目次
宮崎県でNIPT(新型出生前診断)を受けようと調べると、「認可(認証)施設はどこか」「認証外のクリニックで受けても大丈夫か」で迷う方が多いのではないでしょうか。日本医学会の認証医療機関一覧(2026年10月16日現在)では、宮崎県内の認証施設は宮崎大学医学部附属病院の1施設だけです。この記事では、宮崎県で受けられる施設を公式の情報で確認したうえで、施設の選び方、費用の比べ方、そして宮崎市・延岡市で採血できるオンラインNIPTで、東京・北青山のミネルバクリニックの検査を受ける方法まで、臨床遺伝専門医の立場から解説します。
- ➤宮崎県でNIPTを受けられる認証施設(2026年10月16日現在の一覧で確認)
- ➤認証(認可)施設と認証外の違いと、施設を選ぶときに確かめたい4つのこと
- ➤「陽性的中率が低いと無駄な確定検査が増える」という意見への答え
- ➤ダウン症候群だけを調べれば大丈夫なのか、調べられる範囲で比べる考え方
- ➤宮崎市・延岡市で採血できるオンラインNIPTと、一部の自閉症・発達障害もわかる検査
⏱️ 30秒でわかる要約
🗾 Q. 宮崎県でNIPTを受けるには?
主な方法は、①県内で1施設だけの認証施設である宮崎大学医学部附属病院(日本医学会の一覧・2026年10月16日現在)、②宮崎市・延岡市の提携施設で採血するオンラインNIPTです。調べられる範囲と、陽性のあとの確定検査の体制で選びます。
🧩 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。
🏥 Q. 認証施設と認証外はどう違う?
認証施設は日本医学会の指針の条件を満たした施設で、調べるのは13・18・21トリソミーです。認証外は調べられる範囲が広い一方、遺伝カウンセリングや陽性後の確定検査の体制は施設によって大きく違います。
💻 Q. 宮崎からミネルバクリニックで受けられますか?
受けられます。Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受け、宮崎市・延岡市にある提携施設で採血します(採血料は施設ごとに別途かかります)。
🧠 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言い切れません。
\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /
当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。宮崎からは、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)をご利用いただけます。
まだプランを決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたページからご覧ください:NIPTの料金とプラン | オンラインNIPT
宮崎県でNIPTを受けられる施設の選び方 ― 認証(認可)施設と認証外の違い
NIPTは、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん(主に胎盤)由来のDNAの断片を調べて、染色体の数の変化などがある可能性を推定する検査です。採血だけで行えますが、結果は「可能性」を示すもので、診断を確定する検査ではありません。陽性になったら、羊水検査や絨毛検査(じゅうもうけんさ)で確かめる必要があります。
この前提を踏まえると、施設選びで大切なのは「どこが認証されているか」だけではなく、検査の前に十分な説明を受けられるか、陽性のあとにどこで確定検査を受けられるかまで含めて考えることです。認証施設と認証外の施設は、どちらかが一方的に優れているわけではなく、それぞれに特徴があります。
認証施設とは
認証施設は、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が2022年2月に定めた「NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針」の条件を満たし、認証を受けた施設です[1]。一般に「認可施設」と呼ばれることもあります。
認証施設には「基幹施設」と「連携施設」があります。基幹施設は、産婦人科医と小児科医が常に勤務し、少なくとも一方が臨床遺伝専門医であること、検査前後の遺伝カウンセリングに十分な時間をとること、羊水検査などの確定検査を自施設で行えることなどが条件です。連携施設は、産婦人科専門医が常に勤務し、基幹施設と密に連携することが条件で、陽性の場合は基幹施設に引き継ぎます[1]。
一方、指針のもとで認証施設が調べるのは、13トリソミー・18トリソミー・21トリソミー(ダウン症候群)の3つに限られます[1]。性染色体の数の異常や微小欠失症候群、単一遺伝子疾患を調べたい場合は、認証施設では対象外になります。
認証外の施設とは
認証外の施設は、上の認証制度の認証を受けていない施設です。調べられる範囲が広く、年齢の条件や紹介状が不要なことが多いのが特徴です。一方で、臨床遺伝専門医が検査前の遺伝カウンセリングを行うか、陽性のあとに確定検査をどこで受けるか、その費用をどうするかは、施設によって大きく異なります。「認証外だから質が低い」とも「認証外のほうが自由で良い」とも一概には言えず、体制を一つずつ確かめることが大切です。
ミネルバクリニックは認証外の施設ですが、臨床遺伝専門医が運営・常駐し、検査前の遺伝カウンセリングから結果の判定、陽性後のケア、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで、院内で責任をもって支援しています。
施設を選ぶときに確かめたい4つのこと
宮崎県内の施設を比べるときも、東京の施設と比べるときも、次の4つを物差しにすると判断しやすくなります。
- ➤調べられる範囲:13・18・21トリソミーだけか、性染色体・微小欠失・単一遺伝子疾患まで調べるか
- ➤陽性のあとの確定検査:同じ施設で受けられるか、費用の補助があるか、結果まで何日かかるか
- ➤遺伝カウンセリング:検査の前後に、臨床遺伝専門医から説明を受けられるか
- ➤通いやすさ:つわりの時期に何度も通えるか、採血だけ近くで受けられるか
陽性的中率が低いと「無駄な確定検査」が増える? ― がん検診と比べて考える
調べる範囲の広いNIPTには、「微小欠失などは陽性的中率(陽性と出た人のうち、本当にその病気だった人の割合)が低いので、無駄な確定検査が増えるのではないか」という意見があります。実際、微小欠失・重複は、数の異常より陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。陽性なら、必ず確定検査で確かめる必要があります。
ここで、ほかの分野の検診と比べてみます。胸部X線で行う日本の自治体の肺がん検診では、国が2008年の報告書で示した陽性反応適中度(要精密検査とされた人のうち、実際に肺がんだった人の割合)の許容値は「1.3%以上」です[3]。米国の大規模試験(NLST)では、低線量CTで2.4〜5.2%、胸部X線で4.4〜6.7%でした[4]。それでも低線量CTによる検診は、肺がんによる死亡を減らすことが示されています[5]。
X線は「怪しい」と判定する人がCTより少ないぶん陽性的中率は少し高いのですが、そのかわり見逃しも多くなります。CTは拾い上げを広げたぶん陽性的中率が下がりましたが、死亡を減らしました。「陽性的中率が低い=悪い検査」ではないということです。
がん検診の精密検査にも危険はあります。米国の診療データ(保険請求データ)を使った調査では、肺の異常を調べる精密検査を受けた人は、受けなかった人に比べて、重い合併症が針生検で4.0%、気管支鏡で13.4%、胸部手術で11.3%多く起きていました[6]。一方、出生前検査の確定検査については、英国の医療施設で行われた1施設のコホート研究で、絨毛検査・羊水検査を受けた人と受けなかった人の流産の割合に、統計的な差は見られませんでした(絨毛検査0.29%、羊水検査−0.36%)[7]。研究の規模や方法が違うため数字を直接比べることはできませんが、「陽性的中率が低いと、体に負担のかかる精密検査が増える」という心配は肺がん検診にも同じように当てはまり、それでも検診は行われています。
それでも出生前検査で慎重な意見が出るのには、理由があります。検査の結果が「妊娠を続けるかどうか」の判断に直結すること。いちばん大きな危険は、陽性のあと確定検査を受けずに妊娠をやめる選択をしてしまうことで、陽性的中率が低いと、本当は病気のない赤ちゃんが失われるおそれがあります。結果を待つ間の不安が大きく、判断できる期間にも限りがあります。また、微小欠失などは症状の幅が広く、わかっても見通しが立てにくいことがあり、学会によって考え方が分かれています。
一方で、陽性的中率だけを見ると「外れの陽性」ばかりに目が向きますが、拾い上げなければ、本当に病気がある赤ちゃんについて、ご家族が生まれる前に知り、出産する施設や生まれてすぐの治療を準備するか、妊娠を続けるかどうかを考える機会そのものがなくなります。見逃しにも、外れの陽性と同じように重い結果があります。実際に、先天的な病気が生まれる前にわかったお母さんは、生まれてから初めて知ったお母さんに比べて、心の面の生活の質が高かったという報告があります[8]。また、重い心臓の病気では、生まれる前にわかっていると生まれてすぐの治療を早く始められ、大血管転位症では手術の前後に亡くなる赤ちゃんが減ったと報告されています[9]。
弱点は検査そのものではなく、「確定検査で確かめる前に決めてしまうこと」にあります。NIPTは、可能性のある赤ちゃんを見逃さずに拾い上げるための検査です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。
🩺 院長コラム【陽性的中率の数字だけで検査を決めていませんか】
内科医の立場から見ると、がん検診では、要精密検査とされた人の大半が実際にはがんではないことを前提に、「拾い上げて、精密検査で確かめる」仕組みが受け入れられています。出生前検査だけが陽性的中率の低さを理由に退けられるのは、少しもったいないと考えています。
ただし、出生前検査には、結果が妊娠の継続の判断に直結するという重さがあります。だからこそ、陽性になったときに確定検査まで迷わず進める体制が欠かせないと考えています。調べる範囲を選ぶときは、陽性的中率の数字だけでなく、陽性のあとに何が起こるのかまで知ったうえで決めていただきたいと思います。
宮崎県でNIPTを受けられる施設の一覧(2026年10月16日現在)
宮崎県でNIPTを受けられる認証施設を、日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会の認証医療機関一覧(2026年10月16日現在)で確認しました[2]。料金は変わることが多いため、各施設の公式サイトでご確認ください。
🏥 宮崎県でNIPTを受けられる施設(2026年10月16日現在)
| 施設 | 種類 | 調べる範囲 | 陽性時の確定検査 | 遺伝カウンセリング |
|---|---|---|---|---|
| 宮崎大学医学部附属病院 (宮崎市清武町木原5200) |
認証施設(基幹施設) | 13・18・21トリソミー | 指針上、基幹施設は確定検査を自施設で行える体制が条件 | 指針上、検査前後に実施 |
出典:日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会「認証医療機関・認証検査分析機関一覧」(2026年10月16日現在)[2]、各施設の公式サイト。最新の認証施設は日本医学会の一覧でご確認ください。受検の条件・予約方法・料金は、各施設の公式案内でご確認ください。
宮崎大学医学部附属病院(認証施設・基幹施設)
宮崎県内の認証施設はこの1施設だけで、基幹施設として認証されています[2]。指針にもとづき、調べるのは13・18・21トリソミーで、検査前後の遺伝カウンセリングと、陽性時の確定検査まで同じ病院で対応する体制が条件になっています[1]。受検の条件や予約の方法は、病院の公式案内で確認してください。
NIPTの費用は「料金に何が含まれるか」で比べる
NIPTの費用を比べるときは、表示されている金額だけでなく、その料金に何が含まれているかを見てください。とくに差が出やすいのは次の3つです。
- ➤遺伝カウンセリング:検査前後の説明が料金に含まれるか、別料金か
- ➤陽性時の確定検査:羊水検査・絨毛検査の費用が補助されるか、自分で施設を探して全額負担になるか
- ➤再検査や判定保留のとき:追加の費用がかかるか、どんな保障があるか
当院の料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(90分の受診枠の中で行います)、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。検査結果の作成費用(3,300円)や互助会の会費は別にかかります。金額は変わることがあるため、本文には書かず料金ページにまとめています。詳しくはNIPTの料金ページをご覧ください。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[10]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[10][11]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。
三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。
当院のインペリアルプランは、全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。検出対象疾患数は性染色体の数の変化も含めて320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
※価格は事前学習協力割引後の税込価格です(事前動画を見て理解を深める協力をしてくださった方に対する割引です)。最新の料金は料金ページをご確認ください。※検出対象疾患数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
ただし、病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングでプランを選ぶことが大切です。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
宮崎からミネルバクリニックでNIPTを受ける方法
宮崎県にお住まいの方がミネルバクリニックでNIPTを受ける方法は、オンラインNIPTと、東京・北青山の院内での受診の2つです。
オンラインNIPT(Zoomの遺伝カウンセリング+宮崎市・延岡市で採血)
来院が難しい方のために、Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを行い、全国110か所の提携施設で採血するオンラインNIPTを行っています。提携施設は東京以外の46道府県にあり、宮崎県では宮崎市・延岡市などに採血できる提携施設があります。施設名は公開していないため、ご予約のあとにご案内します。採血料は施設ごとに別途かかります。
結果は、陰性でも陽性でも、まずマイページでお知らせします。陽性の場合は、ご連絡いただいたうえで臨床遺伝専門医が陽性カウンセリングを行い、陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で受けられます。確定検査は北青山の院内で受けられます。
北青山の院内で受ける
東京・北青山のミネルバクリニックに来院して受けることもできます。来院の場合は、2022年11月に導入した産婦人科用の超音波装置で4Dエコーを行い、赤ちゃんの状態を確認してから採血に進みます。90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。
当院の5つのプランと調べられる範囲
当院のNIPTは5つのプランです。三大トリソミーだけを調べるプランとライトプランは廃止しました。どのプランでも、22q11.2欠失症候群などの微小欠失を調べられます。
- ➤スタンダードプラン:13・18・21トリソミー+性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患。単胎・双胎。標的捕捉濃縮法
- ➤プレミアムプラン:13・18・21・15・16・22トリソミー、微小欠失12種類13疾患。単胎のみ
- ➤ダイヤモンドプラン:プレミアムと同じ範囲+単一遺伝子(de novo変異)56遺伝子。単胎のみ。COATE法
- ➤双子マックスプラン:全常染色体(1〜22番)の数の異常、92種類の微小欠失・重複+5Mbを超える構造異常。単胎・双胎
- ➤インペリアルプラン:全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複+5Mbを超える構造異常+単一遺伝子 最大155遺伝子(202疾患)。単胎のみ。低深度全ゲノムシーケンス+ターゲット法
ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術『COATE法』(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査します。感度は98.5%、特異度は99.3%(1,090例)でした[12]。インペリアルプランの単一遺伝子(155遺伝子・202疾患)の検証データ(750例)では、陽性的中率96.9%、感度100%、特異度99.9%と報告されています[13]。
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[14][15]。これは、ダウン症候群の出生頻度(全体で約700人に1人)と同じくらいの数字です。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[12]。
なお、NIPTは確定検査ではないため、まれですが偽陰性(実際には病気があるのに陰性と出ること)の可能性はあります。
陽性でも確定検査まで院内で
2025年6月から産婦人科を併設し、陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。微小欠失・重複がNIPTで陽性になった場合は、確定にマイクロアレイ検査(染色体の微細な欠失・重複を調べる検査)が必要になることがあります。
当院の絨毛検査・羊水検査は、基本的に日曜日に行っています(月曜日が祝日の場合は月曜日)。他院でNIPTを受けて陽性になった方の確定検査も受け入れています。
2つの互助会
NIPTを受ける方は、全員が次の2つに加入します。
- ➤羊水検査互助会(カトレア会):1回のNIPTにつき8,000円。陽性時の確定検査の費用を補助し、補助の上限はありません。
- ➤安心検査結果保障制度:1回のNIPTにつき6,000円。再検査が必要になったのに、流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金します。
通常は妊娠9週から、6〜8週は臨床研究として受けられる
一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では通常妊娠9週から受けられ、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月(85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業(少なくとも6週間)が必要になるため、仕事への影響を心配される方もいます。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持てます。
ただし、週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。再検査になったときに流産していて再検査ができなかった場合は、安心検査結果保障制度で、諸費用を除く検査代金を返金します。
ダウン症候群だけを調べればよいわけではない
出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。
ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[16][17]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています[18]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています[19]。
一方、18トリソミーや13トリソミーでは、1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまります(5年生存率は18トリソミー12.3%、13トリソミー9.7%)[20]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません(例:レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、アンジェルマン症候群)[19]。ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。
子育てのストレスを左右するのは「行動の問題」
知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[10]。ストレスを最も強く左右していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷などの行動の問題、睡眠の問題でした[10]。アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[11]。
こうした病気はどれも当院のNIPTで調べられます。スミス・マゲニス症候群・プラダー・ウィリー症候群・アンジェルマン症候群は全プラン、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプラン・インペリアルプラン、ウィリアムズ症候群はインペリアルプラン・双子マックスプランが対象です。ダウン症候群だけを調べればよいのか、検査を選ぶ前に考えていただきたい点です。
22q11.2欠失症候群を調べる意味
22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です[21]。多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません[21]。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[19][21]。
米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢にかかわらずすべての妊婦さんに、22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[22]。一方、米国母体胎児医学会(SMFM)は、22q11.2欠失を調べる場合は検査前に十分な説明を受けて選ぶことを求めています。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングが大切です。生まれる前に分かっていれば、出産する施設の選び方や、生まれてすぐの心臓・カルシウム・免疫の検査など、赤ちゃんを迎える準備ができます。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。陽性的中率は数の異常より低めなので、陽性なら確定検査で確かめます。
性染色体の数の異常は分けて考える
性染色体の数の異常(クラインフェルター症候群[47,XXY]、トリプルX[47,XXX]、47,XYY、ターナー症候群[45,X]など)は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[23]。
ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています(自閉スペクトラム症の診断はXYYで19%、XXYで11%)[23][24]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。当院では、スタンダードプランから性染色体の数の異常を調べられます。
自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること
お子さんに自閉症や発達障害、知的障害があったらと心配するのは自然なことです。原因はさまざまですが、その一部は染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群です。また、発達の遅れ・知的障害・自閉症のあるお子さんでは、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることがあり、マイクロアレイ検査で約15〜20%に原因が見つかると報告されています[25]。
当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子疾患には、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気が含まれています。そのため、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因は、当院のNIPTでわかります。プラン別にまとめると次のとおりです。
🧠 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 6種類7疾患 | ― | 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マゲニス症候群 |
| プレミアム | 12種類13疾患 | ― | 上記+ジェイコブセン症候群、9p欠失症候群など |
| ダイヤモンド | 12種類13疾患 | 56遺伝子 | 上記+レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など |
| 双子マックス | 92種類 | ― | スタンダードの微小欠失+ウィリアムズ症候群、16p11.2欠失・重複など |
| インペリアル | 92種類 | 最大155遺伝子 | 上記すべて+フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など |
※16p11.2欠失・重複は、インペリアルプラン・双子マックスプランだけが対象です。
ただし、正直にお伝えしなければならない限界もあります。陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。原因の多くは、NIPTで調べられる範囲の外にあります。脆弱X症候群など、NIPTでは調べられない原因もあります。微小欠失は陽性的中率が低めなので、陽性なら確定検査が必要です(当院は院内で行えます)。また、変化が見つかっても、症状の重さまでは予測できません。こうした病気は1つひとつはまれで、大多数のお子さんには当てはまりません。
🩺 院長コラム【宮崎から受けるなら、確かめておきたいこと】
遠方から検査を受ける場合、気になるのは「陽性になったらどうするのか」だと思います。NIPTは採血だけで受けられますが、結果の重さは採血の手軽さとは比べものになりません。臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、検査の前に、何を調べて何を調べないのかを理解していただくこと、そして陽性のときに確定検査まで迷わず進めることです。
宮崎県には認証施設が1施設あり、地元で受けられることには大きな意味があります。そのうえで、ダウン症候群以外の病気まで調べたい方には、オンラインNIPTという選択肢もあります。どの施設を選ぶにしても、調べる範囲と陽性後の体制を確かめたうえで決めていただきたいと考えています。
\ 一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べたい方へ /
ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。
よくある質問(FAQ)
Q1. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。
Q2. 宮崎で認可(認証)施設以外で受けても大丈夫ですか?
認証外の施設でも、検査そのものは受けられます。ただし、遺伝カウンセリングの有無や、陽性のあとに確定検査をどこで受けられるか、その費用の補助があるかは施設によって大きく異なります。受ける前に、調べられる範囲・陽性後の確定検査・遺伝カウンセリング・費用に何が含まれるかの4つを確かめてください。ミネルバクリニックは認証外の施設ですが、臨床遺伝専門医が運営・常駐し、確定検査まで院内で行っています。
Q3. 宮崎から東京のクリニックでNIPTを受けられますか?
受けられます。ミネルバクリニックのオンラインNIPTでは、Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携施設で採血します。宮崎県では宮崎市・延岡市などに提携施設があります。採血料は施設ごとに別途かかります。陽性の場合は、確定検査を北青山の院内で受けられます。
Q4. 宮崎市・延岡市から遠い地域に住んでいても受けられますか?
オンラインNIPTの採血は提携施設で行うため、宮崎市・延岡市まで足を運ぶ必要があります。都城市や日南市などから受ける場合は、通いやすい提携施設を予約時にご相談ください。来院が可能であれば、東京・北青山の院内で受けることもできます。
Q5. NIPTは妊娠何週から受けられますか?
一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では通常妊娠9週から受けられ、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。
Q6. 陰性なら自閉症や発達障害の心配はありませんか?
いいえ、陰性でも自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。当院のNIPTでわかるのは、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある染色体や遺伝子の変化の一部です。原因の多くはNIPTの対象外で、脆弱X症候群などNIPTで調べられない原因もあります。
Q7. NIPTの費用はどう比べればよいですか?
表示されている金額だけでなく、遺伝カウンセリング、陽性時の確定検査の費用補助、再検査のときの保障など、料金に何が含まれるかで比べてください。当院の料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング(90分の受診枠の中で行います)、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。検査結果の作成費用(3,300円)や互助会の会費は別にかかります。確定検査の費用は羊水検査互助会(カトレア会)で上限なく補助されます。金額は料金ページでご確認ください。
まとめ
宮崎県でNIPTを受けられる認証施設は、日本医学会の認証医療機関一覧(2026年10月16日現在)で宮崎大学医学部附属病院の1施設です。認証施設が調べるのは13・18・21トリソミーで、それ以外の病気まで調べたい場合は認証外の施設を選ぶことになります。どちらを選ぶにしても、調べられる範囲、陽性のあとの確定検査、遺伝カウンセリング、料金に含まれるものを確かめることが大切です。
ミネルバクリニックでは、宮崎市・延岡市で採血できるオンラインNIPTで、ダウン症候群だけでなく微小欠失症候群や単一遺伝子疾患、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられます。NIPTは確定検査ではないため、陽性なら確定検査で確かめることが前提です。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。
🏥 宮崎から、調べる範囲で選ぶNIPTを
90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。まだプランを決めていない方は、料金とプランのページから比べてみてください。
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。各施設の情報は、日本医学会の認証医療機関一覧(2026年10月16日現在)と公式の情報をもとに確認したもので、変更されることがあります。



