目次
「NIPTの結果はいつわかるのだろう」と、採血を終えた日から日数を数える方は少なくありません。当院のNIPTでは、結果は基本的に検体が検査会社に届いてから10〜14日で出ます。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。陰性の結果はマイページでお知らせし、休診日や連休中でも結果が出しだいお届けしています。この記事では、結果が届くまでの流れと、結果の紙の見方を順に説明します。陰性・陽性・再検査のときに、それぞれ何が書かれていて、次に何をすればよいかまでを、臨床遺伝専門医の立場から書きました。
- ➤NIPTの結果が出るまでの日数(プラン別)と、結果の届き方
- ➤結果の紙で最初に確かめたい3つのこと(調べた範囲・胎児分画・項目ごとの判定)
- ➤「陰性」「陽性」「再検査」と書かれていたときの意味と、次にすること
- ➤当院ではなぜ「判定保留」と呼ばずに「再検査(再採血)」と呼ぶのか
- ➤陰性でも、自閉症・発達障害の心配がすべてなくなるわけではない理由
⏱️ 30秒でわかる要約
📅 Q. NIPTの結果はいつわかりますか?
当院では基本的に、検体が検査会社に届いてから10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。陰性の結果はマイページでお知らせし、休診日や連休中でも結果が出しだいお届けします。
📄 Q. 結果の紙は、どこを見ればいいですか?
まず①どのプランで何を調べたか ②胎児分画(赤ちゃん由来のDNAの割合)の値 ③項目ごとの判定の3つを確かめてください。「陰性」は、調べた項目についてだけの結果です。
✅ Q. 陰性なら、もう安心してよいですか?
調べた病気については可能性が低いという意味です。ただし偽陰性(見逃し)はまれですが可能性があり、体のつくりの異常は血液検査ではわかりません。妊婦健診の超音波検査は、これまでどおり続けてください。
🔄 Q. 「再検査」と言われたら、赤ちゃんに異常があるのですか?
多くは、血液中の赤ちゃん由来のDNAが足りなかったという意味で、もう一度採血して調べ直します。当院ではこれを「判定保留」とは呼ばず、当院のNIPTの判定保留は0%です。
🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、プランによって自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。ただし、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。
\ 結果が出たあとの流れまで確かめて、検査を選びたい方へ /
陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
まだどのプランにするか決めていない方は、調べられる範囲と費用を比べたページからご覧ください:NIPTの費用・料金(プラン別) | 東京・北青山のミネルバクリニックのNIPT
NIPTの結果はいつわかる? ― 何日後に、どう届くか
NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの断片を調べる検査です。採血した血液は検査会社に送られ、そこで解析されます。そのため、結果が出るまでの日数は、検体が検査会社に届いてから何日かで考えます。当院では、結果は基本的に10〜14日で出ます。
「もっと早く知りたい」という気持ちは自然なものです。そのうえで当院は、生涯にかかわる検査だからこそ、短い日数で結果を出すことより、結果が正確であることを大切にしています。結果の日数を比べるときは、何を調べた結果なのか、陽性のときに次に何ができるのかまで、あわせて確かめていただきたいと考えています。
結果が出るまでの日数(プラン別)
日数はプランによって少し違います。いちばん大きな違いは、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかることです。ダイヤモンドプランは、単一遺伝子も含めて10〜14日です。
📅 当院のNIPT:プラン別の検査内容と結果までの目安
| プラン | 主に調べる範囲 | 結果までの目安 |
|---|---|---|
| スタンダード | 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患(単胎・双胎) | 10〜14日 |
| プレミアム | 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患(単胎のみ) | 10〜14日 |
| ダイヤモンド | プレミアムの範囲+単一遺伝子(新しく起こる遺伝子の変化)56遺伝子(単胎のみ) | 10〜14日(単一遺伝子も同じ) |
| 双子マックス | 全常染色体(1〜22番)の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常(単胎・双胎) | 10〜14日 |
| インペリアル | 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子 最大155遺伝子(202疾患)(単胎のみ) | 単一遺伝子の結果は3〜4週間 |
※日数は、検体が検査会社に届いてからの目安です(2026年10月時点)。料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。
予約から結果までの流れは、次のとおりです。陽性だった場合も、確定検査まで当院の中で進められます。
結果はマイページに届く ― 休診日・連休中も
陰性の結果は、患者さん専用のマイページでお知らせします。マイページでは、検査がいまどの段階まで進んでいるかの確認や、結果の確認ができ、当院へ直接メッセージを送ることもできます。結果を聞くためだけに、体調の変わりやすい妊娠中に来院する必要はありません。
当院は、休診日やゴールデンウィーク・年末年始でも、検査結果が出しだいマイページへお届けしています。連休に採血が重なったときの流れは、休診日でもNIPTの検査結果をお届けする仕組みで詳しく説明しています。
陽性だった場合は、結果の意味と次の手順を、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明します。陽性後の遺伝カウンセリングは、何度でも無料です。
予定より日数がかかるとき
結果までの日数が延びる理由で多いのは、血液中の赤ちゃん由来のDNAが足りず、もう一度採血して調べ直す(再検査)ことになった場合です。再採血のぶん、結果が出るのは後になります。再検査になる理由とその意味は、このあとの「再検査」と言われたらで説明します。結果を待つ間の不安や、結果が遅いと感じるときの考え方は、NIPT結果待ちが不安な方へにまとめています。
結果の紙の見方 ― 最初に確かめる3つのこと
結果の紙を開いたら、「陰性」「陽性」の文字だけを見る前に、次の3つを順に確かめてください。この3つで、その結果が何について、どこまで言えるのかがわかります。
① どのプランで、何を調べたか
NIPTの結果は、調べた項目についてだけのものです。たとえば13・18・21トリソミーだけを調べた結果が陰性でも、微小欠失症候群や単一遺伝子の病気については何も言えません。受けたプランで調べた範囲は、上の表で確かめられます。結果の紙に並んでいる項目が、そのまま「否定できた範囲」です。
② 胎児分画(FF)の値
胎児分画(たいじぶんかく)とは、お母さんの血液中を流れるDNAのうち、赤ちゃん由来のDNAが占める割合のことです[1]。NIPTを正確に行うには、この割合が一定以上必要です。米国産婦人科学会は、必要な最低の値を多くの場合おおよそ2〜4%としています[1]。
当院では、すべての検査結果報告書に胎児分画の値を明記しています。ご自身の検査が、どれくらいの胎児分画で行われたのかを確かめられるようにするためです。当院のNIPTで求めている胎児分画の基準は、検査会社がそれぞれ正確さを保証できる値として決めているもので、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドは3%、インペリアル・双子マックスは3.5%です。基準に届かないときは、結果を出さずに再採血になります。
💡 用語解説:胎児分画(FF:Fetal Fraction)
お母さんの血液中を流れているDNA(セルフリーDNA)のうち、赤ちゃん由来のものが占める割合です。赤ちゃん由来とされるDNAは、実際には胎盤の細胞(栄養膜細胞)から血液中に出てきたものです[1]。値が低すぎると、調べたい染色体の変化を正しく見分けられなくなるため、検査ごとに基準の値が決められています。詳しくは胎児分画が低いとどうなる?で解説しています。
③ 項目ごとの判定
最後に、調べた項目ごとの判定を見ます。判定は大きく「陰性(可能性が低い)」と「陽性(可能性が高い)」に分かれます。「陽性」は診断ではなく、確定検査で確かめる必要があるという意味です。それぞれの意味は、次の章から順に説明します。出生前検査で使う用語の読み方は出生前診断の読み方と専門用語解説に、「陽性的中率」という用語の意味は陽性的中率(PPV)にまとめています。
「陰性」と書かれていたら ― 安心してよい範囲
陰性は、調べた病気については、赤ちゃんがその病気である可能性が低いという意味です。21トリソミー(ダウン症候群)などについて、NIPTは高い精度をもつ検査です。単胎妊娠を対象にした研究をまとめた解析(メタ解析)では、21トリソミーの検出率は99.7%、偽陽性率は0.04%でした[2]。
ただし、陰性は「赤ちゃんに何の病気もない」という保証ではありません。米国産婦人科学会も、スクリーニング検査で陰性でも、赤ちゃんが病気をもっていないとは言い切れないことを、検査前に説明するよう求めています[1]。理由は次の3つです。
偽陰性(見逃し)は、まれですが起こりえます
NIPTが調べている赤ちゃん由来のDNAは、胎盤の細胞から出てきたものです[1]。そのため、胎盤と赤ちゃんの染色体が一致しない「胎盤限局性モザイク」があると、結果が赤ちゃんの実際と食い違うことがあります。胎盤で異常のある細胞がわずかしかない場合に、本当は病気があるのに陰性と出る(偽陰性)ことも知られています[1]。偽陰性はまれですが、可能性はあります。しくみは胎盤限局性モザイクが偽陽性・偽陰性を起こすしくみとNIPTの偽陰性で、実際に陰性だったのにダウン症候群のお子さんが生まれた事例はNIPT陰性でもダウン症出産となった20代女性の事例で紹介しています。
調べていない病気は、陰性という結果からは何も言えません
陰性と書かれているのは、調べた項目についてだけです。プランに入っていない病気や、遺伝子・染色体以外の原因については、陰性という結果から何も言えません。どこまで調べたかは、結果の紙と受けたプランで確かめてください。
体のつくりの異常は、血液検査ではわかりません
心臓の形の異常や口唇口蓋裂のような「体のつくり」の異常は、NIPTではわかりません。米国産婦人科学会は、すべての妊婦さんに、妊娠中期の超音波検査で体のつくりの異常を確かめる機会を提供するよう勧めています[1]。陰性の結果を受け取ったあとも、妊婦健診の超音波検査はこれまでどおり続けてください。
🩺 院長コラム【「陰性」の紙を、どこまで信じてよいか】
陰性の結果は、大きな安心材料です。そのうえで、臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、「どの検査で、何を調べ、何を調べていないか」を正しく知っていただくことです。陰性という1行の後ろには、受けたプランで調べた病気のリストがあります。そのリストの外にあることについて、陰性という結果は何も保証していません。
検査の限界を知ることは、検査を疑うためではなく、結果を正しく使うためにあると考えています。陰性の結果を受け取ったら、結果の紙で調べた範囲を一度確かめ、妊婦健診の超音波検査は続ける。それが、NIPTの陰性をいちばん確かな形で生かす方法だと考えています。
「陽性」と書かれていたら ― まず何をするか
陽性は、「その病気の可能性が高い」という意味で、診断ではありません。NIPTはスクリーニング検査で、確定検査とは別のものです。米国産婦人科学会は、スクリーニング検査の結果だけで重大な判断をしないこと、陽性の場合は遺伝カウンセリングと詳しい超音波検査を受け、確定検査で確かめる機会を持つことを求めています[1]。
陽性のときに本当にその病気である確率(陽性的中率)は、病気の種類やプラン、お母さんの年齢によって違います。たとえば微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。陽性的中率が数字としてどのような意味を持つかはNIPTで陽性・陰性と言われたら?確率の意味で、精度の全体像はNIPTの精度で、微小欠失の陽性的中率はNIPT微小欠失の陽性的中率で詳しく説明しています。
確定検査で確かめる ― 当院では院内で受けられます
陽性のときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。微小欠失・重複が陽性になった場合は、染色体の微細な欠失・重複を調べる染色体マイクロアレイ検査が必要になることがあるため、結果までの日数は分けてお伝えしています。
確定検査の費用は、NIPTを受ける方全員が加入する羊水検査互助会(カトレア会)で補助され、補助の上限はありません。陽性後の遺伝カウンセリングも何度でも無料です。陽性と言われたあと、何を・いつまでに・どの順番で進めるかはNIPTで陽性だったらどうする?に、確定検査そのものの説明は羊水検査・絨毛検査のページにまとめています。
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「再検査」と言われたら ― 当院が「判定保留」と呼ばない理由
「再検査(再採血)」は、多くの場合、血液中の赤ちゃん由来のDNA(胎児分画)が基準に届かなかったという意味です。もう一度採血して、調べ直します。
「判定保留」と「再検査」の違い
論文や他の施設では、胎児分画が足りずに結果が出なかった場合も含めて「判定保留(No-Call)」と呼ぶことが多くあります。当院では、胎児分画が足りないときは結果を出さずに「再検査(再採血)」とし、これを判定保留とは呼びません。当院のNIPTの判定保留は0%です。ほかの施設で「判定保留」と言われた場合の考え方は、NIPTの判定保留とはで説明しています。
再検査になりやすいとき
米国産婦人科学会は、胎児分画が低くなりやすい条件として、妊娠週数が早いこと(9〜10週未満)、お母さんの体重が重いこと、低分子ヘパリンなどの薬を挙げています[1]。妊娠11〜13週の妊婦さん1,949人を調べた研究では、胎児分画はお母さんの体重が増えるほど低くなり(60kgで11.7%、160kgで3.9%)、赤ちゃんの頭殿長(頭からお尻までの長さ)が大きいほど高くなっていました[4]。
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。週数が早いほど赤ちゃん由来のDNAが少なく、再検査になることがあります。当院のデータでは、妊娠8週で受けた場合の再検査率は約5%です。何週で受けるのがよいかはNIPTは何週がベスト?で、ヘパリンを使っている方の注意点はヘパリン注射とNIPTで解説しています。
再検査は、結果を確かめる大切な機会です
再検査になったことは、赤ちゃんに異常があるという意味ではありません。ただし、結果が出なかったこと自体を軽く考えないことも大切です。妊娠10〜14週の単胎妊娠10,698人を調べた研究では、1回目の採血で結果が出なかった割合は、病気のない赤ちゃんで2.9%、18トリソミーで8.0%、13トリソミーで6.3%でした[3]。米国産婦人科学会も、結果が出なかった方には、染色体の数の異常の可能性がやや高くなることを伝え、遺伝カウンセリングや詳しい超音波検査、確定検査の機会を提供するよう求めています[1]。再検査になったら、再採血の結果とあわせて、超音波検査の所見も確かめていくことが大切です。
再検査が必要になったのに、それまでに流産して再検査ができず、結果が出なかった場合には、NIPTを受ける方全員が加入する安心検査結果保障制度で、検査代金(諸費用を除く)を返金します。結果が出ない原因と対処法はNIPT結果が出ない原因と対処法にまとめています。
🩺 院長コラム【再検査は「やり直し」ではなく、正確さを守るしくみ】
再検査と言われると、待つ日数が延びることに加えて、「何か悪いことが見つかったのでは」と心配になるものです。けれども、胎児分画が基準に届かないまま無理に結果を出すことのほうが、見逃しにつながると考えています。基準を満たした血液で調べ直すことは、結果の正確さを守るための手順です。
一方で、結果が出なかったことには医学的な意味もあり、18トリソミーや13トリソミーでは結果が出にくいことが報告されています。だからこそ、再検査は「やり直して終わり」にせず、再採血の結果と超音波検査の所見をあわせて確かめることが大切だと考えています。
陰性なら自閉症・発達障害の心配はない? ― NIPTでわかる範囲
お子さんの発達について心配するのは、自然なことです。自閉症・発達障害・知的障害の原因はさまざまで、その一部は染色体や遺伝子の変化が原因だとわかっています。原因のわからない発達の遅れや知的障害、自閉スペクトラム症、複数の先天異常のある方を対象にした研究では、染色体の微細な欠失・重複を調べるマイクロアレイ検査で、15〜20%に原因が見つかりました[5]。
当院のNIPTは、こうした原因の一部を、生まれる前に調べられます。一部の自閉症・発達障害・知的障害は、当院のNIPTでわかります。プランごとに調べられる主な病気は次のとおりです。
🧩 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気(プラン別)
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 主な病気 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 6種類7疾患 | ― | 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群など |
| プレミアム | 12種類13疾患 | ― | スタンダードの病気に加え、ジェイコブセン症候群など |
| ダイヤモンド | 12種類13疾患 | 56遺伝子 | 上の病気に加え、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など |
| 双子マックス | 92種類+5Mbを超える構造異常 | ― | 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、16p11.2欠失・重複など |
| インペリアル | 92種類+5Mbを超える構造異常 | 最大155遺伝子(202疾患) | 上の病気に加え、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など |
※ここに挙げた病気は、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気の例です。症状の出方や重さは人によって大きく異なり、検査で予測することはできません。
一方で、正直にお伝えしなければならない限界もあります。
- ➤陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。原因の多くは、NIPTで調べる範囲の外にあります。
- ➤脆弱X症候群など、NIPTでは調べられない原因もあります。
- ➤陽性の場合は確定検査が必要です(当院は院内で実施)。微小欠失・重複は、陽性的中率が数の異常より低めです。
- ➤病気がわかっても、症状の重さまでは予測できません。
多くのお子さんには、ここに挙げた病気はあてはまりません。そのうえで、どこまで調べておきたいかを考える材料にしていただければと思います。自閉症とNIPTの関係は自閉症はNIPTでわかりますか?で詳しく解説しています。
\ 結果の紙に載る「調べた範囲」から、検査を選びたい方へ /
当院のNIPTでは、プランによって微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられ、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因もわかります。
まだどのプランにするか決めていない方は、調べる範囲の広いプランのページからご覧ください:ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン
検査は「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ ― 1つの病気あたりで考えると
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[6]。そして、子育てのストレスと最も一貫して関係していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷といった「行動の問題」でした(睡眠の問題との関係も報告されています)[6]。自傷はコルネリア・デ・ランゲ症候群、スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群などで、他人への攻撃的な行動はアンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群で多いことがわかっています[7]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。
ここに挙げた病気は、当院のNIPTで調べられます。スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群はすべてのプランで、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプランとインペリアルプランで、ウィリアムズ症候群はインペリアルプランと双子マックスプランで調べられます。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
| プラン | 主に調べる範囲 | 数えた病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーだけを調べる検査 (仮に10万円とした場合) |
13・18・21トリソミー | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード(220,000円) | 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム(264,000円) | 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド(407,000円) | プレミアムの範囲+単一遺伝子56 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス(440,000円) | 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル(550,000円) | 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 | 320+α | 約1,719円 |
※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※「三大トリソミーだけを調べる検査」は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
ただし、病気の数が多いほどよい検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。結果の紙に何が載り、陽性のときに何が起こるかまで含めて、検査前の遺伝カウンセリングでプランを選んでいただくことが大切だと考えています。施設を選ぶときに確かめたいことは、NIPTクリニックの選び方にまとめています。
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🏥 結果を受け取ったあとまで見通して、NIPTを選ぶために
90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. NIPTの結果は何日後にわかりますか?
当院では基本的に、検体が検査会社に届いてから10〜14日で結果が出ます。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。ダイヤモンドプランは単一遺伝子も含めて10〜14日です。胎児分画が足りず再採血になった場合は、そのぶん後になります。
Q2. 土日や連休中でも結果は届きますか?
はい。当院では、休診日やゴールデンウィーク・年末年始でも、検査結果が出しだいマイページへお届けしています。マイページでは、検査の進み具合の確認や、当院へのメッセージの送信もできます。
Q3. 結果はどうやって届きますか?陽性のときはどうなりますか?
陰性の結果は、患者さん専用のマイページでお知らせします。陽性の場合は、結果の意味と次の手順を臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明します。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。
Q4. 陰性なら、もう安心してよいですか?
陰性は、調べた病気については可能性が低いという意味です。ただし、胎盤と赤ちゃんの染色体が一致しないことなどによる偽陰性はまれですが可能性があり、プランで調べていない病気や体のつくりの異常については何も言えません。陰性の結果を受け取ったあとも、妊婦健診の超音波検査は続けてください。
Q5. 「再検査」と言われました。赤ちゃんに異常があるということですか?
多くは、血液中の赤ちゃん由来のDNA(胎児分画)が基準に届かなかったという意味で、もう一度採血して調べ直します。当院ではこれを判定保留とは呼ばず、当院のNIPTの判定保留は0%です。ただし、結果が出なかった場合は18トリソミーや13トリソミーの割合がやや高いと報告されているため、再採血の結果とあわせて超音波検査の所見も確かめることが大切です。
Q6. 結果の紙にある「胎児分画」とは何ですか?
お母さんの血液中を流れるDNAのうち、赤ちゃん由来のDNAが占める割合です。この割合が低すぎると正確に判定できないため、当院ではすべての検査結果報告書に胎児分画の値を明記しています。当院のNIPTでは、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンドは3%、インペリアル・双子マックスは3.5%を基準にしています。
Q7. NIPTが陰性なら、自閉症や発達障害の心配はありませんか?
そうとは言えません。当院のNIPTは、プランによって自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられますが、原因の多くはNIPTで調べる範囲の外にあります。陰性は、調べた病気についての結果です。
Q8. 陽性だったら、まず何をすればよいですか?
陽性は診断ではないため、まず確定検査で本当にそうかを確かめることが大切です。当院では確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。確定検査の費用は羊水検査互助会で補助され、補助の上限はありません。
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参考文献
- [1] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed 32804883]
- [2] Gil MM, Accurti V, Santacruz B, et al. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [DOI 10.1002/uog.17484]
- [3] Revello R, Sarno L, Ispas A, et al. Screening for trisomies by cell-free DNA testing of maternal blood: consequences of a failed result. Ultrasound Obstet Gynecol. 2016;47(6):698-704. [DOI 10.1002/uog.15851]
- [4] Ashoor G, Syngelaki A, Poon LCY, et al. Fetal fraction in maternal plasma cell-free DNA at 11-13 weeks’ gestation: relation to maternal and fetal characteristics. Ultrasound Obstet Gynecol. 2013;41(1):26-32. [DOI 10.1002/uog.12331]
- [5] Miller DT, Adam MP, Aradhya S, et al. Consensus statement: chromosomal microarray is a first-tier clinical diagnostic test for individuals with developmental disabilities or congenital anomalies. Am J Hum Genet. 2010;86(5):749-764. [PubMed 20466091]
- [6] Fitzgerald J, Gallagher L. Parental stress and adjustment in the context of rare genetic syndromes: A scoping review. J Intellect Disabil. 2022;26(2):522-544. [PubMed 33866895]
- [7] Arron K, Oliver C, Moss J, et al. The prevalence and phenomenology of self-injurious and aggressive behaviour in genetic syndromes. J Intellect Disabil Res. 2011;55(2):109-120. [DOI 10.1111/j.1365-2788.2010.01337.x]
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。料金・日数などは2026年10月時点の内容です。






