InstagramInstagram

NIPT性染色体異常|症状・検査・費用を専門医が解説

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医として遺伝医療に携わっています。

NIPT(新型出生前診断)では、ダウン症候群などの常染色体の数の変化に加えて、性別にかかわるX染色体・Y染色体の数の変化(性染色体異常)も調べられます。性染色体の数の違いは、すべて合わせると生まれてくる赤ちゃんの約430人に1人にみられます[1]。知的な発達が保たれる人が多く、診断されないまま大人になる人も少なくありません[2]。一方で、性染色体のNIPTは、ほかの項目に比べて「陽性と出たが、実際には違った」ということが起こりやすい検査でもあります[3]。この記事では、NIPTで調べる4つの性染色体異常の特徴、検査の精度と限界、陽性のときの確定検査、ミネルバクリニックで調べられるプランを、臨床遺伝専門医が順に解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. 性染色体異常とは?生活への影響は大きいですか?

X染色体・Y染色体の本数が通常と違う状態で、生まれてくる赤ちゃんの約430人に1人にみられます。知的な発達が保たれる人が多く、診断されないまま生活している人も多いことが分かっています。一方で、ことばの遅れや学習面の苦手さは一般より多く、早く分かれば、ことば・学習の支援を早めに始められます。

📊 Q. NIPTで性染色体が陽性なら、ほぼ確定ですか?

いいえ。約153万人分のデータをまとめた解析では、性染色体の陽性的中率は全体で49.4%、ターナー症候群(45,X)では32.0%でした。胎盤だけの染色体の変化や、お母さん自身のモザイクが原因で陽性になることがあるためです。陽性のときは、確定検査(羊水検査・絨毛検査)で確かめてから考えます。

🏥 Q. ミネルバクリニックでは、どのプランで調べられますか?

単胎の妊娠であれば、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルの4つのプランで、45,X・47,XXX・47,XXY・47,XYYの4種類を調べます。双子の妊娠では、性染色体の数の異常は調べられません。陽性の場合も、確定検査まで院内で受けられます。

\ 性染色体まで調べるかどうかを、検査の前に決めておきたい方へ /

📅 NIPTを予約する

NIPTのプランを見る | NIPTの料金 | オンラインNIPT

性染色体異常の基本知識

「性染色体異常」という言葉は重く聞こえますが、指しているのはX染色体・Y染色体の本数が通常と違う状態のことです。体や発達への影響は病名によって違い、同じ病名でも人によって幅があります。まず、性染色体とは何か、どのくらいの人にみられるのか、発達にどう関係するのかを整理します。

性染色体とは

人の細胞には通常46本の染色体があり、このうち44本を常染色体、残りの2本を性染色体と呼びます。性染色体にはX染色体とY染色体があり、女性はXX、男性はXYの組み合わせです。性染色体が1本多い、または1本少ない状態を、性染色体の数の異常(性染色体異数性)といいます。

性染色体の数の違いの多くは、卵子や精子ができるとき、あるいは受精したあとの細胞分裂で、染色体がうまく分かれないことで偶然に起こります[4][5]。妊娠中の生活や、ご両親の行動が原因で起こるものではありません。

💡 用語解説:核型(かくがた)の読み方

「47,XXY」のような表記を核型といいます。最初の数字は染色体の総数、その後ろは性染色体の組み合わせです。通常は女性が46,XX、男性が46,XYです。47,XXYは「染色体が全部で47本あり、性染色体がX・X・Yの3本」という意味で、45,Xは「全部で45本、性染色体がXの1本だけ」という意味です。

どのくらいの人にみられ、どのくらい気づかれているか

デンマークで新生児34,910人の染色体を調べた調査では、クラインフェルター症候群は男の子の576人に1人、XYY症候群は男の子の851人に1人、トリプルX症候群は女の子の947人に1人、ターナー症候群は女の子の1,893人に1人でした。性染色体の数の違いを全部合わせると、赤ちゃん426人に1人になります[1]。これは生まれた時点での頻度です。

一方で、実際に診断を受けている人はずっと少ないことが分かっています。デンマークの全国登録を使った研究では、診断を受けていた人は、理論上いるはずの人数に対して、クラインフェルター症候群で38%、XYY症候群で18%、トリプルX症候群で13%にとどまりました[2]。残りの人は、診断がつかないまま生活していることになります。

知的な発達と、ことば・学習面

性染色体が1本多い3つの状態(47,XXX・47,XXY・47,XYY)についての研究をまとめた総説では、知能指数の平均は、47,XXYと47,XYYでは正常範囲にあり、47,XXXでは比較した集団より20点ほど低いと報告されています。いずれも、とくにことばにかかわる力に差が出やすいとされています。大人になった人の多くは、自立して生活していました[6]。

ただし、ことばの遅れや、読み書き・学習面の苦手さは一般より多いことも事実です[6]。自閉スペクトラム症の診断を受けていた割合は、ある調査で47,XYYの子どもの19%(58人中11人)、47,XXYの子どもの11%(19人中2人)でした[7]。言いかえると、8割以上のお子さんには当てはまりません。また、こうした数字は、困りごとをきっかけに診断された子どもが多く含まれるほど高く出ます。47,XYYの男の子90人の調査では、自閉スペクトラム症の診断は、生まれたあとに診断された子で40%、出生前に分かっていた子で11%でした[8]。

生まれる前に分かっていれば、ことばや学習の様子を早い時期から見守り、必要な支援を早めに始められます。NIPTは自閉症そのものを診断する検査ではありませんが、発達に関係することがある染色体の変化の一部を、妊娠中に調べられます。詳しくは自閉症はNIPTでわかりますか?で解説しています。

NIPTで検査できる性染色体異常の種類

ミネルバクリニックのNIPTで調べる性染色体の数の異常は、ターナー症候群(45,X)・トリプルX症候群(47,XXX)・クラインフェルター症候群(47,XXY)・XYY症候群(47,XYY)の4種類です。それぞれの特徴を順にみていきます。数字はいずれも海外の研究にもとづくもので、頻度は生まれた時点のものです。

クラインフェルター症候群(47,XXY)

男性にX染色体が1本多い状態で、男の子の約600人に1人にみられます[1]。主な特徴は、精巣が小さいこと、男性ホルモン(テストステロン)が不足しやすいこと、不妊です。身長は平均より5〜7cmほど高くなる傾向があります。子どものころには、ことばの遅れや学習面の苦手さがみられることがあります[9]。

診断がつくのは全体の25〜40%ほどで、その多くは大人になってから、不妊の検査などをきっかけに分かります[9]。治療の中心は男性ホルモンの補充療法です。精巣から直接精子を採る手術(TESE)では、30〜50%の人で精子が見つかると報告されています[9]。

ターナー症候群(45,X)

女性のX染色体が1本だけ、または一部が欠けている状態で、女性の約2,000〜4,000人に1人にみられます[10]。45,Xで始まった妊娠は、その約99%が出産まで至らないと推定されています[5]。生まれてくる赤ちゃんは、そのなかで育つ力のあった赤ちゃんです。

主な特徴は、低身長と、卵巣の働きが早い時期に低下することです。生まれつきの心臓・血管の病気や、腎臓、聴力などに合併症がみられることがあり、年齢に応じた定期的な検査が勧められています。知的な発達は保たれることが多い一方、図形や計算など、特定の分野に苦手さが出ることがあります。成長ホルモン療法や女性ホルモンの補充療法が行われます[10]。

NIPTでターナー症候群が陽性と言われた方に向けた次のステップはNIPTでターナー症候群陽性と診断された方へで、病気そのものの解説はターナー症候群とは?原因・症状・知的障害・寿命でご覧いただけます。

トリプルX症候群(47,XXX)

女性にX染色体が1本多い状態で、女の子の約1,000人に1人にみられます。症状が目立たない人も多く、診断を受けているのは約10%とされています[4]。

背が高めになる傾向があり、乳幼児期に筋肉の張りが弱い、ことばや運動の発達がゆっくり、といった特徴がみられることがあります。学齢期には学習面の苦手さや、注意の続きにくさ、不安の強さが一般より多いと報告されています。卵巣の働きが早く低下することがあるため、月経の始まりが遅い、月経が不順、妊娠しにくいといった場合は、卵巣の働きを調べることが勧められています[4]。

XYY症候群(ヤコブ症候群・47,XYY)

男性にY染色体が1本多い状態で、男の子の約1,000人に1人にみられます。85%以上は一度も診断されないと考えられています[8]。

47,XYYの男の子90人を調べた研究では、78%で身長が平均より高く、男性ホルモンの値は調べた人の93%で正常範囲でした。ことばの遅れや学習面の苦手さがみられることがあり、この研究では注意欠如・多動症(ADHD)の診断を受けていた子が52%いました。ただし、発達の心配をきっかけに診断された子どもが多く含まれており、出生前に分かっていた子どもは、知能検査の結果がよく、自閉スペクトラム症の診断も少ないという結果でした[8]。

なお、かつて言われた「攻撃的になりやすい」という説は、その後の調査で裏づけられていません[6]。この点はXYY症候群(47,XYY)のページで詳しく解説しています。

関連する病気:XXYY症候群(48,XXYY)

48,XXYYは、男性にX染色体とY染色体が1本ずつ多い状態で、男性の約18,000〜40,000人に1人とまれです。背が高い、男性ホルモンが不足しやすい、不妊といった体の特徴はクラインフェルター症候群に似ていますが、発達や心理面の特徴はより目立つと報告されています[11]。当院のNIPTの対象項目は上の4種類で、48,XXYYは対象として挙げていません。病気の詳しい解説はXXYY症候群(48,XXYY)のページをご覧ください。

性染色体異常の症状比較表

ここまでの内容を一覧にまとめます。頻度は生まれた時点のもので、主な特徴はすべての人に当てはまるわけではありません。

🧬 性染色体の数の違い:種類ごとの比較

病名(核型) 性別 出生時の頻度 主な特徴 当院のNIPT
クラインフェルター症候群
(47,XXY)
男性 約600人に1人[1] 精巣が小さい、男性ホルモンの不足、不妊、背が高め、ことば・学習面の苦手さ[9] 対象
ターナー症候群
(45,X)
女性 約2,000〜4,000人に1人[10] 低身長、卵巣の働きの低下、心臓・血管の合併症。知的な発達は保たれることが多い[10] 対象
トリプルX症候群
(47,XXX)
女性 約1,000人に1人[4] 背が高め、ことば・運動の発達がゆっくり、学習面の苦手さ。症状が目立たない人も多い[4] 対象
XYY症候群
(47,XYY)
男性 約1,000人に1人[8] 背が高め、ことばの遅れ、注意の続きにくさ。男性ホルモンは多くの人で正常範囲[8] 対象
XXYY症候群
(48,XXYY)
男性 約18,000〜40,000人に1人[11] 背が高い、男性ホルモンの不足、不妊。発達・心理面の特徴がより目立つ[11] 対象項目に含まれません

「当院のNIPT」は、各プランのページに検査項目として記載があるかどうかを示しています。対象の4種類を調べられるプランは「当院のプランと流れ」の表をご覧ください。

NIPTでの性染色体異常検査について

NIPTは、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの断片を調べ、染色体の数の変化の可能性を推定する検査です。採血だけで受けられ、流産の危険はありません。ただし、ここでいう「赤ちゃん由来のDNA」の多くは胎盤の細胞から出たもので、お母さん自身のDNAも一緒に調べることになります。この2点が、性染色体の検査の限界に関係します。

検査の精度と限界

94の研究、約153万人分のデータをまとめた解析では、性染色体の数の異常に対するNIPTの感度(実際にある場合に陽性と出る割合)は94.1%、特異度(実際にはない場合に陰性と出る割合)は99.5%でした[3]。感度は100%ではないため、まれですが、偽陰性(実際にはあるのに陰性と出ること)の可能性があります。

あわせて、次の限界を知っておいてください。

  • ➤スクリーニング検査です。可能性が高いかどうかを調べる検査で、診断を確定する検査ではありません。
  • ➤モザイクは見つけにくいことがあります。体の一部の細胞だけに変化がある場合(モザイク)は、結果に表れにくくなります。
  • ➤染色体の一部だけの変化は対象外です。X染色体やY染色体の一部が欠けるなどの構造の変化は、性染色体の数を調べる検査では分かりません。
  • ➤対象は4種類です。48,XXYYなど、4種類以外の組み合わせは対象項目に含まれません。
  • ➤双子の妊娠では調べられません。双子では、分かるのはY染色体があるかどうかまでです。

そして、性染色体の検査でいちばん大切な限界が、陽性と出ても、実際には赤ちゃんに変化がないことが少なくないという点です。これは次の章で詳しく説明します。

検査を受けるタイミングと条件

📋 当院のNIPTを受ける条件

項目 内容
受けられる時期 妊娠9週0日から(妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます)
検査の方法 お母さんの採血のみ(約20mL)
結果が出るまで 採血からおよそ10〜14日(インペリアルプランの単一遺伝子の結果のみ3〜4週間)
年齢の制限 ありません
性染色体を調べられる妊娠 単胎の妊娠(双子の妊娠では調べられません)

妊娠の週数が早いほど、血液中の赤ちゃん由来のDNAは少なく、判定ができずに再検査になることがあります。早い時期に結果を知ることには、考える時間を長く持てるという意味がありますが、この限界もあわせてご理解ください。

性染色体のNIPTは陽性的中率が低め ― 胎盤だけの変化・お母さん自身のモザイクと確定検査

陽性的中率とは、NIPTで陽性と出た人のうち、実際に赤ちゃんにその変化があった人の割合です。性染色体の数の異常では、この割合が、ダウン症候群などの常染色体トリソミーより低くなりやすいことが知られています。

📊 性染色体のNIPTの陽性的中率

項目 陽性的中率 95%信頼区間
性染色体の数の異常 全体 49.4% 45.8〜53.1%
ターナー症候群(45,X) 32.0% 27.0〜37.3%
トリプルX症候群(47,XXX) 57.5% 51.7〜63.1%
クラインフェルター症候群(47,XXY) 67.6% 62.5〜72.5%
XYY症候群(47,XYY) 70.9% 63.9〜77.1%

出典:Bussolaroら(2023)[3]。94の研究、約153万人分をまとめた解析です。特定の検査会社やプランの成績ではなく、検査方法や受けた人の背景が異なる研究を合わせた数字です。

つまり、性染色体で陽性と出ても、およそ2人に1人は、赤ちゃんに実際の変化がありません。なかでもターナー症候群(45,X)は、陽性のうち実際にそうだったのが3人に1人ほどです[3]。理由は主に2つあります。

理由1:胎盤だけに染色体の変化がある(胎盤限局性モザイク)

NIPTが調べているDNAの多くは、赤ちゃん本人ではなく胎盤から出たものです。ふつう胎盤と赤ちゃんの染色体は同じですが、受精卵が分裂していく途中で、胎盤の細胞にだけ染色体の変化が生じることがあります。この場合、NIPTは陽性になりますが、赤ちゃん本人の染色体は通常どおりです。

67,030件の絨毛検査の結果を調べた研究では、胎盤だけの変化によって性染色体のNIPTが偽陽性になる割合は0.05%と見積もられました。また、45,Xの陽性的中率は、超音波検査で赤ちゃんに所見がある場合は99%、所見がない場合は51〜71%と大きく違っていました[12]。超音波で何も指摘されていない妊婦さんの45,X陽性は、とくに慎重に確かめる必要があります。

理由2:お母さん自身の細胞に変化がある(母体のモザイク)

NIPTでは、赤ちゃん由来のDNAとお母さん自身のDNAが混ざった状態で調べます。そのため、お母さんの体の細胞の一部に、X染色体の本数が違う細胞が混じっている(モザイク)と、赤ちゃんに変化がなくても陽性と出ることがあります。お母さん自身は健康で、気づいていないことがほとんどです。

性染色体で陽性となった結果を前向きに調べた研究では、その8.6%は、お母さん自身のX染色体の変化が原因でした[13]。

💡 用語解説:モザイク

同じ人の体の中に、染色体の本数が違う細胞が混ざっている状態です。胎盤だけに変化のある細胞がある場合を「胎盤限局性モザイク」、お母さんの体の細胞の一部に変化がある場合を「母体のモザイク」と呼びます。どちらも、NIPTの結果と赤ちゃん本人の染色体が一致しない原因になります。

陽性なら、確定検査で確かめてから考える

米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)は、性染色体の数の異常についても、NIPTを妊婦さんに提供することを強く推奨しています[14]。調べる意味のある検査ですが、上の数字が示すとおり、陽性は「可能性がある」という知らせであって、診断ではありません。結果を確かめるには、確定検査(羊水検査・絨毛検査)が必要です。

絨毛検査は胎盤の組織を調べる検査のため、胎盤だけの変化があると、赤ちゃん本人の結果と区別がつきにくいことがあります。超音波検査で所見がない場合の性染色体の陽性では、羊水検査で確かめることが望ましいとされています[12]。どちらの検査が合うかは、妊娠週数と超音波の所見をふまえて決めます。

① NIPTで陽性性染色体の陽性は約半数が実際には違う
▶
② 遺伝カウンセリング結果の意味と確定検査を確認
▶
③ 確定検査羊水検査・絨毛検査を院内で
▶
④ 結果を見て考える主要な項目は3日以内

ミネルバクリニックでは、陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングは、何度でも無料です。

⚠️ 大切なこと

性染色体のNIPTで陽性と出ても、確定検査で確かめる前に、妊娠をどうするかを決めないでください。陽性のおよそ半数は、赤ちゃんに実際の変化がありません。また、実際に変化があった場合も、知的な発達が保たれる人が多く、診断されないまま生活している人が多い状態です。

\ 陽性のあと、確定検査まで院内で受けられるNIPTをお探しの方へ /

📅 NIPTを予約する

羊水検査・絨毛検査 | 羊水検査互助会 | NIPTの料金

ミネルバクリニックでの検査について

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が運営するクリニックです。検査前の遺伝カウンセリングから、結果のお知らせ、陽性のときの確定検査までを院内で行います。

検査プランと費用

性染色体の数の異常(4種類)は、単胎の妊娠であれば、次の4つのプランで調べられます。プランによって、あわせて調べる範囲が違います。

🏥 プラン別:性染色体の数の異常を調べられるか

プラン 性染色体の数の異常 あわせて調べる主な範囲 対象の妊娠
スタンダードプラン 調べます(4種類) 13・18・21トリソミー、微小欠失6種類7疾患 単胎・双胎(双胎では性染色体は調べられません)
プレミアムプラン 調べます(4種類) 13・18・21・15・16・22トリソミー、微小欠失12種類13疾患 単胎のみ
ダイヤモンドプラン 調べます(4種類) プレミアムプランの範囲+単一遺伝子(56遺伝子) 単胎のみ
インペリアルプラン 調べます(4種類) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子(最大155遺伝子・202疾患) 単胎のみ
双子マックスプラン 調べません(Y染色体の有無のみ) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 双胎

4種類=ターナー症候群(45,X)・トリプルX症候群(47,XXX)・クラインフェルター症候群(47,XXY)・XYY症候群(47,XYY)。各プランのページの記載にもとづきます(2026年10月確認)。

料金はプランによって異なり、変わることがあるため、最新の金額はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、4Dエコー、性別判定が含まれます。性別や性染色体の結果を知りたいかどうかは、検査前の遺伝カウンセリングでご意向を確認します。

検査の流れ

① 予約WEBから24時間
▶
② 来院(90分の受診枠)遺伝カウンセリング・4Dエコー・採血
▶
③ 結果採血からおよそ10〜14日
▶
④ 陽性のとき遺伝カウンセリングと院内での確定検査

90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。どこまで調べるか、性染色体の結果を知るかどうかも、ここで決められます。採血そのものは10分ほどです。結果は、陰性の場合はマイページでお知らせします。

来院が難しい方は、オンラインNIPTもご利用いただけます。Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携医療機関で採血する方法です。

アフターサポート体制

  • ➤確定検査を院内で。羊水検査・絨毛検査を院内で行います。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。ご希望や距離に応じて、提携する医療機関をご紹介することもできます。
  • ➤確定検査の費用は互助会で。陽性のときの確定検査の費用は、NIPTを受ける方が全員加入する羊水検査互助会(カトレア会)が補助します。補助に上限はありません。
  • ➤陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料。結果の意味、確定検査、その先のことを、臨床遺伝専門医が説明します。
  • ➤24時間つながるホットライン。陽性のときは、24時間いつでも院長(臨床遺伝専門医)に電話でつながる窓口を用意しています。
仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「異常」という言葉と、実際の暮らしのあいだ】

性染色体異常という名前から受ける印象と、実際にその染色体をもって暮らしている人の姿には、大きな開きがあると考えています。診断を受けないまま学校に通い、働き、家庭をもっている人が多いという事実は、もっと知られてよいことです。同時に、ことばや学習の面で支えが必要になる子どもが一般より多いことも事実で、どちらか片方だけを伝えるのは正確ではありません。

もう一つお伝えしたいのは、性染色体のNIPTの陽性は、約半数が実際には違うということです。検査の弱点は検査そのものではなく、確定検査で確かめる前に結論を出してしまうことにあると考えています。調べるかどうか、結果を知るかどうかを検査の前に決められること、陽性のときにすぐ確かめられること。その両方がそろって、はじめて意味のある検査になります。

🏥 性染色体まで調べるかどうかを、納得して決めるために

性染色体の数の異常は、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルの各プランで調べられます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

まだ決めていない方は、料金や、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル・双子マックスの各プランのページからご覧ください。

よくある質問(FAQ)

Q1. 性染色体異常があると、日常生活にどのくらい影響しますか?

影響は病名や人によって違いますが、知的な発達が保たれる人が多く、診断されないまま学校に通い、働いている人が多い状態です。デンマークの研究では、診断を受けていた人は、クラインフェルター症候群で38%、XYY症候群で18%、トリプルX症候群で13%にとどまりました[2]。一方で、ことばの遅れや学習面の苦手さは一般より多く[6]、ターナー症候群やクラインフェルター症候群ではホルモンの補充などの治療が行われます。早く分かれば、支援や治療を早めに始められます。

Q2. 性染色体異常は遺伝しますか?次の妊娠でも起こりますか?

多くは、卵子や精子ができるとき、あるいは受精後の細胞分裂で偶然に起こるもので、ご両親から受け継いだものではありません[4][5]。ご両親の行動が原因で起こるものでもありません。次の妊娠でどう考えるかは、ご家族の状況によって違うため、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで個別に確認することをお勧めします。

Q3. NIPTで性染色体が陽性でした。赤ちゃんは必ずその病気ですか?

いいえ。約153万人分のデータをまとめた解析では、性染色体の陽性的中率は全体で49.4%、ターナー症候群(45,X)では32.0%でした[3]。胎盤だけの染色体の変化や、お母さん自身のモザイクが原因で陽性になることがあるためです。陽性のときは、確定検査(羊水検査・絨毛検査)で確かめます。当院では確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

Q4. NIPTで見つけられない性染色体の変化はありますか?

あります。体の一部の細胞だけに変化があるモザイクは見つけにくく、X染色体やY染色体の一部だけが欠けるなどの構造の変化は、性染色体の数を調べる検査では分かりません。当院のNIPTの対象は45,X・47,XXX・47,XXY・47,XYYの4種類で、48,XXYYなどは対象項目に含まれません。また、双子の妊娠では性染色体の数の異常は調べられません。まれですが、偽陰性の可能性もあります。

Q5. 性染色体異常は、お母さんの年齢と関係がありますか?

種類によって違います。トリプルX症候群(47,XXX)は、お母さんの年齢が高いほど起こりやすくなると報告されています[4]。クラインフェルター症候群(47,XXY)も、デンマークの調査で、お母さんの年齢が頻度に影響していました[15]。一方、ターナー症候群(45,X)は、ご両親の年齢が上がっても増えないとされています[5]。いずれも、どの年齢の妊娠でも起こりえます。

Q6. 性染色体のNIPTの精度はどのくらいですか?

94の研究をまとめた解析では、感度94.1%、特異度99.5%でした[3]。ただし、陽性と出た人のうち実際に赤ちゃんに変化があった割合(陽性的中率)は全体で49.4%で、ダウン症候群などの常染色体トリソミーより低くなります。NIPTはスクリーニング検査で、陽性のときは確定検査で確かめることが前提です。

Q7. ミネルバクリニックでは、どのプランで性染色体を調べられますか?双子でも調べられますか?

単胎の妊娠であれば、スタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルの4つのプランで、45,X・47,XXX・47,XXY・47,XYYの4種類を調べます。双子の妊娠では、スタンダードプラン・双子マックスプランのどちらでも、性染色体の数の異常は調べられず、分かるのはY染色体があるかどうかまでです。

Q8. 性染色体の数の違いは、自閉症や発達障害と関係がありますか?

関係があることがありますが、大多数のお子さんには当てはまりません。ある調査では、自閉スペクトラム症の診断を受けていた割合は、47,XYYの子どもの19%、47,XXYの子どもの11%でした[7]。ことばの遅れや学習面の苦手さは一般より多いため[6]、早く分かれば、ことば・学習の支援を早めに始められます。NIPTは自閉症そのものを診断する検査ではなく、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。

まとめ

  • ➤性染色体の数の違いは、赤ちゃんの約430人に1人にみられます。知的な発達が保たれる人が多く、診断されないまま生活している人が多い状態です。
  • ➤ことばの遅れや学習面の苦手さは一般より多く、早く分かれば、支援や治療を早めに始められます。
  • ➤NIPTはスクリーニング検査です。性染色体の陽性的中率は全体で約半数にとどまり、陽性のときは確定検査で確かめる必要があります。
  • ➤ミネルバクリニックでは、単胎の妊娠であれば4つのプランで性染色体の数の異常(4種類)を調べられ、確定検査まで院内で受けられます。
  • ➤調べるかどうか、結果を知るかどうかは、検査前の臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリングで決められます。

関連記事

参考文献

  • [1] Nielsen J, Wohlert M. Chromosome abnormalities found among 34,910 newborn children: results from a 13-year incidence study in Arhus, Denmark. Hum Genet. 1991;87(1):81-83. [DOI 10.1007/BF01213097]
  • [2] Berglund A, Viuff MH, Skakkebæk A, Chang S, Stochholm K, Gravholt CH. Changes in the cohort composition of Turner syndrome and severe non-diagnosis of Klinefelter, 47,XXX and 47,XYY syndrome: a nationwide cohort study. Orphanet J Rare Dis. 2019;14:16. [DOI 10.1186/s13023-018-0976-2]
  • [3] Bussolaro S, Raymond YC, Acreman ML, Guido M, Da Silva Costa F, Rolnik DL, Fantasia I. The accuracy of prenatal cell-free DNA screening for sex chromosome abnormalities: A systematic review and meta-analysis. Am J Obstet Gynecol MFM. 2023;5(3):100844. [DOI 10.1016/j.ajogmf.2022.100844]
  • [4] Tartaglia NR, Howell S, Sutherland A, Wilson R, Wilson L. A review of trisomy X (47,XXX). Orphanet J Rare Dis. 2010;5:8. [DOI 10.1186/1750-1172-5-8]
  • [5] Hook EB, Warburton D. Turner syndrome revisited: review of new data supports the hypothesis that all viable 45,X cases are cryptic mosaics with a rescue cell line, implying an origin by mitotic loss. Hum Genet. 2014;133(4):417-424. [DOI 10.1007/s00439-014-1420-x]
  • [6] Leggett V, Jacobs P, Nation K, Scerif G, Bishop DVM. Neurocognitive outcomes of individuals with a sex chromosome trisomy: XXX, XYY, or XXY: a systematic review. Dev Med Child Neurol. 2010;52(2):119-129. [DOI 10.1111/j.1469-8749.2009.03545.x]
  • [7] Bishop DVM, Jacobs PA, Lachlan K, Wellesley D, Barnicoat A, Boyd PA, et al. Autism, language and communication in children with sex chromosome trisomies. Arch Dis Child. 2011;96(10):954-959. [Arch Dis Child]
  • [8] Bardsley MZ, Kowal K, Levy C, Gosek A, Ayari N, Tartaglia N, et al. 47,XYY syndrome: clinical phenotype and timing of ascertainment. J Pediatr. 2013;163(4):1085-1094. [DOI 10.1016/j.jpeds.2013.05.037]
  • [9] Gravholt CH, Chang S, Wallentin M, Fedder J, Moore P, Skakkebæk A. Klinefelter syndrome: integrating genetics, neuropsychology, and endocrinology. Endocr Rev. 2018;39(4):389-423. [DOI 10.1210/er.2017-00212]
  • [10] Gravholt CH, Andersen NH, Conway GS, et al.; International Turner Syndrome Consensus Group. Clinical practice guidelines for the care of girls and women with Turner syndrome: proceedings from the 2016 Cincinnati International Turner Syndrome Meeting. Eur J Endocrinol. 2017;177(3):G1-G70. [DOI 10.1530/EJE-17-0430]
  • [11] Tartaglia N, Davis S, Hench A, Nimishakavi S, Beauregard R, Reynolds A, et al. A new look at XXYY syndrome: medical and psychological features. Am J Med Genet A. 2008;146A(12):1509-1522. [DOI 10.1002/ajmg.a.32366]
  • [12] Grati FR, Bajaj K, Zanatta V, Malvestiti F, Malvestiti B, Marcato L, et al. Implications of fetoplacental mosaicism on cell-free DNA testing for sex chromosome aneuploidies. Prenat Diagn. 2017;37(10):1017-1027. [DOI 10.1002/pd.5138]
  • [13] Wang Y, Chen Y, Tian F, Zhang J, Song Z, Wu Y, et al. Maternal mosaicism is a significant contributor to discordant sex chromosomal aneuploidies associated with noninvasive prenatal testing. Clin Chem. 2014;60(1):251-259. [DOI 10.1373/clinchem.2013.215145]
  • [14] Dungan JS, Klugman S, Darilek S, Malinowski J, Akkari YMN, Monaghan KG, et al.; ACMG Board of Directors. Noninvasive prenatal screening (NIPS) for fetal chromosome abnormalities in a general-risk population: An evidence-based clinical guideline of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2023;25(2):100336. [DOI 10.1016/j.gim.2022.11.004]
  • [15] Bojesen A, Juul S, Gravholt CH. Prenatal and postnatal prevalence of Klinefelter syndrome: a national registry study. J Clin Endocrinol Metab. 2003;88(2):622-626. [DOI 10.1210/jc.2002-021491]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。検査や結果については、主治医にご相談ください。

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

記事の作り方と生成AIの使い方は、編集方針をご覧ください。

お電話での受付可能
診療時間
午前 10:00~14:00
(最終受付13:30)
午後 16:00~20:00
(最終受付19:30)
休診 火曜・水曜

休診日・不定休について

クレジットカードのご利用について

publicブログバナー
 
medicalブログバナー
 
NIPTトップページへ遷移