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山口県でNIPT(新型出生前診断)を提供している医院

仲田洋美 医師

この記事の執筆・監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。

山口県でNIPT(新型出生前診断)を受けるとき、まず迷うのは「県内のどこで受けられるか」「認証(認可)施設と認証外は何が違うか」でしょう。この記事では、2026年10月時点で公式情報から確認できた県内の認証施設と、施設選びで確かめたいことを臨床遺伝専門医の立場から整理します。あわせて、ミネルバクリニックのNIPTを山口市・光市で採血できるオンラインNIPTで受ける方法もご案内します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🏥 Q. 山口県でNIPTを受けるにはどうすればいい?

県内には、日本医学会の制度で認証された施設が周南市・防府市・山口市・光市・下関市にあります。調べる範囲は13・18・21トリソミーが基本です。それより広く調べたい方は、オンラインNIPTで県外の施設の検査を受ける方法もあります。

🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

⚖️ Q. 認証施設と認証外の施設は何が違う?

認証施設は、決められた体制の基準を満たした施設です。認証外の施設は体制が施設ごとに大きく違います。どちらで受けるにしても、陽性のあと確定検査で確かめられる体制があるかを確認することが大切です。

💻 Q. 山口県からミネルバクリニックのNIPTは受けられる?

受けられます。遺伝カウンセリングはZoomで行い、採血は山口市・光市などにある提携施設で行います。陽性の場合は、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで当院で受けられます。

🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /

ダウン症候群だけで大丈夫ですか? 当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。

📅 NIPTを予約する

まだどのプランにするか決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたページからご覧ください。
NIPTの費用・料金 | オンラインNIPT

山口県でNIPTを受けられる施設の選び方 ― 認証施設と認証外の違い

NIPTは、お母さんの血液中の赤ちゃん(主に胎盤)由来のDNAを調べ、決められた染色体の変化を推定する検査で、陽性でも確定ではないスクリーニング検査です。施設は「近さ」だけでなく、「何を調べられるか」「陽性のときにどうなるか」まで見て選ぶ必要があります。

認証施設(認可施設)とは

「認可施設」と呼ばれることが多いのは、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が認証した施設です。基幹施設と連携施設があり、産婦人科専門医が常に勤務していることや、検査前後の遺伝カウンセリング、陽性のときの確定検査まで対応できる体制などが要件になっています[1]。以前は年齢などで対象が絞られていましたが、2022年の指針で、十分な説明を受けても不安が解消されない妊婦さんも対象になりました[1]。

認証施設で調べる範囲は、原則として13・18・21トリソミー(パトウ症候群・エドワーズ症候群・ダウン症候群)に限られます。性別や微小欠失症候群などは対象外です。

認証外の施設とは

認証外の施設は、調べる範囲を広げたプランを用意していることが多い一方、遺伝カウンセリングの有無や、陽性のときの確定検査の体制が施設ごとに大きく違います。

ミネルバクリニックは認証外の施設です。ただし、臨床遺伝専門医が運営し、常駐する臨床遺伝専門医が検査前の遺伝カウンセリングから結果の判定、陽性後の説明、確定検査まで院内で対応しています。「認証外だから質が低い」「認証施設だから十分」と、区分だけで判断しないでいただきたいと考えています。

施設を選ぶときに確かめたい4つのこと

どの施設を検討する場合でも、次の4つを確かめておくと、あとで困ることが少なくなります。

  • ➤調べられる範囲:13・18・21トリソミーだけか、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで含むか
  • ➤陽性のあとの確定検査:絨毛検査・羊水検査を同じ施設で受けられるか、紹介先が決まっているか
  • ➤遺伝カウンセリング:検査前と陽性のあとに、誰が説明してくれるか
  • ➤費用の補助:陽性のときの確定検査の費用がどこまで含まれる・補助されるか

陽性的中率が低いと「無駄な確定検査」が増える? ― がん検診と比べて考える

NIPTについては、「陽性的中率(陽性と出た人のうち、本当にその病気がある人の割合)が低い検査は、体に負担のかかる確定検査を無駄に増やす」という批判があります。調べる範囲を広げると、この心配はさらに大きくなるように見えます。この問いには、がん検診と比べるとデータで答えることができます。

胸部X線で行う日本の自治体の肺がん検診では、国が2008年の報告書で示した陽性反応的中度(要精密検査とされた人のうち、実際に肺がんだった人の割合)の許容値は「1.3%以上」です[2]。米国の大規模試験(NLST)では、低線量CTで2.4〜5.2%、胸部X線で4.4〜6.7%でした[3]。X線は「怪しい」と判定する人がCTより少ないぶん陽性的中率は少し高いのですが、そのかわり見逃しも多くなります。CTは拾い上げを広げたぶん陽性的中率が下がりましたが、肺がんによる死亡を減らすことが示されています[4]。陽性的中率が低いことは、それだけで悪い検査であることを意味しません。

がん検診の精密検査にも危険はあります。米国の診療データ(保険請求データ)を使った調査では、肺の異常を調べる精密検査を受けた人は、受けなかった人に比べて、重い合併症が針生検で4.0%、気管支鏡で13.4%、胸部手術で11.3%多く起きていました[5]。一方、英国の1施設で行われた研究では、絨毛検査・羊水検査を受けた人と受けなかった人で、流産の割合に統計的な差は見られませんでした(差は絨毛検査0.29%、羊水検査−0.36%で、どちらも統計的な差なし)[6]。研究の規模や方法が違うので、数字を並べてどちらが安全とは言えませんが、「陽性的中率が低いと、体に負担のかかる検査が増える」という心配は、肺がん検診にも同じように当てはまり、それでも検診は行われています。

それでも出生前検査で慎重な意見が出るのには、理由があります。結果が妊娠を続けるかどうかの判断に直結すること。いちばん大きな危険は、陽性のあと確定検査を受けずに妊娠をやめる選択をしてしまうことで、陽性的中率が低いと、本当は病気のない赤ちゃんが失われるおそれがあること。結果を待つ間の不安が大きく、判断できる期間にも限りがあること。そして微小欠失などは症状の幅が広く、わかっても見通しが立てにくいことがあり、学会によって考え方が分かれていることです。

一方で、陽性的中率だけを見ると「外れの陽性」ばかりに目が向きますが、拾い上げなければ、本当に病気がある赤ちゃんについて、ご家族が生まれる前に知り、出産する施設や生まれてすぐの治療を準備するか、妊娠を続けるかどうかを考える機会そのものがなくなります。見逃しにも、外れの陽性と同じように重い結果があります。実際に、先天的な病気が生まれる前にわかったお母さんは、生まれてから初めて知ったお母さんに比べて、心の面の生活の質が高かったという報告があります[7]。また、重い心臓の病気では、生まれる前にわかっていると生まれてすぐの治療を早く始められ、大血管転位症では手術の前後に亡くなる赤ちゃんが減ったと報告されています[8]。ただし、生まれる前に知ることで出産までの不安が増えるという報告もあり、研究によって結果は分かれています。

つまり、弱点は検査そのものではなく、「確定検査で確かめる前に決めてしまうこと」にあります。NIPTは、可能性のある赤ちゃんを見逃さずに拾い上げるための検査です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「認証」かどうかより、陽性のあとを見てほしい】

内科医の立場から見ると、「陽性的中率が低いから受けないほうがよい」という考え方は、がん検診では採られていません。拾い上げるのがスクリーニング検査、確かめるのが確定検査の役割です。出生前検査で本当に避けたいのは、陽性という結果だけで大きな決断をしてしまうことだと考えています。施設を選ぶときは、認証の有無だけでなく、陽性のときに誰が説明し、確定検査をどこで受けられるかまで確かめていただきたいと考えています。

山口県でNIPTを受けられる施設の一覧(2026年10月時点)

各施設の公式サイトと、こども家庭庁が公開している認証施設の一覧[9]で、2026年10月に確認できた内容だけをまとめました。料金は変わることがあるため載せていません。受診の条件や最新の体制は、必ず各施設にご確認ください。公式サイトで確認できなかった項目は「記載なし」としています。

🏥 山口県でNIPTを受けられる施設(確認時点:2026年10月)

施設(所在地) 施設の種類 調べる範囲 陽性のときの確定検査 遺伝カウンセリング
徳山中央病院(周南市) 認証施設(基幹施設) 13・18・21トリソミー 羊水検査・絨毛検査の説明あり(実施場所は記載なし) 産婦人科医・臨床遺伝専門医・出生前コンサルト小児科医などが担当
山口県立総合医療センター(防府市) 認証施設(基幹施設) 記載なし(公式サイトでご確認ください) 記載なし 遺伝診療科が担当
山口赤十字病院(山口市) 認証施設(連携施設) 13・18・21トリソミー 記載なし 夫婦で来院し、検査前に遺伝カウンセリング。産婦人科に臨床遺伝専門医
みちがみ病院(光市) 認証施設(連携施設・2024年4月から) 13・18・21トリソミー 必要な場合は羊水検査・絨毛検査(実施場所は記載なし) 院長が検査前後のカウンセリングを担当
すずらんレディースクリニック(下関市) 認証施設(連携施設・2024年10月から、基幹施設は山口県立総合医療センター) 13・18・21トリソミー 必要な場合は羊水検査(基幹施設と連携) 採血時と結果の説明時の2回。原則夫婦で来院
ミネルバクリニック(東京都港区)※山口市・光市で採血可 認証外 プランにより13・18・21トリソミー、性染色体、微小欠失、全常染色体、単一遺伝子疾患 絨毛検査・羊水検査を院内で実施 臨床遺伝専門医が担当(オンラインはZoom)

確認に使った公式情報:徳山中央病院/山口赤十字病院 産婦人科/みちがみ病院/すずらんレディースクリニック/こども家庭庁 認証施設一覧(山口県立総合医療センター・山口赤十字病院の区分)。(一覧は2023年12月現在のため、その後の認証は各施設の公式サイトで確認)

県内の認証施設は、周南市・防府市・山口市・光市・下関市に分かれています。いずれも調べる範囲は13・18・21トリソミーが基本です。なお、今回の確認では、山口県内で公式サイトから実施を確認できた認証外の施設はありませんでした。

県東部の方は広島県、県西部の方は福岡県の施設も選択肢になります。広島県のNIPT施設、福岡県のNIPT施設もご覧ください。

NIPTの費用の比べ方

表示された金額だけで比べると、あとで思わぬ費用がかかることがあります。遺伝カウンセリング、陽性のときの確定検査の費用、再検査になったときの扱いなど、料金に何が含まれているかで比べてください。

当院の料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定、結果作成が含まれます。さらに全員が加入する2つの互助会があり、羊水検査互助会(カトレア会)は陽性時の確定検査の費用を上限なく補助し、安心検査結果保障制度は、再検査が必要になったのに流産して再検査ができなかったとき、諸費用を除く検査代金を返金します。料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[10]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[10][11]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。数えられる病気だけで316になり、1つの病気あたりは約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード(220,000円) 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム(264,000円) 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド(407,000円) プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス(440,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル(550,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 316+α 約1,741円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、病気の数が多いほど良い検査というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族にとって必要な範囲を選ぶことが大切です。

ミネルバクリニックでNIPTを受ける方法(山口県から)

山口県にお住まいの方がミネルバクリニックのNIPTを受ける方法は、東京・北青山への来院と、オンラインNIPTの2つです。どちらでも、陽性の場合は確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで当院で受けられます。

オンラインNIPT:山口市・光市などで採血

オンラインNIPTでは、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングをZoomで受け、検査キットを持って提携施設で採血し、検体を当院へ送ります。提携施設は全国110か所、東京以外の46道府県にあり、山口県では山口市・光市などに採血できる提携施設があります(施設名はカウンセリングのときにお伝えします)。採血料は施設ごとに別にかかります。結果はマイページでお知らせします。

① 予約事前学習動画で各プランを確認
▶
② 遺伝カウンセリングZoomで臨床遺伝専門医と
▶
③ 採血山口市・光市などの提携施設
▶
④ 結果マイページで確認

来院の場合:東京・北青山で4Dエコーのあとに採血

来院の場合は、90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。2022年11月に導入した産婦人科用の超音波装置で、4Dエコーで赤ちゃんの状態を確かめてから採血に進みます。新幹線や飛行機で東京に来られる方は、来院も選択肢になります。

選べるプラン

調べる範囲は前の表のとおりで、スタンダードと双子マックスは双子の妊娠にも対応します。プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみです。ダイヤモンドとインペリアルは、新しく起こる遺伝子の変化(de novo変異)による単一遺伝子疾患まで調べます。

受けられる時期:妊娠6〜8週から(臨床研究)

一般的にNIPTは妊娠10週ごろから受ける検査ですが、当院では、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月(85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業(少なくとも6週間)が必要になるため、仕事への影響を心配される方もいます。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持てます。ただし、週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。その場合に備えたのが、先にご紹介した安心検査結果保障制度です。

陽性だったとき:確定検査まで院内で

2025年6月から産婦人科を併設し、陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査(染色体の微細な欠失・重複を調べる検査)は2週間ほどで結果が出ます。陽性のあとの遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は羊水検査互助会で補助されます(上限なし)。微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率が低め(項目によって60〜70%程度)なので、陽性なら必ず確定検査で確かめる必要があります。まれですが、偽陰性(実際は病気があるのに陰性と出ること)の可能性もあります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【遠くから受ける方ほど、「陽性のあと」を先に決めておく】

遠くから検査を受ける方ほど、検査の前に「陽性だったら、どこで確定検査を受けるか」を決めておくことが大切だと考えています。結果を受け取ってから施設を探し始めると、判断できる週数が限られる中で、時間と気持ちの余裕を失いやすくなるからです。当院で検査を受けた方は、確定検査まで当院で受けられます。来院が必要になる日も含めて、遺伝カウンセリングの中でご自身に合った方法を考えていただければと思います。

自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

お子さんの発達について心配するのは、自然なことです。自閉症や発達障害、知的障害の原因はさまざまですが、一部は染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群ですが、発達の遅れ・知的障害・自閉症のあるお子さんでは、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることもあります(マイクロアレイ検査で約15〜20%)[12]。

ダウン症候群だけを調べればよいわけではない

出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。

ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[13][14]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています[15]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています(ダウン症候群16%)[16]。

一方、18トリソミーや13トリソミーでは、1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまります(1年生存率は18トリソミー13.4%、13トリソミー11.5%)[17]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません。自閉スペクトラム症を伴う割合は、レット症候群61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%と報告されています[16]。

知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[10]。ストレスと最も一貫して関係していたのは、知的障害の程度よりも、お子さんの行動や情緒の問題で、睡眠の問題との関係も報告されています[10]。アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[11]。スミス・マゲニス症候群・プラダー・ウィリー症候群・アンジェルマン症候群はスタンダードプランから、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプラン・インペリアルプランで、ウィリアムズ症候群は双子マックスプラン・インペリアルプランで調べられます。ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。

22q11.2欠失症候群を調べる意味

22q11.2欠失症候群は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群の中で最も多い病気です[18]。多くは親から受け継いだものではなく新しく起こる変化で、母親の年齢とは関係がありません[18]。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[16][18]。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢にかかわらずすべての妊婦さんに、22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[19]。生まれる前に分かっていれば、出産する施設の選び方や、生まれてすぐの心臓・カルシウム・免疫の検査など、赤ちゃんを迎える準備ができます。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。

性染色体の数の異常は、ほかの病気とは分けて考える

性染色体の数の異常(クラインフェルター症候群[47,XXY]、トリプルX[47,XXX]、47,XYY、ターナー症候群[45,X]など)は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[20]。ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています(XYY 19%、XXY 11%)[20][21]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。

当院のNIPTでわかる、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気

🧬 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 伴うことがある主な病気
スタンダード 6種類7疾患 対象外 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マゲニス症候群
プレミアム 12種類13疾患 対象外 上記+ジェイコブセン症候群、2q33欠失症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 56遺伝子 上記+レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群
双子マックス 92種類 対象外 スタンダードの範囲+ウィリアムズ症候群、16p11.2欠失・重複症候群など
インペリアル 92種類 最大155遺伝子(202疾患) 上記すべて+フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など

どのプランも、自閉症・発達障害・知的障害の原因のすべてを調べるものではありません。

正直にお伝えしておきたい限界もあります。陽性なら確定検査が必要です。微小欠失は陽性的中率が低めです。脆弱X症候群のように、NIPTで調べられない原因もあります。症状の重さは予測できません。そして、陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。ここで挙げた病気は1つひとつがまれで、大多数のお子さんには当てはまりません。

\ 自閉症・発達障害の原因の一部まで調べたい方へ /

ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。

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まだどのプランにするか決めていない方は、調べる範囲の広いプランのページからご覧ください。
ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン | スタンダードプラン

よくある質問(FAQ)

Q1. 山口県でNIPTを受けられる施設はどこですか?

2026年10月時点で、日本医学会の制度で認証された施設として、徳山中央病院(周南市)、山口県立総合医療センター(防府市)、山口赤十字病院(山口市)、みちがみ病院(光市)、すずらんレディースクリニック(下関市)が確認できました。調べる範囲は13・18・21トリソミーが基本です。受診の条件は各施設にご確認ください。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. 山口県で認可(認証)施設以外でNIPTを受けても大丈夫ですか?

認証外の施設でNIPTを受けること自体は禁止されていません。ただし、認証外の施設は、遺伝カウンセリングや陽性のときの確定検査の体制が施設ごとに大きく違います。検査前と陽性のあとに誰が説明するか、確定検査をどこで受けられるか、その費用の補助があるかを確かめてから選んでください。

Q4. 山口県から東京のクリニックでNIPTを受けられますか?

受けられます。当院のオンラインNIPTでは、遺伝カウンセリングをZoomで受け、山口市・光市などにある提携施設で採血します。採血料は施設ごとに別にかかり、東京・北青山への来院もできます。

Q5. NIPTで陽性だった場合、確定検査はどこで受けられますか?

当院でNIPTを受けた方は、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで当院で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性のあとの遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は羊水検査互助会で補助されます(上限なし)。

Q6. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子疾患には、22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、レット症候群など、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気が含まれています。ただし、原因のすべてを調べるわけではなく、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。

🏥 山口県から、確定検査まで見すえたNIPTを

来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)をご利用いただけます。山口県では山口市・光市などで採血できます。

まだどのプランにするか決めていない方は、各プランのページで調べる範囲を比べてください:スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・双子マックス・インペリアル

関連記事

参考文献

  • [1] 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会. NIPT等の出生前検査に関する情報提供及び施設(医療機関・検査分析機関)認証の指針. 2022年2月. [日本医学会]
  • [2] 厚生労働省 がん検診事業の評価に関する委員会. 今後の我が国におけるがん検診事業評価の在り方について 報告書. 2008年3月. [厚生労働省]
  • [3] Aberle DR, DeMello S, Berg CD, et al. Results of the two incidence screenings in the National Lung Screening Trial. N Engl J Med. 2013;369(10):920-931. [PubMed 24004119]
  • [4] National Lung Screening Trial Research Team; Aberle DR, Adams AM, Berg CD, et al. Reduced lung-cancer mortality with low-dose computed tomographic screening. N Engl J Med. 2011;365(5):395-409. [PubMed 21714641]
  • [5] Huo J, Xu Y, Sheu T, Volk RJ, Shih YT. Complication rates and downstream medical costs associated with invasive diagnostic procedures for lung abnormalities in the community setting. JAMA Intern Med. 2019;179(3):324-332. [PubMed 30640382]
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断を示すものではありません。各施設の体制は変わることがあるため、受診前に必ず各施設にご確認ください。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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