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「クリーフストラ症候群は、妊娠中にNIPTでわかるの?」「エコーで見つかるの?」。知的障害や自閉スペクトラム症の特徴を伴うことがある病気なので、気になるのは自然なことです。先に結論をお伝えすると、原因の約半数を占めるEHMT1遺伝子の配列変異(小さな変化)は、当院のインペリアルプランで調べる対象です。一方で、もう約半数を占める9q34.3の欠失は、NIPTで見つけられるとは限りません。この「約半数」は原因の内訳を示す数字で、NIPTでクリーフストラ症候群の約50%を見つけられるという意味ではありません。「わかる」「わからない」をタイプごとに分けて、出生前に何ができるのかを臨床遺伝専門医の立場からまとめました。
⏱️ 30秒でわかる要約
🧬 Q. クリーフストラ症候群はNIPTでわかる?
一部のタイプは調べられます。EHMT1遺伝子の配列変異(塩基の置き換わりや小さな挿入・欠失)は、インペリアルプランで調べる対象です。EHMT1を含む9q34.3の欠失は92種類の微小欠失に入っておらず、全染色体スキャン(5Mbを超える欠失が対象)でも見つけられるとは限りません。原因の割合(それぞれ約50%)は、NIPTの検出率ではありません。
🩻 Q. エコーでわかる?いつわかる?
妊娠中のエコーで、この病気だとわかる決まった所見はないとされています。心臓の病気などがきっかけで確定検査に進むことはありますが、多くは生まれたあとに、発達の遅れなどをきっかけに診断されます。
🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかる?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を、プランに応じて調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。
👪 Q. 遺伝する?次の子の確率は?
ほとんどは赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo)で、次のお子さんの可能性は高くありませんが、0ではありません。ご両親の均衡型転座やモザイクがあると可能性が上がります。
🏥 Q. 陽性だったら?
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。当院では絨毛検査(妊娠11〜13週)・羊水検査(妊娠15週から)まで院内で受けられます。
\ 知的障害・自閉症の原因の一部まで、妊娠中に調べたい方へ /
当院のインペリアルプランは、クリーフストラ症候群(EHMT1)を含む最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異を調べます。陽性なら確定検査まで院内で受けられます。
まだプランを決めていない方は:インペリアルプラン | インペリアルとダイヤモンドの違い
クリーフストラ症候群はNIPTでわかる? ― 結論:一部のタイプは調べられます
クリーフストラ症候群はNIPTで一部のタイプは調べられますが、すべてがわかるわけではありません。理由は、この病気には原因が2つの道(EHMT1を含む9q34.3という染色体の小さな領域の欠失と、EHMT1遺伝子の配列変異などの小さな変化)があり、NIPTで調べられる範囲がそれぞれ違うからです[1]。
クリーフストラ症候群とは、9番染色体の端(9q34.3)にあるEHMT1(イーエイチエムティーワン)遺伝子が1つ働かなくなることで起こる病気です。小児期の筋肉の緊張の低さ(低緊張)、知的障害、特徴的な顔立ちが主な特徴で、心臓の病気を伴うことがあります[1]。生まれる頻度は、2万5,000〜3万5,000人に1人と推定されていますが、診断されていない方も多く、実際はもっと多い可能性があるとされています[1]。症状・診断・治療など病気そのものの詳しい説明はクリーフストラ症候群1の解説ページに、染色体の欠失の側からの説明は9q34欠失症候群(クリーフストラ症候群)のページにまとめています。
📋 クリーフストラ症候群の主な特徴(出生前に関わる点を中心に)
💡 用語解説:EHMT1遺伝子と9q34.3
EHMT1(イーエイチエムティーワン)は、ほかの遺伝子の働きのオン・オフを調節するタンパク質の設計図です。遺伝子そのものの働きはEHMT1遺伝子のページで解説しています。9q34.3(きゅーきゅーさんよんてんさん)は、9番染色体の長いほう(q)の、いちばん端に近い場所を表す住所のようなものです。この場所がまとめて抜け落ちるのが「9q34.3の欠失」です。
原因の2つの道と、NIPTで調べられる範囲
当院の東京のNIPT(新型出生前診断)では、原因の道によって調べられる範囲が分かれます。EHMT1遺伝子の配列変異は、インペリアルプランの単一遺伝子(最大155遺伝子・202疾患)に入っています。一方で、9q34.3の欠失は、インペリアルプラン・双子マックスプランの92種類の微小欠失の一覧には入っていません。
🔎 クリーフストラ症候群の原因と、当院のNIPTで調べられる範囲
| 原因のタイプ | 割合 | インペリアル | 双子マックス | ダイヤモンド・プレミアム・スタンダード |
|---|---|---|---|---|
| EHMT1遺伝子の配列変異などの小さな変化 | 約50% | 対象(単一遺伝子のde novo変異として調べる) | 対象外 | 対象外(ダイヤモンドの56遺伝子にEHMT1は入っていない) |
| EHMT1を含む9q34.3の欠失 | 約50% | 92種類の微小欠失には入っていない。5Mbを超える欠失なら全染色体スキャンの対象 | 92種類の微小欠失には入っていない。5Mbを超える欠失なら全染色体スキャンの対象 | 対象外(12種類・6種類の微小欠失に入っていない) |
割合はGeneReviews[1]による原因の内訳で、NIPTの検出率ではありません。「配列変異」は、塩基の置き換わりや小さな挿入・欠失を指します。9q34.3の欠失もEHMT1の一部または全体を含みます。5Mbは全染色体スキャンの対象範囲の目安で、超えれば必ず見つかるという境界ではありません。対象の遺伝子でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。どちらのタイプも、陽性なら確定検査で確かめます。
9q34.3の欠失の大きさは人によって違い、報告されている例には46kb・448kb[2]、約1.2Mb・約2.2Mb[3]のように、5Mbより小さい欠失が含まれます。インペリアルプラン・双子マックスプランの全染色体スキャンは5Mbを超える欠失・重複を対象にしているので、それより小さい欠失は、このスキャンでは見つけられるとは限りません。また、5Mbを超える欠失でも、必ず見つかるとは限りません。そのため「クリーフストラ症候群はNIPTでわかる」とは言い切れず、「EHMT1の配列変異はインペリアルプランの単一遺伝子検査の対象(ただし、すべてを見つけられるとは限らない)。EHMT1を含む9q34.3の欠失は、NIPTで見つけられるとは限らない」というのが正確な答えになります。
🩺 院長コラム【「わかる」を半分ずつ考える】
クリーフストラ症候群のように、原因が「遺伝子の中の小さな変化」と「染色体の欠失」の2つに分かれる病気では、NIPTで調べられる範囲も2つに分かれます。プランの説明に病名が載っていても、その病気のすべてのタイプが見つかるとは限らない、という点は検査を選ぶ前に知っておいていただきたいと考えています。
そのうえで、EHMT1の変化によるタイプは、家族歴がなくても赤ちゃんに新しく起こることがほとんどです。ご両親の血液検査では前もって見つけられないものを、妊娠中に調べる対象にできる、という点に意味があると考えています。どこまで調べたいかを考えるための材料として、タイプごとの違いを使っていただければと思います。
クリーフストラ症候群はいつわかる?エコーでわかる?
結論から言うと、妊娠中のエコーで「クリーフストラ症候群だ」とわかる決まった所見はないとされています[2]。GeneReviewsにも、出生前のエコーでみられる特徴は書かれていません[1]。
ただし、症例の報告では、妊娠12週のエコーで首の後ろのむくみ(NT)が厚かった例[2]や、妊娠26週に大動脈弓(心臓から出る太い血管)が細いことがわかった例[3]があります。また、へその緒の動脈が1本しかない(単一臍帯動脈)、羊水が少ない、体の大きな形の異常などが、手がかりになることがあると報告されています[2]。クリーフストラ症候群では約半数に心臓の病気があるため[1]、心臓の形の異常がきっかけで確定検査に進むことはありえます。
エコーで形の異常が見つかったら、確定検査が基本
エコーで赤ちゃんの形の異常がすでに見つかっている場合は、NIPTではなく、確定検査(絨毛検査・羊水検査)が基本です。確定検査で行うマイクロアレイ検査(染色体の小さな欠失・重複を調べる検査)では、9q34.3の欠失が見つかることがあります[1]。
⚠️ マイクロアレイ検査だけでは見つからないタイプがある
ここが見落とされやすい点です。マイクロアレイ検査で調べるのはEHMT1の一部または全体を含む9q34.3の欠失です。塩基の置き換わりや小さな挿入・欠失などのEHMT1の配列変異は、マイクロアレイ検査では見つからず、遺伝子の配列を読む検査が必要です[1]。また、EHMT1の中のごく小さな範囲の欠失はマイクロアレイ検査で見つからないことがあり、約5%の方では、遺伝子を対象にした欠失・重複の解析で見つかると報告されています[1]。エコーの所見からクリーフストラ症候群を含む病気が疑われるときは、マイクロアレイ検査で異常がなくても、遺伝子の検査まで考えるかどうかを臨床遺伝専門医と相談することが大切です。マイクロアレイ検査については染色体マイクロアレイ(CMA)とはで解説しています。
多くは生まれてからわかる病気
クリーフストラ症候群の診断は、マイクロアレイ検査か遺伝子の検査で、9q34.3の欠失かEHMT1の変化を見つけることでつきます[1]。小児期の低緊張や発達の遅れ、言葉の遅れが目立つ病気なので[1]、臨床遺伝専門医としては、多くは生まれたあと、発達の遅れなどをきっかけに検査を受けて診断される病気だと考えています。だからこそ、エコーで何も言われていない段階で、原因の一部を調べられるのがNIPTの役割です。
当院の確定検査は、絨毛検査が妊娠11〜13週、羊水検査が妊娠15週から受けられます。2つの検査の違いは絨毛検査と羊水検査の違いをご覧ください。
当院のNIPTで調べられるのは? ― インペリアルプランとEHMT1
クリーフストラ症候群の原因の1つであるEHMT1遺伝子を単一遺伝子として調べるのは、インペリアルプランです。インペリアルプランは、全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常に加えて、最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異を調べます。ダイヤモンドプランの56遺伝子にはEHMT1は入っていません。2つのプランの違いはインペリアルプランとダイヤモンドプランの違いにまとめています。
こうした単一遺伝子疾患は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[6][7]。これは30の遺伝子に絞って調べた研究での数字なので、実際にはこれより多いと考えています。ダウン症候群の出生頻度(米国の全国推計〔2004〜2006年の出生〕で約700人に1人)より多い頻度です[8]。当院のインペリアルプランでは、最大155遺伝子のde novo変異を対象にしています(ダイヤモンドプランは56遺伝子)。
超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[5]。
精度と限界
インペリアルプランの検証データ(遺伝的な病気のリスクが高い妊婦さん750人・155遺伝子202疾患)では、de novo変異NIPTの陽性的中率96.9%・感度100%・特異度99.9%と報告されています[4]。これは研究で調べた単一遺伝子疾患をまとめた成績で、クリーフストラ症候群だけの精度や、9q34.3の欠失を見つける精度を示すものではありません。研究での感度100%も、今後の検査で見逃しがないことを約束するものではなく、リスクの高い妊婦さんでの数字なので、すべての妊婦さんに同じように当てはまるとは限りません。また、対象の遺伝子でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。陰性は「調べた範囲で見つからなかった」という意味で、配列変異によるタイプも欠失によるタイプも含めて、クリーフストラ症候群を否定することはできません。陽性なら確定検査で確かめます。
受けられる時期と結果が出るまで
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果は基本10〜14日ですが、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります(ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日)。陽性だったときに確定検査を受ける時期まで考えて、受ける時期を決めておくと安心です。
当院では受けられる時期の上限は設けていません。ただし、人工妊娠中絶ができるのは通常妊娠満22週未満です[11]。上限がないことは、結果によって妊娠を続けるかどうかを選べるという意味ではありません。受ける時期と、結果を出産や生まれたあとの準備にどう生かすかは、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。
知的障害・自閉症・発達障害の原因の一部もNIPTでわかる ― 当院で調べられること
クリーフストラ症候群では、知的障害(中等度〜重度のことが多く、軽い方もいます)や言葉の遅れがみられ、自閉スペクトラム症の特徴が幼児期に気づかれることが多いとされています[1]。睡眠の問題やこだわりの強い動きがみられることもあります[1]。どの程度の特徴が出るかは人によって違い、生まれる前に予測することはできません。
自閉症・発達障害・知的障害の原因はさまざまで、多くは1つに決められません。ただ、その一部は染色体や遺伝子の変化が原因だとわかっています。当院のNIPTが調べる単一遺伝子疾患や微小欠失・重複には、知的障害や自閉スペクトラム症の特徴を伴うことがある病気が含まれているため、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因は、当院のNIPTでわかります。クリーフストラ症候群(EHMT1)はその1つで、インペリアルプランの対象です。
🧩 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気
| プラン | 微小欠失・重複 | 単一遺伝子 | 伴うことがある主な病気(例) |
|---|---|---|---|
| スタンダード | 6種類7疾患 | ― | 22q11.2欠失症候群、プラダー・ウィリー症候群、アンジェルマン症候群 |
| プレミアム | 12種類13疾患 | ― | 上の病気+9p欠失症候群、ジェイコブセン症候群など |
| ダイヤモンド | 12種類13疾患 | 56遺伝子 | 上の病気+レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群、CHARGE症候群 |
| 双子マックス | 92種類+5Mbを超える構造異常 | ― | 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など |
| インペリアル | 92種類+5Mbを超える構造異常 | 最大155遺伝子(202疾患) | 上の病気+クリーフストラ症候群(EHMT1)、ピット・ホプキンス症候群、フェラン・マクダーミッド症候群、KBG症候群など |
どのプランでも、対象の病気のすべての変化を見つけられるとは限りません。クリーフストラ症候群では、EHMT1の配列変異がインペリアルプランの単一遺伝子検査の対象です。EHMT1を含む9q34.3の欠失は、上で書いたとおり、NIPTで見つけられるとは限りません。
⚠️ 正直にお伝えしたい限界
NIPTでわかるのは、自閉症・発達障害・知的障害の原因の一部です。陰性でも、自閉症や発達障害、知的障害がないとは言えません。陽性のときは確定検査で確かめる必要があり、見つかった場合も、症状の程度までは生まれる前にわかりません。自閉症とNIPTの関係は自閉症はNIPTでわかる?でくわしく解説しています。
\ 一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べたい方へ /
臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。
まだプランを決めていない方は:インペリアルプラン | NIPTの費用・料金
クリーフストラ症候群は遺伝する?次の子の確率と、親が当事者のとき
クリーフストラ症候群は常染色体顕性(優性)遺伝の病気ですが、ほとんどは赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo)で、ご両親からは受け継いでいません[1]。de novo変異についてはDe Novo変異(新生突然変異)とはで、父親の年齢との関係は単一遺伝子疾患とNIPT(父親の年齢とde novo)で解説しています。
例外もあります。ご両親のどちらかが均衡型転座(染色体の一部が入れ替わっているが、量の過不足はない状態。ご本人には症状がない)をもっていて、そこから9q34.3が欠けた染色体を赤ちゃんが受け継ぐ場合があり、家族の中でくり返した例が報告されています[1]。また、ご両親の体の一部の細胞にだけ欠失や変化があるモザイクの例も報告されています[1]。均衡型転座のしくみは染色体の均衡型構造異常をご覧ください。
上のお子さんがクリーフストラ症候群のとき
次のお子さんの確率は、ご両親の状態によって変わります[1]。ご両親に変化がなければ確率は高くありませんが、生殖細胞だけに変化がある(性腺モザイク)可能性があるため、0にはなりません[1]。上のお子さんで見つかった欠失や変化がわかっていれば、それを目印にして、次の妊娠で赤ちゃんを確定検査(絨毛検査・羊水検査)で調べることができます[1]。どの検査をいつ受けるかは、上のお子さんの検査結果をもとに、検査前の遺伝カウンセリングでご家族の状況に合わせて選びます。
お母さん・お父さんがクリーフストラ症候群のとき
体のすべての細胞に変化がある方では、お子さん1人あたり2分の1の確率で受け継ぎます[1]。体の一部の細胞だけに変化があるモザイクの方では、お子さん1人あたり最大で2分の1です。なお、モザイクの欠失をもつ方を除くと、クリーフストラ症候群の方がお子さんをもった報告はこれまでありません[1]。
お母さんが単一遺伝子の病気の当事者で、まだご自身の遺伝子検査を受けていない場合は、時間的な余裕があれば、まずお母さん本人の遺伝子検査で原因の変化を特定するのが基本です。お母さん自身が変化をもっている場合、通常のNIPTでは、その変化がお母さん由来か赤ちゃん由来かを区別できません。そのため、特定した変化を目印にして、絨毛検査か羊水検査で赤ちゃんを調べるという流れになります。くわしくはお母さんが単一遺伝子疾患をお持ちのときのNIPTと確定検査をご覧ください。お父さんが当事者のときの考え方はお父さんが単一遺伝子疾患をお持ちのご夫婦へにまとめています。クリーフストラ症候群は原因の変化が人によって違う病気なので、どの検査を選ぶかは、検査前の遺伝カウンセリングでご家族の状況に合わせて決めます。
🩺 院長コラム【家族歴があってもなくても、NIPTを考える理由】
上のお子さんやご家族にクリーフストラ症候群の方がいると、どうしてもその病気だけに目が向きます。けれども、ご家族の病気とは別に、赤ちゃんに新しく起こる単一遺伝子の病気もあります。その意味で、NIPTは基本的に受けたほうがよいと考えています。
ただし、ご家族で見つかっている変化を赤ちゃんが受け継いだかどうかを確かめるのは、NIPTではなく絨毛検査・羊水検査です。NIPTと確定検査は役割が違う検査なので、2つをどう組み合わせるかを、検査前の遺伝カウンセリングで決めていくことが大切だと考えています。
NIPTで陽性だったら? ― 確定検査まで院内で受けられます
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。インペリアルプランでEHMT1の変化が陽性になった場合は、見つかった変化を目印にして、絨毛検査(妊娠11〜13週)か羊水検査(妊娠15週から)で赤ちゃんに本当にその変化があるかを調べます。羊水でマイクロアレイ検査をするなら、妊娠18週くらいが適していると考えています。
当院では、臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら確定検査まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。確定検査は基本的に日曜日(月曜日が祝日のときは月曜日)に行っています。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は、NIPTを受ける方が全員加入する羊水検査互助会(カトレア会)で補助されます。陽性のあとの流れはNIPTで陽性だったらで解説しています。
陽性になったときに大切なのは、確定検査で確かめる前に結論を出さないことです。確定検査で変化が確かめられた場合も、症状の程度は生まれる前にはわかりません。結果を出産や生まれたあとの準備にどう生かすかを含めて、何度でも受けられる遺伝カウンセリングの中で考えていきます。
検査は「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ ― 1つの病気あたりで考えると
「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[9]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[9][10]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。
出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。『安さ』だけで選んで大丈夫でしょうか。
三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。
当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。
| プラン | 主に調べる範囲 | 数えた病気の数 | 1つの病気あたり |
|---|---|---|---|
| 三大トリソミーだけを調べる検査 (仮に10万円とした場合) |
13・18・21トリソミー | 3 | 約33,333円 |
| スタンダード(220,000円) | 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 | 14 | 約15,714円 |
| プレミアム(264,000円) | 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 | 23 | 約11,478円 |
| ダイヤモンド(407,000円) | プレミアムの範囲+単一遺伝子56 | 79 | 約5,152円 |
| 双子マックス(440,000円) | 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 | 114+α | 約3,860円 |
| インペリアル(550,000円) | 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 | 320+α | 約1,719円 |
※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。
ただし、調べる範囲が広がると、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。病気の数が多いほどよい検査、というわけではありません。どこまで調べたいかはご家族によって違うので、90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。
よくある質問(FAQ)
Q1. クリーフストラ症候群はNIPTでわかりますか?
一部のタイプは調べられます。EHMT1遺伝子の配列変異(塩基の置き換わりや小さな挿入・欠失)は、当院のインペリアルプランで調べる対象です。EHMT1を含む9q34.3の欠失は、インペリアルプラン・双子マックスプランの92種類の微小欠失の一覧には入っていません。全染色体スキャンは5Mbを超える欠失を対象にしていますが、5Mbを超えれば必ず見つかるという意味ではありません。原因の割合はそれぞれ約50%ですが、これはNIPTの検出率ではありません。ダイヤモンドプラン・プレミアムプラン・スタンダードプランでは、クリーフストラ症候群は対象に入っていません。対象の遺伝子でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。陰性でもクリーフストラ症候群は否定できず、陽性なら確定検査で確かめます。
Q2. クリーフストラ症候群はエコーでわかりますか?いつわかりますか?
妊娠中のエコーで「この病気だ」とわかる決まった所見はないとされています。心臓の病気など形の異常がきっかけで確定検査に進み、わかることはあります。臨床遺伝専門医としては、多くは生まれたあと、発達の遅れや筋肉の緊張の低さなどをきっかけに検査で診断される病気だと考えています。
Q3. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?
一部はわかります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる遺伝子や染色体の変化の一部を、プランに応じて調べられます。クリーフストラ症候群(EHMT1)はインペリアルプランの対象です。ただし、陰性でも自閉症や発達障害がないとは言えません。
Q4. 上の子がクリーフストラ症候群です。次の子も同じ病気になりますか?
ほとんどは赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo)なので、次のお子さんで同じ病気になる可能性は高くありませんが、0ではありません。ご両親のどちらかが均衡型転座をもっている場合や、ご両親の一部の細胞だけに変化がある(モザイク)場合は可能性が上がります。上のお子さんで見つかった変化を目印にして、絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを調べることができます。
Q5. 親がクリーフストラ症候群だと、子どもに遺伝しますか?
体のすべての細胞に変化がある方では、お子さん1人あたり2分の1の確率で受け継ぎます。体の一部の細胞だけに変化がある(モザイク)方では、お子さん1人あたり最大で2分の1です。なお、モザイクの方を除くと、クリーフストラ症候群の方がお子さんをもった報告はこれまでありません。検査の進め方は、検査前の遺伝カウンセリングでご家族の状況に合わせて選びます。
Q6. インペリアルプランは何週から受けられ、結果はいつわかりますか?
当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果は基本10〜14日ですが、インペリアルプランの単一遺伝子の結果は3〜4週間かかります。陽性だったときの確定検査の時期も考えて、早めに受ける時期を決めておくと安心です。
Q7. NIPTで陽性だったら、どうなりますか?
NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。当院では絨毛検査(妊娠11〜13週)と羊水検査(妊娠15週から)まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性後の遺伝カウンセリングは何度でも無料で、確定検査の費用は羊水検査互助会(カトレア会)で補助されます。
Q8. 費用はいくらですか?
プランごとの料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、4Dエコー(来院の場合)、NIPTでの性別判定が含まれます。NIPTを受ける方は全員、2つの互助会(カトレア会・安心検査結果保障制度)に加入します。
🏥 クリーフストラ症候群を含む単一遺伝子の病気まで、妊娠中に調べる
当院のインペリアルプランは、クリーフストラ症候群(EHMT1)を含む最大155遺伝子(202疾患)のde novo変異と、全常染色体・92種類の微小欠失・重複を調べます。臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら絨毛検査・羊水検査まで院内で受けられます。来院が難しい方は、Zoomでのカウンセリングと全国110か所の提携施設での採血を組み合わせたオンラインNIPTもご利用いただけます。
まだ決めていない方は:インペリアルとダイヤモンドの違い | NIPTクリニックの選び方
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参考文献
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- [11] 日本医師会「医の倫理の基礎知識 2018年版【生殖医療】D-5」 https://www.med.or.jp/doctor/rinri/i_rinri/d05.html
※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択を示すものではありません。検査については臨床遺伝専門医にご相談ください。






