目次
- 1 1. 神奈川・横浜・川崎でNIPTを受ける3つの方法
- 2 2. NIPTの認可(認証)施設と認可外(認証外)の違い
- 3 3. 神奈川県のNIPT認証施設一覧(2026年10月16日現在)
- 4 4. 認可外(認証外)の施設で受けるときに確かめたい3つのこと
- 5 5. 横浜・川崎でNIPTの施設を選ぶ4つのポイント
- 6 6. NIPTの費用は「料金に何が含まれるか」で比べる
- 7 7. 神奈川からミネルバクリニックでNIPTを受ける方法
- 8 8. ダウン症候群だけを調べればよいわけではない
- 9 9. 自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること
- 10 よくある質問(FAQ)
- 11 まとめ
- 12 参考文献
- 13 関連記事
- 14 他の都道府県から施設を探す
神奈川県でNIPT(新型出生前診断)を受ける方法は、県内の認証施設(いわゆる認可施設)で受ける、認証外の施設で受ける、東京・北青山のミネルバクリニックに来院するかオンラインNIPTを使う、の3つです。日本医学会の認証施設は、2026年10月16日現在で神奈川県内に51施設あります[1]。ただし、受けられる人の条件や陽性のときの確定検査の体制は、施設によって大きく異なります。この記事では、横浜市・川崎市を含む県内の認証施設を、日本医学会の一覧と各施設の公式サイトの記載をもとに一覧にし、認証施設と認証外の違い、選ぶときに確かめたい点を臨床遺伝専門医の立場から整理します。
⏱️ 30秒でわかる要約
🏥 Q. 神奈川・横浜でNIPTを受けるには?
県内には日本医学会の認証施設が51施設(2026年10月16日現在)あり、横浜市に21施設、川崎市に11施設があります。自院で分娩予定の人に限る施設、紹介状やパートナー同伴が必要な施設もあるので、条件を先に確かめるのが近道です。
❓ Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。
⚖️ Q. 認可施設と認可外の違いは?
認証施設では、調べる対象が13・18・21トリソミーの3つと決められています。認証外の施設は調べられる範囲を広げられる一方、遺伝カウンセリングや陽性時の体制は施設ごとの差が大きいため、施設ごとに確認が必要です。
🚃 Q. 神奈川からミネルバクリニックで受けられる?
北青山(外苑前駅2b出口から徒歩1分)への来院のほか、横浜市・座間市・藤沢市に採血できる提携施設があるオンラインNIPTも使えます。陽性なら、確定検査まで院内で受けられます。
🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でもそれらがないとは言えない点もあわせて説明しています。
\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /
当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。
- ➤認証施設一覧 → 県内51施設を、受けられる人の条件・確定検査の体制とあわせて地域別に掲載
- ➤認可と認可外 → 調べられる範囲・遺伝カウンセリング・通院回数・陽性時の体制の違い
- ➤選び方 → 料金の数字より先に確かめたい4つの点
- ➤ミネルバで受ける方法 → 北青山への来院と、県内で採血できるオンラインNIPT
- ➤自閉症・発達障害 → NIPTで原因の一部を調べられる理由と、その限界

1. 神奈川・横浜・川崎でNIPTを受ける3つの方法
神奈川県に住んでいる方がNIPTを受ける方法は、①県内の認証施設、②認証外の施設、③東京・北青山のミネルバクリニック(来院またはオンラインNIPT)の3つです。どれを選ぶかで、調べられる病気の範囲、通院の回数、陽性だったときに確定検査をどこで受けるかが変わります。
①の認証施設は、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が定めた指針に沿ってNIPTを行う医療機関です[2]。大学病院や総合病院が多く、自院で妊婦健診や分娩をしている人に対象を限っている施設も少なくありません。県内では横浜市に21施設、川崎市に11施設、相模原市・県央に8施設、湘南・県西・横須賀に11施設があります(2026年10月16日現在)[1]。
②の認証外の施設は、この認証を受けていない施設です。③の当院も認証外の施設で、臨床遺伝専門医が常駐し、遺伝カウンセリングから陽性時の確定検査までを院内で行う体制をとっています。
どの方法にも長所と制約があり、「認証施設だから十分」「認証外だから不十分」と一言で決められるものではありません。次の章で、両者の違いを制度の中身から確認します。
2. NIPTの認可(認証)施設と認可外(認証外)の違い
いわゆる「認可施設」は、日本医学会の出生前検査認証制度で認証された医療機関のことで、正式には「認証医療機関(認証施設)」と呼びます。国が許可を出す「認可」ではなく、学会の指針に基づく認証です。違いは、調べる範囲、遺伝カウンセリングの担い手、通院の条件、陽性時の流れに表れます。
認証施設(基幹施設・連携施設)とは
認証制度は、国の専門委員会の報告書[3]を受けて日本医学会に設けられた運営委員会が運用しており、2022年7月1日付で最初の基幹施設が認証されました[4]。認証施設には基幹施設と連携施設の2種類があります。
指針では、基幹施設には産婦人科専門医と小児科専門医がともに常時勤務するか、それに準ずる認定された体制があり、そのどちらかが臨床遺伝専門医であることが求められています。さらに、絨毛検査や羊水検査などの確定検査を、妊婦の意向に応じて適切に行えることが条件です[2]。連携施設は、臨床遺伝専門医であるか、出生前検査の研修を修了した産婦人科医が遺伝カウンセリングに直接関わることが条件で、確定検査を自院で行えない場合は基幹施設へ紹介します[2]。
指針に基づくNIPTの対象は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの3つと定められています。それ以外の病気については、分析的妥当性や臨床的妥当性が十分に確立していないという理由です[2]。認証施設での実績をみると、21トリソミーの陽性的中率は95.6%(NIPT陽性327人のうち確定検査を受けた249人を分母とし、238人で診断が確定)と報告されています[4]。
💡 用語解説:陽性的中率
陽性的中率とは、NIPTで「陽性」と出た人のうち、確定検査で実際にその病気があった人の割合です。検査の感度・特異度が同じであれば、病気の頻度が高い集団ほど高くなり、頻度が低い集団ほど低くなります。そのため、同じ検査でも母体年齢が若いほど陽性的中率は下がり、微小欠失のように頻度の低い病気では、21トリソミーより低くなることがあります。陽性のときに必ず確定検査で確かめるのは、このためです。
認証外の施設とは
認証外の施設は、この認証を受けずにNIPTを行う医療機関です。調べる項目を施設ごとに決められるため、全染色体のトリソミーや微小欠失、性染色体などまで調べる施設があります。一方で、遺伝カウンセリングを誰が行うか、陽性のときに確定検査を自院で行うか、費用の補助があるかは、施設によって大きく異なります。
指針は日本医学会が示す学会の指針で、認証外でNIPTを行うことを罰する法律はありません。国の専門委員会の報告書では、非認証施設も含めた法的規制を求める意見もあったものの、まず認証制度を新設し、運用状況を見ながら必要に応じて検討するとされました[3]。
⚖️ 認証施設と認証外の施設の違い(制度の上での違い)
| 項目 | 認証施設 | 認証外の施設 |
|---|---|---|
| 調べる範囲 | 13・18・21トリソミー | 施設ごとに異なる(全染色体・微小欠失・性染色体などを含む施設がある) |
| 遺伝カウンセリング | 検査前後に実施(担当医の資格要件あり) | 施設ごとに異なる |
| 受けられる人 | 自院で健診・分娩予定の人に限る施設、紹介状が必要な施設がある | 条件を設けていない施設が多い |
| 陽性時の確定検査 | 基幹施設は院内で実施。連携施設は自院または基幹施設 | 自院で行う、他院を紹介する、紹介しないなど施設ごとに異なる |
| 制度上の位置づけ | 日本医学会の指針に基づく認証 | 認証を受けていない(法律による禁止はない) |
※指針[2]と国の専門委員会報告書[3]による。個々の施設の体制は、次の章の一覧と各施設の公式サイトで確認してください。
🩺 院長コラム【「認可」という言葉だけで決めない】
「認可施設かどうか」は、施設を選ぶときの大事な目安の一つです。ただ、認証施設が調べるのは3つのトリソミーに限られ、認証外の施設は体制の差が大きいという事情があります。どちらを選んでも、確かめるべき点は同じだと考えています。
それは、何を調べられるのか、陽性のときに確定検査までどうつながるのか、結果の意味を誰が説明するのか、の3つです。看板の言葉よりも、この3つの中身で比べることが大切だと考えています。
3. 神奈川県のNIPT認証施設一覧(2026年10月16日現在)
神奈川県の認証施設は51施設(基幹施設10・連携施設41)で、受けられる人の条件は「自院で分娩予定の人に限る」施設から「他院で健診中でも紹介状なしで可」の施設まで幅があります。下の表は、日本医学会の「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)に載っている県内の施設を地域別に分け、受けられる人の条件と陽性時の確定検査の体制を、各施設の公式サイトの記載をもとにまとめたものです[1][5]。
受検の条件や受付状況は変わることがあるため、予約の前に各施設の公式サイトか電話で確かめてください。一部の施設の情報源は参考文献[20]にまとめています。料金は変わりやすいため、この一覧には載せていません。
横浜市のNIPT認証施設(21施設)
横浜市内の認証施設は21施設です。大学病院では、横浜市立大学附属病院が出生前検査を検討しているすべての妊婦を対象にしており、昭和医科大学横浜市北部病院は他院で健診中の人も専用の診療情報提供書があれば予約できます。クリニックでは、花レディースクリニックが「かかりつけの妊婦以外も対象」「紹介状は必須ではない」と明記しています。一方、横浜医療センターのように自院で分娩予定の人に限る施設もあります。
🏥 横浜市のNIPT認証施設(公式サイトの記載・2026年10月確認)
| 施設名 | 所在地 | 受けられる人・予約 | 陽性時の確定検査 |
|---|---|---|---|
| 横浜市立大学附属病院 | 金沢区 | 出生前検査を検討しているすべての妊婦。分娩予定日が決まり10週0日以降に電話予約。紹介状の準備を案内 | 絨毛検査・羊水検査を院内で実施 |
| 横浜市立大学附属市民総合医療センター | 南区 | 分娩予定日が決まってから、妊娠10週以降に予約。原則パートナーと受診 | 絨毛検査・羊水検査を院内で実施 |
| 昭和医科大学横浜市北部病院 | 都筑区 | 他院で健診中も可(専用の診療情報提供書を持参)。9週以降。Web予約 | 院内で実施 |
| 昭和医科大学藤が丘病院 | 青葉区 | 希望者(8〜16週) | 羊水・絨毛検査を実施する検査として掲載 |
| 聖マリアンナ医科大学 横浜市西部病院 | 旭区 | 遺伝カウンセリング室(完全予約制・産婦人科外来へ電話) | 基幹施設として確定検査に対応 |
| 花レディースクリニック | 旭区(鶴ヶ峰) | かかりつけ以外も可。紹介状は必須ではない。Web予約 | 原則、院内で実施 |
| 知産婦人科 | 青葉区 | 検査当日はパートナーと受診。単胎のみ。Web予約 | 基幹施設(東海大学医学部付属病院)と連携して対応 |
| 横浜労災病院 | 港北区 | 他院分娩でも予約可。夫婦での受診が必要 | 基幹施設と連携して対応。羊水検査は当院でも実施可能 |
| よしかた産婦人科 | 港北区 | 診察時に相談 | 羊水検査を実施する検査として掲載 |
| はぐくみ母子クリニック新横浜 | 港北区 | 9週0日〜15週6日。事前に医師のカウンセリング。Web・LINE・電話 | 院内で羊水検査が可能 |
| 妙蓮寺すいクリニック | 港北区 | — | 基幹施設と連携して対応 |
| コシ産婦人科医院 | 神奈川区 | 検査前後に夫婦でNIPT外来を受診。電話予約 | 昭和医科大学横浜市北部病院で受けられる体制 |
| 横浜市立市民病院 | 神奈川区 | — | 基幹施設と連携して対応 |
| プラタナス産婦人科クリニックながつた | 緑区 | 事前予約制 | 基幹施設と連携して対応 |
| 神奈川県立こども医療センター | 南区 | NIPTの連携施設である旨を掲載。相談は地域医療連携室へ電話 | 基幹施設と連携して対応 |
| 済生会横浜市南部病院 | 港南区 | 原則夫婦で検査前の遺伝カウンセリング。医師・スタッフに申し出 | 羊水検査を院内で実施する検査として掲載 |
| 堀病院 | 瀬谷区 | 出生前診断の専門外来(事前の集団説明会への参加が必要) | 羊水・絨毛検査を院内で実施する検査として掲載 |
| 国立病院機構横浜医療センター | 戸塚区 | 自院で分娩予定の人。原則パートナーと受診 | 基幹施設と連携して対応 |
| 横浜市立みなと赤十字病院 | 中区 | 自院分娩予定を優先、その他も可。カウンセリングはパートナーと参加 | 基幹施設と連携して対応 |
| 横浜泉レディースクリニック | 泉区 | 胎児ドックの併用が必要。電話予約のみ | 基幹施設と連携して対応 |
| メディカルパークセンター北 | 都筑区 | 分娩先不問、紹介状不要。10週0日以降。パートナーの同意書署名が必要。Web予約 | メディカルパーク湘南または横浜市立大学附属病院で羊水検査等 |
※出典:日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)[1]、各施設の公式サイト。最新の認証施設は日本医学会の一覧でご確認ください。受けられる人・確定検査の欄は各施設の公式サイトの記載(2026年10月確認)。「—」は、公的資料・各施設の公式サイトで確認できなかった項目です。受診前に各施設へ直接ご確認ください。
川崎市のNIPT認証施設(11施設)
川崎市の認証施設は11施設です。日本医科大学武蔵小杉病院や川崎市立川崎病院のように、自院で分娩・健診をする人に限る病院が多い一方、川崎レディースクリニックは他院通院中でも紹介状なしで受けられ、太田総合病院も自院で分娩しない人を受け入れています。
🏥 川崎市のNIPT認証施設(公式サイトの記載・2026年10月確認)
| 施設名 | 所在地 | 受けられる人・予約 | 陽性時の確定検査 |
|---|---|---|---|
| 聖マリアンナ医科大学病院 | 宮前区 | — | 基幹施設として確定検査に対応 |
| 日本医科大学武蔵小杉病院 | 中原区 | 自院で分娩する人に限定。本人とパートナーの2人で受診 | 院内で羊水検査を提供できる体制 |
| 関東労災病院 | 中原区 | 9週以降。夫婦での受診を推奨 | 羊水検査を院内で実施する検査として掲載 |
| 新百合ヶ丘総合病院 | 麻生区 | 自院で妊婦健診を受ける人 | 基幹施設として確定検査に対応 |
| 芥川バースクリニック | 麻生区 | 年齢・超音波所見などの条件のいずれかに該当する人 | 基幹施設(東京医科大学病院)と連携して対応 |
| 川崎市立川崎病院 | 川崎区 | 自院で妊婦健診中の人。パートナーと遺伝相談外来を受診 | 院内で羊水検査を実施 |
| 川崎レディースクリニック | 川崎区 | 他院通院中も可、紹介状は不要。パートナー同伴は任意 | 基幹病院へ紹介 |
| 太田総合病院 | 川崎区 | 自院で分娩しない人も可。夫婦での来院 | 基幹施設と連携して対応 |
| 登戸産婦人科 | 多摩区 | 希望者に遺伝カウンセリングのうえNIPTを実施 | 基幹施設と連携して対応 |
| はぐくみ母子クリニック(武蔵小杉) | 中原区 | 自院分娩予定または自院で妊婦健診中の人。妊娠9週以降 | 羊水検査の案内あり |
| 帝京大学医学部附属溝口病院 | 高津区 | 2026年10月から再開。自院で分娩予約のある人。健診時に対面予約。採血は10週以降〜15週6日まで | 陽性時は羊水検査の予約。聖マリアンナ医科大学病院と連携 |
※出典:日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)[1]、各施設の公式サイト。最新の認証施設は日本医学会の一覧でご確認ください。受けられる人・確定検査の欄は各施設の公式サイトの記載(2026年10月確認)。「—」は、公的資料・各施設の公式サイトで確認できなかった項目です。受診前に各施設へ直接ご確認ください。
相模原市・県央のNIPT認証施設(8施設)
相模原市・大和市・海老名市の認証施設は8施設です。北里大学病院や大和市立病院、央優会レディースクリニックは、自院で分娩・健診をする人に対象を限っています。一方、慈誠会病院や渕野辺総合病院は、他院にかかっている人も受け入れています。
🏥 相模原市・県央のNIPT認証施設(公式サイトの記載・2026年10月確認)
| 施設名 | 所在地 | 受けられる人・予約 | 陽性時の確定検査 |
|---|---|---|---|
| 北里大学病院 | 相模原市南区 | 自院で分娩する人に限る | 羊水検査を実施 |
| 慈誠会病院 | 相模原市南区 | かかりつけ以外も可(妊娠週数がわかる紹介状)。パートナー同伴 | 基幹施設と連携して対応 |
| 央優会レディースクリニック | 相模原市南区 | 自院にかかっている人のみ | 基幹施設と連携して対応 |
| JCHO相模野病院 | 相模原市中央区 | 遺伝子外来(予約制)で相談に対応 | 基幹施設として確定検査に対応 |
| 渕野辺総合病院 | 相模原市中央区 | 35歳以上・強い不安があるなど6つの条件のいずれか。他院通院中も可 | 院内または連携医療機関で羊水検査 |
| 大和市立病院 | 大和市 | 自院で健診・分娩をする人で、35歳以上などの条件あり | 北里大学病院へ紹介 |
| 愛育病院 | 大和市 | 夫婦そろって遺伝カウンセリング。受付または電話で予約 | 基幹施設と連携して対応 |
| 第2海老名レディースクリニック | 海老名市 | 電話予約(8週から受付) | 基幹施設と連携して対応 |
※出典:日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)[1]、各施設の公式サイト。最新の認証施設は日本医学会の一覧でご確認ください。受けられる人・確定検査の欄は各施設の公式サイトの記載(2026年10月確認)。
湘南・県西・横須賀のNIPT認証施設(11施設)
藤沢市・平塚市・茅ヶ崎市・伊勢原市・小田原市・鎌倉市・横須賀市の認証施設は11施設です。湘南藤沢徳洲会病院は「希望される妊婦さんはどなたでも」と案内し、メディカルパーク湘南は分娩先を問わず受け付けています。東海大学医学部付属病院は、自院または連携している医療機関で出産予定の人を対象にしています。
🏥 湘南・県西・横須賀のNIPT認証施設(公式サイトの記載・2026年10月確認)
| 施設名 | 所在地 | 受けられる人・予約 | 陽性時の確定検査 |
|---|---|---|---|
| 湘南藤沢徳洲会病院 | 藤沢市 | 希望する妊婦はどなたでも。電話予約 | 羊水検査を実施する検査として掲載 |
| 藤沢市民病院 | 藤沢市 | 原則自院で分娩予定(他院分娩は連携分娩施設の紹介状)。2人で受診 | 自院または基幹病院で羊水検査 |
| メディカルパーク湘南 | 藤沢市 | 分娩先は問わない(他院健診中は紹介状)。パートナー同席が必要 | 自院または横浜市立大学附属病院 |
| 平塚市民病院 | 平塚市 | 自院かかりつけの人。10週6日までに予約 | 院内で羊水検査等を提供できる体制 |
| 前田産婦人科 | 平塚市 | — | 基幹施設と連携して対応 |
| 下田産婦人科医院 | 茅ヶ崎市 | 不安が強い人、自院で分娩予定の人など。夫婦で受診 | 院内で羊水検査 |
| 東海大学医学部付属病院 | 伊勢原市 | 自院または連携医療機関で出産予定の人。10週0日から、15週以降は実施しない | 基幹施設として確定検査に対応 |
| 小田原市立病院 | 小田原市 | 自院で分娩予定の人。2人で遺伝カウンセリング | 院内で羊水検査 |
| 湘南鎌倉総合病院 | 鎌倉市 | — | 基幹施設と連携して対応 |
| 横須賀共済病院 | 横須賀市 | — | 基幹施設と連携して対応 |
| 藤沢IVFクリニック | 藤沢市 | — | 基幹施設と連携して対応 |
※出典:日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)[1]、各施設の公式サイト。最新の認証施設は日本医学会の一覧でご確認ください。受けられる人・確定検査の欄は各施設の公式サイトの記載(2026年10月確認)。「—」は、公的資料・各施設の公式サイトで確認できなかった項目です。受診前に各施設へ直接ご確認ください。
一覧から読み取れるのは、県内の認証施設の多くが「自院の妊婦さん」を中心に受け入れているということです。分娩先がまだ決まっていない、健診先が認証施設ではないという場合は、表の「他院で健診中も可」「紹介状は不要」と書かれた施設から探すと絞り込みやすくなります。陽性のときの確定検査は、院内で行う施設と、基幹施設と連携して行う施設に分かれています。
4. 認可外(認証外)の施設で受けるときに確かめたい3つのこと
認証外の施設は調べる範囲を広げられる一方、遺伝カウンセリングを誰が行うか、陽性のときにどうするかは、施設ごとに大きく異なります。予約の前に、次の3つを確かめておくと、受けた後に困ることを減らせます。
① 何を調べる検査か
13・18・21トリソミーのほかに、全染色体の数の異常、微小欠失・重複、単一遺伝子疾患まで調べるのか、どの検査方式を使うのかを確かめます。調べる項目の数だけでなく、病気ごとに陽性的中率が違うことまで説明があるかも大切です。
② 誰が、いつ結果を説明するか
検査の前後に、臨床遺伝専門医などの医師が説明するか、陽性のときに対面で相談できるかを確かめます。結果の意味を正しく受け止めるには、検査の前に何がわかり何がわからないかを知っておくことが欠かせません。
③ 陽性のとき、どこで、いつまでに確定検査を受けるか
確定検査(羊水検査・絨毛検査)は受けられる時期が限られるため、陽性の結果を受け取ってから自分で実施病院を探すと、時間に追われることがあります。どの施設を選ぶ場合でも、「陽性のとき、どこで、いつまでに確定検査を受けるか」を予約前に確認しておくと安心です。
5. 横浜・川崎でNIPTの施設を選ぶ4つのポイント
施設を選ぶときは、①何を調べられるか、②陽性のとき確定検査まで同じ施設で受けられるか、③誰がどれだけ時間をかけて説明するか、④通院回数と予約の条件、の4つを確かめると比べやすくなります。料金の数字や駅からの近さだけで選ぶと、受けた後に「調べたいことが入っていなかった」「陽性の後の行き先が決まっていなかった」ということが起こりえます。
① 調べられる範囲
認証施設で調べるのは13・18・21トリソミーの3つです[2]。これらは出生前検査で広く調べられている基本の項目で、21トリソミーについては検出率99.7%・偽陽性率0.04%と、NIPTの精度が最も確立している領域です[6]。一方、染色体の一部が欠けたり増えたりする微小欠失・重複や、1つの遺伝子の変化による単一遺伝子疾患は、この3つには含まれません。これらの中には、知的障害や自閉症を伴うことがある病気が含まれます(第9章で詳しく説明します)。
② 陽性のとき、確定検査まで同じ施設で受けられるか
NIPTは確定診断ではないため、陽性なら羊水検査や絨毛検査で確かめます。これらの検査による流産の上乗せのリスクは、メタ解析で羊水検査0.30%、絨毛検査0.20%と推定されています(絨毛検査は統計的な差がはっきりしない範囲)[7]。確定検査を同じ施設で受けられるか、紹介先が決まっているかで、結果が出るまでの日数と気持ちの負担は大きく変わります。
③ 誰が、どれだけ時間をかけて説明するか
NIPTの結果は「陽性・陰性」の二択に見えますが、陽性的中率は病気の頻度や母体年齢によって変わり、微小欠失のように頻度の低い病気では、21トリソミーより低くなることがあります。数値は対象疾患・検査法・受検者の背景によって異なり、一律に60〜70%と示すことはできません。結果の意味を正しく受け止めるには、検査前に何がわかり何がわからないかを説明し、陽性のときに次の選択肢を示せる体制が必要です。認証施設では、臨床遺伝専門医などの資格を持つ医師がかかわることが条件になっています[2]。
④ 通院回数と予約の条件
認証施設では、検査前の遺伝カウンセリング、採血、結果の説明で複数回の通院が必要になることが多く、パートナーの同伴が必須の施設もあります。つわりの時期と重なるため、通院の負担は軽くありません。紹介状が要るか、自院での分娩予定が条件かは、第3章の表で施設ごとに確認できます。
陽性的中率が低いと「無駄な確定検査」が増える? ― がん検診と比べて考える
施設を選ぶときにもう一つ確かめたいのは、陽性のあと確定検査で確かめられる体制があるかどうかです。調べる範囲を広げたNIPTには、「陽性的中率が低い項目があり、必要のない確定検査を増やす」という批判があります。この点を、同じく病気の可能性がある人を拾い上げる検査である、がん検診と比べて考えます。
がん検診も、陽性的中率は数%です。胸部X線で行う日本の自治体の肺がん検診では、国が2008年の報告書で示した陽性反応適中度(要精密検査とされた人のうち、実際に肺がんだった人の割合)の許容値は「1.3%以上」でした[23]。米国の大規模試験(NLST)では、2回目・3回目の検診の陽性的中率が、低線量CTで2.4〜5.2%、胸部X線で4.4〜6.7%でした[24]。それでも、低線量CTによる検診は、胸部X線による検診と比べて肺がんによる死亡を減らすことが示されています[25]。X線は「怪しい」と判定する人がCTより少ないぶん陽性的中率は少し高いものの、そのかわり見逃しも多くなります。CTは拾い上げを広げたぶん陽性的中率が下がりましたが、死亡を減らしました。陽性的中率が低いことが、そのまま「悪い検査」を意味するわけではありません。
精密検査に危険があるのも同じです。米国の診療データ(保険請求データ)を使った調査では、肺の異常を調べる精密検査を受けた人は、受けなかった人に比べて、重い合併症が針生検で4.0%、気管支鏡で13.4%、胸部手術で11.3%多く起きていました[26]。一方、出生前の確定検査については、英国の医療施設で行われた研究(1施設のコホート研究)で、絨毛検査・羊水検査を受けた人と受けなかった人の流産の割合の差は、絨毛検査で0.29%、羊水検査で−0.36%で、どちらも統計的な差は見られませんでした[27]。「陽性的中率が低いと、体に負担のかかる確定検査が増える」という心配は、少なくとも肺がん検診にも同じように当てはまり、がん検診ではそれでも検診が行われています。ただし、研究の規模や方法が違うため、数字を直接並べてどちらが安全かを比べることはできません。
それでも出生前検査に慎重な意見があるのには、理由があります。1つ目は、検査の結果が「妊娠を続けるかどうか」の判断に直結することです。2つ目は、いちばん大きな危険として、陽性のあと確定検査を受けずに妊娠をやめる選択をしてしまうと、陽性的中率が低い項目では、本当は病気のない赤ちゃんが失われるおそれがあることです。3つ目は、結果を待つ間の不安が大きく、判断できる期間にも限りがあることです。4つ目は、微小欠失などは症状の幅が広く、わかっても見通しが立てにくいことがあり、学会によって考え方が分かれていることです。どれも大切な指摘です。
一方で、陽性的中率だけを見ると「外れの陽性」ばかりに目が向きますが、拾い上げなければ、本当に病気がある赤ちゃんについて、ご家族が生まれる前に知り、出産する施設や生まれてすぐの治療を準備するか、妊娠を続けるかどうかを考える機会そのものがなくなります。見逃しにも、外れの陽性と同じように重い結果があります。実際に、先天的な病気が生まれる前にわかったお母さんは、生まれてから初めて知ったお母さんに比べて、心の面の生活の質が高かったという報告があります[28]。また、重い心臓の病気では、生まれる前にわかっていると生まれてすぐの治療を早く始められ、大血管転位症では手術の前後に亡くなる赤ちゃんが減ったと報告されています[29]。ただし、前者は対象の少ない研究で、生まれる前に知ることの受け止め方は研究によって結果が分かれています。
こうして見ると、弱点は検査そのものではなく、「確定検査で確かめる前に決めてしまうこと」にあります。いちばん大切なのは、確定検査で確かめる前に決めないことです。当院では、陽性になったら院内で確定検査(絨毛検査・羊水検査)を受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は互助会で補助されます(補助に上限はありません)。
NIPTは、可能性のある赤ちゃんを見逃さずに拾い上げるための検査です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。
6. NIPTの費用は「料金に何が含まれるか」で比べる
NIPTは自費の検査で、料金の比較は総額の数字より「料金に何が含まれるか」で行うのが確実です。同じような金額でも、遺伝カウンセリング料、超音波検査、陽性時の確定検査の費用、判定できなかったときの再検査の扱いが、含まれる施設と別料金の施設があります。
当院の料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(90分の受診枠の中で行います)、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。検査結果の作成費用(3,300円)や互助会の会費は別にかかります。陽性の場合は、陽性後のカウンセリングを何度でも無料で受けられます。プランごとの金額は変わることがあるため、NIPTの料金と含まれるもののページでご確認ください。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[30]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[30][31]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。
三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。
当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。検出対象疾患数は性染色体の数の変化も含めて320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
※価格は事前学習協力割引後の税込価格です(事前動画を見て理解を深める協力をしてくださった方に対する割引です)。最新の料金は料金ページをご確認ください。
※検出対象疾患数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。
※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
調べられる病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングでプランを選ぶことが大切です。どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
7. 神奈川からミネルバクリニックでNIPTを受ける方法
神奈川県からは、北青山のクリニックに来院する方法と、自宅でZoomの遺伝カウンセリングを受けて県内の提携施設で採血するオンラインNIPTの2つの方法があります。どちらも、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを担当します。
来院する場合(東京・北青山)
当院は東京メトロ銀座線「外苑前駅」2b出口から徒歩1分です。横浜駅方面からは東急東横線で渋谷駅へ出て、銀座線で2駅です。東急田園都市線は半蔵門線に直通しているため、表参道駅で銀座線に乗り換えて1駅、または青山一丁目駅から徒歩9分で来院できます。
来院の場合は、採血の前に4Dエコーで赤ちゃんの状態を確認してから検査を行います。1時間程度で来られる地域にお住まいなら、来院をおすすめしています。
オンラインNIPTの場合(横浜市・座間市・藤沢市で採血)
オンラインNIPTでは、Zoomで遺伝カウンセリングを受け、検査キットを近くの提携施設に持参して採血します。提携施設は東京以外の46道府県に全国110か所あり、神奈川県内では横浜市・座間市・藤沢市に採血できる提携施設があります。施設名は公開していないため、カウンセリングの際にお伝えします。採血料は施設ごとに別にかかります。つわりが強い時期や、小さなお子さんがいて都内まで出にくい方に向いています。
陽性でも確定検査まで院内で
当院は2025年6月から産婦人科を併設し、絨毛検査・羊水検査とも院内で受けられます。主要項目は3日以内に結果が出ます(マイクロアレイ検査は2週間ほどかかります)。陽性の結果を受け取ってから転院先を探す必要がありません。他院でNIPTを受けて陽性になった方の確定検査も受け入れています。当院の絨毛検査・羊水検査は、基本的に日曜日に行っています(月曜日が祝日の場合は月曜日)。
また、全員加入となる、1回のNIPTにつき8,000円の羊水検査互助会(カトレア会)で、陽性時の確定検査の費用を補助しています。検査費用の補助に上限はありませんが、入院費とマイクロアレイ検査費用は対象外です。もう一つの安心検査結果保障制度(1回のNIPTにつき6,000円)は、判定できずに再検査が必要になったものの、流産して再検査ができず結果が出なかった場合に、検査代金(諸費用を除く)を返金する仕組みです。
妊娠6〜8週から受けられる臨床研究
NIPTは通常妊娠9週から受けられる検査です(国の専門委員会の報告書では妊娠9〜10週頃以降の採血とされています)[3]。当院では、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月(85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶は労働基準法で「出産」として扱われ、原則8週間の産後休業が適用され、産後6週間は就業できません。6週間経過後は本人が請求し、医師が支障がないと認めた業務に限って就業できます。このため、就労日程への影響が生じる場合があります[21]。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持てます。
ただし、週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。詳しくは早期NIPTの解説をご覧ください。
8. ダウン症候群だけを調べればよいわけではない
出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。違いは「命の見通し」だけでなく、「自立の見通し」「自閉症や強い行動の問題を伴うか」「家族の見守りや介護の負担」にも表れます。
ダウン症候群では医療や支援の進歩に伴い生存期間が延びており、西オーストラリアで1953〜2000年に登録された集団の研究で推定寿命が58.6歳と報告され[8]、デンマークの全国調査でも近年生まれた人ほど死亡が減っています[9]。成人して働いたり地域で暮らしたりする方もいますが、必要な支援には個人差があります。知的障害のある未就学児を比べた研究では、3歳時点の行動の問題は自閉症や脳性麻痺のお子さんで多く、ダウン症候群のお子さんでは少なく、育児のストレスが最も大きかったのは自閉症のお子さんの母親でした[10]。自閉スペクトラム症の特徴がみられる割合も、ダウン症候群では16%と推定されています。ただし、疾患によって対象集団や評価方法が異なり、すべての他疾患より低いという意味ではありません[11]。
一方、18トリソミーや13トリソミーについて、米国9州で1999〜2007年に生まれた児を調べた研究では、1歳時点の生存率が18トリソミー13.4%、13トリソミー11.5%でした[12]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症の特徴を高い割合で伴い、継続的な見守りや介護を必要とする病気もあります。生存や発達の見通しは治療・支援・合併症などによって変わり、疾患名だけで個々のお子さんの経過を決めることはできません。自閉スペクトラム症の特徴がみられる割合は、レット症候群(女性のみ)61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%、CHARGE症候群30%と報告されています[11]。
ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。
性染色体の数の異常は、ほかの病気とは分けて考える
クラインフェルター症候群(47,XXY)、トリプルX(47,XXX)、47,XYY、ターナー症候群(45,X)などの性染色体の数の異常は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的機能が正常範囲の方も多い一方、学習・言語・発達の特徴や必要な支援には個人差があります。引用するレビューはXXX・XYY・XXYを対象としており、45,Xの知的・生活上の特徴を直接評価したものではありません[13]。ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症と診断される割合も一般より高く、対象となった集団ではXYYで19%(11/58人)、XXYで11%(2/19人)と報告されています。これはすべてのXYY・XXYの方にそのまま当てはまる割合ではありません[14]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。
9. 自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること
自閉症・発達障害・知的障害の原因の一部は、染色体の微細な変化や1つの遺伝子の変化で、当院のNIPTはその一部を調べられます。NIPTは、出生後の自閉症や発達障害の有無を直接診断する検査ではありません。原因はさまざまで、遺伝的要因と非遺伝的要因が複雑に関係し、原因を特定できない場合もありますが、一部は遺伝子や染色体の変化が原因だと分かっています。
知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群です。そのうえで、原因不明の発達の遅れ・知的障害、自閉症、複数の先天異常のあるお子さんに染色体マイクロアレイ検査を行うと、15〜20%で原因となる染色体の微細な欠失・重複が見つかると報告されています[15]。こうした微細な変化の多くは通常の染色体検査(G分染法)では検出できず、13・18・21トリソミーのみを調べるNIPTでは検査対象に含まれません。これは症状のあるお子さんの診断検査の成績で、一般の妊婦さんのNIPTの陽性率を意味するものではありません。
さらに、1つの遺伝子に新しく起きた変化(新生突然変異、de novo変異)による病気もあります。こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[16][17]。約600人に1人は対象疾患を合算した推定頻度であり、検査の陽性率や自閉症の検出率ではありません。ダウン症候群との頻度の比較も、母体年齢や対象集団によって変わります。当院のインペリアルプランでは最大155遺伝子・202疾患、ダイヤモンドプランでは56遺伝子に関連する疾患を対象にし、de novo変異などを調べます。検出できる変異の種類・由来には検査ごとの制約があります。父親の年齢が上がるほど、精子で新しく起こる遺伝子変異が増えることも分かっており[18]、父親の年齢が高い場合は、こうした変化まで調べられるプランを選ぶという考え方もあります。
超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています。同研究の全対象(高リスク妊娠1,090例)における対象遺伝的異常全体の感度は98.5%、特異度は99.3%でした。一般の妊婦さん、各疾患、当院の各プランにこの精度がそのまま当てはまることを意味しません[19]。
🧩 当院のNIPTのプランと、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患 |
|---|---|---|---|
| スタンダード (単胎・双胎) |
6種類7疾患 | ― | 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群 |
| プレミアム (単胎) |
12種類13疾患 | ― | 上記に加え、ジェイコブセン症候群など |
| ダイヤモンド (単胎・COATE法※) |
12種類13疾患 | 56遺伝子 | 上記に加え、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群 |
| 双子マックス (単胎・双胎) |
92種類+5Mbを超える構造異常 | ― | 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など |
| インペリアル (単胎) |
92種類+5Mbを超える構造異常 | 最大155遺伝子・202疾患 | 上記に加え、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など |
※全プランで13・18・21トリソミーを調べます。プレミアム・ダイヤモンドは15・16・22トリソミー、双子マックス・インペリアルは全常染色体(1〜22番)の数の異常も対象です。
ダイヤモンドプランで用いるのは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術『COATE法』(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※です。インペリアルプランは低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせ、スタンダードプランは標的捕捉濃縮法を用いています。
※2025年通期の売上高上位3社(遺伝性がんや周産期を含む遺伝子検査全般を行う米国の専業会社。各社の決算発表にもとづく当院調べ。がん検診・リキッドバイオプシーに特化した会社は含まない)
※COATE-seqは、母体血中の母体・胎盤由来DNAを解析するための標的濃縮技術です。単純なSNP法とターゲット法の足し合わせではなく、対立遺伝子の比率などを利用して解析します。技術の名称や検査項目の多さだけで、すべての疾患について同じ精度が保証されるわけではありません。
⚠️ 知っておいてほしい限界
陽性なら必ず確定検査が必要です(当院は院内で実施)。微小欠失・重複の陽性的中率は、対象疾患・検査法・受検者の背景によって異なり、21トリソミーより低くなることがあります。また、陰性でも自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。脆弱X症候群のようにNIPTで調べられない原因も多く、見つかった場合でも症状の重さまでは予測できません。アンジェルマン症候群やプラダー・ウィリー症候群でも、微小欠失のNIPTで対象になるのは欠失による原因であり、片親性ダイソミーや刷り込み異常など、欠失以外の原因をすべて検出できるわけではありません[22]。ここで挙げた病気は、大多数のお子さんには当てはまらないものです。
🩺 院長コラム【「一部」がわかることの意味】
NIPTで自閉症や発達障害の「すべて」がわかるわけではありません。それでも、原因の一部である微小欠失や単一遺伝子の変化を妊娠中に知る方法があることは、選択肢の一つだと考えています。
大切なのは、何がわかって何がわからないかを検査の前に理解しておくことです。結果の数字を正しく読み、陽性なら確定検査で確かめるところまでを一続きの医療として提供することが、遺伝の専門クリニックの役割だと考えています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 横浜で認可施設以外でNIPTを受けても大丈夫?
認証外の施設でNIPTを受けることを罰する法律はありません。ただし、遺伝カウンセリングの有無や陽性時の確定検査の体制は施設ごとに大きく異なります。誰が結果を説明するのか、陽性のときにどこで確定検査を受けるのかを、予約前に確認してください。
Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした[30]。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。
Q3. 神奈川から東京のクリニックでNIPTを受けられますか?
受けられます。当院へは外苑前駅2b出口から徒歩1分で、横浜駅方面からは渋谷駅で銀座線に乗り換えて2駅です。来院が難しい場合は、Zoomで遺伝カウンセリングを受け、横浜市・座間市・藤沢市の提携施設で採血するオンラインNIPTも利用できます。
Q4. 神奈川の認証施設は紹介状が必要ですか?
施設によって異なります。紹介状や専用の診療情報提供書を求める施設、紹介状は不要とする施設、自院で分娩予定の人に限る施設があります。この記事の一覧で各施設の公式サイトの記載をまとめていますが、条件は変わることがあるため予約前に確認してください。
Q5. 認証施設で性別や微小欠失はわかりますか?
日本医学会の指針に基づくNIPTの対象は、13トリソミー、18トリソミー、21トリソミーの3つと定められています。そのため、認証施設のNIPTでは微小欠失などは調べられません。当院のNIPTでは、プランに応じて性別判定、性染色体の数の異常、微小欠失・重複、単一遺伝子の変化を調べられます。
Q6. 陽性になったら、神奈川で確定検査を受けられますか?
県内では、横浜市立大学附属病院や川崎市立川崎病院など、羊水検査・絨毛検査を院内で行う認証施設があります。当院でNIPTを受けた場合は、2025年6月に併設した産婦人科で確定検査まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。
Q7. NIPTは妊娠何週から受けられますか?
NIPTは通常妊娠9週から受けられます。当院では、早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられる体制を整えています。ただし週数が早いほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。
まとめ
神奈川県には、2026年10月16日現在で51の認証施設があり、横浜市に21施設、川崎市に11施設があります[1]。認証施設で調べるのは13・18・21トリソミーの3つで[2]、受けられる人の条件や確定検査の体制は施設によって大きく異なります。認証外の施設は調べられる範囲を広げられる一方、遺伝カウンセリングや陽性時の体制の差が大きいため、施設ごとに確かめる必要があります。
どこで受けるとしても、何を調べられるか、陽性のとき確定検査までどうつながるか、誰が結果を説明するかの3つで比べることが大切です。当院では、ダウン症候群だけでなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患など一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられるプランを用意し、確定検査まで院内で行っています。
📅 神奈川からのNIPTのご予約
ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTで可能性を調べます。発症の有無や症状の重さを確定する検査ではありません。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査(染色体の微細な欠失・重複を調べる検査)は2週間ほどで結果が出ます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。
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