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NIPTには種類がある?検査でわかることや精度を解説

NIPTには種類があることをご存じでしょうか。どの医療機関で受けても基本検査として21トリソミーダウン症)、18トリソミーエドワーズ症候群)、13トリソミー(パト―症候群)の3種類を調べることができますが、それ以外の染色体異常を検出している施設もあります。また、NIPTの精度も検査機関によって異なり、偽陰性や偽陽性の確率が施設によって違う場合も。

今回の記事ではNIPTでわかることや種類について、さまざまなNIPTを提供しているミネルバクリニックの例をあげて解説します。

NIPTとは

NIPTは新型出生前診断のことで、妊娠中に21トリソミー(ダウン症)などの胎児の染色体異常を調べる検査です。NIPTは母体の採血のみで検査することができ、妊娠の早期から実施することができます。また、従来の出生前診断よりも高精度です。

母体の採血のみで検査することができる

NIPTは母体の採血のみで実施できる検査で、母体の負担が少なく、流産を引き起こすリスクがありません。一方、確定検査羊水検査絨毛検査は母親の腹部に針を刺すため、確率は低いものの流産のリスクがあります。そのリスクは絨毛検査で1%程度、羊水検査で0.2〜0.3%程度です。
また、流産の他に破水、出血、子宮内感染、早産、羊水塞栓症、穿刺による血管や腸管出血などの母体障害のリスクがあります。NIPTは母体障害のリスクもなく、妊婦さんは安心して受けられます。

従来の出生前診断よりも精度が高い

NIPTはあくまでも非確定検査ではあるものの、非常に検査精度が高いです。

検査の種類 NIPT コンバインド検査 母体血清マーカー
感度 99% 83% 80%

40歳でダウン症の検査をすると、母体血清マーカー検査の感度が80%、コンバインド検査では83%の感度でした。一方、NIPTの感度は99%と高精度です。非確定検査であるため、陽性となった場合は確定検査を受けることが一般的です。NIPTは母体への負担も少なく精度が高いため、確定検査を受ける前のスクリーニング検査として最適と考えられます。

妊娠初期に検査を受けられる

NIPTは妊娠9〜10週から受けられます。非確定検査の中でもコンバインド検査は、超音波を併用するため胎児が大きくなってくる妊娠11〜13週、母体血清マーカー検査は妊娠15~17週の受検が可能です。NIPTは他の検査と比較して早い時期から検査できます。

早めに受検することで、もしも陽性だった場合でも、その後の対応を検討する余裕を持つことができます。情報収集をしたり、場合によっては人工妊娠中絶を検討したりすることもあるかもしれません。

今後について考える時間を長く持てることは大きなメリットとなるでしょう。

NIPTでわかるのは3種類の疾患?

NIPTを受けるとどの染色体異常がわかるのか、疑問に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パトー症候群)は基本検査として調べられますが、その他の染色体異常についても調べられる施設もあります。どこまで調べたいかによって、NIPTを受検する施設の選択肢が変わります。

認証施設でわかること

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つを調べられる基本検査を受けることができます。それ以外の染色体異常や性別は調べることができません。

認証施設では臨床遺伝専門医遺伝カウンセラーが在籍し、検査の前後に遺伝カウンセリングを受けることが必須で、夫婦同伴で受けることを条件とされていることも多いです。また、認証施設は医師の予約、紹介が必要であることも多く、かかりつけの方のみ、分娩予約の方のみ、など指定がある場合もあります。

非認証施設でわかること

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの3つを調べる基本検査はもちろん、その他の染色体異常の有無を調べられることが多いです。
調べられる染色体異常の種類は施設によって異なりますが、ミネルバクリニックでは性染色体、全ての染色体、両親由来の遺伝子変異などを検査できます。全染色体検査では、遺伝子欠失微小欠失、重複、基本検査で調べられるトリソミー以外のトリソミーなど、さまざまな種類の異常が検出可能です。自分たちがどこまで調べたいか検討し、受検する場所の選択が必要となるでしょう。

NIPTを受けられる妊婦さんの条件

日本産科婦人科学会倫理委員会が出している母体血を用いた出生前遺伝学的検査(NIPT)に関する指針には以下の条件が示されています。認証施設ではどれか1つでも当てはまる人が対象で、予約枠も少ないことが多いです。

1.胎児超音波検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者
2.母体血清マーカー検査で、胎児が染色体数的異常を有する可能性が示唆された者
3.染色体数的異常を有する児を妊娠した既往のある者
4.高年齢の妊婦
5.両親のいずれかが均衡型ロバートソン転座を有していて、胎児が13トリソミーまたは21トリソミーとなる可能性が示唆される者

非認証施設では受けられる妊婦さんの条件は特になく、誰でも受けることができます。年齢の制限もありません。

ミネルバクリニックのNIPTの種類

ミネルバクリニックで提供しているNIPTの種類は多彩です。21トリソミー(ダウン症)、18トリソミー(エドワーズ症候群)、13トリソミー(パト―症候群)はもちろん、性染色体、全染色体検査による微小欠失や重複、両親由来の遺伝疾患など、さまざまな種類の染色体異常を検出することが可能です。

スーパーNIPTベーシック

21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーを調べられる基本検査です。第3世代の新しいNIPTであり、偽陰性が報告なしの0%で、21トリソミー、18トリソミーの陽性的中率も100%です。

第1世代や第2世代では母子のDNAをサイズでしか区別して測定できませんが、第3世代のスーパーNIPTはDNAのメチル化を指標することで、より正確に区別して測定できます。第3世代NIPTは、イルミナ社が現在行っているVeriseq2の約2.5倍の設備投資と高い技術力が必要な検査方法で、世界特許の技術が使われています。
スーパーNIPTについて詳しくはこちら

カリオセブン

染色体の全領域を調べることができる検査です。異数性と染色体構造異常を染色体の全領域から分析するため、従来では検出できなかった染色体異常までわかり、赤ちゃんが生まれるときの約99.1%の染色体異常を検出できます。9種の微小欠失症候群も検査可能で、羊水検査に匹敵するといえるでしょう。

染色体の小さな欠失や重複が子どもの障害に関係していることがわかっていますが、欠失や重複の部位や大きさによってあらわれる症状が異なります。臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングで結果を正しく解釈してお伝えしています。

オプションメニュー

スーパーNIPTベーシックと、カリオセブンを基本として、他に3つのオプションをつけることが可能です。

オプションは「プラス」「ジーンプラス」「デノボ」があります。プラスは微小欠失4つを調べる検査です。ジーンプラスは微小欠失4種類に加え、両親由来の100種類の遺伝子変異を検出します。常染色体劣性遺伝をする遺伝子や赤ちゃんに新しく起こった突然変異を調べられます。

また、デノボは精子の突然変異などで起こる父方由来の44の遺伝子疾患がわかる検査です。以前は妊娠後期にしかわからなかったのですが、早期に発見することが可能です。

NIPTを受ける医療機関選びのポイント

NIPTを提供している医療機関は増えていますが、その内容は施設によりさまざまです。検査だけ実施してる施設もあれば、フォロー体制をしっかり提供している施設も。自分にとって負担の少ない、安心できる場所を選ぶのが重要です。ここでは医療機関選びのポイントについて解説します。

通う頻度、自宅からの距離

NIPTの受検時期は妊娠初期で、多くの妊婦さんはつわりの酷い時期に当たります。そこで大切になるのが通う頻度や自宅からの距離です。
認証施設の場合、遺伝カウンセリングが必須のため3回は病院へ行かなければなりません。非認証施設では特に通院回数の決まりはなく、その方の要望に応じた対応も可能です。

また、つわりなどで体がつらいときに長距離の通院は負担になる可能性が大きく、自宅からの距離は近いことが理想的です。近年では認証施設やその連携施設が増えているものの、自宅から離れた施設しか選択肢がないケースもあるかもしれません。

一方、非認証施設はオンラインでの受検ができる施設もあり、近くに施設がない方、そうでなくても通院の負担を軽減したい方は検討してみるのもよいでしょう。

遺伝カウンセリング実施の有無

認証施設では検査の前後に必ず遺伝カウンセリングを受けますが、非認証施設では受けられない場合もあります。NIPTの意味を理解していなかったり、自分たちの受検の目的をしっかり検討していなかったりすると、陽性判定が出てしまった場合にパニックになることもあるかもしれません。フォロー体制が整っている施設では相談ができますが、体制が整ってない場合は正常な判断ができなくなってしまうことも考えられます。

遺伝カウンセリングを実施できる専門家が在籍している医療機関かどうかを事前に確認しておく方が安心です。

アフターフォローの内容

認証施設では検査後の遺伝カウンセリングが必ず実施されており、陽性だった場合は確定検査を受ける施設も決まっています。また、羊水検査の料金がNIPTに含まれている場合もあります。非認証施設では陽性だったとしても結果だけメールで送られて、その後のフォローは何もないことも。その場合、確定検査を受ける病院探しに苦労してしまうケースもあります。

非認証施設でも、結果が陽性のときに確定検査を受けられる病院を紹介してくれたり、羊水検査の料金を一部または全部負担してくれたりするところもあります。NIPTを安心して受けるために、アフターフォローの内容を確認しておくことが非常に重要です。

まとめ

今回はNIPTの種類について解説しました。ミネルバクリニックでは、21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの基本検査はもちろん、性染色体、全染色体、両親由来の遺伝子疾患などさまざまな種類の染色体異常を検出できる検査を提供しています。

ミネルバクリニックではオンライン診療を実施しており、遠方の方も受けることができます。陽性だった場合は確定検査を受けられる医療機関を紹介しており、羊水検査の費用を最大15万円まで負担。また、24時間いつでも専門家に相談できる体制を整えており、アフターフォローも充実しています。安心してNIPTを受けることができるミネルバクリニックをぜひご検討されてはいかがでしょうか。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会内科専門医、日本臨床腫瘍学会がん薬物療法専門医 (がん薬物療法専門医認定者名簿)、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医(臨床遺伝専門医名簿:東京都)として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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