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42歳の妊娠率と出産の限界・可能性|自然妊娠の確率、ダウン症確率・流産率と自閉症・発達障害

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

42歳前後の自然妊娠について、既知の不妊症がなく妊娠を試み始めた女性を追跡した前向き研究では、42〜44歳の1周期あたりの平均妊孕率は6.6%、12周期以内の累積妊娠率は48%でした。ただし42〜44歳群は14人と少なく、推定値には大きな幅があります。一方、体外受精では42歳で1回の治療から出産までたどり着くのは約5%です。妊娠できても約半数は流産に終わり、生まれる赤ちゃんがダウン症候群である頻度は約55人に1人まで上がります。ただし、裏を返せば42歳でも98%以上の赤ちゃんはダウン症候群ではありません。この記事では、42歳の妊娠・出産の確率を数字の出どころとあわせて整理し、妊娠がわかったときに考えたい出生前検査、そしてNIPTで調べられる一部の自閉症・発達障害の原因まで、臨床遺伝専門医の立場から解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🧬 高齢妊娠・染色体・NIPT
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤42歳の自然妊娠の確率と、体外受精の妊娠率・出産率(日本のデータ)
  • ➤42歳で妊娠しにくく、流産しやすくなる理由(卵子の染色体の変化)
  • ➤42歳のダウン症候群の確率(出生時と妊娠初期の違い)
  • ➤ダウン症候群以外に出生前検査で調べられる病気と、一部の自閉症・発達障害・知的障害
  • ➤父親の年齢とde novo変異(新生突然変異)、42歳での出産のリスク

⏱️ 30秒でわかる要約

📊 Q. 42歳の妊娠率はどのくらい?

既知の不妊症がない女性を追った前向き研究では、42〜44歳の1周期あたりの平均妊孕率は6.6%、12周期以内の累積妊娠率は48%でした。ただし、この年齢群は14人と少ないため幅のある推定値です。日本の体外受精では、42歳で1回の治療あたり出産に至ったのは5.4%です。

🔎 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題です。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

🩸 Q. 42歳の流産率は?

日本の体外受精のデータでは、42歳の妊娠の43.2%が流産に終わっています。原因の多くは、受精の時点で決まっていた赤ちゃん側の染色体の変化です。

🧬 Q. 42歳で出産したときのダウン症候群の確率は?

出生時の頻度は約55人に1人(約1.8%)です。NIPTを受ける妊娠初期の時点では、これより高い頻度になります。

🌱 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。ただし、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /

📅 NIPTを予約する

当院のNIPTは、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。
NIPTのプランを見る | オンラインNIPT

42歳の妊娠率は?自然妊娠と体外受精の確率

「42歳の妊娠率」と一口にいっても、自然妊娠を試みた場合の確率と、体外受精を1回行った場合の確率では、数字の意味がまったく違います。さらに、「妊娠した割合」と「出産まで至った割合」も区別して見る必要があります。42歳では妊娠しても流産になる割合が高いため、この2つの差が大きくなるからです。

自然妊娠の確率:42〜44歳では1周期6.6%、12周期で48%

42歳により近いデータとして、30〜44歳で、既知の不妊症・多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)・子宮内膜症がなく、妊娠を試み始めて3か月以内の女性を追跡した前向き研究があります。42〜44歳の女性では、1周期あたりの平均妊孕率は6.6%(95%信頼区間2.7〜15.8%)、6周期以内の累積妊娠率は29%(10〜65%)、12周期以内では48%(24〜80%)でした[24]。30〜31歳では1周期あたり19.5%、12周期以内87%だったため、年齢とともに自然妊娠の確率が低下することが示されています。

ただし、42〜44歳群は14人と少なく、95%信頼区間も広いため、48%を「42歳なら1年で48%妊娠する」という確定的な数字として扱うことはできません。また、この研究の「妊娠」は妊娠検査薬が陽性になったことを指し、その後の流産も含みます。一方、不妊診療施設を受診した35歳以上の女性を対象とした個人データメタ解析では、42歳の自然妊娠による継続妊娠率は6か月で8%(95%信頼区間4〜11%)、12か月で13%(7〜18%)と推定されています[25]。対象集団と評価項目が異なるため数字には差があり、42歳の自然妊娠率は「どのような女性を対象に、妊娠成立と継続妊娠のどちらを数えたか」を確認して読む必要があります。

体外受精の妊娠率・出産率(日本のデータ)

日本産科婦人科学会が集計した2022年の体外受精の成績を、年齢ごとに見ると次のとおりです[2]。42歳では、胚移植1回あたりの妊娠率は22.2%ですが、採卵を含む治療1回あたりで出産に至ったのは5.4%でした。移植できる胚が得られない周期があること、妊娠しても流産が多いことが、この差の理由です。

📊 年齢別の体外受精の成績(日本・2022年)

年齢 胚移植あたり妊娠率 治療1回あたり出産率 妊娠のうち流産した割合
35歳 43.9% 19.8% 21.5%
40歳 31.3% 10.8% 32.6%
41歳 27.4% 8.0% 37.5%
42歳 22.2% 5.4% 43.2%
43歳 18.2% 4.2% 47.3%
44歳 13.8% 2.6% 51.7%

出典:日本産科婦人科学会「2022年 体外受精・胚移植等の臨床実施成績」[2]。治療1回あたり出産率は、採卵を始めた周期を分母にした数字です。

40歳から42歳までの2年間で、治療1回あたりの出産率は半分ほどに下がっています。42歳の不妊治療で「時間」が重く扱われるのはこのためで、「42歳の壁」と呼ばれることもあります。一方で、1回あたり5.4%という数字は、治療を重ねればゼロではない確率で出産に至ることも意味しています。体外受精の流れは体外受精とは?治療の流れや成功率で解説しています。

体外受精の保険適用は43歳未満・胚移植3回まで

日本では2022年4月から体外受精が保険適用になりました。対象は、治療開始時に女性の年齢が43歳未満であることで、40歳以上43歳未満で治療を始めた場合、胚移植は通算3回までです(40歳未満は通算6回まで)[3]。42歳は保険で治療を始められる最後の年齢にあたるため、治療を考えているなら早めに医療機関で相談することが大切です。回数の数え方や43歳以上の扱いは不妊治療の保険適用の条件は?年齢・回数の数え方をご覧ください。

経産婦(2人目・3人目)なら妊娠率は変わる?

「42歳 自然妊娠 経産婦」という検索が多いように、すでに出産経験がある方は「1人目のときのように妊娠できるのでは」と考えがちです。出産経験があることは、少なくとも過去に妊娠・出産できる体の条件がそろっていたことを示します。ただ、42歳で妊娠しにくくなる主な理由は、次の章で説明する卵子の染色体の変化で、これは出産経験の有無にかかわらず年齢とともに進みます。

そのため、出産経験があっても、卵子の加齢に伴う染色体異数性の増加そのものを避けられるわけではありません。一方、自然妊娠の成立については、過去の妊娠歴による差を示したデータがあります。前述の前向き研究では、42〜44歳で過去に妊娠歴がある女性は、1周期あたりの平均妊孕率8.9%、6周期以内43%、12周期以内54%でした。妊娠歴がない女性では、それぞれ3.2%、17%、33%でした[24]。ただし対象者は妊娠歴あり10人、妊娠歴なし4人と非常に少なく、「経産婦なら54%」と一般化できる数字ではありません。また、この研究は「出産歴」ではなく「妊娠歴」で分けた解析です。

💡 用語解説:妊孕率(にんようりつ)

1回の月経周期のあいだに妊娠する確率のことで、英語ではfecundabilityといいます。「1年以内に妊娠する割合」は、この1周期あたりの確率が12回分積み重なった結果です。年齢が上がると1周期あたりの確率が下がるため、同じ1年でも妊娠に至る割合が低くなります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【42歳の数字をどう読むか】

42歳の妊娠率や流産率を並べると、厳しい数字に見えると思います。ただ、これらは何万人という集団の平均で、一人ひとりの結果を決めるものではありません。同じ42歳でも卵巣に残っている卵子の数には個人差がありますし、パートナーの年齢や体の状態も違います。

臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、数字を「あきらめる理由」ではなく「順番を決める材料」として使うことです。妊娠を目指す時期には時間を意識して動き、妊娠がわかったら赤ちゃんの染色体について何を調べるかを考える。42歳は、この2つが同時にやってくる年齢です。私は、40代での子育てには気持ちや暮らしの余裕という良さもあると考えています。

42歳で自然妊娠できた人はいる?可能性を左右すること

42歳で自然妊娠する方は実際にいます。前の章の研究でも、40〜45歳の約半数が1年以内に妊娠していました[1]。では、自然妊娠しやすい人としにくい人の違いは何でしょうか。特定のサプリメントや生活習慣で決まるわけではなく、主に次のような条件の違いです。

一つ目は、卵巣に残っている卵子の量(卵巣予備能)です。卵子は生まれる前に一生分がつくられ、その後は減る一方です。卵巣予備能の目安になるのが血液検査のAMH(抗ミュラー管ホルモン)で、同じ年齢でも個人差が大きい値です。ただし、AMHが示すのは卵子の「数」の目安で、卵子の染色体が正常かどうか(「質」)はわかりません。

二つ目は、排卵が規則的に起きているかどうかです。40代になると月経周期が乱れて排卵のタイミングがつかみにくくなることがあり、基礎体温や排卵検査薬で排卵日を把握することが役立ちます。三つ目は、パートナーの精子の状態です。妊娠のしやすさは女性だけで決まるものではなく、精子の数や運動率も影響します。そして四つ目が、妊娠を目指し始める時期です。1周期あたりの確率が低い年齢ほど、試みる期間が短いことの影響が大きくなります。

こうした条件がそろっていても、42歳の自然妊娠には、次に説明する卵子の染色体の変化という壁があります。半年ほど試みて妊娠しない場合や、月経不順がある場合は、早めに生殖医療を行う医療機関で検査を受けることを考えてください。40代・50代の出産全般については40代・50代での高齢出産|自然妊娠の可能性でも解説しています。

なぜ42歳は妊娠しにくいのか:卵子の染色体の変化

42歳で妊娠しにくく、流産しやすくなる最大の理由は、子宮の環境ではなく、卵子の染色体の数の変化(異数性)が増えることです。ヒトの細胞には、2本ずつ23組、合計46本の染色体があります。卵子や精子がつくられるときには、この46本を23本に半分に分ける特別な細胞分裂(減数分裂)が行われます。

このとき染色体がうまく分かれないこと(染色体不分離)があると、染色体が1本多い、あるいは1本少ない卵子ができます。卵子の減数分裂は、お母さん自身が胎児だったころに始まり、排卵の直前まで数十年にわたって途中で止まった状態が続きます。年齢とともに、染色体をつなぎとめておく仕組みが弱まり、分配の誤りが起こりやすくなると考えられています。

体外受精で得られた胚盤胞1万5千個余りの染色体を調べた研究では、女性の年齢が上がるにつれて、染色体の数に変化のある胚の割合がはっきり増えることが示されました[4]。染色体の数が変化した胚の多くは、着床しない、あるいは着床しても早い時期に育たなくなります。これが、42歳で妊娠率が下がり、流産率が上がる仕組みです。詳しくはなぜ卵子で染色体異常(異数性)が起こるのか?で解説しています。

💡 用語解説:異数性(いすうせい)とトリソミー

異数性とは、染色体の本数が46本から1本多い、または少ない状態です。特定の染色体が1本多く3本ある状態をトリソミーといい、21番染色体のトリソミーがダウン症候群、18番が18トリソミー、13番が13トリソミーです。多くは親から受け継いだものではなく、卵子や精子ができるときに偶然起こります。

42歳の流産率:妊娠の約半数が流産に

デンマークの全国登録データで妊娠の経過を追った研究では、出産を予定していた妊娠のうち、42歳では半数以上が流産・死産に終わっていたと報告されています[5]。ノルウェーの42万件余りの妊娠を調べた研究でも、流産の割合は25〜29歳の10%が最も低く、30歳を過ぎると急に上がり、45歳以上では53%に達していました[6]。日本の体外受精のデータでも、42歳の妊娠の43.2%が流産に終わっています[2]。

この流産の多くは、前の章で説明した赤ちゃん(胚)の側の染色体の変化によるもので、受精の時点ですでに決まっていたことです。仕事や軽い運動、日常のストレスで起こるものではなく、お母さんの行動で防げたものではありません。また、妊娠検査薬で陽性になったあと、超音波で胎のうが確認される前に終わる化学流産は、こうした統計に含まれないことが多く、実際に終わる妊娠はさらに多いと考えられます。

ノルウェーの研究では、流産の経験があると次の妊娠での流産のリスクが上がることも示されています[6]。流産が2回以上続く場合は、年齢による偶然だけでなく、お母さん側の要因を調べる「不育症」の検査を考える段階になります。不育症の検査については不育症とは?知っておきたい基礎知識や検査方法をご覧ください。

42歳のダウン症の確率:出生時と妊娠初期で数字が違う

年齢とダウン症候群の確率を調べると、資料によって数字がばらばらに見えることがあります。その大きな理由は、「生まれた時点の頻度」と「妊娠初期(検査を受ける時期)の頻度」が混ざっていることです。ダウン症候群の赤ちゃんの一部は妊娠の途中で流産・死産となるため、妊娠初期の頻度は出生時より高くなります。ここでは2つを分けて示します。

出生時の頻度:42歳で約55人に1人

イングランドとウェールズのダウン症候群の登録データ(1989〜1998年)から、母体年齢ごとの出生時の頻度を推計した研究があります[7]。この研究の推計式で計算すると、42歳で出産した場合にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる頻度は約55人に1人(約1.8%)です。

🧬 出生時のダウン症候群の頻度(母体年齢別)

出産時の年齢 出生時の頻度 割合
40歳 約86人に1人 約1.2%
41歳 約68人に1人 約1.5%
42歳 約55人に1人 約1.8%
43歳 約46人に1人 約2.2%
44歳 約40人に1人 約2.5%

Morrisら(2002年)の推計式による出生時の頻度[7]。妊娠初期の頻度ではありません。ほかの年齢を含む一覧はダウン症胎児の流産メカニズムと自然流産率:母体年齢との関係で解説しています。

40歳から44歳まで、1歳ごとに頻度が上がっていくことがわかります。同時に、42歳でも98%以上の赤ちゃんはダウン症候群ではないという見方もできます。数字を確認するときは、両方の面を見ておくことが大切です。

妊娠初期(検査を受ける時期)の頻度はもっと高い

ダウン症候群の妊娠がその後どのくらい流産・死産になるかを調べた研究では、絨毛検査を受ける時期(妊娠11週前後)から出産までに、平均で32%が流産・死産となっていました。この割合は年齢とともに上がり、25歳の23%から45歳の44%まで増えていました。羊水検査を受ける時期(妊娠16週前後)からでは、平均25%でした[8]。

つまり、NIPTや絨毛検査を受ける妊娠初期の時点では、42歳のダウン症候群の頻度は出生時の約55人に1人より高くなります。「42歳で妊娠したら」と考えるときは妊娠初期の数字を、「42歳で出産したら」と考えるときは出生時の数字を見る、と覚えておくと混乱しにくくなります。体外受精での妊娠とダウン症候群の関係は凍結胚移植で障害児になる?ダウン症リスクの真実で解説しています。

42歳で妊娠がわかったら:出生前検査の時期と流れ

42歳での妊娠は、長い不妊治療の末にようやく授かった妊娠のこともあれば、予定していなかった妊娠のこともあります。どちらの場合でも、妊娠がわかった直後に考えておきたいのは、赤ちゃんの心拍が確認できるかと、赤ちゃんの染色体について何を、いつ調べるかの2つです。ここまで見てきたとおり、42歳では流産の割合も、赤ちゃんの染色体の数の変化の頻度も高いため、出生前検査を受けるかどうかを考える時期が早めにやってきます。

① 心拍の確認超音波で赤ちゃんの心拍と発育を確認
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② NIPT通常9週から(6〜8週は臨床研究)
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③ 陽性なら確定検査絨毛検査・羊水検査で診断を確定
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④ 結果をもとに考える遺伝カウンセリングで情報を整理

NIPT(新型出生前診断)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん(胎盤)由来のDNAの断片を調べるスクリーニング検査で、採血だけで受けられ、流産のリスクはありません。陽性の結果が出た場合は、絨毛検査や羊水検査で赤ちゃんの細胞を直接調べて、診断を確定させます。42歳では流産の割合が高いので、NIPTを受ける前に超音波で心拍と発育を確認しておくことが大切です。

当院のNIPTは通常妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月(85日)以降の流産・死産・人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業(少なくとも6週間)が必要になるため、仕事への影響を心配される方もいます。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持つことができます。ただし、週数が早いほど血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。流産の割合が高い42歳では、再検査の前に流産してしまうこともあるため、当院では安心検査結果保障制度(再検査ができず結果が出なかった場合に検査代金を返金する制度)を設けています。

予定していなかった妊娠で気持ちの整理がつかないときは、検査を急ぐ前に、ご夫婦で何を知りたいのかを話し合う時間をとってください。40代での思いがけない妊娠については40代で妊娠してしまった時の心の支えと選択肢でも取り上げています。

💡 用語解説:スクリーニング検査と確定検査

スクリーニング検査は、病気の可能性が高いかどうかをふるい分ける検査で、NIPTはこれにあたります。確定検査は、赤ちゃんの細胞を直接調べて診断を確定させる検査で、絨毛検査(妊娠11週ごろから)と羊水検査(妊娠15〜16週ごろから)があります。NIPTで陽性でも、確定検査をしないと診断はつきません。

ダウン症候群だけを調べればよいわけではない

42歳の出生前検査というと、ダウン症候群の確率ばかりが話題になります。しかし、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるもので、その中身は病気によって大きく異なります。違いは「命の見通し」だけでなく、「自立の見通し」「自閉症や強い行動の問題を伴うか」「家族の介護や見守りの負担」にも表れます。

ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[9][10]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています。この研究で母親への負担が最も大きかったのは、自閉症のグループでした[11]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています(ダウン症候群16%)[12]。ダウン症候群の寿命についてはダウン症の平均寿命と世界最高齢の記録で解説しています。

一方、18トリソミーや13トリソミーでは、1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまります(1年生存率は18トリソミー13.4%、13トリソミー11.5%)[13]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません。自閉スペクトラム症を伴う割合は、レット症候群で61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群で43%、アンジェルマン症候群で34%、CHARGE症候群で30%と報告されています[12]。

ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。42歳という年齢では、ダウン症候群の確率に目が向きがちですが、検査の範囲という視点もあわせて持っておいてください。

知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、そのストレスを最も強く左右していたのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題でした[26]。スミス・マゲニス症候群とプラダー・ウィリー症候群は全プランで、ウィリアムズ症候群はインペリアルプラン・双子マックスプランで調べられます。また、微小欠失症候群の中で最も多い22q11.2欠失症候群(およそ1,000人に1人)は母親の年齢と関係なく起こり[29]、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は年齢にかかわらずすべての妊婦さんにこの病気のNIPTを提供することを提案しています[28]。当院ではスタンダードプランから調べられます。

性染色体の数の異常は分けて考える

性染色体の数の異常には、クラインフェルター症候群(47,XXY)、トリプルX(47,XXX)、47,XYY、ターナー症候群(45,X)などがあり、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[14]。

ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています[14]。性染色体トリソミーの子どもを調べた研究では、自閉スペクトラム症の診断はXYYで19%、XXYで11%にみられました[15]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。それぞれの特徴はクラインフェルター症候群とは、ターナー症候群とはで解説しています。

自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

高齢での妊娠では、ダウン症候群とあわせて「自閉症や発達障害の子が生まれないか」と心配される方が少なくありません。そう考えるのは自然なことです。自閉症や発達障害、知的障害の原因はさまざまで、多くは一つに特定できません。ただ、その一部は、染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。

発達の遅れや自閉症と、染色体・遺伝子の関係

知的障害の遺伝的な原因として最も多いのは、ダウン症候群です。さらに、発達の遅れや知的障害、自閉症のある子どもに染色体マイクロアレイ検査を行うと、染色体のごく一部が欠けたり重複したりしている変化(微小欠失・重複)が約15〜20%で原因として見つかると報告されています[16]。顕微鏡で染色体を見る従来の検査では見つからない、小さな変化です。

一つの遺伝子の変化で起こる病気(単一遺伝子疾患)も、自閉症や知的障害の原因になります。こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[17][18]。これは、ダウン症候群の出生頻度(全体で約700人に1人)と同じくらいの数字です。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。

超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています。この研究の検査の感度は98.5%、特異度は99.3%でした[19]。すべての妊婦さんで1.6倍になるという意味ではなく、異常が疑われた妊婦さんでの結果である点に注意してください。

当院のNIPTでわかるもの(プラン別)

当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子疾患には、自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある病気が含まれています。プランごとの対象は次のとおりです。

🧩 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 主な疾患
スタンダード 6種類7疾患 なし 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群など
プレミアム 12種類13疾患 なし 上記に加え、ジェイコブセン症候群、9p欠失症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 56遺伝子 上記に加え、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群、ソトス症候群など
双子マックス 92種類+5Mbを超える構造異常 なし 22q11.2欠失症候群、16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など
インペリアル 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 上記すべてに加え、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群など

ダイヤモンド・プレミアム・インペリアルは単胎のみ、スタンダードと双子マックスは単胎・双胎に対応しています。16p11.2欠失・重複は、92種類を調べる双子マックスとインペリアルだけが対象です。

たとえば、22q11.2欠失症候群やアンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群は全プランで、レット症候群やコルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドとインペリアルで、フェラン・マクダーミッド症候群はインペリアルで調べられます。インペリアルの単一遺伝子の検査は、超音波で異常が見つかった妊婦さん750人を対象にした検証研究で、陽性的中率96.9%、感度100%、特異度99.9%でした[20]。

NIPTでわからないこと・限界

ここまでの内容は、あくまで「一部がわかる」ということです。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は必ず確定検査が必要です(当院では院内で実施しています)。特に微小欠失・重複は、染色体の数の異常に比べて陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。また、胎盤の細胞だけに染色体の変化がある胎盤限局性モザイクのために、結果と赤ちゃんの実際の染色体が食い違うこともあります。まれですが、偽陰性の可能性もあります。

そして大切なのは、陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えないことです。自閉症や発達障害の多くは、原因を一つに特定できない多因子によるもので、NIPTの対象外です。脆弱X症候群のように、NIPTでは調べられない遺伝性の原因もあります。さらに、同じ染色体・遺伝子の変化があっても、症状の重さは人によって大きく異なり、生まれる前に予測することはできません。こうした数字は、あくまで大多数のお子さんには当てはまらない話であることも忘れないでください。

陽性の結果が出たときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTの精度について詳しくはNIPTの精度データをご覧ください。

\ 陽性でも、確定検査まで院内で /

📅 NIPTを予約する

陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
羊水検査・絨毛検査 | NIPTの費用

父親の年齢とde novo変異:年齢に応じたプランの考え方

40代の妊娠では、お母さんの年齢ばかりが注目されますが、お父さんの年齢も赤ちゃんに関係します。精子は思春期以降、一生にわたって細胞分裂をくり返してつくられるため、分裂のたびにDNAの複製の誤りが少しずつ積み重なります。こうして親のどちらにもなかった変化が新しく生じることを、de novo変異(新生突然変異)といいます。

アイスランドの親子の全ゲノムを調べた研究では、子どもに生じるde novo変異の数は、お父さんの年齢が1歳上がるごとに約2個ずつ増え、16.5年ごとに倍になると推定されています[21]。一方、お母さんの年齢と自閉症の関係を調べたメタ解析では、35歳以上の母親では25〜29歳に比べてリスクが1.52倍と、影響は小さいもののゼロではないことが示されています[22]。

de novo変異は、ご夫婦の血液検査では見つけることができず、赤ちゃん側を調べる必要があります。お父さんの年齢が高い場合は、de novo変異による単一遺伝子疾患を調べられるダイヤモンドプラン(56遺伝子)やインペリアルプラン(最大155遺伝子)を選ぶ、という考え方があります。もちろん、どこまで調べるかはご夫婦が何を知りたいかで決めることで、範囲が広いほうが誰にとってもよいというわけではありません。父親の年齢とNIPTの関係は父親の高齢化リスクはNIPTで分かる?で解説しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【検査の範囲は「年齢」と「知りたいこと」で選ぶ】

お母さんが42歳であれば、染色体の数の変化への備えは欠かせません。そこに、お父さんの年齢、ご家族の病歴、そして「生まれる前に何を知っておきたいか」という気持ちが重なって、選ぶべき検査の範囲が決まっていくと考えています。

検査の範囲を広げれば、わかることは増えますが、確定検査が必要になる場面や、解釈が難しい結果に向き合う場面も増えます。臨床遺伝専門医として、わかることとわからないことの両方を知ったうえで選んでいただくことが大切だと考えています。

体外受精・PGT-Aで妊娠した場合のNIPT

42歳の妊娠では、体外受精の際にPGT-A(着床前胚染色体異数性検査)を受け、染色体の数が正常と判定された胚を移植している方もいます。PGT-Aは、移植前の胚から将来胎盤になる部分の細胞を数個とって、染色体の本数を調べる検査です。染色体の数の変化がある胚を移植しないことで、移植あたりの流産を減らすことが期待されています。

ただし、PGT-Aで調べるのは主に染色体の「数」で、微小欠失・重複や、単一遺伝子のde novo変異は対象外です。また、調べるのは胚のごく一部の細胞なので、赤ちゃん本人の染色体と一致しないこともあります。そのため、PGT-Aを経た妊娠でも、NIPTや確定検査で赤ちゃんの状態を確かめる意味は残ります。詳しくは着床前診断でダウン症は防げる?NIPTとの違いと限界で解説しています。

卵子提供という選択肢

ご自身の卵子での治療で結果が出ない場合、若い女性から提供された卵子を使う卵子提供が検討されることがあります。卵子の染色体の数の変化の頻度は、卵子を提供した人の年齢に左右されるため、ダウン症候群などの頻度は42歳のご自身の卵子より低くなります。一方で、お父さんの年齢によるde novo変異や、42歳のお母さんの体にかかる妊娠中の負担は変わりません。日本では卵子提供を受けられる施設や制度が限られています。基礎知識は卵子提供の基礎知識をご覧ください。

42歳の出産のリスク:妊娠中・分娩時に知っておきたいこと

42歳での出産では、赤ちゃんの染色体とは別に、お母さんの体にかかる負担も考えておく必要があります。日本産科婦人科学会の周産期データベースを使い、30歳以上で単胎を出産した女性36万人余りを調べた研究では、30〜34歳と比べた40〜44歳のリスクは次のとおりでした[23]。

🏥 40〜44歳の出産のリスク(30〜34歳との比較)

項目 リスクの比(30〜34歳を1とした場合)
帝王切開(全体) 1.42倍
緊急帝王切開 1.37倍
妊娠高血圧腎症 1.44倍
前置胎盤 1.46倍
早産 1.08倍
常位胎盤早期剥離 はっきりした差はなし

出典:Ogawaら(BMC Pregnancy and Childbirth, 2017)[23]。ほかの要因を調整したリスク比です。

これらは「30代前半より起こりやすい」という比で、42歳の妊婦さんの多くは、こうした合併症なく出産しています。それでも、血圧の上昇やむくみ、出血などに早く気づけるよう、妊婦健診をきちんと受けることが大切です。妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病は年齢とともに増える合併症として知られており、常位胎盤早期剥離は起こると急を要するため、症状を知っておくと早く気づく助けになります。分娩する施設は、こうした合併症に対応できる体制があるかも確認して選んでください。

ミネルバクリニックでNIPTを受けるには

ミネルバクリニックでは、90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、42歳という年齢やお父さんの年齢、ご家族の病歴をふまえて、どのプランが合うかを一緒に考えます。料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定が含まれています。検査結果の作成費用は料金に含まれず、別途3,300円かかります。陰性の場合は結果をマイページでお知らせし、陽性の場合は陽性後のカウンセリングを何度でも無料で受けられます。

陽性だった場合の確定検査は、2025年6月から併設した産婦人科で、羊水検査・絨毛検査とも院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。また、NIPTを受ける方は全員、羊水検査互助会(カトレア会、1回のNIPTにつき8,000円)に加入します。陽性時の確定検査の費用を補助するもので、補助の上限はありません。あわせて、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに検査代金(諸費用を除く)を返金する、安心検査結果保障制度(1回のNIPTにつき6,000円)があります。42歳では流産の割合が高いため、こうした仕組みも知っておいてください。

料金はプランによって異なり、事前学習動画をご覧いただいた方には当日割引が適用されます。検査料金とは別に必ずかかる費用(検査結果の作成費用3,300円、カトレア会・安心検査結果保障制度の会費など)は、合計17,850円です。最新の金額はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[26]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[26][27]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。『安さ』だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード
(220,000円)
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム
(264,000円)
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド
(407,000円)
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス
(440,000円)
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル
(550,000円)
全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、調べる範囲が広がるほど、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。病気の数が多ければ誰にとってもよい検査、というわけではありません。どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

まとめ:42歳の妊娠・出産で知っておきたいこと

42歳前後の自然妊娠について、既知の不妊症がない42〜44歳を追跡した前向き研究では、1周期あたりの平均妊孕率6.6%、12周期以内の累積妊娠率48%でしたが、対象者は14人と少なく推定幅があります。不妊診療施設を受診した女性では、42歳の自然妊娠による12か月以内の継続妊娠率は13%と推定されています。体外受精では42歳の治療1回あたりの出産率が約5%で、妊娠しても約半数は流産に終わります。その主な理由は、年齢とともに増える卵子の染色体の数の変化です。出生時のダウン症候群の頻度は約55人に1人で、妊娠初期の時点ではさらに高くなりますが、98%以上の赤ちゃんはダウン症候群ではありません。

出生前検査を考えるときは、ダウン症候群の確率だけでなく、18・13トリソミー、微小欠失症候群、単一遺伝子疾患、そして一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、どこまで調べるかという視点を持ってください。お父さんの年齢が高い場合は、de novo変異も考える材料になります。前後の年齢については39歳、40歳、41歳、43歳、44〜45歳の記事もご覧ください。

🏥 42歳の妊娠で、調べる範囲から選ぶNIPT

ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、プラン選びから結果まで担当します。陽性の場合は確定検査まで院内で対応します。

よくある質問(FAQ)

Q1. 42歳で自然妊娠できますか?確率はどのくらいですか?

できます。既知の不妊症がない女性を追った前向き研究では、42〜44歳の1周期あたりの平均妊孕率は6.6%、12周期以内の累積妊娠率は48%でした。ただし42〜44歳群は14人と少なく、95%信頼区間は24〜80%と幅があります。また、この「妊娠」にはその後の流産も含まれます。不妊診療施設を受診した女性を対象とした別のメタ解析では、42歳の自然妊娠による12か月以内の継続妊娠率は13%と推定されています。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. 42歳の体外受精の成功率は?保険は使えますか?

日本の2022年のデータでは、42歳の胚移植1回あたりの妊娠率は22.2%、治療1回あたりで出産に至ったのは5.4%でした。保険適用は治療開始時に女性が43歳未満であることが条件で、40歳以上43歳未満で始めた場合、胚移植は通算3回までです。

Q4. 42歳で出産するとダウン症の確率はどのくらいですか?

出生時の頻度は約55人に1人(約1.8%)です。NIPTを受ける妊娠初期の時点では、その後に流産・死産となる妊娠が含まれるため、これより高い頻度になります。42歳でも98%以上の赤ちゃんはダウン症候群ではありません。

Q5. 42歳で障害のある赤ちゃんが生まれる確率は?

障害の原因はさまざまで、一つの数字では示せません。年齢とともにはっきり増えるのはダウン症候群などの染色体の数の変化で、42歳の出生時のダウン症候群の頻度は約55人に1人です。このほか、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患のように、年齢と関係なく起こる病気もあります。NIPTでは、これらの一部を調べることができます。

Q6. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部(22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、レット症候群、フェラン・マクダーミッド症候群など、プランにより異なります)を調べられます。ただし、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。多くは原因を一つに特定できないもので、NIPTの対象外です。

Q7. PGT-Aで正常な胚を移植しました。NIPTは必要ですか?

PGT-Aは主に胚の染色体の数を調べる検査で、微小欠失・重複や単一遺伝子のde novo変異は対象外です。また、調べるのは胚の一部の細胞なので、赤ちゃん本人の染色体と一致しないこともあります。PGT-Aを経た妊娠でも、NIPTや確定検査で赤ちゃんの状態を確かめる意味はあります。

Q8. 42歳で出産するのは危険ですか?

多くの方は問題なく出産していますが、30代前半と比べると、帝王切開、妊娠高血圧腎症、前置胎盤などが起こりやすくなります。日本の研究では、40〜44歳の帝王切開のリスクは30〜34歳の1.42倍、妊娠高血圧腎症は1.44倍でした。妊婦健診をきちんと受け、合併症に対応できる施設で出産することが大切です。

Q9. 42歳で出産した芸能人はいますか?

40代で出産した芸能人の方は少なくありません。年齢順の一覧は、高齢出産した芸能人50人一覧でまとめています。ただし、公表される出産は一部で、不妊治療や流産の経験が語られないことも多いため、ご自身の確率はこの記事の数字をもとに考えてください。

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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。不妊治療や妊娠中の管理については、主治医・専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、
臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。
のべ10万人以上のご家族の意思決定と向き合ってきた臨床遺伝専門医です。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、
検査結果の数値そのものだけでなく、
「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、
一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、
日本人として異文化の中で生活した経験があります。
価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。
この経験は現在の診療においても、
「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、
36週6日で一人を死産した経験があります。
その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、
そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。
現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、
出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、
家族の未来に関わる重要な意思決定です。
年齢や統計だけで判断するのではなく、
医学的根拠と心理的支援の両面から、
ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/
日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。

2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、
複数の海外メディア・専門誌で特集掲載
されました。

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