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アクショナブル遺伝子パネル検査(84遺伝子)|遺伝子検査でわかる「予防できる」がん・心臓病

目次

仲田洋美 医師

この記事の監修・執筆:仲田洋美(臨床遺伝専門医)

ミネルバクリニック院長。臨床遺伝専門医・総合内科専門医・がん薬物療法専門医。1995年に医師免許を取得し、遺伝医療と出生前診断に携わっています。

記事の作り方(編集方針)

アクショナブル遺伝子パネル検査(84遺伝子)

アクショナブル遺伝子とは、病気の原因になる変化(病的変異)が見つかったときに、検診・予防・治療で先回りの手を打てる遺伝子のことです。この検査では、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)が「見つかったら本人に伝えるべき」と定めた最新のリスト(ACMG SF v3.3)の84遺伝子を、まとめて調べます。遺伝性のがん・心筋症・不整脈・家族性高コレステロール血症など、知っていれば備え方が変わる病気が中心です。生まれ持った遺伝子は一生変わりません。一度の検査でわかったことは、ご自身の健康管理だけでなく、ご家族の健康や、これからの結婚・妊娠の計画を考えるときにも、ずっと使える情報になります。

⏱️ 30秒でわかる要約

🧬 Q. この検査で何がわかりますか?

ACMGの最新リスト(2025年のSF v3.3)にある84遺伝子に、病気の原因になる変化があるかを調べます。対象は、遺伝性のがん(28遺伝子)、心臓・血管の病気(41遺伝子)、代謝の病気(7遺伝子)、そのほか(8遺伝子)です。

🧬 Q. どんな人が受けるとよいですか?

ご家族にがん・若い突然死・心筋症・高コレステロールの方がいる方、症状はないけれど、知ったうえで健診や人生の計画を立てたい方、結婚や妊娠の前に知っておきたい方です。

🧬 Q. 費用・日数・検体は?

検査費用は税込330,000円、結果までは3〜5週間です。検体は血液・頬の粘膜・唾液・抽出したDNAのいずれかです。遺伝カウンセリング料(30分22,000円・税込)が別にかかります。

🧬 Q. 結果のあとはどうなりますか?

結果は臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。病的変異が見つかれば、病気ごとに決まっている検診・予防・治療の計画と、ご家族の検査の進め方をご説明します。意義がまだわからない変化(VUS)の扱いもお伝えします。

\ 人生に一度の遺伝子検査を、これからの健康管理と計画に /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前の遺伝カウンセリングから結果のご説明まで、臨床遺伝専門医が直接行います。

お問い合わせはこちら | がんに絞って調べたい方へ(遺伝性がん154遺伝子)

1. アクショナブル遺伝子とは?見つかれば手が打てる84遺伝子

アクショナブル遺伝子(actionable genes)とは、病的変異が見つかったときに、症状が出る前から検診を始める・予防の治療を受ける・避けるべき薬を知るなど、医療で先回りの対応ができる遺伝子を指します。「アクショナブル」は英語で「行動に移せる」という意味です。わかっても何もできない遺伝子ではなく、わかれば次の一手が決まる遺伝子を集めたのが、この検査の特徴です。

たとえば、遺伝性乳がん卵巣がんの原因になるBRCA1・BRCA2に変化があるとわかれば、乳房のMRI検査を若いうちから始めるなどの計画が立てられます。QT延長症候群の遺伝子に変化があれば、心電図のQT間隔を延ばす薬を避けることが勧められています。具体的な対応は、第4章で病気ごとにまとめています。

ACMGの「二次的所見」リスト(SF v3.3)とは

この検査の84遺伝子は、ACMGが2025年に公表した「二次的所見(Secondary Findings:SF)」リストの最新版、SF v3.3にもとづいています[1]。二次的所見とは、別の目的で全エクソーム解析や全ゲノム解析を行ったときに、目的の病気とは別に、あえて探して本人に伝える「医療で対応できる病気」の遺伝子の変化のことです。

ACMGはこのリストを毎年見直しています。2025年のSF v3.3では、ABCD1(X連鎖副腎白質ジストロフィー)・CYP27A1(脳腱黄色腫症)・PLN(拡張型心筋症・不整脈原性心筋症)の3遺伝子が新しく加わり、84遺伝子になりました。一方で、検討されたものの加わらなかった遺伝子もあります。たとえばGCK(グルコキナーゼの糖尿病)は、わかったときの主な対応が「治療をしないこと」で、リストの目的から外れるとして加えられませんでした[1]。リストに入るかどうかは「見つかったときに、医療で何ができるか」で厳しく選ばれている、ということです。

💡 大切な前提:ACMGリストは「集団スクリーニング」のためのものではない

ACMGは、二次的所見の報告は、症状や家族歴にもとづく診断のための検査の代わりにも、集団スクリーニングの一つの形にもならない、と明記しています[1]。つまり、この84遺伝子に変化がなかったとしても、「遺伝性の病気の心配がすべてなくなる」わけではありません。ご家族に特定のがんや心臓病が多いなど、はっきりした理由がある方は、その病気に合わせた検査(第2章の表)のほうが向いていることがあります。当院では、どちらが合うかを遺伝カウンセリングでご一緒に整理してから、検査をお選びいただきます。

ガイドラインの成り立ちや考え方を詳しく知りたい方はACMG SF v3.3の解説を、全エクソーム解析などで二次的所見をどう返すかについては当院の二次的所見の開示方針をご覧ください。このページでは、84遺伝子だけを単独で調べる検査について、受けるかどうかを決めるために必要なことをお伝えします。

「遺伝子検査でわかる病気」とどう違う?体質の検査・がんの組織の検査との違い

ひとくちに「遺伝子検査」といっても、調べるものと、わかることがまったく違います。この検査は、生まれ持った遺伝子(生殖細胞系列の遺伝子)のうち、病気の原因になる変化があれば医療で対応できる84遺伝子を調べる、医療の検査です。

🔍 「遺伝子検査」の種類と、わかること

検査の種類 調べるもの わかること
体質の遺伝子検査(個人向けキット) 多くの人がもつ、ありふれた遺伝子の違い 体質や「なりやすさ」の傾向。病気の診断には使えない
がんの組織の遺伝子検査 がんの細胞に後から起きた遺伝子の変化 そのがんに効く薬を選ぶ手がかり
この検査(アクショナブル遺伝子パネル) 生まれ持った84遺伝子の、病気の原因になる変化 遺伝性のがん・心臓病などの原因をもつか。わかれば検診・予防・治療の計画が立つ

※個人向けの体質の遺伝子検査についての専門家団体の考え方は、ACMGのDTC遺伝子検査ステートメント解説にまとめています。

2. どんな人が受けるとよいか:健康な人の遺伝子検査

この検査は、症状のない方が、ご自身やご家族の将来に備えるために受けることが多い検査です。見た目や体調、家族歴だけでは、病的変異をもっているかどうかはわかりません。検査を受けてはじめて、次の計画が立てられます。

ご家族にがん・若い突然死・心筋症・高コレステロールの方がいる

ご両親・きょうだい・祖父母などに、若くしてがんになった方、原因のわからない突然死をした方、心筋症や不整脈と診断された方、とても高いコレステロールを指摘された方がいる場合は、遺伝性の病気が隠れていることがあります。84遺伝子には、こうした病気の原因になる代表的な遺伝子が含まれています(第3章の表)。

ただし、ご家族の病気がはっきりしている場合は、その病気に合わせた検査のほうが、調べる遺伝子が多く、目的にも合います(このあとの表)。どちらがよいかは、遺伝カウンセリングでご家族の病歴をうかがってからご提案します。

症状はないけれど、知ったうえで健診や人生の計画を立てたい

病的変異が見つかれば、何歳からどんな検診を受けるか、どんな薬に気をつけるか、どの診療科とつながっておくかが決まります。仕事・結婚や出産・住まい・ご家族との話し合いなど、これからの人生の計画にも、知っていることで考えられる幅が広がります。

一方で、知ることを選ばない自由もあります。知ったあとの気持ちの変化は、どんな結果でも起こりえます。当院では、検査を受けるかどうかを決める前に、遺伝カウンセリングで、知ることの意味をご一緒に考えていただきます。症状のない方が将来の病気の可能性を知る検査の考え方は、予測的検査(発症前の検査)で解説しています。

結婚・妊娠の前に知っておきたい

結婚するか、子どもを持つかは、その人の生き方そのものに関わる大きな選択です。84遺伝子の多くは、親から子へ2分の1の確率で受け継がれる常染色体顕性(優性)遺伝の病気です(第3章)。妊娠の前に知っておけば、お子さんのためにできること(第4章)を前もって考えられます。

ご家族の病気が理由で結婚に反対されるのでは、と悩む方もいます。病的変異が見つかっても、それは「結婚してはいけない」という意味ではありません。わかったことで、検診や予防の計画が立ち、お子さんのための選択肢も具体的になる、と考えています。ご夫婦で将来の妊娠に備えたい方には、保因者検査と組み合わせた遺伝子ブライダルチェックパネルもあります。

この検査より別の検査が向いている場合

がんと心臓病を中心に、医療で対応できる病気を広く浅く調べたい方には、この検査が向いています。反対に、調べたい病気がはっきりしている方や、すでに症状がある方は、次の検査のほうが合うことがあります。比べているのは検査の種類で、どれもミネルバクリニックで受けられます。

🧭 目的に合わせた検査の選び方

こんなとき 向いている検査
がん・心臓・代謝など、医療で対応できる病気をまとめて知りたい この検査(84遺伝子)
ご家族にがんの方が多く、がんに絞って広く調べたい 遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)
ご家族に心筋症・不整脈・突然死・大動脈の病気の方がいる 心血管疾患包括パネル(264遺伝子)
ご本人やご家族のコレステロールがとても高い 家族性高コレステロール血症の遺伝子検査
すでに症状があり、病気をしぼれない 全エクソーム検査(WES)

※どの検査が合うかは、ご本人とご家族の病歴で変わります。遺伝カウンセリングでご一緒に決めましょう。

\ あなたの1回の検査が、ご家族が自分を知る手がかりに /

📅この検査を予約する(遺伝カウンセリングの予約)

病的変異が見つかったときは、ご両親・きょうだい・お子さんが同じ変化をもっているかを、遺伝カウンセリングのうえで当院で調べられます。

海外でPGT-Mを考えている方には、英語の検査結果をお渡しできます(検査の時にお申し出ください)。

お問い合わせはこちら | 心臓の病気に絞って調べたい方へ(264遺伝子)

3. 調べる84遺伝子と、わかる病気

84遺伝子は、ACMGの分類で、遺伝性のがん(28遺伝子)、心臓・血管の病気(41遺伝子)、代謝の病気(7遺伝子)、そのほかの病気(8遺伝子)に分かれます[1]。下の表の「遺伝のしかた」はACMGのリストによるもので、遺伝子名・病名から、それぞれの詳しい解説ページに進めます。

遺伝のしかたが「潜性(劣性)」の遺伝子は、2本ある遺伝子の両方に変化があってはじめて発症します。表の( )内に「ACMGの基準」として書いた報告の範囲は、全エクソーム解析などで二次的所見を返すときの基準です。ACMGは、潜性の遺伝子では2つの変化がそろったときに報告し、意義がまだわからない変化(VUS)は二次的所見として報告しないとしています[1]。

この84遺伝子を単独で調べるパネル検査で、潜性の遺伝子の片方だけの変化(保因者であること)、女性のABCD1の片方だけの変化、VUSを報告するかどうかは、ACMGの二次的所見の基準とは別に、検査の報告方針で決まります。どこまで報告されるかは、検査の前の遺伝カウンセリングでご説明します。

遺伝性のがんにかかわる遺伝子(28遺伝子)

🎗️ がんにかかわる28遺伝子

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
BRCA1・BRCA2・PALB2 遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC) 顕性
MLH1・MSH2・MSH6・PMS2 リンチ症候群 顕性
APC 家族性大腸腺腫症(FAP) 顕性
MUTYH MUTYH関連ポリポーシス 潜性(ACMGの基準:2つの変化がそろったときに報告)
BMPR1A・SMAD4 若年性ポリポーシス症候群(SMAD4は遺伝性出血性毛細血管拡張症を合併することがある) 顕性
STK11 ポイツ・ジェガース症候群 顕性
PTEN PTEN過誤腫症候群 顕性
TP53 リ・フラウメニ症候群 顕性
MEN1 多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1) 顕性
RET 多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)・家族性甲状腺髄様がん 顕性
SDHB・SDHC・SDHD・SDHAF2・MAX・TMEM127 遺伝性褐色細胞腫・パラガングリオーマ 顕性
VHL フォンヒッペル・リンドウ病 顕性
NF2 NF2関連シュワノマトーシス(旧・神経線維腫症2型) 顕性
TSC1・TSC2 結節性硬化症 顕性
RB1 網膜芽細胞腫 顕性
WT1 WT1関連ウィルムス腫瘍 顕性

※分類・病名・遺伝のしかたはACMG SF v3.3[1]による。

心臓・血管にかかわる遺伝子(41遺伝子)

❤️ 心臓・血管にかかわる41遺伝子

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
MYH7・MYBPC3・TNNI3・TPM1・MYL3・ACTC1・PRKAG2・MYL2 肥大型心筋症 顕性
TNNT2・LMNA・FLNC・TTN・BAG3・DES・RBM20・TNNC1・PLN 拡張型心筋症(ACMGの基準:TTNは、たんぱく質が途中で切れる型の変化だけを報告) 顕性
PKP2・DSP・DSC2・TMEM43・DSG2 不整脈原性右室心筋症(ARVC) 顕性
KCNQ1・KCNH2・CALM1・CALM2・CALM3 QT延長症候群 顕性
SCN5A QT延長症候群3型・ブルガダ症候群 顕性
RYR2/CASQ2・TRDN カテコラミン誘発性多形性心室頻拍(CPVTの遺伝子検査) RYR2は顕性/CASQ2・TRDNは潜性
FBN1 マルファン症候群 顕性
TGFBR1・TGFBR2・SMAD3 ロイス・ディーツ症候群 顕性
ACTA2・MYH11 家族性胸部大動脈瘤・解離 顕性
COL3A1 血管型エーラス・ダンロス症候群 顕性
LDLR・APOB・PCSK9 家族性高コレステロール血症 顕性(LDLRは半顕性)

※分類・病名・遺伝のしかた・報告の範囲はACMG SF v3.3[1]による。PLNは2025年に加わった遺伝子です。

代謝の病気・そのほかにかかわる遺伝子(15遺伝子)

🧪 代謝の病気(7遺伝子)とそのほか(8遺伝子)

遺伝子 関係する病気 遺伝のしかた
GLA ファブリー病 X連鎖(ACMGの基準:女性の変化も報告)
OTC オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症 X連鎖(ACMGの基準:女性の変化も報告)
ABCD1 X連鎖副腎白質ジストロフィー(2025年に追加) X連鎖(ACMGの基準:女性の片方だけの変化は報告しない)
CYP27A1 脳腱黄色腫症(2025年に追加) 潜性
GAA ポンペ病 潜性
BTD ビオチニダーゼ欠損症 潜性
HFE 遺伝性ヘモクロマトーシス(ACMGの基準:p.C282Yを両方にもつ場合だけ報告) 潜性
RYR1・CACNA1S 悪性高熱症 顕性
ACVRL1・ENG 遺伝性出血性毛細血管拡張症(HHTの遺伝子検査) 顕性
TTR 遺伝性トランスサイレチンアミロイドーシス(TTR遺伝子検査) 顕性
HNF1A 若年発症成人型糖尿病(MODYの遺伝子検査) 顕性
ATP7B ウィルソン病 潜性
RPE65 RPE65関連網膜症 潜性

※分類・病名・遺伝のしかた・報告の範囲はACMG SF v3.3[1]による。

2025年に追加された3遺伝子(ABCD1・CYP27A1・PLN)

2025年のSF v3.3で加わった3遺伝子は、どれも「早く知れば、間に合う対応がある」と判断された遺伝子です[1]。

  • ●PLN:すでにリストにあった突然死にかかわる遺伝子と同じくらいの浸透率とされ、ACMGは思春期から遺伝学的な確認と心臓の検査を行うことを勧めています。
  • ●CYP27A1:まれな病気ですが、ケノデオキシコール酸という飲み薬の治療を間に合う時期に始めると、重い神経の症状や早い死亡を防げるとされています。
  • ●ABCD1:男性(X染色体が1本)の副腎白質ジストロフィーには治療があり、治療に間に合う時期が限られていることから加えられました。ACMGは、女性で片方のX染色体だけに変化がある場合は、主に病気の経過を変える治療のない病型であるため、二次的所見としては報告しないとしています。

4. 病的変異が見つかったら、次にできること

病的変異が見つかったときに大切なのは、病名がわかることそのものより、そこから「何歳から、何を、どれくらいの間隔で」行えばよいかが決まることです。わかるだけで終わらないように、病気ごとの主な対応と、ご家族・お子さんのためにできることをまとめます。実際の検診や治療は、それぞれの専門の医療機関で受けていただきます。

病気ごとの「次の一手」

🩺 見つかった遺伝子ごとの主な対応

病気(遺伝子) 主な対応
遺伝性乳がん卵巣がん(BRCA1・BRCA2) 乳房MRIを25歳から毎年、マンモグラフィを30歳から毎年。卵巣がんには有効な検診がないため、出産を終えるかどうかも考えながらリスク低減卵管卵巣摘出術を検討。両側の乳房の予防的な切除も選択肢[2]
リンチ症候群(MLH1・MSH2・MSH6・PMS2) 20〜25歳から1〜2年ごとの大腸内視鏡で、がんになる前のポリープを取る。アスピリンで大腸がんのリスクが下がったとの報告がある。出産を終えたあとの子宮・卵巣の予防的な切除も検討できる[3]
QT延長症候群(KCNQ1・KCNH2など) QTを延ばす薬を避ける。KCNQ1の変化をもつ方では、β遮断薬などの交感神経の働きを抑える治療がとくに効果的とされる[4]
心筋症・不整脈の遺伝子(症状がない場合) 症状がなくても、決まった間隔で心臓の診察・検査を受ける[4]。PLNでは思春期から心臓の検査を始めることが勧められている[1]
家族性高コレステロール血症(LDLR・APOB・PCSK9) 日本の小児のガイドラインでは、LDLコレステロールが180mg/dLを超える状態が続けば10歳ごろから薬の治療を考え、第一選択はスタチン。同じ病気のご家族を見つけるための家族内の調査も勧められている[5]
悪性高熱症(RYR1・CACNA1S) 吸入の全身麻酔薬(揮発性麻酔薬)とスキサメトニウムが引き金になるため、手術や麻酔の前に必ず伝える。プロポフォールやケタミンは引き金にならないとされる[6]
脳腱黄色腫症(CYP27A1) 間に合う時期にケノデオキシコール酸の内服を始める[1]

※主な対応は各文献[1]〜[6]の記載をまとめたもので、どの対応が合うかは、ご年齢・性別・ご家族の病歴・ご本人の希望で変わります。表にない病気にも、それぞれ決まった見張りや治療の方法があり、結果のご説明のときにお伝えします。

⚠️ 病的変異があっても、必ず発症するわけではありません

同じ病的変異をもっていても、発症するかどうか、何歳で発症するかは人によって違います(浸透率)。見つかったことは「必ず病気になる」という意味ではなく、「見張っておく理由がわかった」という意味です。だからこそ、病気が出る前から計画を立てる価値があります。

症状のないご本人とご家族:同じ変化をピンポイントで調べる

あなたに病的変異が見つかると、ご両親・きょうだい・お子さんは、同じ変化をもっているかどうかを、その一か所だけ調べて確かめられます。このように、わかった変化を血縁者で順にたどる検査をカスケード検査といいます。心臓の遺伝性の病気の国際的な専門家の合意文書は、遺伝子検査のいちばんの利点は、家族の中で同じ変化をもつ人を見つけられることだとしています[4]。

多くの遺伝子は常染色体顕性(優性)遺伝なので、ご家族それぞれが同じ変化を受け継いでいる確率は、親から子へ1人ごとに2分の1です。受け継いでいないとわかったご家族は、その病気について、あなたと同じ見張りをしなくてよくなります。受け継いでいたご家族は、症状が出る前から検診や予防の計画を立てられます。症状のないご家族の検査は、ご本人の意思で受けていただくもので、検査の前に遺伝カウンセリングで、知ることの意味をよく考えていただきます。

子どもを持つときの選択肢

病的変異をもっていても、お子さんを持つことをあきらめる必要はありません。知ったうえで、次のような選択肢から考えることができます。どれを選ぶかはご夫婦の考え方しだいで、どの選択も尊重します。

  • ●自然に妊娠して、赤ちゃんを調べる:ご家族の変化がわかっていれば、妊娠したときに、赤ちゃんが同じ変化を受け継いでいるかを単一遺伝子疾患の出生前診断で調べられます。絨毛・羊水からの胎児の出生前診断は当院で承っております。行えるかどうかは病気ごとに個別に判断するので、妊娠を考えている段階からご相談ください。
  • ●NIPTで調べられる遺伝子:この検査の84遺伝子のうち、LMNA・TSC1・TSC2は当院のNIPTのダイヤモンドプラン・インペリアルプランで、FBN1・NF2・SMAD3・SMAD4・TGFBR1・TGFBR2はインペリアルプランで調べられます。当院のNIPTは妊娠9週から受けられ、妊娠6〜8週は臨床研究として受けられます。ただし、遺伝子がNIPTの対象に入っていることと、ご家族でわかっている特定の変化を赤ちゃんが受け継いでいるかを確かめられることは、別のことです。ご家族の変化を受け継いでいるかを調べる方法は、変化の内容と、どちらの親から伝わる変化かによって変わるため、妊娠を考えている段階から遺伝カウンセリングで個別にご相談ください。
  • ●着床前の検査(PGT-M):日本では日本産科婦人科学会の指針にもとづく審査を経て行われており、海外で受ける方もいます(次の項目で解説)。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。
  • ●特別な検査をせずに妊娠・出産する:これもそのまま選べる選択肢です。生まれたあとの検査の時期は、病気ごとに考えます。小児期から検診・予防・治療が必要になる病気では、早い時期の検査を検討します。小児期の対応が必要ない場合は、お子さんがご自身で決められる年齢になってから検査を考える方法もあります。

海外でPGT-M(着床前遺伝学的検査)を考えている方へ:英語の検査結果をお渡しできます

PGT-Mは、体外受精でできた受精卵(胚)の一部の細胞を調べ、ご家族でわかっている遺伝子の変化を受け継いでいない胚を選んで子宮に戻す検査です。当院は体外受精・PGT-Mを行っていません。当院でできるのは、原因の遺伝子の変化を確かめること、海外で使える英語の検査結果のご用意、遺伝カウンセリング、ご家族の遺伝子検査、妊娠したあとの絨毛検査・羊水検査です。

欧州ヒト生殖胎生学会(ESHRE)のPGTの推奨では、PGT-Mの準備として、病気の原因と確かめられた変化があること、その変化が書かれた元の報告書があること、そして変化をもつ染色体を家系の中でたどるためのご家族の検体が求められます[7]。受精卵から取れるDNAはごくわずかで、変化を直接読むだけでは判定を誤るおそれがあるため、変化の両側にある目印を家系で追う方法を組み合わせるからです。ご本人の検査結果だけでは、PGT-Mの準備はふつう整いません。顕性遺伝の病気では、発症したご家族(できれば2人)や、発症していないご家族の検体が目安とされています[7]。

臨床遺伝専門医としての判断では、意義がまだわからない変化(VUS)は病気の原因と確かめられていないため、そのままPGT-Mの対象にするのは難しいと考えます。海外でPGT-Mを考えている方は、ご本人の検査の段階から、検査に協力していただけるご家族(とくに同じ変化をもつ方)がいるかを考えておくことが大切です。当院では、ご家族の遺伝子検査も、遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。必要な準備は海外でPGT-Mを考えている方へで詳しく解説しています。

5. この検査でわかること・わからないこと

この検査でわかるのは、84遺伝子のたんぱく質を作る部分(エクソン)とその境目にある、病気の原因になる小さな変化です。どんな遺伝子検査にも限界があり、「陰性なら一生安心」という検査ではありません。受ける前に、わからないことも知っておいてください。

わかること

  • ●84遺伝子の、遺伝子の文字(塩基)が1つ変わる変化や、小さな挿入・欠失
  • ●オプションの欠失・重複の解析を行う場合は、遺伝子まるごと1つの欠失・重複(血液・頬の粘膜の検体)と、となり合う2つ以上のエクソンの欠失・重複(血液の検体のみ)。1つのエクソンだけの欠失・重複は、ふつうは検出されません
  • ●リンチ症候群の原因になるMSH2のエクソン1〜7の逆位(ブーランド逆位)も調べます

わからないこと

  • ●84遺伝子以外の遺伝子:84遺伝子に入っていない遺伝子の病気は調べていません。足りない遺伝子は、カスタマイズ遺伝子パネル検査で追加して調べられます
  • ●染色体の組み換わり:転座・逆位などの構造の変化(検出対象としているMSH2のエクソン1〜7の逆位を除く)
  • ●繰り返し配列の伸び:3塩基・6塩基などの繰り返しが長くなる変化(リピート伸長)
  • ●遺伝子の調節部分:プロモーターなどの多くの調節領域や、エクソンから20塩基より離れたイントロンの奥の変化
  • ●体の一部の細胞だけの変化:モザイクや、がん細胞などに後から起きた変化は、調べる目的で作られていません
🔬 検査の精度について(専門的な説明)

次世代シーケンス(NGS)という方法で、対象の領域の99%以上を読み取ります。似た配列をもつ遺伝子(偽遺伝子など)が判定のじゃまをしないよう解析を工夫していますが、まれに影響を受けることがあります。読み取りの質が低い変化は、別の方法(サンガー法)で確かめます。見つかった欠失・重複は、別の原理の方法(qPCR法やMLPA法)でもう一度確かめてから報告します。

「陰性=一生安心」ではない理由と、意義がまだわからない変化(VUS)

84遺伝子に病的変異が見つからなくても、がんや心臓の病気にならないという意味ではありません。多くのがんや心臓病は、遺伝子だけでなく、年齢や生活の影響が重なって起こります。陰性の方も、年齢に合わせたふつうの健診は続けてください。ご家族の病歴から特定の遺伝性の病気が疑われる場合は、その病気に合わせた検査を考えます(第2章の表)。

また、病気の原因になるかどうかがまだ判断できない変化をVUS(臨床的意義不明のバリアント)といいます。VUSは、それだけで診断に使ったり、ご家族の検査に使ったりはしません。研究が進んで、のちに意味がはっきりすることもあります。

6. 結果が出たあと

結果は、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで直接ご説明してから、マイページにアップします。結果だけをお送りすることはありません。結果の報告書の見かたは、遺伝子検査結果の見かたでも解説しています。

病的変異が見つかったとき

どの遺伝子のどんな変化か、関係する病気、何歳から何をすればよいか(第4章)、ご家族への影響をご説明します。検診や治療は、それぞれの専門の医療機関で受けていただくことになるため、受診の進め方もお伝えします。

病的変異が見つからなかったとき

84遺伝子に、報告の対象になる変化は見つからなかった、という結果です。前の章のとおり、ほかの遺伝子の病気や、遺伝子以外の原因の病気まで否定するものではありません。ご家族の病歴に合わせて、別の検査が必要かどうかもご説明します。

VUSが報告されたとき

検査の報告方針によっては、VUSが報告されることがあります。VUSは、いまの時点では病気の原因と判断できない変化です。これをもとに手術や治療の方針を決めることはしません。ご本人の病歴やご家族の情報とあわせて、どう受け止めればよいかをご説明します。

結果の言語について

結果は、基本的に日本語版でお渡ししています。海外でPGT-Mを受けるなど、英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。英語版と日本語版の双方を希望される方は、追加料金5,500円で承ります。

7. 日本の制度(2026年10月時点)

84遺伝子の病気の中には、国の指定難病に含まれるものがあります。難病情報センターの一覧では、たとえば次の病気が指定難病として載っています(2026年10月時点で確認)。

  • ●19 ライソゾーム病/20 副腎白質ジストロフィー/28 全身性アミロイドーシス/34 神経線維腫症
  • ●168 エーラス・ダンロス症候群/171 ウィルソン病/227 オスラー病

医療費の助成を受けるには、病気ごとの認定の基準を満たし、申請する必要があります。遺伝子検査で病的変異が見つかったことだけで、助成の対象になるわけではありません。基準や申請の方法は、難病情報センターや、お住まいの自治体の窓口でご確認ください。

なお、ミネルバクリニックの検査はすべて自費診療です。

8. 検査の流れ・費用・結果までの日数・検体

検査費用は税込330,000円、結果までは3〜5週間です。検査の前に、臨床遺伝専門医が遺伝カウンセリングで、この検査で何がわかり、何がわからないかをご説明します。検査を受けるかどうかは、説明を聞いて納得してから決めていただきます。

ご予約
▶
遺伝カウンセリング臨床遺伝専門医
▶
検体の採取血液・頬の粘膜・唾液など
▶
結果のご説明3〜5週間後・マイページへ

💴 費用・日数・検体

項目 内容
対象遺伝子 84遺伝子(ACMG SF v3.3)
検査費用 330,000円(税込)
遺伝カウンセリング料 30分22,000円(税込)※検査費用とは別
結果までの期間 3〜5週間
検体 血液(EDTA採血管4mL×2本)・抽出したDNA(3µg)・頬の粘膜・唾液のいずれか
結果のお渡し 遺伝カウンセリングでご説明したあと、マイページにアップ(基本は日本語版)

※遺伝カウンセリング料は、基本はおひとりずつかかります。おふたり(ご家族)が同じ診療枠で、かつ同時に検査を受ける場合は、一人分をサービスします(おふたりで22,000円)。検査を受けずにご相談だけの場合は、人数分かかります。

この検査は、遺伝診療先進国・米国の3大遺伝子検査会社の一角で行います。※

※「3大遺伝子検査会社」は、遺伝性がんや周産期(出生前検査・保因者検査)を含む遺伝子検査全般を手がける米国の検査専業会社のうち、2025年通期の売上高が上位の3社を指します(各社の決算発表にもとづく当院調べ)。がん検診やリキッドバイオプシーに特化した会社は含みません。

オンライン診療にも対応しています。オンラインの場合は、遺伝カウンセリング料金を事前にお支払いください。ご来院の場合、院内は全室個室で、受診枠を90分とり、ほかの患者さんと時間が重ならないようにしているため、院内でほかの患者さんと顔を合わせることはありません。遺伝カウンセリングの内容については、遺伝カウンセリングとはでも解説しています。

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9. 院長コラム

仲田洋美院長

🩺 院長コラム【がんと心臓を、一度の検査で見わたす意味】

私は臨床遺伝専門医であると同時に、がん薬物療法専門医・総合内科専門医でもあります。がんは腫瘍内科、心臓は循環器内科、コレステロールは代謝内科と、病院では診療科が分かれています。けれども、生まれ持った遺伝子は一人の体に一組しかありません。アクショナブル遺伝子の検査は、診療科の壁を越えて、「この人の体で、先回りして手を打てることは何か」を一度に見わたす検査だと考えています。

私自身、希少な常染色体顕性(優性)遺伝性疾患の当事者です。子どもに病気を受け渡したくない、という遺伝の病気をもつ方の思いはよくわかります。また、お子さんが重い症状で発症したのをきっかけに、ご自身も同じ遺伝子の変化を持っていたとわかり、自分のせいだと責めてしまう親御さんを、何度も見てきました。私の当事者としての話は、遺伝性疾患の当事者として、臨床遺伝専門医になった理由に書いています。

遺伝子の変化は誰にでも起こりうるもので、誰のせいでもありません。遺伝子検査は、やってみないとわからないことを、何度も経験してきました。検査をしないと何も言えない、というのが私の確固たる考えです。こうした経験から、当院では、検査を受けずにリスクだけをご説明することはしておりません。検査をせずにリスクをお伝えするほうが、かえって危険だと考えているためです。

わからないまま悩み続けるより、わかったことから次を考えるほうが前に進める、と考えています。病的変異が見つかったら、それは「怖い知らせ」ではなく、ご自身とご家族が先回りするための地図です。結婚前・妊娠前・妊娠中・ご自身の健康管理と、それぞれのライフステージで、遺伝の専門医として支えます。どの選択をされても、その選択を尊重します。

よくある質問(FAQ)

Q1. アクショナブル遺伝子とは何ですか?

病気の原因になる変化(病的変異)が見つかったときに、症状が出る前から検診を始める・予防の治療を受ける・避けるべき薬を知るなど、医療で先回りの対応ができる遺伝子のことです。この検査では、米国臨床遺伝・ゲノム学会(ACMG)が2025年に公表したリスト(SF v3.3)の84遺伝子を調べます。

Q2. 二次的所見とは何ですか?

全エクソーム解析や全ゲノム解析を別の目的で行ったときに、目的の病気とは別に、あえて探して本人に伝える、医療で対応できる病気の遺伝子の変化のことです。ACMGはその対象の遺伝子をリストにして毎年見直しており、2025年の最新版(SF v3.3)は84遺伝子です。

Q3. 健康な人が遺伝子検査を受けるのは無駄ではありませんか?

この検査の84遺伝子は、病的変異が見つかれば、何歳からどんな検診を受けるか、どんな薬に気をつけるかなど、医療で対応できることが決まっている遺伝子です。症状が出る前に知ることで、先回りの計画が立てられます。一方で、陰性でも遺伝性の病気の心配がすべてなくなるわけではなく、ご家族に特定の病気が多い方には別の検査が向くこともあるため、遺伝カウンセリングで目的に合う検査を一緒に選びます。

Q4. 84遺伝子に入っていない遺伝子も調べられますか?

調べられます。84遺伝子に入っていない遺伝子は、カスタマイズ遺伝子パネル検査で追加して調べられます。がんに絞って広く調べたい方には遺伝性がん遺伝子検査(154遺伝子)、心臓の病気に絞りたい方には心血管疾患包括パネル(264遺伝子)もあります。

Q5. 病的変異が見つかったら、家族も検査を受けたほうがよいですか?

ご家族は、あなたに見つかった変化だけをピンポイントで調べて、同じ変化をもっているかを確かめられます。多くの遺伝子は常染色体顕性(優性)遺伝で、親から子へ1人ごとに2分の1の確率で受け継がれます。受け継いでいなければ同じ見張りは不要になり、受け継いでいれば症状が出る前から計画を立てられます。症状のないご家族の検査はご本人の意思で受けるもので、事前に遺伝カウンセリングを行います。

Q6. 結果によっては結婚に差し支えますか?

病的変異が見つかっても、結婚してはいけないという意味ではありません。わかったことで、ご自身の検診や予防の計画が立ち、お子さんを持つときにも出生前診断などの選択肢を前もって考えられます。結婚や妊娠を考えている方には、知ったうえで選べるよう、遺伝カウンセリングから出生前診断まで当院で続けてお手伝いします。

Q7. 海外でPGT-Mを受けたいのですが、英語の検査結果はもらえますか?

はい。英語の原本が必要な方には英語版をお渡ししますので、検査の時にお申し出ください。ただし、PGT-Mの準備には、ご本人の結果だけでなく、変化をもつ染色体を家系でたどるためのご家族の検体が必要になるのがふつうです。当院は体外受精・PGT-Mを行っていませんが、ご家族の遺伝子検査は遺伝カウンセリングのうえでお受けしています。

Q8. 費用と結果までの期間を教えてください。保険は使えますか?

検査費用は330,000円(税込)、結果までは3〜5週間です。遺伝カウンセリング料は30分22,000円(税込)で、検査費用とは別にかかります。当院の検査はすべて自費診療です。

🧬 一生変わらない設計図を、一度の検査で

生まれ持った遺伝子は一生変わりません。84のアクショナブル遺伝子でわかったことは、ご自身の検診や予防の計画だけでなく、ご家族が自分の状態を知る手がかりにも、これからの結婚・妊娠の計画にもなります。当院では臨床遺伝専門医が常駐し、検査の前後の遺伝カウンセリングから、ご家族の検査、羊水検査・絨毛検査による出生前診断まで、院内で続けて受けていただけます。

お電話でのお問い合わせ:03-3478-3768

参考文献

  • [1] Lee K, Abul-Husn NS, Amendola LM, et al. ACMG SF v3.3 list for reporting of secondary findings in clinical exome and genome sequencing: a policy statement of the American College of Medical Genetics and Genomics (ACMG). Genet Med. 2025;27(8):101454. [DOI: 10.1016/j.gim.2025.101454](PMID: 40568962)
  • [2] Petrucelli N, Daly MB, Pal T. BRCA1- and BRCA2-Associated Hereditary Breast and Ovarian Cancer. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 1998 (Last revision: 2026 Mar 25). [NCBI Bookshelf NBK1247]
  • [3] Idos G, Valle L. Lynch Syndrome. In: GeneReviews®. University of Washington, Seattle; 2004 (Updated 2021 Feb 4). [NCBI Bookshelf NBK1211]
  • [4] Wilde AAM, Semsarian C, Márquez MF, et al. European Heart Rhythm Association (EHRA)/Heart Rhythm Society (HRS)/Asia Pacific Heart Rhythm Society (APHRS)/Latin American Heart Rhythm Society (LAHRS) Expert Consensus Statement on the state of genetic testing for cardiac diseases. J Arrhythm. 2022;38(4):491-553. [DOI: 10.1002/joa3.12717]
  • [5] Harada-Shiba M, Ohtake A, Sugiyama D, et al. Guidelines for the Diagnosis and Treatment of Pediatric Familial Hypercholesterolemia 2022. J Atheroscler Thromb. 2023;30(5):531-557. [DOI: 10.5551/jat.CR006]
  • [6] Rosenberg H, Pollock N, Schiemann A, Bulger T, Stowell K. Malignant hyperthermia: a review. Orphanet J Rare Dis. 2015;10:93. [DOI: 10.1186/s13023-015-0310-1]
  • [7] ESHRE PGT-M Working Group, Carvalho F, Moutou C, et al. ESHRE PGT Consortium good practice recommendations for the detection of monogenic disorders. Hum Reprod Open. 2020;2020(3):hoaa018. [DOI: 10.1093/hropen/hoaa018]

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仲田洋美 医師(臨床遺伝専門医)

この記事の監修・執筆者:仲田 洋美

(臨床遺伝専門医/がん薬物療法専門医/総合内科専門医)

ミネルバクリニック院長。1995年に医師免許を取得後、 臨床遺伝学・内科学・腫瘍学を軸に診療を続けてきました。 当サイトの記事は、院長が自ら執筆し、医学的な内容を確認してから公開しています。

出生前診断(NIPT・確定検査・遺伝カウンセリング)においては、 検査結果の数値そのものだけでなく、 「結果をどう受け止め、どう生きるか」までを医療の責任と捉え、 一貫した遺伝カウンセリングと医学的支援を行っています。

ハイティーンの時期にベルギーで過ごし、 日本人として異文化の中で生活した経験があります。 価値観や宗教観、医療への向き合い方が国や文化によって異なることを体感しました。 この経験は現在の診療においても、 「医学的に正しいこと」と「その人にとって受け止められること」の両立を考える姿勢の基盤となっています。

また、初めての妊娠・出産で一卵性双生児を妊娠し、 36週6日で一人を死産した経験があります。 その出来事は、妊娠・出産が女性の心身に与える影響の大きさ、 そして「トラウマ」となり得る体験の重みを深く考える契機となりました。 現在は、女性を妊娠・出産のトラウマから守る医療を使命の一つとし、 出生前診断や遺伝カウンセリングに取り組んでいます。

出生前診断は単なる検査ではなく、 家族の未来に関わる重要な意思決定です。 年齢や統計だけで判断するのではなく、 医学的根拠と心理的支援の両面から、 ご家族が後悔の少ない選択をできるよう伴走することを大切にしています。

日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医/日本内科学会認定 総合内科専門医/ 日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医。 2025年には APAC地域における出生前検査分野のリーダーとして国際的評価を受け、 複数の海外メディア・専門誌で特集掲載されました。

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