目次
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「NIPTって、結局どこまでわかるの?」「認証施設と非認証施設で何が違うの?」。検査を選ぶ段階で、多くの方がこの2つの疑問にぶつかります。先に答えをお伝えすると、NIPTでどこまでわかるかは、施設の区分ではなく「その検査が何を調べる設計になっているか」で決まります。認証施設で行うNIPTの対象は13・18・21トリソミーの3つです[1]。一方、ミネルバクリニックのNIPTは、いちばん基本のスタンダードプランでも22q11.2欠失症候群などの微小欠失まで調べます。この記事では、調べる範囲の違い、NIPTでわからないこと、陽性だったときの確定検査までを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。
- ➤NIPTでどこまでわかるか(トリソミー・性染色体・微小欠失・単一遺伝子)
- ➤認証施設と非認証施設で、調べる範囲がどう違うか
- ➤「ダウン症候群だけで大丈夫?」――病気の重さと育てる大変さのデータ
- ➤NIPTでわからないことと、陽性だったときの確定検査
- ➤ミネルバクリニックの各プランで調べられる範囲
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. NIPTはどこまでわかる?
検査の設計しだいです。13・18・21トリソミーだけを調べる検査もあれば、性染色体、染色体の一部が欠ける微小欠失、1つの遺伝子の変化で起こる単一遺伝子の病気まで調べる検査もあります。どれもスクリーニング検査なので、陽性なら羊水検査・絨毛検査で確かめます。
🤔 Q. ダウン症候群だけで大丈夫?
子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まりません。たとえば22q11.2欠失症候群は、心臓や免疫に加え、成長してからの精神面の症状が多いことが報告されています[5]。当院のNIPTはスタンダードプランでもこの病気を含む微小欠失6種類7疾患を調べ、インペリアルプランでは一部の自閉症・発達障害の原因まで調べられます。
🏥 Q. 認証施設と非認証施設の違いは?
認証施設のNIPTの対象は13・18・21トリソミーの3つです[1]。非認証施設では、それより広い範囲を調べる検査を選べることがあります。選ぶときは範囲の広さに加えて、陽性のときに確定検査までどこで受けられるかを確かめてください。
\ ダウン症候群だけで大丈夫?22q11.2欠失症候群まで、スタンダードプランで調べられます /
まだ迷っている方は:東京のNIPTプランを見る | NIPTを受けるべきか迷う方へ
1. 結論:NIPTはどこまでわかる?
NIPT(新型出生前診断)は、妊婦さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの断片(cell-free DNA)を調べ、決められた染色体や遺伝子の変化がある可能性を推定する検査です。どこまで調べられるかは、施設の区分だけでは決まらず、その検査が何を対象に設計されているかで決まります。そして、陽性のときに確定検査まで迷わず進めるかどうかも、同じくらい大切です。
前提から確認したい方はNIPTとは?新型出生前診断でわかること・費用・精度と限界をご覧ください。
「調べられるなら、できるだけ全部調べたい」「でも、調べすぎて不安が増えるのも怖い」。妊娠中のこの迷いは、とても自然なものです。大切なのは、情報の量そのものではなく、ご家族と赤ちゃんの人生にとって意味のある情報を、納得して選ぶことです。
🧬 NIPTで調べられる範囲(検査によって対象が違います)
⚠️ とても大事な前提
NIPTはスクリーニング検査であり、確定診断ではありません。陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確定診断を検討します。焦らず、手順を一つずつ確認していきましょう。
つまり、「NIPTはどこまでわかるのか?」という問いへの答えは、選んだ検査が対象にしている範囲まで、その可能性を評価できるです。そして確定診断は、羊水検査・絨毛検査によって行われます。
2. 認証施設と非認証施設の違い
日本では、日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会が、NIPTを行う医療機関を認証する仕組みを運営しています。認証施設で行うNIPTの対象は21トリソミー・18トリソミー・13トリソミーの3つで、それ以外の病気は分からないと、認証制度のもとで作られた説明資料に明記されています[1]。認証施設は、遺伝カウンセリングや地域の医療機関との連携を重視した体制で運用されています。
一方、認証を受けていない施設(非認証施設)では、性染色体や微小欠失、単一遺伝子の病気まで調べる検査を選べることがあります。ただし、検査の設計も、結果の説明も、陽性のときの対応も施設ごとに違います。非認証=質が低い、認証=十分、とひとくくりにはできず、中身を一つずつ確かめることが大切です。「認証を受けていない施設でNIPTを受けるのは違法なのか」という疑問は認定外でNIPTを受けたら違法?で、認証制度の成り立ちはNIPTコンソーシアムと認証制度の違いで解説しています。
✔ NIPTの施設選びで確認したい5項目
| 確認すること | なぜ大事か |
|---|---|
| 調べる範囲 | 13・18・21だけか、性染色体・微小欠失・単一遺伝子まで含むか |
| 臨床遺伝専門医の関わり | 検査前の説明と、陽性のときの説明を誰が行うか |
| 確定検査への道筋 | 陽性のとき、羊水検査・絨毛検査をどこで受けられるか |
| 費用の負担 | 陽性のときの確定検査の費用がどうなるか |
| 精度の根拠 | 検査の精度データや論文が示されているか |
「認証のほうが安心って聞いたけれど、非認証は大丈夫なの?」。この不安は多くの方が抱えます。制度は大切です。そのうえで、妊婦さんが本当に求めているのは、納得して意思決定できる場所だと考えています。リスクの考え方はNIPT無認可のリスクとは?認可との違いと安全な選び方に、選び方のポイントはNIPTクリニックの選び方にまとめています。
🩺 院長コラム【“区分”よりも“その後”が大切です】
妊婦さんが怖いのは、検査そのものよりも、「結果が出た後にどうなるのか分からない状態」だと思うのです。認証・非認証という言葉に振り回されてしまうと、本当に大事な確認点が抜けてしまいます。
「陽性だったときに、誰が、どの順番で、何を説明してくれるのか」。これを検査の前に具体的にイメージできることが大切だと考えています。検査の範囲はもちろん重要ですが、不安を一人にしない体制こそ、出生前診断でいちばん守るべきものだと考えています。
東京でNIPTを検討されている方は、東京のNIPTの選び方も参考にしてください。
3. 検査項目はどこまで?(基本・性染色体・微小欠失・単一遺伝子)
まずは13・18・21トリソミーを基本として押さえ、その上で性染色体、微小欠失、単一遺伝子の病気をどこまで含めるかを、知った後にどうしたいか(確定検査を受けるか、生まれる前に何を準備したいか)に合わせて考えます。
💡 用語解説:トリソミー
トリソミーとは、本来2本ある染色体が3本になっている状態です。NIPTが最初に調べてきたのは、この「数の変化」です。
基本(13・18・21トリソミー)
21トリソミー(ダウン症候群)、18トリソミー、13トリソミーは、出生前検査で広く調べられている基本の項目です。18トリソミーと13トリソミーは重い合併症を伴うことが多く、生まれる前から医療の準備が大切になります。
性染色体(45,X/47,XXX/47,XXY/47,XYY)
性染色体の数の変化は、症状の出方の幅が広い領域です。結果が出たときは数値だけで結論を急がず、遺伝カウンセリングで「どこまで分かっていて、どこが分からないか」を整理することが大切です。各疾患の解説はNIPTと性染色体の数の異常にまとめています。
微小欠失・重複
微小欠失症候群は、染色体のごく一部が欠けることで起こる病気です。たとえば22q11.2欠失症候群では、90%以上が両親から受け継いだものではなく、新たに起こった変化と報告されています[6]。妊婦さんの行動や生活が原因で起こるものではありません。当院のNIPTは欠失を中心に調べますが、同じ領域でコピー数が増える「重複」が見つかることもあり、その場合は遺伝カウンセリングで意味をご説明します。
🔎 検査範囲を広げる前に知っておきたいこと
微小欠失・重複は、染色体の数の変化に比べて陽性的中率(陽性のうち本当に病気がある割合)が低めで、陽性なら必ず確定検査が必要です。また、意味がはっきりしない変化(VUS)が見つかることもあります。「見つけること」がいつも利益になるとは限らないため、検査範囲はご家族の価値観と結果後の対応まで含めて考えることが大切です。
単一遺伝子の病気
1つの遺伝子の変化で起こる病気は、染色体の数を数える検査では分かりません。対象の遺伝子を決めて調べるNIPTで初めて対象になります。こうした病気の多くは両親から受け継いだものではない新しい変化(de novo変異)で起こるため、家族歴がなくても起こりえます。父親の年齢との関係はNIPTと単一遺伝子疾患|父親の年齢リスクで解説しています。
(父親由来の遺伝子の変化が子へ伝わるイメージ)
染色体の数を調べる検査に単一遺伝子の病気を加えると、見つかる病気はどのくらい変わるのでしょうか。超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[3]。ハイリスクの妊婦さんを対象にした研究なので、すべての妊婦さんで1.6倍になるわけではありませんが、調べる範囲によって分かることが大きく変わることを示す結果です。
当院のプランごとに調べられる範囲
🧬 ミネルバクリニックのNIPT|プラン別の検査範囲
微小欠失で調べる主な病気:スタンダード=22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)・1p36欠失症候群・スミス・マゲニス症候群・ウォルフ・ヒルシュホーン症候群・プラダー・ウィリー症候群・アンジェルマン症候群・猫鳴き症候群。プレミアム・ダイヤモンド=これに2q33欠失・ランガー・ギーディオン症候群・9p欠失・ジェイコブセン症候群・18p欠失・18q欠失を加えた範囲。インペリアル・双子マックス=さらにウィリアムズ症候群・ミラー・ディーカー症候群・16p11.2欠失・重複・1q41-q42欠失などを含む92種類。
検査の方式もプランによって異なります。スタンダードプランは標的捕捉濃縮法、ダイヤモンドプランは米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※、インペリアルプランは低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせた方式で調べます。
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
ダイヤモンドプランの単一遺伝子56遺伝子には、ヌーナン症候群・アラジール症候群・CHARGE症候群・ソトス症候群・骨形成不全症・コルネリア・デ・ランゲ症候群・レット症候群などの原因遺伝子が含まれます。インペリアルプランでは、これに加えてピット・ホプキンス症候群・フェラン・マクダーミッド症候群・KBG症候群・ルビンシュタイン・テイビ症候群・ドラベ症候群なども対象です。精度の根拠はCOATE法のエビデンスとスーパーNIPT(スタンダードプラン)のエビデンスにまとめています。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
調べる範囲が広いプランは総額が上がりますが、1つの病気あたりで考えると見え方が変わります。三大トリソミー(13・18・21)は出生前検査で広く調べられている基本の項目なので、比べやすいように、それだけを調べる検査を仮に10万円として並べると、次のようになります。
🧮 1つの病気あたりで考えると
料金は事前学習協力割引後・税込の金額です(事前動画を見て理解を深める協力をしてくださった方に対する割引です)。病気の数は、トリソミー(スタンダード3・プレミアムとダイヤモンド6・双子マックスとインペリアルは全常染色体22)、性染色体の数の変化4種類(双子マックスは対象外)、微小欠失・重複(7・13・92)、単一遺伝子(ダイヤモンド56・インペリアル202疾患)を足した数です。「+α」は5Mbを超える構造異常のスキャンです。料金には遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれます。結果の作成費用3,300円は別途かかります。このほか互助会2つ(カトレア会8,000円・安心検査結果保障制度6,000円、消費税の対象外)にすべての方が加入します。陰性は「病気がない」ことの保証ではありません。
病気の重さは、一つの物差しでは測れない
「ダウン症候群が分かれば十分では?」と考える方は少なくありません。けれども、子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まりません。行動面の特徴や発達障害、成長してからの精神面の症状によっても大きく変わります。
たとえば、自閉スペクトラム症のお子さんの親と、ほかの障害のお子さんの親の育児ストレスを比べた12の研究をまとめた解析では、自閉スペクトラム症のお子さんの親のほうが育児ストレスが高く、全体の効果量は0.64でした。比べた中で差がいちばん大きかったのはダウン症候群のお子さんの親との比較(効果量0.90〜1.53)でした[4]。著者は、ダウン症候群のお子さんは人との関わりを好み、行動面の困りごとが比較的少ない傾向(Down syndrome advantage)が関係していると考えています。同時に、この比較はダウン症候群のお子さんを育てる経験そのものの特徴が影響している可能性があり、解釈には注意が必要だとも述べています[4]。ダウン症候群の子育てが大変でないという意味ではありません。
また、22q11.2欠失症候群は、知的発達への影響はダウン症候群より軽めのことが多い一方で、心臓・免疫・精神面の合併症が多い病気です。国際コンソーシアムが6〜68歳の1,402人を調べた研究では、子どもで最も多かったのはADHD(37.1%)で、25歳を超えた大人の41%に精神病性障害がありました[5]。この病気は、当院ではスタンダードプランを含むすべてのプランで調べられます。
米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は2023年の指針で、22q11.2欠失症候群のNIPTをすべての妊婦さんに提供することを提案しています(条件付きの推奨・根拠の確かさは中程度)。一方、22q11.2以外の微小欠失については、日常的なスクリーニングを勧めるだけの根拠はまだ十分でないとしています[2]。学会でも考え方が分かれる領域だからこそ、検査の前に何を調べ、陽性ならどうするかを話し合っておくことが大切です。
自閉症・発達障害についても、原因の一部は当院のNIPTで調べられます。16p11.2欠失・重複はインペリアル・双子マックス、フェラン・マクダーミッド症候群はインペリアル、レット症候群はダイヤモンド・インペリアルの対象です。ただし、自閉症・発達障害の多くは原因が一つに決まらず、NIPTで陰性でも「自閉症・発達障害の心配がない」という意味にはなりません。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?で解説しています。
4. NIPTで「わからないこと」も知っておく
NIPTは万能ではありません。範囲の広いプランを選んでも、次のような領域は原則として分かりません。「分からないこと」を知っておくことは、結果を正しく受け止めるための大事な知識です。
-
見え方・聞こえ方の障害の多く:出生後の検査や経過で分かる領域です。
-
体のつくりの異常(形態異常):超音波検査の役割が大きい領域です。胎児ドックでわかることもご覧ください。
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多因子疾患(糖尿病・高血圧など):遺伝と環境が絡むため、出生前には分かりません。
-
対象外の遺伝子の病気:たとえば脊髄性筋萎縮症(SMA)は、当院のどのプランのNIPTでも調べられません。ご夫婦の保因者検査「ファミリーセーフティ プラス」(NIPTと同時に行うカップルの保因者検査)で確認します。
-
発達の個人差:出生前に将来を言い切れない領域があることも大切な前提です。
NIPTを含む出生前検査で分かること・分からないことの全体像は出生前診断でわかること・わからないことで整理しています。
5. NIPTが陽性だった場合の対応(確定検査)
陽性は「確定」ではありません。確定診断は羊水検査または絨毛検査で行います。結果を聞いた直後はつらいですが、ここでいちばん大切なのは一人で判断しないことです。陽性の結果は心に強く響きます。ここから先には正しい手順があり、心理的な負担をできるだけ減らしながら、医学的に必要な情報を整理していくことを大切にしています。
🏥 陽性のときの確定検査
| 検査 | 位置づけ | ポイント |
|---|---|---|
| 羊水検査 | 確定診断 | 羊水の中の赤ちゃんの細胞で染色体を調べる |
| 絨毛検査 | 確定診断 | 胎盤のもとになる組織(絨毛)を採って調べる。羊水検査より早い時期に行う |
| 羊水検査+マイクロアレイ検査 | 確定診断 | 顕微鏡で染色体を見るGバンド法では見えない微小欠失を確かめられる |
受けられる時期や方法の詳細は羊水検査・絨毛検査のページをご覧ください。羊水検査で調べられる項目は羊水検査でわかることで解説しています。
⚠️ 補足:陽性的中率
結果の解釈には「陽性的中率(陽性のうち本当に病気がある割合)」が関わります。年齢や、もともとの確率で変わるため、数字だけに振り回されないようにしましょう。大切なのは、確定検査で事実を確かめることです。精度の考え方はNIPTの精度・確率で解説しています。
6. 診断は「出生前」と「出生後」で整理する
出生前は、NIPTがスクリーニング、羊水検査・絨毛検査が確定診断です。出生後は、採血による染色体マイクロアレイ検査(CMA)が微小欠失の確定診断の中心になります。Gバンド法では微小欠失は見つけにくい点も重要です。
🗂 出生前と出生後の検査の役割
| 時期 | 検査 | 役割 |
|---|---|---|
| 妊娠中 | NIPT | スクリーニング(確定診断ではない) |
| 妊娠中 | 羊水検査・絨毛検査 | 出生前の確定診断 |
| 妊娠中 | 羊水検査+マイクロアレイ検査 | 微小欠失の確定診断 |
| 出生後 | 血液によるマイクロアレイ検査 | 微小欠失の確定診断の中心 |
| 出生後 | Gバンド法 | 大きな変化には強いが、微小欠失は見つけにくい |
| 出生後 | 遺伝子検査 | 症状や家族歴に合わせて検討 |
7. ミネルバクリニックの体制(調べる範囲から確定検査まで)
ミネルバクリニックは非認証施設です。臨床遺伝専門医が常駐し、検査前の遺伝カウンセリングから結果の説明、陽性後の対応までを行います。2025年6月からは羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。
🏥 当院のNIPTの体制(事実)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 受けられる時期 | 通常は妊娠9週から。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます |
| 結果までの目安 | 基本は10〜14日。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけ3〜4週間 |
| 判定保留 | 0%。胎児分画(赤ちゃん由来のDNAの割合)が足りないときは「再検査(再採血)」となり、当院では判定保留とは呼びません |
| 受診の枠 | 90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います |
| 陽性のとき | 陽性のカウンセリングは何度でも無料。確定検査も院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます |
| 互助会 | カトレア会(8,000円):陽性時の羊水検査の費用を補助(上限なし)。安心検査結果保障制度(6,000円):再検査が必要なのに流産で再検査ができず結果が出ない場合に備える制度。どちらも全員加入(消費税の対象外) |
| 遠方の方 | オンラインNIPTで全国から受けられます |
互助会の詳細はカトレア会(羊水検査互助会)、陽性後の流れはNIPT陽性後のアフターサポート、検査費用以外にかかるものはNIPTは検査費用以外に何がかかる?をご覧ください。
💡 価格と技術についての考え方
検査会社ごとに、使っている解析の方式や体制は異なります。価格の違いは、調べる範囲・検査技術・解析体制・カウンセリング体制の差を反映していることがあります。当院は、生涯に関わる検査だからこそ、結果の速さよりも正確さを大切にし、陽性後の心理的・医学的な支援まで含めて検査を設計しています。
ダイヤモンドプラン(COATE法)の検査範囲
🧬 検査範囲(要点)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 必要な胎児分画 | 3% |
| 常染色体トリソミー(6種) | 13/15/16/18/21/22 |
| 性染色体の数の変化(4種) | 45,X/47,XXX/47,XXY/47,XYY |
| 微小欠失(12領域) | 1p36欠失、2q33欠失、4p16欠失、5p15欠失、8q23q24欠失、9p欠失、11q23q25欠失、15q11.2-q13欠失、17p11.2欠失、18p欠失、18q22q23欠失、22q11.2欠失 |
| 単一遺伝子(56遺伝子) | ASXL1, BRAF, CBL, CD96, CDKL5, CHD7, COL10A1, COL11A1, COL1A1, COL1A2, COL2A1, EBP, EFNB1, ERF, FGFR1, FGFR2, FGFR3, FLNB, FREM1, GLI3, HDAC8, HNRNPK, HRAS, KAT6B, KMT2D, KRAS, LMNA, MAP2K1, MAP2K2, MECP2, NIPBL, NRAS, NSD1, NSDHL, PTPN11, RAD21, RAF1, RIT1, RUNX2, SHOC2, SKI, SLC25A24, SMC1A, SMC3, SNRPB, SOS1, SOS2, SOX9, SPECC1L, STAT3, TCF12, TRAF7, TSC1, TSC2, TWIST1, ZIC1 |
🩺 院長コラム【“どこまで”は、ご家族の価値観で決まります】
出生前診断は、医学の話であると同時に、倫理の話でもあります。命にすぐ大きな影響がないかもしれない所見や、症状の出方の幅がとても広い所見では、生まれる前に将来を言い切ることはできません。
だから私は、検査の範囲を「広くするべき」とも「狭くするべき」とも言いません。そのうえで、選ぶための材料は正確にお伝えしたいと考えています。病気の重さは一つの物差しでは測れず、ダウン症候群のほかにも、ご家族の生活に大きく関わる病気があります。知る権利と、知らないでいる権利の両方が守られ、どの選択をしても医療として支えられること。それが臨床遺伝専門医の役割だと考えています。
🏥 「どこまで調べるか」を、事実にもとづいて選ぶために
スタンダードプランでも22q11.2欠失症候群を含む微小欠失6種類7疾患まで。陽性なら、臨床遺伝専門医の説明から羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます。
NIPT専用ダイヤル:03-3408-3768
よくある質問(FAQ)
Q1. NIPTはどこまでわかりますか?
検査の設計によって違います。13・18・21トリソミーだけを調べる検査もあれば、性染色体、微小欠失・重複、単一遺伝子の病気まで調べる検査もあります。当院では、スタンダードプランで13・18・21トリソミー・性染色体・微小欠失6種類7疾患を、インペリアルプランで全常染色体・92種類の微小欠失・重複・最大155遺伝子(202疾患)の単一遺伝子の病気までを調べます。どれもスクリーニング検査なので、陽性なら羊水検査・絨毛検査で確かめます。
Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まりません。たとえば22q11.2欠失症候群は、知的発達への影響は軽めのことが多い一方で、子どものADHDや、大人になってからの精神病性障害が多いと報告されています。当院のNIPTは、スタンダードプランでもこの病気を含む微小欠失6種類7疾患を調べます。ダウン症候群のほかにも調べられる病気があることを知ったうえで、調べる範囲を選んでください。
Q3. 認証施設と非認証施設の違いは何ですか?
認証施設は日本医学会の出生前検査認証制度等運営委員会の認証を受けた施設で、NIPTの対象は13・18・21トリソミーの3つです。非認証施設では、性染色体や微小欠失、単一遺伝子の病気まで調べる検査を選べることがあります。どちらが安心と一言では決められず、調べる範囲、検査前後の説明、陽性のときの確定検査までの道筋を確かめることが大切です。
Q4. 認証を受けていない施設でNIPTを受けるのは違法ですか?
認証制度は、日本医学会の委員会が運営している仕組みです。制度の位置づけと、認証外の施設で受けるときに確かめたいことは、当院の「認定外でNIPTを受けたら違法?」のページで詳しく解説しています。
Q5. NIPTが陽性なら必ず病気ですか?
いいえ。NIPTは確定診断ではありません。陽性の場合は羊水検査・絨毛検査で確定診断を検討します。当院では確定検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
Q6. 微小欠失が疑われたら、確定診断はどうしますか?
出生前は、羊水検査で採った細胞をマイクロアレイ検査で調べるのが中心です。顕微鏡で染色体を見るGバンド法では、微小欠失は見つけにくいためです。微小欠失・重複は染色体の数の変化より陽性的中率が低めなので、陽性なら必ず確定検査で確かめます。
Q7. NIPTで自閉症はわかりますか?
一部はわかります。自閉症・発達障害の原因になる染色体や遺伝子の変化の一部(16p11.2欠失・重複、フェラン・マクダーミッド症候群、レット症候群など)は、当院のNIPTで調べられます。対象はプランによって違い、16p11.2欠失・重複はインペリアル・双子マックス、フェラン・マクダーミッド症候群はインペリアル、レット症候群はダイヤモンド・インペリアルです。自閉症・発達障害の多くは原因が一つに決まらないため、陰性でも心配がないという意味にはなりません。
Q8. NIPTは妊娠何週から受けられますか?
当院のNIPTは、通常は妊娠9週から受けられます。妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。
Q9. 互助会は任意ですか?
NIPTを受けるすべての方が、カトレア会(8,000円)と安心検査結果保障制度(6,000円)の2つに加入します。カトレア会は陽性のときの羊水検査の費用を補助する制度で、補助に上限はありません。どちらも消費税の対象外です。
Q10. 遠方でもNIPTは受けられますか?
はい。オンラインNIPTで全国から受けられます。検査前後の説明もオンラインで行えます。
関連記事
参考文献
- [1] 日本医学会 出生前検査認証制度等運営委員会ウェブサイト掲載. NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)についての説明冊子(日本産科婦人科学会・日本小児科学会・日本人類遺伝学会協力、令和3年度厚生労働科学研究費補助金による研究事業にて作成). 2022年9月. [jams-prenatal.jp]
- [2] Dungan JS, Klugman S, Darilek S, et al. Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023;25(2):100336. [DOI 10.1016/j.gim.2022.11.004]
- [3] Zhang J, Wu Y, Chen S, et al. Prospective prenatal cell-free DNA screening for genetic conditions of heterogenous etiologies. Nat Med. 2024;30(2):470-479. [DOI 10.1038/s41591-023-02774-x]
- [4] Hayes SA, Watson SL. The impact of parenting stress: a meta-analysis of studies comparing the experience of parenting stress in parents of children with and without autism spectrum disorder. J Autism Dev Disord. 2013. [DOI 10.1007/s10803-012-1604-y]
- [5] Schneider M, Debbané M, Bassett AS, et al. Psychiatric disorders from childhood to adulthood in 22q11.2 deletion syndrome: results from the International Consortium on Brain and Behavior in 22q11.2 Deletion Syndrome. Am J Psychiatry. 2014;171(6):627-639. [DOI 10.1176/appi.ajp.2013.13070864]
- [6] McDonald-McGinn DM, Hain HS, Emanuel BS, Zackai EH. 22q11.2 Deletion Syndrome. In: GeneReviews®. Seattle (WA): University of Washington, Seattle; 1993-2026(最終改訂 2025年5月8日). [NBK1523]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査方針を示すものではありません。






