグラフィー(LC)で物質を分離し、タンデム型質量分析計(MS/MS)で分子量・構造を精密に特定する分析手法です。ADSL欠損症の診断においては、血漿・尿・脳脊髄液中のSAICArおよびS-Adoを高感度・高特異性で定量的に検出することができる、現在最も推奨される生化学的検査法です。HBL(高速液体クロマトグラフィー)も使用されますが、LC-MS/MSはより確実な検出が可能です。

次世代診断の革命:網羅的メタボロミクスプロファイリング

💡 用語解説:網羅的メタボロミクスプロファイリングとは

1回の検体(血漿など)分析で1,000種類以上のユニークな化合物に対する半定量的なzスコアを生成できる分析手法です。従来の標的を絞った尿中プリン分析とは異なり、事前の強い臨床的疑いがなくてもスクリーニング的にSAICArやS-Adoの異常蓄積を検出できます。実際に、このプラットフォームを用いて新たに4名のADSL欠損症患者が初めて診断された研究結果が報告されており、類似した非特異的症状を呈する多数の神経代謝疾患群の中で迅速かつ正確な初期診断を下すための高い臨床的有用性が実証されています。

分子遺伝学的診断・出生前診断

💡 用語解説:全エクソームシーケンス(WES)とは

WES(Whole Exome Sequencing)とは、遺伝子のタンパク質コード領域(エクソン)全体を網羅的に解析する次世代シーケンス手法です。特に非定型的・遅発性の症例の診断において有用性が高く、これまで見逃されてきたADSL欠損症を発見する重要な手段となっています。ハイスループットのエレクトロスプレー・タンデム質量分析を用いた尿中バイオマーカースクリーニングとの組み合わせにより、生後3ヶ月の乳児での早期診断成功例が報告されています。

罹患した家族にADSL遺伝子の原因変異が既に同定されている場合に限り、次の妊娠において出生前診断が可能です。妊娠早期の絨毛採取(CVS)や羊水穿刺を通じて得られた胎児のDNAを用いて、制限酵素を用いたPCR-RFLP法または直接シーケンシングによって変異アレルの遺伝を評価します。さらに、診断に基づいて採取された組織で直接的にアデニロサクシナーゼの酵素活性欠損を確認した例も報告されています。

鑑別診断:見逃しを防ぐために

鑑別疾患 主な重複症状 鑑別のポイント
AICA-リボシド尿症 発達遅滞・てんかん・自閉症様 ATIC遺伝子変異・生化学プロファイルの差異
アンジェルマン症候群 難治性てんかん・自閉症様・発達遅滞 脳波の特徴・15q11-q13インプリンティング異常
レット症候群 発達退行・自閉症的行動・てんかん MECP2遺伝子変異・手もみ常同運動(女児)
非ケトーシス型高グリシン血症 重篤な新生児脳症・難治性てんかん CSF/血漿グリシン比の顕著な上昇
ミトコンドリア病 発達遅滞・筋緊張低下・てんかん 乳酸・ピルビン酸上昇・ミトコンドリア遺伝子解析

ミネルバクリニックで受けられる関連遺伝子検査

ADSL欠損症の診断・鑑別には、症状や目的に応じてさまざまな遺伝子検査が選択できます。以下に当院で提供している関連検査を示します。

代謝・プリン異常包括的代謝NGSパネル先天性代謝異常症の包括的遺伝子解析核・ミトコンドリア核・ミトコンドリアNGS遺伝子検査エネルギー代謝異常の網羅的解析てんかん新生児てんかんNGSパネル新生児・乳児期てんかんの遺伝子診断てんかん小児てんかんNGSパネル小児期発症てんかんの遺伝子解析てんかんてんかん包括的遺伝子解析てんかん原因遺伝子の包括的検索知的障害・発達遅滞知的障害遺伝子検査知的障害・発達遅滞の原因遺伝子検索鑑別診断リソソーム病NGSパネルリソソーム蓄積症の鑑別・除外広域解析全エクソーム解析(WES)非定型例・遅発例の確定診断に推奨広域解析臨床エクソーム解析臨床的意義のある変異領域に絞った解析広域解析全ゲノム解析(WGS)最も包括的なゲノム解析手法希少・未診断疾患未診断遺伝性疾患検査原因不明の希少疾患に特化した検査

6. 治療と管理:現在の選択肢と将来の展望

現時点では、ADSL欠損症の病因を直接解決する根治療法は存在しません。治療は完全に対症療法・支持療法に限定されています。患者管理における最大の目標は、患者の生命を脅かし、QOLを著しく損なう「難治性てんかん発作」を副作用を最小限に抑えながら制御することです。

現在の標準管理:抗てんかん薬と多剤併用の限界

バルプロ酸・フェノバルビタール・カルバマゼピン・トピラマート・レベチラセタム・フェニトイン・クロバザムなど、発作の型に応じて様々な抗てんかん薬が処方されます。しかし本疾患のてんかんは極めて難治性であり、多くの患者が2種類以上の抗てんかん薬を組み合わせる多剤併用療法を余儀なくされます。難治性てんかんへの代替アプローチとしてケトン食療法も試みられていますが、その効果は一過性にとどまることが多く、根本的な解決には至っていません。

過去の実験的治療の失敗と教訓

⚠️ 現在推奨されない治療法

D-リボース療法:プリンde novo合成を刺激する目的で試みられましたが、ポーランド患者4名への12ヶ月試験では改善ゼロ。さらに軽度のII型患者でD-リボース投与後に人生初のてんかん発作が誘発されるという有害事象が報告され、現在は推奨されていません。

SAMe(S-アデノシル-L-メチオニン)療法:プリンヌクレオチドの欠乏補充を意図しましたが、9ヶ月の治療後も代謝産物レベルや臨床的パラメータに改善なし。蓄積した毒性ヌクレオチドを除去できないため、神経学的障害を修正できないことが判明しています。

新たなパラダイム:アロプリノールによる毒性蓄積の抑制

💡 用語解説:アロプリノール(Allopurinol)とは

痛風・高尿酸血症の標準的治療薬として広く用いられているキサンチンオキシダーゼ阻害薬です。ADSL欠損症においては、プリン合成経路全体をフィードバック阻害することで、病態の核心であるSAICArの過剰蓄積を抑制できる可能性があるという仮説に基づいてドラッグ・リポジショニング(既存薬の新たな適用)が試みられています。

2024年発表の第II相前向き臨床試験(8名:小児4名・若年成人4名、12ヶ月投与)では、年齢が若く、認知的障害が比較的軽い患者群においてのみ、明確な臨床的改善が認められました。具体的には、ヴァインランド適応行動尺度(VABS II)スコアの向上や、異常行動チェックリスト(ABC)・コナーズ評価尺度における多動性の有意な減少が確認されました。また、行動面の改善は尿中SAICArレベルの有意な低下とS-Ado/SAICAr比の上昇と見事に一致しており、バイオマーカーとしての有用性も支持されました。残念ながら年長患者やてんかん発作への改善効果は認められませんでしたが、薬剤の認容性は高く、若年患者への早期投与が最も期待される使用法として注目されています。

未来への扉:遺伝子治療研究の本格始動

スペインのADSL欠損症の兄弟の両親が設立した「Antian Foundation」は、バルセロナ自治大学(UAB)とバル・デブロン研究所(VHIR)の研究グループと連携し、ウイルスベクターを用いて患者の中枢神経系細胞に機能的なADSL遺伝子の代替コピーを導入する遺伝子治療の研究を推進しています。患者由来の線維芽細胞からiPS細胞を生成し神経細胞へ再プログラムする取り組みも進んでおり、侵襲的な脳組織採取なしに疾患メカニズムを直接研究するプラットフォームが構築されつつあります。他の希少遺伝性疾患(ファブリー病・鎌状赤血球症)での成功が技術的基盤を提供しており、ADSL欠損症への応用が期待されています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【アロプリノールが開いた「予防的治療」という発想の転換】

D-リボースやSAMeが「プリン代謝を補う」という方向性で失敗した歴史を経て、アロプリノールが「毒性代謝産物を減らす」という真逆の発想で一定の成果を示したことは、ADSL欠損症の治療研究における重要なパラダイムシフトです。根治療法ではありませんが、「不可逆的な脳損傷が起きる前に介入する」という意味での早期診断・早期治療の意義を強く示唆しています。

このことは、診断遅延の問題——平均5年以上かかっているという現実——がいかに深刻かを改めて示しています。遺伝子治療の実用化はまだ先でも、「早く診断してアロプリノールを始める」という選択が今ある最善かもしれません。網羅的メタボロミクスとWESの普及が、その出発点となります。

7. 遺伝カウンセリングと家族計画

ADSL欠損症の確定診断後、ご本人と家族への丁寧な遺伝カウンセリングが非常に重要です。以下がカウンセリングで扱われる主な内容です。

  • 遺伝形式と再発リスク:常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)のため、両親は通常どちらも保因者(キャリア)です。次子が同じ疾患を発症する確率は理論上25%、保因者になる確率は50%です。
  • 保因者確認検査:両親の保因者確認(ADSL遺伝子変異の同定)により、次子リスクの正確な評価が可能になります。キャリアスクリーニングとは何か、および米国人類遺伝学会(ACMG)の推奨もご参照ください。
  • 出生前診断の選択肢:次子を望む場合、絨毛検査・羊水検査による出生前遺伝子診断が利用できます。既知の変異が同定されている場合、確実な診断が可能です。
  • きょうだいへのリスク:罹患者の兄弟姉妹は25%の確率で罹患者、50%の確率で保因者、25%の確率で変異なしです。きょうだいの遺伝子検査についても検討が必要です。
  • 心理的サポートと情報資源:希少疾患の確定診断はご家族に大きな心理的影響を与えます。患者会(”Our Journey with ADSL deficiency Association”)などの情報リソースへの連携も重要です。別の希少遺伝性疾患ではありますが、保因者検査を受けた家族の体験談希少疾患と家族計画に関するコラムも参考にしていただけます。

8. よくある誤解

誤解①「自閉症やてんかんは別の問題だ」

難治性てんかんや自閉症様症状は「それ自体が診断名」として扱われることが多いですが、ADSL欠損症ではこれらが代謝異常から来る二次症状です。原因検索が終わっていない場合は根本原因を疑う姿勢が重要です。

誤解②「希少すぎて検査する意味がない」

有病率100万人に1人未満ですが、潜在患者は報告例の数倍存在すると推定されています。網羅的メタボロミクスやWESにより、「どうせわからない」から「きちんと調べれば診断できる」時代に変わりました。

誤解③「D-リボースは体に良さそうだから試して良い」

D-リボースはADSL欠損症に対して有害であることが臨床試験で証明されています。軽症患者でてんかん発作を誘発した報告があり、現在は推奨されていません。自己判断での使用は危険です。

誤解④「両親が健康なら遺伝病ではない」

常染色体潜性遺伝では、保因者の両親は通常無症状です。保因者頻度は約1万人に1人と推定されており、両親が健康でも子どもが発症することは十分あります。「遺伝病ではない」という思い込みが診断を遅らせます。

9. 臨床遺伝専門医からのメッセージ

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【正確な診断が、次の選択肢を生む】

ADSL欠損症のご家族が相談にいらしたとき、多くの場合すでに「自閉スペクトラム症」「難治性てんかん・原因不明」「精神運動発達遅滞・詳細不明」という診断名のみを持った状態です。これはご家族のせいでも、最初に診た医師のせいでもなく、この疾患が診断困難であるという現実を示しています。しかし、今やメタボロミクスとWESという強力な診断ツールがあります。

「ADSL欠損症」という名前に行き着いた瞬間、ご家族の表情が変わります。「なぜこうなったか」が分かることで、治療選択の根拠が生まれ、次子の出産計画についての意思決定が可能になります。超希少疾患だからこそ、一人ひとりの診断に向き合うことが私の責務だと考えています。

よくある質問(FAQ)

Q1. アデニロサクシナーゼ欠損症の原因は何ですか?

第22番染色体長腕(22q13.1)に位置するADSL遺伝子の変異が原因です。この遺伝子がコードするアデニロサクシナーゼ酵素の機能が低下することで、プリン代謝の2つの経路(プリンde novo合成・プリンヌクレオチド回路)が同時に障害されます。その結果、SAICAr・S-Adoという神経毒性を持つ代謝産物が蓄積し、脳を中心とした神経系に深刻な障害をもたらします。現在までに50種類以上の病的バリアントが報告されており、最も多く見られる変異はR426H(アルギニン426→ヒスチジン)です。

Q2. ADSL欠損症はどのように遺伝しますか?

常染色体潜性遺伝(劣性遺伝)という遺伝形式をとります。両親がそれぞれ変異を1つ持つ保因者(キャリア)であっても通常無症状ですが、その場合、次子が疾患を発症する確率は25%、保因者になる確率は50%です。保因者の頻度は一般集団でおよそ1万人に1人と推定されています。「両親が健康だから遺伝病ではない」とは限りません。次子を望む場合には遺伝カウンセリングと保因者確認検査をお勧めします。

Q3. どのような症状が現れますか?

知的障害・難治性てんかん・自閉症様の特徴(目を合わせない・反復行動・自傷行為など)・精神運動発達遅滞・筋緊張低下・小頭症が主な症状です。重症度により3つの病型があります。最も重篤な「致死性新生児型」は胎生期から症状が現れ、出生後に致死的な呼吸不全と難治性てんかんを来します。「重症小児型(I型)」は生後数ヶ月以内に発症し、「軽度中等度型(II型)」は幼児期以降に発達の遅れが明らかになりますが、成人期に達することも可能です。

Q4. 診断はどのように行われますか?

まず臨床症状と脳MRI所見からADSL欠損症が疑われた場合、血漿・尿・脳脊髄液中のSAICAr(サクシニルアミノイミダゾールカルボキサミドリボシド)とS-Ado(サクシニルアデノシン)を高速液体クロマトグラフィー(HPLC)やLC-MS/MS(液体クロマトグラフィー・タンデム質量分析)で定量し、生化学的に診断します。次いでADSL遺伝子の変異解析(全エクソームシーケンス等)で確定診断となります。近年は網羅的メタボロミクスプロファイリングにより、臨床的疑いが低い段階でも偶発的にSAICAr・S-Adoの蓄積が発見される例も増えています。

Q5. 根治療法はありますか?アロプリノールは効きますか?

現時点で承認された根治療法はありません。治療は主に対症療法(抗てんかん薬等)です。アロプリノール(痛風治療薬)については、第II相前向き臨床試験(8名・12ヶ月)において若年患者・軽症患者でのみ行動面の改善(多動性の減少・適応行動スコアの向上)が確認されています。ただし、てんかん発作頻度の改善は認められておらず、年長患者での効果は限定的でした。遺伝子治療研究も始動しており、将来的な根本治療への期待が高まっています。

Q6. 出生前診断は可能ですか?

罹患した子どもの原因変異(両親がそれぞれ持つADSL遺伝子の変異)が同定されている場合に限り、次の妊娠において出生前診断が可能です。具体的には、妊娠早期の絨毛採取(CVS、妊娠11〜13週頃)または羊水穿刺(妊娠15〜18週頃)で採取した胎児DNAを用いて、変異アレルの遺伝を検査します。出生前診断の選択肢とその意義については、臨床遺伝専門医への相談をお勧めします。

Q7. S-Ado/SAICAr比とはどのような指標ですか?

脳脊髄液(CSF)中のSAICAr(サクシニルアミノイミダゾールカルボキサミドリボシド)とS-Ado(サクシニルアデノシン)の濃度比です。2種類の代謝産物の絶対濃度ではなく、その「比率」が疾患の重症度を精確に予測することが発見されています。比率が1未満(SAICArが優位)の場合は致死性新生児型、約1の場合は重症小児型、2以上(S-Adoが優位)の場合は軽度中等度型に対応します。アロプリノール治療効果の評価バイオマーカーとしても使用されています。

Q8. 診断を受けるためにどこに相談すれば良いですか?

臨床遺伝専門医が在籍するクリニック・病院への受診が推奨されます。ADSL欠損症は診断困難な超希少疾患であるため、希少疾患・遺伝性疾患の診療経験が豊富な専門医による総合的な評価が重要です。ミネルバクリニックでは臨床遺伝専門医が網羅的代謝解析・遺伝子検査・遺伝カウンセリングを一貫して提供しています。「原因不明の難治性てんかんや発達障害がある」「代謝疾患が疑われる」という方はお気軽にご相談ください。

🏥 希少遺伝性疾患の診断・遺伝カウンセリングについて

ADSL欠損症をはじめとするプリン代謝異常症・希少神経代謝疾患に関するご相談は、
臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックにお気軽にご相談ください。

参考文献

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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