目次
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44歳・45歳での妊娠・出産について調べると、ダウン症の確率や流産率など、気になる数字がたくさん出てきます。最初に要点をお伝えすると、出生時にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる頻度は44歳で約39人に1人、45歳で約35人に1人と推定されています[1]。そして流産率は40〜44歳で約3割、45歳以上では約半数まで上がります[2]。一方で、44歳・45歳でも、生まれてくる赤ちゃんの大多数には染色体の病気はありません。この記事では、44歳と45歳それぞれの確率と流産率、ダウン症候群以外に知っておきたい病気、高齢出産と自閉症・発達障害の関係、そしてNIPTで調べられることと調べられないことを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。
- ➤44歳・45歳(と前後の年齢)で出産するときのダウン症候群の確率
- ➤44歳・45歳の流産率と、「出生時」と「妊娠初期」で確率が違う理由
- ➤障害児が生まれる確率を考えるときに、ダウン症候群以外に知っておきたい病気
- ➤高齢出産と自閉症・発達障害の関係と、その一部をNIPTで調べられる理由
- ➤父親の年齢とde novo変異(新生突然変異)、年齢に応じたプランの考え方
⏱️ 30秒でわかる要約
👶 Q. 44歳・45歳で出産するとき、ダウン症の確率は?
英国の大規模データにもとづく推定では、出生時の頻度は44歳で約39人に1人(約2.6%)、45歳で約35人に1人(約2.9%)です。35歳(約350人に1人)の約10倍にあたります。
🧬 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
大丈夫とは言い切れません。ご家族の子育ての負担をいちばん左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動・自傷・睡眠の問題といった行動の問題です。こうした問題を伴いやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患は、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTなら、44歳・45歳で増えるトリソミーとあわせて、これらの病気まで調べられます。
📊 Q. 44歳・45歳の流産率は?
ノルウェーの約42万件の妊娠を調べた研究では、流産率は40〜44歳で32.2%、45歳以上で53.6%でした。高齢での流産の多くは、赤ちゃん側の染色体の数の異常が原因です。
🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。ただし、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。
\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか? /
当院のNIPTは、44歳・45歳で増えるトリソミーに加えて、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。
44歳・45歳で出産するときに知っておきたい結論
44歳・45歳の妊娠で多くの方が気にされるのは、「ダウン症の確率はどのくらいか」「流産しやすいのか」「障害のある子が生まれる確率はどのくらいか」の3つです。結論から順にお答えします。
まずダウン症候群(21トリソミー)の確率です。英国で長年にわたって集められたデータをもとにした推定では、出生時にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる頻度は、44歳で約39人に1人、45歳で約35人に1人、46歳で約31人に1人でした[1]。35歳では約350人に1人なので、44〜45歳では約10倍になります。45歳の約35人に1人は約2.9%に相当する、出生時の集団推定値です。
次に流産率です。ノルウェーで約42万件の妊娠を追った研究では、流産率がもっとも低いのは25〜29歳の9.8%で、30歳を過ぎるとほぼ直線的に上がり、40〜44歳で32.2%、45歳以上で53.6%に達していました[2]。45歳以上では、妊娠した方のおよそ半数が流産を経験する計算です。
最後に「障害児が生まれる確率」です。米国のデータでは、母親の年齢にかかわらず、生まれてくる赤ちゃんの約33人に1人に何らかの先天異常(生まれつきの病気や体のつくりの違い)があると報告されています[3]。このうち、母親の年齢とはっきり関係して増えるのは、ダウン症候群をはじめとする染色体の数の異常です。ただし、病気の種類によって年齢との関係は大きく違うため、「障害児の確率」を1つの数字で表すことはできません。この点は障害児が生まれる確率の章で詳しく説明します。
「出生時の確率」と「妊娠初期の確率」は違う
ダウン症の確率を調べると、同じ年齢でもサイトによって数字が違うことがあります。その大きな理由は、どの時点の頻度を示しているかが違うことです。上で紹介した「約35人に1人」は、赤ちゃんが生まれた時点(出生時)の頻度です。
ダウン症候群の妊娠の一部は、妊娠の途中で自然に流産や死産になります。英国のデータを解析した研究では、この自然に失われる割合は母親の年齢が高いほど高いことが示されています[4]。そのため、NIPTや絨毛検査を受ける妊娠初期の時点では、ダウン症候群の頻度は出生時の数字より高くなります。数字を見るときは、「出生時」なのか「妊娠初期(検査時点)」なのかを必ず確かめてください。この記事では、特に断りがないかぎり出生時の頻度で説明しています。
💡 用語解説:染色体不分離(せんしょくたいふぶんり)
卵子がつくられるとき、細胞分裂(減数分裂)によって染色体の数は半分になります。このとき、本来は分かれるはずの染色体がうまく分かれず、1本多い卵子や1本少ない卵子ができることを染色体不分離といいます。1本多い卵子が受精すると、その染色体が3本ある「トリソミー」になります。卵子は生まれる前からつくられ始め、排卵まで長い間休止しているため、年齢とともに不分離が起こりやすくなり、ダウン症候群などのトリソミーや流産が増える主な原因になります。詳しくは染色体不分離とはで解説しています。
44歳の出産|ダウン症候群の確率・流産率と妊娠の現実
44歳は、日本では「高齢出産」のなかでも特に年齢の高いグループに入ります。ここでは、44歳で出産する場合の数字を、前後の年齢と比べながら整理します。
44歳のダウン症候群の確率は約39人に1人(出生時)
英国の統計を用いた推定では、44歳で出産した場合にダウン症候群の赤ちゃんが生まれる頻度は約39人に1人(約2.6%)でした[1]。43歳では約45人に1人、45歳では約35人に1人なので、1歳違うごとに少しずつ上がっていく様子が分かります。40歳以降の推定値を表にまとめます。
📊 母親の年齢別・ダウン症候群の出生時の頻度(推定値)
| 出産時の年齢 | 出生時の頻度 | 割合 |
|---|---|---|
| 40歳 | 約85人に1人 | 約1.2% |
| 41歳 | 約67人に1人 | 約1.5% |
| 42歳 | 約54人に1人 | 約1.9% |
| 43歳 | 約45人に1人 | 約2.2% |
| 44歳 | 約39人に1人 | 約2.6% |
| 45歳 | 約35人に1人 | 約2.9% |
| 46歳 | 約31人に1人 | 約3.2% |
| 47歳 | 約29人に1人 | 約3.4% |
出典:Morrisら(J Med Screen, 2002)[1]の推定値(予測値)。出生時の頻度で、妊娠初期(検査時点)の頻度ではありません。35歳未満を含む年齢ごとの詳しい確率はダウン症胎児の流産メカニズムと自然流産率で解説しています。
「44歳 出産 ダウン症 確率」と検索すると、「30人に1人」「40人に1人」などさまざまな数字が出てきます。これは、使っているデータの国や年代、出生時か妊娠初期かといった条件が違うためで、どれか1つだけが正しいというものではありません。大切なのは、44歳ではおよそ40人に1人前後という桁の感覚と、その数字がどの時点のものかを知っておくことです。43歳の詳しい数字は43歳の妊娠・出産の確率とリスクでまとめています。
44歳の流産率と妊娠のしやすさ
前述のノルウェーの研究では、40〜44歳の流産率は32.2%でした[2]。この研究では年齢を1歳ごとに見ても、30歳以降はほぼ直線的に流産率が上がっていたため、44歳はこのグループのなかでも高い側にあると考えられます。
高齢での流産が増える最大の理由は、卵子の染色体の数の異常です。年齢とともに卵子の数が減るだけでなく、染色体不分離が起こりやすくなるため、受精しても染色体の数が合わず、育つことができない受精卵が増えます。これは妊娠中の生活や仕事が原因で起こるものではありません。染色体の数の異常のある受精卵の多くはごく初期に育たなくなり、そもそも妊娠に至らないこともあるため、44歳では「妊娠しにくい」と「流産しやすい」が同じ原因から起こっていると言えます。
そのうえで、44歳でも妊娠が順調に進み、出産に至る方はいます。妊娠が分かったら、まずは超音波検査で赤ちゃんの心拍と発育を確認し、そのうえでどのような出生前検査を受けるかを考えるのが一般的な流れです。不妊治療を含む40代の妊娠全般については40代・50代での高齢出産で解説しています。
45歳の出産|ダウン症候群の確率・流産率・妊娠率と出産の現実
45歳以上は、研究や臨床上でより高い母体年齢群として分けて解析されることがあります。ただし、44歳と45歳の間に生物学的な明確な境界があるわけではなく、妊孕性や流産リスクは年齢とともに連続的に変化します。ここでは45歳で出産する場合の数字を、44歳と同じ項目で整理します。
45歳のダウン症候群の確率は約35人に1人(出生時)
英国のデータにもとづく推定では、45歳で出産した場合の出生時のダウン症候群の頻度は約35人に1人(約2.9%)でした[1]。44歳の約39人に1人より少し高く、35歳の約350人に1人と比べると約10倍です。
「45歳 出産 ダウン症 確率」として「約30人に1人」という数字を目にすることもあります。これは別の統計や、妊娠初期の頻度に近い数字を使っている場合で、出生時の頻度との差は、妊娠中に自然に失われるダウン症候群の妊娠があることで生じます[4]。どちらの数字も、45歳ではおよそ30〜35人に1人という同じ桁の話をしていると理解してください。
45歳の流産率は約半数
ノルウェーの研究では、45歳以上の流産率は53.6%でした[2]。40〜44歳の32.2%から、さらに大きく上がっています。45歳以上では、妊娠が分かっても、その半数前後は流産に終わる計算です。
流産の原因は多様ですが、母体年齢の上昇に伴う胚の染色体数的異常の増加は重要な要因です。また、流産リスクは妊娠週数によって一定ではなく、胎児心拍が確認され妊娠週数が進むにつれて、その後の流産リスクは一般に低下します。
45歳で妊娠・出産するということ
45歳での妊娠率についての検索も多くあります。45歳になると、卵巣に残っている卵子の数が大きく減り、残っている卵子でも染色体不分離が起こりやすくなっているため、自然妊娠も体外受精も、年齢の若い方に比べて妊娠に至る確率はかなり低くなります。不妊治療を受けている方では、ご自身の卵子を使った治療の成績が年齢とともにどう変わるかを、主治医から具体的に説明を受けることをおすすめします。
妊娠が続いた場合には、母体側の変化にも目を向ける必要があります。年齢が上がるほど、妊娠高血圧症候群や妊娠糖尿病、前置胎盤などの合併症や帝王切開の割合が増えることが知られており、これらは早産や赤ちゃんが小さく育つことにもつながります。こうした妊娠合併症はNIPTで調べるものではなく、妊婦健診で血圧や血糖を確認しながら経過を見ていくものです。45歳の出産では、赤ちゃんの染色体の検査と、お母さんの体の管理の両方を考えておくことが大切です。
46歳以降のダウン症候群の確率
46歳以降の出産も年々みられるようになっています。英国のデータにもとづく推定では、出生時のダウン症候群の頻度は46歳で約31人に1人、47歳で約29人に1人でした[1]。ただし、この年齢になると統計に含まれる出産の数そのものが少なくなるため、実際に観察された数字は年ごとのばらつきが大きく、推定値には幅があると考えてください。
🩺 院長コラム【「35人に1人」をどう読むか】
「45歳でダウン症は35人に1人」と聞くと、その数字だけが大きく見えるかもしれません。けれども、同じ数字は「35人のうち34人はダウン症候群ではない」という意味でもあります。確率は、あなたの赤ちゃんがどうであるかを決めるものではなく、集団の中での起こりやすさを示しているにすぎません。
年齢の若い出産にも、年齢を重ねてからの出産にも、それぞれの事情と良さがあると考えています。大切なのは、年齢による数字を正しく知り、そのうえでどの検査を受けるか、受けないかを、ご夫婦で納得して選んでいただくことです。数字を怖がるためではなく、選ぶために使っていただきたいと考えています。
障害児が生まれる確率は?ダウン症候群だけではない
「高齢出産で障害児が生まれる確率」を調べる方は、ダウン症候群だけでなく、ほかの病気や障害のことも気にされていると思います。ここでは、出生前検査で調べる病気を中心に、年齢との関係と、それぞれの病気の違いを整理します。
出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。違いは「命の見通し」だけでなく、「自立の見通し」「自閉症や強い行動の問題を伴うか」「必要となる医療・福祉・発達支援」にも表れます。
ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[5][6]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています[7]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています[8]。ダウン症候群の寿命についてはダウン症の平均寿命で解説しています。
18トリソミー・13トリソミー
18トリソミー(エドワーズ症候群)と13トリソミー(パトウ症候群)も、染色体不分離によって起こり、母親の年齢とともに増えるトリソミーです。ただし、妊娠中に流産や死産となることが多いため、出生時の頻度はダウン症候群より低くなります。
生まれた後の見通しはダウン症候群と大きく異なります。米国の複数の州のデータをまとめた研究では、1年生存率は18トリソミーで13.4%、13トリソミーで11.5%、5年生存率はそれぞれ12.3%、9.7%でした[9]。1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまり、多くは心臓や脳の病気を伴います。詳しくは18トリソミー(エドワーズ症候群)とはと13トリソミー(パトウ症候群)とはをご覧ください。
微小欠失症候群と単一遺伝子疾患
染色体の数の異常のほかに、染色体のごく一部が欠けたり重なったりする「微小欠失・重複」や、1つの遺伝子の変化で起こる「単一遺伝子疾患」もあります。これらは母親の年齢とはほとんど関係がなく、何歳で妊娠しても一定の割合で起こるものです(単一遺伝子疾患のうち、新しく起こるde novo変異は父親の年齢とともに増えます)。そのため、年齢の若い方にも関係があり、44歳・45歳の方にとっても、ダウン症候群とは別に考えておきたい病気です。
微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、継続的な医療・福祉・発達支援を必要とする疾患もあります(例:レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、アンジェルマン症候群)[8]。
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、30遺伝子・25疾患を対象とした単一遺伝子NIPTの報告では、対象疾患を合わせた集団頻度は約600人に1人(0.17%)とされています[10][11]。ただし、これは複数の異なる単一遺伝子疾患を合算した推定頻度であり、個々の疾患の頻度とは異なります。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。
ダウン症候群だけでなく、こうした病気まで調べられるかどうかは、検査を選ぶうえで大切なポイントです。微小欠失症候群の種類は微小欠失症候群とは?12種類の症状と検査で、出生前検査で調べる病気の全体像はダウン症だけじゃない!出生前診断で後悔しないための疾患の全体像で解説しています。
💡 用語解説:微小欠失(びしょうけっしつ)と単一遺伝子疾患
微小欠失は、顕微鏡で見る通常の染色体検査では分からないほど小さな範囲で、染色体の一部が欠けている状態です。欠けた部分に含まれる複数の遺伝子がまとめて足りなくなるため、さまざまな症状が組み合わさって現れます。単一遺伝子疾患は、1つの遺伝子の変化だけで起こる病気です。どちらも、親から受け継ぐ場合と、受精の前後に新しく起こる場合があります。
性染色体の数の異常は、ほかの病気とは分けて考える
性染色体の数の異常には、クラインフェルター症候群(47,XXY)、トリプルX症候群(47,XXX)、47,XYY症候群、ターナー症候群(45,X)などがあります。性染色体の数の異常は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[12]。
ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症などの発達特性がみられる割合も一般より高いと報告されています[12][13]。英国の研究では、自閉スペクトラム症の診断を受けていた割合は47,XYYで19%、47,XXYで11%でした[13]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。それぞれの病気はクラインフェルター症候群、トリプルX症候群、XYY症候群、ターナー症候群のページで解説しています。
自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること
高齢出産を考えるとき、ダウン症候群と並んで心配する方が多いのが、自閉症(自閉スペクトラム症)や発達障害、知的障害です。心配になるのは自然なことです。自閉症や発達障害の原因はさまざまで、多くはまだはっきり分かっていませんが、一部は染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。
自閉症・発達障害・知的障害の原因になる染色体・遺伝子の変化
知的障害の遺伝的な原因としてもっとも多いのはダウン症候群です。そのほか、発達の遅れや知的障害、自閉症、生まれつきの体の異常があるお子さんに染色体マイクロアレイ検査を行うと、約15〜20%で、染色体の微細な欠失や重複が原因として見つかると報告されています[14]。つまり、自閉症や発達障害、知的障害の一部は、生まれる前から染色体や遺伝子のレベルで決まっている変化によって起こっています。
当院のNIPTが調べる微小欠失・重複や単一遺伝子疾患には、こうした自閉症・発達障害・知的障害を伴う病気が含まれています。前の章で紹介した研究では、自閉スペクトラム症を伴う割合は、レット症候群61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%、CHARGE症候群30%、ダウン症候群16%、22q11.2欠失症候群11%でした[8]。このため、一部の自閉症・発達障害・知的障害は、当院のNIPTでわかります。
当院のNIPTで調べられる範囲(プラン別)
どこまで調べられるかは、プランによって異なります。自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気を、プランごとにまとめます。
🧩 プラン別・自閉症や発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患 |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 6種類7疾患 | なし | 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群 など |
| プレミアム | 12種類13疾患 | なし | スタンダードの疾患に加え、ジェイコブセン症候群 など |
| ダイヤモンド | 12種類13疾患 | 56遺伝子 | プレミアムの疾患に加え、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群、ソトス症候群 など |
| 双子マックス | 92種類+5Mbを超える構造異常 | なし | スタンダードの疾患に加え、16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群 など |
| インペリアル | 92種類+5Mbを超える構造異常 | 最大155遺伝子(202疾患) | 上記に加え、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群 など |
16p11.2欠失・重複は、92種類を調べるインペリアルと双子マックスだけが対象です。双子(双胎)で受けられるのはスタンダードと双子マックスです。
表の中の病気は、それぞれ22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、フェラン・マクダーミッド症候群のページで詳しく解説しています。
ダウン症候群だけを調べればよいわけではない ― 子育ての負担を左右する「行動の問題」
44歳・45歳では、年齢とともに増えるダウン症候群がまず気になると思います。そのうえで知っておいていただきたいのが、ご家族の子育てのストレスが何によって左右されるのかを調べた研究です。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比較した研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族で、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いことが報告されています[19]。そのストレスにもっとも強く影響していたのは、知的障害の程度ではなく、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題でした[19]。
病気ごとの行動の特徴を調べた研究では、他人への攻撃的な行動はアンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群で、自傷はコルネリア・デ・ランゲ症候群、スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群で多くみられました[20]。これらの病気は、当院のNIPTで調べられます。スミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群はすべてのプランで、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンドプランとインペリアルプランで、ウィリアムズ症候群はインペリアルプランと双子マックスプランで対象になります。ダウン症候群の検査に加えて、こうした病気まで調べておくかどうかを、検査を選ぶ前に一度考えていただきたい点です。
22q11.2欠失症候群を調べる意味 ― 母親の年齢と関係なく起こる病気
22q11.2欠失症候群は、妊娠中の赤ちゃんのおよそ1,000人に1人にみられ、微小欠失症候群のなかでもっとも多い病気です[22]。多くは両親から受け継いだものではなく新しく生じた変化で、母親の年齢とは関係なく起こります[22]。つまり、44歳・45歳で増えるトリソミーとは別に、どの年齢でも同じように考えておきたい病気です。心臓の病気、免疫の働きの低下、低カルシウム血症、口蓋裂、発達の遅れなどを伴うことがあり、自閉スペクトラム症を伴う割合も一般より高いと報告されています[8][22]。
米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、年齢を問わずすべての妊婦さんに22q11.2欠失症候群のNIPTを提供することを提案しています[21]。一方、米国母体胎児医学会(SMFM)は、22q11.2欠失を調べる場合は検査前に十分な説明を受けて選ぶことを求めており、学会によって考え方が分かれる項目です。だからこそ、検査前の遺伝カウンセリングが大切になります。生まれる前にわかっていれば、出産する施設を選んだり、生まれてすぐに心臓・カルシウム・免疫の検査を受けられるよう準備したりできます。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群を調べられます。なお、微小欠失は数の異常に比べて陽性的中率が低めなので、陽性の場合は確定検査で確かめることが前提です。
高齢出産と自閉症・発達障害の関係
「高齢出産だと自閉症が増えるのか」という疑問には、母親の年齢と父親の年齢を分けて考える必要があります。母親の年齢については、複数の研究をまとめた解析で、年齢が上がるほど自閉スペクトラム症の頻度が上がる傾向が示されていますが、その影響は小さいもののゼロではない、という程度です[15]。一方、父親の年齢が上がるほど、精子に新しく生じる遺伝子の変化(de novo変異)が増えることが分かっており[16]、この点は次の章で説明します。
ここで知っておいていただきたいのは、年齢によるこうした影響があっても、44歳・45歳で生まれる赤ちゃんの大多数には、自閉症や発達障害の原因となる染色体や遺伝子の変化は見つからないということです。数字は可能性の大きさを示すものであり、不安を大きくするためのものではありません。
NIPTでわからないこと
一方で、NIPTには限界もあります。正直にお伝えしておきたいのは、次の点です。
まず、NIPTはスクリーニング検査なので、陽性の場合は確定検査(羊水検査・絨毛検査)が必要です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。微小欠失・重複の陽性的中率は、対象疾患、検査方式、欠失・重複サイズ、事前確率などによって大きく異なります。また、偽陰性の可能性もあります。検査の精度についてはスタンダードプランの精度データで詳しく説明しています。
次に、陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。自閉症や発達障害の多くは、多数の遺伝子と環境の影響が重なって起こると考えられており、特定の染色体や遺伝子の変化で説明できるのは一部です。また、男の子の知的障害の原因として知られる脆弱X症候群のように、NIPTでは調べられない原因もあります。さらに、病気が見つかった場合でも、症状の重さをNIPTで予測することはできません。
さらに詳しく知りたい方は、自閉症はNIPTでわかりますか?と高齢出産と障害|自閉症の子供が生まれてくる確率とリスクもご覧ください。
\ 陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます /
父親の年齢とde novo変異(新生突然変異)
父親年齢は、母体年齢とは異なる機序で子どものde novo変異数と関連します。出生前検査を検討するときは、母体年齢による染色体数的異常と父親年齢に伴うde novo変異の増加を分けて考えます。
卵子は生まれる前につくられて、その後は新しく増えることがありません。一方、精子は思春期以降、精巣の中で細胞分裂をくり返しながら一生つくられ続けます。DNAは分裂のたびにコピーされるため、年齢を重ねて分裂の回数が増えるほど、コピーの誤りが少しずつたまっていきます。アイスランドの親子の全ゲノムを解析した研究では、父親の年齢が1歳上がるごとに、子どもに新しく生じる遺伝子の変化(de novo変異)が約2個ずつ増え、約16.5年で2倍になると推定されました[16]。
de novo変異のほとんどは、健康に影響のない場所に起こります。ただ、まれに重要な遺伝子に起こると、両親が健康でも、子どもに単一遺伝子疾患が生じることがあります。こうした病気には、知的障害や発達の遅れ、自閉スペクトラム症を伴うものも含まれます。de novo変異そのものについてはDe Novo変異(新生突然変異)とはで、父親の年齢との関係は父親の年齢と単一遺伝子疾患で解説しています。
💡 用語解説:de novo変異(デノボへんい/新生突然変異)
両親のどちらももっていない遺伝子の変化が、精子や卵子ができる過程、あるいは受精直後に新しく生じたものをいいます。両親の血液を調べても見つからないため、家族に同じ病気の人がいなくても起こります。精子は一生つくられ続けるため、de novo変異は父親由来のものが多く、父親の年齢とともに増えることが分かっています。
年齢に応じたプランの考え方
ここまでの内容をふまえて、44歳・45歳の方がNIPTのプランを考えるときの視点を整理します。どのプランを選ぶかに正解はなく、ご夫婦が何を知りたいかによって変わります。
まず、44歳・45歳では、ダウン症候群をはじめとする染色体の数の異常が年齢とともに増えます。そのため、13・18・21トリソミーと性染色体の数の異常に加え、22q11.2欠失症候群を含む6種類7疾患の微小欠失を調べるスタンダードプランが基本になります。15・16・22番のトリソミーと12種類13疾患の微小欠失まで広げたいならプレミアムプラン、すべての常染色体(1〜22番)の数の異常と92種類の微小欠失・重複まで見たいなら双子マックスプランという選び方があります。
次に、パートナーの年齢が高い場合や、自閉症・発達障害・知的障害を伴う病気まで調べたい場合には、de novo変異による単一遺伝子疾患を調べられるダイヤモンドプラン(56遺伝子)やインペリアルプラン(最大155遺伝子・202疾患)という考え方もあります。
単一遺伝子まで調べる意味を示したデータもあります。超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[17]。この研究での検査の感度は98.5%、特異度は99.3%でした[17]。ただし、これは赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんの研究で、すべての妊婦さんで同じように1.6倍になるという意味ではありません。
ダイヤモンドプランでは、胎児・母体cfDNAの遺伝的デコンボリューションを用いる「COATE法」で検査を行います。
※COATE法は、read depth、allelic fraction、linked SNPなど複数の情報を統合して胎児由来と母体由来のcfDNAを解析する手法として報告されています。
インペリアルプランは、低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせた方式です。インペリアルプランと同じ155遺伝子・202疾患のパネルを、超音波異常を認める750例の高リスク妊娠で検証した研究では、de novo変異を調べるNIPTの陽性的中率は96.9%、感度は100%、特異度は99.9%でした。一般妊婦集団で同じ性能が得られることを示した研究ではありません[18]。この研究でも、陽性の場合には確定検査が必要とされています。de novo変異を調べるNIPTの詳細は155遺伝子de novo変異NIPTで説明しています。
44歳・45歳でNIPTを受ける前に知っておくこと
最後に、実際にNIPTを受けるときに迷いやすい点をまとめます。44歳・45歳の妊娠では、陽性の可能性も、流産の可能性も若い方より高くなるため、陽性のときや流産のときにどう対応してもらえるかまで確認しておくことが大切です。
受けられる時期:当院は妊娠6〜8週から(臨床研究)
当院のNIPTは通常妊娠9週から受けられますが、できるだけ早い時期に結果を知りたい方のために、妊娠6〜8週から臨床研究として受けられる体制を整えています。妊娠12週以降に妊娠を続けない選択をした場合は中期中絶となり、体への負担が大きくなります。また、妊娠4か月以降の流産・死産・人工妊娠中絶は、労働基準法では「出産」として扱われ、産後休業の対象となります。産後は原則8週間就業できず、6週間を経過した後は、本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に限り就業できます。早い時期に結果を知ることで、考える時間を持つことができます。ただし、週数が早いほど血液中の胎盤由来cfDNA(胎児分画)が少なく、判定できずに再検査になることがあります。
確定検査まで院内で受けられる
ミネルバクリニックは2025年6月から産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。NIPTで陽性となった場合も転院の必要がなく、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性の場合は、陽性後のカウンセリングを何度でも無料で受けられます。確定検査については羊水検査・絨毛検査のページで説明しています。
2つの互助会
当院には2つの互助会があります。1つ目の羊水検査互助会(カトレア会)は、1回のNIPTにつき8,000円で、当院でNIPTを受ける方が全員参加します。規約の対象となる陽性または判定不能時の羊水検査・絨毛検査について検査費用の実費を負担します(入院費・マイクロアレイ等は対象外)。
2つ目の安心検査結果保障制度は、1回のNIPTにつき6,000円です。再検査が必要になったのに、流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金する仕組みです。流産率の高い44歳・45歳の妊娠では、知っておいていただきたい制度です。費用の詳細はNIPTの追加費用と保証制度をご覧ください。
料金に含まれるもの
NIPTの料金には、遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定が含まれています。受診は90分の受診枠で、その中で臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。検査結果の作成費用(3,300円)は料金に含まれず、別途必要です。2つの互助会の会費や結果作成費用など、プラン料金とは別に必要な費用は合計17,850円です。陰性の場合は、結果をマイページでお知らせします。事前学習動画を見ていただいた方には当日割引が適用されます。プランごとの料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。
来院が難しい方はオンラインNIPT
遠方にお住まいの方や、通院の負担が大きい方は、オンラインNIPTをご利用いただけます。Zoomで遺伝カウンセリングを受けていただき、全国110か所の採血協力施設で採血を行います。
🩺 院長コラム【40代の出産を、正確な情報で支えたい】
40代での子育てには、気持ちや経済面での余裕があるという良さもあると考えています。年齢を重ねてからの妊娠には、確かに数字の上での難しさがありますが、それは避けるべき理由ではなく、知っておくべき情報です。
臨床遺伝専門医として大切にしているのは、どの検査で何がわかり、何がわからないのかを正確にお伝えすることです。ダウン症候群だけでなく、より負担の大きい病気や、自閉症・発達障害の原因の一部まで調べられる時代になりました。検査の範囲と限界を知ったうえで、ご夫婦にとって納得できる選択をしていただけるよう、常駐する臨床遺伝専門医が結果の説明から確定検査まで責任をもって対応します。
ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ
「年齢を考えると、ダウン症候群だけが心配」という44歳・45歳の方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族のこれからの暮らしにかかわるものです。子育ての負担をいちばん大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと報告されています[19]。そして、こうした行動の問題を伴いやすい病気の多くは、ダウン症候群ではなく微小欠失症候群や単一遺伝子疾患です[19][20]。これらは、三大トリソミーだけを調べる検査の対象には入っていません。
出生前検査は、ご家族のその後の人生にかかわるかもしれない検査です。費用の安さだけを物差しにして選んでよいのか、一度立ち止まって考えてみてください。
たとえば、13・18・21番の三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とします。調べる病気は3つなので、1つの病気あたりに直すと約3万3千円です。これに対して当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を対象にしています。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりに直すと約1,700円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体で調べるため、この数に入っていない変化まで調べていることになります。
ただし、調べる病気が多いほどよい検査、というわけではありません。範囲が広がるほど、陽性と判定される可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。だからこそ、どこまで調べるかは検査前の遺伝カウンセリングで決めることが大切です。
| プラン | 主に調べる範囲 | 数えた病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーだけを調べる検査 (仮に10万円とした場合) |
13・18・21トリソミー | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード (220,000円) |
13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム (264,000円) |
13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド (407,000円) |
プレミアムの範囲+単一遺伝子56 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス (440,000円) |
全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル (550,000円) |
全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 | 320+α | 約1,719円 |
※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
各プランで調べられる病気は、それぞれのページで詳しく紹介しています:スタンダードプラン/プレミアムプラン/ダイヤモンドプラン/双子マックスプラン/インペリアルプラン
どこまで調べたいかは、ご家族ごとに違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、44歳・45歳というご年齢やパートナーの年齢もふまえて、合うプランを一緒に考えます。
🏥 44歳・45歳のNIPTを、調べる範囲から選ぶために
90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、各プランの対象範囲と限界を説明します。ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の採血協力施設で採血)もご利用いただけます。
よくある質問(FAQ)
Q1. 44歳で出産する場合、ダウン症の確率はどのくらいですか?
英国の大規模データにもとづく推定では、44歳で出産した場合の出生時のダウン症候群の頻度は約39人に1人(約2.6%)です。43歳では約45人に1人、45歳では約35人に1人です。妊娠初期(検査時点)の頻度は、妊娠中に自然に失われる妊娠があるため、出生時の数字より高くなります。
Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?
ダウン症候群だけを調べれば十分、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族のほうが、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています。ストレスをいちばん強く左右していたのは、知的障害の程度ではなく、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった行動の問題でした。これらの病気は、三大トリソミーだけを調べる検査では見つけられません。当院では、スタンダードプランから22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、インペリアルプランと双子マックスプランではウィリアムズ症候群を、ダイヤモンドプランとインペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。
Q3. 45歳で出産する場合、ダウン症の確率はどのくらいですか?
出生時の頻度は約35人に1人(約2.9%)と推定されており、35歳(約350人に1人)の約10倍です。46歳では約31人に1人、47歳では約29人に1人です。「約30人に1人」という数字は、別の統計や妊娠初期に近い時点の頻度を示している場合で、どちらもおよそ30〜35人に1人という同じ桁の話です。
Q4. 44歳・45歳の流産率はどのくらいですか?
ノルウェーで約42万件の妊娠を調べた研究では、流産率は40〜44歳で32.2%、45歳以上で53.6%でした。高齢での流産の多くは、受精の時点で決まっていた赤ちゃん側の染色体の数の異常が原因で、妊娠中の生活で防げるものではありません。
Q5. 高齢出産で障害児が生まれる確率はどのくらいですか?
米国のデータでは、母親の年齢にかかわらず、生まれてくる赤ちゃんの約33人に1人に何らかの先天異常があると報告されています。母親の年齢とともにはっきり増えるのは、ダウン症候群などの染色体の数の異常です。一方、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患は母親の年齢とはほとんど関係なく起こります。病気によって年齢との関係が違うため、1つの数字で表すことはできません。
Q6. 高齢出産だと自閉症や発達障害は増えますか?
母親の年齢が上がると自閉スペクトラム症の頻度が上がる傾向がありますが、その影響は小さいもののゼロではない、という程度です。父親の年齢が上がると、子どもに新しく生じる遺伝子の変化(de novo変異)が増えることが分かっています。ただし、44歳・45歳で生まれる赤ちゃんの大多数には、自閉症や発達障害の原因となる染色体や遺伝子の変化は見つかりません。
Q7. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。たとえば22q11.2欠失症候群やアンジェルマン症候群(全プラン)、レット症候群やコルネリア・デ・ランゲ症候群(ダイヤモンド・インペリアル)、フェラン・マクダーミッド症候群やピット・ホプキンス症候群(インペリアル)などです。
Q8. NIPTが陰性なら、自閉症や発達障害の心配はありませんか?
いいえ。陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。自閉症や発達障害の多くは多数の遺伝子と環境の影響が重なって起こり、特定の染色体や遺伝子の変化で説明できるのは一部です。脆弱X症候群のようにNIPTで調べられない原因もあります。また、まれですが偽陰性の可能性もあります。
Q9. 夫の年齢も赤ちゃんの病気に関係しますか?
関係します。精子は一生つくられ続けるため、父親の年齢が1歳上がるごとに、子どもに新しく生じる遺伝子の変化(de novo変異)が約2個ずつ増えると推定されています。まれに重要な遺伝子に起こると単一遺伝子疾患の原因になるため、パートナーの年齢が高い場合は、de novo変異を調べられるダイヤモンドプランやインペリアルプランという考え方もあります。
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参考文献
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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。妊娠中の検査や体調については、主治医・専門医にご相談ください。






