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チャージ症候群(CHARGE症候群)はNIPTでわかる?いつわかるか・エコー所見・遺伝の確率を臨床遺伝専門医が解説

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

「チャージ症候群(CHARGE症候群)は、妊娠中にわかるの?」「NIPTで調べられるの?」。家族に同じ病気の人がいなくても、この病気の多くは赤ちゃんに新しく起こる遺伝子の変化(de novo)で起こります。一方で、妊娠中のエコーだけで見つけるのは難しく、生まれてから診断されることが多い病気です。原因遺伝子のCHD7(シー・エイチ・ディー・セブン)は、当院の東京のNIPT(新型出生前診断)では、ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。何がわかり、何がわからないのかを、臨床遺伝専門医の立場からまとめました。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. チャージ症候群はNIPTでわかる?

原因遺伝子CHD7の変化は、ダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。ただし、すべての変化を見つけられるとは限らず、CHD7に変化が見つからないチャージ症候群もあります。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査で確かめます。

📅 Q. チャージ症候群はいつわかる?

エコーで心臓の病気や羊水の多さなどに気づかれることはありますが、妊娠中に診断がつくのはまれで、多くは生まれてから診断されます。NIPTは妊娠9週から受けられ、エコーで形の変化が見えてくる前の時期に、原因遺伝子を調べられます。

👪 Q. チャージ症候群は遺伝する?

多くは赤ちゃんに新しく起こる変化で、家族に同じ病気の人がいなくても起こります。ご両親のどちらかがチャージ症候群なら、お子さんに伝わる確率は2分の1です。

🧩 Q. NIPTで自閉症や発達障害はわかりますか?

一部はわかります。チャージ症候群は発達の遅れを伴うことが多く、自閉スペクトラム症の特徴がみられることもあります。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因の一部(遺伝子や染色体の変化)を調べられます。陰性でも、自閉症や発達障害がないとは言えません。

🏥 Q. エコーで所見を言われた・NIPTで陽性だったら?

確定検査(絨毛検査・羊水検査)で赤ちゃんの細胞を調べます。当院では確定検査まで院内で受けられ、主要な検査項目は3日以内に結果が出ます。

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臨床遺伝専門医が常駐し、陽性なら確定検査まで院内で受けられます。まだプランを決めていない方は:
インペリアルプランとダイヤモンドプランの違い

チャージ症候群はNIPTでわかる? ― 原因遺伝子CHD7を調べるプラン

チャージ症候群の原因遺伝子CHD7の変化は、当院のNIPTのうちダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。NIPTでわかるのは「赤ちゃんにCHD7の変化がある可能性が高いかどうか」で、チャージ症候群の診断そのものではありません。まず、病気の要点と、NIPTが何を見ているのかを整理します。

チャージ症候群(CHARGE症候群)とは

チャージ症候群(CHARGE症候群)とは、目・心臓・鼻の奥・耳など、体のいくつもの場所に生まれつきの特徴が組み合わさって現れる病気です。病名は、主な特徴の英語の頭文字を並べたものです。多くはCHD7という遺伝子の変化で起こり、国際的な遺伝性疾患の解説書GeneReviewsでは、「CHD7関連疾患(CHD7 disorder)」としてまとめられています[1]。頻度は、オランダで新生児1万5,000人に1人、カナダで8,500人に1人という推計がありますが、正確な頻度はわかっていません[1]。

🔤 CHARGEの頭文字と、遺伝子で確かめられた方にみられる割合

頭文字 特徴 みられる割合
C(Coloboma) 目のコロボーマ(眼の組織の一部が欠けている状態) 80%
H(Heart) 心臓の病気(とくに心臓の出口の血管の病気) 74%
A(Atresia of choanae) 後鼻孔閉鎖・狭窄(鼻の奥がふさがっている・狭い) 45%
R(Retardation) 成長や発達の遅れ 発達の遅れ90%超
G(Genital) 性器の特徴(性腺の働きの低下など) ―
E(Ear) 耳の形の特徴・難聴・平衡感覚の問題 聴神経・平衡の問題95%超

出典:GeneReviews「CHD7 Disorder」の表(CHD7の変化で確かめられた、典型的または部分的なCHARGE症候群の方での割合)[1]。「―」は、この表で一つの割合として示されていない項目です。現れ方には個人差が大きく、すべてがそろうわけではありません。

症状・診断基準・治療・生まれたあとの経過など、病気そのものの詳しい説明は、CHARGE症候群(チャージ症候群)の疾患ページにまとめています。原因遺伝子についてはCHD7遺伝子の解説をご覧ください。

💡 用語解説:後鼻孔閉鎖(こうびこうへいさ)

鼻の穴の奥(後鼻孔)が、骨や膜でふさがっている状態です。赤ちゃんは生まれてしばらく鼻で呼吸するため、両側がふさがっていると生まれてすぐに呼吸の助けが必要になります。詳しくは後鼻孔閉鎖の解説をご覧ください。

当院では、ダイヤモンドプランとインペリアルプランが対象

CHD7は、ダイヤモンドプラン(56遺伝子)とインペリアルプラン(最大155遺伝子202疾患)の両方に入っています。スタンダードプラン・プレミアムプラン・双子マックスプランは、単一遺伝子の病気を調べないため、チャージ症候群は対象になりません。

💎 ダイヤモンドプラン

単一遺伝子56遺伝子(CHD7を含む)。米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で調べます。結果は単一遺伝子も含めて基本10〜14日です。

👑 インペリアルプラン

単一遺伝子は最大155遺伝子202疾患(CHD7を含む)。低深度全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせ、全常染色体の数の異常や92種類の微小欠失・重複も調べます。単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

ダイヤモンドプランの56遺伝子の一覧は56遺伝子de novo変異NIPTで、2つのプランの違いはインペリアルプランとダイヤモンドプランの違いで確かめられます。

NIPTでわかること・わからないこと

NIPTで調べるのは、主に赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo変異)です。CHD7は対象の遺伝子ですが、対象の遺伝子でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。また、チャージ症候群が疑われた方107人を調べた研究では、CHD7に変化が見つかったのは69人(約64%)でした[2]。これは、その研究で遺伝子検査をして見つかった割合で、NIPTの精度を示す数字ではありません。見つからなかった方の中には、その研究の検査方法では見つけられない変化を持つ方や、CHD7以外の原因の方が含まれている可能性があります。いずれにしても、CHD7の検査で変化が見つからないチャージ症候群の方がいる、ということです。

🔍 NIPTでわかること・わからないこと(チャージ症候群)

項目 NIPTでは
赤ちゃんに新しく起こったCHD7の変化 ダイヤモンド・インペリアルで調べられる(すべての変化を見つけられるとは限らない)
CHD7に変化がないチャージ症候群 見つけられない
症状がどのくらい出るか(重さ・組み合わせ) 予測できない
お母さん自身がCHD7の変化を持っているとき お母さん由来か赤ちゃん由来かを区別できない(絨毛検査・羊水検査で赤ちゃんを調べる)
診断の確定 できない(スクリーニング検査。陽性なら確定検査)

精度の目安として、インペリアルプランと同じ155遺伝子・202疾患を対象にした検査を、遺伝的な病気のリスクが高い妊婦さん750人で検証した研究では、陽性的中率96.9%・感度100%・特異度99.9%でした[3]。これはインペリアルプランの検証データで、リスクの高い妊婦さんでの数字です。陽性の結果は、必ず確定検査で確かめます。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「エコーでは見つけにくい病気」を、妊娠初期に調べる意味】

チャージ症候群の特徴のうち、目のコロボーマや後鼻孔閉鎖、耳の奥(内耳)の形の違いは、妊娠中のエコーでは見つけにくいものです。心臓の病気が見つかっても、それだけでチャージ症候群とはわかりません。だから、この病気は生まれてから診断されることが多いのだと考えています。

NIPTで原因遺伝子を調べられるようになったことで、エコーで形の変化が見えてくる前の時期に、可能性に気づけることがあります。生まれる前に知っていれば、呼吸や哺乳、心臓の治療ができる施設での出産を考えるなど、赤ちゃんを迎える準備ができます。一方で、陰性でもこの病気の可能性がなくなるわけではありません。わかることとわからないことの両方を知ったうえで、ご自身に合った検査を選んでいただきたいと考えています。

チャージ症候群はいつわかる? ― エコーで気づかれる所見と限界

チャージ症候群が妊娠中に診断されることはまれで、多くは生まれてから診断されます。エコーで何らかの所見に気づかれることはありますが、それだけでチャージ症候群と決めることは難しいのが現状です[4][5]。

妊娠中のエコーで気づかれることがある所見

出生前にチャージ症候群が報告された19例を集めた報告では、エコーで気づかれた所見として次のようなものが挙げられています[4]。いずれもチャージ症候群だけにみられる所見ではありません。

🩻 出生前に報告されたチャージ症候群19例でみられたエコー所見

所見 19例中
腎臓・性器の所見 6例(31.6%)
羊水過多 6例(31.6%)
脳の所見(軽い脳室拡大など) 5例(26.3%)
心臓の病気(ファロー四徴症など) 5例(26.3%)
耳の形の特徴 3例(15.8%)
赤ちゃんの発育の遅れ 3例(15.8%)
口唇裂 3例(15.8%)
目のコロボーマ 0例

出典:Traisrisilpら(Diagnostics, 2021)の表(文献で報告された例と、この論文の1例を合わせた19例)[4]。生まれたあとに多い目のコロボーマは、この19例では出生前に1例も見つかっていません。出生前に報告された例を集めた数字で、チャージ症候群の赤ちゃん全体のうち出生前に見つかる割合ではありません。

同じ論文の1例では、妊娠23週のエコーで心臓の病気が見つかり、28週のくわしいエコーで腎臓や耳のわずかな所見に気づかれました[4]。このように、所見に気づかれるのは妊娠中期以降の形態をくわしく見るエコーの時期が中心で、妊娠初期のエコーでわかる病気ではありません。

生まれてすぐ診断された12人でも、出生前の診断はつかなかった

生後3か月までにチャージ症候群と診断され、CHD7の変化が確かめられた12人の妊娠中の経過を見直した研究では、12人中7人で妊娠中に何らかの形の異常が見つかっていましたが、チャージ症候群が疑われた3人でも、妊娠中には診断を確定できませんでした[5]。ただし、これは生まれてから診断された12人という少ない人数の研究で、「出生前には遺伝子で診断できない」という意味ではありません。原因の変化がわかっていれば、出生前の遺伝学的検査はできます[1]。著者らは、疑われたときには耳の形・後鼻孔閉鎖・小さい眼球をエコーでくわしく見ること、胎児MRIは役立つが正常でも否定はできないこと、疑いが強いときはCHD7の遺伝子検査を考えることを挙げています[5]。

⚠️ エコーで所見を言われたときは

エコーで心臓の病気などの形の異常がすでに見つかっているときは、NIPTではなく確定検査(羊水検査・絨毛検査)が基本です。確定検査では、染色体のくわしい検査(マイクロアレイ検査)に加え、必要に応じて遺伝子の検査を組み合わせます。NIPTはスクリーニング検査で、形の異常の原因を確定する検査ではありません。形の異常が見つかっているときは、NIPTが陰性でも原因の病気を否定できません。NIPTは、まだエコーで何も言われていないけれど心配な方のための検査と考えてください。

チャージ症候群は遺伝する? ― 遺伝の確率と父親の年齢

チャージ症候群は常染色体顕性(優性)遺伝の病気ですが、多くは親から受け継いだものではなく、赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo変異)によるものです[1]。そのため、家族に同じ病気の人がいなくても起こります。

💡 用語解説:de novo(デノボ)変異

ご両親の体の細胞にはなく、精子や卵子ができる過程などで新しく生じた遺伝子の変化です。家族歴がなくても起こります。詳しくはDe Novo変異(新生突然変異)の解説をご覧ください。

👪 ご家族の状況と、お子さんがチャージ症候群になる確率

ご家族の状況 確率
ご両親のどちらかがチャージ症候群(CHD7の変化あり) お子さん1人あたり2分の1(50%)
上のお子さんがチャージ症候群で、ご両親にはCHD7の変化が見つからない 経験的に約1〜2%(性腺モザイクの可能性があるため0ではない)
家族に同じ病気の人がいない 赤ちゃんに新しく起こる変化で生じることがある

出典:GeneReviews「CHD7 Disorder」[1]。

父親の年齢と関係はある?

de novo変異は、一般に父親の年齢が上がるほど増えることが知られています[6]。CHD7については、新しく起こった変化がどちらの親の遺伝子の上に生じたかを調べられた13家族のうち、12家族(92.3%)で父親由来でした[7]。ただし、同じ研究では、ドイツの一般の父親の年齢と比べて、父親の年齢による増加ははっきり見られませんでした[7]。「父親が高齢だからチャージ症候群になりやすい」とまでは言えない、というのが今の時点での正確な読み方です。

それでも、チャージ症候群のように家族歴がなくても新しく起こる病気は、ご両親の年齢にかかわらず起こりえます。父親の年齢とde novo変異の関係はNIPTでわかる単一遺伝子疾患と父親の年齢でくわしく解説しています。

お母さんがチャージ症候群のとき

お母さんの血液には、お母さん自身のDNAと、胎盤(赤ちゃん)由来のDNAが混ざっています。そのため、お母さん自身がCHD7の変化を持っている場合、通常のNIPTでは、見つかった変化がお母さん由来か赤ちゃん由来かを区別できません。赤ちゃんが受け継いだかどうかは、絨毛検査(妊娠11〜13週)か羊水検査(妊娠15週から)で、お母さんの変化を目印にして調べます。

時間に余裕があれば、まずお母さんご自身の遺伝子検査で原因の変化を特定しておくのが基本で、できれば妊娠前に済ませておくのがよいと考えています。軟骨無形成症のように原因の変化がほぼ決まっている病気とは違い、チャージ症候群ではNIPTでお母さんの変化を決められるとは限りません。妊娠週数などで時間に余裕がないときは、NIPTで対象の変化の有無を確かめ、確定検査で調べる目印をつかむ、という使い方をすることがあります。この場合のNIPTは、赤ちゃんが受け継いだかを判定するためではありません。どの方法が合うかは、検査前の遺伝カウンセリングで、ご家族の状況に合わせて検査を選びます。

また、お母さんの病気とは別に、赤ちゃんに新しく起こる単一遺伝子の病気もあります。そのため当院では、ご両親が当事者の場合も、NIPTは基本的に受けたほうがよいと考えています。流れはお母さんが単一遺伝子疾患をお持ちのときのNIPTと確定検査にまとめています。

お父さんがチャージ症候群のとき

お父さんがチャージ症候群(CHD7の変化あり)の場合、赤ちゃんがその変化を受け継ぐ確率は、妊娠ごとに2分の1です[1]。お父さん由来の変化はお母さんの血液には存在しないため、お父さんの変化がある遺伝子がプランの対象に入っていれば、NIPTで見つかったときに「赤ちゃんが受け継いだもの」と判断しやすくなります。CHD7はダイヤモンドプランとインペリアルプランの対象です。お父さんの変化をNIPTで調べられるかは、遺伝カウンセリングでお父さんの遺伝学的検査の結果報告書を確認して判断します。ただし、NIPTは確定ではない検査なので、最終的には絨毛検査・羊水検査で確かめます。くわしくはお父さんが単一遺伝子疾患のときのNIPTをご覧ください。

チャージ症候群は知的障害を伴う? ― 自閉症・発達障害もNIPTで一部わかる

チャージ症候群では発達の遅れが高い割合でみられますが、知的発達の見通しには大きな幅があります。GeneReviewsでは、遺伝子で確かめられた方について、発達の遅れが90%超、知的障害が60%とまとめられています[1]。発達の遅れには、見え方・聞こえ方・平衡感覚の問題や、入院が多いことも関わっています[1]。一方、GeneReviewsが引用している別の報告では、チャージ症候群の特徴をもつ方の50%で知的発達が正常範囲でした[1]。対象の集め方や評価の方法が違う報告なので、2つの数字を足したり比べたりはできません。

また、遺伝性の病気ごとに自閉スペクトラム症の特徴がみられる割合をまとめたメタ解析では、CHARGE症候群で30%と報告されています[8]。ただ、見え方・聞こえ方に問題があると、自閉症に似た行動に見えることもあり、一人ひとりの評価が大切です。

自閉症・発達障害の原因の一部は、当院のNIPTで調べられる

自閉症や発達障害、知的障害の原因はさまざまですが、その一部は染色体や遺伝子の変化だと分かっています。発達の遅れ・知的障害・自閉症のある方では、染色体の微細な欠失・重複が原因として見つかることがあり、マイクロアレイ検査で約15〜20%と報告されています[9]。当院のNIPTは、自閉症・発達障害・知的障害の原因になる変化の一部を、プランに応じて調べられます。

🧬 プラン別:自閉症・発達障害・知的障害を伴うことがある主な病気

プラン 微小欠失・重複 単一遺伝子 主な病気の例
スタンダード 6種類7疾患 ― 22q11.2欠失症候群、アンジェルマン症候群、プラダー・ウィリー症候群
プレミアム 12種類13疾患 ― スタンダードの病気に加え、ジェイコブセン症候群など
ダイヤモンド 12種類13疾患 56遺伝子 上記に加え、CHARGE症候群、レット症候群、コルネリア・デ・ランゲ症候群
双子マックス 92種類+5Mbを超える欠失・重複 ― 16p11.2欠失・重複、ウィリアムズ症候群など
インペリアル 92種類+5Mbを超える欠失・重複 最大155遺伝子202疾患 上記に加え、CHARGE症候群、フェラン・マクダーミッド症候群、ピット・ホプキンス症候群

対象の病気でも、すべての変化を見つけられるとは限りません。陽性なら確定検査で確かめます。

ここで大切なのは、NIPTで陰性でも、自閉症・発達障害・知的障害がないとは言えないことです。脆弱X症候群のようにNIPTで調べられない原因もありますし、多くの自閉症は原因がひとつに決まりません。また、病気がわかっても、症状の重さまでは予測できません。くわしくは一部の自閉症・発達障害の原因はNIPTでわかるで解説しています。

🧬 チャージ症候群の原因遺伝子まで、妊娠初期に調べる

ダイヤモンドプランとインペリアルプランでは、CHD7を含む単一遺伝子の変化と、一部の自閉症・発達障害・知的障害の原因まで調べられます。90分の受診枠の中で、常駐する臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行い、どのプランが合うかを一緒に考えます。

まだ決めていない方は:ダイヤモンドプラン | インペリアルプラン

NIPTで陽性だったら・エコーで所見を言われたら ― 確定検査と次の一歩

NIPTでCHD7の変化が陽性になったときは、絨毛検査か羊水検査で赤ちゃんの細胞を調べ、本当にその変化があるかを確かめます。NIPTはスクリーニング検査で、陽性は診断の確定ではありません。

確定検査は絨毛検査か羊水検査

当院の絨毛検査は妊娠11〜13週、羊水検査は妊娠15週から行います。羊水でマイクロアレイ検査まで行うなら、18週ごろが適していると考えています。確定検査は基本的に日曜日(月曜日が祝日のときは月曜日)です。陽性の場合も、確定検査(絨毛検査・羊水検査)まで院内で受けられます。主要な検査項目は3日以内に、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。NIPTで見つかった変化を目印にした遺伝子の解析も、3日以内に結果が出る主要な項目のひとつです。

① NIPTで陽性CHD7の変化の可能性
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② 遺伝カウンセリング陽性後は何度でも無料
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③ 確定検査絨毛11〜13週・羊水15週から
▶
④ 結果を受けて考える出産の準備も含めて

NIPTを受ける方は全員、2つの互助会に加入します。羊水検査互助会(カトレア会)は1回のNIPTにつき8,000円で、陽性のときの確定検査の費用を補助します(補助の上限なし)。安心検査結果保障制度は1回6,000円で、再検査が必要になったのに流産して再検査ができず結果が出なかったときに、検査代金(諸費用を除く)を返金します。

遺伝カウンセリングで考えること

確定検査でCHD7の変化が確かめられても、症状の組み合わせや重さは赤ちゃんごとに大きく違い、生まれる前に見通しを決めることはできません。心臓の病気や後鼻孔閉鎖があれば、生まれてすぐに呼吸や哺乳の助け、手術が必要になることがあります。遺伝カウンセリングでは、わかっていることとわからないことを分けて整理し、生まれたあとに必要になりうる医療や、出産する施設の選び方なども含めて考えます。くわしい流れはNIPTで陽性だったらをご覧ください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「父親由来が多い」と「父親の年齢で増える」は別の話】

CHD7の新しい変化の多くが父親由来だという報告は、「父親が高齢だとチャージ症候群が増える」と読まれがちです。けれども、同じ研究では父親の年齢による増加ははっきりしませんでした。数字は、何を調べた結果なのかまで確かめて読む必要があると考えています。

大切なのは、チャージ症候群のような病気は、ご両親の年齢や家族歴にかかわらず、どのご家族にも起こりうるということです。だからこそ、検査で何がわかり、何がわからないのかを、検査の前に知っておいていただきたいと考えています。

ミネルバクリニックでチャージ症候群まで調べるには ― 受ける時期と流れ

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。受けられる時期の上限は設けていません。ただし、人工妊娠中絶ができるのは通常妊娠満22週未満です(出典:日本医師会「医の倫理の基礎知識 2018年版【生殖医療】D-5」)[10]。受ける時期と結果の生かし方は、検査前の遺伝カウンセリングで一緒に考えます。週数が早いほど血液中の赤ちゃん由来のDNAが少なく、判定できずに再検査になることがあります。

⏱️ チャージ症候群を調べる2つのプランの比較

項目 ダイヤモンド インペリアル
CHD7(チャージ症候群) 対象 対象
単一遺伝子 56遺伝子 最大155遺伝子202疾患
染色体の数 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常
微小欠失・重複 12種類13疾患 92種類+5Mbを超える欠失・重複
結果までの目安 基本10〜14日(単一遺伝子も同じ) 基本10〜14日(単一遺伝子の結果だけ3〜4週間)
対象 単胎のみ 単胎のみ

料金はプランごとにNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。

単一遺伝子の病気は、1つひとつはまれでも合わせると少なくない

単一遺伝子の病気は1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[11][12]。これは30の遺伝子に絞って調べた研究での数字なので、実際にはこれより多いと考えています。ダウン症候群の出生頻度(米国の全国推計〔2004〜2006年の出生〕で約700人に1人)[13]より多い頻度です。

超音波検査で赤ちゃんの異常が疑われた妊婦さんを対象にした研究では、染色体の検査に加えて単一遺伝子の病気も調べると、見つかった病気の数が約1.6倍(61件→98件、60.7%増)に増えたと報告されています[14]。すべての妊婦さんで1.6倍になるという意味ではありません。

1つの病気あたりで考える ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

「ダウン症候群だけが心配」という方は少なくありません。けれども、出生前検査で調べる病気は、どれも赤ちゃんとご家族の暮らしに大きくかかわるものです。そして、ご家族の子育ての負担を最も大きく左右するのは、知的障害の程度よりも、攻撃的な行動や自傷、睡眠の問題といった「行動の問題」だと分かっています[15]。こうした行動の問題を伴いやすい病気には、ダウン症候群ではなく、微小欠失症候群や単一遺伝子疾患が多く含まれます[15][16]。三大トリソミーだけを調べる検査では、これらの病気は調べられません。

出生前検査は、その後の人生を左右するかもしれない検査です。『安さ』だけで選んで大丈夫でしょうか。

三大トリソミーだけを調べる検査を仮に10万円とすると、1つの病気あたりは約3万3千円です。

当院のインペリアルプランは、全常染色体と性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、202の単一遺伝子疾患を調べます。性染色体の数の異常も含めて、数えられる病気だけで320になり、1つの病気あたりは約1,719円です。さらに、5Mbを超える欠失・重複はすべての染色体が対象なので、数えきれないほどの変化を調べていることになります。数えられる分だけでも、これだけの範囲を調べられます。

プラン 主に調べる範囲 数えた病気の数 1つの病気あたり
三大トリソミーだけを調べる検査
(仮に10万円とした場合)
13・18・21トリソミー 3 約33,333円
スタンダード(220,000円) 13・18・21トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失6種類7疾患 14 約15,714円
プレミアム(264,000円) 13・18・21・15・16・22トリソミー、性染色体の数の異常、微小欠失12種類13疾患 23 約11,478円
ダイヤモンド(407,000円) プレミアムの範囲+単一遺伝子56 79 約5,152円
双子マックス(440,000円) 全常染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常 114+α 約3,860円
インペリアル(550,000円) 全常染色体の数の異常、性染色体の数の異常、92種類の微小欠失・重複、5Mbを超える構造異常、単一遺伝子202疾患 320+α 約1,719円

※価格は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込価格です。最新の料金は料金ページをご確認ください。※病気の数は、数の異常・微小欠失・重複・単一遺伝子疾患を1つずつ数えたものです。性染色体の数の異常は4種類(ターナー症候群・クラインフェルター症候群・トリプルX症候群・XYY症候群)として数えています(性染色体を調べるのはスタンダード・プレミアム・ダイヤモンド・インペリアル。双子マックスは調べません)。5Mbを超える構造異常は数に入れていないため、双子マックスとインペリアルは実際にはさらに多くの変化を調べています。※『三大トリソミーだけを調べる検査』は計算のための仮の例で、特定の施設の価格ではありません。

ただし、調べる範囲が広がるほど、陽性になる可能性も、確定検査が必要になる場面も増えます。病気の数が多いほど良い検査、というわけではありません。どこまで調べたいかはご家族によって違うので、検査前の遺伝カウンセリングでプランを選びます。

🏥 チャージ症候群の原因遺伝子まで、妊娠初期に調べる

ダイヤモンドプランとインペリアルプランでは、CHD7を含む単一遺伝子の変化を調べられます。陽性でも、確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられ、主要項目は3日以内に結果が出ます。来院が難しい方は、オンラインNIPT(Zoomでのカウンセリング+全国110か所の提携施設で採血)もご利用いただけます。

まだ決めていない方は:インペリアルとダイヤモンドの違い | オンラインNIPT(全国対応)

よくある質問(FAQ)

Q1. チャージ症候群はNIPTでわかりますか?

原因遺伝子CHD7の変化は、当院のダイヤモンドプランとインペリアルプランで調べられます。スタンダード・プレミアム・双子マックスでは調べません。ただし、対象の遺伝子でもすべての変化を見つけられるとは限らず、CHD7に変化が見つからないチャージ症候群もあります。NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら絨毛検査か羊水検査で確かめます。

Q2. チャージ症候群は妊娠中いつわかりますか?

妊娠中に診断がつくことはまれで、多くは生まれてから診断されます。エコーで心臓の病気や羊水過多、耳の形の特徴などに気づかれることはありますが、妊娠中期以降の形態をくわしく見るエコーの時期が中心で、それだけでチャージ症候群とは決められません。NIPTは妊娠9週から受けられ、エコーで形の変化が見えてくる前に原因遺伝子を調べられます。

Q3. エコーで心臓の病気を指摘されました。NIPTを受ければよいですか?

エコーで形の異常がすでに見つかっているときは、確定検査(羊水検査・絨毛検査)が基本です。確定検査では染色体のくわしい検査(マイクロアレイ検査)に加え、必要に応じて遺伝子の検査を組み合わせます。NIPTはスクリーニング検査で、形の異常の原因を確定する検査ではありません。形の異常が見つかっているときは、NIPTが陰性でも原因の病気を否定できません。NIPTは、まだエコーで何も言われていないけれど心配な方のための検査です。

Q4. チャージ症候群は遺伝しますか?上の子がチャージ症候群だと、次の子の確率は?

多くは赤ちゃんに新しく起こった変化(de novo変異)によるもので、家族に同じ病気の人がいなくても起こります。ご両親のどちらかがチャージ症候群なら、お子さんに伝わる確率は2分の1です。上のお子さんがチャージ症候群で、ご両親にCHD7の変化が見つからない場合、次のお子さんの確率は経験的に約1〜2%で、性腺モザイクの可能性があるため0ではありません。

Q5. 父親の年齢が高いと、チャージ症候群になりやすいですか?

CHD7の新しい変化は父親由来が多く、調べられた13家族のうち12家族(92.3%)で父親由来でした。ただし、同じ研究では父親の年齢による増加ははっきり見られませんでした。父親が高齢だからチャージ症候群になりやすい、とまでは言えません。

Q6. チャージ症候群は知的障害を伴いますか?

発達の遅れはほとんどの方にみられ、遺伝子で確かめられた方では知的障害が60%の方にみられるとまとめられています。一方で、知的発達が正常範囲の方もいて、見通しには大きな幅があります。見え方・聞こえ方・平衡感覚の問題が発達に影響することも知られています。

Q7. NIPTで陰性なら、チャージ症候群の心配はありませんか?

陰性は、調べた範囲で可能性が低いという意味です。すべての変化を見つけられるとは限らず、CHD7に変化がないチャージ症候群もあるため、可能性がなくなるわけではありません。妊娠中のエコーで気になる所見があれば、NIPTの結果にかかわらず主治医と相談してください。

Q8. お母さんがチャージ症候群です。NIPTで赤ちゃんが受け継いだかわかりますか?

お母さん自身がCHD7の変化を持っている場合、通常のNIPTでは、見つかった変化がお母さん由来か赤ちゃん由来かを区別できません。赤ちゃんが受け継いだかどうかは、お母さんの変化を目印にして、絨毛検査(妊娠11〜13週)か羊水検査(妊娠15週から)で調べます。時間に余裕があれば、まずお母さんご自身の遺伝子検査で原因の変化を特定しておくのが基本です。

Q9. NIPTはいつから受けられますか?結果はいつ出ますか?

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。結果は基本10〜14日で、ダイヤモンドプランは単一遺伝子も10〜14日です。インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。

Q10. 費用はどのくらいですか?

プランごとの料金はNIPTの費用・料金のページでご確認ください。料金には、臨床遺伝専門医による遺伝カウンセリング、NIPTでの性別判定、4Dエコー(来院の場合)が含まれます。NIPTを受ける方は全員、羊水検査互助会(カトレア会)と安心検査結果保障制度の2つの互助会に加入します。

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参考文献

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※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・検査の選択を示すものではありません。検査については臨床遺伝専門医にご相談ください。

プロフィール

仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

Google公認:仲田洋美 公式プロフィール

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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