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NIPTの対象となるトリソミーとは?検査前に知るべき情報を解説

NIPTでは、染色体異常を持つ3つのトリソミーを調べることができます。トリソミーとは、通常2本で1対のヒトの染色体が、減数分裂の間に何かしらの原因で3本で1対となることで起きる染色体異常の一種です。

この記事では、NIPTの概要や検査でわかる3つのトリソミーの特徴、NIPTを検討する際に知っておくべきことをご紹介します。

NIPTとはどのような検査なのか

NIPTでは、次の3つのトリソミーを保持している可能性がわかります。

  • 21トリソミーダウン症候群
  • 18トリソミーエドワーズ症候群
  • 13トリソミーパトウ症候群

上記に当てはまらないトリソミーは、妊娠初期で流産してしまうことが多く、生存率も極めて低い染色体異常です。そのため、NIPTでは一般的に、3つのトリソミーの検査を行っています。

NIPTを含む出生前診断は、大きく分けて確定検査非確定検査の2種類です。NIPT(新型出生前診断)は非確定検査に含まれ、妊娠9週から胎児の染色体異常を調べることができます。

ここからは、NIPTの精度や対象となる妊婦さんの条件、実施方法、検査でわかることなどをご紹介します。

精度の高いスクリーニング検査

NIPTは99%の高い精度で染色体異常を調べられる検査です。
ただし、NIPTは染色体異常を確定する検査(確定検査)ではなく、スクリーニング検査(非確定検査)に位置付けられています。

NIPTは、従来の非確定検査である母体血清マーカー検査やコンバインド検査よりも精度が高いですが、あくまでも染色体異常の疑いを発見することが目的の検査です。NIPTが陽性判定であっても、染色体異常を100%確定はできないため、確定検査を受けて検査結果を確定させる必要があります。

対象の妊婦さんは?

NIPTの対象となる妊婦さんは、検査を受けるクリニックが認可施設か無認可施設かによって異なります。

認可施設は、妊婦さんが高齢であることや、過去に染色体異常のある赤ちゃんをを妊娠したことがある、他の非確定検査で陽性判定が出たなどの条件に当てはまる方が対象です。

一方、無認可施設では妊婦さんの制限を設けていないため、年齢などの条件に関係なく検査が受けられます。

実施方法

NIPTは、妊婦さんから採取した血液を用いて胎児の染色体異常を調べます。血液は検査機関へ輸送し、結果がわかるまで1~2週間程度かかります。(※期間は施設によります)

NIPTは血液検査のみで完了できるため、確定検査に比べて母子ともに体への負担が少ない検査です。確定検査の場合は、妊婦さんのお腹に針を刺して羊水や絨毛の一部を採取する必要があり、ごくわずかではあるものの流産のリスクが生じます。

一方、NIPTは血液を調べる検査で、流産などのリスクの心配がない検査です。精度の高いNIPTで結果が陰性であれば、確定検査を回避できる可能性が高いのもメリットといえます。

NIPTでわかること

NIPTの認可施設では21・18・13トリソミーの検査のみ行いますが、無認可施設では施設によって、他の染色体異常を含めさまざまな検査の実施が可能です。認可施設と無認可施設の検査の違いについては後の項目で解説します。

NIPTでわかる3つのトリソミーについて

NIPTでわかる「ダウン症候群(21トリソミー)」「エドワーズ症候群(18トリソミー)」「パトウ症候群(13トリソミー)」は、全て染色体異常による先天性疾患です。

ヒトの染色体は、2本で1対の常染色体が44本(22組)と、XXまたはXYの2本の性染色体を合わせた46本で構成されています。妊娠する際の減数分裂の過程で、何らかの原因により2本で1対の常染色体が3本で1対になることで起こるのがトリソミーです。

ここからは、3つのトリソミーについてご紹介します。

ダウン症候群(21トリソミー)

ダウン症候群は、21番目の染色体が3本で1対になることで起きる染色体異常です。約1,000人に1人の発症率で、発育や精神発達に遅れが見られ、つりあがった目や低い鼻、低身長などの身体的特徴が現れます。

ダウン症候群は子どもの約5割に出生時から心臓の異常がみられ、内臓疾患などの合併症を持つ可能性も高い傾向です。根本的な治療法はないものの、治療技術の進歩により平均寿命は55歳と伸びています。甲状腺機能低下症においては甲状腺ホルモン補充療法を行う他、心臓病などの合併症は手術で治療可能です。

エドワーズ症候群(18トリソミー)

エドワーズ症候群は、18番目の染色体が3本で1対になることで起きる染色体異常です。約6,000人に1人の発症率ですが、ほとんどが妊娠初期の段階で自然流産します。発症の男女比は1:3で、女児の割合が多い傾向です。

エドワーズ症候群は、やつれたような顔つき、小頭症、後頭部突出、出生時の低身長、知的障害などの特徴が見られます。根本的な治療法はなく、1年生存できる割合は1割未満で、出生後1週間以内に亡くなるケースが多い疾患です。

パトウ症候群(13トリソミー)

パトウ症候群は、13番目の染色体が3本で1対になることで起きる染色体異常です。アメリカでは約10,000人に1人の発症率で、出生時の体格が小さい傾向にあります。その他、脳の発育不全や口唇裂口蓋裂、目の発育不良などが見られるのも特徴です。

根本的な治療法はなく、1年生存できる割合は1割未満で、小児の約8割が生後1カ月以内に亡くなるケースが多い疾患です。

認可施設と無認可施設では調べられる内容のちがい

NIPTを検討するうえで、認可施設と無認可施設で悩まれる方も多いでしょう。

認可施設と無認可施設では妊婦さんの対象が異なる他、調べられる内容にも違いがあります。そのため、NIPTを受ける際は、自身が調べたい染色体異常などの検査が受けられる施設を選ぶことも大切です。

ここでは、認可施設と無認可施設で検査できる内容の違いをご紹介します。

認可施設の場合は基本検査のみ

認可施設の場合は、先述した3つのトリソミーを基本検査としています。基本検査以外は行っていないため、3つのトリソミー以外は検査できないのが一般的です。

認可施設を選ぶメリットは、臨床遺伝専門医が在籍し、遺伝カウンセリングを行っていることや、陽性判定後のアフターサポートが整っていることなどが挙げられます。

ただし、基本検査のみのため、3つのトリソミー以外の染色体異常などは調べられません。より多くの検査を希望する方は、無認可施設も視野に入れて検討しましょう。

無認可施設の場合、より多くの項目を検査できる

無認可施設の中には、基本検査以外の項目や性別を調べられる施設もあります。検査項目は施設によって異なりますが、より多くの項目を調べたい方は無認可施設を検討すると良いでしょう。

なお、ミネルバクリニックでは基本検査も含め、全染色体検査、全染色体の部分欠失・重複、性別なども網羅的に検査が可能です。妊婦さんのご希望に沿えるよう、豊富なプランを用意しています。

より多くの項目を調べたい方はミネルバクリニックへ

ミネルバクリニックでは、基本検査に加えてより多くの検査ができます。さらに、最新のNIPTを扱っており、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングも可能です。
先進医療を当たり前に受けられる環境を実現する、ミネルバクリニックのNIPTを詳しく紹介します。

最新のNIPTを扱っている

ミネルバクリニックのNIPTでは、偽陰性0、陽性的中率100%という第3世代の「スーパーNIPT」を扱っています。
スーパーNIPTは、世界特許技術の「DMRエンリッチメント法」を用いており、第1・2世代とは全く異なる検査方法です。より正確な遺伝子検査が可能となり、3つのトリソミー検査や微細欠失症候群の偽陰性は0で、21・18トリソミーの陽性的中率は100%と高い精度を誇ります。

日本全国でスーパーNIPTを扱っているのは、2023年の時点でミネルバクリニックのみです。スーパーNIPTは、妊娠9週0日から検査でき、ご希望の方は6週からも受けられます。

ミネルバクリニックで調べられる項目

ミネルバクリニックのNIPTでは、基本検査の3つのトリソミーを含め、次のような項目が検査できます。

  • 100の常染色体劣性またはX染色体の重篤な疾患
  • 44の常染色体優性の重篤な疾患
  • 4の常染色体劣性の重篤な疾患(1/28で保因している先天性難聴遺伝子GJB2もカバー)

ミネルバクリニックではスーパーNIPTの他に、カリオ7での全染色体検査や、デノボでの父親由来の44の遺伝子検査も行えます。さまざまな項目を扱っているため、ご夫婦の希望に応えられる検査の提案が可能です。

臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング

ミネルバクリニックは、遺伝診療をメインとする全国的にも珍しいクリニックです。無認可施設でありながら臨床遺伝専門医が在籍しており、経験と実績のある遺伝カウンセリングを受けることができます。世界各国のラボと提携し、先進医療を提供できるのが強みです。

院長の仲田洋美(なかたひろみ)は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医の資格を保持しています。

まとめ

NIPTでは、3つのトリソミーを高い精度で調べることができます。ただし、あくまでも非確定検査の位置づけであり、陽性判定の際に染色体異常を診断するには確定検査が必要です。
NIPTを扱う施設は増えていますが、施設によって検査項目や遺伝カウンセリングの有無など内容は異なるため、慎重に判断する必要があります。

ミネルバクリニックでは、実績・経験共に豊富な臨床遺伝専門医による非常に質の高いカウンセリングと検査が可能です。NIPTのトリソミーについて詳しく知りたい方、受検を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

この記事の著者:仲田洋美(医師)

院長アイコン

ミネルバクリニックでは、以下のNIPT検査を提供しています。少子化の時代、より健康なお子さんを持ちたいという思いが高まるのは当然のことと考えています。そのため、当院では世界の先進的特許技術に支えられた高精度な検査を提供してくれる検査会社を遺伝専門医の目で選りすぐりご提供しています。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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