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はじめてNIPT(新型出生前診断)を考えるとき、多くの方がまず知りたいのは「NIPTで何がわかるのか」ではないでしょうか。NIPTでわかるのは、赤ちゃんの染色体の数の変化など、受けるプランで決まった範囲の病気の「可能性」です。米国疾病予防管理センター(CDC)は、米国ではおよそ33人に1人(約3%)の赤ちゃんが先天異常をもって生まれると報告しています[1]。この記事では、NIPTでわかること・わからないこと、ほかの出生前検査との違い、受ける流れと陽性のときの備えを、はじめての方向けにまとめます。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. NIPTでわかることは?
お母さんの採血だけで、赤ちゃんの染色体の数の変化(ダウン症候群など)を中心に、プランによっては微小欠失や単一遺伝子の変化まで、病気の可能性を調べられます。ただし非確定的検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。
🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫?
ダウン症候群を調べることは大切です。そのうえで、超音波で異常が疑われた妊婦さん(リスクの高い方)の研究では、単一遺伝子まで調べると見つかった病気が61件から98件(約1.6倍)に増えました[2]。ダウン症候群のほかにも、調べられる病気があります。
🏥 Q. いつから受けられる?陽性だったら?
当院のNIPTは妊娠9週から(6〜8週は臨床研究として)受けられます。陽性なら、羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられ、羊水検査互助会(カトレア会)が確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。
\ ダウン症候群だけで大丈夫?調べられる範囲からプランを選びたい方へ /
プランによっては、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因(微小欠失や単一遺伝子の変化)まで調べられます。
NIPTのプラン一覧 | 受けるべきか迷う方へ
赤ちゃんのための遺伝子検査を知る
赤ちゃんのための遺伝子検査は、大きく分けて2種類あります。妊娠したあとにお腹の赤ちゃんを調べるNIPT(出生前検査)と、妊娠に関係なくご両親を調べる保因者検査です。
🧬 赤ちゃんのための遺伝子検査は2種類
| 検査 | だれを調べるか | 何がわかるか |
|---|---|---|
| NIPT(出生前検査) | 妊娠中のお腹の赤ちゃん(お母さんの採血) | 赤ちゃんの染色体の数の変化などの可能性 |
| 保因者検査 | ご両親(妊娠の前でも後でも) | ご両親が病気の遺伝子の変化をもっていて、赤ちゃんに病気が出る可能性があるか |
遺伝子検査とNIPT(出生前診断)について知る
NIPTはNon-Invasive Prenatal genetic Testingの略で、日本語では「非侵襲性出生前遺伝学的検査」といいます。お母さんの血液には、主に胎盤から出た赤ちゃん側のDNAの断片が混ざっていて、これを調べるのがNIPTです。採血だけで受けられるので、流産のリスクはありません。NIPTのしくみやプランはNIPT(新型出生前診断)のトップページで、遺伝子検査全体は遺伝子検査のご案内でご覧いただけます。
保因者検査は、ご両親がご自身は発症していないけれど、病気の原因になる遺伝子の変化をもっていて、赤ちゃんに病気が出る可能性があるかを調べる検査です。当院では、NIPTと同時に行うカップルの保因者検査としてファミリーセーフティ プラスをご用意しています。妊娠前に受ける保因者検査は遺伝子ブライダルチェック(保因者検査)、自閉症や知的障害のご家族がいる方の検査は自閉症遺伝子検査で解説しています。
NIPTでわかること・わからないこと
NIPTでわかるのは、受けるプランで決まった範囲の病気の「可能性」です。何がわかって、何がわからないのかを、受ける前に知っておくことが大切です。
NIPTでわかること
- 染色体の数の変化:ダウン症候群(21トリソミー)・18トリソミー・13トリソミー。プランによっては15・16・22トリソミーや、すべての常染色体の数の変化
- 性染色体の数の変化(スタンダードプラン)
- 微小欠失・重複:染色体の一部が小さく欠けたり増えたりしている状態(プランにより6種類7疾患〜92種類)
- 単一遺伝子の変化:1つの遺伝子の新しい変化(de novo変異)で起こる病気(ダイヤモンドプラン56遺伝子・インペリアルプラン最大155遺伝子)
- 赤ちゃんの性別:料金に含まれる性別判定でわかります
日本医学会の出生前検査認証制度の認証施設では、精度や意義を考えて、NIPTの対象をダウン症候群・18トリソミー・13トリソミーの3つに限っています[3]。当院は認証外の施設ですが、臨床遺伝専門医が常駐し、プランによって3つのトリソミー以外も調べています。範囲の違いはNIPTどこまでわかる?認証・非認証の違いと検査範囲で詳しく解説しています。
NIPTでわからないこと
- プランの対象に入っていない病気:陰性は「調べた範囲では可能性が低い」という意味です
- 染色体や遺伝子の変化によらない体のつくりの病気:心臓の形の病気の多くなどは、超音波検査で確かめます
- 確定診断:NIPTは非確定的検査なので、陽性でも診断は確定しません[3][4]
陽性なら、羊水検査や絨毛検査などの確定検査で確かめます。当院では確定検査まで院内で受けられます。精度の考え方はNIPT精度は本当に高い?的中率と限界を解説をご覧ください。
出生前診断やNIPTのあれこれ(検査の種類)
出生前検査には、超音波で赤ちゃんの様子を見る検査と、染色体などを調べる検査があります。大きく分けると、非確定的検査(それだけでは診断がつかない検査)と、確定的検査(それだけで診断が確定する検査)があります[4]。どれを選ぶかは、何を知りたいか、いつ知りたいかで変わります。
📋 出生前検査の種類と違い
| 検査 | 確定か非確定か | 何を調べるか |
|---|---|---|
| 超音波マーカー検査(NTなど) | 非確定的 | 赤ちゃんの首の後ろのむくみ(NT)などを超音波で見る |
| 母体血清マーカー検査 | 非確定的 | お母さんの血液中の3〜4種類の物質を調べる |
| コンバインド検査 | 非確定的 | 超音波マーカーと妊娠初期の母体血清マーカーを組み合わせる |
| NIPT | 非確定的 | お母さんの血液中の赤ちゃん側のDNAを調べる |
| 絨毛検査 | 確定的 | 胎盤の一部(絨毛)の細胞の染色体を調べる |
| 羊水検査 | 確定的 | 羊水の中の赤ちゃんの細胞の染色体を調べる |
出典:こども家庭庁「出生前検査とは?」[4]。受けられる時期と費用は、出生前診断の種類一覧とNIPTの費用・料金のページでご確認ください。
非確定的検査のなかでも、NIPTは染色体の数の変化を見つける力が高い検査です。ただし、どの非確定的検査も確定的検査の代わりにはなりません。羊水検査・絨毛検査は、お腹に針を刺して細胞をとるため、わずかながら流産のリスクがあります。違いは絨毛検査と羊水検査の違いで、クアトロテストとの違いはクアトロテストとNIPTの違いで解説しています。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
はじめてNIPTを選ぶとき、料金の安さで比べたくなるのは自然なことです。けれども、何を調べるかによって、見つけられる病気の数は大きく変わります。ダウン症候群を調べることはもちろん大切です。そのうえで、ダウン症候群のほかにも調べられる病気があることを知ったうえで選んでいただきたいと考えています。
超音波で赤ちゃんの体のつくりに異常が疑われた妊婦さん(リスクの高い方)を対象にした研究では、染色体の数と微小欠失だけを調べた場合に見つかったのは61件でしたが、単一遺伝子の変化まで調べると98件(約1.6倍)になりました[2]。リスクの高い方での数字なので、一般の妊婦さんにそのまま当てはまるものではありません。
子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まらない
自閉スペクトラム症のお子さんを育てる親の子育てのストレスを調べたメタ解析では、定型発達のお子さんの親だけでなく、ほかの障害のお子さんの親と比べても、ストレスが高いという結果でした。著者は、ほかの障害との比較にはダウン症候群のお子さんの子育ての特徴が影響している可能性があるとして、解釈に注意を添えています[5]。
微小欠失の一つである22q11.2欠失症候群は、知的発達への影響は軽めでも、心臓・免疫・精神面の合併症が多い病気です。国際共同研究では、子どもの37%にADHD、25歳を超えた大人の41%に精神病性の障害がみられました[6]。詳しくはディジョージ症候群(22q11.2欠失症候群)の再発率とNIPTをご覧ください。
プランごとに「調べられる範囲」を比べる
微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。陽性のときは確定検査で確かめることが前提になります。
はじめてのNIPT:受ける流れと時期
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。当院のおすすめは8週で、妊娠8週で受けた場合の再検査率は約5%です(当院のデータ)。週数が早いほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、再検査になることがあります。10週を過ぎても、16週でも受けられますが、陽性だったときの確定検査や、その後を考える時間を確保するためにも、早めに受けることをおすすめしています。時期の考え方はNIPTはいつからいつまで?で詳しく解説しています。
結果は基本10〜14日でお知らせし、陰性の結果はマイページでお知らせします。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。当院のNIPTの判定保留は0%で、赤ちゃん由来のDNAの割合(胎児分画)が足りないときは、判定保留ではなく再検査(再採血)としています。予約の手順はNIPT予約の流れ、結果についてはNIPTの結果はいつわかる?をご覧ください。遠方の方は、Zoomでのカウンセリングと全国110か所の提携施設での採血を組み合わせたオンラインNIPTもご利用いただけます。
陽性のときの備え:確定検査まで院内で
NIPTで陽性だったときは、確定検査で確かめます。当院は2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査とも院内で行っています。結果は、主要な項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどでお返しします。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。
NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。羊水検査互助会(カトレア会)は1回のNIPTにつき8,000円で、陽性のときの確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。安心検査結果保障制度は1回6,000円で、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金します。
遺伝子検査専門クリニックとは
日本でNIPTや遺伝子検査を受けられる医療機関には、大学病院や産婦人科など、さまざまな種類があります。ミネルバクリニックは、遺伝子検査とNIPTを専門に行っているクリニックです。
なぜ遺伝子検査の専門クリニックにこだわるのか
遺伝子検査の結果は、調べた範囲・検査の限界・陽性のときの次の一歩まで含めて理解して、はじめて意思決定に役立ちます。院長は臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医の資格をもち、検査前の遺伝カウンセリングから結果の説明、陽性後の確定検査まで、同じ院内で支える体制をとっています。当院の遺伝子検査は、先進的な医学検査として、その後のフォローアップも行う臨床研究という形で行っています。
臨床遺伝専門医が常駐
臨床遺伝専門医は、日本人類遺伝学会と日本遺伝カウンセリング学会による臨床遺伝専門医制度で認定される、遺伝診療に携わる医師の専門資格です。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、事前の遺伝カウンセリングから検査後のサポートまで担当しています。遺伝カウンセリングについては遺伝カウンセリング・遺伝診療、当院についてはクリニック案内をご覧ください。
🩺 院長コラム【はじめての検査は「何がわからないか」から知ってほしい】
NIPTを選ぶときに大切だと考えているのは、「何がわかるか」と同じくらい「何がわからないか」を知っておくことです。陰性は、調べた範囲では可能性が低いという意味で、すべての病気がないという意味ではありません。陽性も、確定検査で確かめるまでは診断ではありません。
そのうえで、調べる範囲を広げれば、ダウン症候群のほかにも、子育ての負担につながりやすい病気を見つけられる可能性が増えます。限界と範囲の両方を知ったうえで選ぶこと、それが納得できる意思決定につながると考えています。
🏥 はじめてのNIPTは、調べられる範囲から選ぶ
ダウン症候群のほかに、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因(微小欠失や単一遺伝子の変化)まで調べられます。臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます。
まだ決めていない方は:NIPTを受けるべきか迷う方へ(3つの判断基準) | 双子マックスプラン | インペリアルプラン
よくある質問(FAQ)
Q1. ダウン症候群だけを調べるNIPTで大丈夫ですか?
ダウン症候群を調べることは大切ですが、ほかにも調べられる病気があります。超音波で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さん(リスクの高い方)を対象にした研究では、単一遺伝子の変化まで調べることで、見つかった病気が61件から98件(約1.6倍)に増えました。当院のNIPTは、プランによって微小欠失や単一遺伝子の変化まで調べられます。
Q2. ダウン症候群のほかにも、調べておいたほうがよい病気はありますか?
子育ての大変さは、知的発達の重さだけでは決まりません。たとえば22q11.2欠失症候群は、知的発達への影響は軽めでも、心臓・免疫・精神面の合併症が多く、国際共同研究では子どもの37%にADHDがみられました。どこまで調べるかは、臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングでご希望に合わせて選べます。
Q3. NIPTでわかることは何ですか?
NIPTでわかるのは、赤ちゃんの染色体の数の変化など、受けるプランで決まった範囲の病気の「可能性」です。当院では、プランにより13・18・21トリソミーと性染色体の数の変化、すべての常染色体の数の変化、微小欠失・重複、単一遺伝子の変化まで調べられます。赤ちゃんの性別も料金に含まれる性別判定でわかります。
Q4. NIPTでわからないことは何ですか?
プランの対象に入っていない病気や、染色体や遺伝子の変化によらない体のつくりの病気(心臓の形の病気の多くなど)はわかりません。また、NIPTは非確定的検査なので、陽性でも診断は確定しません。陽性なら羊水検査や絨毛検査などの確定検査で確かめます。
Q5. NIPTは妊娠何週から受けられますか?
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。当院のおすすめは8週で、妊娠8週で受けた場合の再検査率は約5%です(当院のデータ)。10週を過ぎても、16週でも受けられます。
Q6. NIPTの費用はいくらですか?
プランごとの料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定が含まれます。別途、互助会の会費(羊水検査互助会〔カトレア会〕8,000円・安心検査結果保障制度6,000円)と、検査結果の作成費用3,300円がかかります。
Q7. 陽性だったらどうなりますか?
陽性なら、羊水検査や絨毛検査などの確定検査で確かめます。当院では2025年6月から羊水検査・絨毛検査とも院内で行い、主要な項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果をお返しします。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、羊水検査互助会(カトレア会)が確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。
Q8. 保因者検査もNIPTと一緒に受けられますか?
当院では、NIPTと同時に行うカップルの保因者検査として「ファミリーセーフティ プラス」をご用意しています。保因者検査は赤ちゃんではなく、ご両親の遺伝子を調べる検査です。
関連記事
参考文献
- [1] Centers for Disease Control and Prevention (CDC). Data and Statistics on Birth Defects. [CDC]
- [2] Zhang J, Wu Y, Chen S, et al. Prospective prenatal cell-free DNA screening for genetic conditions of heterogenous etiologies. Nat Med. 2024;30(2):470-479. [DOI 10.1038/s41591-023-02774-x]
- [3] 出生前検査認証制度等運営委員会. NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)について. [出生前検査認証制度等運営委員会]
- [4] こども家庭庁. 出生前検査とは?(妊娠中の検査に関する情報サイト). [こども家庭庁]
- [5] Hayes SA, Watson SL. The impact of parenting stress: a meta-analysis of studies comparing the experience of parenting stress in parents of children with and without autism spectrum disorder. J Autism Dev Disord. 2013;43(3):629-642. PMID: 22790429. [DOI 10.1007/s10803-012-1604-y]
- [6] Schneider M, Debbané M, Bassett AS, et al. Psychiatric disorders from childhood to adulthood in 22q11.2 deletion syndrome: results from the International Consortium on Brain and Behavior in 22q11.2 Deletion Syndrome. Am J Psychiatry. 2014;171(6):627-639. PMID: 24577245. [DOI 10.1176/appi.ajp.2013.13070864]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択を示すものではありません。検査については臨床遺伝専門医にご相談ください。






