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レット症候群・アンジェルマン症候群の遺伝子検査|原因・遺伝する確率と30遺伝子パネルでわかること

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

レット症候群・アンジェルマン症候群の遺伝子検査

レット症候群・アンジェルマン症候群の遺伝子検査(30遺伝子パネル)は、2つの病気と、それによく似た症状を起こす病気の原因遺伝子30個を、1回でまとめて調べる検査です。発達の後戻り、手をもむような動き、よく笑うのに言葉が出ない、てんかん――こうした症状は、いくつもの別の病気で重なって見られ、症状だけで見分けるのは簡単ではありません。欧州の希少疾患の患者さん6,507人の調査では、診断がつくまでに平均4.7年かかっていました[11]。原因がわかれば、見張るべき合併症、使える制度、次のお子さんで同じことが起こる確率まで、具体的に考えられるようになります。このページでは、レット症候群・アンジェルマン症候群の原因と遺伝のしかた、この検査でわかること・わからないこと、メチル化解析との選び方を、臨床遺伝専門医が解説します。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

レット症候群の主な原因であるMECP2、アンジェルマン症候群の原因の1つであるUBE3A、似た症状を起こすCDKL5・FOXG1・TCF4など、30遺伝子の小さな変化と欠失・重複を一度に調べます。アンジェルマン症候群の片親性ダイソミー・刷り込み異常はこの検査では見つからず、欠失型の確定(お母さん由来かどうかの確認)にもメチル化解析が必要です。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

発達の後戻りや手もみなどレット症候群に似た症状がある方、重い言葉の遅れ・てんかん・発達の遅れがあってどの病気かしぼれない方、ほかの検査で原因がわからなかった方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。検体は血液・唾液・頬の内側の粘膜などで、オンライン診療でも受けられます。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。原因がわかれば、ご両親の検査で「新しく起きた変化か、受け継いだ変化か」を確かめ、次のお子さんの確率を考えられます。意義がまだわからない変化(VUS)が見つかることもあります。

\ 一生変わらない遺伝子を知って、これからの計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

検査の前に臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、結果も臨床遺伝専門医が直接ご説明します。

お問い合わせはこちら | アンジェルマン症候群を強く疑う方はメチル化解析へ

1. レット症候群・アンジェルマン症候群の遺伝子検査とは:30遺伝子を一度に調べる理由

この検査は、レット症候群・アンジェルマン症候群と、それによく似た症状を起こす病気の原因遺伝子30個を、1回の採取でまとめて調べる遺伝子パネル検査です。遺伝子パネル検査とは、ある症状に関係する複数の遺伝子を、次世代シークエンサーでまとめて読む方法です。

1つずつ遺伝子を調べる方法では、最初に疑った遺伝子に原因がなければ次の検査へ、と回り道になりがちです。レット症候群とアンジェルマン症候群は、発達の遅れ・言葉の遅れ・てんかんという症状が重なり、さらにFOXG1症候群、CDKL5欠損症、ピット・ホプキンス症候群、モワット・ウィルソン症候群など、似た症状の病気がいくつもあります[1]。そのため、最初から候補をまとめて調べることに意味があります。

ただし、遺伝子検査で全員に原因が見つかるわけではありません。日本の未診断疾患イニシアチブ(IRUD)では、全エクソーム解析まで終えた5,136家系のうち、診断が確定したのは2,247家系(43.8%)でした[10]。原因が見つからなかったときも次の選択肢があることを、このページの後半でご説明します。

2. レット症候群とアンジェルマン症候群:症状・何歳でわかるか・原因

レット症候群はX染色体のMECP2遺伝子の変化で起こり、主に女の子に見られます。アンジェルマン症候群は15番染色体のUBE3A遺伝子のうちお母さんから受け継いだ側が働かないことで起こり、男女の差はありません。どちらも、厚生労働省の指定難病と小児慢性特定疾病の対象です(第8章)。

レット症候群とは:手もみや発達の後戻りは何歳ごろから

レット症候群は、生後6〜18か月ごろまでは目立った問題なく育ったあと、発達が止まり、1〜4歳ごろにできていたことが失われる(退行する)のが特徴です[2]。目的をもって手を使うことがむずかしくなり、手をもむ・こする・口に入れるといった繰り返しの動き(常同運動、いわゆる「手もみ」)が出てきます。この手の動きは、典型的なレット症候群のほぼ全員に見られると報告されています[2]。

国際的な診断基準(2010年改訂)では、退行の時期があったうえで、手の機能の喪失、話し言葉の喪失、歩き方の異常、手の常同運動を主な基準としています[3]。てんかんは典型例の60〜80%、起きているときの呼吸の乱れ(過呼吸や無呼吸)は99%に見られるとされています[2]。

🧒 レット症候群の経過の目安

時期 よく見られること
生後6〜18か月ごろまで 目立った問題なく育つように見える
その後 発達が止まる時期が短くあり、続いて急な退行が起こる
1〜4歳ごろ 手の機能や言葉が失われ、手もみなどの常同運動が目立つ
2〜10歳ごろ 症状が落ち着く、または一部が回復する時期に入る(平均5歳)

※GeneReviews[2]による。経過には個人差があります。

頻度は、世界で女児の出生1万〜2万3,000人に1人とされています[2]。日本では、厚生労働省の研究班の調査で20歳までの患者さんは推定約1,020人、女児1万人に0.9人ほどと報告されています(難病情報センター、2026年10月時点で確認)。

アンジェルマン症候群とは:よく笑う・言葉が出ない・いつわかる

アンジェルマン症候群は、重い発達の遅れ、言葉がほとんど出ないこと、歩き方が不安定になる・手足がふるえるといった運動やバランスの問題、そしてよく笑う・楽しそうに見える・興奮しやすいといった行動の特徴をもつ病気です。この4つが、国際的なコンセンサスで示された診断の手がかりです[1][4]。

発達の遅れは生後6か月ごろから気づかれますが、アンジェルマン症候群らしい特徴がはっきりするのは1歳を過ぎてからです。てんかんは最大90%に見られ、多くは1〜3歳で始まります。頭が小さめ(小頭症)の頻度は報告によって25〜80%と幅があり、頭の大きさが普通でもアンジェルマン症候群は否定できません[1]。頻度は1万2,000〜2万4,000人に1人とされています[1](難病情報センターでは出生1万5,000人に1人)。

似た症状の病気がある:症状だけでは見分けにくい理由

レット症候群やアンジェルマン症候群に似た症状は、別の遺伝子の病気でも起こります。かつて「レット症候群の先天型」と呼ばれたFOXG1症候群[8]、「早期発症てんかん型」と呼ばれたCDKL5欠損症[9]は、今は別の病気として扱われています。アンジェルマン症候群と見分けが必要な病気としては、ピット・ホプキンス症候群、モワット・ウィルソン症候群、クリーフストラ症候群、クリスチャンソン症候群、フェラン・マクダーミド症候群、MECP2重複症候群などが挙げられています[1]。

見た目や症状の組み合わせだけで、どの病気かを決めることはできません。だからこそ、候補の遺伝子をまとめて調べるこの検査が役に立ちます。てんかんと発達の遅れが同じ原因から起こる病気全体については、発達性てんかん性脳症(DEE)とはで解説しています。

寿命と、大人になってからの暮らし

レット症候群では、米国の自然歴研究(1,189人)で、典型例・非典型例とも45歳を超えて生存する方が70%以上と報告されています[6]。一方で、心電図のQT間隔が延びることによる危険な不整脈のおそれがあり、定期的に確かめることが勧められています[2]。アンジェルマン症候群は、寿命のデータは十分ではないものの、ほぼ普通と考えられています[1]。どちらも大人になってからも、てんかん・睡眠・背骨の曲がり(側弯)などのケアが続きます。

3. どんな人がこの検査を受けるとよいか

レット症候群に似た症状がある方、発達の遅れ・言葉の遅れ・てんかんがあってどの病気かしぼれない方に向く検査です。アンジェルマン症候群を強く疑う場合は、先にメチル化解析のほうが向いています(第4章)。

受けるとよい場面

  • ●できていたこと(手の使い方・言葉)ができなくなった、手をもむような動きが続くなど、レット症候群の初期症状に似た変化がある
  • ●重い言葉の遅れ、よく笑う、歩き方が不安定、てんかんなど、アンジェルマン症候群に似た症状があるが、メチル化解析では原因が見つからなかった
  • ●乳幼児期からのてんかんと発達の遅れが一緒にある
  • ●症状からレット症候群やアンジェルマン症候群と言われたが、遺伝子で確かめていない
  • ●次のお子さんを考えていて、上のお子さんの原因を知っておきたい

見た目や症状だけでは、どの病気かも、遺伝のしかたもわかりません。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、原因がわかることは「誰のせいか」を探すことではなく、次にどう備えるかを考える出発点です。

この検査より別の検査が向いている場合

🔍 症状に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
レット症候群に似た症状/どちらの病気かしぼれない このページの検査(30遺伝子)
アンジェルマン症候群を強く疑う プラダー・ウィリ症候群/アンジェルマン症候群 メチル化解析
てんかんが中心で、型や原因をしぼれない てんかん包括的遺伝子検査(1,057遺伝子)
生まれてすぐ〜乳児期に始まったてんかん/2歳以降に始まったてんかん 新生児てんかんパネル/小児てんかんパネル
知的障害・自閉症など発達の問題が広く、病気をしぼれない 知的障害の遺伝子検査(689遺伝子)・自閉症の遺伝子検査(122遺伝子)・X連鎖知的障害パネル(114遺伝子)
染色体の大きな欠失・重複を疑う マイクロアレイ染色体検査
ほかの検査で原因がわからない/症状が多岐にわたる 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、症状・これまでの検査結果・ご家族の情報で変わります。発達の問題全体からの選び方は発達障害の遺伝子検査でも解説しています。

\ 原因がわかれば、次のお子さんへの備えも具体的に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

ご家族で原因がわかっていれば、次の妊娠で羊水検査・絨毛検査による出生前診断を院内で受けられます(2025年6月から産婦人科を併設)。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

4. アンジェルマン症候群の4つの原因と、この検査で見つかる範囲

アンジェルマン症候群の原因は大きく4つの型に分かれ、このパネルで確かめられるのは主にUBE3A遺伝子の変化(全体の約11%)です。約80%を占める欠失・片親性ダイソミー・刷り込み異常は、メチル化を調べる検査で見つけます[1]。欠失型では、このパネルの欠失・重複解析でUBE3Aを含む欠失として見つかる可能性がありますが、欠失を見つけることと、それがお母さん由来であることを確かめてアンジェルマン症候群と確定することは別で、確定にはメチル化解析が必要です。

UBE3A遺伝子は、脳の神経細胞では、お母さんから受け継いだ側だけが働き、お父さんから受け継いだ側は働かないように印がつけられています。この「どちらの親から受け継いだかで働き方が変わる」しくみをゲノムインプリンティング(刷り込み)といい、印の正体がDNAメチル化です。お母さん側のUBE3Aが何らかの理由で働かないと、アンジェルマン症候群になります。お父さんからUBE3Aの変化を受け継いでも、もともと働かない側なので、お子さんには影響しないとされています[1]。

🧩 アンジェルマン症候群の原因の型と、調べる検査・次のお子さんの確率

原因の型 割合 見つける検査 きょうだいの確率(目安)
お母さん側の15q11.2-q13の欠失 65〜75% メチル化解析・マイクロアレイ(このパネルでもUBE3Aを含む欠失として見つかる可能性はあるが、由来の確認にはメチル化解析が必要) 1%未満(お母さんの染色体が正常な場合)
父親性の片親性ダイソミー(15番を2本ともお父さんから) 3〜7% メチル化解析 1%未満(両親の染色体が正常な場合。ゼロではない)
刷り込み異常 約3% メチル化解析(刷り込み中心の欠失を調べる追加検査) 刷り込み中心の欠失なし:1%未満/お母さんがその欠失をもつ:50%
UBE3A遺伝子の変化 約11% このパネル・メチル化解析ページの検査(UBE3Aの配列も読む) お母さんが同じ変化をもつ:50%/もたない:1%未満
原因がわからない 約10% —(全エクソーム検査などを考える) 決められない

※GeneReviews[1]の表による。UBE3A型の約30%はお母さんから受け継いだ変化とされています。欠失型・UBE3A型ではお母さんの生殖細胞だけに変化がある場合(性腺モザイク)も報告されているため、「1%未満」はゼロではありません。メチル化解析ページの検査の内容は当院のページ(2026年10月時点)による。

メチル化を調べる検査で約80%、それにUBE3Aの配列を読む検査を合わせると約90%の原因がわかるとされています[1]。当院のメチル化解析は、メチル化の異常(欠失・片親性ダイソミー・刷り込み異常の手がかり)と、UBE3Aの配列を一緒に調べる検査です。アンジェルマン症候群を強く疑うなら、まずメチル化解析を選んでください。このページのパネルは、レット症候群に似ている、またはどちらの病気かしぼれないときに、UBE3Aを含む30遺伝子を調べる検査です。

NIPT(新型出生前診断)との関係も、型によって違います。15q11.2-q13の欠失は当院のNIPTの微小欠失の対象(スタンダードプラン・プレミアムプラン・ダイヤモンドプラン・双子マックスプラン・インペリアルプラン)ですが、片親性ダイソミー・刷り込み異常・UBE3Aの変化はNIPTでは見つかりません。NIPTの対象になる染色体の小さな欠失については微小欠失症候群とはをご覧ください。

5. 調べる30遺伝子と、それぞれでわかる病気

この検査で調べるのは、次の30遺伝子です。遺伝のしかたは、常染色体顕性(優性)=AD、常染色体潜性(劣性)=AR、X連鎖=XLで示しています(遺伝形式とは)。多くはお子さんで新しく起きた変化(新生突然変異)で起こります。

🧬 レット・アンジェルマン症候群パネルの対象30遺伝子

遺伝子 主な病気 遺伝のしかた 当院のNIPT
ARX 発達性てんかん性脳症1型、X連鎖性滑脳症2型(XLAG)、パーティントン症候群、X連鎖知的発達障害29型 XL 対象外
ATRX αサラセミア・X連鎖知的障害症候群(ATR-X症候群) XL 対象外
CAV1 先天性全身性脂肪萎縮症3型、家族性部分性脂肪萎縮症7型、原発性肺高血圧症3型 AR/AD(病気による) 対象外
CDKL5 CDKL5欠損症(発達性てんかん性脳症2型) XL ダイヤモンド・インペリアル
CNTNAP2 ピット・ホプキンス様症候群1 AR 対象外
DYNC1H1 複合性皮質形成異常13型、下肢優位型脊髄性筋萎縮症1型、シャルコー・マリー・トゥース病2O型 AD インペリアル
EHMT1 クリーフストラ症候群1 AD インペリアル
FOXG1 FOXG1症候群(旧称:レット症候群の先天型) AD インペリアル
IQSEC2 X連鎖知的発達障害1型 XL 対象外
KANSL1 クーレン・デ・フリース症候群 AD インペリアル
MBD5 常染色体顕性知的発達障害1型(2q23.1微細欠失症候群の原因遺伝子) AD 対象外
MECP2 レット症候群、重症新生児脳症、PPM-X症候群、MECP2重複症候群 XL ダイヤモンド・インペリアル
MED17 進行性の小頭症(てんかん・脳萎縮を伴う) AR 対象外
MEF2C 筋緊張低下・手の常同運動・言語障害を伴う神経発達症(5q14.3欠失症候群の原因遺伝子) AD インペリアル
NRXN1 ピット・ホプキンス様症候群2 AR 対象外
NTNG1 病気との関係を研究中の遺伝子(非典型的なレット症候群との関連が報告されている) 確立していない 対象外
OPHN1 X連鎖知的発達障害(小脳低形成を伴うビヤール型) XL 対象外
PCDH19 発達性てんかん性脳症9型(主に女性に発症し、モザイクの男性でも発症する) XL 対象外
ROGDI コールシュッター・テンツ症候群(てんかん・歯のエナメル質の形成不全) AR 対象外
SATB2 SATB2関連症候群(グラス症候群) AD インペリアル
SCN8A 発達性てんかん性脳症13型、良性家族性乳児けいれん5型、小脳失調を伴う・伴わない認知障害、家族性ミオクローヌス2 AD インペリアル
SHANK3 フェラン・マクダーミド症候群 AD インペリアル
SLC2A1 GLUT1欠損症候群1型・2型、ジストニア9 主にAD(まれにAR) 対象外
SLC9A6 クリスチャンソン症候群(X連鎖症候群性知的発達障害) XL 対象外
STXBP1 発達性てんかん性脳症4型(STXBP1関連障害) AD インペリアル
TCF4 ピット・ホプキンス症候群、フックス角膜内皮ジストロフィ3型 AD インペリアル
TRAPPC9 常染色体潜性知的発達障害13型 AR 対象外
UBE3A アンジェルマン症候群 刷り込み(お母さん由来の変化で発症) 対象外(15q11.2-q13の欠失は各プランの微小欠失で対象)
WDR45 BPAN(脳内鉄沈着を伴う神経変性症5型) XL インペリアル
ZEB2 モワット・ウィルソン症候群 AD インペリアル

※対象遺伝子は当院の検査内容(2026年10月18日に検査のおおもとの内容と照合済み)による。病気と遺伝のしかたはOMIMの遺伝子・病気の対応にもとづく公開データベース(HPO・UniProt、2026年9〜10月版)とGeneReviews[1][2][7][8][9]で確認。NIPTの欄は当院のダイヤモンドプラン・インペリアルプランの対象遺伝子一覧による。

6. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、30遺伝子の中の小さな変化(1文字の置き換わり、小さな挿入・欠失)と、遺伝子まるごと、または2つ以上続くエクソン(遺伝子の中のたんぱく質の設計図にあたる部分)の欠失・重複です。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。一方で、遺伝子検査には必ず限界があります。

  • ●メチル化(刷り込み)の異常:アンジェルマン症候群の片親性ダイソミー・刷り込み異常は、この検査では見つかりません。欠失型は、UBE3Aを含む欠失として見つかる可能性がありますが、お母さん由来であることを確かめてアンジェルマン症候群と確定するには、メチル化解析が必要です(第4章)。
  • ●MECP2のエクソン1:MECP2遺伝子のエクソン1だけの欠失・重複は、このパネルでは検出対象外です。
  • ●1つだけのエクソンの欠失・重複:見つかることもありますが、確実には検出できません。頬の粘膜の検体では、遺伝子まるごとの欠失・重複までが対象です。
  • ●調べていない変化:染色体の転座・逆位、同じ配列の繰り返しが伸びる変化(リピート伸長)、遺伝子のスイッチ部分(プロモーター)や、エクソンから20塩基より離れたイントロンの変化は対象外です。
  • ●モザイク:体の一部の細胞にだけ変化がある状態(体細胞モザイク)を見つけるための検査ではありません。
  • ●意義がまだわからない変化(VUS):病気の原因かどうか、今の知識では判断できない変化が見つかることがあります。
  • ●陰性でも否定はできません:30遺伝子に原因が見つからなくても、ほかの遺伝子や、この検査で見つけられない種類の変化が原因のことがあります。アンジェルマン症候群では、検査を尽くしても約10%は原因がわからないとされています[1]。

検査では、対象の領域の99%以上を、それぞれ20回以上読み取ります。同じ場所を何度も読むことで、読み間違いによる見落としや誤判定を減らすためです。読み取りの質が十分でない部分は、サンガー法という別の方法で確かめます。

7. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。結果の報告書の読み方は遺伝子検査結果の見かたで解説しています。

病的変異が見つかったら、次にできること

わかっただけで終わらせないために、立場ごとに、次にできることを整理します。

① ご本人(お子さん):病名が決まり、見張るべき合併症と、使える制度(第8章)がはっきりします。たとえばレット症候群では、QT間隔の延長による不整脈のおそれがあるため心電図を定期的に確かめ、QT間隔を延ばす薬を避けることが勧められています[2]。アンジェルマン症候群では、てんかんの治療に加え、睡眠や側弯のケアが勧められ、体の動きが発作と見まちがえられて薬が多くなりすぎないよう注意が必要とされています[1]。SLC2A1の変化によるGLUT1欠損症候群とわかった場合は、ケトン食療法が発作のコントロールや歩き方の改善に高い効果を示すとされています[7]。治療やリハビリは、小児神経科など専門の医療機関で受けていただきます。

② ご両親:お子さんで見つかった変化をご両親が持っているかを調べると、「お子さんで新しく起きた変化か、受け継いだ変化か」がわかります。レット症候群は約99.5%が家族に同じ人のいない例です[2]。新しく起きた変化であれば、ご両親のせいではないことがはっきりします。一方、X連鎖の病気では、お母さんが同じ変化を持っていても、X染色体の働き方の偏り(X染色体不活性化)によって症状がない、または軽いことがあります[2]。X連鎖遺伝の病気では、症状の有無だけでは判断できません。

⚠️ 「新しく起きた変化だから、次は大丈夫」とは言い切れません

ご両親の血液で変化が見つからなくても、卵子や精子のもとになる細胞(生殖細胞)にだけ変化がある「性腺モザイク」のことがあり、レット症候群でも次のお子さんの確率は一般より高いとされています[2]。変化をもつ生殖細胞からできる卵子・精子は2分の1の確率で変化を受け継ぎます。生殖細胞のうちどれくらいが変化をもつかは実際の診療では調べられないため、お子さん1人あたりの確率は『最大で2分の1』とお伝えしています。

③ 次のお子さんを考えるときの選択肢:ご家族で原因の変化がわかっていれば、妊娠中に赤ちゃんで同じ変化があるかを調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。その病気で出生前診断を行えるかは、病気の重さや国内の指針を踏まえて個別に考えるため、妊娠を考えている段階からご相談ください。当院のNIPTでは、MECP2・CDKL5の新しく起きた変化はダイヤモンドプランとインペリアルプランで、DYNC1H1・EHMT1・FOXG1・KANSL1・MEF2C・SATB2・SCN8A・SHANK3・STXBP1・TCF4・WDR45・ZEB2はインペリアルプランで調べられます(ダイヤモンドプラン・インペリアルプラン)。NIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。陽性なら確定検査(羊水検査・絨毛検査)を院内で受けられます。日本でも、日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て、PGT-M(着床前遺伝学的検査)が行われています(当院は体外受精・PGT-Mを行っていません)。準備に必要なことは海外でPGT-Mを考えている方へで解説しています。どの検査も受けずに妊娠・出産することも、同じように尊重される選択肢です。

④ ご家族(きょうだい・親戚):ご家族で原因がわかれば、きょうだいや親戚は、その変化だけをピンポイントで調べられます。とくにX連鎖の病気や、アンジェルマン症候群でお母さんがUBE3Aの変化や刷り込み中心の欠失を持っていた場合は、お母さん側の女性の血縁者が同じ変化を持つことがあります[1]。症状のない方の検査は、ご本人の同意で行います。常染色体潜性の病気(CAV1・CNTNAP2・MED17・NRXN1・ROGDI・TRAPPC9など)では、パートナーの拡大版保因者スクリーニングも選択肢になります(対象かどうかは遺伝子一覧でご確認ください。妊娠中の方には、NIPTと同じ日に採血できるカップルの保因者検査ファミリーセーフティ プラスもあります)。

⑤ 当院でのその後:結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングでご説明し、ご家族の検査、次の妊娠での出生前診断まで、次にどうするかを一緒に考えます(遺伝カウンセリング料は第9章のとおりです)。

きょうだい児の方へ:ご自身の結婚・出産を考えるとき

きょうだいにレット症候群・アンジェルマン症候群やそれに似た病気の方がいると、ご自身が結婚や出産を考えるときに「自分の子どもにも起こるのでは」と不安になることがあります。多くは新しく起きた変化によるもので、きょうだいが同じ変化を持つことはまれです。一方、X連鎖の病気でお母さんが変化を持っている場合や、アンジェルマン症候群でお母さんがUBE3Aの変化や刷り込み中心の欠失を持っている場合は、女性のきょうだいが同じ変化を持つことがあります[1][2]。

ご家族がすでに検査を受けて原因がわかっていれば、その結果がいちばんの手がかりになり、相談者ご本人について、その変化だけをピンポイントで調べることを検討できます。一方で、知的障害のあるご本人は検査に同意することができず、代わりに同意するのはご本人の利益のためであることが前提です。そのため、本人が同意できないご家族を、きょうだいの将来のためだけに検査することはできません。この場合は、症状のない相談者ご本人の検査を考えます。見た目や家族歴だけでは判断できないことがあるため、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。

病気のあるきょうだいがいることは、結婚できない理由にはなりません。きょうだいの病気と結婚・出産の不安については、きょうだいに知的障害がある場合の、生まれる子どもの遺伝リスクや兄弟の知的障害と遺伝子検査(結婚前の不安)でも解説しています。

新しい治療の動き(2026年10月時点)

レット症候群では、トロフィネチドという薬が、米国で2023年3月に2歳以上を対象に承認されました。カナダでは2024年10月、欧州連合では2026年8月(5歳以上)に承認されています。日本では2026年10月時点で承認されておらず、2025年から国内で治験が行われています(臨床研究等提出・公開システム jRCT2031250113)。承認の根拠となった試験では、5〜20歳の女性187人で12週間、症状の評価尺度がプラセボより改善しました。主な副作用は下痢(80.6%)と嘔吐(26.9%)でした[5]。

アンジェルマン症候群では、UBE3Aの働きを補う方向の薬(アンチセンス核酸)の臨床試験が海外で進められていますが、2026年10月時点で、病気そのものに働きかける治療として承認された薬はありません。2026年9月には、そのうち1つの第3相試験で主な目標に届かなかったと発表されています。治療の情報は時期によって変わるため、最新の状況は主治医にご確認ください。治療や治験の対象になるかは、それぞれの承認内容や参加条件によって決まります。病名と原因がはっきりしていることは、こうした情報にたどり着く手がかりになります。

異常が見つからなかったとき

30遺伝子に原因が見つからなかった場合でも、病気が否定されたわけではありません(第6章)。アンジェルマン症候群が疑われる場合はメチル化解析、染色体の大きな変化が疑われる場合はマイクロアレイ染色体検査、症状が多岐にわたる場合は全エクソーム検査と、症状に合わせて次の検査を考えます。

意義がまだわからない変化(VUS)が見つかったとき

VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査や出生前診断に使ったりはしません。ご両親の検査で、新しく起きた変化かどうかを確かめることが判断の助けになる場合があります。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。調べた目的と別の病気の原因が見つかった場合の扱いは、当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。

8. 日本の制度:指定難病・小児慢性特定疾病(2026年10月時点)

レット症候群は指定難病156、アンジェルマン症候群は指定難病201です(難病情報センター)。また、小児慢性特定疾病の対象疾病として、レット症候群は「神経・筋疾患」、アンジェルマン症候群は「染色体又は遺伝子に変化を伴う症候群」に掲載されています(小児慢性特定疾病情報センター)。いずれも2026年10月時点で確認しました。

医療費の助成を受けるには、それぞれの制度の認定の条件を満たし、申請する必要があります。病名が遺伝子検査で確定していることは、制度を使うときの手がかりになります。認定の基準や申請の方法は、難病情報センター・小児慢性特定疾病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

9. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは2〜3週間です。唾液・頬の内側の粘膜・血液のいずれでも、オンライン診療で受けていただけます。

ご予約
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遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
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検体の採取キットはお支払い後に発送
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結果のご説明2〜3週間後・マイページへ

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

💴 費用・日数・検体

項目 内容
検査内容 30遺伝子の塩基配列(小さな挿入・欠失を含む)と欠失・重複(料金に含まれます)
検査費用 税込330,000円
結果までの期間 2〜3週間(至急オプションで約7日短縮:55,000円)
検体 血液(EDTA採血管4mL×2本)・抽出DNA(3μg)・頬の内側の粘膜・唾液
オプション VUS除外(意義がまだわからない変化を報告に含めない):無料
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
オンライン診療 受けられます(血液の場合は全国の提携医療機関で採血)

※当院の検査・遺伝カウンセリングはすべて自費診療です。

オンライン診療(ビデオ通話)で遺伝カウンセリングを行ったあと、検体を当院にお送りいただきます。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。検体採取キットは、検査料金をお支払いいただいたあとにお送りします。検体の取り違えや品質の問題を防ぐため、ご自身で勝手に検体を採取しないでください。

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

遺伝カウンセリングでは、検査で何がわかり、何がわからないか、結果がご家族にとってどういう意味をもつかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

\ 病名がわかると、次の一手が決まります /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

見張るべき合併症・使える制度・次のお子さんの確率まで、臨床遺伝専門医が結果を直接ご説明してからマイページにアップします。

お問い合わせはこちら | どの検査がよいか迷う方へ

10. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【わからないまま悩み続けるより】

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

レット症候群やアンジェルマン症候群は、多くがお子さんで新しく起きた変化によるものです。遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。一方で、原因がわからないままでは、ご両親は「自分のせいではないか」という思いを抱え続け、次のお子さんを考えるときにも、何に備えればよいかが決められません。

遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。原因がわかったあとは、ご家族の検査や、次の妊娠での出生前診断まで、当院で続けて支えられる体制を整えています。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. レット症候群は何歳でわかりますか?

多くは、生後6〜18か月ごろまでは目立った問題なく育ったあと、発達が止まり、1〜4歳ごろにできていたことが失われる時期(退行)が来ます。手をもむような動きなどの特徴がそろってから気づかれることが多く、遺伝子検査で原因を確かめることで診断が確実になります。

Q2. アンジェルマン症候群はいつわかりますか?

発達の遅れは生後6か月ごろから気づかれますが、よく笑う・言葉がほとんど出ない・歩き方が不安定といった特徴がはっきりするのは1歳を過ぎてからとされています。症状だけでは似た病気と見分けにくいため、メチル化解析や遺伝子検査で確かめます。

Q3. レット症候群・アンジェルマン症候群は遺伝しますか?次の子の確率は?

レット症候群は約99.5%が家族に同じ人のいない例で、多くはお子さんで新しく起きた変化です。ただし、親の卵子や精子のもとになる細胞にだけ変化がある場合があるため、次のお子さんの確率は一般より高く、ゼロではありません。アンジェルマン症候群は原因の型で大きく違い、欠失型や片親性ダイソミー型では1%未満、お母さんがUBE3Aの変化を持っている場合は50%とされています。原因の型を知ることが、確率を知る第一歩です。

Q4. レット症候群はなぜ女の子に多いのですか?男の子はなりませんか?

原因のMECP2遺伝子はX染色体にあります。男の子がMECP2の重い変化を持つと、重症の新生児脳症となり、2歳までに亡くなることが多いとされています。女の子はX染色体が2本あるため、レット症候群として現れます。男の子でも、MECP2の変化による別の病気(重症新生児脳症・PPM-X症候群・MECP2重複症候群など)があります。

Q5. アンジェルマン症候群を疑うとき、この検査とメチル化解析のどちらを選べばよいですか?

アンジェルマン症候群を強く疑うなら、まずメチル化解析が向いています。原因の約80%(欠失・片親性ダイソミー・刷り込み異常)はメチル化を調べる検査で見つかります。このパネルでは、片親性ダイソミー・刷り込み異常は見つけられず、欠失型もUBE3Aを含む欠失として見つかる可能性はあるものの、お母さん由来かを確かめてアンジェルマン症候群と確定するにはメチル化解析が必要です。このパネルは、レット症候群に似た症状がある方や、どちらの病気か、または似た別の病気かをしぼれない方に向いています。

Q6. 出生前診断やNIPTでわかりますか?

ご家族で原因の遺伝子の変化がわかっていれば、妊娠中に絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを調べることができます。当院のNIPTでは、MECP2・CDKL5はダイヤモンドプランとインペリアルプランで、FOXG1・STXBP1など12遺伝子はインペリアルプランで調べられます(妊娠9週から、妊娠6〜8週は臨床研究として)。アンジェルマン症候群のうち15q11.2-q13の欠失はNIPTの微小欠失の対象ですが、片親性ダイソミー・刷り込み異常・UBE3Aの変化はNIPTでは見つかりません。

Q7. きょうだいが将来、結婚や出産を考えるとき、遺伝の心配はありますか?

多くは新しく起きた変化なので、きょうだいが同じ変化を持つことはまれです。ただ、X連鎖の病気でお母さんが変化を持っている場合や、アンジェルマン症候群でお母さんがUBE3Aの変化を持っている場合などは、女性のきょうだいが同じ変化を持つことがあります。ご家族がすでに検査を受けて原因がわかっていれば、その結果がいちばんの手がかりになり、相談者ご本人について、その変化だけをピンポイントで調べることを検討できます。本人が同意できないご家族を、きょうだいの将来のためだけに検査することはできません。病気のあるきょうだいがいることは、結婚できない理由にはなりません。

Q8. レット症候群・アンジェルマン症候群の寿命は?大人になったらどうなりますか?

レット症候群では、米国の自然歴研究で45歳を超えて生存する方が70%以上と報告されています。QT間隔の延長による不整脈など、見張りたい合併症があります。アンジェルマン症候群は、寿命はほぼ普通と考えられています。どちらも大人になってからも、てんかん・睡眠・側弯などのケアが続きます。

🧬 人生に一度の遺伝子検査を、お子さんとご家族のこれからに

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。レット症候群・アンジェルマン症候群とその似た病気の原因がわかれば、お子さんの合併症への備えや制度の利用だけでなく、ご両親・きょうだいの検査、次の妊娠の計画を考える手がかりになります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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