InstagramInstagram

上の子がトリソミー|次の子の確率は?再発リスクとNIPTを専門医が解説|東京・ミネルバクリニック

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「上の子がダウン症だったから、次の子も心配」「2人目を考えているけれど、また同じことになったらどうしよう」。そう感じてこのページを開いた方に、最初にお伝えしたいことがあります。上の子が標準型のトリソミーだった場合、次の子に同じことが起こる確率は年齢による確率より高くなりますが、上乗せされるのは多くても1%程度です。一方、転座型だった場合は、ご両親の染色体を調べることで確率が大きく変わります。この記事では、上の子が21・18・13トリソミーだった場合の再発の確率を数字で示し、次の妊娠で使える検査の選び方までを、臨床遺伝専門医の立場から解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約15分
🩺 染色体異常・再発リスク
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤再発の確率 → 標準型なら、30歳未満で同年代の約8倍、30歳以上で約2倍。絶対的な確率では多くても約1%の上乗せ
  • ➤トリソミーの種類 → 標準型・転座型・モザイク型で再発の確率が違う
  • ➤転座型の場合 → 親が均衡型転座の保因者なら、母親で約10〜15%、21番同士の転座ではほぼ100%
  • ➤別のトリソミー → 上の子が21トリソミーだった方では、別の種類のトリソミーの確率も上がるという報告がある
  • ➤次の妊娠で → NIPTは妊娠9週から(6〜8週は臨床研究)。陽性なら確定検査まで院内で受けられる

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 上の子が21トリソミー(ダウン症候群)だと、次の子の確率は?

標準型の場合、北米の約2,000人のデータでは、2回の妊娠がどちらも30歳未満だと同年代の約8倍、30歳以上では約2倍でした。25歳なら約1/1,250が約1/160(約0.6%)に、35歳なら約1/350が約1/170になる計算で、どちらも99%以上は同じことになりません。

🔍 Q. 次の妊娠では、ダウン症候群だけ調べれば大丈夫?

上の子が21トリソミーだった方では、別の種類のトリソミーが起こる確率も年齢の予想の約2.3倍だったと報告されています。13・18・21番に加えて15・16・22番や全部の常染色体、微小欠失まで、調べる範囲から選ぶ考え方があります。

🌸 Q. 転座型だったら、まず何をすればいい?

ご両親の染色体検査で、どちらかが均衡型転座の保因者かどうかを調べます。保因者でなければ再発は低く、保因者なら確率は転座の種類とどちらの親かで大きく変わるため、次の妊娠では確定検査を計画に入れて考えます。

\ ダウン症候群だけで大丈夫? 次の妊娠は「調べる範囲」から選びたい方へ /

📅NIPTを予約する

NIPTのプランを見る | オンラインNIPT

1. 上の子がトリソミーだった場合の再発リスク|結論から

上の子がトリソミー(ダウン症候群など)だった場合、次の子に同じ染色体の変化が起こる確率は、統計的には同じ年齢の人より高くなります。北米で行われた研究では、上の子が21トリソミーだった女性で、次の妊娠でも21トリソミーになる割合は、年齢から予想される数の約2.4倍でした[1]。英国の登録データでも、再発の確率は年齢による確率より高いことが報告されています[2]。

ただし、もともとの確率が低いため、絶対的な確率としては依然として低く、ほとんどのご家族では次の子は同じ状態にはなりません。英国の2004〜2009年の登録データでは、トリソミーのお子さんを妊娠したお母さんのうち、その期間に再びトリソミーの妊娠があったのは約1%でした[7]。

「上の子がダウン症だったから、次の子も必ずそうなる」ということはありません。そして、上の子のトリソミーが「標準型」か「転座型」かによって、次の子の確率は大きく変わります。まずは上の子の染色体検査の結果を確認するところから始めてください。

💡 用語解説:トリソミーとは

人の染色体は通常、2本1組で23組(合計46本)あります。そのうち特定の染色体が3本になっている状態を「トリソミー」と呼びます。21番が3本ならダウン症候群(21トリソミー)、18番ならエドワーズ症候群(18トリソミー)、13番ならパトウ症候群(13トリソミー)です。13・18・21番以外のトリソミーについてはトリソミーとは?13・18・21以外の染色体で解説しています。

なお、ダウン症候群に絞った「遺伝するのか」「2人目の再発率」の話はダウン症は遺伝する?2人目の再発率と転座型のリスクで、羊水検査で陽性が分かり妊娠を続けなかったあとの、次の妊娠への気持ちの整理は羊水検査陽性での中絶から次の妊娠へで扱っています。この記事は、21・18・13トリソミーをまとめて「次の子の確率」と「次の妊娠での検査の選び方」を扱うページです。

2. 年齢別の再発確率|具体的な数字で解説

再発の確率を年齢で分けてみると、意外なことに若い方ほど「何倍」という比率が大きくなります。北米の研究では、上の子が21トリソミーで、2回の妊娠がどちらも30歳未満だった女性は、年齢から予想される数の約8.0倍、どちらも30歳以上だった女性では約2.1倍でした[1]。

「8倍」と聞くと、とても高く感じるかもしれません。しかし、これは同じ年齢の女性と比べた「相対リスク」です。もともとの確率に掛け算して、実際の確率(絶対リスク)に直してみましょう。

📊 上の子が21トリソミー(標準型)だった場合の、次の子の確率の目安

次の妊娠の年齢 年齢による出生時の確率の目安 再発の比率 次の子の確率の目安
25歳 約1/1,250(0.08%) 約8倍 約1/160(約0.6%)
30歳 約1/900(0.11%) 約2倍 約1/430(約0.2%)
35歳 約1/350(0.29%) 約2倍 約1/170(約0.6%)
40歳 約1/100(1%) 約2倍 約1/50(約2%)

年齢による確率はHook(1981)の出生時の頻度にもとづく目安[3]、比率はWarburtonら(2004)[1]の値(2回の妊娠がどちらも30歳未満=約8.0倍、どちらも30歳以上=約2.1倍)を当てはめた計算です。個々の方の確率をそのまま表すものではありません。

表から分かるように、上乗せされる分(次の子の確率から年齢による確率を引いた分)は、25歳で約0.5%、35歳で約0.3%、40歳で約1%です。つまり、標準型のトリソミーでは「年齢による確率に、多くても1%程度が上乗せされる」と考えるのが目安になります。

なぜ若い方ほど「倍率」が大きいのか

若い女性は、もともとの確率が非常に低いため、わずかな上乗せでも「倍率」としては大きく見えます。一方、40歳ではもともとの確率が約1%あるため、倍率は小さくても実際の確率は高くなります。倍率ではなく、実際の確率で考えることが大切です。

また、若い方で比率が大きい理由として、Warburtonらは、別の種類のトリソミーの確率も上がっていたことから、同じ年齢でも染色体の不分離(卵子や精子ができるときに染色体がうまく分かれないこと)が起こりやすい女性がいる可能性を挙げています[1]。ご両親のどちらかの卵巣や精巣の一部にだけトリソミーの細胞が混ざっている(性腺モザイク)場合にも、再発の確率は上がります。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「倍率」に惑わされないでください】

「8倍」という数字を見て、怖くなってしまった方もいらっしゃるかもしれません。でも、宝くじの当選確率が「8倍になった」と聞いても、もともとの確率が非常に低ければ、8倍になってもやはり低いままです。トリソミーの再発リスクもこれと同じで、25歳の方なら約1/1,250が約1/160になる、つまり99%以上は同じ状況にはならない、という意味です。

私は、再発の確率を考えるときには「何倍か」ではなく「何%か」で受け止めていただくことが大切だと考えています。数字の意味が分かれば、次の妊娠でどこまで調べたいのかを、ご夫婦で落ち着いて考えられるようになるはずです。

3. トリソミーの種類別|再発リスクの違い

ダウン症候群には、標準型(約95%)、転座型(約4%)、モザイク型(約1%)の3つのタイプがあります。英国の約3万人のダウン症候群の登録データでも、ほとんどが標準型(21番染色体がまるごと1本多いタイプ)でした[4]。そして、タイプによって次の子への再発リスクは大きく異なります。お子さんがトリソミーと診断されたとき、どのタイプだったかを確認してください。

🧬 トリソミーのタイプと再発リスク

タイプ どうして起こるか 次の子の再発リスク
標準型(約95%) 卵子や精子ができるときの染色体の不分離。親の染色体はふつう正常 年齢による確率に、多くても1%程度の上乗せ
転座型(約4%) 21番染色体の一部がほかの染色体にくっついている。親が保因者のことがある 親が保因者でなければ低い。保因者なら転座の種類とどちらの親かで大きく変わる
モザイク型(約1%) 受精後の細胞分裂の誤りで、正常な細胞とトリソミーの細胞が混ざる 標準型と同程度に低いと考えられる(親自身がモザイクの場合は別)

モザイク型の症状の現れ方や気づかれ方はモザイク型ダウン症とは?で解説しています。

上の子が18トリソミー・13トリソミーだった場合

18トリソミーや13トリソミーも、多くは標準型です。北米の研究では、上の子が13・18トリソミーなど21番以外の生まれてくることのあるトリソミーだった場合、同じトリソミーの再発ははっきりした上昇としては示されませんでした(年齢の予想の約2.5倍でしたが、統計的に意味のある差ではありませんでした)[1]。数が少ないため確かなことは言えませんが、標準型であれば上乗せは小さいと考えられます。

一方で、英国の登録データでは、くり返した21トリソミーや18トリソミーの多くは、親から受け継いだ同じ転座によるものでした[7]。上の子が18・13トリソミーの場合も、転座型かどうかの確認が欠かせません。13トリソミーでは、13番と14番の染色体がくっついたロバートソン転座が関わることがあります。

13・18・21番以外のトリソミーの確率も上がる?

見落とされがちですが、北米の研究では、上の子が21トリソミーだった女性では、次の妊娠で別の種類のトリソミー(21番以外)が起こる確率も、年齢の予想の約2.3倍でした。この上昇は、最初のトリソミーのときの年齢に関係なくみられました。上の子が生まれてくることのあるトリソミーだった場合全体でも約1.6倍でした[1]。

13・18・21番以外のトリソミーの多くは妊娠初期に流産しますが、15・16・22番などは妊娠が続くこともあり、赤ちゃんの発育や胎盤の働きに関わることがあります。次の妊娠で「何を調べるか」を考えるときの材料になる数字です。

4. 転座型の場合|親の染色体検査の重要性

上の子が転座型だった場合は、ご両親の染色体検査を受けることが、次の子の確率を知るうえで最も大切です。転座型のうち、親から受け継いだものは一部で、多くは親の染色体が正常な「新しく起きた転座」です。どちらなのかで、次の子の確率はまったく違ってきます。

💡 用語解説:均衡型転座保因者(きんこうがたてんざほいんしゃ)

染色体の一部がほかの染色体にくっついている状態(転座)があっても、全体の遺伝情報に過不足がなければ、ご本人は健康に過ごせます。これを「均衡型転座保因者」と呼びます。ただし、お子さんに染色体を渡すときに、遺伝情報が多すぎたり足りなかったりする「不均衡型」になることがあります。13番と21番のように、染色体の長い腕どうしがくっつく転座をロバートソン転座といいます。

🧬 転座型ダウン症候群のお子さんがいる場合の再発リスクの目安

ご両親の染色体 次の子の再発リスク 次の妊娠での考え方
両親とも正常(新しく起きた転座) 低い(1%程度以下) 性腺モザイクの可能性はゼロではないため、NIPTや確定検査を選べる
母親がロバートソン転座の保因者 約10〜15% 確定検査を計画に入れる
父親がロバートソン転座の保因者 母親の場合より低く、数%以下 確定検査を計画に入れる
どちらかが21番同士の転座の保因者(まれ) ほぼ100%(生まれてくる場合) 臨床遺伝専門医と個別に相談

数字は染色体の遺伝カウンセリングで標準的に用いられる目安[5]。転座の種類によって異なるため、実際の確率は個別に見積もります。

21番同士の転座の保因者では、受精卵は21番が3本になるか1本になるかのどちらかで、1本のものは妊娠を続けられないため、生まれてくるお子さんはほぼ全員が転座型のダウン症候群になります。一方、母親と父親で確率が違うのは、卵子と精子で不均衡型の染色体をもつものが残りやすいかどうかが異なるためと考えられています。

ご夫婦の染色体検査の意味や、転座保因者の妊娠については不育症の原因になる染色体異常とはでも解説しています。転座の保因者は流産をくり返す原因にもなるため、上の子のほかに流産の経験がある方は、あわせて確認しておきたいところです。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

上の子がトリソミーだった方が次の妊娠でNIPTを考えるとき、「同じトリソミーかどうか」だけを調べれば十分でしょうか。ここまで見てきたように、上の子が21トリソミーだった方では別の種類のトリソミーの確率も上がるという報告があります[1]。また、トリソミーとは関係なく、母体の年齢に関係なく起こる染色体の微小欠失(ごく小さな欠け)や、一つの遺伝子の変化による病気もあります。

三大トリソミー(13・18・21番)は出生前検査で広く調べられている基本の項目です。ミネルバクリニックでは、それに加えてどこまで調べるかをプランで選べるようにしています。たとえば、心臓の病気や免疫の弱さ、発達の遅れを伴うことがある22q11.2欠失症候群は、スタンダードプランから対象です。

🔍 当院のNIPTプランと調べられる範囲

プラン 染色体の数の変化 微小欠失・重複 単一遺伝子の病気
スタンダード 13・18・21番+性染色体 6種類7疾患 ―
プレミアム 13・18・21・15・16・22番+性染色体 12種類13疾患 ―
ダイヤモンド 13・18・21・15・16・22番+性染色体 12種類13疾患 56遺伝子
双子マックス 全部の常染色体 92種類+5Mb超の構造異常 ―
インペリアル 全部の常染色体+性染色体 92種類+5Mb超の構造異常 最大155遺伝子(202疾患)

双子の妊娠で受けられるのはスタンダードと双子マックスです。プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみです。

上の子が21トリソミーで、別のトリソミーも気になる方には、15・16・22番まで対象のプレミアム・ダイヤモンド、全部の常染色体が対象の双子マックス・インペリアルが選択肢になります。また、92種類の微小欠失・重複を調べるプランでは、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因になる16p11.2欠失・重複なども対象です(自閉症や発達障害のすべてが分かるわけではなく、陰性でも心配がなくなるわけではありません)。

ただし、微小欠失・重複の陽性的中率は、数の異常より低め(項目により60〜70%程度)です。どのプランでも、陽性なら確定検査で確かめることが前提で、当院では確定検査まで院内で受けられます。精度の考え方はCOATE法のエビデンスやスタンダードプランの精度データをご覧ください。

5. 次の妊娠でのNIPTと確定検査の考え方

上の子がトリソミーだった経験から、次の妊娠でNIPT(新型出生前診断)を考えるご夫婦は少なくありません。NIPTは、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん(胎盤)由来のDNAを調べる検査で、採血だけで流産のリスクがありません。ダウン症候群の検出率は、まとめた解析で99%を超えています[6]。

いつから受けられる?

ミネルバクリニックのNIPTは妊娠9週から受けられます。さらに早く知りたい方のために、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられるようにしています。結果が出るまでの目安は基本10〜14日で、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。

標準型だった方の選び方

上の子が標準型だった場合、次の子の確率は年齢による確率に多くても1%程度の上乗せです。米国産婦人科学会(ACOG)は、年齢やリスクにかかわらず、すべての妊婦さんに出生前の染色体のスクリーニングを説明し、選べるようにすることを勧めています[8]。NIPTで調べ、陽性なら確定検査で確かめる方法のほか、はじめから確定検査(絨毛検査・羊水検査)を選ぶ方法もあります。どちらを選ぶかは、ご夫婦が何をどこまで知りたいかで決めてよいのです。

転座型だった方の選び方

ご両親のどちらかが転座の保因者と分かっている場合は、NIPTだけで判断せず、絨毛検査や羊水検査による確定検査を計画に入れることを考えてください。NIPTでは21番の量が多いことは分かっても、それが転座によるものかどうかまでは分からず、ACOGもNIPTが陽性だった場合は確定検査で転座によるものかを確かめるよう求めています[8]。確定検査については羊水検査・絨毛検査のページで説明しています。

陽性だったときの備え

NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査で確かめます。ミネルバクリニックでは、陽性のカウンセリングは何度でも無料で、2025年6月から羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTを受ける方全員が加入する互助会のうち、カトレア会(会費8,000円)では羊水検査の費用が補助され、現在は補助の上限はありません。安心検査結果保障制度(会費6,000円)は、結果が出ず再検査が必要なのに、流産して再検査ができない場合に備える互助会です。

\ 陽性なら確定検査まで院内で受けられるNIPTをお探しの方へ /

📅NIPTを予約する

羊水検査・絨毛検査 | NIPTのアフターサポート

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【同じ経験を持つご家族へ】

上の子がトリソミーだった方が次の妊娠を考えるときの不安は、経験したことのない人には想像しにくいものだと思います。「上の子のことは愛しているけれど、もう一度同じ経験をする自信がない」。そんな気持ちを抱えるのは、とても自然なことです。

検査を受けるかどうか、どこまで調べるかは、ご夫婦で決めてよいことだと考えています。そのためにまず必要なのは、上の子のタイプ(標準型か転座型か)を確かめ、次の子の確率を「何%か」で知ることです。数字と選択肢がそろえば、どの選択をしても、ご自身で選んだと思える決め方ができると考えています。

6. ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が運営し、NIPTの前の説明から、結果の説明、確定検査までを院内で行っています。上の子がトリソミーだった方にとって確認しておきたい点を、事実でまとめます。

🏥 当院のNIPTで受けられること

遺伝カウンセリング 常駐する臨床遺伝専門医が担当。90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います
料金に含まれるもの 遺伝カウンセリング・4Dエコー・性別判定
陽性のとき 陽性のカウンセリングは何度でも無料。羊水検査・絨毛検査は院内で実施(主要項目は3日以内、マイクロアレイは2週間ほど)
互助会 カトレア会(8,000円)・安心検査結果保障制度(6,000円)。NIPTを受ける方は全員加入
遠方の方 オンラインNIPT(提携施設は全国110か所。採血料は施設ごとに異なります)
お問い合わせ NIPT専用ダイヤル 03-3408-3768

施設を選ぶときは、検査の範囲や値段だけでなく、陽性のときに誰が説明し、確定検査をどこで受けられるのかまで確認してください。価格だけで選ぶときの注意点はNIPTの値段の相場と、費用だけで選ぶリスクにまとめています。

📌 補足:出生前検査の対象について

出生前検査は、基本的に、自立して生活することに支障が出るような重い病気を対象としています。検査を受けるかどうか、結果をどう受け止めるかは、ご夫婦でよく話し合って決めていただくことが大切です。当院では、そのための情報提供と心理的な支援を行っています。

🏥 次の妊娠のNIPTを、上の子の経験をふまえて選ぶために

常駐する臨床遺伝専門医が、上の子のタイプと次の子の確率を整理したうえで、調べる範囲をご説明します。陽性なら確定検査まで院内で受けられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. 上の子がダウン症(21トリソミー)だった場合、次の子の確率は?

標準型の場合、北米の研究では、2回の妊娠がどちらも30歳未満だと同年代の約8倍、30歳以上では約2倍でした。25歳なら約1/1,250が約1/160(約0.6%)、35歳なら約1/350が約1/170(約0.6%)になる計算で、年齢による確率に多くても1%程度が上乗せされると考えるのが目安です。転座型の場合は、ご両親の染色体検査の結果で大きく変わります。

Q2. 次の妊娠では、ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

上の子が21トリソミーだった方では、別の種類のトリソミーが起こる確率も年齢の予想の約2.3倍だったという報告があります。また、微小欠失のように母体の年齢に関係なく起こる染色体の変化もあります。ミネルバクリニックでは、15・16・22番トリソミーまで(プレミアム・ダイヤモンド)、全部の常染色体まで(双子マックス・インペリアル)など、調べる範囲からプランを選べます。

Q3. 上の子がダウン症だった場合、次の子も必ずダウン症になりますか?

いいえ。標準型であれば、次の子が同じ状態になる確率は年齢による確率より高くなりますが、多くの年齢で1%前後かそれ以下で、99%以上は同じ状態にはなりません。ただし、ご両親のどちらかが転座の保因者の場合は確率が高くなるため、上の子のタイプの確認が大切です。

Q4. 転座型ダウン症と標準型ダウン症で、再発リスクは違いますか?

大きく違います。標準型(約95%)は卵子や精子ができるときの偶然の不分離で、再発は年齢による確率に多くても1%程度の上乗せです。転座型(約4%)で親が保因者の場合、ロバートソン転座なら母親が保因者で約10〜15%、父親が保因者ではそれより低く数%以下、21番同士の転座ではほぼ100%です。親の染色体が正常なら再発は低いと考えられます。

Q5. 上の子が18トリソミーや13トリソミーだった場合も同じですか?

18・13トリソミーも多くは標準型で、北米の研究では同じトリソミーの再発ははっきりした上昇としては示されませんでした。ただし、くり返したトリソミーの多くは親から受け継いだ転座によるものだったという報告もあり、転座型かどうかの確認が欠かせません。

Q6. NIPTはいつから受けられますか?

ミネルバクリニックのNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果が出るまでの目安は基本10〜14日で、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。

Q7. NIPTで陽性だった場合、どうなりますか?

NIPTはスクリーニング検査なので、羊水検査・絨毛検査などの確定検査で確かめます。ミネルバクリニックでは陽性のカウンセリングは何度でも無料で、確定検査も院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。カトレア会(8,000円)に加入しているため、羊水検査の費用が補助されます。

Q8. 遠方に住んでいますが、検査は受けられますか?

オンラインNIPTで受けられます。臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングはオンラインで行い、採血は全国110か所の提携施設で行います。採血料は施設ごとに異なります。

関連記事

参考文献

  • [1] Warburton D, Dallaire L, Thangavelu M, Ross L, Levin B, Kline J. Trisomy recurrence: a reconsideration based on North American data. Am J Hum Genet. 2004;75(3):376-385. [PubMed 15248154]
  • [2] Morris JK, Mutton DE, Alberman E. Recurrences of free trisomy 21: analysis of data from the National Down Syndrome Cytogenetic Register. Prenat Diagn. 2005;25(12):1120-1128. [PubMed 16231400]
  • [3] Hook EB. Rates of chromosome abnormalities at different maternal ages. Obstet Gynecol. 1981;58(3):282-285. [PubMed 6455611]
  • [4] Morris JK, Alberman E, Mutton D, Jacobs P. Cytogenetic and epidemiological findings in Down syndrome: England and Wales 1989-2009. Am J Med Genet A. 2012;158A(5):1151-1157. [PubMed 22438132]
  • [5] Gardner RJM, Amor DJ. Gardner and Sutherland’s Chromosome Abnormalities and Genetic Counseling. 5th ed. Oxford University Press; 2018.
  • [6] Gil MM, Accurti V, Santacruz B, Plana MN, Nicolaides KH. Analysis of cell-free DNA in maternal blood in screening for aneuploidies: updated meta-analysis. Ultrasound Obstet Gynecol. 2017;50(3):302-314. [PubMed 28397325]
  • [7] Alberman E, Mutton D, Morris JK. Cytological and epidemiological findings in trisomies 13, 18, and 21: England and Wales 2004-2009. Am J Med Genet A. 2012;158A(5):1145-1150. [PubMed 22495937]
  • [8] American College of Obstetricians and Gynecologists. Screening for Fetal Chromosomal Abnormalities: ACOG Practice Bulletin, Number 226. Obstet Gynecol. 2020;136(4):e48-e69. [PubMed 32804883]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。次の妊娠の検査については、主治医・臨床遺伝専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

関連記事