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クアトロテスト(クワトロテスト)陽性ですぐ羊水検査?待ってNIPT|臨床遺伝専門医が解説

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

クアトロテスト(クワトロテスト)の「陽性」は、赤ちゃんに病気があるという診断ではありません。陽性と判定された方のうち赤ちゃんがダウン症候群である割合(陽性的中率)は年齢によって違い、計算上、30歳で約2%、40歳でも約19%です[22]。陽性のあとの道は、すぐに羊水検査を受けることだけではありません。羊水検査の前にNIPT(新型出生前診断)で確率を確かめ直すという選択肢があります。この記事では、クアトロテストの陽性的中率、結果用紙の確率の読み方、羊水検査のリスク、NIPTをはさむ場合の流れと日程の目安を、確認できたデータにもとづいて説明します。

この記事でわかること

📖 読了時間:約15分
🩺 クアトロテスト・出生前検査
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤クアトロテストの陽性的中率は年齢で違い、計算上30歳で約2%・35歳で約5%・40歳で約19%(陽性の多くは偽陽性)
  • ➤結果用紙の「1/○○」は、その方の確率の推定値。1/100なら100人に1人という意味
  • ➤NIPTの陽性的中率は、一般の妊婦さんを対象にした研究で80.9%
  • ➤羊水検査で流産が上乗せされる割合は、統合解析で約0.1〜0.3%
  • ➤ACOGガイドラインは、血清マーカー陽性後のNIPTを選択肢の一つとして記載
  • ➤陽性から何週までに何を決めるか、日程の目安

⏱️ 30秒でわかる要約

🔔 Q. クアトロテストで陽性なら、赤ちゃんがダウン症候群である確率は?

陽性でも、決まったわけではありません。陽性と判定された方のうち赤ちゃんがダウン症候群である割合(陽性的中率)は、計算上、30歳で約2%、35歳で約5%、40歳で約19%です。陽性は「確率が基準(カットオフ値)より高い」という意味で、診断ではありません。ご自身の確率は、結果用紙の「1/○○」の数字で確かめます。

🤔 Q. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

大丈夫とは言えません。クアトロテストが調べるのはダウン症候群と18トリソミーなどに限られますが、子育ての負担を最も一貫して左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷などの行動の問題です(睡眠の問題も関係します)。それを伴いやすいのは、ダウン症候群よりも微小欠失症候群や単一遺伝子疾患で、三大トリソミーだけの検査では調べられません。当院のNIPTはこれらの病気まで調べられます。

💉 Q. 陽性と言われたら、すぐに羊水検査を受けるべきですか?

羊水検査は診断がつく検査ですが、流産が上乗せされる割合は約0.1〜0.3%と報告されています。その前にNIPTで確率を確かめ直すという選択肢があります。ただし、結果を待つ日数のぶん診断は遅れるため、妊娠週数と結果の確率を見て決めます。

🔎 Q. NIPTが陰性なら、もう心配はいりませんか?

ダウン症候群である可能性は大きく下がります。ただしNIPTも確定検査ではなく、調べるのは決められた範囲だけです。NIPTが陽性だった場合は、羊水検査などの確定検査で確かめます。

🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を調べられます。陰性でも、自閉症・発達障害がないとは言えません。

\ ダウン症候群だけで大丈夫ですか?クアトロテストのあとに検査を選び直す方へ /

当院のNIPTは、ダウン症候群だけでなく、子育ての負担につながりやすい微小欠失症候群や単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、90分の受診枠の中で臨床遺伝専門医と一緒に決められます。陽性なら、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。

📅NIPTを予約する

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。
まだプランを決めていない方は:NIPTのプランを見る | NIPTの費用

そもそもクアトロテスト(クワトロテスト)は受けるべきか?

「まずは費用を抑えられるクアトロテストを受けるべきか」と迷っている方もいると思います。全員に当てはまる答えはありません。クアトロテストは採血だけで受けられますが、米国の大規模な集計では受けた人の4.1%が陽性になり、陽性5,157人のうち確定検査を受けたのは2,084人で、そのうちダウン症候群と確定したのは99人でした[1]。陽性になる人の割合は、基準(カットオフ値)の決め方によっても変わります。陽性のときに羊水検査を受けるのか、その前にNIPTで確かめるのかまで考えてから決める検査です。

母体年齢が上がるほど年齢固有の確率が高くなり、クアトロテストではスクリーニング陽性になりやすいため、陽性のあとに確定検査を考える場面を減らしたい場合は、最初からNIPTを選ぶ方法もあります。受けるかどうかの考え方は、クアトロ検査とは?わかること・費用・結果の見方でまとめています。すでに陽性と言われた方は、このまま読み進めてください。

1. クアトロテスト(クワトロテスト)とは?その限界を正しく理解する

結論

クアトロテストは母体血清マーカー検査の一つで、陽性的中率(陽性と判定された方のうち、赤ちゃんが本当にダウン症候群である割合)は年齢によって違い、計算上、30歳で約2%、35歳で約5%、40歳で約19%です[22]。陽性と言われた方の多くは偽陽性(赤ちゃんはダウン症候群ではない)です。

クアトロテストで「陽性」「確率が高い」と報告された場合は、次の検査を決める前に、まず「陽性」という言葉の意味を確認する必要があります。

クアトロテストの「陽性」は、「赤ちゃんに病気がある」という意味ではありません。ダウン症候群の場合、計算された確率が基準(カットオフ値)より高かったという意味です。基準は検査や施設によって違い、日本で行われた母体血清マーカー検査(トリプルマーカー)の研究では1/295[21]、米国カリフォルニア州のクアトロテストでは1/150が使われていました[1]。確定検査を受けるかどうかを考える目安であって、診断ではありません。

💡 用語解説:クアトロテスト(母体血清マーカー検査)

妊娠中期に受ける検査で、米国産婦人科学会(ACOG)の指針では妊娠15週0日から22週6日ごろまでとされています(受けられる期間は検査機関によって違います)[3]。お母さんの血液中の4つの成分(hCG・AFP・インヒビンA・uE3)を測り[3]、年齢などと組み合わせて、赤ちゃんがダウン症候群(21トリソミー)、18トリソミー、開放性神経管奇形である確率を計算します[3][21]。検査のくわしい内容はクアトロ検査とはをご覧ください。

クアトロテスト(クワトロテスト)の精度|大規模な実データと年齢別の陽性的中率

クアトロテストの実際の精度については、米国カリフォルニア州の公的な出生前スクリーニングの集計が論文で報告されています。2009年10月から2010年9月にクアトロテストを受けた125,759人の集計です[1]。

項目 数値 意味
検査を受けた人 125,759人 米国カリフォルニア州(基準1/150)
陽性と報告された人 5,157人(4.1%) およそ25人に1人が陽性
確定検査を受けた人 2,084人 陽性5,157人のうち確定検査を受けた人
確定検査で見つかったダウン症候群 99人 ダウン症候群1人が見つかるまでに約21件の確定検査
検出率(感度) 75.7%(別の集計:552,941人) ダウン症候群の約4人に1人は陰性と報告された

出典:受けた人数・陽性の人数・確定検査の人数・ダウン症候群の人数は[1]。検出率は同じ州の2007年7月〜2009年2月の552,941人の集計[4]。陽性になる人の割合は、基準(カットオフ値)の決め方で変わります。

結果用紙の「1/○○」はどう読む?陽性でも確率は人によって違う

陽性的中率は、陽性と判定された方をまとめたときの数字です。一人ひとりの結果用紙には、その方のダウン症候群の確率が「1/○○」の形で書かれています。この数字は、同じ結果の方が○○人いたら、そのうち1人の赤ちゃんがダウン症候群だと見込まれるという意味です。

結果用紙の数字 百分率にすると 赤ちゃんがダウン症候群ではない見込み
1/250 0.4% 99.6%
1/100 1% 99%
1/50 2% 98%
1/20 5% 95%

表の数字は、1/○○を百分率に直した計算上の値です。基準(カットオフ値)より確率が高いと「陽性」と報告され、基準は検査によって違います(日本の研究では1/295[21])。

同じ「陽性」でも、1/250と1/20では確率に10倍以上の差があります。「陽性」という言葉だけで次の検査を決めず、まず自分の数字を確かめることが出発点です。数字が基準に近い方ほど、NIPTで確かめ直す意味が大きくなり、数字が高い方や妊娠週数に余裕がない方では、最初から羊水検査を選ぶ理由が強くなります。陰性と報告されたのにダウン症候群だった場合があることについては、クアトロ検査が陰性でもダウン症候群の可能性はある?で説明しています。

2. なぜ陽性でも多くは偽陽性なのか?年齢で変わる陽性的中率

結論

クアトロテストは、可能性のある人を広く拾うための「スクリーニング検査」です。もともとダウン症候群の赤ちゃんを妊娠している人は少ないので、陽性の中に、該当しない人が多く含まれます。検査の性能が低いからではなく、仕組み上そうなります。

「陽性でも多くは偽陽性」と聞いても、すぐには実感しにくいかもしれません。米国の家庭医向け学術誌の総説では、クアトロテストの検出率81%・陽性率約5%をもとに、お母さんの年齢ごとの陽性的中率が計算されています[22]。

🔴 年齢別:クアトロテストで陽性と判定されたときの陽性的中率

お母さんの年齢 妊娠16週時点のダウン症候群の頻度 陽性的中率(計算上) 陽性100人のうちダウン症候群の赤ちゃん
20歳 1/1,177 1.3% 約1人
25歳 1/1,040 1.6% 約2人
30歳 1/700 2.3% 約2人
35歳 1/296 5.5% 約5〜6人
40歳 1/86 19.1% 約19人

出典:LeFevreら(Am Fam Physician, 2020)の表[22]。検出率81%・陽性率約5%(ACOGの指針の値)と、米国カリフォルニア州の妊娠中期の年齢別頻度から著者が計算した値で、実際に観察された数字ではありません。

年齢とスクリーニング陽性|高齢になるほど陽性が出やすい

クアトロテストはお母さんの年齢の影響を強く受けます。血液の成分が年齢で変わるからではありません。計算の出発点になる「年齢だけから見た確率」が、年齢とともに高くなるからです。そのため、年齢が上がるほど、計算された確率が基準を超えやすくなります。

日本の妊婦さん32,925人が受けた母体血清マーカー検査(トリプルマーカー、基準1/295)の研究では、ダウン症候群の赤ちゃんのうち陽性と判定された割合(検出率)は、35歳未満で58%、35歳以上で94%でした[21]。年齢が高いほど陽性と判定されやすいことが、この差にも表れています。

⚠️ 注意

年齢が上がるほど年齢だけから見た確率が高くなるため、赤ちゃんに病気がなくても陽性と報告されやすくなります。年齢別に何%の方が陽性になるかという数字は、確かめられる論文では見つけられませんでした。なお、陽性的中率も年齢が高いほど高くなります(上の表)。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「陽性」という言葉に引きずられないために】

「陽性」という言葉は、「病気がある」と聞こえます。けれどもクアトロテストの陽性は、確率が決められた線より高かったという意味でしかありません。クアトロテスト陽性 ≠ 赤ちゃんに病気があるということを、まず押さえてください。

臨床遺伝専門医として伝えたいのは、次の検査を決める前に、結果用紙に書かれた確率の数字そのものを見てほしいということです。1/250と1/20では、同じ陽性でも意味が違います。

羊水検査に進むのか、NIPTをはさむのか、追加の検査を受けないのか。どれを選ぶにしても、その数字と今の妊娠週数が出発点になると考えています。

3. 羊水検査のリスク|陽性の多くが偽陽性の段階で侵襲的検査に進む?

結論

羊水検査は診断がつく検査ですが、お腹に針を刺すため流産のリスク(約0.1〜0.3%)があります[2]。陽性の多くが偽陽性であるクアトロテストの結果だけで羊水検査に進むかどうかは、このリスクと見比べて考えることになります。

「クアトロテストが陽性なら羊水検査」と案内されることは多いのですが、ここで一度、数字を確かめておきます。2019年にまとめられた複数の研究の統合解析では、羊水検査を受けたことで上乗せされる流産の割合は0.30%(95%信頼区間0.11〜0.49%)でした。条件の近い人どうしで比べた研究だけをまとめると0.12%で、こちらは統計的にはっきりした差とはいえない値でした[2]。

羊水検査で起こりうること 目安
流産 約0.1〜0.3%
感染 まれ
破水・羊水の漏れ まれ

流産の割合は[2]による。くわしくは羊水検査のリスクの解説をご覧ください。

考えておきたい点:陽性の多くが偽陽性の検査から直接侵襲的検査へ

上の米国の集計[1]では、陽性と判定された方のうち、実際に羊水検査などの確定検査を受けた方の数も報告されています。

⚠️ クアトロテスト陽性のあとの確定検査(米国の集計)

•陽性と判定された人:5,157人

•陽性5,157人のうち確定検査を受けた人:2,084人

•そのうちダウン症候群と確定した人:99人

•ダウン症候群1人が見つかるまでに、約21件の確定検査が行われた計算になる

この状況を避ける方法の一つが、クアトロテストと羊水検査の間にNIPTをはさむことです。一方で、羊水検査は一度で診断がつき、NIPTでは調べられない染色体の変化もわかります。結果の確率が高い場合や、早く結論を得たい場合に、最初から羊水検査を選ぶことにも理由があります。羊水検査を受けないほうがよい、ということではありません。どちらを先にするかを、数字と週数で選ぶということです。

なお、羊水検査そのものの危険は、近年の研究では以前考えられていたより小さいと報告されています。英国の1施設で行われたコホート研究では、絨毛検査・羊水検査を受けた人と受けなかった人で、流産の割合に統計的な差は見られませんでした(絨毛検査0.29%、羊水検査−0.36%)[7]。「羊水検査は怖い検査」と考えすぎる必要はありません。NIPTをはさむかどうかは、危険を避けるためというより、「陽性の多くが偽陽性という段階で針を刺す検査に進むか、もう一段確かな情報を得てから決めるか」の選択と考えてください。

4. NIPTという選択肢|クアトロテスト陽性後に検討できること

結論

NIPTは採血だけで受けられ、検査による流産のリスクはありません。ダウン症候群の陽性的中率は、一般の妊婦さんを対象にした研究で80.9%でした[5]。クアトロテストの陽性的中率(計算上、30歳で約2%、40歳で約19%)[22]とは、陽性だったときの意味が大きく違います。

💡 用語解説:NIPT(非侵襲性出生前検査)

NIPT(Non-Invasive Prenatal Testing)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん(胎盤)由来のDNAの断片(cfDNA)を調べ、染色体の数の変化などの可能性をみるスクリーニング検査です。採血だけで受けられますが、確定検査ではありません。

クアトロテストとNIPT:数字で見る違い

比較項目 クアトロテスト NIPT
陽性的中率(ダウン症候群) 年齢で約1〜19%(計算上) 80.9%
検出率(ダウン症候群) 81% 99.7%
陽性と出る人・偽陽性 受けた人の約4〜5%が陽性 偽陽性率0.04%
検査による流産リスク なし なし
受けられる時期 妊娠15週0日〜22週6日ごろ(検査機関で違う) 当院では妊娠9週から(妊娠6〜8週は臨床研究)
対象 ダウン症候群・18トリソミー・開放性神経管奇形 染色体の数の変化など(神経管は対象外)

クアトロテストの陽性的中率は総説の計算値[22]、検出率・陽性率・受けられる時期はACOGの指針[3]、NIPTの陽性的中率は15,841人を対象にした研究[5]、検出率と偽陽性率は複数の研究をまとめた解析[6]による。陽性的中率は年齢や対象集団の事前確率によって変わるため、異なる集団から得られた陽性的中率を単純に直接比較することはできません。くわしくはNIPTの精度(陽性的中率)で説明しています。

クアトロテスト陽性後にNIPTをはさむメリット

1. 羊水検査を受けるかを考える材料が増える

クアトロテスト陽性の方の多くは偽陽性です(30歳なら計算上約98%)[22]。NIPTの偽陽性率は0.04%と低いため[6]、NIPTが陰性であれば、ダウン症候群である可能性は大きく下がります。

2. 検査そのものに流産リスクがない

NIPTは採血だけの検査です。流産のリスクがある羊水検査を、必要性の高い場合にしぼって考えられるようになります。

3. 迷いを整理しやすくなる

陽性の多くが偽陽性という段階のまま羊水検査を受けるかどうか迷い続けるより、もう一段確かな情報を得てから決められます。

4. より正確な確率がわかる

ダウン症候群の検出率は、クアトロテストが81%、NIPTが99.7%です[3][6]。

⚠️ NIPTをはさむ前に知っておきたいこと

NIPTの結果を待つ日数のぶん、最終的な診断までの期間は延びます。クアトロテストは妊娠中期(15週ごろ以降)の検査なので、週数に余裕があるかを先に確認してください(日程の目安は6章)。また、NIPTが調べるのは決められた範囲だけで、陰性でもそれ以外の染色体の変化までは否定できません。開放性神経管奇形で陽性だった場合は、NIPTではなく超音波検査などで確かめます。

5. ACOGガイドラインでの位置づけ|国際的に認められた選択肢

結論

米国産婦人科学会(ACOG)は指針の中で、血清マーカー検査(クアトロテストなど)で陽性だった方がNIPTを追加で受けることを、確定検査を避けたい方の選択肢として挙げています[3]。

クアトロテスト陽性後にNIPTを追加する方法は、米国産婦人科学会(ACOG)の指針に選択肢として記載されています。

📋 ACOGガイドライン(Practice Bulletin No.226)の要点

•血清マーカー検査が陽性だった方がNIPTを追加で受けることは、確定検査を避けたい方にとっての選択肢である

•すべての妊婦さんに、スクリーニング検査と確定検査の両方が提示されるべきである

•検査を受けるか受けないかは、説明を受けたうえで本人が決める

•この方法では確定診断が遅れる可能性があり、一部の染色体異常は見つけられないことを説明する

[3]の内容を要約したもので、原文の引用ではありません。

つまり、クアトロテスト陽性 → すぐ羊水検査だけが道ではなく、クアトロテスト陽性 → NIPT → 陽性なら羊水検査という流れも、指針に書かれた選択肢です。ただしACOGは、この方法では確定診断が遅れる可能性があり、一部の染色体異常は見つけられないことも説明するよう求めています。羊水検査などの確定検査の代わりではありません。

医学的には「contingent screening」と呼ばれる

最初の検査の結果に応じて次の検査を決める方法は、医学的にはcontingent screening(条件付きスクリーニング)と呼ばれます。クアトロテストで陽性だった方だけがNIPTを受け、NIPTでも陽性だった方が確定検査に進む、という段階を踏む考え方です。NIPTが登場する前の出生前スクリーニングの組み立てについては、cfDNA以前の出生前スクリーニングで説明しています。

6. クアトロテスト陽性後のフロー|NIPTをはさむ場合の流れと日程

結論

NIPTをはさむ場合は、①NIPTを受ける → ②NIPTが陰性なら妊婦健診と超音波で経過をみる、陽性なら羊水検査で確かめるという流れになります。NIPTも確定検査ではないため、陽性の場合は確定検査が必要です。

① クアトロ陽性まず結果用紙の確率を確認
▶
② NIPT採血のみ・結果は基本10〜14日
▶
③-A 陰性妊婦健診と超音波で経過をみる
/
③-B 陽性羊水検査・絨毛検査で確かめる

②のNIPTは採血だけで、検査による流産のリスクはありません。③-Aで陰性なら、ダウン症候群である可能性は大きく下がります。③-Bで陽性なら、羊水検査・絨毛検査で確かめ、確定検査のあとは遺伝カウンセリングを受けながら、これからのことを考えます。NIPTで陽性だったときの流れはNIPTで陽性だったらでも説明しています。

陽性からの日程の目安|何週までに何を決める?

クアトロテストは妊娠中期(15週ごろ以降)に受ける検査です[3]。採血から結果を知らされるまでにも日数がかかるため、陽性と知らされた時点で、すでに妊娠16〜17週を過ぎていることがあります。NIPTをはさむかどうかは、残っている週数から逆算して決めます。

段階 かかる日数の目安 例:妊娠17週0日に陽性と知らされ、すぐNIPTを受けた場合
クアトロテストの結果 検査機関によって違う 妊娠17週0日に陽性と知らされる
当院のNIPTの結果 基本10〜14日 妊娠18週3日〜19週0日ごろ
NIPTが陽性なら当院の羊水検査 主要な検査項目は3日以内(マイクロアレイ検査は2週間ほど) 妊娠19週ごろ羊水検査を受け、妊娠19〜20週ごろに主要項目の結果

右の列は、日数をそのまま足した計算上の例です。予約の日程や結果の日数によって前後します。

このように、NIPTをはさむと最終的な結果は数週間遅くなります。週数に余裕がある方には考える材料を増やす選択肢になりますが、週数が進んでいる方や結果の確率が高い方では、最初から羊水検査を選ぶ理由が強くなります。妊娠を続けるかどうかを考える可能性がある場合は、法律で決められた期限も関わります。期限については出生前診断のあとの中絶はいつまで?で説明しています。

NIPTでも偽陽性がある理由

NIPTの陽性的中率はクアトロテストより高いものの、陽性がすべて的中するわけではありません。NIPTの偽陽性が起こる主な理由は次のとおりです。

限局性胎盤モザイク(CPM)

NIPTが調べているのは、主に胎盤に由来するDNAです。胎盤と赤ちゃんとで染色体の構成が異なることがあり、その場合は赤ちゃんに変化がなくても陽性と出ることがあります。

お母さん側の要因

お母さん自身の染色体の変化や腫瘍などが、結果に影響することがあります。

また、陽性的中率は調べる病気によって違います。微小欠失・重複は、染色体の数の異常より陽性的中率が低めで、項目によって60〜70%程度です。どの項目でも、陽性なら必ず確定検査で確かめます。

陽性的中率が低いと「無駄な確定検査」が増える? ― がん検診と比べて考える

「陽性的中率が低い検査は、体に負担のかかる確定検査を増やすだけではないか」という批判があります。この心配はもっともですが、ほかの検診と比べると見え方が変わります。胸部X線で行う日本の自治体の肺がん検診では、国が示した陽性反応適中度(要精密検査とされた人のうち、実際に肺がんだった人の割合)の許容値は「1.3%以上」です[8]。米国の大規模試験(NLST)では、低線量CTで2.4〜5.2%でした[9]。それでも低線量CTによる検診は、肺がんによる死亡を減らすことが示されています[10]。陽性的中率が低いことは、それだけで「悪い検査」を意味しません。

一方で、出生前検査で慎重論が出ることには理由があります。検査の結果が妊娠を続けるかどうかの判断に直結すること、陽性のあと確定検査を受けずに妊娠をやめる選択をしてしまうと、本当は病気のない赤ちゃんが失われるおそれがあること、結果を待つ間の不安が大きく判断できる期間にも限りがあること、微小欠失などは症状の幅が広く学会によって考え方が分かれていることです。

一方で、陽性的中率だけを見ると「外れの陽性」ばかりに目が向きますが、拾い上げなければ、本当に病気がある赤ちゃんについて、ご家族が生まれる前に知り、出産する施設や生まれてすぐの治療を準備するか、妊娠を続けるかどうかを考える機会そのものがなくなります。見逃しにも、外れの陽性と同じように重い結果があります。

弱点は検査そのものではなく、「確定検査で確かめる前に決めてしまうこと」にあります。NIPTは、可能性のある赤ちゃんを見逃さずに拾い上げるための検査です。陽性になったときに大切なのは、確定検査で本当にそうかを確かめてから考えることです。当院では、その確定検査まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【NIPTで陽性でも、確定ではありません】

NIPTで陽性と聞くと、結論が出たように感じる方が多いと思います。けれどもNIPTもスクリーニング検査で、診断をつけるのは羊水検査や絨毛検査です。陽性的中率は調べる病気によって違い、21トリソミーに比べて13トリソミーや18トリソミーでは低くなる傾向があります。

内科医として、がん検診では「要精密検査」の多くが外れでも、確かめる仕組みがあるからこそ検診が成り立っていると考えています。出生前検査も同じで、臨床遺伝専門医として大切だと考えているのは、検査を受ける前に「陽性だったら次に何をするか」まで決めておくことです。そうしておけば、結果が出たあとの時間を、迷うためではなく確かめるために使えます。

自閉症・発達障害・知的障害もNIPTで一部わかる ― 当院で調べられること

クアトロテストが調べるのは、ダウン症候群・18トリソミー・開放性神経管奇形などの確率です[3]。NIPTを受け直すなら、「どこまで調べるか」も選べます。お子さんの発達を心配するのは自然なことです。自閉症や発達障害、知的障害の原因はさまざまで、多くは特定できませんが、一部は染色体や遺伝子の変化が原因だと分かっています。

知的障害の遺伝的な原因で最も多いのはダウン症候群です。さらに、発達の遅れ・知的障害・自閉症のある子どもでは、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることがあり、マイクロアレイ検査では約15〜20%で原因が見つかると報告されています[18]。当院のNIPTは、こうした変化の一部を妊娠中に調べられます。くわしくは一部の自閉症・発達障害の原因はNIPTでわかるで説明しています。

ダウン症候群だけを調べればよいわけではない

出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんの命や発達、そしてご家族の暮らしに大きくかかわるものです。ただ、その中身は病気によって大きく異なります。ダウン症候群は、医療や支援の進歩で平均寿命が50〜60歳まで延び[12][13]、成人して働いたり地域で暮らしたりする方も多い病気です。知的障害のあるお子さんを比べた研究では、ダウン症候群のお子さんは、自閉症や原因不明の発達の遅れのあるお子さんに比べて、行動の問題が少ないと報告されています[14]。自閉スペクトラム症を伴う割合も、出生前検査で調べるほかの病気と比べて少ないことが分かっています[15]。

一方、18トリソミーや13トリソミーでは、1歳まで生きられる赤ちゃんは約1割にとどまります(1年生存率は18トリソミー13.4%、13トリソミー11.5%)[11]。また、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患の中には、重い知的障害やてんかんに加えて、自閉スペクトラム症を高い割合で伴い、ご家族の見守りや介護の負担が大きくなりやすい病気も少なくありません。自閉スペクトラム症を伴う割合は、レット症候群61%、コルネリア・デ・ランゲ症候群43%、アンジェルマン症候群34%と報告されています(ダウン症候群は16%)[15]。

知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高いと報告されています[16]。ストレスを最も一貫して左右していたのは、知的障害の程度よりも、お子さんの行動や情緒の問題で、睡眠の問題もストレスと関係していました[16]。アンジェルマン症候群やスミス・マゲニス症候群では他人への攻撃的な行動が、コルネリア・デ・ランゲ症候群やスミス・マゲニス症候群、プラダー・ウィリー症候群では自傷が多いことが分かっています[17]。こうした病気はどれも当院のNIPTで調べられます(スミス・マゲニス・プラダー・ウィリー・アンジェルマン症候群は全プラン、コルネリア・デ・ランゲ症候群はダイヤモンド・インペリアル、ウィリアムズ症候群はインペリアル・双子マックス)。ダウン症候群だけを調べればよいのか、検査を選ぶ前に考えていただきたい点です。

当院のNIPTで調べられるもの(プラン別)

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な疾患
スタンダード 6種類7疾患 ― 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群、スミス・マゲニス症候群など
プレミアム 12種類13疾患 ― 上に加えて、ジェイコブセン症候群、9p欠失症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 de novo 56遺伝子 上に加えて、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群など
双子マックス 92種類+5Mbを超える構造異常 ― ウィリアムズ症候群、16p11.2欠失・重複など
インペリアル 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患) 上に加えて、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群、レット症候群など

スタンダードは単胎・双胎、プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみ、双子マックスは単胎・双胎が対象です。

性染色体の数の異常は、ほかの病気とは分けて考える

性染色体の数の異常(クラインフェルター症候群〔47,XXY〕、トリプルX〔47,XXX〕、47,XYY、ターナー症候群〔45,X〕など)は、ほかの染色体の病気とは事情が大きく異なります。知的障害を伴うことは少なく、成人の多くは自立して生活しています[19]。ただし、言葉の発達がゆっくりだったり、読み書きなど学習面に苦手さが出たりすることがあり、自閉スペクトラム症の診断も一般より多いと報告されています(47,XYY 19%、47,XXY 11%)[20]。早く分かっていれば、ことばの支援や学習の支援を早めに始めることができます。

⚠️ 正直にお伝えしたい限界

NIPTは自閉症そのものを診断する検査ではありません。陽性なら確定検査が必要です(当院は院内で実施)。微小欠失は陽性的中率が低めです。陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えません。脆弱X症候群など、NIPTで調べられない原因もあります。また、症状の重さは予測できません。大多数のお子さんには、こうした変化は見つかりません。

\ 確定検査まで同じ施設で受けられるNIPTをお探しの方へ /

ダウン症候群だけでなく、18・13トリソミーや微小欠失症候群、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで、当院のNIPTでわかります。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。

📅NIPTを予約する

まだプランを決めていない方は:ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン | 互助会について

7. ミネルバクリニックのNIPT|包括的な出生前診断

ミネルバクリニックでは、常駐する臨床遺伝専門医が検査前の遺伝カウンセリングと結果の説明を行っています。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。クアトロテストで陽性と言われたあとにNIPTを受けることもできます。プランはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・双子マックス・インペリアルの5つで、調べる範囲が違います。

ダイヤモンドプラン|COATE法で単一遺伝子まで調べる

ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査するプランです。単胎妊娠の方が対象です。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

検査項目 内容
常染色体トリソミー(6種類) 13 / 15 / 16 / 18 / 21 / 22
性染色体の数の変化(4種類) 45,X / 47,XXX / 47,XXY / 47,XYY
微小欠失(12種類13疾患) 22q11.2欠失症候群(ディジョージ症候群)など
単一遺伝子(56遺伝子) ヌーナン症候群など(de novo変異)

より広い範囲を調べるインペリアルプランでは、全常染色体の数の異常と92種類の微小欠失・重複に加えて、単一遺伝子疾患は最大155遺伝子(202疾患)が対象です。

ミネルバクリニックのサポート体制

🔬 検査の方式

スタンダードプラン(旧称スーパーNIPT)とCOATE法などを採用しています。プランによって、方式と調べる範囲が異なります。

🏥 院内で確定検査まで対応

2025年6月より産婦人科を併設し、羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。当院の羊水検査は妊娠15週から、絨毛検査は妊娠11〜13週に行い、実施日は基本的に日曜日、月曜日が祝日のときは月曜日です。他院でNIPTが陽性だった方のNIPT陽性後の確定検査も受け入れています。

👩‍⚕️ 臨床遺伝専門医が常駐

90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。陽性だったときの遺伝カウンセリングは何度でも無料です。全室個室で、ほかの患者さんと顔を合わせずに受診できます。

💰 2つの互助会

NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。羊水検査互助会(カトレア会)は1回のNIPTにつき8,000円で、陽性のときの確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。安心検査結果保障制度は1回6,000円で、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金します。くわしくは互助会についてをご覧ください。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

クアトロテストで陽性と言われたあとにNIPTを受け直すとき、多くの方がまず考えるのはダウン症候群のことです。「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も一貫して左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷といった「行動の問題」で、睡眠の問題も関係すると分かっています[16]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[16][17]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。「安さ」だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード(220,000円) 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム(264,000円) 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド(407,000円) プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス(440,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル(550,000円) 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、病気の数が多いほどよい検査、というわけではありません。調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。どこまで調べたいかは、ご家族によって違います。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

🏥 クアトロテスト陽性のあと、NIPTと確定検査を同じ施設で受けたい方へ

ミネルバクリニックでは、常駐する臨床遺伝専門医が検査前の遺伝カウンセリングを行い、NIPTで陽性だったときの羊水検査・絨毛検査までを院内で行っています。ダウン症候群だけでなく、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。

まだ決めていない方は:出生前診断(NIPT)を受けるべきか | インペリアルプランの詳細

よくある質問(FAQ)

Q1. クアトロテストで陽性と言われました。赤ちゃんに異常があるということですか?

いいえ、そうとは限りません。陽性と判定された方のうち赤ちゃんがダウン症候群である割合(陽性的中率)は年齢によって違い、計算上、30歳で約2%、35歳で約5%、40歳で約19%で、多くは偽陽性です。陽性は「確率が基準より高い」という意味で、診断ではありません。

Q2. ダウン症候群だけ調べれば大丈夫ですか?

ダウン症候群だけを調べれば大丈夫、とは言えません。知的障害を伴う病気のお子さんのご家族を比べた研究では、スミス・マゲニス症候群、ウィリアムズ症候群、プラダー・ウィリー症候群のご家族は、ダウン症候群のご家族より子育てのストレスが高く、ストレスを最も強く左右していたのは知的障害の程度よりも行動の問題でした。こうした病気は三大トリソミーだけを調べる検査ではわかりません。当院ではスタンダードプランから22q11.2欠失症候群やプラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群などの微小欠失を、ダイヤモンドプラン・インペリアルプランでは単一遺伝子疾患まで調べられます。どこまで調べるかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。

Q3. クアトロテスト陽性のあと、すぐに羊水検査を受けるべきですか?

決まった答えはありません。羊水検査は診断がつく検査ですが、約0.1〜0.3%の流産の上乗せが報告されています。その前にNIPTを受けて確率を確かめ直す方法があり、米国産婦人科学会(ACOG)の指針にも、確定検査を避けたい方の選択肢として書かれています。ただしNIPTの結果を待つぶん診断は遅れるため、結果の確率と妊娠週数を見て決めてください。

Q4. クアトロテストの結果に書かれた「1/○○」は、どう読めばよいですか?

同じ結果の方が○○人いたら、そのうち1人の赤ちゃんがダウン症候群だと見込まれる、という意味です。たとえば1/100は1%で、残りの99%は該当しない見込みです。基準(カットオフ値)より確率が高いと「陽性」と報告されますが、同じ陽性でも1/250と1/20では確率に10倍以上の差があります。

Q5. NIPTで陰性なら、もう心配はいりませんか?

ダウン症候群である可能性は大きく下がります。ただし、NIPTは確定検査ではなく、調べるのは決められた範囲だけです。NIPTの対象でない病気や体のつくりの変化はわからないため、妊婦健診の超音波検査は続けて受けてください。

Q6. NIPTで陽性だった場合はどうすればよいですか?

NIPTはスクリーニング検査で、診断はつきません。陽性だった場合は、羊水検査・絨毛検査などの確定検査で確かめます。当院では確定検査も院内で行っており、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料です。

Q7. 35歳以上だと、クアトロテストで陽性になりやすいですか?

なりやすくなります。クアトロテストは年齢だけから見た確率を出発点に計算するため、年齢が上がるほど陽性と報告されやすくなります。日本の母体血清マーカー検査の研究では、ダウン症候群の赤ちゃんのうち陽性と判定された割合は、35歳未満で58%、35歳以上で94%でした。年齢別に何%の方が陽性になるかという数字は、確かめられる論文では見つけられませんでした。

Q8. クアトロテストのあとにNIPTを受ける場合、保険は使えますか?

使えません。日本ではNIPTは保険適用外の自費診療で、クアトロテストのあとに受ける場合も同じです。当院でNIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。羊水検査互助会(カトレア会、8,000円)は陽性のときの確定検査の費用を補助し(補助の上限なし)、安心検査結果保障制度(6,000円)は、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに検査代金(諸費用を除く)を返金します。

Q9. 遠方ですがNIPTを受けられますか?

受けられます。オンラインNIPTでは、Zoomで臨床遺伝専門医の遺伝カウンセリングを受け、全国110か所の提携施設で採血します。クアトロテストで陽性と言われたあとに受けることもできます。

Q10. クアトロテスト(クワトロテスト)で陰性だったのにダウン症が生まれることはありますか?

あります。米国カリフォルニア州で約55万人を集計した研究では、ダウン症候群の赤ちゃんのうちクアトロテストで陽性と判定されたのは75.7%で、約4人に1人は陰性と報告されていました。陰性は「確率が基準より低い」という意味で、可能性がなくなるわけではありません。

クアトロテストが陰性だったあとの考え方は、クアトロ検査が陰性でもダウン症候群の可能性はある?で説明しています。クアトロテストとNIPTの違いをさらにくわしく知りたい方は、クアトロテストとNIPTの違いをご覧ください。

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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。検査を受けるかどうかは、主治医の説明を受けたうえでご自身で判断してください。

プロフィール

この記事の筆者:仲田洋美(医師)

ミネルバクリニック院長・仲田洋美は、日本内科学会認定総合内科専門医、日本臨床腫瘍学会認定がん薬物療法専門医 、日本人類遺伝学会認定臨床遺伝専門医として従事し、患者様の心に寄り添った診療を心がけています。

仲田洋美のプロフィールはこちら

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