目次
- 1 1. ダウン症だけじゃない?NIPTでわかる「ダウン症以外の染色体異常」
- 2 2. 高齢妊娠で不安な方へ:年齢と発生確率の本当の関係
- 3 3. 基本の3つのトリソミーだけでは見えない「微小欠失」と「性染色体の違い」
- 4 ダウン症以外にも「同じような顔つき」になる障害はある?
- 5 4. 父親の年齢と「新生突然変異(単一遺伝子疾患)」のリスク
- 6 5. どこまで調べるべきか?国の認証制度で調べる範囲と、当院のNIPT
- 7 6. ミネルバクリニックのNIPTプランと独自の「トリプルリスクヘッジ」
- 8 7. 診断の確定は「出生前」に:羊水検査とマイクロアレイ
- 9 8. 専門医からのメッセージ:不安を一人で抱え込まないでください
- 10 よくある質問(FAQ)
- 11 関連記事
- 12 参考文献
📍 クイックナビゲーション
NIPT(新型出生前診断)といえば「ダウン症(21トリソミー)を調べる検査」というイメージが強いかもしれません。けれども、赤ちゃんの染色体の病気はダウン症候群だけではありません。18トリソミー・13トリソミーのような染色体の数の変化、22q11.2欠失症候群のような染色体のごく一部の欠け(微小欠失)、ターナー症候群などの性染色体の数の違いがあり、微小欠失のように母親の年齢に関係なく起こるものもあります。この記事では、ダウン症以外の染色体異常の種類と確率、ダウン症と同じように特徴的な顔つきになる病気、そしてそれぞれを当院のどのNIPTプランで調べられるか(調べられないものも含めて)を、臨床遺伝専門医が一覧で解説します。
- ➤ダウン症以外の染色体異常の種類一覧(数の異常・構造の異常・モザイク)
- ➤18トリソミー・13トリソミー・22q11.2欠失症候群・性染色体の違いが生まれる確率
- ➤母親の年齢で増えるものと、年齢に関係なく起こるもの
- ➤ダウン症以外にも「同じような顔つき」になる病気と、その理由
- ➤どの病気を当院のどのプランで調べられるか(調べられないものも)
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. ダウン症以外の染色体異常にはどんな種類がある?
大きく、①染色体の数の異常(18トリソミー・13トリソミー・ターナー症候群など)②染色体の一部が欠ける・増える構造の異常(22q11.2欠失症候群などの微小欠失)③モザイクに分けられます。18トリソミーは生まれる赤ちゃんの約6,000人に1人、22q11.2欠失症候群は妊娠の約1,000人に1人と報告されています。
🤔 Q. NIPTはダウン症候群だけで大丈夫?
13・18・21番の3つは基本の項目ですが、22q11.2欠失症候群などの微小欠失は母親の年齢に関係なく起こり、若い方でも頻度は変わりません。当院ではすべてのプランで22q11.2欠失症候群を含む微小欠失を調べ、プランによって全染色体や単一遺伝子の病気まで調べられます。
👶 Q. ダウン症以外にも同じような顔つきになる障害はある?
あります。18トリソミー、ウィリアムズ症候群、猫鳴き症候群、ヌーナン症候群などは、同じ染色体・遺伝子の変化が顔の発達に同じ方向の影響を与えるため、それぞれの病気ごとに似た顔立ちになります。ただし顔立ちだけで診断はできず、確かめるのは染色体・遺伝子の検査です。
1. ダウン症だけじゃない?NIPTでわかる「ダウン症以外の染色体異常」
ヒトの細胞には通常、2本ずつ23組・46本の染色体があります。1〜22番を常染色体、残りの1組(XとY)を性染色体と呼びます。染色体異常とは、この本数や形が通常と違っていて、遺伝子の量に過不足が生じている状態のことです。ダウン症候群(21トリソミー)は21番染色体が1本多い状態で、最もよく知られた染色体異常ですが、ほかにも多くの種類があります。
【結論】ダウン症以外の染色体異常で生まれる赤ちゃんに比較的多いのは、18トリソミー(エドワーズ症候群)・13トリソミー(パトウ症候群)・性染色体の数の違い(ターナー症候群・クラインフェルター症候群など)・微小欠失(22q11.2欠失症候群など)です。18・13トリソミーは、心臓などの重い合併症を伴うことが多く、ダウン症候群よりも予後が厳しい病気です。
染色体異常の種類一覧
染色体異常は、「数の異常」「構造の異常」「モザイク」の3つに分けると整理しやすくなります。代表的なものを一覧にしました。
🧬 ダウン症以外の主な染色体異常の種類一覧
| 種類 | どんな状態か | 代表的な病気 |
|---|---|---|
| トリソミー(数の異常) | ある1組の染色体が3本ある | 18トリソミー、13トリソミー、まれな常染色体トリソミー(16番・22番など) |
| 性染色体の数の違い | X・Y染色体の本数が多い・少ない | ターナー症候群(45,X)、クラインフェルター症候群(47,XXY)、トリプルX症候群(47,XXX)、XYY症候群 |
| 三倍体(数の異常) | 23組すべてが3本ずつ(69本) | 多くは妊娠初期に流産する |
| 微小欠失・微小重複(構造の異常) | 染色体のごく一部が欠ける・増える | 22q11.2欠失症候群、1p36欠失症候群、猫鳴き症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群 |
| 転座(構造の異常) | 2本の染色体の一部が入れ替わる | 均衡型(本人は健康なことが多い)/不均衡型(遺伝子量に過不足が出る) |
| モザイク | 染色体の違う細胞が混ざっている | モザイク型の各トリソミー、胎盤だけに異常がある胎盤限局性モザイク |
※染色体ではなく、1つの遺伝子の変化で起こる「単一遺伝子疾患」(ヌーナン症候群など)もあります。こちらは第4章で解説します。
18トリソミー・13トリソミー
18トリソミー(エドワーズ症候群)は、18番染色体が1本多い病気です。生まれる赤ちゃんの約6,000人に1人とされ、心臓の病気などの重い合併症を伴うことが多く、妊娠中に亡くなる赤ちゃんも少なくありません。生まれた赤ちゃんの生存期間の中央値は数日〜2週間ほどで、1歳を迎えられるのは5〜10%と報告されています[2]。一方で、集中治療を受けて長く生きる子どもがいることも分かってきています。寿命と長期生存の例は18トリソミーの寿命と長期生存例で詳しく解説しています。
13トリソミー(パトウ症候群)は、13番染色体が1本多い病気で、生まれる赤ちゃんの約1万〜2万人に1人とされています。脳の発達の異常、口唇裂・口蓋裂、目の異常、心臓の病気などを伴うことが多く、予後は18トリソミーと同じように厳しい病気です。症状や顔立ち、寿命は13トリソミー(パトウ症候群)とは?で解説しています。
13・18・21番以外の常染色体トリソミー
1〜22番のどの染色体にもトリソミーは起こりえます。13・18・21番以外のものは「まれな常染色体トリソミー」と呼ばれ、全染色体を調べるNIPTのデータをまとめた総説では、16番・7番・22番などが多く、流産や胎児の発育不全と関係することが示されています[3]。多くは生まれてくることができませんが、一部の細胞だけに異常があるモザイクの形で生まれ、病気が出ることもあります。1〜8番は全染色体検査ガイドVol.1、9〜16番は全染色体検査ガイドVol.2で、染色体ごとに解説しています。
2. 高齢妊娠で不安な方へ:年齢と発生確率の本当の関係
「高齢出産だから確率が高いんですよね?」という疑問は、半分正しく、半分は誤解です。染色体異常には、母親の年齢とともに増えるものと、年齢に関係なく起こるものがあるからです。
【結論】21・18・13トリソミーなどの「染色体の数の異常」は、母親の年齢が上がるほど起こりやすくなります。卵子ができるときの細胞分裂(減数分裂)で染色体がうまく分かれない「不分離」が、年齢とともに起こりやすくなるためです[1]。一方、22q11.2欠失症候群などの微小欠失は、母親の年齢に関係なく一定の頻度で起こります[4]。
📊 母親の年齢との関係
| 種類 | 母親の年齢との関係 | 主な理由 |
|---|---|---|
| 21・18・13トリソミーなど | 年齢とともに増える | 卵子の減数分裂での染色体の不分離 |
| 微小欠失(22q11.2欠失など) | 年齢に関係なく一定 | 染色体の構造の特徴から、一定の割合で起こる |
| ターナー症候群(45,X) | 年齢との関係ははっきりしない | 多くは父親由来の性染色体が失われて起こる |
| 単一遺伝子の新生突然変異 | 父親の年齢とともに増える | 精子ができる過程でのコピーの誤り |
母親の年齢と18トリソミーの関係、そして「母親のせいではない」ことについては、18トリソミーの原因は母親?年齢と遺伝の誤解で詳しく説明しています。
🩺 院長コラム【年齢は「原因」ではなく「条件」です】
年齢と確率の表を見て、「自分のせいで赤ちゃんを病気にしてしまうのでは」と考えてしまう方がいます。けれども、卵子の染色体の不分離は誰の卵子にも起こる自然な現象で、年齢はその起こりやすさを変える「条件」にすぎないと考えています。生活の仕方で防げるものではなく、お母さんが責められるものではありません。
そして、微小欠失のように年齢に関係なく起こる病気もあります。若いから調べなくてよい、年齢が高いからダウン症候群だけ調べればよい、とは言えないのです。検査は不安をあおるためではなく、知ったうえで準備をするためのものだと考えています。
3. 基本の3つのトリソミーだけでは見えない「微小欠失」と「性染色体の違い」
13・18・21番の3つのトリソミーだけを調べる検査では、母親の年齢に関係なく誰にでも一定の確率で起こる染色体の病気が対象外になります。それが「微小欠失」と「性染色体の数の違い」です。
💡 用語解説:微小欠失(微細欠失)とは?
染色体の「数」ではなく、染色体のごく一部が欠けている「構造」の異常です。欠けている部分が小さいため、羊水検査で一般的に行うGバンド法(染色体を染め分けて顕微鏡で見る方法)では見えないことが多く、確かめるにはマイクロアレイ検査が必要です。
微小欠失(22q11.2欠失症候群など)
代表的な微小欠失である22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)は、心臓の病気、免疫や副甲状腺の働きの低下、口蓋の異常、発達や学習の遅れなどを伴うことがある病気です。9,500件を超える妊娠を調べた研究では、ハイリスクでない妊娠でも約1,000人に1人(1/992)に見つかり、頻度は母親の年齢に関係しませんでした[4]。
また、染色体の数が正常な赤ちゃんでも、マイクロアレイ検査をすると、母親の年齢やスクリーニング検査の結果を理由に検査を受けた妊婦さんの1.7%に、病気に関係する小さな欠失・重複が見つかったと報告されています[5]。米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、22q11.2欠失症候群のNIPTによるスクリーニングを、すべての妊婦さんに提供することを提案しています[10]。ただし、学会によって考え方が分かれる項目でもあるため、検査の前に遺伝カウンセリングで意味を理解して選ぶことが大切です。
微小欠失は、数の異常に比べてNIPTの陽性的中率が低め(項目により60〜70%程度)です。陽性のときは、必ず羊水検査などの確定検査で確かめます。
性染色体の数の違い(ターナー症候群・クラインフェルター症候群など)
X・Y染色体の本数の違いには、女の子に起こるターナー症候群(Xが1本)、トリプルX症候群(Xが3本)、男の子に起こるクラインフェルター症候群(47,XXY)、XYY症候群があります。ターナー症候群では低身長や卵巣の働きの低下、心臓・腎臓の病気がみられることがあり、詳しくはターナー症候群とは?で解説しています。
性染色体の数の違いは、重い知的障害を伴わないことが多く、自立して生活している方も多くいます。その一方で、一生気づかれないことも少なくありません。デンマークの全国調査では、生まれる数から推定される人数のうち、実際に診断されていたのはクラインフェルター症候群で38%、トリプルX症候群で13%、XYY症候群で18%でした(ターナー症候群はほぼ全員が診断)[6]。大人になって不妊の検査で初めて分かることもあり、早く知っていれば、学習面の支援やホルモン補充などを適切な時期に始められます。
ダウン症以外にも「同じような顔つき」になる障害はある?
「ダウン症の人はみんな似た顔に見えるけれど、ほかの障害でもそういうことはあるの?」という疑問を持つ方は少なくありません。答えは「あります」です。染色体や遺伝子の病気の多くは、病気ごとに共通した顔立ち(医学的には「特徴的顔貌」)を伴います。
理由は、ダウン症候群と同じです。同じ染色体・同じ遺伝子に同じ変化があると、顔の骨や筋肉、皮膚ができていく過程に同じ方向の影響が出るため、病気が同じ人どうしで顔立ちが似てきます。もちろん、両親から受け継いだ顔立ちも同時に表れるので、同じ病気でも一人ひとりの顔は違います。ダウン症候群で顔立ちが似る仕組みはダウン症の顔つきはなぜ似ているの?で解説しています。
👶 特徴的な顔立ちを伴うことがある主な病気
| 病気 | 原因 | 顔立ちの特徴の例 |
|---|---|---|
| 18トリソミー | 染色体の数 | 小さなあご、後頭部が出ている、耳の位置が低い |
| 13トリソミー | 染色体の数 | 口唇裂・口蓋裂、小さな目、目と目の間が狭い |
| 猫鳴き症候群(5p欠失) | 微小欠失 | 丸い顔、目と目の間が広い、子猫のような甲高い泣き声 |
| ウィリアムズ症候群 | 微小欠失(7q11.23) | ふっくらした頬、厚い唇、広い口 |
| 22q11.2欠失症候群 | 微小欠失 | 細長い顔、腫れぼったいまぶた、小さな口(目立たないことも多い) |
| ヌーナン症候群 | 単一遺伝子 | 目と目の間が広く垂れ目、耳の位置が低い、短い首 |
| コルネリア・デ・ランゲ症候群 | 単一遺伝子 | 左右がつながった眉、長いまつ毛、小さな鼻 |
※特徴の出方には個人差が大きく、すべてがそろうわけではありません。顔立ちだけで病気を判断することはできません。
大切なのは、お腹の中の赤ちゃんの顔立ちを超音波で見ても、これらの病気はほとんど分からないということです。生まれる前に調べる方法は、染色体や遺伝子の検査です。表の病気のうち、ウィリアムズ症候群は全染色体の微小欠失を調べるプラン、ヌーナン症候群・コルネリア・デ・ランゲ症候群は単一遺伝子を調べるプランで対象になります(第6章の表をご覧ください)。
4. 父親の年齢と「新生突然変異(単一遺伝子疾患)」のリスク
妊娠のリスクというと母親の年齢ばかりが注目されがちですが、父親の年齢が高くなると増える病気もあります。それが、精子ができる過程のコピーの誤りで、両親にはない遺伝子の変化が赤ちゃんに生じる「新生突然変異(de novo変異)」による単一遺伝子疾患です。アイスランドの研究では、子どもの新生突然変異の数は父親の年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増えていました[9]。
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[7][8]。これはダウン症候群(全体で約700人に1人)と同じくらいの頻度です。ヌーナン症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、ソトス症候群、CHARGE症候群、レット症候群などが含まれ、知的障害や発達の遅れを伴うことがある病気も多くあります。一部の自閉症・発達障害は、こうした遺伝子や染色体の変化が原因で起こることが分かっており、その一部は当院のNIPTで調べられます(陰性でも自閉症・発達障害の心配がすべてなくなるわけではありません)。詳しくは40歳妊娠のダウン症・自閉症リスクとNIPTでも解説しています。
超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[11]。当院では、ダイヤモンドプランで56遺伝子、インペリアルプランで最大155遺伝子(202疾患)の新生突然変異を調べられます。
5. どこまで調べるべきか?国の認証制度で調べる範囲と、当院のNIPT
国の出生前検査認証制度のもとで行うNIPTは、13・18・21番の3つのトリソミーを対象にしています。ここまで見てきた微小欠失・性染色体の数の違い・単一遺伝子疾患は、その対象に含まれていません。ミネルバクリニックは認証制度の外で、臨床遺伝専門医が常駐し、遺伝カウンセリングから陽性時の確定検査まで院内で行う体制をとり、ご家族が知りたい範囲をプランから選べるようにしています。
💡 当院のNIPTの検査方式
スタンダードプランは標的捕捉濃縮法、ダイヤモンドプランは米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※、双子マックスプラン・インペリアルプランは低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせた方式で検査します。どの方式もスクリーニング検査で、陽性のときは確定検査で確かめます。
※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
調べる範囲が広いNIPTは、料金の総額は上がります。けれども、出生前検査で調べる病気はどれも、赤ちゃんとご家族の生活に大きく関わるものです。そこで、「1つの病気あたり」で考えると、選び方の見え方が変わります。保険を選ぶときに、保険料だけでなく補償の内容を比べるのと同じ考え方です。
🧮 1つの病気あたりで考える(目安)
※料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。病気の数は、トリソミー・性染色体の数の違い(4種類)・微小欠失(種類数)・単一遺伝子(遺伝子数または疾患数)を合計したもの。「+α」は5Mbを超える構造異常の検出分です。1つの病気あたりの額は考え方の目安で、陰性は赤ちゃんが健康であることの保証ではありません。
6. ミネルバクリニックのNIPTプランと独自の「トリプルリスクヘッジ」
ダウン症以外の病気のうち、どれを当院のどのプランで調べられるかを一覧にしました。「−」はそのプランでは調べられないことを表します。どのプランを選ぶかは、遺伝カウンセリングで説明を聞いたうえで、ご家族で話し合ってお決めください。
📋 ダウン症以外の病気と、調べられるプラン
| 病気 | スタンダード | プレミアム | ダイヤモンド | 双子マックス | インペリアル |
|---|---|---|---|---|---|
| 21・18・13トリソミー | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 15・16・22トリソミー | − | ○ | ○ | ○ | ○ |
| そのほかの常染色体トリソミー(1〜12・14・17・19・20番) | − | − | − | ○ | ○ |
| 性染色体の数の違い(ターナー・クラインフェルター・トリプルX・XYY) | ○ | ○ | ○ | − | ○ |
| 22q11.2欠失(ディジョージ)・1p36欠失・猫鳴き・ウォルフ・ヒルシュホーン・プラダー・ウィリー・アンジェルマン・スミス・マゲニス | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| 2q33欠失・ランガー・ギーディオン・9p欠失・ジェイコブセン・18p欠失・18q欠失 | − | ○ | ○ | ○ | ○ |
| ウィリアムズ・ミラー・ディーカー・16p11.2欠失/重複など(最大92か所の欠失・重複) | − | − | − | ○ | ○ |
| 5Mbを超える染色体の構造異常(不均衡型転座など) | − | − | − | ○ | ○ |
| 単一遺伝子の病気(ヌーナン・コルネリア・デ・ランゲ・CHARGE・ソトス・レットなど) | − | − | ○(56遺伝子) | − | ○(最大155遺伝子・202疾患) |
| 対象となる妊娠 | 単胎・双胎 | 単胎 | 単胎 | 単胎・双胎 | 単胎 |
※微小欠失の数は、スタンダード6種類・プレミアム/ダイヤモンド12種類・双子マックス/インペリアル最大92か所です。詳しい対象は各プランのページでご確認ください。
各疾患の詳しい解説は、13トリソミー、18トリソミーの寿命、1〜8番染色体(Vol.1)、9〜16番染色体(Vol.2)の各ページをご覧ください。
当院独自のトリプルリスクヘッジ
NIPTは結果の早さばかりが注目されがちですが、生涯に関わる検査だからこそ、正確さと、結果が出たあとの支えが大切だと考えています。
1. 金銭面の備え:互助会
NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。カトレア会(8,000円)で、陽性だったときの羊水検査の費用が上限なく補助されます。安心検査結果保障制度(6,000円)は、結果が出ず再検査が必要なのに流産して再検査ができない場合に、検査料金(諸費用を除く)が返金される仕組みです。いずれも収益を目的としない事業のため、消費税の対象外です。
2. 時間の備え:院内の確定検査と早い時期のNIPT
2025年6月から、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。NIPTの結果は基本10〜14日で、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。
3. 気持ちの備え:転院せずに院内で完結
陽性のとき、ご自身で確定検査を受けられる病院を探す必要はありません。陽性のカウンセリングは何度でも無料で、確定検査まで同じクリニックで受けられます。
7. 診断の確定は「出生前」に:羊水検査とマイクロアレイ
NIPTは「スクリーニング検査(可能性の高さを調べる検査)」です。NIPTで陽性となった場合や、超音波検査で赤ちゃんの体のつくりの異常が疑われた場合は、羊水検査や絨毛検査による確定検査で確かめます。NIPTの結果だけで妊娠の継続を判断しないでください。
羊水検査で一般的に行うGバンド法では、染色体の数の異常や大きな構造の異常は分かりますが、微小欠失は小さすぎて見えないことが多く、確かめるにはマイクロアレイ検査を用います。プラダー・ウィリー症候群やアンジェルマン症候群のように、遺伝子の働き方(メチル化)の異常が原因になることがある病気では、メチル化解析を組み合わせます。確定検査については羊水検査・絨毛検査のページで説明しています。
NIPTでは調べられないもの
どのプランでも、NIPTで調べられないものがあります。陰性は「調べた範囲では可能性が低い」という意味で、次のものについては何も言えません。
⚠️ 当院のNIPTで調べられないもの
| 調べられないもの | 理由・調べる方法 |
|---|---|
| 体のつくりの異常そのもの(心臓の病気、口唇裂など) | 染色体・遺伝子に原因がないものも多い。超音波検査で確認する |
| 均衡型転座 | 遺伝子の量に過不足がないため、量を測るNIPTでは分からない |
| 脆弱X症候群などの「リピート病」 | 同じ配列のくり返しが伸びる病気で、NIPTでは分からない。羊水検査・絨毛検査で調べる |
| プランの対象に入っていない単一遺伝子の病気 | 対象遺伝子はプランごとに決まっている |
| 両親から受け継ぐ潜性(劣性)遺伝の病気 | NIPTの対象外。妊娠前の保因者検査で調べる |
💡 用語解説:スクリーニング検査と確定検査
スクリーニング検査は、多くの人の中から「可能性が高い人」を見つけ出すための検査で、NIPTはこれにあたります。確定検査は、羊水や絨毛(じゅうもう:胎盤のもとになる組織)を採って赤ちゃんの染色体を直接調べ、診断を確定させる検査です。
8. 専門医からのメッセージ:不安を一人で抱え込まないでください
ダウン症以外の染色体異常について、多くの病名を一度にお伝えしました。読んでいて不安になった方もいらっしゃるかもしれません。
これらの病気を生まれる前に調べるのは、「異常を見つけて排除するため」ではありません。もし赤ちゃんに病気があると分かれば、新生児の治療ができる施設でお産を迎え、生まれてすぐに必要な治療を始める準備ができます。そして、ご家族が心づもりをするための時間をつくることができます。
ミネルバクリニックでは、90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。事前に学習動画で検査の仕組みを理解していただいたうえで、産婦人科用の超音波で赤ちゃんの心拍と発育を確認してから採血に進みます。料金には遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定が含まれています。
🩺 院長コラム【「何を調べ、何を調べていないか」を知ってから選ぶ】
出生前検査で見つかる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の生活に大きく関わるものです。そのなかでダウン症候群は、多くの方が名前を知っている病気ですが、それだけが出生前検査で調べる病気ではありません。18トリソミーや13トリソミーのように予後の厳しい病気もあれば、22q11.2欠失症候群のように年齢に関係なく起こり、知っていれば生まれてすぐの治療につなげられる病気もあります。
NIPTは「陰性なら安心、陽性なら終わり」という検査ではなく、何を調べ、何を調べていないのかを知ったうえで使う検査だと考えています。どの範囲まで知りたいかは、ご家族ごとに違って当然です。正確な情報をもとに、納得できる選択をしていただくことが大切だと考えています。
🏥 ダウン症候群だけでなく、知りたい範囲からNIPTを選ぶために
臨床遺伝専門医が常駐し、陽性のときは確定検査(羊水・絨毛検査)まで院内で受けられます。陽性のカウンセリングは何度でも無料です。
NIPT専用ダイヤル:03-3408-3768
よくある質問(FAQ)
Q1. NIPTはダウン症候群だけで大丈夫ですか?
13・18・21番の3つのトリソミーは基本の項目ですが、22q11.2欠失症候群などの微小欠失は母親の年齢に関係なく約1,000人に1人の頻度で起こり、性染色体の数の違いや単一遺伝子の病気もあります。どこまで知りたいかはご家族ごとに違うため、遺伝カウンセリングで説明を聞いたうえで調べる範囲を選ぶことをお勧めします。当院ではすべてのプランで22q11.2欠失症候群を含む微小欠失を調べます。
Q2. ダウン症以外の染色体異常にはどんな種類がありますか?
大きく、染色体の数の異常(18トリソミー、13トリソミー、まれな常染色体トリソミー、ターナー症候群などの性染色体の数の違い、三倍体)、構造の異常(22q11.2欠失症候群などの微小欠失・微小重複、転座)、モザイク(染色体の違う細胞が混ざっている状態)に分けられます。
Q3. ダウン症以外の染色体異常は、どのくらいの確率で起こりますか?
18トリソミーは生まれる赤ちゃんの約6,000人に1人、13トリソミーは約1万〜2万人に1人とされ、どちらも母親の年齢とともに増えます。22q11.2欠失症候群は妊娠の約1,000人に1人で、母親の年齢に関係しません。また、30遺伝子・25疾患の単一遺伝子疾患を合わせると約600人に1人と報告されています。
Q4. ダウン症以外にも、同じような顔つきになる障害はありますか?
あります。18トリソミー、13トリソミー、猫鳴き症候群、ウィリアムズ症候群、22q11.2欠失症候群、ヌーナン症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群などは、病気ごとに共通した顔立ちを伴うことがあります。同じ染色体・遺伝子の変化が顔の発達に同じ方向の影響を与えるためです。ただし個人差が大きく、顔立ちだけで診断はできません。お腹の赤ちゃんの場合、確かめる方法は染色体・遺伝子の検査です。
Q5. ダウン症以外で知的障害を伴う病気も、NIPTでわかりますか?
一部はわかります。22q11.2欠失症候群や1p36欠失症候群などの微小欠失、レット症候群・ソトス症候群・コルネリア・デ・ランゲ症候群などの単一遺伝子の病気は、プランによって調べられます。ただし、知的障害や発達障害の原因は多様で、NIPTが陰性でもすべての心配がなくなるわけではありません。
Q6. 父親の年齢は赤ちゃんに影響しますか?
父親の年齢が高くなると、精子ができる過程のコピーの誤りによって、赤ちゃんに新生突然変異が生じる可能性が高くなります。研究では、子どもの新生突然変異の数は父親の年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増えていました。当院のダイヤモンドプランでは56遺伝子、インペリアルプランでは最大155遺伝子の新生突然変異を調べられます。
Q7. 陰性であれば、赤ちゃんは健康に生まれてきますか?
陰性は「調べた範囲では可能性が低い」という意味で、健康の保証ではありません。体のつくりの異常そのもの、均衡型転座、脆弱X症候群などのリピート病、プランの対象外の遺伝子の病気などはNIPTでは分かりません。妊娠中の超音波検査もあわせて受けてください。
Q8. NIPTで陽性が出たらどうなりますか?
NIPTは確定検査ではないため、羊水検査や絨毛検査で確かめます。当院では陽性のカウンセリングは何度でも無料で、2025年6月から羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。羊水検査の費用は互助会(カトレア会)で上限なく補助されます。
関連記事
参考文献
- [1] Hassold T, Hunt P. To err (meiotically) is human: the genesis of human aneuploidy. Nat Rev Genet. 2001;2(4):280-291. [DOI 10.1038/35066065]
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。検査の選び方や結果については、臨床遺伝専門医にご相談ください。






