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アフターピルを飲んだのに妊娠した|赤ちゃんへの影響は?NIPTで確認できること

仲田洋美 医師

この記事の監修:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

「アフターピルを飲んだのに妊娠してしまった」「赤ちゃんに影響はないの?」——思いがけない妊娠と薬への心配が重なって、このページにたどり着いた方も多いと思います。最初に結論をお伝えします。アフターピル(緊急避妊薬・レボノルゲストレル)を飲んだあとに妊娠しても、赤ちゃんの奇形(先天異常)や染色体の病気が増えるという根拠はありません[1][3]。妊娠に気づかずに飲んでしまった場合も同じです。この記事では、その理由と研究データ、低用量ピルとの違い、それでも心配なときに受けられる検査までを、臨床遺伝専門医の立場から順に解説します。

この記事でわかること
📖 読了時間:約12分
💊 アフターピル・妊娠・NIPT
★ 臨床遺伝専門医監修
  • ➤アフターピルを飲んだのに妊娠したとき、赤ちゃんへの影響はあるのか(研究データ)
  • ➤妊娠に気づかずにアフターピルを飲んでしまった場合の考え方
  • ➤低用量ピルを飲んでいた・やめてすぐ妊娠した場合の奇形児の確率
  • ➤WHO・厚生労働省・日本産科婦人科学会の見解
  • ➤それでも心配なときにNIPTで調べられることと、受けられる時期(妊娠9週から)

⏱️ 30秒でわかる要約

💊 Q. アフターピルは胎児に影響ある?

飲んだのに妊娠した場合の研究では、赤ちゃんの奇形や流産の割合は、飲まなかった妊娠と差がありませんでした。アフターピルは排卵を遅らせる薬で、赤ちゃんの体がつくられる時期にはほぼ体から抜けています。WHOも「発育中の胎芽に害を及ぼさない」としています。

🧬 Q. ダウン症候群だけで大丈夫?

赤ちゃんの生まれつきの病気はダウン症候群だけではありません。22q11.2欠失症候群のような染色体の一部が欠ける病気や、1つの遺伝子の変化による病気もあります。当院のNIPTはプランによって、微小欠失・重複を最大92か所、単一遺伝子を最大155遺伝子まで調べられます。

🤰 Q. 妊娠中に(気づかずに)アフターピルを飲んでしまったら?

アフターピルには成立した妊娠を中断させる作用はなく、赤ちゃんへの害も報告されていません。まず産婦人科で子宮の中の妊娠かを確認し、ふだんどおり妊婦健診を受けてください。心配が残るなら、NIPTは妊娠9週から受けられます。

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アフターピルを飲んだのに妊娠…赤ちゃんは大丈夫?

「ピルを飲んだのに妊娠してしまった」「アフターピルを飲んだのに、なぜ?」——そんな状況で、驚きと不安が一度に押し寄せている方も多いと思います。妊娠初期は赤ちゃんの体がつくられ始める大切な時期なので、薬の影響を心配するのは自然なことです。

結論からお伝えすると、アフターピル(レボノルゲストレル)を飲んだあとに妊娠しても、赤ちゃんの先天異常や染色体の病気が増えるという根拠はありません。アフターピルを飲んだのに妊娠した人を追いかけた研究では、赤ちゃんの奇形や流産の割合は、飲まなかった妊娠と差がありませんでした[5][6]。世界保健機関(WHO)は「緊急避妊は、すでに成立した妊娠を中断させることも、発育中の胎芽に害を及ぼすこともない」としており[1]、厚生労働省も同じ評価をもとに添付文書を改訂しています[2][3]。

ただし、「薬の影響がない」ことと「赤ちゃんに病気がまったくない」ことは別の話です。どの妊娠でも、生まれつきの病気や体のつくりの違い(先天異常)は、薬を飲んでいなくても3〜5%ほどの赤ちゃんにみられます。アフターピルを飲んだ妊娠も、この「もともとの確率」は変わりません。先天異常の原因と確率は先天異常とは?先天奇形・奇形児の原因・確率・種類で詳しく解説しています。

✅ 結論

レボノルゲストレル(緊急避妊薬の主成分)を飲んだあとに妊娠が成立した場合でも、そのことで赤ちゃんの先天異常や染色体異常の割合が増えるという報告はありません。この結論は、飲んだのに妊娠した人を追跡した研究、国際機関と国の評価、薬の働き方の3つにもとづいています。

🔬 用語解説:レボノルゲストレル(LNG)とは

レボノルゲストレルは、日本で使われているアフターピル(緊急避妊薬)の主成分で、黄体ホルモン(プロゲスチン)の一種です。おもに排卵を止める、または遅らせることで妊娠を防ぎます。性交後72時間以内に1回飲む薬です[4]。

アフターピルを飲んだのに妊娠した…なぜ失敗するのか?

アフターピルは100%確実な避妊方法ではありません。WHOが行った大規模な比較試験では、レボノルゲストレルを飲んだ人の約1.1%が妊娠しました[8]。正しく飲んでも、一定の割合で妊娠することはあるのです。主な理由は次のとおりです。

💊 アフターピルを飲んだのに妊娠するおもな理由

理由 くわしく
飲むまでの時間 早いほど効果が高い薬です。WHOの試験では、防げた妊娠の割合は性交後24時間以内で約95%、25〜48時間で約85%、49〜72時間で約58%でした[8]。
すでに排卵していた アフターピルのおもな働きは排卵を止めること・遅らせることです。排卵のあとに飲んだ場合は、妊娠を防ぐ力がほとんどないと報告されています[10]。
体重・BMI BMIが30以上の女性では、緊急避妊薬を飲んでも妊娠する危険が高かったと報告されています[9]。
ほかの薬との飲み合わせ 一部の抗てんかん薬・抗結核薬・抗HIV薬など、薬を分解する酵素の働きを強める薬を飲んでいると、効果が弱くなることがあります[4]。
服用後の性交 アフターピルは飲む前の性交にしか効きません。飲んだあとの性交で妊娠することもあります。

※予定の生理が1週間以上遅れる、またはいつもより少ない出血しかない場合は、妊娠検査薬で確認し、陽性なら産婦人科を受診してください。

💡 失敗しても自分を責めないでください

アフターピルを飲んだのに妊娠したのは、あなたのせいではありません。薬の性質上、一定の割合で妊娠が成立することは医学的に知られた事実です。まずは落ち着いて、赤ちゃんへの影響について正確な情報を確認しましょう。

なぜアフターピルは胎児に影響しないのか?

緊急避妊薬の作用メカニズム

アフターピルの主成分であるレボノルゲストレルは、黄体ホルモンの一種です。妊娠を防ぐしくみは、次のように考えられています。

📊 レボノルゲストレルの働き

  • 排卵を止める・遅らせる(おもな働き):卵巣から卵子が出るのを止めたり、数日遅らせたりして、精子と卵子が出会わないようにします。
  • 子宮頸管の粘液を変える(補助的):精子が子宮に入りにくくなると考えられています。

※排卵のあとに飲んだ場合は妊娠を防げなかったという研究があり、受精卵の着床を妨げる働きは乏しいと考えられています[10]。

⚠️ 重要なポイント

アフターピルには、すでに成立した妊娠を中断させる作用はありません[1]。医学的には、受精卵が子宮内膜に着床した時点で妊娠が成立したとみなします。アフターピルは排卵の前に働く薬で、着床したあとの赤ちゃんに直接作用するしくみを持っていません。

時間的乖離の原則:薬が体内にある時期と器官形成期のズレ

アフターピルが赤ちゃんに影響しにくい理由の一つが、「薬が体にある時期」と「赤ちゃんの体がつくられる時期」のズレです。アフターピルは1回飲むだけの薬で、血液中の濃度は数日のうちに大きく下がります。一方、赤ちゃんの心臓や手足などがつくられる器官形成期は、受精後およそ3〜8週(妊娠4〜10週ごろ)です。

⏳ 薬が体にある時期と、赤ちゃんの体がつくられる時期

時期 薬の状態 赤ちゃんの状態
服用後〜数日 血液中の濃度が下がっていく まだ受精前、または着床前
受精後3〜8週(妊娠4〜10週ごろ) 1回の服用分は、ほぼ体から抜けている 器官形成期(体の各部分がつくられる大切な時期)

妊娠中に(気づかずに)アフターピルを飲んでしまった場合

「すでに妊娠していたのに、知らずにアフターピルを飲んでしまった」という場合も、心配しすぎる必要はありません。前に書いたとおり、アフターピルには成立した妊娠を中断させる作用はなく、WHOは発育中の胎芽に害を及ぼさないとしています[1]。日本産科婦人科学会の指針も、緊急避妊薬が赤ちゃんの先天異常に影響しないという立場をとっています[4]。

また、受精からおよそ2週間(妊娠4週より前)は、薬などの影響を受けた場合、妊娠が続かなくなるか、影響を残さずに回復するかのどちらかになりやすいと考えられています(「全か無か」の時期)。この時期に飲んだ薬で妊娠が続いているなら、その薬による奇形を心配する必要は小さいと考えられます。薬が赤ちゃんに影響する一般的なしくみは催奇形因子(テラトゲン)で解説しています。

妊娠が分かったら、まず産婦人科で子宮の中に妊娠しているかを確認してください。アフターピルが赤ちゃんに害を与えるからではなく、どの妊娠でも最初に確かめることだからです。妊娠に気づく前のお酒やたばこが心配な方は、胎児性アルコール症候群や妊娠中のタバコ・受動喫煙の影響と奇形リスクもあわせてご覧ください。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【「薬が赤ちゃんに残っている」という不安に答えます】

アフターピルを飲んだあとに妊娠が分かると、「薬の成分が赤ちゃんの体に残っているのでは」と心配になる方がいます。臨床遺伝専門医として、この不安には時間の流れで答えるのがいちばん分かりやすいと考えています。アフターピルは1回飲むだけの薬で、数日のうちに血液中の濃度は大きく下がります。赤ちゃんの心臓や手足がつくられるのは、そのあとの受精後3〜8週です。

つまり、薬が体から抜けたあとで、赤ちゃんの体はつくられていきます。実際に、飲んだのに妊娠した人を追いかけた研究でも、赤ちゃんの奇形や流産の割合は増えていませんでした。「薬のせいで赤ちゃんに何かあったら」という心配は、医学的には根拠がないと考えています。どうか、ご自分を責めないでください。

科学的根拠:大規模研究が示す安全性

主要な臨床研究の結果

厚生労働省は、レボノルゲストレルの添付文書を改訂する際に、飲んだのに妊娠した場合の赤ちゃんへの影響を調べた研究を検討しました[3]。代表的なものは次のとおりです。

📚 アフターピルを飲んだのに妊娠した場合の研究

研究 研究デザイン 主な結果
De Santis ほか(2005)[5] 前向き研究(イタリア) 飲んだ群と飲まなかった群で、赤ちゃんの先天異常の割合に差はなかった
Zhang ほか(2009)[6] 前向きコホート研究(中国) 主要な先天異常・流産・妊娠合併症の割合は増えていなかった
Zhang ほか(2014)[7] 上の研究の子どもを2歳まで追跡 身体の発育と知能の発達に差はなかった

低用量ピルを飲んでいた・やめてすぐ妊娠した場合の奇形児の確率

「ピルを飲んでいたら子どもに障害が出るのでは」「ピルをやめてすぐ妊娠したけれど、奇形児の確率は上がる?」という心配もよく聞かれます。毎日飲む低用量ピル(経口避妊薬)はアフターピルとは別の薬ですが、こちらにも大規模な研究があります。

デンマークで約88万人の出生を調べた研究では、主要な先天異常の割合は、ピルを一度も使っていなかった人、妊娠の3か月以上前にやめた人、妊娠の直前(3か月以内)までに飲んでいた人、妊娠に気づかず妊娠初期まで飲んでいた人のいずれも、約1,000人に25人(約2.5%)前後で差がありませんでした[11]。つまり、ピルをやめてすぐの妊娠でも、妊娠初期に飲み続けていた場合でも、奇形児の確率が上がるという結果は出ていません。

厚生労働省の評価と結論

厚生労働省は公表された文献を検討し、観察研究のいずれでも赤ちゃんへの影響は認められなかったと評価しました[3]。これを受けて、レボノルゲストレル製剤の添付文書には、海外の観察研究で、飲んだのに妊娠した場合の赤ちゃんの奇形や流産などの割合は、飲まなかった場合と差がなかったという報告があるという内容が加えられています[2]。

染色体異常に関する科学的考察

先天性奇形と染色体異常の違い

「奇形」と「染色体異常」は原因が異なるため、分けて考える必要があります。

🧬 先天性奇形と染色体異常

種類 内容 おもな原因
先天性奇形 心臓の形の異常や口唇口蓋裂など、体のつくりの違い 遺伝的な要因と環境の要因が重なって起こることが多い。薬などの影響が問題になるのは器官形成期
染色体異常 ダウン症候群(21トリソミー)など、染色体の数や構造の変化 卵子・精子ができるときの細胞分裂(減数分裂)で、染色体がうまく分かれないこと

💡 薬の働き方と、染色体異常の起こり方は別のもの

レボノルゲストレルは、ホルモンの受容体に働いて排卵のタイミングを変える薬です。一方、トリソミーなどの染色体異常の多くは、卵子ができる過程で染色体が分かれそこなうこと(染色体不分離)で起こります。ホルモンの信号と、染色体を正しく分ける細胞のしくみは別の仕組みで動いており、1回のアフターピルが染色体の分かれ方に影響して異常を起こすという経路は知られていません。染色体の数の異常の多くは、母体の年齢とともに増える、受精の段階で偶然起こる変化です。

国際的・国内的権威機関の公式見解

世界保健機関(WHO)の声明

WHOは緊急避妊に関するファクトシートの中で、次のように述べています[1]。

🌍 WHOの見解

「緊急避妊は、すでに成立した妊娠を中断させることも、発育中の胎芽に害を及ぼすこともない」
(Emergency contraception cannot interrupt an established pregnancy or harm a developing embryo.)

日本産科婦人科学会(JSOG)の指針

日本産科婦人科学会の「緊急避妊法の適正使用に関する指針」も、緊急避妊薬が妊娠初期の赤ちゃんの先天異常に影響しないという立場をとっています[4]。国際機関・国・国内学会の見解は一致しています。

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【NIPTは「安心を得るための選択肢」——強制ではなく、選択です】

アフターピルを飲んだあとに妊娠が分かると、「やっぱり検査を受けたほうがいいのかな」と迷う方もいると思います。はっきりお伝えしたいのは、アフターピルを飲んだことは、NIPTを受けなければならない医学的な理由にはならないということです。薬が赤ちゃんの染色体を変えることはないからです。

一方で、赤ちゃんの染色体の病気や生まれつきの病気は、薬と関係なく一定の割合で起こります。その「もともとの確率」が気になるなら、NIPTはそれを確かめる方法の一つです。「知って安心したい」という気持ちも、「検査は受けずに見守りたい」という気持ちも、どちらも尊重されるべき選択だと考えています。

NIPTで何が確認できるのか?

NIPT(新型出生前診断)とは

NIPT(非侵襲性出生前遺伝学的検査)は、お母さんの血液に含まれる赤ちゃん由来のDNAの断片を調べ、染色体の数の変化などがあるかを推定する検査です。採血だけで受けられ、検査による流産の心配はありません。くわしくはNIPTとは?新型出生前診断でわかること・費用・精度と限界をご覧ください。

🔬 用語解説:cell-free DNA(セルフリーDNA)とは

cell-free DNA(cfDNA)は、血液中を漂っている細胞の外のDNAの断片です。妊娠中は胎盤の細胞から出たDNAが、お母さんの血液に混じります。NIPTはこのDNAを解析します。赤ちゃん(胎盤)由来のDNAの割合(胎児分画)が一定以上あることが、正確な結果を出すための条件になります。

当院のNIPTで調べられる主な病気

🔬 プランごとに調べられる範囲

プラン 染色体の数 微小欠失・重複 単一遺伝子
スタンダード 13・18・21番+性染色体 6種類7疾患(22q11.2欠失症候群など) ―
プレミアム 13・18・21・15・16・22番+性染色体 12種類13疾患 ―
ダイヤモンド プレミアムと同じ 12種類13疾患 56遺伝子(ヌーナン症候群・ソトス症候群・レット症候群など)
双子マックス すべての常染色体 92種類+5Mbを超える構造異常 ―
インペリアル すべての常染色体+性染色体 92種類+5Mbを超える構造異常 最大155遺伝子(202疾患)

※プレミアム・ダイヤモンド・インペリアルは単胎のみ、スタンダード・双子マックスは双胎にも対応しています。ダイヤモンドプランは、米国の3大遺伝子検査会社の一角が提供する新技術「COATE法」(SNP法とターゲット法の組み合わせ)※で検査します。インペリアルプランは低深度の全ゲノムシーケンスとターゲット法を組み合わせた方式です。

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

ダウン症候群だけで大丈夫? ― 「値段」ではなく「調べられる範囲」で選ぶ

NIPTというと「ダウン症候群を調べる検査」という印象が強いかもしれません。けれども、赤ちゃんの生まれつきの病気はダウン症候群だけではありません。1つの遺伝子の変化で起こる病気(単一遺伝子疾患)は、1つひとつはまれですが、わずか30遺伝子・25疾患を合わせただけでも、約600人に1人(0.17%)の頻度になると報告されています[12][13]。これはダウン症候群の出生頻度(全体で約700人に1人)と同じくらいの数字です。

22q11.2欠失症候群は、染色体のごく一部が欠ける病気で、お母さんの年齢に関係なく起こります。心臓の病気や免疫の弱さ、発達や学習面での支援が長く必要になることがあり、当院ではスタンダードプランから調べられます(22q11.2欠失症候群の全体像)。また、自閉症や発達障害、知的障害の原因の一部(16p11.2欠失・重複、フェラン・マクダーミッド症候群、レット症候群など)も、プランによって調べられます。ただし、陰性でも自閉症や発達障害の心配がなくなるわけではありません。

🧮 1つの病気あたりで考える

プラン 調べる病気の数(目安) 料金(当日割引後) 1つの病気あたり
13・18・21番だけの検査(仮に10万円とした場合) 3 100,000円(仮) 約33,333円
スタンダード 13 220,000円 約16,923円
プレミアム 22 264,000円 12,000円
ダイヤモンド 78 407,000円 約5,218円
双子マックス 114+α 440,000円 約3,860円
インペリアル 320+α 550,000円 約1,719円

※料金は事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後の税込金額です。病気の数は、染色体の数の異常・性染色体の数の異常(4種類)・微小欠失の種類・単一遺伝子疾患を合計した目安で、「+α」は5Mbを超える構造異常です。このほかに互助会の会費などが必要です(検査費用以外にかかるもの)。陰性はすべての病気がないことを保証するものではありません。

NIPTを受けるタイミング

当院のNIPTは妊娠9週から受けられます。妊娠6〜8週は、臨床研究として受けることができます(早期NIPTとは)。結果が出るまでの目安は基本10〜14日で、インペリアルプランの単一遺伝子の結果だけは3〜4週間かかります。

📅 検査の時期の目安

時期 検査 備考
妊娠6〜8週 NIPT(臨床研究) 早く結果を知りたい方向け
妊娠9週〜 NIPT 超音波で赤ちゃんの心拍と発育を確認してから採血
妊娠11週ごろ〜 絨毛検査(確定検査) NIPTが陽性のときに染色体を直接調べる
妊娠15週ごろ〜 羊水検査(確定検査) NIPTが陽性のときに染色体を直接調べる

NIPTはスクリーニング検査なので、陽性だった場合は確定検査で確かめます。当院では確定検査(羊水検査・絨毛検査)まで院内で受けられます。精度や陽性的中率の考え方はNIPTの精度・確率は?感度・特異度と陽性的中率で解説しています。

⚠️ アフターピルを飲んだこととNIPTについて

アフターピルを飲んだことは、NIPTを受けなければならない特別な理由にはなりません。そのうえで、赤ちゃんの染色体の病気や生まれつきの病気が気になる場合は、NIPTで確かめることができます。受けるかどうかは、ご自身とパートナーで話し合い、必要なら遺伝カウンセリングで相談したうえで決めてください。

\ 妊娠9週から、確定検査まで院内で /

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ミネルバクリニックのサポート体制

ミネルバクリニックは、臨床遺伝専門医が常駐する遺伝の専門クリニックです。NIPTについて、次の体制を整えています。

🏥 当院のNIPTの体制

  • 臨床遺伝専門医が常駐:90分の受診枠の中で、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングを行います。
  • 妊娠9週から受けられる:妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。
  • 4Dエコーで確認してから採血:当日の赤ちゃんの心拍と発育を確認します(料金に含まれます)。
  • 確定検査まで院内で:2025年6月から羊水検査・絨毛検査を院内で行っています。主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。
  • 陽性のときのカウンセリングは何度でも無料:結果の意味と次の選択肢を、臨床遺伝専門医が説明します。
  • 2つの互助会:カトレア会(8,000円)で羊水検査の費用を補助し、安心検査結果保障制度(6,000円)で、流産で再検査ができず結果が出ない場合に備えます。
  • オンラインNIPT:全国110か所の提携施設で採血できます。

※当院ではアフターピルの処方は行っていません。妊娠が分かったら、まずかかりつけの産婦人科で妊娠の確認を受けてください。NIPTのお問い合わせはNIPT専用ダイヤル(03-3408-3768)へ。

まとめ:科学的根拠に基づく安心を

アフターピルを飲んだあとに妊娠が分かり、不安になるのは自然なことです。けれども、ここまで見てきたように、アフターピル(緊急避妊薬)を飲んだあとの妊娠でも、赤ちゃんの先天異常や染色体異常が増えるという根拠はありません。

✅ この結論を支える3つの根拠

① 薬の働き方:アフターピルは排卵の前に働く薬で、赤ちゃんの体がつくられる時期には1回分の薬はほぼ体から抜けています。
② 研究データ:飲んだのに妊娠した人を追いかけた研究で、奇形や流産の割合は増えておらず、2歳までの発達にも差はありませんでした。
③ 公的な見解:WHO・厚生労働省・日本産科婦人科学会の見解が一致しています。

今後の推奨行動

🎯 これからすること

  • 産婦人科で妊娠を確認:子宮の中の妊娠かどうかと、赤ちゃんの心拍を確認しましょう。
  • ふだんどおりの妊婦健診:アフターピルを飲んだことは特別なリスクではないので、通常の妊婦健診で十分です。
  • 心配が残るならNIPT:赤ちゃんの染色体の病気などが気になるなら、妊娠9週からNIPTを受けられます。
  • 遺伝カウンセリング:検査を受けるかどうか迷うときは、臨床遺伝専門医に相談できます。

不安を一人で抱え込まず、正確な情報をもとに次の一歩を選んでください。

🏥 赤ちゃんの染色体が気になる方へ

ミネルバクリニックは臨床遺伝専門医が常駐し、NIPTは妊娠9週から、陽性なら羊水検査・絨毛検査まで院内で受けられます。プランによって微小欠失・重複を最大92か所、単一遺伝子を最大155遺伝子まで調べられます。

よくある質問(FAQ)

Q1. アフターピルは胎児に影響ありますか?赤ちゃんに障害が出る可能性は高くなりますか?

いいえ。アフターピル(レボノルゲストレル)を飲んだのに妊娠した人を追いかけた研究では、赤ちゃんの奇形や流産の割合は、飲まなかった妊娠と差がありませんでした。WHO・厚生労働省・日本産科婦人科学会の見解も一致しています。ただし、どの妊娠でも先天異常は3〜5%ほどの赤ちゃんにみられ、この「もともとの確率」はアフターピルを飲んでも変わりません。

Q2. NIPTはダウン症候群だけで大丈夫ですか?

赤ちゃんの生まれつきの病気はダウン症候群だけではありません。22q11.2欠失症候群のような微小欠失や、1つの遺伝子の変化による病気もあり、単一遺伝子疾患は30遺伝子・25疾患を合わせただけでも約600人に1人と報告されています。当院のNIPTは、プランによって微小欠失・重複を最大92か所、単一遺伝子を最大155遺伝子まで調べられます。

Q3. 妊娠中に(気づかずに)アフターピルを飲んでしまいました。どうなりますか?

アフターピルには、すでに成立した妊娠を中断させる作用はなく、WHOは発育中の胎芽に害を及ぼさないとしています。まず産婦人科で子宮の中の妊娠かを確認し、ふだんどおり妊婦健診を受けてください。

Q4. アフターピルを飲んだのに妊娠した人はどれくらいいますか?

WHOの大規模な試験では、レボノルゲストレルを飲んだ人の約1.1%が妊娠しました。性交から飲むまでの時間が長いほど、またすでに排卵していた場合は、妊娠を防ぐ力が下がります。予定の生理が1週間以上遅れたら、妊娠検査薬で確認してください。

Q5. 低用量ピルを飲んでいた・やめてすぐ妊娠した場合、奇形児の確率は上がりますか?

デンマークで約88万人の出生を調べた研究では、ピルを使っていなかった人、妊娠の直前までに飲んでいた人、妊娠初期まで飲んでいた人のいずれも、主要な先天異常の割合は約1,000人に25人前後で差がありませんでした。

Q6. アフターピルの成分は赤ちゃんの体に残りますか?

アフターピルは1回飲むだけの薬で、血液中の濃度は数日のうちに大きく下がります。赤ちゃんの体がつくられる器官形成期(受精後3〜8週)には、1回分の薬はほぼ体から抜けています。

Q7. 妊娠6週ですが、今から検査を受けられますか?

当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けることができます。まず産婦人科で妊娠と心拍を確認してください。アフターピルを飲んだこと自体は、検査を急ぐ理由にはなりません。

Q8. NIPTで陽性が出たらどうすればいいですか?

NIPTはスクリーニング検査なので、陽性なら確定検査(羊水検査または絨毛検査)で確かめます。当院では確定検査を院内で行い、主要な検査項目は3日以内、マイクロアレイ検査は2週間ほどで結果が出ます。陽性のときのカウンセリングは何度でも無料です。

Q9. NIPTの費用はどのくらいかかりますか?オンラインでも受けられますか?

事前学習動画を見て来院した場合の当日割引後で、スタンダード220,000円、プレミアム264,000円、ダイヤモンド407,000円、双子マックス440,000円、インペリアル550,000円(税込)です。このほか互助会の会費などが必要です。遠方の方は、全国110か所の提携施設で採血できるオンラインNIPTも利用できます。

関連記事

参考文献

  • [1] World Health Organization. Emergency contraception (Fact sheet). [WHO]
  • [2] 厚生労働省. レボノルゲストレル(緊急避妊の効能・効果を有するもの)の「使用上の注意」の改訂について. [厚生労働省 PDF]
  • [3] 厚生労働省. 公表文献の検索結果(レボノルゲストレル(緊急避妊)の児への影響). [厚生労働省 PDF]
  • [4] 日本産科婦人科学会. 緊急避妊法の適正使用に関する指針(令和7年改訂版). [日本産科婦人科学会 PDF]
  • [5] De Santis M, et al. Failure of the emergency contraceptive levonorgestrel and the risk of adverse pregnancy outcomes. Fertil Steril. 2005;84(2):296-299. [PubMed]
  • [6] Zhang L, et al. Pregnancy outcome after levonorgestrel-only emergency contraception failure: a prospective cohort study. Hum Reprod. 2009;24(7):1605-1611. [PubMed 19336440]
  • [7] Zhang L, et al. Physical and mental development of children after levonorgestrel emergency contraception exposure: a follow-up prospective cohort study. Biol Reprod. 2014;91(1):27. [DOI 10.1095/biolreprod.113.117226]
  • [8] Task Force on Postovulatory Methods of Fertility Regulation. Randomised controlled trial of levonorgestrel versus the Yuzpe regimen of combined oral contraceptives for emergency contraception. Lancet. 1998;352(9126):428-433. [PubMed 9708750]
  • [9] Glasier A, et al. Can we identify women at risk of pregnancy despite using emergency contraception? Data from randomized trials of ulipristal acetate and levonorgestrel. Contraception. 2011;84(4):363-367. [DOI 10.1016/j.contraception.2011.02.009]
  • [10] Noé G, et al. Contraceptive efficacy of emergency contraception with levonorgestrel given before or after ovulation. Contraception. 2011;84(5):486-492. [PubMed 22018122]
  • [11] Charlton BM, et al. Maternal use of oral contraceptives and risk of birth defects in Denmark: prospective, nationwide cohort study. BMJ. 2016;352:h6712. [BMJ]
  • [12] Mohan P, et al. Clinical experience with non-invasive prenatal screening for single-gene disorders. Ultrasound Obstet Gynecol. 2022;59(1):33-39. [DOI 10.1002/uog.23756]
  • [13] Zhang J, et al. Non-invasive prenatal sequencing for multiple Mendelian monogenic disorders using circulating cell-free fetal DNA. Nat Med. 2019;25(3):439-447. [DOI 10.1038/s41591-018-0334-x]

※本記事は一般の方に向けた情報提供を目的とするもので、個別の診断・治療方針を示すものではありません。妊娠中の薬や検査については、主治医・専門医にご相談ください。

プロフィール
仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続け、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、検査結果の数値そのものだけでなく、「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、日本人として異文化の中で生活した経験があります。価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。この経験は現在の診療においても、「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、36週6日で一人を死産した経験があります。その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、家族の未来に関わる重要な意思決定です。年齢や統計だけで判断するのではなく、医学的根拠と心理的支援の両面から、ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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