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【医師監修】35歳でNIPTを受ける割合は?「受けるべきか」迷う方へ3つの判断基準

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

のべ10万人以上の意思決定に伴走。2025年国際誌『Global Woman Leader』表紙抜擢など、世界基準の出生前診断と遺伝カウンセリングを提供。

この記事でわかること
📖 読了時間:約5分
📊 約4,500文字
⭐ 臨床遺伝専門医監修

  • 35歳のNIPT受検割合は? → 30代後半で約50%に急増します。その背景にある「リアルな理由」を解説。
  • なぜ35歳が「分水嶺」なのか? → 医学的なリスクの変化と「高齢出産」の定義について。
  • 受けるべきか迷う方へ → 後悔しない選択をするための「3つの判断基準(チェックリスト)」
  • ミネルバクリニックの独自サポート → 陽性時の費用を全額カバーする「互助会」システムとは?

35歳は「受検するか迷う」最大の分水嶺

「35歳」という年齢を迎えての妊娠。医学的にはここからが「高齢出産(Advanced Maternal Age)」と定義されますが、40代の妊娠とは異なり、「自分は本当に高齢出産のリスクがあるのだろうか?」「大げさに心配しすぎではないか?」と、NIPTを受けるべきかどうか最も迷う時期でもあります。

結論から申し上げますと、35歳は「NIPTを受ける人が急激に増えるタイミング」です。ここでは、同年代の妊婦さんがどのような選択をしているのか、データと心理の両面から解説します。

【データ】35歳からのNIPT受検率のリアル

まずは客観的なデータを見てみましょう。当院(ミネルバクリニック)の統計および一般的な調査において、受検率は30代前半から後半にかけて大きく跳ね上がります。

⚠️ 衝撃の事実:ダウン症の赤ちゃんの約8割は35歳未満の妊婦から生まれている

ダウン症候群の赤ちゃんの約80%は35歳未満の妊婦さんから生まれています。これは、35歳未満の妊婦さんの方が母数として圧倒的に多いためです。ミネルバクリニックが2023年に実施した調査では、全妊婦の約17%がNIPTを受検しており、「確率が低いから大丈夫」とは言い切れない現実があります。

📊 年代別のNIPT受検傾向
年代 受検者の割合(目安) 主な動機
30代前半 約30% 慎重派、リスク管理
30代後半(35歳〜) 約50%(急増) 高齢出産への不安、医師の推奨
40代 約15%※ 強く推奨される年齢層

※40代は母数(妊娠数)自体が減るため割合は低く見えますが、妊娠された方の受検率は非常に高くなります。
※出典:ミネルバクリニック受検者データより

35歳を超えると、多くの妊婦さんが「念のため調べておきたい」と考えるようになります。これは単なる流行ではなく、医学的なリスクの変化に基づいた合理的な判断と言えます。

   

🌍 視点を変えて:海外の妊婦さんはどうしている?

   

世界に目を向けると、NIPTの普及率は国や医療制度によって大きく異なります。例えば、妊婦全員にNIPTが提供され費用補助もあるベルギーでは受検率が75%以上と非常に高い一方、オランダ、アメリカ、オーストラリア等では25〜50%程度と推測されています。

一方で、フランス(対象疾患を法律で制限)やドイツ(過去の歴史的背景から慎重な姿勢)など、倫理的な観点から国主導での積極的な導入を控えている国も存在します。

   

日本においては、海外のような一律の公的な制度化には至っておらず費用面のハードルはありますが、その分、「個人の価値観やご夫婦の希望に基づいて、自由に検査を選択できる環境が整っている」という見方もできます。「お腹の赤ちゃんの状態を事前に知る」という選択自体は、世界的に見ればごく一般的なものです。

【医学的根拠】なぜ「35歳」がボーダーラインなのか

なぜ医学の世界では35歳を区切りとするのでしょうか?それには明確な統計的根拠があります。

リスクとベネフィットが逆転する年齢

かつて、確定診断である「羊水検査」には約1/200〜1/300の流産リスクがありました。一方で、ダウン症候群の赤ちゃんを妊娠する確率は、35歳時点で約1/365前後となります。

つまり、35歳を境に「検査による流産リスク」よりも「染色体異常の確率」の方が高くなる(または同等になる)ため、検査を受ける医学的妥当性が高まるとされ、35歳が「高齢出産」の定義となりました。

💡 NIPTの登場で状況は変わった

現在は、流産リスクのない血液検査(NIPT)が登場したため、35歳未満の方でも安全にリスク評価ができるようになりました。
しかし、依然として35歳から卵子の老化に伴う染色体変化率が上昇カーブを描き始める事実に変わりはありません。そのため、35歳は「自分の体の変化と向き合い、検査を検討すべき最初のタイミング」と言えます。

💬 ある患者様のエピソード:「万全の環境でも解決できない現実」

これは、都内の一等地にお住まいの、経済的に非常に恵まれたある患者様のお話です。
以前の妊娠時は出生前診断を行わずに出産されましたが、お子様は重度のダウン症候群で、日常的に吸引や酸素管理などの医療的ケアが欠かせない状態でした。

その方が今回、当院のNIPTを受検しにいらした際、こう吐露されました。
「もちろん、子供は本当に可愛いですし、生まれてきてくれたことには心から感謝しています。ただ、それと毎日の現実は別なんです。
自治体の手厚い支援に加え、自費でシッターや看護師も最大限にお願いしていますが、それでもプロの手がある時間帯以外は、近所の買い物にすら行けません。『外出したいときに外出できない』という事実は、どれだけリソースを投入しても解決できない、想像を絶する精神的な重圧でした」

豊富な社会的リソースや経済力があっても、24時間の医療ケアがもたらす「自由の制限」までは完全には解消しきれません。「きれいごと抜きで現実を知り、家族全員にとって最善の選択をするために検査をする」ということは、決して否定されるべきことではないのです。

【判断基準】受けるべきか迷うあなたへ3つのチェックリスト

「35歳だけど、まだ若い気もするし…」と迷われる方は非常に多いです。臨床遺伝専門医の視点から、「受検を推奨する方」の判断基準を3つ挙げます。これらに当てはまる場合は、NIPTを受けるメリットが大きいと考えられます。

✅ 1. 数値的なリスクを知って準備したい

「どんな子が生まれても育てる」という覚悟があっても、「事前に知っておけば、療育環境や心の準備ができる」と考えるリスク管理派の方。35歳ではダウン症の確率が約1/200〜1/300となります。この数字を「高い」と感じ、白黒はっきりさせたい場合は検査が適しています。

✅ 2. 上の子がいる・仕事がある

35歳の妊娠は、すでに上のお子さんがいたり、キャリアの重要な時期であることも多いです。「上の子の将来のために、きょうだいの状況を把握したい」「仕事と介護の両立プランを立てたい」という、現実的なライフプランニングのために受検する方が増えています。

✅ 3. 不安なまま過ごすのが辛い

実はこれが最も多い理由です。「検診のたびにエコーで異常がないかドキドキする」「ネット検索で悪い情報ばかり見てしまう」。このような精神状態は、母体にも胎児にも良くありません。NIPTで陰性(99.9%の確率で対象疾患なし)を確認し、残りの妊娠期間を心穏やかに過ごすことは、最高の胎教となります。

35歳だからこそ「なんとなく」で受けないで

NIPTは採血だけで済む簡便な検査ですが、結果が持つ意味は重いです。特に35歳前後の「境界線」にいる方は、安易に検査を受けて陽性判定が出た際、大きなパニックに陥ることがあります。

だからこそ、機械的に採血だけを行う施設ではなく、「もしもの時」に専門家が寄り添ってくれる医療機関を選ぶことが重要です。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【仲田からのメッセージ】

「NIPTは『産む・産まない』を決めるためだけの検査ではありません。

上のお子さんにダウン症などの疾患があるご家庭が、次のお子さんの検査に来られることも多いです。そうした親御さんは、上のお子さんを大事に育てておられますが、叶うことなら健常なお子さんを、と願うのは当然のことです。

出生前診断を通じて、万が一に備えて心の準備をする時間を得ることも、とても大切な選択肢の1つだと考えています。」

🏥 ミネルバクリニックの安心体制

👨‍⚕️ 臨床遺伝専門医が直接担当

アルバイト医師ではなく、院長の臨床遺伝専門医が責任を持って監修します。陰性の場合は、待ち時間を減らすためマイページで速やかに結果をご確認いただけます(メッセージ機能でいつでも質問可能)。万が一「陽性」の場合は、見逃さないよう強調表示され、改めて専門医によるカウンセリング予約をお取りいただき、詳細な説明とサポートを行います。

💰 陽性時の費用を全額カバー

万が一NIPTで陽性が出た場合、確定検査(羊水検査など約15〜20万円)の費用を、当院独自の「互助会」システムで全額負担します(※一部対象外となる検査もございます)。追加費用の心配なく、必要な検査に進めます。

🆕 確定検査までワンストップ

2025年6月より産婦人科を併設し、陽性時の確定検査を自院で実施可能になりました。検査を受けて終わりではなく、診断がつくまで一貫してサポートします。

💎 幅広い検査プラン

基本的なトリソミー検査から、父方の高齢化リスクや自閉症関連遺伝子も調べる「ダイヤモンドプラン(COATE法)」まで、ニーズに合わせた検査が可能です。

よくある質問(FAQ)

Q1. 35歳になったばかりですが、ハイリスク妊婦になりますか?

A: 医学的には「高齢出産」に分類されますが、35歳になった瞬間にリスクが急上昇するわけではありません。リスクは年齢とともに徐々に上がっていきます。ただし、統計的なリスク(ダウン症確率など)が上昇し始める時期であることは事実ですので、NIPTを検討する良いタイミングと言えます。

Q2. 35歳でNIPTを受ける割合はどれくらいですか?

A: 30代前半までは約30%程度ですが、35歳を含む30代後半になると受検率は約50%まで上昇します(当院データ)。多くの方が、年齢によるリスクを意識して検査を選択されています。

Q3. 陽性が出たらどうすればいいですか?

A: まずは落ち着いて、臨床遺伝専門医のカウンセリングを受けてください。NIPTは非確定検査ですので、必ず「羊水検査」などの確定検査が必要です。ミネルバクリニックでは、確定検査の費用を互助会システムで負担(※一部対象外あり)し、検査の手配から結果の説明、その後の選択まで、専門医がずっと寄り添ってサポートします。

🏥 まずは専門医にご相談ください

35歳という年齢は、不安と期待が入り混じる時期です。一人で悩まず、遺伝子のプロフェッショナルである私たちにご相談ください。

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。
2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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