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埼玉のNIPT(新型出生前診断)認可施設一覧と選び方|認可外との違い・一部の自閉症や発達障害もわかる検査

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

埼玉県でNIPT(新型出生前診断)を受ける方法は、大きく分けて「県内の認可(認証)施設」「県内の認可外(認証外)施設」「県外の施設」の3つです。埼玉県内の認証施設は、こども家庭庁の情報サイトに24施設(基幹施設5・連携施設19)が掲載されていますが、さいたま市と県南・県西部に多く、県北部は深谷市の1施設だけです。この記事では、認可施設と認可外施設の違いを公平に整理したうえで、埼玉県の認可施設一覧、費用の比べ方、そして埼玉から東京・北青山のミネルバクリニックでNIPTを受ける方法(来院・オンライン)を、臨床遺伝専門医の立場から解説します。ミネルバクリニックのNIPTでは、ダウン症候群だけでなく、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因になる染色体や遺伝子の変化まで調べられます。

この記事でわかること
📖 読了時間:約18分
🏥 埼玉のNIPT・認可施設・選び方
★ 臨床遺伝専門医監修

Q. 埼玉でNIPTを受けるには、どこを選べばよいですか?

A. 調べたい範囲、陽性だったときの確定検査の体制、遺伝カウンセリングの有無、通いやすさの4点で選ぶのが基本です。埼玉県内の認可施設には、その施設で分娩予定の方などに対象を限っているところがあり、調べる範囲は13・18・21トリソミーの3つです。それ以外の病気まで調べたい方や、県内の認可施設の条件に当てはまらない方は、県外の施設やオンラインNIPTも選択肢になります。

  • ➤埼玉の認可施設 → 24施設(基幹5・連携19)。さいたま市に7施設が集まり、県北部は1施設
  • ➤認可と認可外の違い → 調べる範囲・受けられる条件・カウンセリングの体制が違う
  • ➤陽性的中率と確定検査 → がん検診と比べて考える。大切なのは確定検査で確かめる前に決めないこと
  • ➤費用の比べ方 → 金額より「何が含まれているか」「どこまで調べられるか」で比べる
  • ➤ミネルバで受ける方法 → 北青山へ来院、またはZoomのカウンセリング+白岡市・熊谷市・さいたま市・春日部市で採血
  • ➤わかる病気 → 一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられるプランがある

埼玉でNIPT(新型出生前診断)を受けられる認可施設と選び方

⏱️ 30秒でわかる要約

🏥 Q. 埼玉でNIPTを受けるには?

県内の認可(認証)施設、県内の認可外施設、県外の施設の3つの方法があります。県内の認可施設にはその施設で分娩予定の方などに対象を限っているところがあるため、まずは自分が条件に当てはまるかを確認します。

🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

📋 Q. 埼玉の認可施設はどこ?

こども家庭庁の情報サイトに24施設(基幹施設5・連携施設19)が掲載されています。さいたま市に7施設、県北部は深谷赤十字病院の1施設です。

⚖️ Q. 認可施設と認可外施設の違いは?

認可施設で調べるのは13・18・21トリソミーの3つで、検査前後の遺伝カウンセリングが必須です。認可外施設は調べられる範囲が広い一方、カウンセリングや陽性時の体制は施設ごとの差が大きくなります。

🚃 Q. 埼玉からミネルバクリニックで受けるには?

東京・北青山(外苑前駅から徒歩1分)へ来院するか、Zoomの遺伝カウンセリング+白岡市・熊谷市・さいたま市・春日部市の提携施設での採血によるオンラインNIPTを選べます。

🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でもすべての自閉症や発達障害がないとは言えません。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /
当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。

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1. 埼玉でNIPTを受ける3つの方法

埼玉県にお住まいの方がNIPTを受ける方法は、「県内の認可(認証)施設で受ける」「県内の認可外(認証外)施設で受ける」「県外の施設で受ける(来院またはオンライン)」の3つに分けられます。どれが合うかは、調べたい病気の範囲、妊婦健診や分娩を予定している病院、妊娠週数、通院できる距離によって変わります。「おすすめの施設」をひとつに決めることはできませんが、選ぶときに確認すべき点ははっきりしています。

NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing、非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、妊婦さんの腕から採血し、血液中に含まれる赤ちゃん由来(正確には胎盤由来)のDNAの断片を調べて、染色体の数の異常などの可能性を推定する検査です。採血だけで済むため、検査そのものによる流産の心配はありません。一方で、NIPTは診断を確定する検査ではなく、可能性を調べるスクリーニング検査です。陽性の結果が出たときは、羊水検査や絨毛検査といった確定検査で確かめる必要があります。この「陽性のあと」の体制まで含めて施設を選ぶことが、3つの方法を比べるときの軸になります。

🏥 埼玉でNIPTを受ける3つの方法

方法 調べる範囲 受けられる条件 確認しておきたい点
県内の認可(認証)施設 13・18・21トリソミー その施設で妊婦健診・分娩を予定している方、紹介状がある方などに限る施設がある 受け付ける妊娠週数、予約方法、パートナー同席の要否
県内の認可外(認証外)施設 施設により、全染色体・微小欠失などに広がる 分娩先を問わないことが多い 臨床遺伝専門医によるカウンセリングの有無、陽性時の確定検査の体制
県外の施設(来院・オンライン) 施設・プランによる 施設による。オンラインなら来院不要の形もある 採血場所、結果の受け取り方、陽性時にどこで確定検査を受けるか

※受けられる条件は施設ごとに異なります。受診前に各施設の公式サイトで最新の情報を確認してください。

埼玉県は東京都と隣接しており、県南部・県東部からは都内の医療機関にも通いやすい地域です。そのため、県内の施設だけでなく、通勤経路や乗り換えのしやすさで県外の施設を選ぶ方もいます。ミネルバクリニックは東京・北青山のミネルバクリニックのNIPTとして、来院とオンラインの両方の受け方を用意しています。詳しくは第5章で説明します。

2. 埼玉のNIPT認可施設と認可外施設の違い

認可施設と認可外施設の違いは、「調べる範囲」「受けられる条件」「遺伝カウンセリングと陽性時の体制」の3点にあります。どちらが優れているかという話ではなく、何を重視するかによって合う施設が変わります。ここでは両者の特徴を、できるだけ公平に整理します。

認可(認証)施設とは

認可施設とは、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が定めた基準を満たし、NIPTを行う施設として認証を受けた医療機関のことです。検索では「認可施設」「認定施設」と呼ばれることが多いのですが、制度上の正式な呼び名は「認証施設」です。この記事では、検索で使われる言葉に合わせて「認可(認証)施設」と表記します。認証制度は2022年に始まり、現在の認証医療機関の一覧は運営委員会のサイトで公開されています[1]。

認証施設には「基幹施設」と「連携施設」があります。基幹施設は、産婦人科と小児科の専門医、臨床遺伝専門医などがそろい、羊水検査などの確定検査や、陽性の結果を受けた方へのその後の支援まで自施設で担える施設です。連携施設は、基幹施設と連携して検査前後のカウンセリングを行う施設で、陽性になった場合は基幹施設へつなぐ仕組みになっています。

💡 用語解説:基幹施設と連携施設

NIPTの認証施設は、役割によって基幹施設と連携施設に分けられています。基幹施設は、検査前後の遺伝カウンセリングに加えて、確定検査(羊水検査・絨毛検査)や陽性後の継続的な支援までを自施設で行える施設です。連携施設は、検査前後のカウンセリングと採血を行い、確定検査や専門的な支援が必要になったときに、連携先の基幹施設へ紹介する施設です。どちらも認証施設であることに変わりはありません。

認証施設で調べられるのは、13トリソミー(パトウ症候群)・18トリソミー(エドワーズ症候群)・21トリソミー(ダウン症候群)の3つです。検査前と結果説明のときに遺伝カウンセリングを受けることが必須で、そのぶん通院の回数は多くなります。また、埼玉県内の認証施設には、その施設で妊婦健診や分娩を予定している方だけを対象にしているところや、かかりつけ医の紹介状を求めるところがあります。受け付ける妊娠週数や予約方法も施設ごとに違うため、まず通院中の産婦人科で相談するのが一般的な流れです。

認可外(認証外)施設とは

認可外施設とは、認証制度の認証を受けずにNIPTを行っている医療機関のことです。認証を受けていないことは、検査の分析そのものの質が低いことを意味しません。多くの認可外施設は、3つのトリソミー以外に、性染色体の数の異常、全染色体の数の異常、微小欠失症候群など、より広い範囲を調べるプランを用意しています。分娩先を問わず受けられる施設が多いことも特徴です。

一方で、認可外施設は体制の差が大きいことも事実です。臨床遺伝専門医が常駐して検査前後のカウンセリングを行う施設もあれば、採血だけを行い、結果は郵送やメールで届く形の施設もあります。陽性だったときに確定検査をどこで受けるのか、その費用はどうなるのか、結果の意味を誰に相談できるのかは、施設ごとに大きく違います。

⚖️ 認可(認証)施設と認可外(認証外)施設の違い

項目 認可(認証)施設 認可外(認証外)施設
調べる範囲 13・18・21トリソミー 施設により、性染色体・全染色体・微小欠失・単一遺伝子などに広がる
受けられる条件 施設で分娩予定の方、紹介状がある方などに限ることがある 分娩先を問わないことが多い
遺伝カウンセリング 検査前後とも必須 施設による(必須の施設から、ない施設まで)
陽性時の確定検査 基幹施設で実施、連携施設は基幹施設へ紹介 施設による(院内で行う施設、他院を紹介する施設、費用補助のみの施設など)

※一般的な傾向をまとめたものです。個々の施設の体制は、各施設の公式情報で確認してください。

施設を選ぶときに確認したい4つのこと

認可・認可外のどちらで受ける場合も、「遺伝カウンセリング」「陽性時のフォロー」「調べられる範囲」「通いやすさ」の4つを確認しておくと、検査を受けたあとに困ることが少なくなります。

1つめは、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられるかどうかです。NIPTの結果は「陽性」「陰性」の二択に見えますが、実際には、陽性的中率(陽性と出た人のうち本当にその病気がある割合)が病気の種類や年齢によって大きく変わります。検査を受ける前に、何がわかり何がわからないのかを説明してもらえるかどうかで、結果を受け取ったときの理解がまったく違ってきます。

2つめは、陽性だったときのフォローです。確定検査をどこで受けるのか、結果が出るまでにどれくらいかかるのか、陽性の結果を受けた後に誰に相談できるのかを確認しておきます。3つめは、調べたい病気がその施設のプランに含まれているかどうかです。ダウン症候群だけを調べたいのか、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで知りたいのかで、選ぶ施設は変わります。4つめは通いやすさです。NIPTを受ける時期は、つわりがつらい時期と重なることが少なくありません。通院の回数や移動時間も、体の負担として考えておく必要があります。

3. 埼玉県のNIPT認可施設一覧【2026年10月確認】

埼玉県のNIPT認可(認証)施設は、こども家庭庁の「妊娠中の検査に関する情報サイト」に、基幹施設5・連携施設19の合計24施設が掲載されています。このサイトは、出生前検査認証制度等運営委員会の認証施設のうち、連絡先の掲載を許可した施設を「2024年12月現在」として紹介しているものです[2]。この記事では、2026年10月にこのサイトを確認した内容を掲載しています。認証施設はその後に追加されることがあるため、最新の一覧は運営委員会のサイトで確認してください[1]。

一覧を地域ごとに見ると、さいたま市に7施設が集まり、川越市・所沢市・富士見市など県西部にも多く分布しています。一方で、県北部は深谷赤十字病院の1施設だけで、秩父地域には認証施設がありません。熊谷市や本庄市など県北部にお住まいの方は、通院時間の面で選択肢が限られやすい地域です。

基幹施設(5施設)

基幹施設は、確定検査や陽性後の支援までを自施設で行う施設です。埼玉県では、越谷市に2施設、所沢市・川越市・毛呂山町に各1施設があります。

📋 埼玉県のNIPT認証施設(基幹施設)

施設名 所在地 区分 調べる範囲
越谷市立病院 越谷市 基幹施設 13・18・21トリソミー
獨協医科大学埼玉医療センター 越谷市 基幹施設 13・18・21トリソミー
瀬戸病院 所沢市 基幹施設 13・18・21トリソミー
埼玉医科大学総合医療センター 川越市 基幹施設 13・18・21トリソミー
埼玉医科大学病院 入間郡毛呂山町 基幹施設 13・18・21トリソミー

※こども家庭庁「NIPTを実施する認証施設」(2024年12月現在の掲載)を2026年10月に確認[2]。

連携施設(19施設)

連携施設は、検査前後のカウンセリングと採血を行い、陽性の場合は基幹施設と連携して対応する施設です。地域別に並べると次のとおりです。

📋 埼玉県のNIPT認証施設(連携施設・地域別)

施設名 所在地 地域 調べる範囲
おおのたウィメンズクリニック埼玉大宮 さいたま市大宮区 さいたま市 13・18・21トリソミー
さいたま赤十字病院 さいたま市中央区 さいたま市 13・18・21トリソミー
島田医院 さいたま市中央区 さいたま市 13・18・21トリソミー
加藤クリニック さいたま市浦和区 さいたま市 13・18・21トリソミー
石川病院 さいたま市浦和区 さいたま市 13・18・21トリソミー
ローズマタニティクリニック さいたま市南区 さいたま市 13・18・21トリソミー
さいたま北部医療センター さいたま市北区 さいたま市 13・18・21トリソミー
かわぐちレディースクリニック 川口市 県南部 13・18・21トリソミー
戸田中央産院 戸田市 県南部 13・18・21トリソミー
埼玉病院 和光市 県南部 13・18・21トリソミー
永井マザーズホスピタル 三郷市 県東部 13・18・21トリソミー
春日部市立医療センター 春日部市 県東部 13・18・21トリソミー
松田母子クリニック 所沢市 県西部 13・18・21トリソミー
愛和病院 川越市 県西部 13・18・21トリソミー
メディカルパーク入間 入間市 県西部 13・18・21トリソミー
恵愛病院 富士見市 県西部 13・18・21トリソミー
にしじまクリニック 富士見市 県西部 13・18・21トリソミー
中村産婦人科 比企郡小川町 県中央部 13・18・21トリソミー
深谷赤十字病院 深谷市 県北部 13・18・21トリソミー

※施設名は法人名を省略しています。こども家庭庁「NIPTを実施する認証施設」(2024年12月現在の掲載)を2026年10月に確認[2]。受診の条件・予約方法・費用は施設ごとに異なり、変更されることがあるため、各施設の公式サイトで確認してください。

この一覧では、各施設の料金は掲載していません。NIPTの料金は改定されることが多く、古い金額が残ると、実際とかけ離れた情報になってしまうためです。施設を比べるときの考え方は、次の章で説明します。

埼玉県内の認可外施設について

埼玉県内には、大宮駅・浦和駅の周辺などに、認可外でNIPTを行う医療機関もあります。認可外施設は開設や提携先の変更が多く、公式情報で最新の体制を確かめられない施設を一覧に載せると、誤った情報を伝えるおそれがあります。そのため、この記事では個別の認可外施設は掲載していません。認可外施設を検討する場合は、第2章の4つの点を、各施設の公式サイトで確認してください。

4. 埼玉でNIPTの費用を比べるときのポイント

NIPTの費用は、表示されている金額だけでなく、「その金額に何が含まれているか」で比べることが大切です。NIPTは保険が適用されない自費の検査で、施設によって検査料に含まれるものが大きく異なります。

比べるときに確認したいのは、遺伝カウンセリングの料金が別にかかるか、陽性だったときの確定検査(羊水検査・絨毛検査)の費用がどうなるか、判定保留や再検査になったときの扱い、エコーや結果の説明が含まれているか、といった点です。認証施設でも、検査料のほかに遺伝カウンセリング料が初診・再診ごとにかかることがあります。表示価格が低くても、陽性時の確定検査や再検査が別料金だと、最終的な負担は大きく変わります。

ミネルバクリニックのNIPTの料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(90分の受診枠の中で行います)、4Dエコー、性別判定、結果作成が含まれています。陰性の場合は結果をマイページでお知らせし、陽性の場合は陽性後のカウンセリングを何度でも無料で受けられます。最新の料金はNIPTの料金ページにまとめています。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[11]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[11][12]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。

当院のインペリアルプランは、全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。数えられる病気だけで316になり、1つの病気あたりは約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード
(220,000円)
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム
(264,000円)
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド
(407,000円)
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス
(440,000円)
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル
(550,000円)
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 316+α 約1,741円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、どこまで調べたいかは、検査前の遺伝カウンセリングで、陽性だったときのことまで含めて考えてから選ぶことが大切です。

どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

5. 埼玉からミネルバクリニックでNIPTを受ける方法

埼玉にお住まいの方がミネルバクリニックでNIPTを受ける方法は、東京・北青山のクリニックへ来院する方法と、来院せずに受けるオンラインNIPTの2つです。どちらの場合も、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けたうえで検査に進み、陽性だったときは院内で確定検査まで受けられます。

北青山への来院

ミネルバクリニックは東京都港区北青山にあり、東京メトロ銀座線の外苑前駅2b出口から徒歩1分です。半蔵門線・都営大江戸線の青山一丁目駅からは徒歩9分、半蔵門線の表参道駅からは徒歩11分です(診療時間・アクセス)。

埼玉からの経路としては、春日部・越谷・草加などの東武スカイツリーライン沿線から、半蔵門線に直通する電車で青山一丁目駅まで乗り換えなしで来られる場合があります。埼京線・湘南新宿ラインや、東武東上線・西武池袋線から副都心線に直通する電車で渋谷駅へ出た場合は、銀座線に乗り換えて外苑前駅まで2駅です。直通運転の本数や行き先は時間帯によって異なるため、乗車前に確認してください。

オンラインNIPT(Zoomのカウンセリング+埼玉県内で採血)

オンラインNIPTは、遺伝カウンセリングをZoomで受け、採血は提携する医療機関で行う受け方です。提携の採血施設は全国110か所にあり、埼玉県内では白岡市・熊谷市・さいたま市・春日部市に採血できる提携施設があります(オンラインNIPT)。認証施設が1施設しかない県北部の方でも、熊谷市で採血できます。採血料は提携施設ごとに別にかかります。

予約WEB・電話
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Zoomで遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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埼玉の提携施設で採血白岡・熊谷・さいたま・春日部
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結果をマイページで確認陽性時はカウンセリング

つわりで長時間の移動がつらい方、上のお子さんがいて都内まで出にくい方、県北部など都内から距離のある地域にお住まいの方にとって、移動の負担を減らせる受け方です。採血のあとは、検査の進み具合をメールでお知らせし、結果はマイページで確認できます。

陽性でも確定検査まで院内で受けられる

ミネルバクリニックは2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。NIPTで陽性になった場合、別の病院を探して紹介状を用意する必要がなく、同じクリニックで確定検査に進めます。確定検査の結果は、主要な検査項目であれば3日以内に出ます。染色体の細かな欠失・重複を調べるマイクロアレイ検査は、結果が出るまでに2週間ほどかかります。

羊水検査はおなかから針を刺して羊水中の胎児由来の細胞を採り、絨毛検査はおなかから、または子宮頸部を通して胎盤の絨毛を採る検査で、わずかながら流産の危険を伴います。複数の研究をまとめた解析では、検査そのものによって増える流産の危険は、羊水検査で0.30%、絨毛検査で0.20%と推定されています[3]。ただし、この推定値には幅があり、95%信頼区間は羊水検査で0.11〜0.49%、絨毛検査で−0.12〜0.52%でした。全研究をまとめた解析では羊水検査のリスク増加は統計的に有意でしたが、絨毛検査では有意ではありませんでした。背景のリスクが近い妊婦さん同士を比較した解析では、推定値はさらに低くなっています。危険がゼロではない以上、確定検査を受けるかどうかは、NIPTの結果とその意味を理解したうえで決めることになります。

💡 用語解説:確定検査(羊水検査・絨毛検査)

確定検査とは、赤ちゃん由来の細胞を直接採って染色体や遺伝子を調べ、診断を確定させる検査です。絨毛検査は胎盤のもとになる絨毛を採り、主に妊娠11〜14週ごろに行います。羊水検査は子宮の中の羊水を採り、主に妊娠15週以降に行います。NIPTは主に胎盤由来のDNAの断片から可能性を推定するスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査で確かめる必要があります。

2つの互助会

ミネルバクリニックには、NIPTを受ける方のための2つの互助会があります。1つめは羊水検査互助会(カトレア会)です。会費は1回のNIPTにつき8,000円で、NIPTを受ける方全員に加入していただいています。陽性になったときの確定検査の費用を補助する制度で、補助に上限はありません。

2つめは安心検査結果保障制度で、1回のNIPTにつき6,000円です。NIPTでは、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少ないなどの理由で判定できず、再検査が必要になることがあります。その再検査ができないまま結果が出なかった場合(再検査の前に流産した場合など)に、諸費用を除く検査代金を返金する仕組みです。

陽性的中率が低いと「無駄な確定検査」が増える? ― がん検診と比べて考える

ここまで、陽性のときは確定検査まで院内で受けられることを説明しました。施設を選ぶときに「陽性のあと、確定検査で確かめられる体制があるか」が大切なのは、NIPTの陽性的中率が病気によっては高くないからです。特に微小欠失・重複のように調べる範囲を広げると、陽性的中率は下がります。そのため、「陽性的中率が低い検査は、体に負担のかかる確定検査をむやみに増やすのではないか」という批判があります。この問いは、がん検診と比べると考えやすくなります。

がん検診でも、陽性的中率は数%です。胸部X線で行う日本の自治体の肺がん検診では、国が2008年の報告書で示した陽性反応適中度(要精密検査とされた人のうち、実際に肺がんだった人の割合)の許容値は「1.3%以上」です[23]。米国の大規模試験(NLST)では、陽性的中率は低線量CTで2.4〜5.2%、胸部X線で4.4〜6.7%でした[24]。それでも低線量CTによる検診は、肺がんによる死亡を減らすことが示されています[25]。

📊 肺がん検診の陽性的中率(要精密検査のうち実際に肺がんだった割合)

検診 陽性的中率 出典
日本の自治体の肺がん検診(胸部X線) 許容値 1.3%以上 国の報告書(2008年)[23]
米国NLST 胸部X線 4.4〜6.7% NLST[24]
米国NLST 低線量CT 2.4〜5.2% NLST[24]

※低線量CTは陽性的中率が胸部X線より低いものの、肺がんによる死亡を減らすことが示されています[25]。

X線とCTの違いは、この問題を考えるうえでわかりやすい例です。X線は「怪しい」と判定する人がCTより少ないぶん陽性的中率は少し高いのですが、そのかわり見逃しも多くなります。CTは拾い上げを広げたぶん陽性的中率が下がりましたが、肺がんによる死亡を減らしました。陽性的中率が低いことは、それだけで「悪い検査」であることを意味しません。

がん検診の精密検査にも危険があります。米国の保険請求データを使った調査では、肺の異常を調べる精密検査を受けた人は、受けなかった人に比べて、重い合併症が針生検で4.0%、気管支鏡で13.4%、胸部手術で11.3%多く起きていました[26]。一方、出生前の確定検査については、英国の医療施設で行われた研究で、絨毛検査・羊水検査を受けた人と受けなかった人とで、流産の割合に統計的な差は見られませんでした(差は絨毛検査で0.29%、羊水検査で−0.36%で、どちらも統計的な差なし)[27]。研究の規模や方法が違うため、数字を直接並べてどちらが安全かを比べることはできません。ただ、「陽性的中率が低いと、体に負担のかかる精密検査・確定検査が増える」という心配は、肺がん検診にも同じように当てはまり、がん検診ではそれでも検診が行われています。

それでも出生前検査で慎重な意見が出るのには、理由があります。

1つめは、検査の結果が「妊娠を続けるかどうか」の判断に直結することです。

2つめは、いちばん大きな危険が、陽性のあと確定検査を受けずに妊娠をやめる選択をしてしまうことにある点です。陽性的中率が低いと、本当は病気のない赤ちゃんが失われるおそれがあります。

3つめは、結果を待つ間の不安が大きく、判断できる期間にも限りがあることです。

4つめは、微小欠失などは症状の幅が広く、わかっても見通しが立てにくいことがあり、学会によって考え方が分かれていることです(第6章の22q11.2欠失症候群の項を参照)。どれも、ご家族が安心して判断できるようにするための大切な指摘です。

一方で、陽性的中率だけを見ると「外れの陽性」ばかりに目が向きますが、拾い上げなければ、本当に病気がある赤ちゃんについて、ご家族が生まれる前に知り、出産する施設や生まれてすぐの治療を準備するか、妊娠を続けるかどうかを考える機会そのものがなくなります。見逃しにも、外れの陽性と同じように重い結果があります。

実際に、先天的な病気が生まれる前にわかったお母さんは、生まれてから初めて知ったお母さんに比べて、心の面の生活の質が高かったという報告があります[28]。また、重い心臓の病気では、生まれる前にわかっていると生まれてすぐの治療を早く始められ、大血管転位症では手術の前後に亡くなる赤ちゃんが減ったと報告されています[29]。ただし、前者はポルトガルの小規模な研究で、生まれる前に知ることで出産までの間の不安やつらさが増えるという報告もあり、研究によって結果は分かれます。22q11.2欠失症候群のように心臓の病気を伴うことがある病気では、生まれる前に知っていることが、出産する施設の選び方や生まれてすぐの検査の準備につながります。

弱点は検査そのものではなく、「確定検査で確かめる前に決めてしまうこと」にあります。だから当院は、陽性になったら院内で確定検査(絨毛検査・羊水検査)を受けられる体制をとっています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は羊水検査互助会(カトレア会)で補助され、補助に上限はありません。

NIPTは、可能性のある赤ちゃんを見逃さずに拾い上げるための検査です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。

妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制

一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。早い時期に結果を知ることで、その後のことを考える時間を持てます。

早い時期に受けたいと考える方がいる背景には、制度上の事情もあります。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月(85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業は原則8週間となり、6週間を過ぎて本人が就業を希望し、医師が支障ないと認めた業務に限って復帰できるため、仕事への影響を心配される方もいます。一方で、週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。前に述べた安心検査結果保障制度は、このような場合に備えた制度です。

当院のNIPTプラン

当院のNIPTは、調べる範囲によって5つのプランに分かれています。13・18・21トリソミーは出生前検査で広く調べられている基本の項目で、すべてのプランに含まれます。そのうえで、最も基本のスタンダードプランでも、22q11.2欠失症候群を含む微小欠失を調べます。

🧬 ミネルバクリニックのNIPTプラン

プラン 染色体の数の異常 微小欠失・重複 単一遺伝子(新生突然変異) 対象
スタンダード 13・18・21トリソミー+性染色体の数の異常 6種類7疾患 なし 単胎・双胎
プレミアム 13・18・21・15・16・22トリソミー 12種類13疾患 なし 単胎のみ
ダイヤモンド 13・18・21・15・16・22トリソミー 12種類13疾患 56遺伝子 単胎のみ
双子マックス 全常染色体(1〜22番) 92種類+5Mbを超える構造異常 なし 単胎・双胎
インペリアル 全常染色体(1〜22番) 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 単胎のみ

※検査方式は、スタンダードが標的捕捉濃縮法、ダイヤモンドがCOATE法、インペリアルが低深度全ゲノムシーケンス+ターゲット法です。料金は料金ページをご覧ください。

ダイヤモンドプランでは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※を用いています。超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[4]。この研究での検査の感度は98.5%、特異度は99.3%でした[4]。すべての妊婦さんで同じように1.6倍になるという意味ではありません。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

インペリアルプランが対象にする単一遺伝子の新生突然変異については、高リスクの妊娠750例を対象にした検証で、陽性的中率96.9%、感度100%、特異度99.9%と報告されています[5]。これは155遺伝子・202疾患を対象に、超音波で明確な異常が認められた妊娠を調べた研究の結果で、当院を受診するすべての妊婦さんや各疾患に、そのまま同じ精度を保証する数値ではありません。なお、微小欠失・重複は、染色体の数の異常に比べて陽性的中率が低めで、項目によっては60〜70%程度です。どのプランでも、陽性の場合は必ず確定検査で確かめる必要があり、まれですが偽陰性(実際には病気があるのに陰性と出ること)の可能性もあります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【施設選びは「陽性のあと」から逆算する】

NIPTを受ける施設を選ぶとき、多くの方は料金や予約の取りやすさから比べ始めます。けれども、検査を受ける方の大多数は陰性で、施設ごとの違いが本当に表れるのは、陽性や判定保留になった少数の場合です。確定検査をどこで受けるのか、結果が出るまで何日かかるのか、その間に誰に相談できるのかは、陽性になってから調べ始めると時間が足りません。

臨床遺伝専門医としては、「陽性だったらどうなるか」を検査の前に説明してもらえる施設かどうかを、選ぶときの一番の目安にしてほしいと考えています。それは認可施設でも認可外施設でも同じです。

6. ダウン症候群だけを調べればよいわけではない

出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。違いは命の見通しだけでなく、自立の見通し、自閉症や強い行動の問題を伴うかどうか、ご家族の介護や見守りの負担にも表れます。

ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[6][7]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています。この研究では、行動の問題は脳性麻痺、自閉症、原因不明の発達の遅れ、ダウン症候群の順に多く、母親の負担が最も大きかったのは自閉症のグループでした[8]。自閉スペクトラム症に関連する特徴がみられる割合も、レット症候群やコルネリア・デ・ランゲ症候群などより低いと報告されています[9]。

一方、18トリソミーや13トリソミーでは、過去の集団研究では1年生存率が約1割と報告されていますが、合併症や治療方針、研究対象によって異なります。米国の複数の州の出生データを使った研究では、1年生存率は18トリソミーで13.4%、13トリソミーで11.5%、5年生存率はそれぞれ12.3%、9.7%でした[10]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません。

📊 自閉スペクトラム症に関連する特徴がみられる割合(遺伝性の病気別)

病気 自閉スペクトラム症に関連する特徴がみられる割合 当院のNIPTで調べられるプラン
レット症候群 61%(女性のみ) ダイヤモンド・インペリアル
コルネリア・デ・ランゲ症候群 43% ダイヤモンド・インペリアル
アンジェルマン症候群 34% 全プラン
CHARGE症候群 30% ダイヤモンド・インペリアル
ダウン症候群 16% 全プラン
22q11.2欠失症候群 11% 全プラン

※割合は診断や評価尺度による自閉スペクトラム症に関連する特徴(ASD phenomenology)をまとめた推定値で、現在の診断基準による確定診断率と同じではありません。レット症候群の61%は女性のみを対象としています。複数の研究をまとめた解析による推定値[9]。研究によって幅があります。

ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。埼玉県内の認可施設で調べられるのは13・18・21トリソミーの3つなので、それ以外の病気について知りたい方は、調べる範囲の広い施設やプランを検討することになります。

子育てのストレスを左右するのは「行動の問題」

知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています。[11]この総説で最も一貫してご家族のストレスと関連していたのは、攻撃的な行動などの行動の問題や情緒の問題でした。知的能力や日常生活能力との関連は研究によって異なり、知的障害の程度が負担に関係しないと断定することはできません。睡眠の問題がストレスと関連していたとする研究もあります[11]。

病気ごとにみると、アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[12]。これらの病気について、当院のNIPTでは対象となる染色体や遺伝子の変化の一部を調べられます。ただし、アンジェルマン症候群やプラダー・ウィリー症候群などには欠失以外の原因もあり、NIPTで全例を検出できるわけではありません。出生後の攻撃的な行動・自傷・睡眠の問題の有無や程度を予測する検査でもありません。スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群はすべてのプランで、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプランとインペリアルプランで、ウィリアムズ症候群はインペリアルプランと双子マックスプランで対象になります。ダウン症候群だけを調べればよいのかは、検査を選ぶ前に考えていただきたい点です。

22q11.2欠失症候群を調べる意味

22q11.2欠失症候群は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です。[13]多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません[13]。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[9][13]。

米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢にかかわらずすべての妊婦さんに、22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています(条件付きの推奨)[14]。一方、米国母体胎児医学会(SMFM)の2025年の指針は、微小欠失の一般集団への一律のNIPTを推奨していません。22q11.2欠失のNIPTを選ぶ場合は検査前の十分な説明を求め、染色体の欠失・重複について情報を希望する方には、NIPTより確定検査を提示するよう推奨しています[22]。学会によって考え方が分かれる項目だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングが大切になります。

生まれる前に分かっていれば、出産する施設の選び方や、生まれてすぐの心臓・カルシウム・免疫の検査など、赤ちゃんを迎える準備ができます。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。ただし、微小欠失は染色体の数の異常に比べて陽性的中率が低めなので、陽性の場合は必ず確定検査で確かめます。

7. 性染色体の数の異常は、ほかの病気と分けて考える

性染色体の数の異常は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。性染色体とはX染色体とY染色体のことで、その数が多かったり少なかったりする状態には、クラインフェルター症候群(47,XXY)、トリプルX(47,XXX)、47,XYY、ターナー症候群(45,X)などがあります。当院ではスタンダードプランで性染色体の数の異常を調べます。

性染色体の数の異常は、知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[15]。ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています[15][16]。英国の調査では、自閉スペクトラム症と診断されていた割合は47,XYYで19%、47,XXYで11%でした[16]。

そのため、性染色体の数の異常について「心配はいらない」とも、「発達障害とは関係ない」とも言えません。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。出生前に知ることの意味が、13・18トリソミーなどとは違う形で表れる病気だと考えてください。

8. 自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

自閉症・発達障害・知的障害の一部は、当院のNIPTで原因を調べられます。当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子の新生突然変異には、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気が含まれているためです。ただし、自閉症や発達障害のすべてがわかるわけではありません。

原因の一部は染色体や遺伝子の変化

お子さんの発達について心配になるのは、ごく自然なことです。自閉症・発達障害・知的障害の原因はさまざまで、環境の要因や、多くの遺伝子が少しずつかかわる要因もあります。そのなかで、一部は特定の染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。

知的障害の遺伝的な原因として最も多いのはダウン症候群です。また、発達の遅れ、知的障害、自閉症のあるお子さんを染色体マイクロアレイ検査で調べると、約15〜20%で染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかると報告されています[17]。こうした小さな欠失・重複は、通常の染色体検査(G分染法)では見つけにくいものです。

💡 用語解説:微小欠失・重複と単一遺伝子の新生突然変異

微小欠失とは、顕微鏡では見えないほど小さな範囲で染色体の一部がなくなっている状態で、逆に一部が増えている状態を微小重複といいます。単一遺伝子の新生突然変異(de novo変異)とは、両親の通常の検査では確認されず、精子や卵子ができる過程、または受精後に新しく生じた1つの遺伝子の変化のことです。どちらも両親に症状がなくても起こるため、家族歴がないことは、これらの病気が起こらないことを意味しません。

ひとつの遺伝子の変化で起こる病気(単一遺伝子疾患)にも目を向ける必要があります。こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[18][19]。この推定頻度は、ダウン症候群の出生頻度として引用される約700人に1人と近い水準ですが、対象集団や推定方法が異なるため、単純に優劣や検査で見つかる確率を比べることはできません。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子の新生突然変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。

当院のNIPTで調べられる、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気

🧩 プラン別に調べられる主な病気

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気
スタンダード 6種類7疾患 なし 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群、1p36欠失症候群、スミス・マゲニス症候群など
プレミアム 12種類13疾患 なし 上記+ジェイコブセン症候群、ランガー・ギーディオン症候群、2q33欠失症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 56遺伝子 上記+レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群、ソトス症候群
双子マックス 92種類+5Mb超の構造異常 なし 上記の微小欠失+16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群、ミラー・ディーカー症候群など
インペリアル 92種類+5Mb超の構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 上記すべて+フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群、KBG症候群、ルビンシュタイン・テイビ症候群など

※病気の有無や重さはNIPTだけでは決まりません。陽性の場合は確定検査が必要です。

年齢との関係と、NIPTの限界

自閉症と親の年齢の関係については、母親の年齢が上がるとリスクがわずかに上がるという解析があり、その影響は小さいもののゼロではないとされています[20]。また、父親の年齢が上がるほど、子どもに新しく生じる遺伝子の変化(新生突然変異)の数が増えることが分かっています[21]。父親の年齢が高い場合に、新生突然変異を調べられるダイヤモンドプランやインペリアルプランを検討するという考え方もあります。ただし、ここで挙げたリスクの上昇は集団での傾向で、大多数のお子さんには当てはまりません。

NIPTの限界も正直にお伝えします。陽性の場合は確定検査が必要で、当院では院内で受けられます。微小欠失・重複は陽性的中率が低めです。陰性であっても、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。脆弱X症候群のように、NIPTでは調べられない原因もあります。また、NIPTで病気がわかったとしても、症状の重さまでは予測できません。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「一部わかる」の「一部」を正しく受け取る】

自閉症や発達障害は、出生前検査で最も関心が高いテーマのひとつです。当院のNIPTが調べる病気の中には、自閉症や知的障害を高い割合で伴うものが含まれており、その原因となる変化の一部を調べられるという意味で「一部はわかる」と言えます。自閉症そのものを出生前に診断するという意味ではありません。

一方で、自閉症の多くは、ひとつの染色体や遺伝子の変化では説明できません。NIPTが陰性でも自閉症がないとは言えないことを理解したうえで、どこまで調べたいかを決めることが大切だと考えています。

\ 陽性でも確定検査まで院内で。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます /

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よくある質問(FAQ)

Q1. 埼玉で認可施設以外でNIPTを受けても大丈夫ですか?

認可外施設で受けること自体は可能で、認証の有無だけで検査の分析の質が低いとは判断できません。ただし、認可外施設は体制の差が大きいため、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングを受けられるか、陽性のときにどこで確定検査を受けるか、結果を誰に相談できるかを、受ける前に確認してください。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. 埼玉から東京のクリニックでNIPTを受けられますか?

受けられます。ミネルバクリニックは東京・北青山にあり、外苑前駅から徒歩1分です。来院が難しい方は、Zoomで遺伝カウンセリングを受け、白岡市・熊谷市・さいたま市・春日部市の提携施設で採血するオンラインNIPTも選べます。

Q4. 埼玉の認可施設では何週から受けられますか?紹介状は必要ですか?

受け付ける妊娠週数や紹介状の要否は施設ごとに異なります。その施設で妊婦健診や分娩を予定している方に限る施設や、かかりつけ医の紹介を求める施設もあるため、各施設の公式サイトで確認するか、通院中の産婦人科に相談してください。なお、ミネルバクリニックでは妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。

Q5. NIPTで陽性だったら、埼玉ではどこで確定検査を受けられますか?

認可施設で受けた場合は、基幹施設で確定検査を受けるのが一般的です。ミネルバクリニックでは、2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。埼玉県内で羊水検査・絨毛検査を受けられる病院は、別のページにまとめています。

Q6. NIPTの費用は埼玉でどのくらいかかりますか?

NIPTは保険が適用されない自費の検査で、料金は施設や調べる範囲によって大きく異なり、改定されることもあります。金額だけでなく、遺伝カウンセリング料、陽性時の確定検査の費用、再検査の扱いが含まれているかで比べてください。ミネルバクリニックの料金は料金ページに掲載しています。

Q7. NIPTが陰性なら安心してよいですか?

陰性の場合、調べた病気がある可能性は低くなります。ただし、まれですが偽陰性の可能性はあり、調べていない病気については何もわかりません。自閉症・発達障害・知的障害についても、陰性だからといってないとは言えません。妊婦健診での超音波検査は引き続き大切です。

Q8. 陽性的中率が低い検査は、無駄な確定検査を増やすのではありませんか?

がん検診でも陽性的中率は数%で、日本の肺がん検診では許容値が1.3%以上とされていますが、それでも検診は行われています。陽性的中率が低いことは、それだけで悪い検査であることを意味しません。大切なのは、陽性のときに確定検査で確かめる前に決めないことです。ミネルバクリニックでは確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。

まとめ

埼玉県でNIPTを受ける方法は、県内の認可(認証)施設、県内の認可外施設、県外の施設の3つです。埼玉県の認可施設は24施設(基幹5・連携19)で、調べる範囲は13・18・21トリソミーに限られ、その施設で分娩予定の方などに対象を限っている施設もあります[2]。県北部は認可施設が少なく、通院の負担が大きくなりやすい地域です。

施設を選ぶときは、遺伝カウンセリング、陽性時の確定検査の体制、調べられる範囲、通いやすさの4点を確認してください。ミネルバクリニックでは、北青山への来院のほか、埼玉県内(白岡市・熊谷市・さいたま市・春日部市)での採血によるオンラインNIPTも選べ、陽性の場合は院内で確定検査まで受けられます。一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられるプランもあります。

📅 埼玉からNIPTをお考えの方へ

ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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