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📍 クイックナビゲーション
軟骨無形成症やクルーゾン病(クルーゾン症候群)など、ご自身が単一遺伝子の疾患をお持ちで、これから赤ちゃんを迎えたいと考えていらっしゃる方へ。NIPTでは赤ちゃんの一部の単一遺伝子疾患も調べられるようになってきましたが、お母さんご自身が疾患をお持ちの場合には、知っておいていただきたい大切なことがあります。この記事では、その理由と、当院での検査の流れを臨床遺伝専門医の立場からお伝えします。
- ➤ 軟骨無形成症・クルーゾン病など単一遺伝子疾患の遺伝のしかた(常染色体優性・2分の1)
- ➤ お母さんが疾患をお持ちだと、NIPTだけでは赤ちゃんの判定ができない理由
- ➤ まずNIPTで母の変化を特定し、確定検査で赤ちゃんを調べるという流れ
- ➤ 母に変化が見つからない場合にできること・できないこと
- ➤ 軟骨無形成症のあるお母さんの実例と、当院の検査・サポート体制
単一遺伝子疾患のあるお母さんへ ― NIPTでわかるようになったこと
単一遺伝子疾患とその遺伝のしかた
軟骨無形成症やクルーゾン病(クルーゾン症候群)は、1つの遺伝子の変化によって起こる「単一遺伝子疾患」です。軟骨無形成症はFGFR3、クルーゾン症候群はおもにFGFR2という遺伝子の変化が関わります。これらの多くは常染色体優性(顕性)遺伝という伝わり方をします[2]。
常染色体優性(顕性)遺伝では、ご本人がその遺伝子の変化をお持ちの場合、ふつう2分の1(50%)の確率で、お子さんに受け継がれる可能性があります。遺伝のしくみについては、常染色体顕性遺伝(優性遺伝)とはでも詳しくご説明しています。
「優性(顕性)」は、ペアになっている遺伝子のうち片方に変化があれば症状が現れるタイプの伝わり方です。最近は「優性」を「顕性」、「劣性」を「潜性」と呼ぶようになっています。親のどちらかがこの変化を持っている場合、ひとりのお子さんに受け継がれる確率はふつう2分の1です。なお軟骨無形成症などでは、ご両親に疾患がなく赤ちゃんに初めて変化が起こる「新生突然変異」のケースも多く知られています。
近年、NIPT(新型出生前診断)では、染色体の本数だけでなく、赤ちゃんの一部の単一遺伝子疾患も調べられるようになってきました。どの疾患が対象になるかは、NIPTでわかる単一遺伝子疾患でご確認いただけます。ただし、お母さんご自身が同じ疾患をお持ちの場合には、次の章でお伝えする大切な注意点があります。
お母さんご自身が疾患をお持ちの場合の、大切な注意点
NIPTだけでは「赤ちゃんの判定」ができません
NIPTは、お母さんの血液の中に流れているDNAのかけら(cell-free DNA)を調べる検査です。この中には、お母さん由来のDNAと、胎盤(赤ちゃん)由来のDNAが混ざっています。
ところが、お母さんご自身が原因となる遺伝子の変化をお持ちの場合、お母さん由来のDNAにも同じ変化があるため、見つかった変化が「赤ちゃんのものか、お母さんのものか」をNIPTだけでは見分けられません。そのため、赤ちゃんがその変化を受け継いでいるかどうかは、最終的に絨毛検査や羊水検査という確定検査で、赤ちゃんを直接調べて確かめることになります[1]。
cell-free DNA(cfDNA)とは、血液中に漂っているDNAの断片のことです。妊娠中のお母さんの血液には、お母さん由来のcfDNAと、胎盤からこぼれ出た赤ちゃん由来のcfDNAが混ざって流れています。NIPTはこの混ざったDNAを読み取る検査のため、お母さんと赤ちゃんが同じ遺伝子の変化を持っていると、その変化がどちらのものかを区別できないのです。だからこそ、赤ちゃんを直接調べる確定検査が必要になります。
NIPTから確定検査までの流れ(当院が採用している検査の場合)
まず母の変化を特定し、それを目印に赤ちゃんを調べる
それでも、NIPTには大切な役割があります。当院が採用しているNIPT検査では、お母さんご自身の遺伝子の変化がまだ詳しく分かっていない場合に、まずNIPTを受けていただくことで、対象の遺伝子にお母さんの変化があるかどうか、どんな変化かを確かめることができます。
お母さんの変化が特定できれば、今度はその変化をピンポイントの目印(ターゲット)にして、絨毛検査[3]や羊水検査[4]で「赤ちゃんが同じ変化を受け継いでいるかどうか」を実際に調べることができます。確定検査については、羊水検査・絨毛検査のページもご参照ください。
母に変化が見つからなかった場合にできること・できないこと
一方で、NIPTでお母さんに対象の遺伝子の変化が見つからなかった場合には、赤ちゃんで狙うべき「目印(ターゲット)」がないことになります。そのときは、その変化を目印にした赤ちゃんの確定検査は行えないこともあります。どのような場合に何ができるのかは、おひとりずつ状況が異なりますので、遺伝カウンセリングでご一緒に整理していきます。
確定検査とは、赤ちゃんの細胞そのものを採取して、染色体や遺伝子を直接調べる検査です。胎盤の絨毛を調べる絨毛検査は羊水検査より早い週数で受けられ、子宮内の羊水を調べる羊水検査は実施できる施設が比較的多いという特徴があります。お母さんの変化が「目印」として分かっていると、その変化に絞って赤ちゃんを精度よく調べることができます。
実際にあったお話 ― 軟骨無形成症のあるお母さんのケース
実際に、こんな方がいらっしゃいました。軟骨無形成症のあるお母さんで、大学病院ではまだ遺伝子検査の結果が出ていませんでした。当院でNIPTを受けていただき、二週間後に、原因となる遺伝子の変化があることが分かりました。
その変化を目印に絨毛検査で赤ちゃんを調べたところ、赤ちゃんはその変化を受け継いでいませんでした。結果はおひとりずつ異なりますが、確定検査まで進められたことで、ご家族が落ち着いて次の一歩を踏み出せたことを、よく覚えています。
当院でできること ― 検査とサポートの体制
当院は2025年6月に産婦人科を併設し、NIPTから確定検査(絨毛・羊水検査)まで院内で行える体制を整えました。確定検査は基本的に日曜日か祝日に行っており、大抵の項目は検査後3日以内に結果をお返しできるよう努めています(マイクロアレイ検査は約2週)。
🏥 当院の検査・サポート体制
カウンセリングから検査、結果のご説明まで、専門医が一貫して関わります
NIPTから確定検査までを院内で。母の変化の特定から赤ちゃんの確定検査まで対応します
確定検査は基本的に日曜日か祝日に実施。遠方の方も予定を立てやすくなります
大抵の項目は検査後3日以内に結果返却を目標(マイクロアレイは約2週)
特定の選択へ誘導せず、ご家族がご自身で選べるよう情報をお伝えします
不安な時間を最小限に。落ち着いて次の一歩を考えていただけます
遺伝カウンセリングでは、検査を受けるかどうかも含めて、ご家族ご自身が納得して選べるように、中立的な立場で情報をお伝えします。当院でNIPTを受けられた方は、互助会(8,000円)により陽性時の羊水検査費用が全額補助されます。費用や保証のしくみは、下記の記事でくわしくご説明しています。
まとめ
ご自身に単一遺伝子疾患のあるお母さんにとって、NIPTと確定検査の関係は少し複雑です。最後に要点を整理します。
- • 遺伝のしかた:軟骨無形成症・クルーゾン病などは常染色体優性(顕性)で、ふつう2分の1で受け継がれる可能性
- • NIPT単独では不十分:母が同じ変化を持つと、母由来か赤ちゃん由来か区別できない
- • 流れ:当院採用検査ではまずNIPTで母の変化を特定し、それを目印に確定検査で赤ちゃんを調べる
- • 注意:母に変化が見つからないと目印がなく、その変化を狙った赤ちゃんの確定検査は行えないこともある
- • 当院の姿勢:中立・非指示的に情報をお伝えし、ご家族の決定に寄り添う
どう考え、どう決めるかは、ご家族おひとりおひとりで違っていて、どれも間違いではありません。気がかりなことがあれば、どうか一人で抱え込まず、ご相談ください。
よくある質問(FAQ)
🏥 ミネルバクリニックへのご相談
ご自身に疾患があり、お子さんを迎えることを考えていらっしゃる方は、臨床遺伝専門医が在籍するミネルバクリニックへ、どうぞお気軽にご相談ください。
🏥 単一遺伝子疾患のご相談も承ります
お急ぎの方は、NIPT専用ダイヤル 03-3408-3768 へ
✓ 臨床遺伝専門医が在籍する稀有な体制
✓ 産婦人科併設で、母の変化の特定から確定検査まで院内対応(2025年6月〜)
✓ 確定検査は基本的に日曜・祝日に実施、主要項目は3日以内
✓ 中立・非指示的な遺伝カウンセリングで、ご家族の決定に寄り添います

